JP2004151491A - レーザ顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザ光源1とスキャナユニット7との間のレーザ光路上に1/2波長板23を設け、透過微分干渉観察のときにレーザ光2の偏光方向と照明側微分干渉素子16の光学軸方向とのなす角度を45度とし、照明側微分干渉素子16によりレーザ光2を互いに垂直な偏光方向を有する2つの光線2a、2bに分離して標本Sに照射し、蛍光観察のときに1/2波長板23の光学軸方向h23を22.5度の角度だけ傾けてレーザ光2の偏光方向h3を45度の角度だけ傾かせ、これにより、照明側微分干渉素子16においてレーザ光2は、偏光分離されない。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を標本に照射したときに標本から発せられる光、又は標本を透過した透過レーザ光を検出して標本像を観察するレーザ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ顕微鏡は、例えば医学、生物学の分野で用いられている。このレーザ顕微鏡は、レーザ光を励起光として標本に照射し、標本から発せられた蛍光を検出して標本像を構築したり、蛍光量を測定する。
【0003】
細胞等の標本の観察、測定に関する技術は、例えば特許文献1乃至4に記載されている。特許文献1には、標本における蛍光発光部位がどの部位であるのかの確認する技術、及びレーザ光の照射部位を探索したりするために標本を透過したレーザ光から透過像を取得し、この透過像から細胞の形状を確認する技術などが記載されている。特許文献2乃至3には、複数のレーザ光を使用して標本の蛍光像と透過像とを同時に検出する技術が記載されている。
【0004】
標本は、例えば生細胞であれば、無色透明体である。この標本に対する通常の透過観察では、標本像を得ることができない。このため、生細胞の標本像を得るには、透過微分干渉観察が用いられる。この旨は、例えば特許文献5に記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−219919号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平7−199075号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平9−243921号公報
【0008】
【特許文献4】
特開平11−174336号公報
【0009】
【特許文献5】
特開2002−107635号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
透過微分干渉観察に用いられるレーザ顕微鏡は、レーザ光路中に偏光分離プリズムである微分干渉素子を配置する。この微分干渉素子は、レーザ光を2つの光線に分離し、これら光線を標本面上にシェア量を持って照射する。
【0011】
又、同レーザ顕微鏡は、透過微分干渉観察の他に、蛍光観察にも用いられる。この蛍光観察は、レーザ光を標本に照射したときに標本から発せられる光を検出する。このような透過微分干渉観察と蛍光観察とを行うレーザ顕微鏡は、両観察中に微分干渉素子が配置されている。これにより、蛍光観察中においても、レーザ光は微分干渉素子を透過して2つの光線に分離されて標本に照射される。
【0012】
このため、蛍光観察で得られる標本像は、微分干渉素子を配置していないときに得られる標本像と比べて僅かに解像度が低下する。特に多光子吸収現象を利用した多光子励起蛍光観察を行う場合、標本面でレーザ光が2つの分離していると、多光子吸収確率が低下するので、蛍光の明るさが極端に暗くなる。
【0013】
このような標本像の解像度の低下及び多光子蛍光の像劣化を起こさないためには、蛍光観察時に微分干渉素子をレーザ光路から取り外す必要がある。
【0014】
しかしながら、微分干渉素子は、レーザ顕微鏡の対物レンズの直前に配置されているために、レーザ光路から挿脱する操作性が悪い。例えば、正立顕微鏡では、標本を載せるステージの上方に微分干渉素子が設けられている。ステージの上方には、レーザ顕微鏡の各機器が設けられている。
【0015】
このため、微分干渉素子は、レーザ光路から挿脱しにくく、かつ微分干渉素子の挿脱操作によって標本が汚染される可能性がある。さらに、微分干渉素子がレーザ光路から取り外されると、蛍光観察と透過微分干渉観察との同時観察ができなくなる。
【0016】
そこで本発明は、標本像の解像度の劣化及び画像劣化を生じないで蛍光観察と透過微分干渉観察とを簡単に切り替えたり、同時に観察できるレーザ顕微鏡を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、直線偏光されたレーザ光を標本に照射し、標本から発せられる光、及び標本を透過した透過レーザ光を検出するレーザ顕微鏡において、レーザ光を互いに異なる偏光方向を有する2つの光線に分離して標本に照射し、標本を透過した2つの光線を合成する微分干渉光学系と、微分干渉光学系により合成された光線に干渉を発生させて像を生じさせる偏光素子と、微分干渉光学系に入射するレーザ光の光路上に回転可能に設けられ、レーザ光の偏光方向と微分干渉光学系の光学軸方向とを相対的に変化させる1/2波長板とを具備したことを特徴とするレーザ顕微鏡である。
【0018】
本発明のレーザ顕微鏡において、直線偏光されたレーザ光の偏光方向と微分干渉光学系の光学軸方向とが0度、45度又は90度の角度をなすときに、1/2波長板は、回転することによりレーザ光の偏光方向と微分干渉光学系の光学軸方向とのなす角度をさらに22.5度回転させることが好ましい。
【0019】
本発明のレーザ顕微鏡において、1/2波長板は、レーザ光の光路に対して挿脱可能に設けられていることが好ましい。
【0020】
本発明のレーザ顕微鏡において、1/2波長板の光学軸は、レーザ光の偏光方向に対して22.5度又は67.5度の角度に固定されることが好ましい。
【0021】
本発明は、直線偏光されたレーザ光を標本に照射し、標本から発せられる光、及び標本を透過した透過レーザ光を検出するレーザ顕微鏡において、レーザ光を互いに異なる偏光方向を有する2つの光線に分離して標本に照射し、標本を透過した2つの光線を合成する微分干渉光学系と、微分干渉光学系により合成された光線に干渉を発生させて像を生じさせる偏光素子と、微分干渉光学系に入射するレーザ光の光路上に対して挿脱可能に設けられ、光学軸がレーザ光の偏光方向に対して22.5度又は67.5度の角度に固定された1/2波長板とを具備したことを特徴とするレーザ顕微鏡である。
【0022】
本発明のレーザ顕微鏡において、直線偏光されたレーザ光は、少なくとも2つ以上のレーザ光源から出力された各レーザ光を波長合成し、1/2波長板は、各レーザ光源から出力された各レーザ光の各光路上に設けられることが好ましい。
【0023】
本発明のレーザ顕微鏡において、各レーザ光源のうち少なくとも1つのレーザ光源は、超短パルスレーザであることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
図1はレーザ顕微鏡の構成図である。レーザ光源1は、直線偏光されたレーザ光2を出射する。
【0026】
一方、顕微鏡本体3には、標本Sを載置するステージ4と、複数の対物レンズ5を取り付けたレボルバ6とが設けられている。レボルバ6は、顕微鏡本体3に対して回転可能に設けられ、倍率の異なる複数の対物レンズ5のうちいずれか1つの対物レンズ5を光軸上に配置する。
【0027】
顕微鏡本体3には、スキャナユニット7が設けられている。このスキャナユニット7は、波長選択素子であるダイクロイックミラー8と、ガルバノミラー9と、ミラー10と、第1の光電変換素子11とを有する。
【0028】
ダイクロイックミラー8は、レーザ光2の入射光路上に設けられ、入射したレーザ光2を反射偏向し、かつ同反射偏向の光軸方向から逆に入射した光を透過する。
【0029】
ガルバノミラー9は、ダイクロイックミラー8の反射光路上に設けられ、ダイクロイックミラー8により反射偏向されたレーザ光2を2次元に走査する。
【0030】
ミラー10は、ダイクロイックミラー8の透過光路上に設けられている。第1の光電変換素子11は、ミラー10で反射された光を受光して光電変換する。
【0031】
ガルバノミラー9の走査光路上には、レンズ12、顕微鏡本体3内のミラー13及びレンズ14aを介してダイクロイックミラー15が設けられている。このダイクロイックミラー15は、ガルバノミラー9側から入射したレーザ光2を透過し、かつ同透過方向から逆に入射した光のうち特定波長の光を反射偏向する。
【0032】
このダイクロイックミラー15の透過光路上には、照明側微分干渉素子16を介して上記対物レンズ5が設けられ、かつダイクロイックミラー15の反射光路上には、第2の光電変換素子17が設けられている。この第2の光電変換素子17は、受光量に応じた電流レベルの電気信号に変換出力する。
【0033】
照明側微分干渉素子16は、ダイクロイックミラー15を透過したレーザ光2を互いに異なる偏光方向を有する2つの光線に分離する。
【0034】
この照明側微分干渉素子16により分離された2つの光線は、対物レンズ5を通して標本Sに照射され、この標本Sを透過する。
【0035】
この標本Sの透過光路上には、レンズ14bを介して観察側微分干渉素子18、偏光素子19及びミラー20が設けられている。
【0036】
観察側微分干渉素子18は、標本Sを透過した2つの光線を合成する。
【0037】
偏光素子19は、観察側微分干渉素子18により合成された2つの光線に干渉を生じさせ、明暗の像を作る。
【0038】
ミラー20の反射光路上には、第3の光電変換素子21が設けられている。この第3の光電変換素子21は、受光量に応じた電流レベルの電気信号に変換出力する。
【0039】
コンピュータ22は、第1乃至第3の光電変換素子11、17、21からそれぞれ出力された各電気信号を入力し、これら電気信号をそれぞれ処理して各画像化する。
【0040】
一方、レーザ光源1とスキャナユニット7との間のレーザ光路上には、1/2波長板23が設けられている。この1/2波長板23は、板面をレーザ光2の伝播方向に対して垂直方向に配置し、かつレーザ光2の伝播方向を回転軸方向として回転可能に設けられている。
【0041】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
【0042】
先ず、標本Sの透過微分干渉観察について説明する。
【0043】
レーザ光源1から直線偏光されたレーザ光2が出射されると、このレーザ光2は、1/2波長板23を透過し、ダイクロイックミラー8で反射偏向され、ガルバノミラー9に入射する。
【0044】
このガルバノミラー9は、ダイクロイックミラー8により反射偏向されたレーザ光2を2次元に走査する。
【0045】
この2次元走査されたレーザ光2は、レンズ12を通ってミラー13で反射され、レンズ14aを通ってダイクロイックミラー15に入射し、このダイクロイックミラー15を透過して照明側微分干渉素子16に入射する。
【0046】
この照明側微分干渉素子16は、図2に示すようにダイクロイックミラー15を透過したレーザ光2を互いに異なる偏光方向を有する2つの光線2a、2bに分離する。
【0047】
すなわち、レーザ光2の偏向方向と照明側微分干渉素子16の光学軸方向とが45度の角度を成していれば、照明側微分干渉素子16は、レーザ光2を互いに垂直な偏光方向を持つ2つの横ずれした各光線2a、2bに分離する。なお、図2は光線2aを図面に対して垂直な偏光方向とし、光線2bを図面に対して平行に偏光方向として矢印により表わす。
【0048】
このように横ずれした2つの光線2a、2bは、対物レンズ5により集光され、標本S上に照射される。このときレーザ光線2はガルバノミラー9によって2次元に走査されているので、2つの光線2a、2bは、標本S上の2次元平面上に走査される。
【0049】
これら光線2a、2bは、標本Sを透過するが、このとき、2つの光線2a、2bの間は、標本Sによって位相差が生じる。これら位相差の生じた2つの光線2a、2b間は、レンズ14bを介して観察側微分干渉素子18に入射する。
【0050】
この観察側微分干渉素子18は、標本Sを透過した2つの光線2a、2bを合成する。
【0051】
しかるに、偏光素子19は、観察側微分干渉素子18により合成された互いに位相差のある2つの光線2a、2bによって干渉を生じさせ、明暗の像を取得する。
【0052】
この干渉像は、ミラー20で反射し、第3の光電変換素子21に入射する。この第3の光電変換素子21は、受光量に応じた電流レベルの電気信号に変換出力する。
【0053】
コンピュータ22は、第3の光電変換素子21から出力された電気信号を入力し、この電気信号を処理して標本Sの透過干渉像を画像化する。
【0054】
次に、標本Sの蛍光観察について説明する。
【0055】
レーザ顕微鏡の光学系が上記透過微分干渉観察の状態であれば、レーザ光2は、照明側微分干渉素子16により互いに垂直な偏光方向を持つ2つの光線2a、2bに分離されて標本S上の2次元平面上に走査される。
【0056】
標本Sが蛍光試薬により染色されていると、この蛍光試薬が2つの光線2a、2bにより励起されて蛍光23を発する。
【0057】
この蛍光23は、2つの光線2a、2bの照射光路とは逆の光路、すなわち対物レンズ5から照明側微分干渉素子16を通ってダイクロイックミラー15に再び入射する。このダイクロイックミラー15は、照明側微分干渉素子16を透過した蛍光を透過する。
【0058】
この透過した蛍光は、レンズ14aを通り、ミラー13で反射し、レンズ12を通ってガルバノミラー9に入射し、さらにこのガルバノミラー9を通ってダイクロイックミラー8に入射する。そして、蛍光は、ダイクロイックミラー8を透過、ミラー10で反射して第1の光電変換素子11に入射する。この第1の光電変換素子11は、受光量に応じた電流レベルの電気信号に変換出力する。
【0059】
コンピュータ22は、第1の光電変換素子11から出力された電気信号を入力し、この電気信号を処理して標本Sの蛍光観察像を画像化する。
【0060】
或いは、照明側微分干渉素子16を透過した蛍光は、ダイクロイックミラー15で反射する。この反射した蛍光は、第2の光電変換素子17に入射する。この第2の光電変換素子17は、受光量に応じた電流レベルの電気信号に変換出力する。
【0061】
コンピュータ22は、第2の光電変換素子17から出力された電気信号を入力し、この電気信号を処理して標本Sの蛍光観察像を画像化する。
【0062】
このように透過微分干渉観察と同様の状態で蛍光観察を行うと、レーザ光2の光路中に照明側微分干渉素子16が配置され、レーザ光2が2つの光線2a、2bに分離されるので、蛍光観察像は、解像が若干低下する。
【0063】
これに対して本発明のレーザ顕微鏡では、レーザ光源1とスキャナユニット7との間に設けられた1/2波長板23をレーザ光2の伝播方向を回転軸として回転させる。この1/2波長板23の回転によりレーザ光2の偏光方向が変化する。
【0064】
すなわち、1/2波長板23が回転することにより、レーザ光2の偏光方向が45度回転すると、レーザ光2の偏光方向と照明側微分干渉素子16の光学軸方向とが0度、或いは90度の角度を成すようになる。これにより、レーザ光2は、照明側微分干渉素子16により2つの光線2a、2bに分離されない。
【0065】
従って、レーザ光2は、1本の光線として照明側微分干渉素子16を透過し、対物レンズ5を介して標本S上に2次元走査される。
【0066】
具体的に図3を参照して説明する。同図において2は直線偏光されたレーザ光、2−1は1/2波長板23を透過したレーザ光、2−2は照明側微分干渉素子16により分離された2つの光線2a、2bを示す。又、レーザ光2の垂直の偏光方向をh1、照明側微分干渉素子16の光学軸方向h2を図面上右に45度方向として示す。
【0067】
透過微分干渉観察のときに、1/2波長板23の光学軸方向h23が図3に示すように垂直方向になっていると、当該1/2波長板23を透過後のレーザ光2の偏光方向h3は、そのまま垂直である。
【0068】
このレーザ光2が照明側微分干渉素子16を透過すると、レーザ光2は、上記説明と同様に、互いに垂直な偏光方向を持つ2つの光線2a、2bに分離されて標本Sに照射される。なお、2つの光線2a、2bの偏光方向をh4に示す。
【0069】
この透過微分干渉観察から蛍光観察へ切り替えるために、図4に示すように1/2波長板23が回転し、当該1/2波長板23の光学軸方向h23が図面上右方向に22.5度の角度だけ傾くと、レーザ光2の偏光方向h3は、図面上右方向に45度の角度だけ傾く。
【0070】
これにより、照明側微分干渉素子16の透過後のレーザ光2は、45度の角度の偏光方向h4のみで、偏光分離されなくなる。
【0071】
なお、1/2波長板23の回転により当該1/2波長板23の光学軸方向h23が図面上左方向に22.5度の角度だけ傾いても、レーザ光2の偏光方向h3は、図面上左方向に45度の角度だけ傾き、照明側微分干渉素子16の透過後のレーザ光2は、45度の角度の偏光方向h4のみで、偏光分離されない。
【0072】
この結果、1本のレーザ光2が標本S上に2次元走査される。そして、標本Sからの蛍光は、第1又は第2の光電変換素子11、17に入射し、これら光電変換素子11、17での各受光量に応じた電流レベルの各電気信号に変換出力される。
【0073】
コンピュータ22は、第1又は第2の光電変換素子11、17から出力された各電気信号を入力し、これら電気信号を処理して標本Sの蛍光観察像を画像化する。この結果、解像の低下しない標本Sの蛍光観察像の画像が得られる。
【0074】
このように上記第1の実施の形態においては、レーザ光源1とスキャナユニット7との間のレーザ光路上に1/2波長板23を設け、透過微分干渉観察のときにレーザ光2の偏光方向と照明側微分干渉素子16の光学軸方向とのなす角度を45度とし、照明側微分干渉素子16によりレーザ光2を互いに垂直な偏光方向を有する2つの光線2a、2bに分離して標本Sに照射し、一方、蛍光観察のときに1/2波長板23の光学軸方向h23を22.5度の角度だけ傾けてレーザ光2の偏光方向h3を45度の角度だけ傾かせ、これにより、照明側微分干渉素子16においてレーザ光2を偏光分離させない。
【0075】
この結果、透過微分干渉観察から蛍光観察に切り替えても、この蛍光観察では、1本のレーザ光2を標本Sに2次元走査でき、解像を低下させることはない。従って、1/2波長板23を回転させるだけで容易に透過微分干渉観察から解像低下、画像劣化のない蛍光観察への観察方法の切り替えができる。
【0076】
この場合、1/2波長板23は、当該1/2波長板23の光学軸方向を右又は左方向への22,5度の角度回転させるだけで、透過微分干渉観察から蛍光観察への切り替えができる。
【0077】
従って、1/2波長板23の光学軸方向を0度のポジションと右又は左方向への22,5度のポジションとの2ポジションの切り替えで、容易に透過微分干渉観察と蛍光観察とを切り替え変更できる。
【0078】
又、1/2波長板23は、標本S面から離れたレーザ光源1とスキャナユニット7との間に設けられるので、透過微分干渉観察と蛍光観察との切り替えのときに標本Sを汚染する心配もなくなる。
【0079】
なお、1/2波長板23の配置位置は、レーザ光源1とスキャナユニット7との間に限られるものでなく、レーザ光源1と照明側微分干渉素子16との間であれば、この位置に必要に応じて配置しても上記同様の効果が得られる。
【0080】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1乃至図4と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0081】
図5はレーザ顕微鏡における主要部分の構成図である。このレーザ顕微鏡は、1/2波長板23がある固定設定された偏光方向でレーザ光2の光路に対して挿脱自在に構成されている。1/2波長板23は、例えば当該1/2波長板23の光学軸方向h23が上記第1の実施の形態と同様に22.5度の角度だけ傾いて固定設定されている。1/2波長板23の挿脱は、手動又は挿脱機構24により自動的に行ってもよい。
【0082】
このように1/2波長板23が挿脱自在な構成であれば、透過微分干渉観察のときに、1/2波長板23は、図6に示すようにレーザ光2の光路上から外される。これにより直線偏光されているレーザ光2は、そのままの偏光方向h3で照明側微分干渉素子16に入射する。
【0083】
従って、レーザ光2が照明側微分干渉素子16を透過すると、レーザ光2は、上記説明と同様に、互いに垂直な偏光方向を持つ2つの光線2a、2bに分離され、対物レンズ5により集光され、標本Sの2次元平面上に走査される。
【0084】
以下、上記第1の実施の形態と同様に、標本Sを透過した2つの光線2a、2bは合成され、偏光素子19により干渉が生じる。この干渉像は、第3の光電変換素子21により受光量に応じた電流レベルの電気信号に変換出力する。
【0085】
コンピュータ22は、第3の光電変換素子21から出力された電気信号を入力し、この電気信号を処理して標本Sの透過干渉像を画像化する。
【0086】
透過微分干渉観察から蛍光観察へ切り替えると、図7に示すように1/2波長板23がレーザ光2の光路上に挿入される。この1/2波長板23は、光学軸方向h23が22.5度の角度だけ傾いているので、レーザ光2の偏光方向h3は、図面上右方向に45度の角度だけ傾く。これにより、照明側微分干渉素子16の透過後のレーザ光2は、45度の角度の偏光方向h4のみで、偏光分離されなくなる。
【0087】
この結果、1本のレーザ光2が標本S上に2次元走査される。標本Sからの蛍光は、第1又は第2の光電変換素子11、17に入射し、ここで受光量に応じた電流レベルの電気信号に変換出力される。
【0088】
コンピュータ22は、第1又は第2の光電変換素子11、17から出力された電気信号を入力し、この電気信号を処理して標本Sの蛍光観察像を画像化する。この結果、解像の低下しない標本Sの蛍光観察像の画像が得られる。
【0089】
このように上記第2の実施の形態においては、レーザ光2の光路に対し、光学軸方向h23が22.5度の角度だけ傾いて固定設定された1/2波長板23を挿脱可能に設けたので、レーザ光2の偏光方向と照明側微分干渉素子16の光学軸方向とのなす角度が45度の場合、透過微分干渉観察時に1/2波長板23をレーザ光2の光路から取り外し、蛍光観察時に1/2波長板23をレーザ光2の光路に挿入するだけの簡単な操作で、透過微分干渉観察から解像低下、画像劣化のない蛍光観察に切り替えることができる。
【0090】
又、1/2波長板23は、標本S面から離れたレーザ光源1とスキャナユニット7との間に設けられるので、当該1/2波長板23の挿脱の操作のときに標本Sを汚染する心配もない。
【0091】
なお、1/2波長板23は、当該1/2波長板23の光学軸方向h23を図面上右方向に22.5度の角度だけ傾いて固定設定するのに限らず、図面上左方向に22.5度の角度だけ傾いて固定設定してもよい。
【0092】
一方、直線偏光されたレーザ光2の偏光方向と照明側微分干渉素子16の光学軸方向とが0度又は90度の角度を成していれば、1/2波長板23は、22.5度又は112.5度に固定設定すればよい。この場合、1/2波長板23をレーザ光2の光路に挿入することにより微分干渉観察ができる。又、1/2波長板23をレーザ光2の光路から取り外したときに蛍光観察ができる。
【0093】
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1乃至図4と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0094】
図8はレーザ顕微鏡の構成図である。このレーザ顕微鏡には、2つのレーザ光源30、31が設けられている。これらレーザ光源30、31は、それぞれ直線偏光された互いに波長の異なる各レーザ光32、33を出射する。
【0095】
一方のレーザ光源30から出射されるレーザ光32の光路上には、第1の1/2波長板34を介してミラー35が設けられ、かつ他方のレーザ光源31から出射されるレーザ光34の光路上には、第2の1/2波長板36が設けられている。
【0096】
これら第1及び第2の1/2波長板34、36は、それぞれ個別に各板面を各レーザ光32、33の伝播方向に対して垂直方向に配置し、かつ各レーザ光32、33の伝播方向を回転軸方向として回転可能に設けられている。
【0097】
ミラー35の反射光路と1/2波長板36の透過光路との交点には、ダイクロイックミラー37が設けられている。このダイクロイックミラー37は、ミラー35で反射したレーザ光38と1/2波長板36を透過したレーザ光39とを合成する。この合成されたレーザ光40は、スキャナユニット7内のダイクロイックミラー8に入射する。
【0098】
このスキャナユニット7内における第1の光電変換素子11の前方には、第1の波長選択フィルタ41が設けられている。この第1の波長選択フィルタ41は、各レーザ光源30、31から出射された各レーザ光32、33及び各1/2波長板34、36を透過した各レーザ光38、39の各波長の光をカットし、かつ標本Sに生じる蛍光23の波長の光を透過する。なお、レーザ光32と38とは同一波長であり、レーザ光32と38とも同一波長である。
【0099】
又、第3の光電変換素子21の前方には、第2の波長選択フィルタ42が設けられている。この第2の波長選択フィルタ42は、レーザ光源31から出射されたレーザ光33及び1/2波長板36を透過したレーザ光39の波長の光をカットし、かつレーザ光源30から出射されたレーザ光32及び1/2波長板34を透過したレーザ光38の波長の光を透過する。
【0100】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
【0101】
2つのレーザ光源30、31は、それぞれ直線偏光された互いに波長の異なる各レーザ光32、33を出射する。このうち一方のレーザ光32は、第1の1/2波長板34を透過し、ミラー35で反射してダイクロイックミラー37に入射する。
【0102】
他方のレーザ光33は、第2の1/2波長板36を透過してダイクロイックミラー37に入射する。
【0103】
このダイクロイックミラー37は、ミラー35で反射したレーザ光38と1/2波長板36を透過したレーザ光39とを合成する。この合成されたレーザ光40は、スキャナユニット7内のダイクロイックミラー8に入射し、ここで反射偏向され、ガルバノミラー9に入射する。
【0104】
このガルバノミラー9は、ダイクロイックミラー8により反射偏向されたレーザ光40を2次元に走査する。
【0105】
この2次元走査されたレーザ光40は、レンズ12を通ってミラー13で反射され、レンズ14を通ってダイクロイックミラー15に入射し、このダイクロイックミラー15を透過して照明側微分干渉素子16に入射する。
【0106】
ここで、第1の1/2波長板34が回転し、当該1/2波長板34の光学軸方向が上記図3と同様に傾くと、この1/2波長板34を透過したレーザ光38の偏光方向と照明側微分干渉素子16の光学軸方向とのなす角度が45度をなし、照明側微分干渉素子16によりレーザ光38は、互いに垂直な偏光方向を有する2つの光線2a、2bに分離されて標本Sに走査される。
【0107】
これら光線2a、2bは、標本Sを透過するとき標本Sによって位相差が生じる。これら位相差の生じた2つの光線2a、2b間は、レンズ17を介して観察側微分干渉素子18に入射する。この観察側微分干渉素子18は、標本Sを透過した2つの光線2a、2bを合成する。
【0108】
しかるに、偏光素子19は、観察側微分干渉素子18により合成された互いに位相差のある2つの光線2a、2bによって干渉を生じさせ、明暗の像を取得する。
【0109】
この干渉像は、ミラー20で反射し、第2の波長選択フィルタ42を透過して第2の光電変換素子21に入射する。この第2の波長選択フィルタ42は、レーザ光源31から出射されたレーザ光33の波長及び第2の1/2波長板36を透過したレーザ光39の波長の光をカットし、かつレーザ光源30から出射されたレーザ光32及び第1の1/2波長板34を透過したレーザ光38の波長の光を透過する。
【0110】
第3の光電変換素子21は、入射した干渉像の受光量に応じた電流レベルの電気信号に変換出力する。
【0111】
コンピュータ22は、第3の光電変換素子21から出力された電気信号を入力し、この電気信号を処理して標本Sの透過干渉像を画像化する。
【0112】
これと同時に、第2の1/2波長板36が回転し、当該1/2波長板36の光学軸方向が上記図4と同様に22.5度の角度だけ傾くと、レーザ光33の偏光方向は45度の角度だけ傾く。これにより、照明側微分干渉素子16の透過後のレーザ光は、45度の角度の偏光方向のみで偏光分離されない。
【0113】
しかるに、1本のレーザ光39が標本S上に2次元走査される。そして、標本Sからの蛍光は、第1の波長選択フィルタ41を透過して第1の光電変換素子11に入射する。第1の波長選択フィルタ41は、各レーザ光源30、31から出射された各レーザ光32、33及び各1/2波長板34、36を透過した各レーザ光38、39の各波長の光をカットし、かつ標本Sに生じる蛍光23の波長の光を透過する。
【0114】
第1の光電変換素子11は、入射した標本Sからの蛍光23の受光量に応じた電流レベルの電気信号を変換出力する。
【0115】
コンピュータ22は、第1の光電変換素子11から出力された電気信号を入力し、この電気信号を処理して標本Sの蛍光観察像を画像化する。この結果、解像の低下しない標本Sの蛍光観察像の画像が得られる。
【0116】
このように上記第3の実施の形態においては、2つのレーザ光源30、31を設け、一方のレーザ光源30から出射されるレーザ光32の光路上に配置した第1の1/2波長板34を回転させることにより照明側微分干渉素子16の透過後のレーザ光を互いに垂直な偏光方向を有する2つの光線2a、2bに偏光分離して透過微分干渉観察を行い、これと同時に他方のレーザ光源31から出射されるレーザ光33の光路上に配置した1/2波長板36を回転させることにより照明側微分干渉素子16から1本のレーザ光として透過させて蛍光観察を行う。
【0117】
従って、標本Sの透過干渉像の画像と蛍光観察像の画像とを同時に取得でき、しかも蛍光観察での解像を低下させることはない。
【0118】
又、各1/2波長板34、36を適宜回転させると共に、各波長選択フィルタ41、42を適宜選択することにより、波長の異なる各レーザ32、33を利用してそれぞれ蛍光観察と透過干渉像観察と同時に行うことができ、かつこれら蛍光観察と透過干渉像観察とを選択して観察ができる。
【0119】
又、2つのレーザ光源30、31のうちレーザ光源31にIR超短パルスレーザを用いれば、多光子励起蛍光観察と透過干渉像観察との各画像を同時に取得できる。すなわち、レーザ光38を標本Sに照射しての透過微分干渉観察とレーザ光39を標本Sに照射しての蛍光観察とを多光子励起蛍光観察の解像低下、画像劣化を生じさせないで、同時に蛍光観察像と透過干渉像との両画像を取得できる。
【0120】
一方のレーザ光源30から出射されるレーザ光32を透過干渉像観察に用い、他方のレーザ光源31から出射されるレーザ光33を蛍光観察に用いているが、逆に一方のレーザ光源30から出射されるレーザ光32を蛍光観察に用い、他方のレーザ光源31から出射されるレーザ光33を透過干渉像観察に用いてもよい。この場合、第1の1/2波長板34と第2の1/2波長板36との各回転角度を変更すれば容易に可能である。
【0121】
なお、本発明は、上記第1乃至第3の実施の形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0122】
さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0123】
例えば、上記第1乃至第3の実施の形態において各レーザ光源1、30、31は、それぞれ直線偏光された各レーザ光2、32、33を出力するが、これに限らず、各レーザ光2、32、33は、ランダム偏光のレーザ光を偏光素子によって直線偏光して用いてもよく、又は直線偏光されたレーザ光を出力するレーザ光源と偏光素子とを組み合わせて得たレーザ光を用いてもよい。
【0124】
上記第3の実施の形態において2つのレーザ光源30、31を用いるのに限らず、2つ以上複数のレーザ光源を用いてもよい。これにより、複数の蛍光試薬で標本Sを染色して蛍光観察を行うことができ、かつ複数の波長を用いて透過干渉像観察を行うことができ、かつこれら蛍光観察又は透過干渉像観察を選択できる。
【0125】
又、1/2波長板は、レーザ光の偏光方向を45度の角度だけ回転させればよいので、この回転角度は、22.5度+45×n(nは整数)であれば良く、22.5度に限ることはない。すなわち、直線偏光されたレーザ光の偏光方向と微分干渉光学系(照明側微分干渉素子16及び観察側微分干渉素子18)の光学軸方向とが0度、45度又は90度の角度をなすときに、1/2波長板23、34、36は、回転することによりレーザ光の偏光方向と微分干渉光学系の光学軸方向とのなす角度を(22.5+45×n度:nは整数)回転させるようにすればよい。例えば、0度から22.5度回転して22.5度にするか、45度から22.5度回転して67.5度にするか、さらには90度から22.5度に回転して112.5度にするかである。
【0126】
又、第3の実施の形態において第1の1/2波長板34と第2の1/2波長板36とは、それぞれレーザ光32、33の各光路に対して挿脱可能に設けてもよい。
【0127】
又、レーザ光2と微分干渉光学系(照明側微分干渉素子16及び観察側微分干渉素子18)の光学軸との角度は、45度に限定されず、1/2波長板23の方向を適切に設定すれば、どのような角度であってもよい。例えば、レーザ光2の偏光方向と微分干渉光学系の光学軸方向との成す角度がa度である場合、1/2波長板23の方向をレーザ光2に対してa/2度に設定する。この1/2波長板23の方向は、レーザ光2の偏光方向と微分干渉光学系の光学軸方向との間を等分した方向になる。これにより、レーザ光2の偏光方向は、微分干渉光学系の光学軸方向に一致する。この結果、レーザ光2は、分離されない。
【0128】
又、レーザ光2の偏光方向と微分干渉光学系の光学軸方向とがある角度をなす場合、例えば1/2波長板を逆回転させることにより、レーザ光2の偏光方向と微分干渉光学系の光学軸方向とのなす角度を45度に設定するようにしてもよい。この結果、レーザ光2は、分離される。
【0129】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、標本像の解像度の劣化及び画像劣化を生じないで蛍光観察と透過微分干渉観察とを簡単に切り替えたり、同時に観察できるレーザ顕微鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるレーザ顕微鏡の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明に係わるレーザ顕微鏡の第1の実施の形態における微分干渉素子の作用を示す模式図。
【図3】本発明に係わるレーザ顕微鏡の第1の実施の形態における照明側微分干渉素子によるレーザ光の偏光分離作用を示す模式図。
【図4】本発明に係わるレーザ顕微鏡の第1の実施の形態における照明側微分干渉素子で偏光分離しないときの模式図。
【図5】本発明に係わるレーザ顕微鏡の第2の実施の形態の主要部分を示す構成図。
【図6】本発明に係わるレーザ顕微鏡の第2の実施の形態における1/2波長板を取り外したときのレーザ光の偏光分離作用を示す模式図。
【図7】本発明に係わるレーザ顕微鏡の第2の実施の形態における1/2波長板を挿入したときのレーザ光を偏光分離しないときの模式図。
【図8】本発明に係わるレーザ顕微鏡の第3の実施の形態を示す構成図。
【符号の説明】
S:標本
1:レーザ光源
3:顕微鏡本体
4:ステージ
5:対物レンズ
6:レボルバ
7:スキャナユニット
8:ダイクロイックミラー
9:ガルバノミラー
10,13,20:ミラー
11:第1の光電変換素子
12,14a,14b:レンズ
15:ダイクロイックミラー
16:照明側微分干渉素子
17:第2の光電変換素子
18:観察側微分干渉素子
19:偏光素子
21:第3の光電変換素子
22:コンピュータ
23:1/2波長板
24:挿脱機構
30,31:レーザ光源
34:第1の1/2波長板
35:ミラー
36:第2の1/2波長板
37:ダイクロイックミラー
41:第1の波長選択フィルタ
42:第2の波長選択フィルタ
Claims (6)
- 直線偏光されたレーザ光を標本に照射し、当該標本から発せられる光、及び前記標本を透過した透過レーザ光を検出するレーザ顕微鏡において、
前記レーザ光を互いに異なる偏光方向を有する2つの光線に分離して前記標本に照射し、当該標本を透過した前記2つの光線を合成する微分干渉光学系と、
前記微分干渉光学系により合成された光線に干渉を発生させて像を生じさせる偏光素子と、
前記微分干渉光学系に入射する前記レーザ光の光路上に回転可能に設けられ、当該レーザ光の偏光方向と前記微分干渉光学系の光学軸方向とを相対的に変化させる1/2波長板と、
を具備したことを特徴とするレーザ顕微鏡。 - 直線偏光された前記レーザ光の偏光方向と前記微分干渉光学系の光学軸方向とが0度、45度又は90度の角度をなすときに、
前記1/2波長板は、回転することにより前記レーザ光の偏光方向と前記微分干渉光学系の光学軸方向とのなす角度をさらに(22.5+45×n度:nは整数)回転させることを特徴とする請求項1記載のレーザ顕微鏡。 - 前記1/2波長板は、前記レーザ光の光路に対して挿脱可能に設けられたことを特徴とする請求項1記載のレーザ顕微鏡。
- 直線偏光されたレーザ光を標本に照射し、当該標本から発せられる光、及び前記標本を透過した透過レーザ光を検出するレーザ顕微鏡において、
前記レーザ光を互いに異なる偏光方向を有する2つの光線に分離して前記標本に照射し、当該標本を透過した前記2つの光線を合成する微分干渉光学系と、
前記微分干渉光学系により合成された光線に干渉を発生させて像を生じさせる偏光素子と、
前記微分干渉光学系に入射する前記レーザ光の光路上に対して挿脱可能に設けられ、光学軸が前記レーザ光の偏光方向に対して22.5度又は67.5度の角度に固定された1/2波長板と、
を具備したことを特徴とするレーザ顕微鏡。 - 直線偏光された前記レーザ光は、少なくとも2つ以上のレーザ光源から出力された各レーザ光を波長合成し、
前記1/2波長板は、前記各レーザ光源から出力された前記各レーザ光の各光路上に設けられることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項記載のレーザ顕微鏡。 - 前記各レーザ光源のうち少なくとも1つの前記レーザ光源は、超短パルスレーザであることを特徴とする請求項5項記載のレーザ顕微鏡。
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