JP2004150456A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】前進用と後退用で異なる制御系を用いるトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、入出力ディスクの回転方向が検出できないような場合であっても、安定した変速制御が可能な無段変速機の変速制御装置を提供すること。
【解決手段】無段変速機の変速制御装置において、検出されたシフト位置が前進レンジ以外から前進レンジへ変化したとき前進と判断し、後退レンジ以外から後退レンジへ変化したとき後退と判断する第1進行方向判断部と、変速比が目標変速比より増速側の第1所定値を減速側から増速側へ横切ったとき、前記第1進行方向判断部で判断した進行方向と実際の進行方向とが異なる逆走状態であるとして進行方向の判断を切り換える第2進行方向判断部と、逆走状態と判断され、再度変速比が第1所定値を減速側から増速側へ横切ったときに、前記第1進行方向判断部で判断された方向と実際の進行方向が一致したと判断する第3進行方向判断部と、からなる変速比型進行方向判断手段を備えることとした。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機の変速制御装置に関し、特にトロイダル型無段変速機の前進用の変速油圧アクチュエータと後退用の変速油圧アクチュエータを共用した変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
前進時と後退時とで、異なる変速制御油圧系を有するトロイダル型無段変速機(以下、TCVTと記載する)の技術として、特開平9−250618号に記載のものが知られている。この公報には、前進時と後退時に異なる変速制御油圧系が用いられる。
【0003】
ここで、前後進で異なる変速制御油圧系を用いる理由を述べる。トラニオンのオフセットに対する傾転角度(変速比)の特性は不安定である。このため、TCVTは、変速アクチュエータ変位に応じて油圧アクチュエータへ油を供給する変速制御弁と機械的に連結したプリセスカムを備え、傾転角度とトラニオン変位を、プリセスカムを介して変速制御弁にフィードバックして、変速アクチュエータ変位に対する傾転角度の特性を機械的に安定化する変速制御油圧系を有する。
【0004】
但し、前進時と後退時とでは、入出力ディスクの回転方向が異なるため、トラニオンの上下方向オフセットに対する傾転方向も異なる。よって、後退時に前進用の変速制御油圧系を用いた場合、増速側に変速すると、更に増速変速するようにサーボシリンダの油圧が変化し、減速側に変速すると、更に減速変速するように油圧が変化する。このように、後退時に、前進用の変速制御弁を用いると、ステップモータ変位に対応した位置に、傾転角度を安定に制御できない。
【0005】
よって、前進時と後退時とで、極性の異なる変速制御油圧系を設け、前後進で切り換えて用いる。但し、後退時の目標変速比は、一般的に最終減速比に固定されるので、後退時の変速制御油圧系にはステップモータを用いず、ステップモータに対応する箇所を、最終減速比に対応した位置に固定する。
【0006】
上述したように、理論的には、平衡状態の傾転角度とステップモータ変位との関係は、プリセスカム斜面の斜度とリンク比とで決まる。しかし、実際は、トルクシフトと呼ばれる現象により、入力トルクが作用すると、平衡状態の傾転角度とステップモータ変位との関係がずれる。尚、トルクシフトとは、パワーローラとピボットシャフトとのがた、及びピボットシャフトとトラニオンとのがた、トラニオンのたわみによるプリセスカム斜面の傾きにより発生するものであり、詳細については、特開平11−91413号公報を参照されたい。
【0007】
このトルクシフトを取り除くために、目標変速比と実変速比との偏差を入力とするPI制御器を用いてステップモータ変位を演算し、目標変速比と実変速比との定常偏差を取り除いている。このとき、PI制御器の積分器の値はトルクシフトに比例した値に収束する。
【0008】
しかしながら、後退時はステップモータを用いないため、定常偏差を取り除くことができない。よって、PI制御器の積分器の値は発散する。従来技術では、この積分器の値を観察することで入出力ディスクの回転方向を検出する方法を開示しており、積分器の値がある所定値以上になると(すなわち発散していると判断すると)後退と判断する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、入出力ディスク回転数がそれぞれのディスクの回転に同期したパルス信号を発生する装置を用い、このパルス信号の周期から回転数及び変速比を演算する。よって、低車速下では変速比の更新周期が長くなる。これに伴い、PI制御器の制御周期よりも回転周期が長くなり、回転方向の検出が行えない虞がある。よって、低速ではPI制御器を用いるフィードバック制御は停止し、低速での目標変速比は最減速比であるため、最減速比に対応するステップモータ変位の理論値にフィードフォワード制御する場合が多い。このように、低速ではPI制御器を使用しないため、従来技術の回転方向検出方法は使用できない。
【0010】
また、低速でPI制御器の出力は制御に用いず、積分器の演算のみを行ったとしても、ステップモータを駆動しないため、トルクシフトによる定常偏差は残ったままとなる。よって、積分器の値は発散し、従来技術の回転方向検出方法では進行方向を判断できない。但し、従来技術のように進行方向で異なる変速制御弁を有する場合は、低車速下において変速比を最減速比付近のトルクシフト範囲内に安定に制御できるため、進行方向の判断ができなくても大きな問題はない。
【0011】
ここで、後退用の変速制御弁を取り除き、前進用の変速制御弁を後退用として兼用した場合、後退時はステップモータ変位に対して変速比が不安定となる。このとき、後退時は電子制御で変速比を最減速比付近に制御するため、進行方向の判断が必要となる。
【0012】
更に、前進と後退とでステップモータ変位に対する傾転角度の特性が異なるため、進行方向に応じた制御を行う必要がある。すなわち、不安定な制御対象(例えば後退時のパワーローラ傾転角)を安定化する制御を、安定な制御対象(例えば前進時のパワーローラ傾転角)に用いた場合、変速比は発散もしくは振動するからである。
【0013】
よって、進行方向を特定した上で制御を行えばよいため、例えば、レンジ信号に応じて制御を切り換える方法が考えられる。しかしながら、例えば、前進レンジを選択した場合の坂道発進等で、ブレーキを離した直後、前進レンジだが車両は後退する場合がある。このとき、前進用制御を行っているため、進行方向と制御が一致せず変速比は減速比側もしくは増速比側に発散する。減速比側に発散する場合は、減速側の傾転角度ストッパで傾転角度が止まり、低速での目標変速比は最減速比であるので大きな問題はない。しかし、増速比側に発散する場合、変速比が増速比側になるほど車両の駆動力は小さくなるので、所望の加速感が得られなくなる虞がある。
【0014】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、前進用と後退用で異なる制御系を用いるトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、入出力ディスクの回転方向が検出できないような場合であっても、安定した変速制御が可能な無段変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、トロイダル型無段変速機と、目標変速比を設定する目標変速比設定手段と、変速比を検出または推定する変速比検出手段と、運転者の操作するシフトレバーのシフト位置を検出するシフト位置検出手段と、前進時において、設定された目標変速比と検出された変速比に応じて、前記目標変速比付近に変速比を制御する前進用変速比制御手段と、後退時において、設定された目標変速比と検出された変速比に応じて、前記目標変速比付近に変速比を制御する後退用変速比制御手段と、を備えた無段変速機の変速制御装置において、検出されたシフト位置が前進レンジ以外から前進レンジへ変化したとき前進と判断し、後退レンジ以外から後退レンジへ変化したとき後退と判断する第1進行方向判断部と、変速比が目標変速比より増速側の第1所定値を減速側から増速側へ横切ったとき、前記第1進行方向判断部で判断した進行方向と実際の進行方向とが異なる逆走状態であるとして進行方向の判断を切り換える第2進行方向判断部と、逆走状態と判断され、再度変速比が第1所定値を減速側から増速側へ横切ったときに、前記第1進行方向判断部で判断された方向と実際の進行方向が一致したと判断する第3進行方向判断部と、からなる変速比型進行方向判断手段と、前記変速比型進行方向判断手段において前進状態と判断されたときは、前進用変速比制御手段の出力を前記油圧アクチュエータに指令し、後退と判断されたときは後退用変速比制御手段の出力を前記油圧アクチュエータに指令する制御選択手段と、を備えることで上記課題を解決するに至った。
【0016】
【発明の効果】
本発明では、前進用と後退用で異なる制御系を有するトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、車両の実際の進行方向と制御装置が認識している進行方向とが一致しない状況を、変速比の増速側への発散でソフト的に判断し、制御を切り換えることで、変速比を減速側に戻して、駆動力の減少を抑えることができ、加速感の低下を抑制することが可能となり、安定した変速制御を達成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
【0018】
図1は本発明の実施の形態1におけるトロイダル型無段変速機10(以下TCVTと記載する)のスケルトン図を示し、図2はTCVT10の断面、および変速制御系の構成を示すものである。
【0019】
図1の図外に設けられる動力源としてのエンジンの回転が、トルクコンバータ12を介してTCVT10に入力される。このトルクコンバータ12は、一般によく知られるように、ポンプインペラ12a、タービンランナ12bおよびステータ12cを備え、特に本実施の形態1のトルクコンバータ12ではロックアップクラッチ12dが設けられている。また、トルクコンバータ12の出力回転軸14と同軸上に配置されるトルク伝達軸16が設けられ、該トルク伝達軸16に第1トロイダル変速部18と第2トロイダル変速部20とがタンデム配置されている。
【0020】
これら第1,第2トロイダル変速部18,20は、それぞれの対向面がトロイド曲面に形成される一対の第1入力ディスク18a,第1出力ディスク18bおよび第2入力ディスク20a,第2出力ディスク20bと、これら第1入出力ディスク18a,18bおよび第2入出力ディスク20a,20bのそれぞれの対向面間に摩擦接触されるパワーローラ18c,18dおよび20c,20dとによって構成される。
【0021】
第1トロイダル変速部18は、トルク伝達軸16の図中トルクコンバータ側に配置されると共に、第2トロイダル変速部20は、第1トロイダル変速部18に対してトルク伝達軸16の図中トルクコンバータと逆側に配置され、かつ、それぞれの第1入力ディスク18aおよび第2入力ディスク20aは互いに外側に配置されている。
【0022】
一方、第1,第2出力ディスク18b,20bは、トルク伝達軸16に相対回転可能に嵌合された出力ギア28にスプライン嵌合され、第1,第2出力ディスク18b,20bに伝達された回転力は、この出力ギア28及びこれに噛合される入力ギア30aを介してカウンターシャフト30に伝達され、更に、回転力出力経路を介して図外の出力軸に伝達される。
【0023】
第1入力ディスク18aの外側にはローディングカム装置34が設けられている。このローディングカム装置34には、前後進切換装置40を介してトルクコンバータ12の出力回転が入力され、この入力トルクに応じた押付力がローディングカム装置34によって発生されるようになっている。尚、ローディングカム装置34のローディングカム34aは、トルク伝達軸16に相対回転可能に嵌合されると共に、スラストベアリング36を介してトルク伝達軸16に係止される。
【0024】
また、第2入力ディスク20aとトルク伝達軸16の図中右方端部との間に皿ばね38が設けられている。従って、ローディングカム装置34で発生される押圧力は、第1入力ディスク18aに作用すると共に、トルク伝達軸16及び皿ばね38を介して第2入力ディスク20aにも作用し、かつ、皿ばね38によって発生される予圧力は、第2入力ディスク20aに作用すると共に、トルク伝達軸16およびローディングカム装置34を介して第1入力ディスク18aにも作用するようになっている。
【0025】
前後進切換装置40は、ダブルピニオン方式の遊星歯車機構42と、この遊星歯車機構42のキャリア42aを出力回転軸14に締結可能なフォワードクラッチ44と、遊星歯車機構42のリングギア42bをハウジング22に締結可能なリバースブレーキ46とによって構成されている。
【0026】
前後進切換装置40では、フォワードクラッチ44を締結すると共に、リバースブレーキ46を解放することにより、エンジン回転と同方向の回転がTCVT10に入力され、かつ、フォワードクラッチ44を解放してリバースブレーキ46を締結することにより、逆方向の回転が入力されるようになっている。
【0027】
第1トロイダル変速部18および第2トロイダル変速部20に設けられたパワーローラ18c,18d及び20c,20dは、中心軸Cに対称に配置されている。そして、それぞれのパワーローラは変速制御装置としての変速制御弁56及び油圧アクチュエータ50を介して、車両運転条件に応じて傾転され、これにより第1,第2入力ディスク18a,20aの回転を無段階に変速して第1,第2出力ディスク18b,20bに伝達する。
【0028】
図2はTCVT10の変速制御を行う油圧系の機械的構成図である。パワーローラ20cはトラニオン23により背面から支持されている。トラニオン23は油圧サーボ50のサーボピストン51と連結しており、油圧サーボ50内のシリンダ50a内の油と50b内の油の差圧により軸方向に変位する。
【0029】
シリンダ50a,50bは、それぞれシフトコントロールバルブ56のHi側ポート56HiとLow側ポート56Lowに接続されている。このシフトコントロールバルブ56はバルブ内のスプール56Sが変位することにより、ライン圧をHi側ポート56Hi又はLow側ポート56Lowに流し、他方のポートからドレーン56Dへ油を流出させることで油圧サーボ内の差圧を変化させる。スプール56Sは、ステップモータ52及び後述するプリセスカム55とリンク構造で連結している。
【0030】
プリセスカム55は、4体のトラニオンのうち1体に取り付けられており、パワーローラ20aの上下方向変位とパワーローラの傾転角度をリンクの変位に変換する。スプール56Sの変位は、ステップモータ変位とプリセスカム55で伝えられる(フィードバックされる)変位により決定される。
【0031】
TCVT10は、トラニオン23を平衡点から上下に変位させることにより、パワーローラ20cと入出力ディスク20a,20bの回転方向ベクトルに差異が発生し、このベクトル差によって傾転することで変速する。変速の定常時には、パワーローラ20c及びトラニオン23の変位は平衡点に戻り、スプール56Sの変位も中立点でバルブが閉じた状態となっている。また、複数のトラニオン23には、それぞれ傾転角を規制する傾転ストッパ24が設けられている。これにより、パワーローラの過度の傾転を防止している。
【0032】
前進時において、プリセスカム55は、パワーローラ20cの傾転角度をスプール56Sの変位に負帰還し、傾転角度の目標値とのズレを補償する。また、同時にパワーローラ20c及びトラニオン23の平衡点からの変位もスプール56Sの変位に負帰還する。これにより、変速過渡状態においてダンピングの効果を与え、変速のハンチングを抑制している。
【0033】
ここで、変速の到達点はステップモータ52の変位で決まるものであり、その一連の変速過程を以下に示す。ステップモータ変位を変化させることでスプール56Sが変位してバルブが開く。これによりサーボピストン51の差圧が変化することでトラニオン23が平衡点から軸方向に変位することでパワーローラが傾転する。パワーローラの傾転角度がプリセスカム55によりステップモータ変位に対応した時点でスプール56Sは中立点に戻り変速が終了する。
【0034】
一方、後退時においては、パワーローラの上下方向変位に対する傾転方向が、前進時とは異なる。これにより、プリセスカム55は、パワーローラ20cの傾転角度をスプール56Sの変位に正帰還することになるので、後退時において、傾転角度がステップモータ変位に対応した点で平衡せず、ステップモータ変位に対する傾転角度の特性は不安定となる。
【0035】
図3は、変速制御装置を備えたTCVT10の構成図である。上述したように、実施の形態1の機械的構成では、後退時、ステップモータ変位に対する傾転角度の特性は不安定となる。このため、変速比の電子的フィードバック制御を用いて、変速比を制御する。入力ディスク回転数センサ84は、入力ディスク18a,21aの何れか1つの回転に同期して発生するパルス信号を、周期計測もしくは周波数計測して入力ディスク回転数を検出する。出力ディスク回転数センサ83は、出力ディスク18b,21bの何れか1つの回転に同期して発生するパルス信号を、周期計測もしくは周波数計測して出力ディスク回転数を検出する。尚、これらの回転数センサは、回転数の絶対値は検出可能だが、回転方向は検出できない。
【0036】
アクセル踏み込み量センサ88は、ロータリエンコーダ等を用いてアクセル踏み込み量を検出する。入力軸トルクセンサ87は、トルクセンサを用いて入力軸トルクを検出する。セレクトレバー81からは、運転者の選択したシフトレンジのレンジ信号(前進レンジ、後退レンジ等)を検出する。
【0037】
マイクロコンピュータを主体に構成された変速制御装置80は、入力ディスク回転数ωidと、出力ディスク回転数ωodと、アクセル踏み込み量APSと、レンジ信号と、入力トルクTを入力して、ステップモータ52の指令値を演算する。
【0038】
図4は変速制御装置80において実行される変速制御を表すブロック図である。目標変速比設定手段100では、車速VSPとアクセル踏み込み量APSとから目標変速比Gを演算する。まず、車速VSPとアクセル踏み込み量APSとから、図5に示すマップを用いて、到達エンジン回転数ωteを求める。ここで、車速VSPは、出力ディスク回転数ωodと車速VSPとの関係を示す下記の式1を用いて、出力ディスク回転数ωodから算出する。
(式1)
Figure 2004150456
ここで、kvはファイナルギア比やタイヤ半径から決まる定数である。
【0039】
次に、到達エンジン回転数ωteと出力ディスク回転数ωodとから、式(2)に示す関係を用いて到達CVT変速比Gを算出する。
(式2)
Figure 2004150456
【0040】
最後に、到達CVT変速比Gから、例えば式(3)に示すローパスフィルタを用いて目標変速比Gを算出する。
(式3)
Figure 2004150456
ここで、Crは変速感等を考慮して決める時定数に相当する定数である。
【0041】
変速比検出手段101では、例えば,入力ディスク回転数ωidの検出値と出力ディスク回転数ωodの検出値とから,式(4)に示す関係を用いて変速比検出値Gを演算する.
(式4)
Figure 2004150456
ただし、変速比検出値Gは、入力ディスク回転数ωidの検出値と出力ディスク回転数ωodの検出値とから算出する方法に限定するものではなく、傾転角度φの検出値や、パワーローラ回転数ωprの検出値からも算出できる。但し、この場合は、傾転角度やパワーローラ回転数を検出するセンサが必要である。
【0042】
いくつかの例を示すと、まず、傾転角度φと変速比Gとの関係を示す式(5)を用いて、傾転角度φの検出値から演算する方法がある。
(式5)
Figure 2004150456
ここで、η,θはTCVT10の機械的諸元で決まる定数である。
【0043】
また、出力ディスク回転数ωodと入力ディスク回転数ωidとパワーローラ回転数ωprと傾転角度φとには、式(6)と式(7)とで表される関係がある。
(式6)
Figure 2004150456
(式7)
Figure 2004150456
この関係を用いて、パワーローラ回転数ωprの検出値と傾転角度φの検出値とから、出力ディスク回転数ωodと入力ディスク回転数ωidを算出し、式(4)に示す関係を用いて算出しても良い。
【0044】
前進用変速比制御手段102では、目標変速比Gと変速比Gとを入力し、車両前進時,目標変速比付近に変速比を制御するようなステップモータの駆動指令値を出力する.ステップモータの変位uを入力とし、トラニオン変位yと傾転角度φとを状態量として、TCVT10の動特性は、式(8)と式(9)とで表される。
(式8)
Figure 2004150456
(式9)
Figure 2004150456
ここで、fはφとωcoとの非線形関数、a,a,bはTCVT10の機械的諸元で決まる定数、gは変速制御弁のバルブゲイン,φoは傾転角度の基準角度,uoはステップモータの基準変位,ytsv,ytsbはトラニオンとパワーローラとのガタや,入力トルクによる変形によるトラニオン変位のずれであり、ytsvは図6に示すトラニオン軸方向ずれytsv算出マップを用いて入力トルクから算出される値、ytsbは図7に示すトラニオン軸方向ずれytsb算出マップを用いて入力トルクから算出される値である。
(y−ytsv)はパワーローラのオフセット量である。fは次式で表される。
(式10)
Figure 2004150456
ここで、fdはTCVT10の形状で決まる定数であり、前進時にωcoは正(このとき、fも正となる)とする。式(7),(8),(9),(10)から、前進時、ステップモータの変位uに対する変速比Gの特性は安定となる。ここで、ytsv,ytsbが共にゼロならば、式(7),(8),(9)から、定常時のステップモータの変位uと変速比Gとの関係は、次式で表される。
(式11)
Figure 2004150456
例えば、式(7)を用いて目標変速比Gから目標傾転角度を演算し、ステップモータ変位の指令値を、この目標傾転角度から式(11)を用いてフィードフォワードで演算してもよい。
【0045】
一方、ytsv,ytsbがゼロでないときは、トルクシフトにより変速比が目標変速比に対してずれるので、例えば、次式で表されるPID制御器を用いて、目標変速比に対する変速比の特性を安定化する。
(式12)
Figure 2004150456
ここで、k,k,kはPID制御器の制御ゲイン、sはラプラス演算子である。
【0046】
後退用変速比制御手段103では、目標変速比Gと変速比Gとを入力し、車両後退時、目標変速比付近に変速比を制御するようなステップモータの駆動指令値を出力する。fは、式(10)に示すように、TCVT出力軸回転数ωcoの正負に合わせて正負が変わる。これにより、式(8),(9)で表されるステップモータ変位uに対する傾転角度φの特性は、fが正で安定、fが負で不安定となる。これが、前進時にステップモータ変位uに対する傾転角度φの特性が安定となり、後退時にステップモータ変位uに対する傾転角度φの特性が不安定となることを表している。このため、前進用変速比制御手段102で説明したようなフィードフォワード制御では安定に制御するのが難しい。しかし、式(8)と式(9)とで表されるTCVTシステムの出力を傾転角度φとすると、このシステムは可制御可観測系である。このため、状態量のフィードバック制御で傾転角度(変速比)を安定化できる。例えば、(式12)で表されるPID制御器において、車両後退時、目標変速比と変速比の偏差を補償するような制御ゲインとする制御器を用いて、ステップモータの駆動指令値を演算するとよい。
【0047】
制御選択手段105では、後述する変速比型進行方向判断手段104で前進と判断した場合は前進用変速比制御手段102の出力をステップモータに指令し、後退と判断した場合は後退用変速比制御手段103の出力をステップモータに指令する。
【0048】
変速比型進行方向判断手段104では、セレクトレバーのシフト位置と、目標変速比と、変速比とから車両の進行方向を判断する。TCVT10は前進と後退とで特性が異なるため、変速比制御も異なる。そこで、進行方向に応じた制御の切り換えが必要となる。もし、進行方向に対する制御が間違っていると、変速比は増速側もしくは減速側に発散する可能性があり、増速側に発散すると、駆動力が減少し、希望の加速感が得られなくなる可能性がある。しかし、本実施例の構成では進行方向を直接検出することができないので、ソフト的に進行方向を判断する必要がある。以下に、進行方向判断の一例を示す。
【0049】
・シフト位置が前進レンジ以外から前進レンジへ変化したとき前進、後退レンジ以外から後退レンジへ変化したとき後退と進行方向を判断する(請求項1に対応)。但し、シフト位置が変化したときの車速絶対値が、ゼロ付近の所定値(例えば1km/h)より大きい場合、この所定値以下となるまで進行方向の判断の切り換えを待つ(請求項9に対応)。
・変速比が目標変速比より増速側のある所定値Aを、減速側から増速側へ横切ったとき、進行方向の判断を、前進としている場合は後退へ、後退としている場合は前進へ切り換える。但し、変速比が所定値Aより減速側に戻る前に、再度、変速比が所定値Aを減速側から増速側へ横切ったとしても、進行方向の判断の切り換えは行わない(請求項1に対応)。
【0050】
ここで、所定値Aは、進行方向の判断と実際の進行方向とが合っているときに取り得ない値とする。これにより、逆走による変速比の増速側への発散を検知して、進行方向に応じた制御に切り換えることが可能となり、変速比を減速側に戻すことができるため、常に希望の加速感が得られる。
【0051】
図8は変速制御装置80で演算する変速制御演算を表すフローチャートである。尚、この変速制御演算は、ある所定の制御周期、例えば20msec毎に実行される。
【0052】
ステップS1では、入力ディスク回転センサで入力ディスク回転数ωidを検出する。
【0053】
ステップS2では、出力ディスク回転センサで出力ディスク回転数ωodを検出する。
【0054】
ステップS3では、入力ディスク回転数ωidと出力ディスク回転数ωodとから、式(4)を用いて変速比を演算する。
【0055】
ステップS4では、アクセル踏み込み量センサでアクセル踏み込み量APSを読み込む。
【0056】
ステップS5では、出力ディスク回転数ωidから、式(1)を用いて、車速VSPを演算する。
【0057】
ステップS6では、先ず、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図5に示す変速マップを用いて到達エンジン回転数ωteを求める。次に、到達エンジン回転数ωteと出力ディスク回転数ωodとから、式(2)を用いて到達CVT変速比Gを算出する。そして、到達CVT変速比Gから式(3)に示すローパスフィルタを用いて目標変速比Gを算出する。
【0058】
ステップS7では、セレクトレバーのシフト位置(前進レンジ、もしくは後退レンジ)を検出し、シフト位置が前進レンジなら実シフトフラグrsFlagを0に,後退レンジならrsFlagを1にセットする.
【0059】
ステップS8では、逆走フラグrFlag(シフト位置と進行方向とが合っていると判断しているとき0,逆走と判断しているとき1)と、シフトフラグsFlag(実際のシフト位置とは異なるプログラム上のシフト位置判断であり、前進レンジを0,後退レンジを1)を参照し、rFlag=sFlagならばステップS9へ進み、それ以外はステップS10へ進む。逆走フラグrFlagとシフトフラグsFlagの組み合わせの意味を次に示す。
・rFlag=0,sFlag=0:シフト位置前進レンジで前進と判断している
・rFlag=1,sFlag=0:シフト位置前進レンジで後退と判断している
・rFlag=0,sFlag=1:シフト位置後退レンジで後退と判断している
・rFlag=1,sFlag=1:シフト位置後退レンジで前進と判断している
これから、前進と判断しているのはrFlag=sFlagのときである。
【0060】
ステップS9では、前進用変速比制御手段102に示した前進用変速比制御を行う。
【0061】
ステップS10では、後退用変速比制御手段103に示した後退用変速比制御を行う。
【0062】
ステップS11では、変速比が所定値Aより増速側で、かつ進行方向判断禁止フラグiFlag(0で判断許可,1で判断禁止)が0ならば、ステップS12へ進み、そうでなければステップS15に進む。
【0063】
ステップS12では、逆走フラグrFlagを参照し、rFlag=0でシフト位置と進行方向とが合っていると判断している場合はステップS13に進み、rFlag=1で逆走と判断している場合は、ステップS14に進む。
【0064】
ステップS13では、逆走フラグrFlagを1にセットして、逆走と判断を切り換える。
【0065】
ステップS14では、逆走フラグrFlagを0にセットして、シフト位置と進行方向とが合っていると判断を切り換える。
【0066】
ステップS15では、変速比が所定値Aより減速側であるならば、ステップS16に進み、それ以外はステップS17へ進む。
【0067】
ステップS16では、進行方向判断禁止フラグiFlagを0にセットする。
【0068】
ステップS17では、シフト位置が前進レンジ(rsFlag=0)で、かつ車速がゼロ付近(例えば1km/h以下)で、かつ、sFlag=1(プログラム上のシフト位置判断を後退レンジとしている)とき、ステップS18に進み、それ以外はステップS19へ進む。
【0069】
ステップS18では、逆走フラグrFlag=0にセットし、シフトフラグsFlag=0にセットする。
【0070】
ステップS19では、シフト位置が後退レンジ(rsFlag=1)で、かつ、車速がゼロ付近で、かつsFlag=0(すなわちプログラム上のシフト位置判断を前進レンジとしている)とき、ステップS21に進み、それ以外は本制御を終了する。
【0071】
ステップS20では、逆走フラグrFlagを0とし、シフトフラグsFlagを1として、本制御を終了する。
【0072】
上記制御における進行方向判断状況の一例を図9のタイムチャートに示す。シフト位置が前進レンジで、車両が急登坂路上にいる状況を考える。シフト位置が前進レンジなので、最初、進行方向を前進と判断している。時刻t11において、ブレーキを離すと、シフト位置は前進レンジであるが、車両が後退したとする。このとき、進行方向と制御が一致していないことで、変速比は増速側へ変速する。
【0073】
しかし、時刻t12において、変速比検出値が所定値Aを減速側から増速側へ横切ったことを検知し、進行方向の判断を後退に切り換えることで、変速比を減速側に戻すことができる。
【0074】
その後、時刻t13において、車両が一旦停止し、時刻t14においてアクセルを踏み込み、時刻t14以降では前進したとする。まだ、進行方向は後退と判断したままであるので、進行方向と制御が一致していないことで、変速比は増速側に変速してしまう。
【0075】
しかし、時刻t15において、変速比検出値が所定値Aを減速側から増速側へ横切ったことを検知し、進行方向の判断を前進に切り換えることで、変速比を減速側に戻すことができる。
【0076】
以上説明したように、実施の形態1の変速制御装置の構成にあっては、進行方向の検出を行うのではなく、車両の実際の進行方向と判断された進行方向とが一致しない状況を、変速比の増速側への発散でソフト的に判断し、制御を切り換えることで変速比を減速側に戻して、駆動力の減少を抑えることができ、加速感の低下を抑制することができる(請求項1に対応)。
【0077】
また、車速がゼロ付近になるまで進行方向の判断を切り換えないことで、進行方向はまだ変化していないのに、制御を切り換えることで変速比が増速側に発散するということを防止することができる(請求項9に対応)。
【0078】
(実施の形態2)
【0079】
次に、実施の形態2におけるトロイダル型無段変速機の変速制御装置について説明する。機械的な構成については実施の形態1と同様であるため異なる点についてのみ説明する。
【0080】
実施の形態2の変速制御装置80において実行される変速制御は基本的には実施の形態1で説明した図4に表すブロック図と同様であり、目標変速比検出手段101と、前進用変速比制御手段102と、後退用変速比制御手段103と、制御選択手段105は、実施の形態1の制御内容と同様であるため、説明は省略する。
【0081】
変速比型進行方向判断手段104では、セレクトレバーのシフト位置と、目標変速比と、変速比とから、車両の進行方向を判断する。以下に、進行方向判断の一例を示す。
【0082】
・シフト位置が前進レンジ以外から前進レンジへ変化したとき前進、後退レンジ以外から後退レンジへ変化したとき後退と進行方向を判断する(請求項1に対応)。但し、シフト位置が切り換えられたときの車速絶対値が、ゼロ付近の所定値(例えば、1km/h)より大きい場合、この所定値以下となるまで進行方向の判断の切り換えを待つ(請求項9に対応)。
・変速比が目標変速比より増速側のある所定値Aを減速側から増速側へ横切ったとき、進行方向の判断を、前進としている場合は後退へ、後退としている場合は前進へ切り換える(請求項1に対応)。このとき、所定値Aを更に増速側にΔAだけ移動し、変速比が目標変速比付近に戻ったときには、再度所定値Aを初期値に戻す(請求項2に対応)。
【0083】
これにより、変速比検出値にノイズが含まれる場合に、変速比検出値が所定値Aを何度も横切ることによる進行方向判断切り換えのハンチングを防ぐことができる。
【0084】
図10は実施の形態2における変速制御装置80で演算する変速制御演算を表すフローチャートである。尚、この変速制御演算は、ある所定の制御周期、例えば20msec毎に実行される。基本的な制御内容は実施の形態1と同様であるため、異なるステップについてのみ説明する。
【0085】
ステップS1〜ステップS10は実施の形態1と同様であるため省略する。
【0086】
ステップS100では、変速比が所定値Aより増速側で、かつ、進行方向判断禁止フラグiFlagが0ならば、ステップS101へ進み、それ以外はステップS102へ進む。
【0087】
ステップS101では、所定値AをΔAだけ増速側に移動し、所定値移動フラグaFlag(1で所定値移動(A+ΔA),0で初期位置(A))を1にする。ここで、ΔAは、例えば変速比検出値のノイズ幅の最大値とするとよい。
【0088】
ステップS12〜ステップS14は実施の形態1と同様であるため省略する。
【0089】
ステップS102では、変速比が目標変速比による減速側になったらステップS103へ進み、そうでなければステップS17へ進む。
【0090】
ステップS103では、所定値をΔAだけ減速側に移動して初期位置(A)とし、所定値移動フラグiFlagを0にセットする。
【0091】
ステップS17〜ステップS20は、実施の形態1と同様であるため省略する。
【0092】
上記制御における進行方向判断状況の一例を図11のタイムチャートに示す。図11(a)は所定値Aを一定値とした場合のタイムチャートである。図に示すように、シフト位置が前進レンジで、車両が急登坂路上にいる状況を考える。シフト位置が前進レンジなので、最初、進行方向を前進と判断している。ブレーキを離してシフト位置は前進レンジであるが、車両が後退したとする。このとき、進行方向と制御が一致していないことで、変速比は増速側に変速する。変速比検出値にノイズが含まれている場合、進行方向判断切り換え前後で、所定値Aを一定にしていると、図11(a)に示すように、時刻t21において一旦減速側から増速側に横切った後、ノイズにより所定値を何度も減速側から増速側に向かって横切ってしまう(時刻t22,時刻t23,時刻t24)。これにより、進行方向判断切り換えのハンチングが起きる可能性がある。また、変速比が所定値Aを減速側から増速側に横切ることで進行方向の判断を切り換えるが、もし、図11(a)に示すように時刻t24において、前進と判断したときに更に変速比が増速側に移動すると、実際の進行方向と判断された進行方向とが一致せず、変速比は増速側に発散する可能性がある。
【0093】
これに対し、実施の形態2の変速制御装置にあっては、図11(b)に示すように、進行方向の判断を切り換えると同時に、所定値Aを増速側にΔA分移動することで、ノイズが発生していたとしても何度も所定値Aを減速側から増速側に横切ることがなく、制御ハンチングを防止すると共に、進行方向の誤判断を防止することができる(請求項2に対応)。
【0094】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3におけるトロイダル型無段変速機の変速制御装置について説明する。機械的な構成については実施の形態1と同様であるため異なる点についてのみ説明する。
【0095】
図12は実施の形態3の変速制御装置80において実行される変速制御を表すブロック図である。目標変速比検出手段101と、前進用変速比制御手段102と、後退用変速比制御手段103と、制御選択手段105は、実施の形態1の制御内容と同様であるため、説明は省略する。
【0096】
速度検出手段206では、出力ディスク回転数ωodから、式(1)に示す関係を用いて車速VSPを演算する。
【0097】
変速比型進行方向判断手段204では、セレクトレバーのシフト位置と、目標変速比と、変速比と、車両の速度絶対値とから、車両の進行方向を判断する。以下に、進行方向判断の一例を示す。
【0098】
・シフト位置が前進レンジ以外から前進レンジへ変化したとき前進、後退レンジ以外から後退レンジへ変化したとき後退と進行方向を判断する(請求項1に対応)。但し、シフト位置が切り換えられたときの車速絶対値が、ゼロ付近の所定値(例えば、1km/h)より大きい場合、この所定値以下となるまで進行方向の判断の切り換えを待つ(請求項9に対応)。
・エンジンからの駆動トルクで、車両が前進又は後退方向に加速するときに、減速側に変速比がずれるトルクシフト特性を有するTCVTにおいて、車速絶対値の増加中(車両の加速中)に、所定値Bを減速側から増速側に変速比が横切ったとき、進行方向の判断を切り換える(請求項3に対応)。但し、進行方向判断の切り換えを行った後、車速絶対値がゼロ付近になるまで、進行方向判断の切り換えは行わない(請求項4に対応)。
【0099】
ここで、所定値Bは、目標変速比に対して、変速比を検出するセンサのノイズの値より増速側とする(請求項5に対応)。これにより、逆走による変速比の増速側への発散を早く検知して、進行方向に応じた制御に切り換えることができ、変速比を減速側に戻す前に、一旦増速側に変速する量を少なくできるので、より運転者の希望に近い加速感が得られる。
【0100】
表1に、車両の加減速度と、トルクシフトにより変速比がずれる方向と、シフト位置との関係を示す。ここで、加速は車速絶対値が増加すること、減速は車速絶対値が減少することを意味し、不定ではどちらに変速比がずれるか分からない(以下のパラメータでは決められない)ことを意味するものとする。
(表1) 車両の加減速度とトルクシフトとシフト位置との関係.
Figure 2004150456
【0101】
上記表1から、加速中に変速比が増速側にずれるのはシフト位置と進行方向が合っていない場合であることが分かる。ここでは、この特性を利用して、進行方向の判断を行う。
【0102】
図13は実施の形態3における変速制御装置80で演算する変速制御演算を表すフローチャートである。尚、この変速制御演算は、ある所定の制御周期、例えば20msec毎に実行される。基本的な制御内容は実施の形態1と同様であるため、異なるステップについてのみ説明する。
【0103】
ステップS1〜ステップS10は実施の形態1と同様であるため省略する。
【0104】
ステップS200では、車両が加速中(車速絶対値が増加中)で、変速比が所定値Bより増速側で、進行方向判断禁止フラグiFlagが0ならばステップS201へ進み、それ以外はステップS202へ進む。
【0105】
ステップS201では、進行方向判断禁止フラグiFlagを1にセットする。
【0106】
ステップS12〜ステップS14は実施の形態1と同様であるため省略する。
【0107】
ステップS202では、車速がゼロ付近(例えば1km/h以下)であればステップS203へ進み、そうでなければステップS17へ進む。
【0108】
ステップS203では、進行方向判断禁止フラグiFlagを0にセットする。
【0109】
ステップS17〜ステップS20は、実施の形態1と同様であるため省略する。
【0110】
上記制御における進行方向判断状況の一例を図14のタイムチャートに示す。シフト位置が前進レンジで車両が後退し、車速の絶対値が増加しているときのトルクシフトによる変速比のずれを示す。時刻t31において、車両が後退を開始し、車速絶対値が増加しているときは加速と判断する。このとき、表1に示すように、増速側に変速比がずれるのは逆走のときだけである。これから、時刻t32において、加速時における変速比の増速側へのずれが、所定値Aよりも目標変速比に近く、変速比を検出するセンサのノイズの値より増速側の所定値Bより増速側となったときは、進行方向の判断を所定値Aに到達する前に切り換える。そして、時刻t34において、車速がゼロ付近に到達すると、進行方向の判断を再度切り換える。
【0111】
以上説明したように、実施の形態3の変速制御装置の構成にあっては、進行方向判断の誤りを早期に判断できると共に、制御の切り換えにより減速側に変速比を戻す前の一旦増速側に変速する量を少なくすることができ、駆動力の減少を抑えることができる。特に、ステップモータの駆動速度が遅くなる低温時において、は、進行方向の判断の誤りを判断するのが遅いと、減速側に変速する位置へステップモータを変位させるのに時間がかかってしまう。このため、減速側に変速する前に、一旦増速側に変速する量が大きくなってしまう。これに対し、本実施の形態3では、進行方向の判断の誤りを早期に判断できることで低温時においても駆動力の減少を抑えることができる。
【0112】
また、車速がゼロ付近になるまで進行方向の判断を切り換えないため、変速比検出値にノイズが含まれる場合に、変速比検出値が所定値Aもしくは所定値Bを何度も横切ることによる進行方向判断切り換えのハンチングを防止することができる。
【0113】
また、所定値Bは、目標変速比に対して、変速比を検出するセンサのノイズの値より増速側としているため、変速比検出値のノイズにより進行方向判断の切り換え誤判断を防止しながらトルクシフト特性を利用して、進行方向の判断を早期に判断することができる。
【0114】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4におけるトロイダル型無段変速機の変速制御装置について説明する。機械的な構成については実施の形態1と同様であるため異なる点についてのみ説明する。
【0115】
図15は実施の形態4の変速制御装置80において実行される変速制御を表すブロック図である。目標変速比検出手段101と、前進用変速比制御手段102と、後退用変速比制御手段103と、制御選択手段105は、実施の形態1の制御内容と同様であり、速度検出手段206は実施の形態2の制御内容と同様であるため、説明は省略する。
【0116】
スロットル開度検出手段307では、ロータリエンコーダなどを用いたスロットル開度センサでスロットル開度TVOを検出する。
【0117】
状態量型進行方向判断手段304では、セレクトレバーのシフト位置と、スロットル開度と、車速絶対値とから車両の進行方向を判断する(請求項6に対応)。以下に、進行方向判断の一例を示す。
シフト位置が前進レンジ以外から前進レンジへ変化したとき前進、後退レンジ以外から後退レンジへ変化したとき後退と進行方向を判断する(請求項1に対応)。但し、シフト位置が変えられたときの車速絶対値がゼロ付近の所定値(例えば、1km/h)より大きい場合、この所定値以下となるまで進行方向の判断の切り換えを待つ(請求項9に対応)。
前進と判断していて、かつ、現在のシフト位置が前進レンジであるとき、もしくは後退と判断していて、かつ、現在のシフト位置が後退レンジであるときに、スロットル開度がゼロ付近(例えば全開に対し1/16開度以下)で、かつ、車速絶対値が減少(減速)から増加(加速)に転じ、かつ、このときの車速絶対値がゼロ付近であるときに、進行方向の判断を切り換える(請求項7に対応)。
後退と判断していて、かつ、現在のシフト位置が前進レンジであるとき、もしくは前進と判断していて、かつ、現在のシフト位置が後退レンジであるときに、スロットル開度が開いていて(例えば全開に対し1/16開度より大)、かつ、車速絶対値が減少(減速)から増加(加速)に転じ、かつ、このときの車速がゼロ付近であるときに、進行方向の判断を切り換える(請求項8に対応)。
【0118】
これにより、アクセルを踏んで急な坂道を上っていた後、アクセルを離して進行方向が変化する状況と、アクセルを離して急な坂道をシフト位置と異なる方向へ下っていった後、アクセルを踏んで坂道発進する状況とにおいて、進行方向の変化を即座に判断でき、制御の切り換えにより減速側に変速比を戻す前の、一旦増速側に変速する量をより少なくすることができ、駆動力の減少をより抑えることができる。
【0119】
図16は実施の形態4における変速制御装置80で演算する変速制御演算を表すフローチャートである。尚、この変速制御演算は、ある所定の制御周期、例えば20msec毎に実行される。基本的な制御内容は実施の形態1と同様であるため、異なるステップについてのみ説明する。
【0120】
ステップS1〜ステップS10は実施の形態1と同様であるため省略する。
【0121】
ステップS300では、車速VSPの絶対値が1km/h以下で、車速絶対値が減少から増加へ遷移し、スロットル開度TVOが全開に対し1/16開度以下で、逆走フラグrFlag=0ならばステップS301へ進み、それ以外はステップS302へ進む。
【0122】
ステップS301では、逆走フラグrFlagを1にセットする。
【0123】
ステップS302では、車速がゼロ付近(例えば1km/h以下)で、車速絶対値が減少から増加へ遷移し、スロットル開度TVOが全開に対し1/16開度より大きくて、逆走フラグrFlag=1であればステップS303へ進み、そうでなければステップS17へ進む。
【0124】
ステップS303では、逆走フラグrFlagを0にセットする。
【0125】
ステップS17〜ステップS20は、実施の形態1と同様であるため省略する。
【0126】
上記制御における進行方向判断状況の一例を図17,18の車両の状態を表す概略図及びタイムチャートに示す。
【0127】
図17(a)は、シフト位置が前進レンジで急な登坂路を前進中に、アクセルを離して車両が後退する状況、図17(b)は図17(a)の状況における車速絶対値との関係を表すタイムチャートを示す。時刻t1において、アクセルを踏んで前進している。その後アクセルを離すと、斜面による重力のため、時刻t2において進行方向が前進から後退に変わる。このときの車速絶対値を見ると、時刻t1から時刻t2までは減少し、時刻t2から時刻t3までは増加であり、時刻t2においてはほぼゼロとなる。そこで、この状況をスロットル開度がゼロ付近で、かつ、車速絶対値が減少(車両の減速:時刻t1〜t2)から増加(車両の加速:時刻t2〜t3)に転じ、かつ、このときの車速絶対値がゼロ付近(時刻t2)であるときに、進行方向の判断を切り換えるので、シフト位置が前進レンジで急な登坂路を前進中に、アクセルを離して車両が後退する状況を即座に判断でき、制御の切り換えにより減速側に変速比を戻す前の一旦増速側に変速する量をより少なくすることができ、駆動力の減少を抑えることができる(請求項7に対応)。
【0128】
図18(a)は、シフト位置が前進レンジで急な登坂路上で後退しており、進行方向を後退と判断しているときに、アクセルを踏んで坂道発進をする状況を示す。時刻t4において、登坂路を後退している。その後アクセルを踏むと時刻t5で進行方向が後退から前進に変わる。このときの車速絶対値を見ると、時刻t4から時刻t5までは減少し、時刻t5から時刻t6までは増加であり、時刻t5でほぼゼロとなる。そこで、この状況をスロットル開度がゼロ付近で、かつ、車速絶対値が減少(車両の減速:時刻t4〜t5)から増加(車両の加速:時刻t5〜t6)に転じ、かつ、このときの車速絶対値がゼロ付近(時刻t5)であるときに、進行方向の判断を切り換えるので、シフト位置が前進レンジで急な登坂路を後退中に、アクセルを踏んで坂道発進する状況を即座に判断でき、制御の切り換えにより減速側に変速比を戻す前の、一旦増速側に変速する量をより少なくすることができ、駆動力の減少を抑えることができる(請求項8に対応)。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるトロイダル型無段変速機を表すスケルトン図である。
【図2】実施の形態1におけるトロイダル型無段変速機の断面、および変速制御系の構成を表す概略図である。
【図3】実施の形態1におけるトロイダル型無段変速機の変速制御装置を備えた制御系を含む構成図である。
【図4】実施の形態1におけるトロイダル型無段変速機の変速制御装置の制御系を表すブロック図である。
【図5】実施の形態1におけるアクセル開度毎の車速と到達エンジン回転数の関係を表すマップである。
【図6】実施の形態1におけるトラニオン軸方向ズレytsv算出マップである。
【図7】実施の形態1におけるトラニオン軸方向ズレytsb算出マップである。
【図8】実施の形態1におけるトロイダル型無段変速機の変速制御装置の制御内容を表すフローチャートである。
【図9】実施の形態1におけるシフト位置が前進レンジのときの、変速制御を表すタイムチャートである。
【図10】実施の形態2におけるトロイダル型無段変速機の変速制御装置の制御内容を表すフローチャートである。
【図11】実施の形態2におけるシフト位置が前進レンジのときの、変速制御を表すタイムチャートである。
【図12】実施の形態3におけるトロイダル型無段変速機の変速制御装置の制御系を表すブロック図である。
【図13】実施の形態3におけるトロイダル型無段変速機の変速制御装置の制御内容を表すフローチャートである。
【図14】実施の形態3におけるシフト位置が前進レンジのときの、変速制御を表すタイムチャートである。
【図15】実施の形態4におけるトロイダル型無段変速機の変速制御装置の制御系を表すブロック図である。
【図16】実施の形態4におけるトロイダル型無段変速機の変速制御装置の制御内容を表すフローチャートである。
【図17】実施の形態4における車両の状態を表す概略図及びタイムチャートである。
【図18】実施の形態4における車両の状態を表す概略図及びタイムチャートである。
【符号の説明】
10 トロイダル型無段変速機(TCVT)
12 トルクコンバータ
12a ポンプインペラ
12b タービンランナ
12c ステータ
12d ロックアップクラッチ
14 出力回転軸
16 トルク伝達軸
18,20 トロイダル変速部
22 ハウジング
23 トラニオン
24 傾転ストッパ
28 出力ギア
30 カウンターシャフト
30a 入力ギア
34 ローディングカム装置
36 スラストベアリング
40 前後進切換装置
42 遊星歯車機構
44 フォワードクラッチ
46 リバースブレーキ
50 油圧サーボ
51 サーボピストン
52 ステップモータ
53,54 リンク
55 プリセスカム
56 シフトコントロールバルブ
56S スプール
56D ドレーン
60 変速制御コントローラ
70 ライン圧供給弁
71 ドレーン解放弁
80 後退時制御装置
81 シフトレンジ
82 パワーローラ回転数センサ
83 出力ディスク回転数センサ
84 入力ディスク回転数センサ
85 傾転角度センサ
86 トラニオン変位センサ
87 入力軸トルクセンサ
88 アクセル踏み込み量センサ

Claims (9)

  1. 同軸配置した入出力ディスク間で油の剪断力により動力伝達を行うパワーローラを背面支持するトラニオンを備え、該トラニオンを油圧アクチュエータによりパワーローラの回転軸方向へオフセットさせることで発生する回転力によりトラニオンを傾転させ、パワーローラと入出力ディスクとの接点を移動させることにより無段変速を行うトロイダル型無段変速機と、
    目標変速比を設定する目標変速比設定手段と、
    変速比を検出または推定する変速比検出手段と、
    運転者の操作するシフトレバーのシフト位置を検出するシフト位置検出手段と、
    前進時において、設定された目標変速比と検出された変速比に応じて、前記目標変速比付近に変速比を制御する前進用変速比制御手段と、
    後退時において、設定された目標変速比と検出された変速比に応じて、前記目標変速比付近に変速比を制御する後退用変速比制御手段と、
    を備えた無段変速機の変速制御装置において、
    検出されたシフト位置が前進レンジ以外から前進レンジへ変化したとき前進と判断し、後退レンジ以外から後退レンジへ変化したとき後退と判断する第1進行方向判断部と、変速比が目標変速比より増速側の第1所定値を減速側から増速側へ横切ったとき、前記第1進行方向判断部で判断した進行方向と実際の進行方向とが異なる逆走状態であるとして進行方向の判断を切り換える第2進行方向判断部と、逆走状態と判断され、再度変速比が第1所定値を減速側から増速側へ横切ったときに、前記第1進行方向判断部で判断された方向と実際の進行方向が一致したと判断する第3進行方向判断部と、からなる変速比型進行方向判断手段と、前記変速比型進行方向判断手段において前進状態と判断されたときは、前進用変速比制御手段の出力を前記油圧アクチュエータに指令し、後退と判断されたときは後退用変速比制御手段の出力を前記油圧アクチュエータに指令する制御選択手段と、
    を備えることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置において、
    前記第2進行方向判断部は、進行方向の判断を切り換えたとき、前記第1設定値を所定量増速側の第2設定値に変更し、前記変速比が目標変速比近傍に戻ったときは前記第2設定値を前記第1設定値に戻すことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の無段変速機の変速制御装置において、
    前記トロイダル型無段変速機は、エンジンから入力される駆動トルクで、車両が前進または後退方向に加速するときに、減速側に変速比がずれるトルクシフト特性を有し、
    車両の速度絶対値を検出または推定する車速検出手段を設け、
    前記第2進行方向判断部は、検出された車速絶対値の増加中(車両の加速中)に、変速比が前記第1所定値より減速側であって、かつ、目標変速比より増速側の第3所定値を減速側から増速側に横切ったときに進行方向の判断を切り換えることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  4. 請求項1ないし3に記載の無段変速機の変速制御装置において、
    車両の速度絶対値を検出または推定する車速検出手段を設け、
    前記第2進行方向判断部は、一旦進行方向を判断した後、検出された車速がゼロ付近に到達するまで進行方向判断の切り換えを行わないことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  5. 請求項3または4に記載の無段変速機の変速制御装置において、
    前記第3所定値は、目標変速比に対して、変速比を検出するセンサのノイズの値より増速側とすることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  6. 同軸配置した入出力ディスク間で油の剪断力により動力伝達を行うパワーローラを背面支持するトラニオンを備え、該トラニオンを油圧アクチュエータによりパワーローラの回転軸方向へオフセットさせることで発生する回転力によりトラニオンを傾転させ、パワーローラと入出力ディスクとの接点を移動させることにより無段変速を行うトロイダル型無段変速機と、
    車両の速度絶対値を検出または推定する車速検出手段と、
    エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、
    目標変速比を設定する目標変速比設定手段と、
    変速比を検出または推定する変速比検出手段と、
    運転者の操作するシフトレバーのシフト位置を検出するシフト位置検出手段と、
    前進時において、設定された目標変速比と検出された変速比に応じて、前記目標変速比付近に変速比を制御する前進用変速比制御手段と、
    後退時において、設定された目標変速比と検出された変速比に応じて、前記目標変速比付近に変速比を制御する後退用変速比制御手段と、
    を備えた無段変速機の変速制御装置において、
    検出されたシフト位置が前進レンジ以外から前進レンジへ変化したとき前進と判断し、後退レンジ以外から後退レンジへ変化したとき後退と判断する第1進行方向判断部と、検出されたスロットル開度及び車速絶対値とから進行方向の変化を判断する第4進行方向判断部と、からなる状態量型進行方向判断手段と、
    前記状態量型進行方向判断手段において前進状態と判断されたときは、前進用変速比制御手段の出力を前記油圧アクチュエータに指令し、後退と判断されたときは後退用変速比制御手段の出力を前記油圧アクチュエータに指令する制御選択手段と、
    を備えることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  7. 請求項6に記載の無段変速機の変速制御装置において、
    前記第4進行方向判断部は、現在の進行方向判断が前進で,かつシフト位置が前進レンジのとき,もしくは現在の進行方向判断が後退で,かつシフト位置が後退レンジのときに,スロットル開度がゼロ付近で、かつ、車速絶対値が減少(車両の減速)から増加(車両の加速)に転じ、かつ、このときの車速絶対値がゼロ付近であるときは、進行方向判断を前進であれば後退、後退であれば前進に切り換えることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  8. 請求項6に記載の無段変速機の変速制御装置において、
    前記第4進行方向判断部は、現在の進行方向判断が前進で,かつシフト位置が後退レンジのとき,もしくは現在の進行方向判断が後退で,かつシフト位置が前進レンジのときに,スロットル開度が所定以上で、かつ、車速絶対値が減少(車両の減速)から増加(車両の加速)に転じ、かつ、このときの車速がゼロ付近であるときは、進行方向判断を前進であれば後退、後退であれば前進に切り換えることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  9. 請求項1ないし8に記載の無段変速機の変速制御装置において、
    車両の速度絶対値を検出または推定する車速検出手段を有すると共に、
    前記変速比型進行方向判断手段及び状態量型進行方向判断手段の第1進行方向判断部は、進行方向判断後、シフト位置が前進レンジから後進レンジへ、もしくは後進レンジから前進レンジへ切り換えられたとしても、車速絶対値がゼロ付近になるまで、進行方向の判断を切り換えないことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
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