JP4316448B2 - プレス用金型装置 - Google Patents
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Description
従来のクッション機能を備えたプレス用金型装置としてプレス装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
図17は、従来の技術の基本構成を説明する図であり、従来のプレス装置は、プレスマシンのホルダ201に、圧力の調整が可能な弾性体202を配列したパッド圧調整手段203を取り付け、弾性体202とパッド204の間にロッドからなる圧力伝達体205を設けたもので、弾性体202を異なる圧力に設定した弾性体202に入れ替えることで、パッド圧の設定を個別に行うことができるとともに、上型206の弾性体が不要になる分だけ上型を小さくすることができるというものである。
第1の対策では、金型の汎用性がなくなる。
第2の対策では、パッド圧調整手段203を製作する費用が発生し、生産コストが高騰する。
図1は、本発明のプレス用金型装置の概念図であり、プレス用金型装置11は、金型本体12と、この金型本体12に着脱可能にかつ昇降可能(矢印a1の方向)に取り付けたワーク押さえパッド13のパッド本体14と、このパッド本体14と金型本体12とに取り外し可能に介在させ、図右下の第1プレス機15を使用する際に用いるクッション装置16と、このクッション装置16の代替品であり、第2プレス機17を使用する際に用いる押圧力伝達ロッド18とからなる。
第2プレス機17は、上下に往復運動する第2ラム25と、第2ラム25に取り付けたクッション手段26と、第2ラム25に対向し金型(下金型61)を固定する第2ボルスタ27と、を備えるプレス機である。
クッション非保有金型装置11Cは、金型本体12側と押圧力伝達ロッド18を矢印a2,a3のフローのように組合わせて構成する。
クッション保有金型装置11Pは、金型本体12側とクッション装置16を矢印a4,a5のフローのように組合わせて構成する。
次にクッション手段26を備えた第2プレス機17とプレス用金型装置11との組合せで成形を行う場合について説明する。
クッション非保有金型装置11Cは、既に説明したように、押圧力伝達ロッド18・・・を用いる。
押圧力伝達ロッド18の材質は、金属である。
パッド本体14は、上部に凸状の受圧部52・・・を所定面積に形成し、受圧部52に嵌合穴53を、嵌合部44に対して所定のはめあいとなるように形成し、嵌合穴53の底部にめねじ54を加工し、側部に規制溝55を形成し、下部に押さえ面56を形成したもので、ワークW(図6参照)を所望の力で押さえる。
パッド本体14の形状や配置位置は任意であり、例えば、ブランク材の端を押さえるように配置しすることも可能である。
下金型61は、中央にワーク押さえ部64を形成し、ワーク押さえ部64に連ねて型部65を所定の成形形状に形成したものである。
両用開口部71は、上述したように、貫通部72を開け、シリンダ用座面73を形成した部位であり、シリンダ用座面73には、めねじ74・・・をボルト41・・・(図1参照)に対応するように加工した。
ラム取り付け部68には、位置決めピン33(図2参照),33(図2参照)を嵌める第2位置決め穴75,75を形成した。
図2に示すように、まず、押圧力伝達ロッド18・・・をラム取り付け部68の両用開口部71・・・に矢印b1・・・のごとく通す。
金型本体12のラム取り付け部68を貫通させた後、パッド本体14のめねじ54に押圧力伝達ロッド18のおねじ45をねじ込む。引き続き、押圧力伝達ロッド18・・・を全数、工具77で矢印b2のごとく締め付けることで、パッド本体14の受圧部52(図2参照)に押圧力伝達ロッド18の第1当接端部43を密着させる。
なお、下金型61と上金型62とは、連結部材(図に示していない。)で一体的に連結されている。
最後に、第2プレス機17に下金型61及び上金型62をクランプ手段(図に示していない。)で固定する。
次に成形について簡単に説明する。
金型本体12を開き、ワークWであるところのブランク材78を二点鎖線で示すようにセットする。金型本体12を開く過程で、クッション手段26のロッドレスシリンダ32・・・は、前進(矢印b3の方向)して押圧力伝達ロッド18・・・を介してパッド本体14を前進限位置81(距離B)までストロークさせる。
連続して、上金型62を成形の下限82まで下降させることで、成形品83を得る。この過程では、クッション手段26のロッドレスシリンダ32・・・に抗して上金型62を下降させるとともにワーク押さえパッド13を、ロッドレスシリンダ32・・・のストロクS1に対応する距離Sp(Sp=S1)だけ後退(矢印b5の方向)させるから、ブランク材78の所定位置に力を矢印b6のごとく加え、成形品83を成形する。
ここでは、クッション非保有金型装置11Cからクッション保有金型装置11Pに変更する例で説明する。
まず、プレス用金型装置11(クッション非保有金型装置11C)から押圧力伝達ロッド18・・・を取り外す。押圧力伝達ロッド18・・・を取り外す手順は、押圧力伝達ロッド18・・・を取り付けた手順と逆の手順で行う。つまり、図4に示す状態と同様に、押圧力伝達ロッド18・・・を緩め、図2のように押圧力伝達ロッド18・・・を取り外すと、図1の図上の金型本体12側の状態に戻る。
押圧力伝達ロッドを取り外したなら、引き続き、パッド本体14を取り外す。まず、ストッパーピン51を抜き取り、金型本体12の上金型62を吊り上げる。
なお、この例では、上金型62を吊り上げたが、天地反転してパッド本体14を吊り上げてもよい。
その次に、クッション装置16を取り付ける。具体的には、ラム取り付け部68に形成した両用開口部71・・・のシリンダ用座面73・・・にシリンダ36・・・のフランジ部37・・・をボルト41・・・で取り付ける。
シリンダ36・・・を付けた後、パッド本体14を元に戻す。具体的には、金型本体12の上金型62を下げて、パッド本体14に上金型62を嵌め、パッド本体14の受圧部52・・・にシリンダ36・・・のロッド38・・・を当てる。当たると、パッド本体14は前進限位置81に位置することになる。そして、ストッパーピン51を元に戻すために、嵌める。
最後に、第1プレス機15に下金型61及び上金型62をクランプ手段(図に示していない。)で固定する。
クッション保有金型装置11Pで成形を開始する。金型本体12を開き、ワークWとしてのブランク材78を二点鎖線で示すようにセットする。
ブランク材78をセットした後、上金型62とともにワーク押さえパッド13を下降させ、ブランク材78を押さえる。その際、パッド本体14はシリンダ36・・・による押し付け力でブランク材78の中央に所定の押し付け力を付与しつつ、シリンダ36・・・のストロクSm(通過位置)に対応する距離だけ後退(矢印b8の方向)するとともに、下金型61のワーク押さえ部64にブランク材78の中央を矢印b9のごとく押し続ける。
ここでは、プレス機として第2プレス機17を用い、クッション装置としてクッション手段26を用いて説明する。
第2プレス機17は、詳しくは、第2ラム25にピッチP1で形成したT溝91・・・と、第2ラム25に取付けた第1基準ピン92,92を備える。C1はT溝91の中心線を示す。
次にボルト穴104・・・に対応するT溝嵌合部材93について説明する。
T溝嵌合部材93は、第2ラム25のT溝91に嵌合する本体105を形成し、本体105にめねじ106・・・をピッチPt(Pt=Ph)で形成したものである。
本体105は、長さをLbとした。長さLbは、第2ラム25の幅Wとほぼ同じ長さで、例えば、2200mmとした。
本体105の材質は任意であり、例えば、S45C(機械構造用炭素鋼)を用いる。
まず、T溝嵌合部材93を第2ラム25のT溝91に矢印e1のように嵌め、端面107,108同士を目安に揃える。その次に、第2ラム25を下降させクッション手段26に接触させた後、ボルト穴104・・・にボルト111・・・を通してT溝嵌合部材93に矢印e2のようにねじ込む。
予め、クッション装置(クッション手段)26と金型(金型本体)12(下金型61と上金型62を備える。)とを、第2基準ピン98,98を第2位置決め穴75,75に嵌めることで位置決めし、クッション手段26と金型本体12を一体的に、例えば、ボルト112・・・で組み合わせる。引き続き、第2基準ピン98,98を矢印e3のように引き抜く。
なお、クッション手段26が金型本体12に対して少し(例えば、6mm)移動してもロッドレスシリンダ32と押圧力伝達ロッド18との間で問題は起きない。
また、第2ボルスタ27上を金型本体12が移動しないので、第2ボルスタ27の面に傷が付かない。
最後に、第2ラム25とともにクッション手段26を上昇させ、T溝嵌合部材93にボルト111・・・をねじ込み、クッション手段26をより確実に固定する。
第2ラム25とともにクッション手段26を下降し、クッション手段26に上金型62をボルト112・・・で取付ける。
クッション手段26と金型(金型本体)12(下金型61と上金型62を備える。)で成形作業を開始する。
クッション手段26では、T溝99を備えるので、金型(金型本体)12(図15参照)とは異なる金型121であっても、T溝99を用いて金型121を取付けることができ、クッション手段26の汎用性を図ることができる。
また、プレス用金型装置11では、ラムにクッション手段26を配置したが、ボルスタ側にクッション手段26に相当するものを配置することも可能である。
Claims (1)
- ワークを押さえるワーク押さえパッドを昇降可能に備え、プレス機に取り付けて使用するプレス用金型装置において、
このプレス用金型装置は、金型本体と、この金型本体に着脱可能にかつ昇降可能に取り付けたパッド本体と、このパッド本体と前記金型本体とに取り外し可能に介在させプレスの際にパッド本体の移動を圧力によって制御するクッション機能を有するクッション装置又はこのクッション装置の代替品であって前記金型本体を貫通しパッド本体とプレス機側とに介在させクッション機能を有しない押圧力伝達ロッドとからなり、
クッション手段を備えたプレス機には、金型本体とパッド本体と押圧力伝達ロッドとでプレス用金型装置を構成し、
クッション手段を備えないプレス機には、金型本体とパッド本体とクッション装置とでプレス用金型装置を構成することができることを特徴とするプレス用金型装置。
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