JP2004149778A - 熱収縮性ポリオレフィン系フィルム - Google Patents

熱収縮性ポリオレフィン系フィルム Download PDF

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Seizo Takabayashi
清蔵 高林
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多保田  規
Hiromu Nagano
▲煕▼ 永野
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Abstract

【課題】 加熱収縮率、低温収縮率の向上したオレフィン系樹脂組成フィルムであっても自然収縮は従来ポリプロピレン程度であり、また工業的にも有利な熱収縮性ポリオレフィン系フィルムを提供することにある
【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂(A)と石油系樹脂(B)の合計量が99〜90重量部であり90℃以上140℃未満であるガラス転移点(Tg)を有するおよび環状ポリオレフィン(C)が1〜10重量部とからなることを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、外観向上のための外装、内容物の直接衝撃を避けるための包装、ガラス瓶またはプラスチックボトルの保護と商品の表示を兼ねたラベル包装等を目的としたシュリンクラベルに用いられる熱収縮性フィルムに関するものであり、特に熱収縮性ポリオレフィン系に関するものである。
近年、包装品の、外観向上のための外装、内容物の直接衝撃を避けるための包装、ガラス瓶またはプラスチックボトルの保護と商品の表示を兼ねたラベル包装等を目的として、シュリンクラベルが広範に使用されている。これらの目的で使用されるプラスチック素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等が知られている。
しかしながら、ポリ塩化ビニルラベルは、シュリンク特性には優れるものの、燃焼時に塩素ガスを発生する等の環境問題を抱えている。ポリスチレンやポリエチレンテレフタレートラベルについては、熱収縮性は良好であるものの、ポリエチレンテレフタレートボトルとの比重差が小さいため浮遊分離が困難であり、ポリエチレンテレフタレートボトルのリサイクルをさまたげる。さらに、十分な熱収縮性を得るために、耐熱性の悪い樹脂を使用しており、レトルト殺菌を行うと溶融樹脂による印刷インキ流れを生じるという問題も有する。
ポリプロピレンは、ポリエチレンテレフタレートボトルとの比重差が大きく、浮遊分離がし易い上、耐熱性にも優れるが、低温収縮性が不十分である。
低温収縮性を改良する目的でポリプロピレンにプロピレン−ブテン−1共重合体を添加する方法および石油樹脂やテルペン樹脂を添加する方法等が知られている(例えば、特許文献1参照)が、これらの樹脂組成は剛性が低く、製膜後の自然収縮が従来のポリプロピレンと比べて高くなり、経時により巻き締まり等のトラブルを発生させる原因にもなる。
また剛性を上げるために環状オレフィン系樹脂を用いる方法等が知られている(例えば、特許文献2参照)が、これは加工実用温度範囲(50℃〜90℃)にガラス転移温度を有する環状ポリオレフィン等の非晶性樹脂を添加することで、剛性を高め経時収縮を防止するだけでなく低温収縮特性も付与しており、有用な方法である。しかし原料コストの高い環状ポリオレフィンを10数%以上添加する必要があるため、収縮性包装材料としては工業的にに適さない面もあり、さらなる改良が望まれている。
特開2001−301101号公報 特開2000−159946号公報
本発明の課題は、このような状況下において加熱収縮率、低温収縮率の向上したオレフィン系樹脂組成フィルムであっても自然収縮は従来ポリプロピレン程度であり、また工業的にも有利な熱収縮性ポリオレフィン系フィルムを提供することにある
前記の課題を解決する手段として本発明は、特定の結晶性プロピレン−α−ランダム共重合体および特定の石油系樹脂およびガラス転移温度が特定の領域にある環状オレフィンコポリマーを特定の比率で配合した樹脂組成物を用いた基材層と基材層の少なくとも一方の表面にポリオレフィンおよびスチレン系樹脂を主成分とする外層を積層することにより自然収縮は従来ポリプロピレン程度であっても加熱収縮率および低温収縮率が向上したオレフィン系樹脂フィルムであり原料コストも安価である熱収縮性ポリオレフィン系フィルムを得られる方法を見出し本発明の完成するに至ったものである
すなわち、本発明の第1の発明によればポリプロピレン系樹脂(A)と石油系樹脂(B)の合計量が99〜90重量部であり90℃以上140℃未満であるガラス転移点(Tg)を有するおよび環状ポリオレフィン(C)が1〜10重量部とからなる熱収縮性ポリオレフィン系フィルムが提供される。
また本発明の第2の発明によれば前記フィルムを基材層とし基材層の少なくとも一方の表面にスチレン系樹脂およびポリオレフィン系樹脂からなる外層を積層した熱収縮性ポリオレフィン系フィルムが提供される。
また本発明の第3の発明によればフィルムの主延伸方向の熱収縮率が、95℃×10秒で50%以上であり主収縮方向と直角方向の自然収縮率(40℃ 1週間経時)が0.5%未満である熱収縮性ポリオレフィン系フィルムが提供される。 ここでいう「自然収縮率」とは、フィルムの主延伸方向と直角方向において幅30mm×長さ300mmに切り出し(n=2)、標線間の距離を正確に測定した値(a)。その後速やかに40℃に保たれた恒温室において放置し、1週間経過時にサンプルを取り出し標線間の距離を測定した値(b)を用い、
自然収縮率=((a)−(b))/(a)×100
の式にて得られた値をいう。
また本発明の第4の発明によれば前記外層がスチレン系樹脂50〜100重量部およびプロピレン−α―ランダム共重合体50〜0重量部からなる熱収縮性ポリオレフィン系フィルムが提供される。
また本発明の第5の発明によれば前記ポリプロピレン系樹脂(A)がプロピレン−α−ランダム共重合体からなる熱収縮性ポリオレフィン系フィルムが提供される。
ここでいうポリプロピレン樹脂は、結晶性プロピレン−α−ランダム共重合体であり、α−オレフィンとしてはエチレンまたは炭素数が4〜20のα−オレフィン等が挙げられる。
また本発明の第6の発明によれば前記石油系樹脂(B)の軟化点温度が120℃〜150℃である熱収縮性ポリオレフィン系フィルムが提供される。
また本発明の第7の発明によれば外層の厚みと全体の厚みの比が0.1〜0.4の範囲を満足する上記の熱収縮性ポリオレフィン系フィルムが提供される。
また本発明の第8の発明によれば外層の厚みと全体の厚みの比が0.1〜
0.4の範囲を満足する上記の熱収縮性ポリオレフィン系フィルムの比重が0.95以下である
熱収縮性ポリオレフィン系フィルムが提供される。
本願発明の熱収縮性フィルムは、シュリンクラベルとして十分な収縮特性を得られるだけでなく、フィルムの主延伸方向と直角方向の弾性を保つことにより自然収縮率の悪化に起因する加工不良が解消された。またコスト的に安価な熱収縮性ポリオレフィン系フィルムを提供できる事になった。
本発明の実施の形態を以下に記述する。
本発明の熱収縮性ポリオレフィン系フィルムはポリプロピレン系樹脂(A)と石油系樹脂(B)の合計量が99〜90重量部と90℃以上140℃未満であるガラス転移点(Tg)を有する環状ポリオレフィン系樹脂1〜10重量部である熱収縮性ポリオレフィン系フィルムとする。
フィルムの構成をポリプロピレン系樹脂と石油系樹脂および90℃以上140℃未満であるガラス転移点(Tg)を有する環状ポリオレフィン系樹脂としたのは、従来ポリオレフィン系樹脂と石油系樹脂の構成により低温収縮特性を得られることは確認されている。しかしながらこれらの樹脂組成は剛性が低く、製膜後の自然収縮が従来のポリプロピレンと比べて高くなり、経時により巻き締まり等のトラブルを発生させる場合がある。そこで非晶で加工実用温度範囲(50℃〜90℃)にガラス転移点温度を有する環状ポリオレフィン系樹脂を加えることにより適度な剛性を得られかつ収縮特性を維持できるフィルムを得ることは報告されている。
しかしながらこの方法を用いると単価の高い(1000円/kg程度)環状ポリオレフィンを10数%以上添加させる必要があり、生産において不都合が生じる。そこでガラス転移点温度が90℃以上140℃未満である環状ポリオレフィンを1〜10%添加することでフィルムに剛性を持たせかつフィルムコストを抑えることが可能となった。
外層フィルムの構成をスチレン系樹脂およびポリオレフィン系樹脂としたのは、スチレン系樹脂は溶剤接着を行う際、最も一般的に用いられているテトラヒドラフラン対しての接着性が確認されており、内外層を溶剤接着層として用いる際に適している。またポリオレフィン系樹脂を加えることにより、基材層と内外層の結合力が高まり、内外層を溶剤接着層として用いた際の相間はく離が発生しにくくなり、高い接着力を得られる。
フィルム主延伸方向の熱収縮率が、95℃×10秒で50%以上としたのは、95℃×10秒で50%以上のラベルではガラス瓶、プラスチックボトルに対して良好な被覆を行うことができる。逆に95℃×10秒で50%未満のラベルでは熱収縮が少なくガラス瓶、プラスチックボトルに対して被覆後にラベルはがれ等のトラブルが発生する恐れがある為である。
本発明の熱収縮性ポリオレフィン系フィルムのフィルム主収縮方向と直角方向の自然収縮率を0.5%未満としたのは以下の理由による。即ち、フィルムを製膜、スリット工程を経て一定期間の後ユーザーへ製品ロールは届けられる。製膜後ユーザーへ届けられまでの間にフィルム主延伸方向と直角方向への収縮が発生すると製品半径方向への巻き時まりが発生し、使用時ユーザーにおいて巻出し時ブロッキング等のトラブル発生の原因となる。つまり主収縮方向と直角方向の自然収縮率が0.5%以上であるフィルムはフィルムの主スリット仕上がり後の巻き締まりの発生が予測される。そこで前記のようにフィルム主収縮方向と直角方向の自然収縮率を0.5%未満とした。
[I]樹脂組成物
(1)基材層
(a)本発明で用いる結晶性プロピレン−α―オレフィンランダム共重合とはプロピレンとα−オレフィンとのランダム共重合でありα−オレフィンとしてはエチレンまたは炭素数4〜20のα―オレフィンが挙げられ、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を用いることが好ましく、エチレンもしくはブチレンを用いたコポリマーもしくはターポリマーを用いることが特に好ましい。しかしながら、本発明の主旨、即ち、その熱特性と剛性を確保できるものであれば種類を問わず使用することができる。プロピレン−α−オレフィンの比重は0.96以下、好ましくは0.94以下、さらに好ましくは0.92以下であることが望ましい。
(b)本発明で用いる石油系樹脂とは、芳香族系石油樹脂を、部分水素添加もしくは完全水素添加することによって得られる樹脂であり、該石油樹脂としては、例えば荒川化学工業(株)製のアルコンまたはトーネックス(株)製のエスコレッツ等の市販品が挙げられる。石油樹脂の軟化点は110℃以上であることが必要であり好ましくは、125℃以上である。石油樹脂の軟化点が、110℃未満であるとフィルムにべたつきが発生するケースや経時変化により白濁するケースがある。石油系樹脂の比重は一般的には0.97〜1.04である。
(c)環状ポリオレフィンとは一般的な総称であり具体的には、[1]環状オレフィンの開環(共)重合体を必要に応じ水素添加した重合体 [2]環状オレフィンの付加(共)重合体 [3]環状オレフィンとエチレン、プロピレン等 α―オレフィンとのランダム共重合体である。その他に[4]前記[1]〜[3]を不飽和カルボン酸やその誘導体へ変性したグラフト変性体等が例示できる。環状ポリオレフィンとしては特に限定するものではなく、例えばノルボルエンやテトラシクロドデセンが例示できる。環状ポリオレフィンのガラス転移点温度は90℃以上140℃未満が必要であり好ましくは90℃以上110℃未満である。ガラス転移点温度が90℃未満でも問題はないが、環状ポリオレフィン添加量を10数%以上にする必要がありフィルム原料コストアップの要因となる。また140℃以上にすると製膜延伸性が悪化し、厚みムラが生じるケースや外観が悪化するケースがある。環状ポリオレフィンの比重は一般的には1.02〜1.04である。
(2)外層
(a):スチレン系樹脂とはスチレン系単量体と共役ジエン系単量体との共重合物である。
スチレン系単量体の例としてはスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンがあげられる。共役ジエン系単量体としては例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ブタジエン等が挙げられ、これらの共役ジエン系単量体の1種または2種以上が含まれる。
これらの共役ジエン系単量体と上記スチレン系単量体とのブロック共重合体が本発明で使用されるスチレン系重合体としてあげられる。これらの中で最も好適に用いられるブロック共重合体はスチレン系単量体がスチレンであり、共役ジエン系単量体がブタジエンであるスチレン−ブタジエンブロック共重合体である。ブロック共重合体において、該重合体中のスチレン含有量は15〜90重量%である。スチレン含有量が95重量%を越えるとフィルムの対衝撃性が低下してしまい好ましくない。またスチレン含有量が10重量%以下になると溶剤接着性が低下してしまい、外層を溶剤接着層として用いる際その機能が損なわれる場合が生じる。加えてジエン系単量体は軟質でありこの比率が増加すると十分な剛性を得られずフィルムの主収縮方向と直角方向への自然収縮が大きくなる。その結果フィルムロール半径方向への巻き締まりが発生し、ブロッキング等のトラブルを発生する場合が生じる。
(b)プロピレン−α―オレフィン共重合は外層と基材層の層間の結合力をより強固なものとする目的で添加した。本発明で使用するプロピレン−α−オレフィン共重合体は前記した基材層におけるプロピレン−α−オレフィン共重合体の中から選ばれる。
(原料配合比)
本発明のフィルムにおける石油系樹脂の混合割合は基材層を構成する樹脂混合物全体に対して5〜40重量%程度、好ましくは5〜25重量%であり、石油系樹脂とポリプロピレン系樹脂の合計量は99〜90重量%である。石油系樹脂の混合割合が5重量%未満の場合、良好な低収縮特性が得られない場合が生じる。また40重量%を越えると、得られた積層フィルムの比重が0.950以上となる場合が生じやすくなり、印刷を施した該フィルムを飽和ポリエステル系樹脂ボトルの被覆用として使用し場合、リサイクル時に液比重分離法で精度良く分離しにくくなるケースがある。環状オレフィンの混合割合は基材層を構成する樹脂混合物全体に対して1〜10重量%である。環状ポリオレフィンの混合割合が1重量%未満の場合、十分な剛性を得られずフィルムの主収縮方向と直角方向の自然収縮が大きくなる。その結果フィルムロール半径方向への巻き締まりが発生し、ブロッキング等のトラブルを発生する場合が生じる。環状ポリオレフィンの混合割合が10重量%以上となると製膜時の延伸性の悪化や、外観の悪化が生じるケースがある。石油系樹脂と環状ポリオレフィンの比重はそれぞれ0.97〜1.04、1.00〜1.05であり、この合計比率が50重量%を越えると、得られた積層フィルムの比重が0.950以上となる場合が生じ易く、印刷を施した該フィルムをPETボトルの被覆用として使用した場合、リサイクル時に液比重法により精度よく分別しにくくなることがある。
また外層におけるスチレン系樹脂の比率は50〜100重量%である。スチレン系樹脂の割合が50重量%未満の場合、外層を溶剤接着層として用いる際、十分な溶剤接着性が得られず、その機能が損なわれる場合が生じる。
(基材層、外層の厚み)
本発明における外層の厚み合計と全体の厚みの比は0.1〜0.4の範囲が良好であり0.15〜0.35がより好ましい。この値が0.1よりも小さくなると外層を溶剤接着層として用いる際、十分な溶剤接着性が得られず、その機能が損なわれる場合が生じる。この値が0.4よりも大きくなると積層フィルムの比重が0.950以上となる場合が生じやすくなる。
(その他の成分)
本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、帯電防止剤、中和剤、造核剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤等を添加することができる。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、より一層の収縮特性向上を目的として、プロピレン−ブテン−1共重合体、ポリブテン−1、線状低密度ポリエチレン等、公知の収縮特性向上成分を添加してもよい。
[II]シュリンクラベル用フィルムの成形方法
本発明の熱収縮性ポリプロピレン系シュリンクラベル用フィルムは上記のポリプロピレン系樹脂組成物をインフレーション法、フラット状延伸方法等の公知の成形方法を用いて成形することができるが、本発明においてはフラット状延伸法、特にテンター一軸延伸法を用いることが好ましい。
上記の方法により溶融押出し後、公知の方法により、少なくとも一軸方向に2倍以上延伸して、本発明のシュリンクラベル用フィルムを製造する。延伸方向は、一軸方向以上であればよいが、ラベルの流れ方向に対して直角である方向へのみ1軸延伸することが好ましい。また、延伸倍率が2倍未満であると、十分な収縮率が得られない。
また、収縮率を向上させる目的より、でき得るかぎり低温で延伸することが好ましく、特に未延伸シートに予熱をかける工程がある場合は、予熱温度を成型可能な範囲内で、でき得る限り低くすることが収縮率向上の観点から好ましい。
本発明のシュリンクラベル用の厚みは、特に限定されないが、100μm以下であり、好ましくは30〜80μmである。さらに、本発明のシュリンクラベル用フィルムは多層ラベル用フィルムであり、積層方法としては、多層共押出法やドライラミネート法等が挙げられる。
[III]熱収縮性フィルムの用途
本発明の熱収縮性ポリプロピレン系シュリンクラベル用フィルムは、良好な加熱収縮特性を持ちPETボトル用表示ラベル用材料、瓶容器用表示ラベル用材料等としての実用特性を有している。また、低温収縮率が向上しているため、高速ラベル包装性に優れ、特に予め低温充填されたペットボトルや瓶容器へのラベル包装に適してしている。あわせて耐熱性というポリプレン系樹脂の特長を生かし、高温充填されたPETボトル用表示ラベル用材料として好適に用いることができる。
次に本発明の内容および効果を実施例によって説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しないかぎり以下の実施例に限定されるものではない。尚、本明細書中における特性値の測定方法は以下の通りである。
(自然収縮率)
弾力性評価として、フィルムの自然収縮率を求めた。
フィルムの主延伸方向と直角方向において幅30mm×長さ300mm
に切り出し(n=2)、標線間の距離を正確に測定(a)。その後速やかに40℃に保たれた恒温室において放置。1週間経時にサンプルを取り出し標線間の距離を測定(b)
自然収縮率=((a)−(b))/(a)×100
の式にて自然収縮率の計算をおこなった。
(ヘイズ)
NDH−1001DP(日本電色工業株式会社)を用いて、JISK7105に準拠し測定した。
(加熱収縮率)
延伸したフィルムを10cm×10cmの正方形に、その一辺がフィルム流れ方向と平行になるように切り出し、これを所定の温度に加熱した水槽に10秒間浸漬した。10秒経過後、直ちに別途用意した23℃の水槽に20秒間浸漬した後、フィルムの主収縮方向、その直行方向各々の長さを測定し、加熱収縮率を求めた。
(溶剤接着強度)
延伸したフィルムにテトラヒドロフランを用いてシールを施した。シール部をフィルムの主延伸方向に15mmの幅に切り取り、それを(株)ボールドウィン社製 万能引張試験機 STM−50」にセットし、180°ピール試験で引張速度200mm/分で測定した。
(フィルム比重)
JIS K7112に準拠して、密度こうばい管法により測定したフィルムの密度と温度23℃における水の密度との比により、フィルムの比重を計算した。
(ガラス転移点温度[Tg])
島津製作所 DSC−10を用いて昇温速度10℃/分で測定した。
(実施例1)
樹脂組成物の製造およびフィルムの成型
プロピレン−ブテンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 SPX78H3)33重量部、プロピレン−エチレンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 S131)38重量部、石油樹脂(荒川化学工業(株)社製 アルコンP140)24重量部、環状ポリオレフィン(三井化学(株)社製 APEL6011T ガラス転移温度Tg=105℃ )5重量部を混合した混合物を押出し機に投入し、230℃でTダイより押出し、20℃に保持した冷却ロールで冷却固化させた後、90℃で26秒予熱後、75℃で横方向に6倍テンター延伸し、次いで同テンター内で巾方向に8%弛緩させつつ70℃で45秒かけて徐冷して厚み40μmのフラット状の熱収縮性フィルムを得た。
この延伸フィルムについて上記方法にて試験おこなった結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1においてプロピレン−ブテンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 SPX78H3)33重量部、プロピレン−エチレンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 S131)37重量部、石油樹脂(荒川化学工業(株)社製 アルコンP140)23重量部、環状ポリオレフィン(三井化学(株)社製 APEL6011T ガラス転移温度Tg=105℃ )7重量部とした以外は実施例1と同様にして厚み40μmの
フラット状の熱収縮フィルムを得た。この延伸フィルムについて上記方法にて試験おこなった結果を表1に示す。
(実施例3)
樹脂組成物の製造およびフィルムの成型
基材層にはプロピレン−ブテンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 SPX78H3)33重量部、プロピレン−エチレンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 S131)38重量部、石油樹脂(荒川化学工業(株)社製 アルコンP140)24重量部、環状ポリオレフィン(三井化学(株)社製 APEL6011T ガラス転移温度Tg=105℃ )5重量部を混合した混合物。外層にはプロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 FL6741G)38.6重量部、水添ブタジエン−スチレンラバー50重量部、帯電防止剤(グリセリン6重量%とホモポリプロピレン96重量%)6重量部、アンチブロッキング剤(平均粒径7.0μmのポリメチルメタアクリレートの架橋体からなる粒子 10重量%とホモポリプロピレン90重量%)2重量部、滑り助剤I(エルカ酸アミド5重量%とホモポリプロピレン95重量%)0.4重量部および滑り助剤II(ベヘミン酸アミド重量2%とホモポリピレン98重量%)3重量部を混合した混合物とをそれぞれ別の押出機に投入し、230℃でTダイより共押出しし、20℃に保持した冷却ロールで冷却固化させた後、90℃で26秒予熱後、75℃で横方向に6倍テンター延伸し、次いで同テンター内で巾方向に8%弛緩させつつ70℃で45秒かけて徐冷してフラット状の熱収縮性フィルムを得た。このフィルムの厚さは表裏外層が各々6μm、基材層が38μmでトータルの厚さは50μmであった。この延伸フィルムについて上記方法にて試験おこなった結果を表1に示す。
(実施例4)
基材層にはプロピレン−ブテンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 SPX78H3)33重量部、プロピレン−エチレンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 S131)37重量部、石油樹脂(荒川化学工業(株)社製 アルコンP140)23重量部、環状ポリオレフィン(三井化学(株)社製 APEL6011T ガラス転移温度Tg=105℃ )7重量部とし外層は実施例1と同様にして熱収縮性フィルムを成形した。このフィルム主延伸方向の熱収縮率は95℃×10秒で50%以上の値が得られた。このフィルムの厚さは表裏外層が各々6μm、基材層が38μmでトータルの厚さは50μmであった。この延伸フィルムについて上記方法にて試験おこなった結果を表1に示す。
(比較例1)
基材層にはプロピレン−ブテンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 SPX78H3)33重量部、プロピレン−エチレンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 S131)38重量部、石油樹脂(荒川化学工業(株)社製 アルコンP140)24重量部、環状ポリオレフィン(Ticona社製 Topas6013F04 ガラス転移温度Tg=140℃)5重量部とし外層は実施例3と同様にして熱収縮性フィルムを成形した。このフィルムの延伸性は悪く厚みムラが見られた。この延伸フィルムについて上記方法にて試験おこなった結果を表1に示す。
(比較例2)
基材層にはプロピレン−ブテンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 SPX78H3)33重量部、プロピレン−エチレンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 S131)38重量部、石油樹脂(荒川化学工業(株)社製 アルコンP140)24重量部、環状ポリオレフィン(三井化学(株)社製 APEL8011T Tg=70℃)5重量部とし内外層は実施例3と同様にして熱収縮性フィルムを成形した。このフィルムの厚さは表裏外層が各々6μm、基材層が38μmでトータルの厚さは50μmであった。この延伸フィルムについて上記方法にて試験おこなった結果を表1に示す。
(比較例3)
基材層にはプロピレン−ブテンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 SPX78H3)30重量部、プロピレン−エチレンランダム共重合体(住友化学工業(株)社製 S131)34重量部、石油樹脂(荒川化学工業(株)社製 アルコンP140)21重量部、環状ポリオレフィン(三井化学(株)社製 APEL8011T ガラス転移温度Tg=70℃ )15重量部とし外層は実施例3と同様にして熱収縮性フィルムを成形した。このフィルムの原料コストは実施例1より13%程度高くなった。このフィルムの厚さは表裏外層が各々6μm、基材層が38μmでトータルの厚さは50μmであった。この延伸フィルムについて上記方法にて試験おこなった結果を表1に示す。評価結果は表1に示す。
Figure 2004149778
本発明の熱収縮性ポリプロピレン系シュリンクラベル用フィルムは、良好な加熱収縮特性を持ちPETボトル用表示ラベル用材料、瓶容器用表示ラベル用材料等としての実用特性を有している。また、低温収縮率が向上しているため、高速ラベル包装性に優れ、特に予め低温充填されたペットボトルや瓶容器へのラベル包装に適してしている。あわせて耐熱性というポリプレン系樹脂の特長を生かし、高温充填されたPETボトル用表示ラベル用材料として好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. ポリプロピレン系樹脂(A)と石油系樹脂(B)の合計量が99〜90重量部と90℃以上140℃未満であるガラス転移点(Tg)を有する環状ポリオレフィン(C)1〜10重量部からなることを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系フィルム。
  2. 請求項1記載のフィルムを基材層とし、基材層の少なくとも一方の表面にスチレン系樹脂およびポリオレフィン系樹脂からなる外層を積層したことを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系フィルム。
  3. 請求項1記載の熱収縮性ポリオレフィン系フィルムフィルムであって、主延伸方向の熱収縮率が、95℃×10秒で50%以上であり、主収縮方向と直角方向の自然収縮率(40℃ 1週間経時)が0.5%未満であることを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系フィルム。
  4. 請求項2記載の熱収縮性ポリオレフィン系フィルムであって、前記外層がスチレン系樹脂50〜100重量部およびプロピレン−α−ランダム共重合体50〜0重量部からなることを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系フィルム。
  5. 請求項1記載の(A)ポリプロピレン系樹脂がプロピレン−α−ランダム共重合体からなることを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系フィルム。
  6. 請求項1記載の(B)石油系樹脂の軟化点温度が110℃〜150℃であることを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系フィルム。
  7. 請求項2記載の熱収縮性ポリオレフィン系フィルムであって、下記式1で表される外層の厚み合計と全体の厚みの比が0.1〜0.4である請求項1乃至6記載の熱収縮性ポリオレフィン系フィルム。
    [式1] 外層/(外層+基材層)
  8. 請求項1乃至7記載の熱収縮性ポリオレフィン系フィルムであって、前記フィルムの比重が0.95以下であることを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系フィルム。
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