JP2004151388A - 光学素子ユニットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤を介して光学素子をマウント部材に固定する際、硬化時における接着剤の体積収縮に伴って種々の悪影響があった。
【解決手段】細長い光学素子11をマウント部材12に接着剤を介して固定してなる光学素子ユニット10の製造方法であって、マウント部材12とこのマウント部材12に対して位置が規定されたfθレンズ11の長手方向中央部との間に未硬化状態の紫外線硬化型接着剤13を介在させるステップと、紫外線硬化型接着剤13の中心領域13cに硬化用の紫外線を照射し、この紫外線硬化型接着剤13の中心領域13cのみ硬化させるステップと、この紫外線硬化型接着剤13の中心領域13cのみ硬化させた後、少なくとも紫外線硬化型接着剤13の周辺領域13dに硬化用の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤13の周辺領域13dを硬化させるステップとを具える。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細長い光学素子をマウント部材に接着剤を介して固定してなる光学素子ユニットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やレーザープリンタなどの電子写真装置においては、レーザー光を電子写真感光ドラムに対して走査露光させるためのスキャナ光学系が組み込まれている。通常、このスキャナ光学系は、スキャナボックスとしてユニット化された状態で電子写真装置に搭載される。このスキャナボックスの平面形状を模式的に図14に示す。スキャナボックス1のフレーム2には、レーザー光Bを発振するレーザーダイオードなどのレーザー光源3,このレーザー光源3から発せられたレーザー光Bを走査させる回転多面鏡(ポリゴンミラー)4,この回転多面鏡4によって走査されたレーザー光Bを電子写真感光ドラム5の外周面に集束させるfθレンズ6などが搭載される。
【0003】
これらのスキャナ光学系をスキャナボックス1のフレーム2に組み付ける際、相互の光軸が合致するようにフレーム2に対して個々のスキャナ光学系の位置調整を正確に行う必要がある。特に、個々の光学系の光軸の傾きの調整は非常に重要であり、このために従来から種々の工夫がなされている。例えば、光軸に対して直交する中心軸を持つ上述したfθレンズやシリンドリカルレンズあるいはトーリックレンズなどにおいては、これらの取り付け面を中心軸を中心とする円弧面にて成形する一方、スキャナボックスのフレーム側の光学素子に対する支持面をV字状または光学素子の円弧面に対応した円弧面にて形成し、この支持面に光学素子の円弧面を載せるようにしている。これにより、スキャナボックスのフレーム側の支持面に円弧面を接触させた状態の光学素子をその中心軸回りに旋回させ、光軸の傾きを容易に調整することができる。
【0004】
従来、光軸に対して直交する中心軸を持つfθレンズやシリンドリカルレンズあるいはトーリックレンズなどの細長い光学素子をそのマウント部材に固定する場合、板ばねなどを用いて光学素子の長手方向両端部をマウント部材の支持面にに押し当てたり、マウント部材とこのマウント部材に対して位置決めされる光学素子との間に接着剤を供給したりすることが行われている。
【0005】
なお、接着剤を介して光学素子をマウント部材に固定する場合、接着剤の硬化時に発生する体積収縮の影響を回避するため、接着剤中に硬質の小球体(ビーズ)を混入しておいたり、あるいは特許文献1に記載されているように、光学素子とマウント部材との間にあらかじめスペーサを介在させておくことも行われている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−302066号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
板ばねなどを用いて光学素子をマウント部材に固定する方法は、マウント部材に対する光学素子の位置調整をばね力が作用した状態で行うことができる反面、大きな外力が加わった場合に光学素子の位置がずれてしまう可能性がある。また、板ばねを使用することによる部品点数および部品コストの増大を避けることができない。
【0008】
これに対し、接着剤を使用して光学素子をマウント部材に固定する方法は、上述した不具合を回避することができるものの、マウント部材に対して正確に位置調整された光学素子の位置が接着剤の硬化に伴う体積収縮によってずれてしまう問題が生ずる。例えば、マウント部材に対して細長い矩形の光学素子を接着剤を介して固定した状態における平面形状を図15,図16にそれぞれ示す。マウント部材7と光学素子8との間に供給された接着剤9が硬化し、これに伴って接着剤9の体積収縮が不均一に進行した場合、マウント部材7に対して二点鎖線で示す光学素子8の理想位置に対し、図15に示すように光学素子8が平行移動したり、あるいは図16に示すように回転した状態となる(何れも誇張して描かれている)。この光学素子8が例えばレーザープリンタなどで用いられるfθレンズの場合、このような位置ずれは出力画像の「ピンぼけ」,「片ぼけ」,「縦横比不正」などの不具合を招来する。
【0009】
接着剤の中にビーズを混入させておく方法は、接着剤の硬化に伴う体積収縮による悪影響に関して多少の改善傾向を得ることができるものの、本質的な解決方法ではなく、光学素子の位置が望ましくない方向にずれてしまうことを回避することができない。
【0010】
スペーサを光学素子とマウント部材との間に介在させる方法は、現時点において接着剤の硬化に伴う体積収縮による悪影響を回避する上で最も効果的な方法であると思われるが、特許文献1に記載された方法では、接着剤を所定形状に硬化させてスペーサを形成しているため、寸法形状精度の高いスペーサを得ることが困難な上、このスペーサを形成するための工数が余計に必要となり、作業効率の低下をもたらす欠点がある。
【0011】
【発明の目的】
本発明の目的は、接着剤を介して光学素子をマウント部材に固定するに際し、作業効率をそれほど低下させることなく、マウント部材に対して位置調整された光学素子の位置ずれを最も望ましい状態で回避し得る光学素子ユニットの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による光学素子ユニットの製造方法は、細長い光学素子をマウント部材に接着剤を介して固定してなる光学素子ユニットの製造方法であって、前記マウント部材とこのマウント部材に対して位置が規定された前記光学素子の長手方向中央部との間に未硬化状態の光反応性接着剤を介在させるステップと、前記光反応性接着剤の一部領域に硬化用の光を照射し、この光反応性接着剤の一部領域のみ硬化させるステップと、この光反応性接着剤の一部領域のみ硬化させた後、少なくとも当該光反応性接着剤の残りの領域に硬化用の光を照射して該光反応性接着剤の残りの領域を硬化させるステップとを具えたことを特徴とするものである。
【0013】
本発明においては、光反応性接着剤の硬化時に発生する体積収縮現象に対し、光反応性接着剤の一部領域のみ硬化させ、次いで光反応性接着剤の残りの領域を硬化させることにより、特定の方向に沿った光反応性接着剤の収縮を抑制し、マウント部材に対して特定の方向に沿った光学素子の位置ずれを抑制する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明による光学素子ユニットの製造方法において、マウント部材に対して光学素子の長手方向に沿った位置ずれを抑制するため、光反応性接着剤の一部領域が光学素子の長手方向に沿った光反応性接着剤の両端領域であってよい。この場合には、光反応性接着剤の硬化に伴って生ずるマウント部材に対する光学素子の長手方向に沿った位置ずれを最小限に抑えることができる。
【0015】
あるいは、マウント部材に対して光学要素の高さ方向の位置ずれを抑制するため、光反応性接着剤の一部領域が光学素子の長手方向に沿った光反応性接着剤の中心領域であってよい。この場合、光反応性接着剤の硬化に伴って生ずるマウント部材に対する光学要素の高さ方向の位置ずれを最小限に抑えることができる。ここで、光反応性接着剤の中心領域のみ硬化させるステップは、硬化用の光を集光状態で光反応性接着剤の中心領域に照射するステップを有し、光反応性接着剤を完全硬化させるステップは、硬化用の光を拡散状態で光反応性接着剤全体に照射するステップを有することができる。この場合には、光学的マスクを使用せずとも硬化用の光の強度が弱い光源を用いて光反応性接着剤を硬化させることができる。
【0016】
光反応性接着剤の一部領域のみ硬化させるステップは、光反応性接着剤の一部領域以外を光学的マスクにて覆うステップを有することができる。この場合、光反応性接着剤に対する硬化用の光の照射領域を極めて簡単に切り換えることができる。
【0017】
光反応性接着剤が紫外線硬化型接着剤であり、硬化用の光が紫外線であってよい。
【0018】
光学素子およびマウント部材の少なくとも一方がプラスチック成形品であってよい。
【0019】
光学素子がトーリックレンズまたはシリンドリカルレンズであってよい。あるいは電子写真感光ドラムとこの電子写真感光ドラムにレーザー光を照射するための回転多面鏡との間に配されるfθレンズであってよい。
【0020】
【実施例】
本発明による光学素子ユニットの製造方法をレーザープリンタなどに用いられるfθレンズユニットの製造に応用した一実施例について、図1〜図13を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限らず、これらをさらに組み合わせたり、この明細書の特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の精神に帰属する他の技術にも当然応用することができる。
【0021】
本実施例におけるfθレンズユニットの外観を図1に示す。このfθレンズユニット10は、fθレンズ11と、このfθレンズ11が位置決め状態で搭載されるマウント部材12とを有し、本実施例では光反応性接着剤としての紫外線硬化型接着剤13を介してfθレンズ11がマウント部材12に対し固定される。本実施例におけるfθレンズ11は細長い角柱状をなし、光学面11aを囲む平坦な第1基準面11bと、この第1基準面11bに対して直交する第2基準面11cとを有する。この第2基準面11cは、fθレンズ11の長手方向一側端面である。
【0022】
このようなfθレンズユニット10を組み立てるための組立装置の一例の外観を図2に模式的に示し、その平面形状を図3に示す。すなわち、この組立装置はマウント部材12が載せられる定盤14と、この定盤14の表面に突出状態で設けられてマウント部材12を定盤14の所定位置に位置決めするための複数本(図示例では4本)の位置決めピン15と、これら位置決めピン15に対してマウント部材12の側端面を押し当てるエアアクチュエータ16と、定盤14に位置決めされたマウント部材12の中央部に所定量の紫外線硬化型接着剤13を手動にて供給するための接着剤供給装置17と、fθレンズ11を把持してマウント部材12に対するfθレンズ11の搭載位置を調整し得るマニプレータハンド18と、このマニプレータハンド18の動作を制御する図示しない制御装置と、fθレンズ11の長手方向に沿ったその第1基準面11bの左右両端部までの距離を検出する左右一対の第1距離センサ19と、fθレンズ11の第2基準面11cまでの距離を検出する第2距離センサ20と、マウント部材12の中央部に供給された紫外線硬化型接着剤13に対し、紫外線Lに対して透明なfθレンズ11を介してその上方から紫外線Lを照射するための紫外線照射装置21と、マウント部材12の上に位置決めされたfθレンズ11の長手方向中央部の真上に手動にて保持され、あらかじめ設定したパターンに紫外線Lの照射領域を規定する所定輪郭形状のマスク22とを具えている。
【0023】
本実施例における接着剤供給装置17は、接着剤供給管17aを介して図示しない接着剤供給源に連通するディスペンサ17bを有し、作業者はこのディスペンサ17bを掴んで所定量の紫外線硬化型接着剤13をマウント部材12の中央部に供給する。
【0024】
制御装置は、第1および第2距離センサ19,20からの検出信号に基づき、マウント部材12に対してfθレンズ11があらかじめ設定された所定位置に位置決めされるようにマニプレータハンド18の作動を制御する。
【0025】
紫外線照射装置21は、図示しない紫外線発生装置と、この紫外線発生装置に基端が連結されて紫外線Lを伝搬可能な光ファイバ21aと、この光ファイバ21aの先端部に取り付けられて紫外線Lの照射角度を調整し得る紫外線透過型の出射光学系21bとを有する。
【0026】
本実施例におけるマスク22は、fθレンズ11の長手方向中央部に位置する紫外線硬化型接着剤13の中央領域13aを遮光するためのものである。
【0027】
この組立装置を用いてfθレンズユニット10を組み立てるに際しては、まず作業者がマウント部材12を定盤14の所定位置に供給する。定盤14に対するマウント部材12の位置決めは、位置決めピン15を利用して行う。
【0028】
次に、エアアクチュエータ16を駆動してマウント部材12を位置決めピン15に押し当てた状態に保持する。このエアアクチュエータ16の駆動は、マウント部材12に対するfθレンズ11の接着が完了するまで行われる。
【0029】
次に、作業者はディスペンサ17bを操作してマウント部材12の中央部に所定量の紫外線硬化型接着剤13を滴下する。
【0030】
しかる後、マニプレータハンド18を駆動してfθレンズ11を保持し、第1距離センサ19および第2距離センサ20からの出力信号に応じて制御装置がマニプレータハンド18の位置を修正し、マウント部材12に対してfθレンズ11を位置決めする。マニプレータハンド18は、マウント部材12に対するfθレンズ11の接着が完了するまで、fθレンズ11をマウント部材12に対して保持している。
【0031】
次に、マスク22をfθレンズ11の中央部の真上に保持し(図4参照)、この状態で紫外線照射装置21によりマスク22越しに紫外線硬化型接着剤13に紫外線Lを照射する(図6参照)。マウント部材12とfθレンズ11との間に介在する紫外線硬化型接着剤13は、マスク22の輪郭形状に依存してfθレンズ11の長手方向中央領域13aが遮光状態となっているため、光学素子の長手方向に沿った紫外線硬化型接着剤13の両端領域13bのみ紫外線Lが照射された状態となり、この両端領域13bが硬化状態となる(図5参照)。この場合、fθレンズ11は紫外線Lを透過するので、fθレンズ11が紫外線硬化型接着剤13を硬化させるための障害とはならない。
【0032】
所定時間経過後、マスク22を取り外して紫外線硬化型接着剤13の全域に紫外線Lを照射し、未硬化となって残っていた紫外線硬化型接着剤13の中央領域13aも完全に硬化させる(図7参照)。
【0033】
ところで、マスク22を用いずに紫外線硬化型接着剤13の全域に紫外線Lを一様に照射し、その全領域を一度で硬化させた場合には、紫外線硬化型接着剤13の硬化収縮の不均一が起こる。しかしながら、上述した本実施例のようにマスク22を用いてfθレンズ11の長手方向両端領域13bをその中央領域13aよりも先に硬化させることにより、マウント部材12に対するfθレンズ11の長手方向に沿った位置が規定され、図15に示すように理想位置に対する平行移動や図16に示すように理想位置に対する回転などの位置ずれを最小限に抑えることができる。さらに、マウント部材12とfθレンズ11との最終的な接着強度も高めることが可能となる。
【0034】
紫外線硬化型接着剤13の硬化時間は、照射する紫外線Lのパワーや紫外線硬化型接着剤13の特性ならびにマウント部材12およびfθレンズ11を構成する材料などに応じて変化するため、紫外線硬化型接着剤13の硬化が始まり、マウント部材12に対するfθレンズ11の相対位置が安定したことをその硬化中に確認することは非常に難しい。このため、事前に破壊検査などを十分に行い、硬化所要時間などを推測しておくことが有効である。
【0035】
同様な効果を得るには、マウント部材12の表面の離れた2箇所に紫外線硬化型接着剤13を塗布し、これら2個所の紫外線硬化型接着剤13に対して同時に紫外線Lを照射して硬化させることも考えられる。しかしながら、最終的に得られる接着力が本実施例のものには及ばない。また、大量生産を企図した場合、紫外線硬化型接着剤13を2箇所に塗布するためにディスペンサ17bを2基用意しなければならず、装置のコストが嵩んで製品コストの上昇を招く欠点がある。さらに、fθレンズ11の光学的性能の観点から、紫外線硬化型接着剤13の硬化に伴って発熱が相互に離れた2箇所で発生し、fθレンズ11がマイクロメートル単位で変形する場合、走査されるレーザー光に対する光学性能の一様さを保つことが困難となる。それよりも、本実施例のように紫外線硬化型接着剤13が部分的に発熱し、全体的にゆるやかな変形が起こるほうが画像評価に対しては有利に作用する。
【0036】
このようにして紫外線硬化型接着剤13の全域を完全に硬化させた後、マニプレータハンド18はfθレンズ11に対する拘束を解除し、次いでエアアクチュエータ16の作動を停止する。
【0037】
fθレンズユニット10からマニプレータハンド18およびエアアクチュエータ16が退避したことを確認した後、作業者は組上がったfθレンズユニット10を定盤14から取り出す。
【0038】
上述した実施例では、fθレンズ11の長手方向に沿った紫外線硬化型接着剤13の両端領域13bを先に硬化させるようにしたが、その中心領域を先に硬化させることも有効である。
【0039】
このような本発明の他の実施例における平面形状を図8に示し、その正面形状を図9に示すが、先の実施例と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、本実施例におけるマスク22は中央部に開口22aが形成された枠状をなす。このマスク22を用いて紫外線硬化型接着剤13に紫外線Lを照射すると、紫外線硬化型接着剤13の中心領域13cのみ紫外線Lが照射され、その周辺領域13dはマスク22によって遮光された状態となっているため、紫外線硬化型接着剤13の中心領域13cのみ硬化が始まる。紫外線硬化型接着剤13の中心領域13cの硬化を終えた時点でマスク22を除去し、残りの未硬化状態となっている紫外線硬化型接着剤13の周辺領域13dにも紫外線Lを照射させることにより、紫外線硬化型接着剤13の全域を硬化させる(図10参照)。
【0040】
上述したマスク22を使用せず、紫外線硬化型接着剤13の全領域に紫外線Lを一括して照射すると、紫外線硬化型接着剤13の硬化に伴う体積変化の不均一が起こり、図11に示すようにマウント部材12の表面からfθレンズ11の光学面11aの中心位置までの距離Hがその設計距離Hに対してずれてしまうことが多い。しかしながら、本実施例のようにマスク22を用いてfθレンズ11の中心領域13cをその周辺領域13dよりも先に硬化させることにより、マウント部材12の表面からfθレンズ11の光学面11aの中心位置までの距離Hをほぼ設計距離H通りに規定することが容易となり、マウント部材12とfθレンズ11との最終的な接着強度も高めることが可能となる。つまり、fθレンズ11の光学面11aの中心位置直下に位置する紫外線硬化型接着剤13の中心領域13cが最初に硬化しているため、次に紫外線硬化型接着剤13の周辺領域13dを硬化させる際に、先に硬化した中心領域13cが剛体として機能し、周辺領域13dを硬化に伴って不均一な収縮が発生しても、マウント部材12の表面からfθレンズ11の光学面11aの中心位置までの距離Hが実質的に変化せず、紫外線硬化型接着剤13の中心領域13cの硬化に伴って規定された距離Hが維持される。
【0041】
上述した実施例では、枠状のマスク22を使用して紫外線硬化型樹脂13の中心領域13cにのみ紫外線Lを照射するようにしたが、小パワーの紫外線Lであっても硬化するような紫外線硬化型接着剤13の場合には、マスク22を使用せずに先の実施例と同様な処理を行うことも可能である。
【0042】
このような本発明の別な実施例の作業状態を図12および図13に示すが、先の実施例と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、本実施例では紫外線照射装置21の出射光学系21bから出射する紫外線Lの集光または散光を切り換えることができる焦点調節用の光学系23を組み込んでいる。この焦点調節用の光学系23は、紫外線照射装置21の出射光学系21bから出射する紫外線Lを図12に示すように紫外線硬化型接着剤13の中心領域13cに集光させる機能と、図13に示すように紫外線硬化型接着剤13の全域に亙って拡散させる機能とを有する。焦点調節用の光学系23は、紫外線Lの透過率が低下する傾向を持つ場合が多く、先の実施例のようなマスク22を使用する方法よりも紫外線硬化型接着剤13の硬化のために供給されるパワー効率がかなり低下することに注意する必要がある。従って、本実施例では低パワーの紫外線Lであっても硬化するような紫外線硬化型接着剤13を使用することが有効である。
【0043】
【発明の効果】
本発明の光学素子ユニットの製造方法によると、マウント部材とこのマウント部材に対して位置が規定された光学素子の長手方向中央部との間に未硬化状態の光反応性接着剤を介在させ、この状態で光反応性接着剤の一部領域に硬化用の光を照射し、この光反応性接着剤の一部領域のみ硬化させた後、少なくとも光反応性接着剤の残りの領域に硬化用の光を照射して光反応性接着剤の残りの領域を硬化させるようにしたので、光反応性接着剤の硬化に伴って生ずるマウント部材に対する光学素子の特定な方向への位置ずれの傾向を抑制させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となったfθレンズレンズユニットの外観を表す斜視図である。
【図2】図1に示したfθレンズユニットを製造するための組立装置の概略構造を模式的に表す斜視図である。
【図3】図2に示した組立装置の平面図である。
【図4】図5〜図7と共に図1に示したfθレンズユニットの製造手順の一実施例を表す作業概念図であり、マウント部材とfθレンズとの間に接着剤を供給した状態を示す。
【図5】図4,図6,図7と共に図1に示したfθレンズユニットの製造手順を表す作業概念図であり、マスキングによってfθレンズの長手方向に沿った接着剤の両端領域が硬化された状態を示す。
【図6】図5に示した状態に対応する側面図である。
【図7】図4〜図6と共に図1に示したfθレンズユニットの製造手順を表す作業概念図であり、接着剤の全域が硬化した状態を示す。
【図8】図9と共に図1に示したfθレンズユニットの製造手順の他の実施例を表す作業概念図であり、マウント部材とfθレンズとの間に接着剤を供給した状態を示す。
【図9】図8と共に図1に示したfθレンズユニットの製造手順の他の実施例を表す作業概念図であり、マスキングによって接着剤の中心領域が硬化された状態を示す。
【図10】図1に示したfθレンズレンズユニットの正面図である。
【図11】図1に示したfθレンズレンズユニットの正面図であるが、接着剤の硬化に伴う体積収縮によってfθレンズレンズがマウント部材に対して傾斜した状態を示す。
【図12】図13と共に図1に示したfθレンズユニットの製造手順の別な実施例を表す作業概念図であり、マスキングによって接着剤の中心領域が硬化された状態を示す。
【図13】図12と共に図1に示したfθレンズユニットの製造手順の別な実施例を表す作業概念図であり、接着剤の全域が硬化した状態を示す。
【図14】本発明の対象となったfθレンズレンズユニットが搭載されるスキャナボックスの外観を模式的に表す平面図である。
【図15】図16と共に従来のfθレンズレンズユニットの一例を表す平面図である。
【図16】図15と共に従来のfθレンズレンズユニットの一例を表す平面図である。
【符号の説明】
10 fθレンズユニット
11 fθレンズ
11a 光学面
11b 第1基準面
11c 第2基準面
12 マウント部材
13 紫外線硬化型接着剤
13a 中央領域
13b 両端領域
13c 中心領域
13d 周辺領域
14 定盤
15 位置決めピン
16 エアアクチュエータ
17 接着剤供給装置
17a 接着剤供給管
17b ディスペンサ
18 マニプレータハンド
19 第1距離センサ
20 第2距離センサ
21 紫外線照射装置
21a 光ファイバ
21b 出射光学系
22 マスク
22a 開口
23 焦点調節用の光学系
L 紫外線
マウント部材の表面からfθレンズの光学面の中心位置までの距離
マウント部材の表面からfθレンズの光学面の中心位置までの設計距離

Claims (1)

  1. 細長い光学素子をマウント部材に接着剤を介して固定してなる光学素子ユニットの製造方法であって、
    前記マウント部材とこのマウント部材に対して位置が規定された前記光学素子の長手方向中央部との間に未硬化状態の光反応性接着剤を介在させるステップと、
    前記光反応性接着剤の一部領域に硬化用の光を照射し、この光反応性接着剤の一部領域のみ硬化させるステップと、
    この光反応性接着剤の一部領域のみ硬化させた後、少なくとも当該光反応性接着剤の残りの領域に硬化用の光を照射して該光反応性接着剤の残りの領域を硬化させるステップと
    を具えたことを特徴とする光学素子ユニットの製造方法。
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