JP2004149958A - フルダル調織編物 - Google Patents

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Abstract

【課題】フルダル糸の使用量が少なくても、又は紫外線吸収、反射剤の練り込み量が多くない糸を使用するにもかかわらず、白度や紫外線遮蔽性、さらには透湿防水性に優れたフルダル調の合成繊維織編物を得る。
【解決手段】平均粒径が0.5μm以下の無機微粒子を1.0質量%以上含有した単糸繊度が5.0デシテックス以下の合成繊維(A)および有機系白色顔料を含有した単糸繊度が5.0デシテックス以下の合成繊維(B)が交編または交織されていることを特徴とするフルダル調織編物及び前記合成繊維(A)及び(B)の単糸繊度が1.0デシテックス以下であり、合成繊維(A)及び(B)のうちの何れか一方を経糸、他方を緯糸とする織物であり、経糸と緯糸のカバーファクターの総和が1500以上の織物であることを特徴とするフルダル調織物である。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、合成繊維で構成された織編物に関するものである。詳しくは、屋外でスポーツを行う際に好適なフルダル調スポーツ衣料に関するものであり、高強力、透湿防水性を有し、紫外線遮蔽性に優れ、白度が高く、ソフトで柔軟、軽量なマルチフィラメント高密度織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からポリエステル、ナイロンなどの合成繊維マルチフィラメントを使ったスポーツ衣料用織編物が製造、商品化されている。該スポーツ衣料用織編物に求められる特性としては、防水性、耐光性、防汚性、吸水吸湿性、寸法安定性、帯電・制電性、発色性、抗菌性、高強度、防臭性など様々な機能が要求される。なかでも、近年、オゾン層破壊による紫外線が問題視され、耐光性、紫外線遮蔽性に関する機能を付与する検討が盛んになされている。その手段として後加工による紫外線吸収剤を布帛に付与する方法もあるが、繊維に紫外線吸収、反射剤を練り込む方法が耐久性に優れた方法として検討されている(例えば、特許文献1参照)。紫外線吸収、反射剤として無機物微粒子を多量練り込んだ繊維は所謂、フルダルと呼ばれており、布帛の紫外線を吸収、反射し、またギラギラ・チカチカした光沢感を軽減し、落ち着きの有る質感を得ることができ、年々、フルダル糸の使用は高くなってきている。しかしながら、紫外線吸収、反射剤を練り込んだ繊維は、僅かながら黄色味が増し、白度に欠け、スポーツ衣料などではより高い白度が求められることから、改善する必要があった。
【0003】
【特許文献1】
特許第2888504号公報(段落番号0008、実施例1など)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者の課題は、フルダル糸の使用量が少なくても、又は紫外線吸収、反射剤の練り込み量が多くない糸を使用するにもかかわらず、白度や紫外線遮蔽性、さらには透湿防水性に優れたフルダル調の合成繊維織編物を製造上の問題がなく得ようとするものである。
【0005】
【発明が解決するための手段】
本発明では課題を解決するために、以下の構成を採用するものである。
すなわち本発明は、
1.平均粒径が0.5μm以下の無機微粒子を1.0質量%以上含有した単糸繊度が5.0デシテックス以下の合成繊維(A)および有機系白色顔料を含有した単糸繊度が5.0デシテックス以下の合成繊維(B)が交編または交織されていることを特徴とするフルダル調織編物。
2.前記合成繊維(A)及び(B)の単糸繊度が1.0デシテックス以下であり、合成繊維(A)及び(B)のうちの何れか一方を経糸、他方を緯糸とする織物であり、経糸と緯糸のカバーファクターの総和が1500以上の織物であることを特徴とするフルダル調織物。
3.前記合成繊維(A)において、無機微粒子が二酸化チタンで、該二酸化チタンの含有量が1.5〜5.0質量%であり、繊度が120デシテックス以下、単糸繊度が0.8デシテックス以下であることを特徴とする第1又は2に記載のフルダル調織物。
4.前記合成繊維(B)において、有機系白色顔料がベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤であり、繊度が120デシテックス以下、単糸繊度が0.8デシテックス以下であり、かつ蛍光白度(ASTM E 313に準拠)が150以上であることを特徴とする第2または3に記載のフルダル調織物。
5.前記経糸が合成繊維(B)であり、前記緯糸が合成繊維(A)であることを特徴とする第2〜4の何れかに記載のフルダル調織物。
6.目付けが150g/m以下であることを特徴とする第2〜5の何れかに記載の高フルダル調織物。
7.前記の経糸と緯糸のカバーファクターの総和において、カバーファクターの総和に対する経糸のカバーファクターの比率が50〜70%であることを特徴とする第2〜6の何れかに記載のフルダル調織物。
8.引裂き強力が経方向及び緯方向ともに9.0N以上で、かつ耐水圧が8.0kPa以上であり、合成繊維(A)及び(B)がポリエステルマルチフィラメントであることを特徴とする第2〜7の何れかに記載のフルダル調織物。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。
本発明は、無機微粒子を含有した合成繊維(A)と有機系白色顔料を含有した合成繊維(B)が必須であり、交編または交織されている編物または織物である。
本発明における合成繊維(A)は、平均粒径が0.5μm以下の無機微粒子を1.0質量%以上含有し、単糸繊度が5.0デシテックス以下である。
【0007】
合成繊維(A)は、紫外線遮蔽性を得るためや光沢感を解消するために、平均粒径が0.5μm以下で、屈折率の高い無機微粒子を1.0質量%以上含有している。単糸繊度は1.0デシテックス以下であることが好ましい。無機微粒子を含有することによって紫外線の吸収、反射、織物の落ち感、ドレープ性を高めることもできる。
【0008】
屈折率の高い無機微粒子としては、酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウムなど多くのものが存在するが、中でも白度が高く、光の遮光性が優れた二酸化チタンが好ましく使用され、製糸する上でも最も適した無機微粒子と言え、また繊維間の摩擦力を小さくすることができるので高密度織物の引裂き強力を高める効果もある。但し、平均粒径が0.5μmを超えた屈折率の高い無機微粒子、或いは過剰に添加することは後述する直接紡糸延伸時における製糸性を損ねることになるので、平均粒径は好ましくは0.4μm以下、無機微粒子の添加量は5質量%以下に止めることが好ましく、更に好ましくは1.5質量%以上、4.0質量%以下である。
【0009】
但し、無機微粒子を含有させることによって黄色味が増した合成繊維になるので、白度を高めるために、有機系白色顔料を含有した合成繊維(B)との交編または交織が必要である。合成繊維(A)のみで構成された織編物は無機微粒子によって繊維が若干、黄色味が増し、スポーツ衣料においては嫌われる要素となる。
【0010】
本発明における合成繊維(B)は、有機系白色顔料を含有した単糸繊度が5.0デシテックス以下である。合成繊維(B)のみで構成された織編物は紫外線遮蔽の効果に関しては無機微粒子と比べると劣る。合成繊維(A)及び(B)両者の繊維を織編物に使うことによってお互いの欠点を補い、フルダル調の紫外線遮蔽性に優れ、なお且つ白度に優れた織編物にするのである。
【0011】
合成繊維(B)は、単糸繊度が1.0デシテックス以下であることが好ましく、有機系白色顔料としては、ベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤が好ましい。含有量は100〜10000ppmの範囲であり、白度、発色性に優れた繊維を得ることが出来、高密度織物においては、蛍光白度(ASTM E 313に準拠)WIは、150以上にすることが可能となり、より白度水準の高いスポーツ衣料とすることができる。
【0012】
本発明における織物を構成する単糸繊度は、経糸、緯糸の両方に共通して言えることであるが、緻密性を高め、風合いをソフトにするためには、1.0デシテックス以下が好ましく、より好ましくは0.8デシテックス以下、さらに好ましくは0.6デシテックス以下である。総繊度も高密度織物の軽量感を得るためには、120デシテックス以下が好ましく、より好ましくは90デシテックス以下、更に好ましくは60デシテックス以下である。フィラメント数は特に限定されないが、緻密性を高めるために少なくとも70本以上が好ましく、より好ましくは100本以上であるが、織物設計において経緯単位密度間、即ち経方向、緯方向1インチ(2.54cm)間のフィラメント数を各々少なくとも10000本以上することによって耐水性、防水性に非常に優れた高密度織物に仕上げることができる。
【0013】
本発明の織物においては、経糸が有機系白色顔料を含有した合成繊維(B)、緯糸には無機微粒子を含有した合成繊維(A)であることが好ましい。無機微粒子を多く含有した合成繊維の取扱い時は、接糸部の摩耗に配慮する必要があり、経糸に用いた場合、製織時に織機の筬、ヘルド、ガイドなどの部品を定期的に交換したり、研磨することが必要である。従って、このような面倒さを避けるために経糸を有機系白色顔料を含有した合成繊維とすることが好ましく、筬、ヘルド、ガイドなどの接糸部品の交換、研磨などのメンテナンスが数少なくなる利点がある。そして、緯糸に無機微粒子を含有した合成繊維を打込むことによってフルダル感を有し、紫外線遮蔽効果に優れ、白度の高い高密度織物を得ることが出来る。また、後加工において蛍光染料で染色することによって、より一層、白度に優れた高密度織物を得ることができ、またSR加工剤を加えることによって防汚性に優れたよりスポーツ衣料に適した高密度織物を得ることが出来る。
【0014】
本発明の織物を構成する経糸と緯糸のカバーファクターの総和は、1500以上である。カバーファクターとは、単位面積間の糸断面の占める割合の程度を表す係数であって、式:{合成繊維の繊度(デシテックス)}1/2 ×{織物密度(本/2.54cm)}で表され、カバーファクター値が高いと隙間が小さく、つまり緻密性が高いことを示す。優れた防水性を有した高密度織物を得るためには、耐水圧が8.0kPa以上、さらに好ましくは10.0kPa以上が必要であり、これらを満足させるためにはカバーファクターが1500以上必要である。但し、4000を越えると風合いが硬く織物が重くなる。
【0015】
本発明の合成繊維織物の目付けは、150g/m以下が好ましい。スポーツ衣料を用途とするものは軽量化が求められ、重いとスポーツ運動の妨げになり、軽快で俊敏なプレーができない。従って、目付けは150g/m以下が好ましく、より好ましくは120g/m以下である。また、本発明では限定されないが、織物の厚みを0.15mm以下とすることによってスポーツ衣料には申し分のない薄くコンパクトで軽量感を有した高密度織物とすることが出来る。
【0016】
本発明の織物の製造方法としては、通常の経糸、緯糸準備工程に始まり、サイジング工程、整経、製織工程で製造可能である。より詳しくは、経糸には無撚若しくは撚係数が5000T/m以下の甘撚を施していることが好ましく、次いで、サイジング、糊付けを行うことが好ましい。高密度織物は染色工場にて通常、カレンダー工程にて織物を押圧し、繊維を偏平化させることによって組織間の隙間を小さくする。従って、経糸の撚数が高くなると繊維の集束性が増し、カレンダー工程において繊維が偏平化しにくくなるため、撚数は低いことが好ましく、より好ましい範囲は無撚若しくは撚係数が4000T/m以下である。
【0017】
一方、緯糸の撚数も前述に記載のとおり無撚、若しくは撚係数が5000T/m以下の甘撚糸が好ましい。甘撚を施す際には、アップツイスターに分類されるイタリア撚糸機、ラージアップツイスター、ダウンツイスターに分類されるリング撚糸機、合撚機、またはダブルツイスターなどの一般の撚糸機を使用して製織準備され、取り分け汎用性に優れ、取り扱いが簡単な合撚機や生産性に優れたダブルツイスターが好ましく利用される。
【0018】
なお、無撚で製織する際には、合成繊維に混繊交絡を施すことが好ましく、混繊交絡度については20ケ/m以上、100ケ/m以下が好ましく、より好ましくは40ケ/m以上、80ケ/m以下であり、この範囲内においては撚糸、製織工程での工程通過性になんら問題は起きることは無い。しかし、100ケ/mを越えると風合い硬化と好ましくないムラ外観をもたらし、好ましくない。混繊交絡手段については、エアー交絡ノズルが好ましく、インターレーサーノズルやタスランノズルなどが好適である。
【0019】
サイジング、糊付け工程においては、製織工程における織機或いは合成繊維の種類に応じてアクリル系糊とポリビニルアルコール糊を使い分け、糊剤の配合比も適切に行うことが肝要である。また、糊剤には平滑剤、柔軟剤、帯電防止剤、浸透剤などの添加も必要に応じて行われる。そして、糊付着量としては合成繊維の形態にもよるが10%以下を目安にサイジング、糊付けを行い、整経、製織される。
【0020】
本発明の高密度織物は、紫外線遮蔽性、高白度の両特性を満たし、更には織物の透湿防水性、経緯の引裂き強度バランスを満足させるために、経糸、緯糸の密度バランスを適切に設計することが望ましい。即ち、経糸と緯糸のカバーファクターの総和に対する経糸のカバーファクターの比率を50%以上、70%以下とすることが好ましい範囲であり、この範囲を満たさない場合は、高密度織物における紫外線遮蔽効果と白度効果に偏りが生じたり、更には透湿防水性が低下したり、経緯の引裂き強力のバランスが崩れたりなど織物特性を損ねることになりやすい傾向がある。
【0021】
本発明の合成繊維で構成された高密度織物の組織は特に限定されず、ヒラ組織、綾組織、朱子組織、または梨地、2重組織、リップストップなど何れでも構わない。なお、織物の耐水圧を高め、丈夫にするためには組織点の最も多いヒラ組織が好ましく、石目、ナナコ組織とヒラ組織を組合したリップストップ組織も好ましく使用される。
【0022】
本発明における高密度の合成繊維織物は、レピア織機、エアージェットルーム、ウオータジェットルーム、フライ織機、グリッパ織機から選択されるいずれかで製織することできる。そして、高付加価値を付与できる多色自由交換装置を有した織機、変化組織に対応することが可能なドビー装置を有した織機などは更に好ましく使用することができる。中でも、生産性が高く、製造コストが比較的安価なウォータージェットルームが好ましく採用される。なお、生機の加工については通常の精練、染色加工を施す事によって仕上げることができ、必要に応じてカレンダー加工、撥水加工、ラミネート、コーティングなどの樹脂加工を施すことも可能である。
【0023】
本発明の高密度の合成繊維織物は、引裂き強力が経方向、緯方向ともに9.0N以上、耐水圧が8.0kPa以上を満たすことが好ましい。本発明品はスポーツ用途が中心であり、過酷なスポーツ運動、激しい競技にも耐え得る衣料とするためには実用上、経方向、緯方向ともに9.0N以上の引裂き強力を備える必要があり、また風雨に晒される機会の多いスポーツ用途には耐水圧が8.0kPa以上、更に好ましくは10.0kPa以上が好ましい。
【0024】
本発明に用いられる合成繊維としては、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの繊維に適用可能であるが、中でもポリエステルマルチフィラメントが好ましく使用することが出来、ポリエステルとしては主たる成分がポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルを挙げることが出来、通常の公知の方法で重合することにより得られるが、本発明の目的を損なわない程度の範囲内で他の第3成分を共重合してもよい。具体的にはアジピン酸、シュウ酸、セバシン酸、イソフタル酸、5―ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸類、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類、ビスフェノールAまたはそのエチレンオキサイド付加物、ヒドキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などを単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また本発明の目的を損なわない範囲で、抗酸化剤、制電剤、難燃剤などの添加物を配合しても良い。
【0025】
本発明に用いられる合成繊維の断面形状は、丸、三角、四角などの多角形、偏平、中空、星、歯車型などどんな形状でも構わず、特に限定されない。また、合成繊維は溶融紡糸されたものを延伸機で延伸する方法によって得ることが出来るが、直接紡糸延伸した、所謂、スピンドロー方式で得ることが好ましく、得られたスピンドロー糸はコスト合理化され、更には高い品質品位を有した合成繊維であり本発明の高密度織物には最適である。また、モノフィラメント内に芯成分と鞘成分を有する芯鞘複合紡糸されたタイプでも構わず、例えば芯部と鞘部で二酸化チタンの含有量を変化させた芯鞘複合糸であっても良い。更には混繊機で収縮率の異なる繊維を混繊した異収縮混繊糸・自発伸長混繊糸、タスラン加工糸など糸加工を施したタイプでも構わない。また、合成繊維の乾熱収縮率は衣料用を目的にしたものであれば40%以下、更に好ましくは20%以下であり、通常15%以下の合成繊維が使用される。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に発明するが、勿論本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、本発明で使用した引裂き強力、耐水圧、目付け、蛍光白度は下記の方法によって測定した。
【0027】
[耐水圧]
JIS L−1092に記載される耐水度試験装置(低水圧用)に準じて測定した。
[引裂き強力]
JIS L−1096に記載されるペンジュラム法に準じて測定した。
[目付け]
織物から50cmの円形試料を2枚作成し、2枚合わせて質量を測定し、100倍した数値を用いた。
【0028】
[蛍光白度]
ASTM E 313に準拠し、ミノルタ(株)製分光測色計CM−3700dを使用し測定したものである。その中で、WI(ホワイトインデックス:蛍光白度)は下記の式により求められる数値である。
WI=4B−3G
Bとは試料の青色反射率であり、Gとは試料のXYZ表色系における三刺激値のYと同じである。
【0029】
(実施例1)
ホスタルックスKS(クラリアント社製ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤)を250ppm含有した78デシテックス216フィラメントのポリエステルマルチフィラメントを用いて無撚の状態でアクリル系糊を使用して糊付けを行い、次いで(有)スズキワーパー製NAS SUPER−130W型を用いて筬入巾130cm、経糸本数9300本で整経、経糸準備した。緯糸として二酸化チタンの平均粒径が0.3μm、2.0重量%含有したポリエチレンテレフタレートフルダルレジンを使用し、直接紡糸延伸方法によって得られた84デシテックス144フィラメント丸断面のスピンドロー糸を得た。次いで、(株)石川製作所製2001Sレピア織機に整経ビームを仕掛け、製織した。製織性は非常に良好であり、毛羽発生による経糸切れはなく、接糸品、筬などの摩耗は問題なかった。そして、得られた生機品質は高いものであり、筬筋などは見られなかった。該生機を通常の精練リラックス、染色、カレンダー、仕上げ工程に通し、染色加工布を得た。なお、染色加工布の経糸カバーファクターは1810、緯糸カバーファクターは1053であり、経緯カバーファクターは2863であった。なお、目付けは110g/mであった。該染色加工布の引裂き強力は経糸方向17.9N、緯糸方向10.5Nであり、また耐水圧が13.2KPaを有した高強力、透湿防水性、ソフトで軽量感に優れ、なお且つ紫外線遮蔽効果を有する、光沢感の軽減された、所謂フルダル調ポリエステルマルチフィラメント高密度織物であり、スポーツ衣料用途に最適なものであった。結果を表1に示す。
【0030】
(比較例1)
実施例1において、経糸、緯糸の両方に二酸化チタンの平均粒径が0.3μm、2.0質量%含有したポリエチレンテレフタレートフルダルレジンを使用し、直接紡糸延伸方法によって得られた84デシテックス144フィラメント丸断面のスピンドロー糸を使って製織した以外は実施例1と全く同様にして、染色加工布を得た。製織時において、筬、ヘルドなどの繊維の接する部品の摩耗が激しく、筬、ヘルド交換周期が短くなり取扱いは良くはなかった。そして、得られた高密度織物は実施例1と比べると白度の低い高密度織物であった。結果を表1に示す。
【0031】
(比較例2)
ホスタルックスKS(クラリアント社製ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤)を250ppm含有した78デシテックス12フィラメントのポリエステルマルチフィラメント、及び緯糸として二酸化チタンの平均粒径が0.3μm、2.0質量%含有したポリエチレンテレフタレートフルダルレジンを使用し、直接紡糸延伸方法によって得られた84デシテックス12フィラメント丸断面のスピンドロー糸を用いた以外は実施例1と全く同様にして経糸糊付け、整経、次いで製織、仕上加工行い、染色加工布を得た。製織性は非常に良好であり、毛羽発生による経糸切れはなく、接糸品、筬などの摩耗は問題なく、得られた生機品質は高いものであり、筬筋などは見られなかった。そして、該染色布は白度、引裂き強力は優れた特性を有していたが、耐水圧が布帛の緻密性不足によって低くなり、またソフト感、柔軟性に乏しく衣料用にはやや硬いという欠点を有していた。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 2004149958
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、製織編上の問題が少なく製造でき、かつ得られた織編物はフルダル糸の使用が少ないにもかかわらずフルダル調を有し、白度や紫外線遮蔽性優れ、かつ透湿防水性優れるため、特にアウトドアースポーツ衣料に好適な織編物を提供することができる。

Claims (8)

  1. 平均粒径が0.5μm以下の無機微粒子を1.0質量%以上含有した単糸繊度が5.0デシテックス以下の合成繊維(A)および有機系白色顔料を含有した単糸繊度が5.0デシテックス以下の合成繊維(B)が交編または交織されていることを特徴とするフルダル調織編物。
  2. 前記合成繊維(A)及び(B)の単糸繊度が1.0デシテックス以下であり、合成繊維(A)及び(B)のうちの何れか一方を経糸、他方を緯糸とする織物であり、経糸と緯糸のカバーファクターの総和が1500以上の織物であることを特徴とするフルダル調織物。
  3. 前記合成繊維(A)において、無機微粒子が二酸化チタンで、該二酸化チタンの含有量が1.5〜5.0質量%であり、繊度が120デシテックス以下、単糸繊度が0.8デシテックス以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフルダル調織物。
  4. 前記合成繊維(B)において、有機系白色顔料がベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤であり、繊度が120デシテックス以下、単糸繊度が0.8デシテックス以下であり、かつ蛍光白度(ASTM E 313に準拠)が150以上であることを特徴とする請求項2または3に記載のフルダル調織物。
  5. 前記経糸が合成繊維(B)であり、前記緯糸が合成繊維(A)であることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のフルダル調織物。
  6. 目付けが150g/m以下であることを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の高密度合成繊維織物。
  7. 前記の経糸と緯糸のカバーファクターの総和において、カバーファクターの総和に対する経糸のカバーファクターの比率が50〜70%であることを特徴とする請求項2〜6の何れかに記載のフルダル調織物。
  8. 引裂き強力が経方向及び緯方向ともに9.0N以上で、かつ耐水圧が8.0kPa以上であり、合成繊維(A)及び(B)がポリエステルマルチフィラメントであることを特徴とする請求項2〜7の何れかに記載のフルダル調織物。
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