JP4284905B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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    • F16H37/086CVT using two coaxial friction members cooperating with at least one intermediate friction member

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機の変速制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用の変速機として知られている無段変速機(以下、CVTという。)において、変速比の検出値のノイズによる変速比の振動(いわゆるハンチング)が生じ、このハンチングを抑制する技術として、例えば、特開平8−277927号公報に記載の技術がある。
【0003】
この技術は、CVTの入出力回転数をCVTの入力軸と出力軸との回転に同期してパルス信号を発生する回転センサからのパルス信号もしくは周波数に基づいて演算し、変速比をCVTの入出力回転数の比で算出する。このとき、目標変速比と実変速比の偏差が設定した不感帯の幅以下のときには変速アクチュエータへの指令値の演算を停止し、制御を行わないようにする演算停止手段を従来技術は設けている。この不感帯幅は、入力回転数と、出力回転数と、入力回転数と出力回転数との積とのいずれかに応じて変化させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えばCVTの入出力回転数を検出するための回転センサがCVTの入出力軸に取付けられた歯車とホール素子センサとの検出器とを用いて、検出器の近くを歯車の歯が通過することによりパルス信号を発生させるような回転センサである場合には、歯車の加工精度のバラツキによりフィルタを掛けた後のノイズの幅がユニット毎に異なる可能性がある。従来技術では、予め設定した不感帯の幅をフィードフォワードで指令しているため、不感帯の幅がノイズの幅を考慮したすべてのユニットに最適化された幅となっておらず、図22(a)に示すように設定した不感帯の幅よりノイズの幅が大きかったり(場合1)、小さかったり(場合2)することになる。
【0005】
場合1では、図22(b)に示すように、不感帯の幅に収まらないノイズにより変速アクチュエータ指令値がハンチングを生じ、変速比が振動的になるという問題がある。
【0006】
場合2では、図22(c)に示すように、目標変速比と実変速比とに定常偏差が残ると言う問題がある。
【0007】
したがって、従来技術では、変速比のハンチングの抑制と定常偏差の抑制との両立が困難であり、以下のような状況に改善代がある。
・停止時に最も減速側の変速比に精度良く変速比が保持できないと、再発進時の加速感が、その時々で異なりドライバーに違和感を与える。
・変速比を安定に精度良く目標変速比に一致させることができないため、図23に示すように機械的な傾転角度の限界まで変速範囲を有効に使用することができず、定常偏差分の余裕代を設ける必要が生じて変速範囲が狭まり、所望の変速比の幅を得ようとした場合に余裕代分だけCVTユニットが大型化し、コストアップを招く。または燃料消費効率が良い増速側の変速比の範囲が狭くなることにより、燃費が悪化する可能性がある。
・CVTの変速領域をさらに拡大するために、CVTに一定変速機と遊星歯車機構を組み合わせて、変速比を無限大を含んで前進から後進まで制御可能として変速比無限大無段変速機(以下、IVTという。)が知られている。IVTでは、ギアードニュートラルポイント(以下、GNPという。)と呼ぶ変速比無限大の点に精度良く制御しないと駆動力を0(ゼロ)にすることができず、停止状態を維持することができなくなり、意図しない発進を生じる可能性がある。
【0008】
そこで本発明の目的は、変速比のハンチングの抑制と定常偏差の抑制との両立を可能とする無段変速機の変速制御装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、指令値によって制御される変速アクチュエータの位置に応じて変速比を連続的に変更可能な無段変速機構と、変速比を検出する変速比検出手段と、アクセル踏込み量と車速とから目標変速比を生成する目標変速比生成手段と、所定周波数以外の周波数の電気信号を減衰するフィルタにより前記変速比検出手段が検出した変速比検出値から推定変速比を演算するフィルタ手段と、この推定変速比と目標変速比の偏差が所定値を超えるときには推定変速比と目標変速比の偏差に応じて変速アクチュエータ指令値を演算し、推定変速比と目標変速比の偏差が所定値以内のときには変速アクチュエータ指令値を保持する変速比不感帯成形手段とを有する無段変速機の変速制御装置において、前記無段変速機の入出力回転数を検出する回転センサの歯車のきざみ角度と加工精度に基づき前記変速比検出値に混入するノイズの大きさと周波数を予測するノイズ予測手段と、前記目標変速比と、最減速側の変速比または最高速側の減速比である精度要求減速比と、変速比検出値または変速比推定値が略一致している定常状態における変速比の不感帯幅は、前記変速アクチュエータの分解能に応じて、一致してない過渡状態における変速比の不感帯幅より小さく設定され、前記予測されたノイズの周波数における、前記予測されたノイズの大きさが前記不感帯の幅を超えないように前記フィルタのゲインを前記フィルタの次数またはカットオフ周波数に基づき小さくする変速比安定化手段とを備えたことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記変速アクチュエータによって達成できる最小変速比幅と前記変速比検出手段が検出できる最小変速比幅の和を前記変速比の不感帯幅から引いた差分よりも、ノイズの幅が小さくなるように前記フィルタのゲインを設定する。
【0011】
第3の発明は、第1または2の発明において、前記変速比安定化手段における変速比の不感帯幅は、前記アクチュエータによって達成できる最小変速比幅と前記変速比検出手段が検出できる最小変速比幅とノイズの最小幅との和以上である。
【0012】
第4の発明は、第1または3の発明において、前記変速比安定化手段は、不感帯幅が小さいほどノイズの周波数におけるフィルタのゲインを前記フィルタの次数またはカットオフ周波数に基づき小さくする。
【0013】
第5の発明は、第1または4の発明において、前記フィルタ手段におけるフィルタはローパスフィルタで構成され、前記変速比検出手段がCVT入出力回転に同期して発生するパルス信号の周波数に基づいてCVT入出力回転数の比から変速比を演算する場合に、ノイズの周波数における前記ローパスフィルタのゲインを変速比が低速であるほど前記フィルタの次数またはカットオフ周波数に基づき小さくする。
【0014】
第6の発明は、第1または5の発明において、前記フィルタ手段におけるフィルタはバンドリジェクトフィルタで構成され、前記変速比検出手段がCVT入出力回転数に同期して発生するパルス信号の周波数に基づいてCVT入出力回転数の比から変速比を演算する場合に、前記バンドリジェクトフィルタにおいてカットする信号の周波数は、ノイズの周波数が低いほど低くする。
【0016】
第7の発明は、第1の発明において、前記無段変速機は、変速比の逆数が負の値から正の値まで0を含んで連続的に変速可能な変速比無限大無段変速機であって、前記変速比安定化手段は、前記変速比が無限大となるギアードニュートラルポイントにおいて作用する。
【0017】
第8の発明は、第5から7のいずれか一つの発明において、前記ローパスフィルタまたは前記バンドリジェクトフィルタは、前記変速比検出値に加えて変速アクチュエータ指令値を入力し、これら変速比検出値と変速アクチュエータ指令値とから変速比を推定する推定器とする。
【0018】
【発明の効果】
第1の発明では、目標変速比と、最減速側の変速比または最高速側の減速比である精度要求減速比と、変速比検出値または変速比推定値が略一致している定常状態における変速比の不感帯幅は、前記変速アクチュエータの分解能に応じて、一致してない過渡状態における変速比の不感帯幅より小さく設定され、前記予測されたノイズの周波数における、前記予測されたノイズの大きさが前記不感帯の幅を超えないようにフィルタのゲインを前記フィルタの次数またはカットオフ周波数に基づき小さくするため、定常状態での不感帯幅を、変速アクチュエータの分解能に応じてノイズが不感帯幅以下に収まるように小さくすることで、目標変速比と変速推定値との偏差が小さい領域の制御ゲインが上昇するとともに、ノイズの周波数におけるフィルタのゲインを小さくし、変速比推定値に混入するノイズの大きさを小さくでき、振動を抑制しながら定常状態での目標変速比に対する変速比の精度を向上できる。
【0019】
第2の発明では、変速アクチュエータによって達成できる最小変速比幅と変速比検出手段が検出できる最小変速比幅の和を変速比の不感帯幅から引いた差分よりも、ノイズの幅が小さくなるようにフィルタのゲインを設定するので、現在の変速比と目標変速比との間に偏差があるため、変速比は最小変速比幅だけ移動し、不感帯幅内に入り変速比が安定することで、変速比のハンチングを確実に防止できる。
【0020】
第3の発明では、変速比安定化手段における変速比の不感帯幅は、アクチュエータによって達成できる最小変速比幅と変速比検出手段が検出できる最小変速比幅とノイズの最小幅との和以上としたので、不感帯幅内に必ず変速比の境界線が存在し、変速比のハンチングを効果的に抑制できる。また変速アクチュエータによって達成できる最小変速比幅が変速比に応じて変化した場合でも、この変化に応じて不感帯幅を変化させ、変速比のハンチングを抑制することができる。
【0021】
第4の発明では、変速比安定化手段は、不感帯幅が小さいほどノイズの周波数におけるフィルタのゲインをフィルタの次数またはカットオフ周波数に基づき小さくする。したがって、ノイズの減衰特性に合わせた適切な不感帯の幅の中にノイズを抑えることができ、振動を抑制しながら定常偏差をより小さくできる。
【0022】
第5の発明では、フィルタ手段におけるフィルタはローパスフィルタで構成され、前記変速比検出手段がCVT入出力回転に同期して発生するパルス信号の周波数に基づいてCVT入出力回転数の比から変速比を演算する場合に、ノイズの周波数における前記ローパスフィルタのゲインを変速比が低速であるほど前記フィルタの次数またはカットオフ周波数に基づき小さくするため、このような変速比の演算方法では、変速比に混入するノイズは変速比が低速側ほど大きくなるが、ノイズの周波数におけるローパスフィルタのゲインを小さくすることで、不感帯内にノイズを抑えることができる。したがって、異なる精度要求変速比であっても、安定して変速比を不感帯幅以下の定常偏差に抑えることができる。
【0023】
第6の発明では、フィルタ手段におけるフィルタはバンドリジェクトフィルタで構成され、前記変速比検出手段がCVT入出力回転数に同期して発生するパルス信号の周波数に基づいてCVT入出力回転数の比から変速比を演算する場合に、前記バンドリジェクトフィルタにおいてカットする信号の周波数は、ノイズの周波数が低いほど低くする。ノイズの周波数はCVTの入力回転数に比例し、入力回転数または出力回転数が低いほど周波数も低くなり、バンドリジェクトフィルタにおいて信号をカットする周波数もノイズの周波数に対応させて低くすることで、回転数の変化によってノイズの周波数が変化しても安定して不感帯幅以下の定常偏差に抑えることができる。
【0025】
第7の発明では、無段変速機は、変速比の逆数が負の値から正の値まで0を含んで連続的に変速可能な変速比無限大無段変速機であって、変速比安定化手段は、変速比が無限大となるギアードニュートラルポイントにおいて作用するため、ギアードニュートラルポイントに精度よく変速比を制御でき、車両を安定的に停止させることができる。
【0026】
第8の発明では、ローパスフィルタまたは前記バンドリジェクトフィルタは、変速比検出値に加えて変速アクチュエータ指令値を入力し、これら変速比検出値と変速アクチュエータ指令値とから変速比を推定する推定器とするため、変速比以外にも、パワーローラの変位など、他の状態量を推定でき、パワーローラの変位を検出するセンサを廃止でき、コストダウンが可能となり、また精度よく変速比を制御できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は本発明に適用するトロイダル型無段変速機を示し、図2は、その要部断面、および変速制御系の概略構成を示したものである。
【0029】
図1において、トロイダル型無段変速機(TCVT)10は、図中上側に設けられる動力源としてのエンジン(図示せず)の回転が、トルクコンバータ12を介してトロイダル型無段変速機10に入力されるようになっている。
【0030】
トルクコンバータ12は一般に良く知られているように、ポンプインペラ12a、タービンランナ12bおよびステータ12cを備え、特にトルクコンバータ12ではロックアップクラッチ12dが設けられている。
【0031】
そして、トロイダル型無段変速機10は、トルクコンバータ12の出力回転軸と同軸上に配置されるトルク伝達軸16が設けられ、トルク伝達軸16に第一トロイダル変速部18と第二トロイダル変速部20とがタンデム配置されている。
【0032】
トルク伝達軸16は中空に形成されるとともに、ハウジング22に対し軸方向の若干の移動が可能に取付けられている。上記第一及び第二トロイダル変速部18、20は、それぞれの対向面がトロイダル曲面に形成される一対の第一入力ディスク18a、第一出力ディスク18bおよび第二入力ディスク20a、第二出力ディスク20bと、それぞれの対向面間で摩擦接触するパワーローラ18c、18d、および20c、20dとによって構成される。
【0033】
第一トロイダル変速部18は、上記トルク伝達軸16の図中上方に配置されるとともに、第二トロイダル変速部20は該トルク伝達軸16の図中下方に配置され、かつ、それぞれの第一入力ディスク18aおよび第二入力ディスク20aは互いに外側に配置されるとともに、第一出力ディスク18bおよび第二出力ディスク20bは互いに内側に配置されている。そして、上記第一、第二入力ディスク18a、20aはボールスプライン24、26を介して上記トルク伝達軸16に、回転方向に係止されかつ軸方向の滑らかな移動が可能に取付けられている。
【0034】
一方、上記第一、第二出力ディスク18b、20bは、トルク伝達軸16に相対回転可能に嵌合された出力ギア28にスプライン嵌合され、第一、第二出力ディスク18b、20bに伝達された回転力は、出力ギア28と歯合する入力ギア30aを介してカウンターシャフト30に伝達され、更に、回転力出力経路を介して出力軸に伝達される。
【0035】
ここで、上記第一入力ディスク18aの外側にはローディングカム装置34が設けられ、ローディングカム装置34には、回転力入力経路を介して伝達されるエンジン回転が入力され、この入力トルクに応じた押圧力がローディングカム装置34によって発生される。
【0036】
ローディングカム装置34のローディングカム34aは、上記トルク伝達軸16に相対回転可能に嵌合するとともに、スラストベアリング36を介してトルク伝達軸16に係止される。
【0037】
また、第二入力ディスク20aとトルク伝達軸16の図中下方端部との間には皿バネ38が設けられている。
【0038】
したがって、ローディングカム装置34で発生される押圧力は、第一入力ディスク18aに作用するとともに、上記トルク伝達軸16および上記皿バネ38を介して第二入力ディスク20aにも作用し、かつ、皿バネ38によって発生される予圧力は、第二入力ディスク20aに作用するとともに、トルク伝達軸16およびローディングカム装置34を介して第一入力ディスク18aにも作用するようになっている。
【0039】
ところで、ローディングカム装置34とトルクコンバータ12との間の回転力入力経路には、車両の前進時と後進時の回転方向を切り換える前後進切換装置40が設けられる。
【0040】
前後進切換装置40は、ダブルプラネタリ方式の遊星歯車機構42と、該遊星歯車機構42のキャリア42aを上記出力回転軸14に締結可能なフォワードクラッチ44と、遊星歯車機構42のリングギア42bを上記ハウジング22に締結可能なリバースブレーキ46とによって構成される。
【0041】
そして、前後進切換装置40では、フォワードクラッチ44を締結するとともに、リバースブレーキ46を開放することにより、エンジン回転と同方向の回転が上記ローディングカム装置に入力され、かつ、フォワードクラッチ44を開放してリバースブレーキ46を締結することにより、逆方向の回転が入力されるようになっている。なお、上記遊星歯車機構42で、42cはサンギア、42d、42eは互いに噛み合いされるプラネタリギアである。
【0042】
ところで、第一トロイダル変速部18および第二トロイダル変速部20に設けられたパワーローラ18c、18dおよび20c、20dは、中心線(軸線)cに対して対称に配置され、それぞれのパワーローラは変速制御装置としての変速制御弁56および油圧アクチュエータ50を介して、車両の運転条件に応じて傾斜(傾転)され、これにより第一、第二入力ディスク18a、20aの回転を無段階に変速して第一、第二出力ディスク18b、20bへ伝達するようになっている。
【0043】
図2は、TCVT10の変速を制御する油圧系の機械的構成図である。
【0044】
パワーローラ20cはトラニオン23で背面から支えられている。トラニオン23は、油圧サーボシリンダ50のサーボピストンと連結しており、油圧サーボシリンダ50a内の油圧と50b内の油圧の差圧で変位する。
【0045】
シリンダ50a、50bは、それぞれシフトコントロールバルブ56のHi側ポート56HiとLow側ポート56Lowに繋がっており、シフトコントロールバルブ56はバルブ内のスプール56Sが変位することにより、ライン圧の油をHi側ポート56HiまたはLow側ポート56Lowに流し、他方のポートからドレーン56Dへ油を流出させることで油圧サーボ内の差圧を変化させる。
【0046】
スプール56Sは、ステップモータ52と後述するプリセスカム55及びリンク構造を介して連結している。
【0047】
プリセスカム55は、4つのトラニオンのうち1体に取り付けられており、パワーローラの上下方向変位とパワーローラの傾転角度をリンクの変位に変換する。
【0048】
スプール56Sの変位は、ステップモータ変位とプリセスカム55で伝えられる変位により決まる。
【0049】
TCVT10の変速は、トラニオン23を平衡点から上下に変位させることにより行い、この変位によりパワーローラ20cと両ディスク20aの回転方向ベクトルに差違が発生してパワーローフ20cは傾転ずる。
【0050】
変速の定常時には、パワーローラ20cおよびトラニオン23の軸方向変位yは平衡点(パワーローラの軸と入出力ディスクの軸線が一致する位置)に戻っており、スプール56Sの変位も中立点でバルブが閉じた状態であるので、このときパワーローラの傾転角度は、プリセスカム比とリンク比で決まるステップモータ52の変位に対応した位置となる。なお、この中立点は、トラニオンの軸方向で、パワーローラ20cの回転軸と入出力ディスクの回転軸が交差する位置を示す。
【0051】
プリセスカム55は、パワーローラ20cの傾転角度をスプール56Sの変位に負帰還して傾転角度の目標値とのずれを補償しながら、パワーローラ20cおよびトラニオン23の平衡点からの変位もスプール56Sの変位に負帰還して過渡状態においてダンピングの効果を与えて、変速のハンチングを抑える。
【0052】
すなわち、変速の到達点はステップモータ52の変位で決まり、一連の変速の過程を示すと、ステップモータ変位を変化させることでスプール56Sが変位してバルブが開き、サーボピストンの差圧が変化してパワーローラが平衡点から変位することで傾転し、パワーローラの傾転角度がステップモータ変位に対応した点でスプール56Sは中立点に戻り変速が終了する。
【0053】
図3は制御装置を含んだTCVT10の概略構成図である。
【0054】
マイクロコンピュータを主体に構成された制御装置80には、入力ディスク18a、20aの何れか1つの回転数ωciを検出する入力回転数センサ84からの出力、出力ディスク18b、20bの何れか1つの回転数ωcoを検出する出力回転数センサ83からの出力、パワーローラ18c、18d、20c、20cの何れか1つの回転数ωprを検出するパワーローラ回転数センサ82からの出力、傾転角度(=トラニオンの回転角)φを検出する傾転角度センサ85からの出力、中立点からのパワーローラ変位(=トラニオン軸方向変位)yを検出する変位センサ86からの出力、アクセルペダルの踏み込み量APSを検出するアクセル操作量センサ81からの出力、ライン圧Plを検出する圧力センサ87からの出力、シフトレバーの位置から運転モードを検出するシフトスイッチ88からの出力がそれぞれ入力され、ステップモータ52へ指令値を出力する。
【0055】
図4は、制御装置80の構成を説明するものである。
【0056】
制御装置80は、変速比検出値を演算する変速比検出手段100と、変速比推定値を出力するフィルタ手段101と、目標変速比を演算する目標変速比生成手段102と、精度要求変速比を指示する精度要求変速比指示手段103と、変速比の不感帯の幅を変速比が安定するように設定する変速比安定化手段104と、ノイズの大きさと周波数とを予測するノイズ予測手段105と、変速アクチュエータへの指令値を演算する変速比不感帯成形手段106とからなり、以下、各手段について詳しく説明する。なお、ノイズ予測手段105が予測するノイズの周波数は周期であってもよい。
【0057】
変速比検出手段100は、CVT入力軸回転数ωciとCVT出力軸回転数ωcoの検出値とから、式(1)に示す関係を用いて変速比検出値ic0を算出する。
【0058】
【数1】
Figure 0004284905
ここで変速比icは、CVT入力軸回転数ωciの検出値とCVT出力軸回転数ωcoの検出値とから算出する方法に限定されず、傾転角度φの検出値φ0や、パワーローラ回転数ωprの検出値から推定することができる。
【0059】
たとえば、傾転角度φと変速比icとの関係を示す式(2)を用いて、傾転角度φの検出値φ0から推定する方法がある。
【0060】
【数2】
Figure 0004284905
上式において、η、θ、ieはトロイダルCVTの機械的諸元で決まる定数である。
【0061】
または、CVT入力軸回転数ωciとCVT出力軸回転数ωcoとパワーローラ回転数ωprと傾転角度φとには式(3)、式(4)の関係が成立し、この関係を用いてパワーローラ回転数ωprの検出値と傾転角度φの検出値φ0とから、CVT入力軸回転数ωciとCVT出力軸回転数ωcoを算出し、式(1)の関係を用いて算出しても良い。
【0062】
【数3】
Figure 0004284905
【0063】
【数4】
Figure 0004284905
目標変速比生成手段102では、車速VSPとアクセル踏み込み量APSとから目標変速比ic *を演算する。まず、車速VSPとアクセル踏み込み量APSとから図10を用い、到達エンジン回転数ωteを求める。ここで、車速VSPは、CVT出力軸回転数ωcoと車速VSPとの関係を示す式(5)を用いて、IVT入力軸回転数ωioから算出する。
【0064】
【数5】
Figure 0004284905
ここで、kvはファイナルギア比やタイヤ半径から決まる定数である。
【0065】
次に、到達エンジン回転数ωte *とCVT出力軸回転数ωcoとから、式(6)に示す関係より、到達CVT変速比ictを算出する。
【0066】
【数6】
Figure 0004284905
最後に、到達CVT変速比ictから、例えば、式(7)に示すフィルタを用いて目標変速比ic *を算出する。
【0067】
【数7】
Figure 0004284905
ここで、crは変速感等を考慮して決める時定数に相当する定数である。
【0068】
精度要求変速比指示手段103では、目標変速比に精度良く一致させるべく予め設定した変速比である精度要求変速比を指示する。例えば、精度要求変速比として最減速側の変速比iclと最高速側の変速比ichと設定する。このような設定とすることで、変速比の余裕代を小さくすることができる。つまり、課題で説明したようにこれまでの変速比の範囲は機械的に制限される変速比範囲に対して余裕を有して設定されており、このように設定された変速比の範囲では変速比が不足な場合にはCVTを大型化する必要があったが、本発明では、この余裕代を小さくすることが可能となり、CVTを大型化することによるコストアップを招くことなく、所望の変速比範囲を達成できる。また変速比範囲が広くなるため、エンジンなど動力源の燃料消費効率がよい増速側の変速比を使うことができ、燃費の向上が図れる。さらには、最減速側の変速比を精度よく達成することができるので、再発進時に毎回一定の変速比を実現でき、加速の違和感を抑制することができる。なお、IVTにおけるGNPに相当するCVT変速比を設定するようにしてもよい。
【0069】
ノイズ予測手段105では、ノイズの大きさと周波数とを予測する。例えば、CVTの入出力回転数ωio、ωcoを、入出力軸に同期して発生するパルス信号の周期もしくは周波数に基づいて求め、これら入出力回転数ωio、ωcoから、式(1)の関係を用いて変速比検出値を算出している場合、変速比検出値は、式(8)で推定される。
【0070】
【数8】
Figure 0004284905
ここで、icpはノイズなしの変速比を表し、α1、α2は回転センサの歯車のきざみ角度と加工精度で決まる定数である。ω1、ω2は、CVT入出力側の回転に同期したパルスの計測周波数であり、周期計測を用いて検出したときは、次式で求める。
【0071】
【数9】
Figure 0004284905
ここで、Tin、Toutは、CVT入出力側の回転に同期したパルスの計測周期である。式(8)から、変速比検出値ic0のノイズicdは、
【0072】
【数10】
Figure 0004284905
で表される。このノイズの周波数ゲイン特性は、図9のように示され、ノイズの大きさと周波数の組み合わせは、(ω1、icpα1)、(ω2、icpα2)と予測する。このように、ノイズの周波数ω1は入力回転数ωciに比例するので、入力回転数ωciが低いほどω1は低くなり、例えば、バンドリジェクタフィルタによって信号をカットする周波数もこれに対応して低くすることで、CVT入力軸回転数の変化によってノイズの周波数が変化しても、安定して変速比を不感帯幅以下の定常偏差に抑えることができる。同様に、ノイズ周波数ω2は出力回転数ωcoに比例する。
【0073】
フィルタ手段101では、例えば、ローパスフィルタを用いて、変速比検出値ic0を入力したときの出力を変速比推定値icとして出力する。例えば、このローパスフィルタは、式(11)で表されるローパスフィルタW1(s)を用いるとよい。
【0074】
【数11】
Figure 0004284905
ここで、sはラプラス演算子を示し、ωfはローパスフィルタのカットオフ周波数である。このローパスフィルタの周波数特性を図5に示す。図5に示すように、式(11)中のnが大きいほどωfより高周波数帯域でのゲインが小さい。このnは、ノイズの大きさと変速比の変化速度から適切に選ぶとよい。この他にも、ローパスフィルタとして推定器を用いてもよい。
【0075】
推定器の一例を示す前に、トロイダルCVTを、ステップモータ速度vを入力とし、傾転角度φとパワーローラ変位yとステップ数uとを状態量として、式(12)に示すようにモデル化する。
【0076】
【数12】
Figure 0004284905
ここで、gはライン圧plに応じて、図示しないマップから求める変数である。a1、a2、bはトロイダルCVTの機械的諸元によって決まる定数である。fは傾転角度φとCVTの回転数(出力軸と入力軸とパワーローラのうちのいずれか一つの回転数)とに応じて決まる時変な変数である。たとえば、fを傾転角度φとCVT出力軸回転数ωcoとから求めるとすると、式(13)の関係から算出される。
【0077】
【数13】
Figure 0004284905
ここで、R0はトロイダルCVT機械的諸元で決まる定数である。このトロイダルCVTの状態量xの推定値を推定するために、例えば、式(14)に示す推定器を用いることができる。
【0078】
【数14】
Figure 0004284905
ここでH=[h123Tは、以下のように設定する。
【0079】
【数15】
Figure 0004284905
【0080】
【数16】
Figure 0004284905
【0081】
【数17】
Figure 0004284905
このオブザーバの入力である傾転角度φは、図13に示すマップを用いて、変速比検出値ic0から演算する。このとき、偏差eの動特性は、式(12)から式(14)を両辺引いて、
【0082】
【数18】
Figure 0004284905
【0083】
【数19】
Figure 0004284905
で表され、式(18)の特性方程式は、
【0084】
【数20】
Figure 0004284905
となる。この推定器は、図6に示すように、傾転角度φから傾転角度の推定値φ(a)への低域通過特性を有する。この推定器を、ローパスフィルタ手段のローパスフィルタとして用いるとよい。変速比推定値icは、図13に示すマップを用いて、この傾転角度の推定値φ(a)から求める。
【0085】
これらのローパスフィルタωfのカットオフ周波数は、後述する変速比安定化手段104で設定する周波数となる。
【0086】
または、図7に示すように、ローパスフィルタ手段101の代わりにバンドリジェクトフィルタ手段108としてもよい。このとき、バンドリジェクトフィルタ手段108では、図8で示すような、ノイズ予測手段105で予測したノイズの周波数ω1、ω2の周波数の信号をカットするバンドリジェクトフィルタまたはノッチフィルタを用いて、変速比検出値ic0から変速比推定値icを演算する。前述した通りω1はCVT入力軸回転数ωciに比例するので、CVT入力軸回転数がωciが小さいほど小さくする。またω2はCVT出力軸回転数ωcoに比例するので、CVT出力軸回転数ωcoが小さいほど小さくする。
【0087】
また、フィルタを変速比検出値に加えて変速アクチュエータ指令値を入力し、これらから変速比を推定する推定器(推定器)とした場合、変速比以外に、CVTのパワーローラ変位など、他の状態量を推定でき、パワーローラの変位を検出するセンサを設置する必要がなくなり、コストダウンを図れるとともに、精度よく精度要求変速比に変速比を維持できる。
【0088】
変速比安定化手段104では、目標変速比が精度要求変速比に一致する場合であり、変速比が精度要求変速比に到達したときに、後述する変速比不感帯成形手段106の不感帯幅edを小さく設定する。例えば、図11に示すように、変速比検出値ic0もしくは変速比推定値icに応じて、ステップモータの分解能に応じた変速比の幅Δicに設定すればよい。
【0089】
このとき同時に、フィルタ手段101のローパスフィルタのカットオフ周波数ωfを小さく設定する。これにより、ノイズの周波数ω1、ω2でのローパスフィルタのゲインG1、G2が小さくなり、変速比推定値icのノイズが小さくなる。図5もしくは図6で表されるローパスフィルタの周波数特性を用いて、ノイズの周波数ω1、ω2におけるゲインG1、G2を求める。そして、図9に示すノイズの大きさicpα1、icpα2と、ゲインG1、G2と不感帯幅edとが、式(21)を満たすようにカットオフ周波数を設定する。
【0090】
【数21】
Figure 0004284905
式(21)から、不感帯幅edを小さく設定するほど、ゲインG1、G2は小さくしなければならないことがわかる。ゲインG1、G2を小さくすることで、ノイズの減衰特性に合わせた適切な幅の不感帯の中にノイズを抑えることができ、振動を抑えながら定常偏差を小さくできる。
【0091】
また変速比icpが低速側であるほどicpの値は大きくなるので、式(21)を満たすにはゲインG1、G2を小さくしなければならない。つまり、ノイズは変速比icpが低速側であるほど大きくなり、変速比が低速側であるほど、ノイズの周波数におけるフィルタのゲインG1、G2を小さくすることで、不感帯内にノイズを抑えることができる。したがって、異なる精度要求変速比でも、安定して変速比を不感帯幅以下の定常偏差に抑えることができる。
【0092】
また、式(11)のようなフィルタの次数を変更できるローパスフィルタを用いた場合は、ローパスフィルタのカットオフ周波数ωfを小さくする代わりに、フィルタの次数nを上げてもよい。これにより、図5に示すように、ノイズの周波数ω1、ω2でのローパスフィルタのゲインG1、G2が小さくなり、変速比推定値icのノイズが小さくなる。
【0093】
また、変速比検出値ic0のノイズが、式(10)で予測するノイズより大きくなる場合を想定して、目標変速比が精度要求変速比に一致する場合であり、変速比が精度要求変速比に到達したときに、後述する変速比不感帯成形手段106の制御ゲインを小さくして、目標変速比ic *に対する変速比icの応答を遅くして、ノイズによる変速比の振動を抑制する。
【0094】
一方、変速の過渡状態では、不感帯の幅は、ノイズの大きさicpα1とicpα2の和で設定し、ローパスフィルタのカットオフ周波数ωfは、変速比検出値の信号に対する変速比推定値の信号の遅れがないように十分に大きくする。
【0095】
変速比不感帯成形手段106では、目標変速比ic *と変速比推定値icを入力して目標変速比ic *に対して変速比推定値icが所定の応答特性で追従するように、変速アクチュエータの指令値を演算する。変速比不感帯成形手段106の一例として、図12に示す制御器を説明する。まず、状態量変換部106aでは、式(2)の関係で求めた図13に示すマップを用いて、変速比推定値icから傾転角度推定値φを演算する。次に式(22)と(23)との関係を用いて傾転角度推定値φとパワーローラ変位yとステップ数uとから、変速比の一階微分値と二階微分値とを演算する。
【0096】
【数22】
Figure 0004284905
【0097】
【数23】
Figure 0004284905
ここで、∂ic/∂φ、∂2c/∂φ2は、傾転角度推定値φから、図示しないマップを用いて算出する。
【0098】
式(23)の変数fの一階微分値は、式(24)にて表される。
【0099】
【数24】
Figure 0004284905
ここで、∂f/∂φ、∂f/∂ωcoは、傾転角度推定値φから、図示しないマップを用いて算出する。
【0100】
ただし、CVT出力軸回転数は車両の慣性のため変化が遅いので、式(24)の右辺右側の項は他の項に比べて小さく、0と近似することができる。指令値演算部106bは、変速比推定値icと、変速比の一階微分値と二階微分値とを入力し、式(25)に示す関係を用いて、目標変速比に対する変速比の所望の応答と実際の応答との制御誤差σ0を演算する。
【0101】
【数25】
Figure 0004284905
ここで、ζは所望の応答の減衰係数であり、ωnは所望の応答の自然周波数である。不感帯演算部106cは、制御誤差σ0と不感帯幅edを入力して不感帯処理後制御誤差σを
σ0≧ed のとき σ=σ0−ed
|σ0|<ed のとき σ=0
σ0≦ed のとき σ=σ0+ed
のように求める。指令演算部106dは、式(26)の関係を用いて、変速アクチュエータの指令値としてステップモータの速度指令値vを演算する。
【0102】
【数26】
Figure 0004284905
ここで、εはσがゼロ近傍でσに対するvの関係を連続化する正の定数であり、Kはステップモータの最大駆動速度である。
【0103】
また、この他の変速比不感帯成形手段106として、例えば次式に示すようなPI制御器を用いて、目標変速比ic *と変速比推定値icとの偏差に基づいて、変速アクチュエータの指令値であるステップモータのステップ数uを演算してもよい。
【0104】
【数27】
Figure 0004284905
ここで、kPはPI制御器の比例ゲインであり、kIはPI制御器の積分ゲインであり、eはe0に対して不感帯処理を行った偏差である。偏差eは、
0≧edのときe=e0
|e0|<edのときe=0
0≦edのときe=e0+ed
のように求めるとよい。
【0105】
次に変速制御装置80で演算する変速制御演算の一例を、図14に示すフローチャートを使い説明する。この変速制御演算は、ある所定の制御周期、例えば10ms毎に実行される。フィルタ手段101は推定器を用い、変速アクチュエータ指令値はステップモータの速度とする。
【0106】
ステップS10では、各種センサの検出値を運転状態として読込む。ここで読み込む運転状態は、図3で示したうちの、CVT出力軸回転数ωco、CVT入力軸回転数ωci、中立点からのパワーローラ変位g、アクセル踏込み量APS、ライン圧Plである。
【0107】
ステップS11では、CVT出力軸回転数ωcoから、式(5)を用いて車速VSPを算出する。
【0108】
ステップS12では、CVT入力軸回転数ωciとCVT出力軸回転数ωcoとから、式(1)に示す関係を用いて変速比検出値ic0を演算する。
【0109】
ステップS13では、目標変速比生成サブルーチンを実行する。図15(a)に、目標変速比生成サブルーチンのフローチャートを示す。
【0110】
ステップS200では、アクセル踏込み量APSと車速VSPとから、図10に示す変速マップを用いて到達エンジン回転数ωteを求める。
【0111】
ステップS201では、到達エンジン回転数ωteとCVT出力軸回転数ωcoとから、式(6)を用いて到達CVT変速比ictを求める。
【0112】
ステップS202では、この到達CVT変速比ictに変速のチューニングで決まる時定数のフィルタを掛けて、式(7)を用いて目標変速比ic *を求めて、サブルーチンを抜ける。
【0113】
ステップS14では、前記ノイズ予測手段105で説明したように、変速比検出値icから、ノイズの周波数と大きさとの組合せ(ω1、icpα1)、(ω2、icpα2)を予測する。
【0114】
続く、ステップS15では、ドライブモードの最も減速側の変速比iclもしくは最も増速側の変速比ichと、目標変速比i と変速比検出値ic0とが一致しているならば、定常状態にあり、精度要求変速比に保持することを要求しているとして、ステップS16に進み、そうでなければ過渡状態であるので、ステップS17に進む。
【0115】
ステップS16では、前記変速比安定化手段104で説明したように、不感帯幅edをステップモータの分解能に応じた変速比の幅△icに設定し、カットオフ周波数ωfは、図6で表されるローパスフィルタの周波数特性と、図9で表されるノイズの周波数特性とから、変速比推定値icのノイズが不感帯幅ed以下に収まるように設定する。
【0116】
ステップS17では、前記変速比安定化手段104で説明したように、不感帯の幅はノイズの大きさicpα1とicpα2との和で設定し、ローパスフィルタのカットオフ周波数ωfは、変速比検出値の信号に対する変速比推定値の信号の遅れがないように十分に大きく設定する。
【0117】
ステップS18では、前記フィルタ手段101で説明した式(14)に示す推定器を演算する。
【0118】
ステップS19では、図15(b)に示す指令値演算サブルーチンを実行する。
【0119】
図15(b)のステップS300では、図13に示すマップを用いて、変速比推定値icから、傾転角度推定値φを演算する。
【0120】
ステップS301では、式(22)と式(23)との関係を用いて傾転角度推定値φとパワーローラ変位yとステップ数uとから、変速比の一階微分値と二階微分値とを演算する。
【0121】
ステップS302では、変速比推定値icと、変速比の一階微分値と二階微分値とから、式(25)に示す関係を用いて、目標変速比に対する変速比の所望の応答と実際の応答との制御誤差σ0を演算する。
【0122】
ステップS303では、制御誤差σ0と不感帯幅edとから、不感帯処理後制御誤差σを、
σ0≧edのときσ=σ0−ed
|σ0|<edのときσ=0
σ0≦edのときσ=σ0+ed
のように求める。
【0123】
ステップS304では、指令値演算部106dは、式(26)の関係を用いて、不感帯処理後制御誤差σからステップモータの速度指令値vを演算する。
【0124】
以上の操作により、精度要求変速比では変速比が精度良く精度要求変速比に保持される。ここで、精度要求変速比は所定変速比でのみ変速比精度を向上させる場合に用いられるが、すべての変速比で精度を向上させることも可能である。
【0125】
図16に、シミュレーション結果を示す。目標変速比を1.7と1.9とで変化させ、精度要求変速比は1.9とする。不感帯幅は、精度要求変速比以外では0.02とし、精度要求変速比では0.002とする。図16に示すように、精度要求変速比ではない変速比1.7のところでは定常偏差が大きい。一方、精度要求変速比1.9では定常偏差が小さく、精度良く目標変速比に変速比が保持できている。
【0126】
次に、図17にIVTの構成を示す。IVTは平行に配置されたIVT入力軸1とIVT出力軸6を有し、IVT入力軸上にはトロイダル型無段変速機2が、IVT出力軸上には遊星歯車5が備わる。遊星歯車のサンギア5aは直結クラッチ9bの一方とつながっており、トロイダル型無段変速機の出力が一定減速ギア4を介して入力される。遊星歯車のリングギア5cはIVT出力軸と直結クラッチ9bの他方とにつながっている。遊星歯車のキャリアは動力循環クラッチ9aの一方とつながっており、動力循環クラッチ9aの他方にはトロイダル型無段変速機の入力が一定減速ギア3を介して入力される。トロイダル型無段変速機は入力ディスク18a、20aと出力ディスク18b、20bが同軸上に配置され、入力ディスクと出力ディスク間で動力を伝達するパワーローラ20を圧接状態で介入させ、このパワーローラが傾転して、両ディスクとの接触位置を半径方向に移動することで両ディスク間の変速比を変化させる。入力ディスクはIVT入力軸に固定嵌合され、出力ディスクはIVT入力軸に自由嵌合される。動力循環クラッチ9aの締結力は第1の油圧サーボ93へ第1ソレノイドバルブ91から供給される油圧で決まり、直結クラッチ9bの締結力は第2の油圧サーボ94へ第2ソレノイドバルブ92から供給される油圧で決まる。
【0127】
このようなIVTでは、図18に示すように、動力循環クラッチ9aを締結する一方、直結クラッチ9bを解放することにより、CVTと一定変速機と遊星歯車との変速比に応じて、ユニット変速比(以下、IVT変速比乞でユニット入力軸回転数/ユニット出力軸回転数)の逆数ii=1/iを負の値から正の値までゼロ(ii=0(i=無限大)でギアードニュートラルポイント(GNP)という)を含んで連続的に変速制御を行う動力循環モードと、動力循環クラッチを解放する一方、直結クラッチを締結してCVTの変速比に応じて変速制御を行う直結モードを選択的に使用することができる。
【0128】
なお、図18においては、縦軸をIVT変速比iの逆数iiとして、CVT変速比と前後進の関係を連続的に表示した。
【0129】
このGNPでは、i=無限大であるので、ユニット出力軸の回転はゼロの停止状態となる。安定に停止状態を保つためには、図18において、IVTのGNPに相当するCVT変速比icgに精度良く変速比を保持することが要求される。
【0130】
本発明はIVTにも適用でき、前記精度要求変速比としてicgを設定することで、CVT変速比を精度良くicgに保持でき、車両を安定して停止することができる。
【0131】
以上、これまで説明してきた本発明をまとめると、IVTを含む無段変速機において、変速比が目標変速比にほぼ一致した定常状態で、実際の変速比を目標変速比により精度よく一致させるための発明であって、定常状態での目標変速比に対する実際の変速比の精度を向上するために、以下の特徴を有する。
▲1▼ノイズ予測手段を備え、ノイズの大きさと周波数(周期であってもよい)を予測し、
▲2▼変速比安定化手段を用いて定常状態では、変速比が目標変速比に一致していない過渡状態に比べてノイズの周波数におけるフィルタのゲインを小さくし、
▲3▼かつ、不感帯の幅を狭く設定する。
【0132】
具体的に不感帯幅dの設定についてまとめると、変速比がハンチングしないためには、不感帯幅dは以下の条件を満たす必要がある。
【0133】
d≧A+m
ここで、Aはノイズの幅(2×振幅、つまり2×(icpα1+icpα2))
mはアクチュエータ(ステップモータ)によって達成できる最小変速比幅と変速比検出手段100が検出できる最小変速比幅との和)
この関係が成立するようにフィルタのゲインを設定する。
【0134】
なお、変速比安定化手段104での変速比の不感帯幅dminは、以下の関係で表される。
【0135】
min=Amin+m
ここで、Aminは、ノイズの最小の幅であって、フィルタ処理によって小さくできるノイズの幅である。
【0136】
図19を用いて説明すると、図において各変速比(Gn、Gn+1等)間の幅は変速アクチュエータが達成できる最小変速比幅ΔGである。ここで、目標変速比を変速比GnとGn+1の間にあり、不感帯幅を最小変速比幅ΔGより小さい場合(▲1▼)と大きい場合(▲2▼)とで説明する。
【0137】
▲1▼最小変速比幅より小さい場合では、現在の変速比をGn+1とすると目標変速比に対して偏差eが存在するために変速比はGn側にΔGだけ移動し、変速比はGnとなる。ここで偏差e1が生じているため、今度はGn+1側に変速しようとし、変速を繰り返すことになり、ハンチングを生じる。
【0138】
▲2▼最小変速比幅より大きい場合では、現在の変速比をGn-1とすると目標変速比に対して偏差eが存在し、変速比はGn側にΔGだけ移動し、変速比はGnとなり、不感帯幅内に入り、変速比は安定する。
【0139】
よって、不感帯の幅は、変速アクチュエータが達成できる最小変速比の幅以上に設定することで変速比のハンチングを防止できる。さらに実際には変速比検出手段100が変速比の検出時に生じる検出誤差分と、ノイズをフィルタ処理した際に残るノイズを考慮し、ノイズの最小幅分を変速アクチュエータが達成できる最小変速比の幅に加算して設定することによりさらに効果的にハンチングを防止できる。
【0140】
図20は、本発明の効果を説明する図であり、(a)本発明による制御結果、(b)不感帯幅を狭くし、ゲインは下げない場合の結果、(c)ゲインを下げ、不感帯幅は狭くしない場合の結果を示している。
【0141】
図20(a)の本発明の場合では、変速比は目標変速比に精度よく一致しているのに対して、(b)の不感帯の幅のみを狭めたものでは、変速比の推定値が不感帯幅を超えていまい、ノイズを完全には除去することができず、変速比が振動的になる。また(c)に示すゲインのみを小さくしたものでは、不感帯の幅が大きすぎるために定常偏差が残ることになる。
【0142】
本発明では、変速比検出値に混入するノイズの大きさと周波数を予測し、目標変速比と変速比検出値または変速比推定値が略一致している定常状態における変速比の不感帯幅は、目標変速比と変速比検出値または変速比推定値が一致してない過渡状態における変速比の不感帯幅より小さく設定され、ノイズの周波数におけるノイズの大きさが不感帯の幅を超えないようにフィルタのゲインを小さくすることにより、図21に示すように定常状態での不感帯幅を小さくすることで、目標変速比と変速比推定値との偏差が小さい領域の制御ゲインが上昇するとともに、ノイズの周波数におけるフィルタのゲインを小さくし、変速比推定値に混入するノイズの大きさを小さくでき、振動を抑制しながら定常状態での目標変速比に対する変速比の精度を向上できる。
【0143】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する無段変速機の概略構成図である。
【図2】無段変速機の油圧系構成図である。
【図3】無段変速機の制御系構成図である。
【図4】制御装置の構成図である。
【図5】ローパスフィルタの周波数ゲイン特性図である。
【図6】推定器の変速比検出値に対する変速比推定値の周波数ゲイン特性図である。
【図7】他の制御装置の構成図である。
【図8】バンドリジェクトフィルタの周波数ゲイン特性図である。
【図9】ノイズの周波数ゲイン特性図である。
【図10】変速マップである。
【図11】ステップモータの分解能に応じた変速比幅を示す図である。
【図12】変速比不感帯成形手段の構成図である。
【図13】傾転角度と変速比の関係を示す図である。
【図14】制御装置が実施する制御内容を説明するフローチャートである。
【図15】同じく制御装置が実施する制御内容を説明するフローチャートである。
【図16】シミュレーションの結果である。
【図17】IVTの構成図である。
【図18】IVT変速比の逆数とCVT変速比との関係を示すである。
【図19】本発明の効果を説明する図である。
【図20】同じく不感帯幅の設定方法を説明する図である。
【図21】変速比の不感帯幅を説明する図である。
【図22】従来技術の不感帯の問題点を説明する図である。
【図23】同じく従来技術の不感帯の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
80 制御装置
100 変速比検出手段
101 フィルタ手段
102 目標変速比生成手段
103 定常変速比指示手段
104 変速比安定化手段
105 ノイズ予測手段
106 変速比不感帯成形手段
108 ノイズリジェクトフィルタ手段

Claims (8)

  1. 指令値によって制御される変速アクチュエータの位置に応じて変速比を連続的に変更可能な無段変速機構と、
    変速比を検出する変速比検出手段と、
    アクセル踏込み量と車速とから目標変速比を生成する目標変速比生成手段と、
    所定周波数以外の周波数の電気信号を減衰するフィルタにより前記変速比検出手段が検出した変速比検出値から推定変速比を演算するフィルタ手段と、
    この推定変速比と目標変速比の偏差が所定値を超えるときには推定変速比と目標変速比の偏差に応じて変速アクチュエータ指令値を演算し、推定変速比と目標変速比の偏差が所定値以内のときには変速アクチュエータ指令値を保持する変速比不感帯成形手段とを有する無段変速機の変速制御装置において、
    前記無段変速機の入出力回転数を検出する回転センサの歯車のきざみ角度と加工精度に基づき前記変速比検出値に混入するノイズの大きさと周波数を予測するノイズ予測手段と、
    前記目標変速比と、最減速側の変速比または最高速側の減速比である精度要求減速比と、変速比検出値または変速比推定値が略一致している定常状態における変速比の不感帯幅は、前記変速アクチュエータの分解能に応じて、一致してない過渡状態における変速比の不感帯幅より小さく設定され、前記予測されたノイズの周波数における、前記予測されたノイズの大きさが前記不感帯の幅を超えないように前記フィルタのゲインを前記フィルタの次数またはカットオフ周波数に基づき小さくする変速比安定化手段とを備えたことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 前記変速アクチュエータによって達成できる最小変速比幅と前記変速比検出手段が検出できる最小変速比幅の和を前記変速比の不感帯幅から引いた差分よりも、ノイズの幅が小さくなるように前記フィルタのゲインを設定することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置。
  3. 前記変速比安定化手段における変速比の不感帯幅は、前記アクチュエータによって達成できる最小変速比幅と変速比検出手段が検出できる最小変速比幅とノイズの最小幅との和以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速機の変速制御装置。
  4. 前記変速比安定化手段は、不感帯幅が小さいほどノイズの周波数におけるフィルタのゲインを前記フィルタの次数またはカットオフ周波数に基づき小さくすることを特徴とする請求項1または3に記載の無段変速機の変速制御装置。
  5. 前記フィルタ手段におけるフィルタはローパスフィルタで構成され、前記変速比検出手段がCVT入出力回転に同期して発生するパルス信号の周波数に基づいてCVT入出力回転数の比から変速比を演算する場合に、ノイズの周波数における前記ローパスフィルタのゲインを変速比が低速であるほど前記フィルタの次数またはカットオフ周波数に基づき小さくすることを特徴とする請求項1または4に記載の無段変速機の変速制御装置。
  6. 前記フィルタ手段におけるフィルタはバンドリジェクトフィルタで構成され、前記変速比検出手段がCVT入出力回転数に同期して発生するパルス信号の周波数に基づいてCVT入出力回転数の比から変速比を演算する場合に、前記バンドリジェクトフィルタにおいてカットする信号の周波数は、ノイズの周波数が低いほど低くすることを特徴とする請求項1または5に記載の無段変速機の変速制御装置。
  7. 前記無段変速機は、変速比の逆数が負の値から正の値まで0を含んで連続的に変速可能な変速比無限大無段変速機であって、
    前記変速比安定化手段は、前記変速比が無限大となるギアードニュートラルポイントにおいて作用することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置。
  8. 前記ローパスフィルタまたは前記バンドリジェクトフィルタは、前記変速比検出値に加えて変速アクチュエータ指令値を入力し、これら変速比検出値と変速アクチュエータ指令値とから変速比を推定する推定器とすることを特徴とする請求項5から7のいずれか一つに記載の無段変速機の変速制御装置。
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