JP2012056275A - シュリンクフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】PET樹脂と比重差を有する樹脂を用い、シュリンク包装時のフィルムの特定方向への加熱収縮性を向上させ、これに直交する方向への収縮性を抑制してラベルのボトルに対する寸法安定性を向上させることができ、しかもフィルム自体の強度を備えたシュリンクフィルムを提供する。
【解決手段】基材層11と表面層12を備え巻き取り方向と直交する横方向のみ実質的に一軸延伸して製膜した積層フィルム10であり、基材層は、融点120〜135℃のプロピレン−αオレフィンランダム共重合体35〜60重量部と、脂環式炭化水素樹脂系の石油樹脂30〜35重量部と、融点65〜90℃のプロピレン−αオレフィン共重合体5〜20重量部とを含み、表面層はポリプロピレン系樹脂からなり、積層フィルムを75〜80℃の雰囲気温度下で6〜7倍に横方向の一軸延伸して製膜したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、シュリンクフィルムに関し、特にポリエチレンテレフタレート製の樹脂ボトル容器のラベルに用いられるシュリンク包装に適したシュリンクフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレート製の樹脂ボトル容器(以下、「PETボトル」と表記する。)は、軽量でありながら耐久性があるため飲料用等の容器として広く普及している。このPETボトルを包装するためのラベルフィルムとして、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、PET樹脂、ポリプロピレン樹脂等の各種樹脂フィルムが提案されている。
ポリ塩化ビニル樹脂の場合、シュリンクフィルムとしての加熱収縮性、耐候性に優れているものの、塩素を含むため焼却処理に問題がある。ポリスチレン樹脂やPET樹脂の場合、加熱収縮性は優れている。しかし、PETボトルのリサイクルにおいては、PETボトルをラベルともども粉砕し、水に浮遊させて比重差によりPETボトルとラベルの樹脂とを分離することが一般的である。しかし、ラベルの樹脂がポリスチレン樹脂やPET樹脂の場合、ボトルのPET樹脂との比重差は小さいため、水に浮遊させて分離することが困難である。このため、PETボトルの再資源化の障害となっていた。ポリプロピレン樹脂の場合、他の樹脂と比較して加熱収縮性は好ましくない。
上記のとおり、各樹脂の抱える問題点に対処するべく、例えば、表面層を環状オレフィン系樹脂とし、基材層を結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体50〜95重量%と脂環式炭化水素樹脂5〜50重量%とする熱収縮性ポリオレフィン系シュリンクラベル用積層フィルムが提案されている(特許文献1参照)。さらに、ポリプロピレン系樹脂45〜94重量%と、エチレン・プロピレン系エラストマー1〜15重量%と、炭化水素樹脂5〜40重量%とからなる樹脂組成物を製膜したシュリンクフィルムが提案されている(特許文献2参照)。
特許文献1のフィルムによると、加熱収縮性は向上すると共に自然収縮率を抑制することができた。このフィルムの樹脂の比重はPET樹脂よりも小さいため、比重差による分離も可能となった。しかしながら、加熱収縮性は十分ではない。また、表面層に用いる環状オレフィン系樹脂はフィルムの外観不良の要因となりやすい。特許文献2のフィルムでは、高い加熱収縮率を有し自然収縮率も抑え、破断し難いフィルムとすることができた。ただし、耐衝撃性においては必ずしも十分とはいえず、フィルムの連続製造、その後の加工において難点がある。
そこで、例えばボトルに用いられるPET樹脂との比重差のある樹脂を用いながら、フィルムの外観不良の解消、高い加熱収縮性の発揮、及びフィルムの強度向上の全てを調和して満たすフィルムは、未だ完成していない。
特許第3879513号公報 特開2003−118041号公報
本発明は、上記状況に鑑み提案されたものであり、PET樹脂と比重差を有する樹脂を用いながら、シュリンク包装時のフィルムの特定方向への加熱収縮性を向上させると共に、当該特定方向に直交する方向への収縮性を抑制可能とすることによりラベルのボトルに対する寸法安定性を向上させラベルの外観を良くすることができ、しかもフィルム自体の強度を備えたシュリンクフィルムを提供する。
すなわち、請求項1の発明は、基材層と表面層を備え、フィルムの巻き取り方向(MD)と直交する横方向(TD)のみ実質的に一軸延伸して製膜した積層フィルムであって、前記基材層は、融点120〜135℃のプロピレン−αオレフィンランダム共重合体45〜60重量部と、脂環式炭化水素樹脂系の石油樹脂30〜35重量部と、融点65〜90℃のエチレン−αオレフィン共重合体5〜20重量部とを含み、前記表面層はポリプロピレン系樹脂を有し、前記積層フィルムは前記横方向の一軸延伸に際し75〜80℃の雰囲気温度下で6〜7倍に延伸し製膜したフィルムであることを特徴とするシュリンクフィルムに係る。
請求項2の発明は、前記融点120〜135℃のプロピレン−αオレフィンランダム共重合体及び融点65〜90℃のエチレン−αオレフィン共重合体が、共にメタロセン系触媒により重合された共重合体である請求項1に記載のシュリンクフィルムに係る。
請求項3の発明は、前記積層フィルムが、下記(I)の熱水収縮率試験に基づく当該積層フィルムの前記一軸延伸を伴う横方向の熱水収縮率(Ts)が60%以上であると共に前記一軸延伸を伴う横方向と直交する巻き取り方向の熱水収縮率(Ms)が−10%〜+10%であり、かつ、JIS Z 7127(1999)に準拠した前記一軸延伸を伴う横方向と直交する巻き取り方向の引張弾性率が1.0GPa以上である請求項1又は2に記載のシュリンクフィルムに係る。
熱水収縮率試験(I)とは、1辺10cm四方の正方形のシュリンクフィルム(積層フィルム)を95℃、10秒間煮沸後、23℃、相対湿度50%の条件下で30分間以上静置し、煮沸の前後で計測した前記一軸延伸を伴う横方向の長さ(煮沸前横方向長,煮沸後横方向長)より、「横方向の収縮率(%)={(煮沸前横方向長−煮沸後横方向長)/煮沸前横方向長×100}」とした横方向の熱水収縮率(Ts)と、煮沸の前後で計測した前記一軸延伸を伴う横方向と直交する巻き取り方向の長さ(煮沸前巻き取り方向長,煮沸後巻き取り方向長)より、「巻き取り方向の収縮率(%)={(煮沸前巻き取り方向長−煮沸後巻き取り方向長)/煮沸前巻き取り方向長×100}」とした巻き取り方向の熱水収縮率(Ms)とを算出し、当該シュリンクフィルムの両方向の熱水収縮率とする試験法である。
請求項1の発明に係るシュリンクフィルムによると、基材層と表面層を備え、フィルムの巻き取り方向(MD)と直交する横方向(TD)のみ実質的に一軸延伸して製膜した積層フィルムであって、前記基材層は、融点120〜135℃のプロピレン−αオレフィンランダム共重合体45〜60重量部と、脂環式炭化水素樹脂系の石油樹脂30〜35重量部と、融点65〜90℃のエチレン−αオレフィン共重合体5〜20重量部とを含み、前記表面層はポリプロピレン系樹脂を有し、前記積層フィルムは前記横方向の一軸延伸に際し75〜80℃の雰囲気温度下で6〜7倍に延伸し製膜したフィルムであるため、PET樹脂と比重差を有する樹脂を用いながら、シュリンク包装時における横方向の加熱収縮性の向上と共に巻き取り方向の収縮性を抑制することができる。
請求項2の発明に係るシュリンクフィルムによると、請求項1の発明において、前記融点120〜135℃のプロピレン−αオレフィンランダム共重合体及び融点65〜90℃のエチレン−αオレフィン共重合体が、共にメタロセン系触媒により重合された共重合体であるため、シュリンク包装時の横方向の加熱収縮性はより向上する。
請求項3の発明に係るシュリンクフィルムによると、請求項1又は2の発明において、前記積層フィルムが、下記(I)の熱水収縮率試験に基づく当該積層フィルムの前記一軸延伸を伴う横方向の熱水収縮率(Ts)が60%以上であると共に前記一軸延伸を伴う横方向と直交する巻き取り方向の熱水収縮率(Ms)が−10%〜+10%であり、かつ、JIS Z 7127(1999)に準拠した前記一軸延伸を伴う横方向と直交する巻き取り方向の引張弾性率が1.0GPa以上であるため、シュリンク包装時における横方向の加熱収縮性の向上と共に巻き取り方向の収縮性を抑制可能となりラベルのボトルに対する寸法安定性を向上させることができる。同時にフィルム生産において求められる強度も備えることができる。
本発明に係るシュリンクフィルムの概略断面図である。 延伸段階の概要図である。 原料樹脂の配合割合を示す三角図である。
本発明のシュリンクフィルムは、フィルム表面に適宜印刷後、筒状に形成され、主に清涼飲料水用のPETボトルに被せられた後に、加熱によって収縮して、当該PETボトル表面に密着するフィルムである。なお、PETボトル以外であってもシュリンク包装が適用される物品の包装用途にも用いられる。
請求項1の発明として規定し、図1の示すように、シュリンクフィルムの本体である積層フィルム10は、フィルムの大半を占める基材層11と表面層12からなる。積層フィルム10表面に適宜の印刷が施される。そして、必要によりフィルム同士を貼り合わせる箇所に接着剤が塗布される。
基材層11は、融点120〜135℃のプロピレン−αオレフィンランダム共重合体(R1)と、脂環式炭化水素樹脂系の石油樹脂(R2)と、融点65〜90℃のエチレン−αオレフィン共重合体(R3)とを含む組成からなる。プロピレン−αオレフィンランダム共重合体(R1)の樹脂種としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1ブテン・αオレフィンランダム共重合体等が例示される。エチレン−αオレフィン共重合体(R3)の樹脂種としては、エチレンランダム共重合体、エチレン−1ブテン・αオレフィンランダム共重合体等が例示される。
共重合体(R1)の樹脂は、シュリンクフィルム(積層フィルム10)の構造強度維持を担う。また、共重合体(R3)の樹脂は、一般的なエチレン−αオレフィン共重合体よりも低めの融点域の樹脂としている。これは、他の樹脂との相溶性を保つと共に加熱収縮率等の性質の安定化を図るためである。近時、シュリンク包装時の加熱のエネルギー効率面から、比熱の大きな水蒸気を用いる機会が増えている。より低温度域においても良好な熱収縮性を発揮させるためにも、低融点域の共重合体(R3)の樹脂は重要である。むろん、熱風の吹き付けによるシュリンク包装時の加熱の場合であっても、加熱温度を低めに設定できるため、エネルギー効率上有利となる。また、共重合体(R1)及び共重合体(R3)は、共に比重が1.0以下であるため、比重差を用いたPETボトル(PET樹脂)との分離に非常に好都合である。
脂環式炭化水素樹脂系の石油樹脂(R2)の樹脂種としては、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、インデン系石油樹脂等のC9系石油留分由来の芳香族石油樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂等のC5系石油留分由来の脂肪族石油樹脂等が主に利用される。石油樹脂(R2)は、シュリンクフィルム(積層フィルム10)の熱収縮性を良好にすると共にフィルムの剛性の両方をもたせるためである。
次に、シュリンクフィルムの基材層を構成する共重合体(R1)、石油樹脂(R2)、及び共重合体(R3)の間に成立する好適な配合割合について、詳細は後記の実施例にて述べるが、数値範囲の上限及び下限の根拠は概ね次のとおりとされるためである。
融点120〜135℃のプロピレン−αオレフィンランダム共重合体(R1)に関し、共重合体(R1)の配合割合が45重量部より少ない場合、フィルムの強度(特にはフィルムの腰)が悪化する。共重合体(R1)の配合割合が60重量部より多い場合、収縮率が落ちる。
脂環式炭化水素樹脂系の石油樹脂(R2)に関し、石油樹脂(R2)の配合割合が30重量部より少ない場合、収縮率は悪くなる。配合割合が35重量部より多い場合、フィルムの強度が低下して製膜性が悪くなる。結果、フィルムの破断が起こりやすくなる。
融点65〜90℃のエチレン−αオレフィン共重合体(R3)に関し、配合割合が5重量部より少ない場合、フィルムの収縮率の低下が顕著である。配合割合が20重量部より多い場合、フィルムの強度(特にはフィルムの腰)が悪化する。さらに、後記の実施例からも明らかであるように、融点80〜85℃のエチレン−αオレフィン共重合体(R3)として融点の温度域を限定する場合、配合量は5〜20重量部が好ましいと考えられる。
共重合体(R1)、石油樹脂(R2)、及び共重合体(R3)の間に成立する好適な配合割合は、記載の樹脂の順に従い、45〜60重量部:30〜35重量部:5〜20重量部の重量比となる。
シュリンクフィルムの基材層に含まれる融点120〜135℃のプロピレン−αオレフィンランダム共重合体(R1)及び融点65〜90℃のエチレン−αオレフィン共重合体(R3)は、請求項2の発明に規定するように、メタロセン系触媒により重合された共重合体である。メタロセン系触媒による重合樹脂は、従前のチーグラー・ナッタ系触媒等により重合された共重合体と比較して、分子量分布が狭いことが知られている。
シュリンクフィルムのように、ある特定方向の収縮性を所定温度条件下で発現させるためには、配合される樹脂の性質、物性等は、個々の樹脂種毎で揃っていることが望ましい。また、後記の実施例にあるように、メタロセン系触媒により重合された共重合体を用いた積層フィルムは良好な結果を示していることからも実証できる。
図1参照のとおり、積層フィルム10の表面層12は、基材層11の両面に形成される。あるいは、表面層12を基材層11の片面のみの形成とすることもできる(図示せず)。シュリンクフィルムの実需要の観点から、積層フィルム10全体の好適な厚さはおよそ30〜60μmである。そのうち、基材層11の厚さは24〜48μm、表面層12の厚さは3〜6μmである。むろん、フィルムの厚さはシュリンク包装の対象物に応じて適切に設定される。
シュリンクフィルム(積層フィルム)は、前述のとおり、予め当該フィルム同士で筒型に貼り合わされる。この貼り合わせは、ヒートシール接着や接着剤による接合等の適宜手法による。そのため、表面層に用いる樹脂は基材層を構成する樹脂との相溶性が高く、印刷インクや接着剤等の塗工性に好適な樹脂となる。そこで、表面層12はポリプロピレン系樹脂を有する樹脂組成からなる。ポリプロピレン系樹脂には、例えばホモポリプロピレン、1−ブテンホモポリマー、ランダムポリプロピレン等が用いられる。なお、塗工性を好適にするため、表面層の表面(シュリンクフィルムの表面)にコロナ処理を施すことが好ましい。
さらに表面層には、エチレン単独重合体、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等の1種または2種以上のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチルとの1種または2種以上のランダムまたはブロック共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレンとプロピレン以外のエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等の1種または2種以上のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体、1−ブテン単独重合体、アイオノマー樹脂、さらに前記したこれら重合体の混合物等のポリオレフィン系樹脂が添加される場合もある。
基材層11や表面層12の樹脂には、帯電防止性能が求められることが多く、ラウリルジエタノールアミン、ミリスチルジエタノールアミン、オレイルジエタノールアミン等の脂肪族アミン化合物、ラウリルジエタノールアミド、ミリスチルジエタノールアミド、オレイルジエタノールアミド等の脂肪族アミド化合物、多価アルコール等をはじめ各種の帯電防止剤が適度に添加されている。さらに、必要により、アンチブロッキング剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤が含有されることもある。
続いて、図2を用い、シュリンクフィルム(図1の積層フィルム10)の製造工程を説明する。シュリンクフィルム(積層フィルム10)は、図示の延伸装置50により製膜される。はじめに、樹脂溶融部51において、前記の基材層を組成する複数の樹脂は溶融され溶融物となる。同様に表面層の樹脂も溶融され溶融物となる。基材層及び表面層の樹脂溶融物は、Tダイ52より所定量ずつ、「表面層/基材層/表面層」の層状、あるいは「表面層/基材層」の層状に形成されて吐出される。
Tダイ52より吐出された樹脂層状物は、順次、ローラー53に誘導され、テンター54内に導かれる。このローラーは延伸ローラーとして機能せず、実質的に搬送目的となる。図中、出来上がるフィルムの巻き取り方向はMD(機械方向)であり、これと直交する方向は横方向TD(幅方向)である。テンター54内に導入された樹脂層状物10bの横方向の両端をクリップ55がつまむ。そして、クリップ55を介して、樹脂層状物10bは横方向TDに徐々に引張される。テンター導入前の樹脂層状物10bの横幅は、最終的にもとの幅から6〜7倍に延伸される。その後、必要に応じて熱固定され、シュリンクフィルムは完成する。
発明者の試行によると、横方向TD(幅方向)の一軸延伸倍率が5倍では、延伸が不均一となり、製膜不良であった。横方向TD(幅方向)の一軸延伸倍率が8倍になると、延伸時にフィルムは破断して製膜自体が不可能であった。そこで、良好な収縮と安定した製膜を調和させるため、5倍よりも大きくかつ8倍未満、特に6〜7倍の一軸延伸の倍率が最適となる。
仮に、シュリンクフィルムを巻き取り方向MD(機械方向)による延伸とした場合、大きな延伸倍率を得ることは難しい。巻き取り速度やローラー回転数の調整等、各種要因の制御が必要となり、必ずしも延伸条件の制御は容易ではない。シュリンクフィルムの特性として、再加熱時の応力に伴う高い収縮性が求められる。正確かつ高い倍率による延伸の仕上がりとすることにより、包装対象物表面への良好な収縮性を実現している。このため、強制的な横方向の延伸は、比較的容易に倍率を設定しやすく、大きな延伸倍率を得ることができる利便性を備える。従って、シュリンクフィルム(図示の積層フィルム)の製膜は、いわゆるテンター一軸延伸法により横方向TD(幅方向)の一軸延伸としている。
なお、現在流通しているPETボトルのラベル用のシュリンクフィルムは、ほぼ全て幅方向に収縮する製品である。この場合、あえて別方向に収縮するフィルムを設計する場合、各種装置の改良、変更に多大な経費が発生するおそれがある。シュリンクフィルムの需要者が既存の設備をそのまま利用するためにも、幅方向の一軸延伸方式により製膜したフィルムとすることが望ましい。
一般にテンター延伸におけるテンター内の加熱は、樹脂の種類によるものの160℃前後である。この温度域に加熱されることによりフィルム樹脂は軟化され、延伸が可能となる。これに対し、本発明のシュリンクフィルムでは、前述の積層フィルムの横方向TD(幅方向)への6〜7倍の一軸延伸倍率を得るに際し、テンター内の延伸時の温度条件は、75〜80℃の雰囲気温度に設定されている。
延伸時の温度範囲設定は、前記の共重合体(R1)、石油樹脂(R2)、及び共重合体(R3)の間に成立する好適な配合割合、並びに前記の一軸延伸倍率を実現するために得られた温度範囲である。発明者の試行によると、テンター内が75℃を下回るとき、例えば70℃の雰囲気温度に設定して未延伸状態のフィルムを一軸延伸した場合、延伸途中で破断が生じた。また、テンター内が80℃を上回るとき、例えば115℃の雰囲気温度に設定して未延伸状態のフィルムを一軸延伸した場合、横方向の収縮特性が劣る。延伸時の熱伝導も勘案することにより、テンター内における一軸延伸時の温度は、75〜80℃の雰囲気温度設定となる。
続いて、シュリンクフィルム(積層フィルム)が具備する収縮特性並びに強度について説明する。シュリンクフィルムは、請求項3の発明に規定するように、次の熱水収縮試験(I)によって評価される。対象物表面へのシュリンク包装に際し、水蒸気が吹き付けられシュリンクフィルムは加熱収縮される。そこで、熱水収縮試験は、水蒸気の吹き付けによる対象物表面へのシュリンク包装の性能評価を念頭に置いたため、短時間の煮沸として再現性を高めた影響評価である。
熱水収縮試験(I)は、1辺10cm四方の正方形のシュリンクフィルム(積層フィルム)を95℃で10秒間煮沸後、23℃、相対湿度50%の条件下で30分間以上静置し、煮沸の前後で計測した一軸延伸を伴う横方向の長さ(煮沸前横方向長,煮沸後横方向長)の変化より、「横方向の収縮率(%)={(煮沸前横方向長(Tb)−煮沸後横方向長(Ta))/煮沸前横方向長(Tb)}×100」として、横方向の熱水収縮率(Ts)が算出される(数式(i)参照)。
Figure 2012056275
同時に、煮沸の前後で計測した一軸延伸を伴う横方向と直交する巻き取り方向の長さ(煮沸前巻き取り方向長,煮沸後巻き取り方向長)の変化より、「巻き取り方向の収縮率(%)={(煮沸前巻き取り方向長(Mb)−煮沸後巻き取り方向長(Ma))/煮沸前巻き取り方向長(Mb)×100}」として、巻き取り方向の熱水収縮率(Ms)が算出される(数式(ii)参照)。
Figure 2012056275
こうして、当該シュリンクフィルムの横方向TD及び巻き取り方向MDの両方向の熱水収縮率Ts(%),Ms(%)を得ることができる。
熱水収縮試験(I)において、シュリンクフィルム(積層フィルム)は、一軸延伸を伴う横方向TD(幅方向)の熱水収縮率Tsが60%以上であり、かつ、一軸延伸を伴う横方向TDと直交する巻き取り方向MD(機械方向)の熱水収縮率Msが−10%〜+10%であることを満たす必要がある。この数値範囲は、PETボトルに被せて行うシュリンク包装の際、フィルムはボトルの上下方向にはほとんど収縮せず、主にボトルの円周方向(左右方向)に収縮してボトル表面に密着する性能を担保するためである。
シュリンクフィルムをPETボトルに包装する際、当該フィルムを筒状にした状態でPETボトルに被せるため、筒状のフィルムの自立性が必要となり、包装適性はフィルム自体の強度に大きく依存する。発明者はフィルムの強度と包装適性の関係に着目した結果、包装適性は引張弾性率の数値と関連していることを見出した。そこで、シュリンクフィルムが満たすべき強度として、請求項3の発明に規定するように、「JIS K 7127(1999)プラスチック−引張特性の試験方法−第3部:フィルム及びシートの試験条件」の「試験片タイプ5による測定」に準拠し、引張弾性率を指標に用いた。当該試験において、1.0GPa以上、好ましくは1.2GPa以上であることが、本発明のシュリンクフィルムの満たすべき強度となる。なお、当該試験に際し、JIS K 7161(1994)の「4.6引張弾性率」により算出した。
発明者の試行によると、当該シュリンクフィルムにおける引張弾性率が1.0GPaを下回る場合、自立性が十分でなく、包装適性が劣り包装時の生産性の悪化が問題となる。特に、PETボトルに被せるシュリンク包装用の資材として用いる場合、1.0GPa以下では弾性率の不足より加工等に不都合である。そのため、引張弾性率の試験において、1.0GPa以上、より好ましくは機械適性の点から1.2GPa以上であることが望ましい。
以上の点を踏まえ、二つの熱収縮率Ts,Msが同時に規定の数値範囲を満たし、併せて引張弾性率の試験において規定した数値に合致した積層フィルムのみが、好適なシュリンクフィルムとなる。自明ながら、PETボトル以外にも、ガラス瓶、アルミニウムや鉄製容器、缶容器、紙製容器、その他のシュリンク包装適用可能な物品にも用いることができる。
[シュリンクフィルムの試作]
試作例1ないし21のシュリンクフィルムについて、下記の表1ないし3に示した配合比率(重量部)に基づき、原料となる樹脂を溶融、混練して三層共押出Tダイフィルム成形機、テンター一軸延伸機により製膜した。各試作例のフィルムを製膜するに際し、下記表中の横方向延伸倍率(倍)、延伸時温度(℃)の条件とした。フィルム状に仕上がった試作例の全体の膜厚は50μm、このうち表面層の膜厚は5μmであった。
[使用原料]
使用した原料樹脂は次のとおりである。表中に記載の樹脂の配合割合は重量部である。
プロピレン−αオレフィンランダム共重合体として以下の5種類を用いた。
・原料1:メタロセン系触媒により重合されたプロピレン−αオレフィンランダム共重合体(日本ポリプロ株式会社製:商品名「ウィンテックWFX6」,融点125℃)
・原料2:メタロセン系触媒により重合されたプロピレン−αオレフィンランダム共重合体(日本ポリプロ株式会社製:商品名「ウィンテックWFW4」,融点135℃)
・原料3:プロピレン−αオレフィンランダム共重合体(日本ポリプロ株式会社製:商品名「ノバテックFG4」,融点142℃)
・原料4:プロピレン−αオレフィンランダム共重合体(日本ポリプロ株式会社製:商品名「ノバテックEG8」,融点128℃)
・原料11:メタロセン系触媒により重合されたプロピレン−αオレフィンランダム共重合体(日本ポリプロ株式会社製:商品名「ウィンテックWFX4T」,融点127℃)
脂環式炭化水素樹脂系の石油樹脂として次の1種類を用いた。
・原料5:脂環式炭化水素樹脂系の石油樹脂(荒川化学工業株式会社製:商品名「アルコンP−125」,軟化点125℃)
エチレン−αオレフィン共重合体として次の5種類を用いた。
・原料6:メタロセン系触媒により重合されたエチレン−αオレフィン共重合体(住友化学株式会社製:商品名「エクセレンCX3007」,融点83℃)
・原料7:メタロセン系触媒により重合されたエチレン−αオレフィン共重合体(三井化学株式会社製:商品名「タフマーA4085S」,融点66℃)
・原料8:メタロセン系触媒により重合されたエチレン−αオレフィン共重合体(日本ポリエチレン株式会社製:商品名「カーネルKF360T」,融点90℃)
・原料9:メタロセン系触媒により重合されたエチレン−αオレフィン共重合体(日本ポリエチレン株式会社製:商品名「カーネルKF283」,融点108℃)
・原料10:メタロセン系触媒により重合されたエチレン−αオレフィン共重合体(日本ポリエチレン株式会社製:商品名「カーネルKS340T」,融点60℃)
[延伸・製膜状況の評価]
各試作例の樹脂溶融物をテンター一軸延伸機により製膜した際、問題なくフィルムに製膜できたサンプルは“O”とした。延伸・製膜時に途中で破断、もしくは延伸にむらが生じたサンプルは“×”とした。これらは表中の製膜性の評価である。いずれの試作例のフィルムとも表面層には、原料11の樹脂を使用した。試作例12,13,18,19,21は製膜不良につき以降の測定を断念した。
[熱水収縮率試験]
各試作例(製膜できなかった試作例を除く)のそれぞれフィルムについて、フィルムの巻き取り方向MD及びこれと直交する横方向TDを確認しながら、両方向を共に1辺10cmとする正方形に裁断した。裁断した試験用フィルムを95℃の熱湯浴中に静かに沈めて10秒間煮沸し、煮沸時間経過と共にすぐに試験用フィルムを熱湯浴から取り出した。その後、23℃、相対湿度50%の条件下で試験用フィルムを30分間以上静置した。
各試作例の試験用フィルムについて煮沸後横方向長(Ta)を計測した。煮沸前横方向長(Tb)は裁断寸法である10cmである。前記の数式(i)のとおり、煮沸後横方向長(Ta)と煮沸前横方向長(Tb)の変化をもって、横方向の熱水収縮率Ts(%)を算出した。同様に各試作例の試験用フィルムについて煮沸後巻き取り方向長(Ma)も計測した。煮沸前巻き取り方向長(Mb)は裁断寸法である10cmである。前記の数式(ii)のとおり、煮沸後巻き取り方向長(Ma)と煮沸前巻き取り方向長(Mb)の変化をもって、巻き取り方向の熱水収縮率Ms(%)を算出した。
[引張弾性率の測定]
各試作例(製膜できなかった試作例を除く)のそれぞれ試験用フィルムについて、「JIS K 7127(1999)プラスチック−引張特性の試験方法−第3部:フィルム及びシートの試験条件」の「試験片タイプ5による測定」に準拠して、試験片を作成し、引張弾性率を測定した。当該試験に際し、JIS K 7161(1994)の「4.6引張弾性率」により算出した。単位はGPaである。
[総合評価]
各試作例(製膜できなかった試作例を除く)に関し、上記の延伸・製膜状況の評価、熱水収縮率試験、引張弾性率の試験により得られた結果をとりまとめ、実需要の観点から総合的に判断して次の5段階の総合評価を下した。
・評価A:「全ての指標において特に安定して優れている良品である。」
・評価B:「全ての指標において安定して優れている良品である。」
・評価C:「引張弾性率または熱水収縮率Tsが不足、あるいは熱水収縮率Msが過多である。」
・評価D:「製膜可能であるものの熱水収縮、引張弾性率が不足している。」
・評価E:「製膜不能もしくは安定した製膜が困難であった。」
Figure 2012056275
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[結果と考察]
製品として適する評価は“A”,“B”であり、他“C”ないし“E”は不十分もしくは不適格である。試作例1ないし7は比較的良好であり、特に、試作例1は安定して優れている。以下、対比して詳細を述べる。
〈原料樹脂の選択〉
原料1,2はメタロセン系触媒により重合された融点120〜135℃のプロピレン−αオレフィンランダム共重合体であり、原料3,4は対比となる非メタロセン系の同種の共重合体である。原料6,7,8は融点65〜90℃のエチレン−αオレフィン共重合体であり、原料9,10は対比となる融点域のαオレフィン共重合体である。
試作例10の原料樹脂の配合より明らかであるように、エチレン−αオレフィン共重合体を欠く場合、収縮率に悪化が見られる。そこで、良好な熱水収縮性能を勘案すると、原料1,2に代表される融点120〜135℃のプロピレン−αオレフィンランダム共重合体(R1)及び原料6,7,8に代表される融点65〜90℃のプロピレン−αオレフィン共重合体(R3)の両方が必要である。高融点側の共重合体(R1)はフィルムの構造維持に重要であり、低融点側の共重合体(R3)は熱水収縮に寄与することがわかる。これらの共重合体に関し、試作例1ないし7と、試作例8,9との比較から、メタロセン系触媒による重合樹脂を用いる方がより良好な結果を得ることができた。なお、表記してはいないが、原料2の石油樹脂(R2)を欠く配合も試行したものの、十分な熱水収縮性能及び包装適性に必要な引張弾性率を得ることができなかった。
〈原料樹脂の配合割合〉
シュリンクフィルムの基材層に用いる3種類の原料樹脂の間に成立する配合割合は、樹脂同士で相互に影響を受ける。そこで、基材層の原料樹脂の配合割合の三角図(三角ダイアグラム)に示した(図3参照)。下辺に共重合体(R1)、右辺に石油樹脂(R2)、左辺に共重合体(R3)を配置し、各成分の配合割合をプロットして原料樹脂の配合割合の三角図(三角ダイアグラム)を作成した(図3参照)。図中、試作例は(n)と表記した。目盛りの数値は重量部である。例えば、試作例1は(1)となる。なお、製膜不能や樹脂成分が異なる比較例は除外して図示した。
図3の三角図において、実施例と比較例の製品としての適否(総合評価A及びB、それ以外の評価)をもって、シュリンクフィルムの基材層に配合する3種類の原料樹脂が満たすべき割合を求めた。
融点120〜135℃のプロピレン−αオレフィンランダム共重合体(R1)に関して、試作例12から明らかであるように、共重合体(R1)の配合割合が40重量部では製膜不良である。試作例11より共重合体(R1)の配合割合が60重量部を超える場合では熱水収縮性能不足となる。
脂環式炭化水素樹脂系の石油樹脂(R2)に着目した結果、試作例10のとおり、石油樹脂(R2)の配合割合が25重量部では熱水収縮性能不足である。試作例12,13より、石油樹脂(R2)の配合割合が40重量部では製膜不良である。
融点65〜90℃のプロピレン−αオレフィン共重合体(R3)に着目すると、無配合の試作例10では熱水収縮性能が多少劣った。また、試作例16,17より共重合体(R3)の配合割合が30重量部では熱水収縮性能の低下、引張弾性率の悪化が生じた。
各試作例の配合割合を踏まえた結果、熱水収縮性能、引張弾性率、製膜性のいずれの指標において、シュリンクフィルムの基材層に配合される3種類の原料樹脂が満たすべき配合割合の調和点は次のとおりとなる。すなわち、シュリンクフィルムの基材層に配合される共重合体(R1)の配合割合は45重量部以上かつ60重量部以下、石油樹脂(R2)の配合割合は30重量部以上かつ35重量部以下、共重合体(R3)の配合割合は5重量部以上かつ20重量部以下(好ましくは10重量部以上かつ20重量部以下)の全てを同時に満たす配合割合の範囲内である。当該配合割合の範囲は、図3の三角図において粗い破線同士の交差(共重合体(R3)については細かい破線の狭めた範囲を含む。)により出来上がる台形状の領域内である。
〈横方向延伸倍率〉
横方向延伸倍率が5倍の試作例18及び同倍率が8倍の試作例19は、いずれも試作例1と同様の組成、配合割合である。しかしながら、両比較例は共に延伸時に破断が生じ、製膜不能であった。この結果、好適な製膜性を得るためのテンター内における横方向の一軸延伸を行う際、5倍よりも大きくかつ8倍未満、特に6倍以上かつ7倍以下の延伸倍率とすることが望ましい。
〈延伸時の雰囲気温度〉
延伸時の雰囲気温度が70℃の試作例21及び同温度が115℃の試作例20も、いずれも試作例1と同様の組成、配合割合である。しかしながら、試作例21は製膜不能であり、試作例20は熱水収縮性能不足となった。これはテンター内における横方向の一軸延伸を行う際の温度制御が極めて重要な要素であることを示す。併せて、一軸延伸時に必要な雰囲気温度は75℃以上かつ80℃以下の温度帯であることも判明した。
〈熱水収縮率:シュリンク性能〉
実施例及び比較例のシュリンクフィルムに関し、引張弾性率の測定結果を加味し判断すると、共通して成立する横方向の熱水収縮率Ts(%)は、60%以上、より好ましくは61%以上である。巻き取り方向の熱水収縮率Ms(%)については、実施例並びに比較例共に−10%〜+10%の範囲内であることから、−10%〜+10%の範囲、好適には−9%〜+9%、さらには−8%〜+8%を採用した。
〈引張弾性率の測定:フィルムの強度〉
フィルムを安定的に生産することが可能なフィルムの強度を検討した結果、当該指標において、1.0GPa以上、より好ましくは1.2GPa以上となったサンプルを良品として抽出した。
[結論]
試行したシュリンクフィルムの基材層に用いる原料樹脂の選択及び樹脂の配合割合、延伸の倍率及び雰囲気温度の設定を考慮し、熱水収縮率、強度の各指標を平均して満たすシュリンクフィルムとしては、総合評価において“B”以上の試作例1ないし7が適当である。さらに好適な性質を勘案すると総合評価“A”の試作例1が安定して優れている。
シュリンク包装に適したフィルムであって、特に、PETボトル等に被せて加熱して密着する包装用途に好適である。しかも、樹脂の相違から、比重差により互いの分離が容易である。
10 積層フィルム(シュリンクフィルム)
11 基材層
12 表面層
50 延伸装置
52 Tダイ
54 テンター
55 クリップ
MD 巻き取り方向(機械方向)
TD 巻き取り方向と直交する横方向(幅方向)

Claims (3)

  1. 基材層と表面層を備え、フィルムの巻き取り方向(MD)と直交する横方向(TD)のみ実質的に一軸延伸して製膜した積層フィルムであって、
    前記基材層は、融点120〜135℃のプロピレン−αオレフィンランダム共重合体45〜60重量部と、
    脂環式炭化水素樹脂系の石油樹脂30〜35重量部と、
    融点65〜90℃のエチレン−αオレフィン共重合体5〜20重量部とを含み、
    前記表面層はポリプロピレン系樹脂を有し、
    前記積層フィルムは前記横方向の一軸延伸に際し75〜80℃の雰囲気温度下で6〜7倍に延伸し製膜したフィルムであることを特徴とするシュリンクフィルム。
  2. 前記融点120〜135℃のプロピレン−αオレフィンランダム共重合体及び融点65〜90℃のエチレン−αオレフィン共重合体が、共にメタロセン系触媒により重合された共重合体である請求項1に記載のシュリンクフィルム。
  3. 前記積層フィルムが、下記(I)の熱水収縮率試験に基づく当該積層フィルムの前記一軸延伸を伴う横方向の熱水収縮率(Ts)が60%以上であると共に前記一軸延伸を伴う横方向と直交する巻き取り方向の熱水収縮率(Ms)が−10%〜+10%であり、かつ、JIS Z 7127(1999)に準拠した前記一軸延伸を伴う横方向と直交する巻き取り方向の引張弾性率が1.0GPa以上である請求項1または2に記載のシュリンクフィルム。
    ((I)熱水収縮率試験:1辺10cm四方の正方形のシュリンクフィルム(積層フィルム)を95℃、10秒間煮沸後、23℃、相対湿度50%の条件下で30分間以上静置し、煮沸の前後で計測した前記一軸延伸を伴う横方向の長さ(煮沸前横方向長,煮沸後横方向長)より、「横方向の収縮率(%)={(煮沸前横方向長−煮沸後横方向長)/煮沸前横方向長×100}」とした横方向の熱水収縮率(Ts)と、煮沸の前後で計測した前記一軸延伸を伴う横方向と直交する巻き取り方向の長さ(煮沸前巻き取り方向長,煮沸後巻き取り方向長)より、「巻き取り方向の収縮率(%)={(煮沸前巻き取り方向長−煮沸後巻き取り方向長)/煮沸前巻き取り方向長×100}」とした巻き取り方向の熱水収縮率(Ms)とを算出し、当該シュリンクフィルムの両方向の熱水収縮率とする。)
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