JP6484996B2 - 積層熱収縮性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、熱収縮性、透明性、表面平滑性に優れ、ラベル印刷時における溶剤浸食が防止された包装材料、特にラベルやキャップシールとして有用な積層熱縮性フィルムに関する。
ジュース等の清涼飲料水は瓶あるいはペットボトルといった容器に充填されて販売される。その際、他商品との差別化や商品の視認性向上のために、容器外側または内面に印刷が施された熱収縮性ラベルを装着する場合が多い。ラベルの材質としてはポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン等が挙げられる。
また、容器がペットボトルの場合、リサイクルのために使用後に回収したペットボトルからフレークやペレットに再生されることが多くなってきている。この工程の概略を以下に説明する。回収されたペットボトル(通常、ポリエチレン製等のキャップや熱収縮性ラベルが付いている状態にある)は、人手、重量分離機、X線検査等によって、ガラス瓶、缶、塩ビボトル等他の容器から選別される。次いで、ペットボトルは数mm〜10mm角に粉砕され、比重分離機によって、比重が1未満の熱収縮性ラベル粉砕体やキャップが除去される。更に、風力分離機によって、比重が1以上の熱収縮性ラベル粉砕体が除去される。こうして得たペットボトル粉砕体から、所期の再生ペットフレークまたは再生ペットペレットが得られる。
前記した比重分離機とは、粉砕体を水中に入れ、水に浮くもの(比重が1未満の熱収縮性ラベルやキャップ)と水に沈むもの(比重が1以上の熱収縮性ラベルやペットボトル粉砕体)とを分離する装置であり、また、風力分離機とは、粉砕体を拡げて、下から風を当て、熱収縮性ラベル粉砕体を吹き飛ばす装置である。各々の原理から、比重分離機は単位時間当たりの処理能力が大きいのに対し、風力分離機のそれは小さい。このため、比重分離機で除去できる比重が1未満の熱収縮性ラベルが要望されている。
しかしながら、前記ラベルの材質のうちポリスチレンラベルは自然収縮率が大きく、ポリエステルラベルは熱収縮する際の収縮速度が大きく、いずれも取り扱いにくく、ポリ塩化ビニルラベルは使用後焼却時に塩化水素等の有害ガスを発生するという問題がある。また各ラベルとも比重が1より大きいため、リサイクル工程において比重分離機で分離できないという問題がある。一方、ポリオレフィンラベルは比重が1未満であるが、腰や光沢が不十分であり、有機溶剤によるセンターシール加工では製造することができないという問題がある。さらに、ポリオレフィンラベルは熱収縮温度を高くしないと収縮しないため、耐熱性のない、例えば非耐熱ペットボトルには使用できないという問題がある。
そこで、これらの問題について検討したところ、環状オレフィン系樹脂等の非晶質樹脂からなる層とポリオレフィン系樹脂からなる層とが積層された比重1以下のシュリンクフィルムが見出された。この環状オレフィン系樹脂からなる熱収縮性フィルムは透明性、光沢に優れ、適度の腰を有するため種々の包装材料として数多く検討されている。例えば特許文献1では、密度0 .94g/cm未満のオレフィン系樹脂を主成分とする層を中間層とし、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とする層を表裏面に設けて積層体を形成し、その積層体を3〜6倍延伸することで得られる、比重が0.96未満である熱収縮性フィルムが開示されている。また特許文献2では、印刷面を内面にし、チューブを形成するための接合面が外観に優れ、接合強度にも優れる環状ポリオレフィン系熱収縮性チューブが開示されている。しかし、環状オレフィン系樹脂で表裏面を形成する熱収縮性フィルムは、フィルム表面に指紋等の油脂が付着した状態で熱収縮をさせると、その油脂付着部分に白化が生じ外観を損ねてしまうといった問題が生じる場合が多く、熱収縮包装適性としては、必ずしも良好とはいえない。また、特許文献3では環状オレフィン系樹脂に可塑剤を添加し、フィルム表面に指紋等の油脂が付着した状態での熱収縮において、白化を生じさせない熱収縮フィルムが開示されている。しかしながら、環状オレフィンフィルムを用いていることによって、溶剤を用いたラベル印刷では、溶剤の浸食によって表面の白化やクラックを生じさせるといった恐れがある。加えて、印刷面の表面平滑性が印刷時の印刷ムラなどに影響を与えると考えられ、フィルム表面の平滑性が求められる。
特開2000−202951号公報 特開2000−211025号公報 特開2005−179610号公報
本発明が解決しようとする課題は、熱収縮性フィルムであって熱収縮特性、透明性、表面平滑性、耐溶剤性に優れ、溶剤を用いたラベル印刷においてもクラックの発生や白化を生じないフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなるフィルムを用いれば、上述の課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、少なくとも1層の中間層と、両外層からなる積層熱収縮性フィルムにおいて、中間層が環状オレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、非晶性ポリエステル、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の非晶性樹脂を主成分とする組成物からなり、両外層がホモプロピレン系樹脂を主成分とする組成物からなり、フィルム総厚みに対する中間層の厚みの比率が67%以上98%以下であり、表面粗さが100nm以下であることを特徴とする積層熱収縮性フィルムが提供される。
さらに、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記非晶性樹脂が、環状
オレフィン系樹脂あることを特徴とするフィルムが提供される。

また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記両外層の膜厚がそれぞれ1μm以上100μm以下である積層熱収縮性フィルムが提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記中間層の膜厚が50μm以上200μm以下である積層熱収縮性フィルムが提供される。
本発明によれば、熱収縮ラベルの機能を維持し、溶剤を用いた印刷においても白化また、比重が1未満のラベルとした場合にはリサイクル時に比重分離機によって容易に分離できる。
1.最外層
本発明のフィルムで使用される最外層(以下、「オレフィン系樹脂層」と称す場合がある。)は、オレフィン系樹脂を主成分とする。ここで主成分とは、層中の成分として、好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上含むことをいう。最外層は、それぞれ単層構成であっても多層構成であってもよく、特に限定されるものではない。また最外層を形成するオレフィン系樹脂は2種以上の混合物であってもよい。
オレフィン系樹脂としては、代表的なものとして、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンなどのα−オレフィンを重合した単独重合体または共重合体が挙げられる。また、これらの単独重合体または共重合体を2種以上混合することもできる。この中でもプロピレン系樹脂、または、エチレン系樹脂を用いることが好ましく、耐溶剤性や中間層との密着性に優れるという観点から、プロピレン系樹脂を用いることがさらに好ましい。
プロピレン系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合、溶融重合法、塊状重合法、気相重合法、またラジカル開始剤を用いた塊状重合法などが挙げられる。
プロピレン系樹脂としては、例えば、商品名「ノバテックPP」、「WINTEC」(以上、日本ポリプロ社製)、「ノティオ」、「タフマーXR」(以上、三井化学社製)、「ゼラス」、「サーモラン」(以上、三菱化学社製)、「住友ノーブレン」、「タフセレン」(以上、住友化学社製)、「プライムポリプロ」、「プライムTPO」(以上、プライムポリマー社製)、「Adflex」、「Adsyl」、「HMS−PP(PF814)」(以上、サンアロマー社製)、「バーシファイ」、「インスパイア」(以上、ダウケミカル社製)など市販されている商品を使用できる。
プロピレン系樹脂のMFR(230℃)は特に制限されるものではないが、好ましくは0.5〜30g/10分であり、より好ましくは1〜20g/10分であり、さらに好ましくは2〜15g/10分である。MFRが30g/10分を超えると収縮特性への影響が懸念されるため好ましくない。MFRが0.5g/10分未満では、積層体にした時の積層ムラが発生するため好ましくない。
ここでMFRは、JIS K7210−1999の「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠して測定する値である。
本発明のオレフィン系樹脂層においては、オレフィン系樹脂のほか、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内で、一般に樹脂組成物に配合される添加剤を最外層に適宜添加できる。前記添加剤は、成形加工性、生産性および両外層の諸物性を改良・調整する目的で添加されるものであり、具体的には耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂や、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤または着色剤などの添加剤が挙げられる。
オレフィン系樹脂層の膜厚は、収縮特性、フィルム総厚み、積層比率の観点から、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、40μm以下がさらに好ましい。また、耐溶剤性の観点から、1μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、30μm以上がさらに好ましい。
本発明に係る最外層は、主に耐溶剤性を向上させるための層としての役割を有する。
2.中間層
次に本発明におけるフィルムの中間層(以下、「非晶性樹脂層」と称す場合がある。)について説明する。本発明のフィルムで使用される中間層は、非晶性樹脂を主成分とする。ここで主成分とは、層中の成分として、好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上含むことをいう。中間層は、それぞれ単層構成であっても多層構成であってもよく、特に限定されるものではない。また中間層を形成する非晶性樹脂は2種以上の混合物であってもよい。
非晶性樹脂として、代表的なものとしては、環状オレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド等を挙げることができる。中でも、延伸性、ガラス転移温度の範囲、透明性を考慮した場合、環状オレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート樹脂が好ましく、その中でも環状オレフィン系樹脂が特に好ましい。
環状オレフィン系樹脂とは一般的な総称であり、具体的には、(a)環状オレフィンの開環(共)重合体を必要に応じ水素添加した重合体、(b)環状オレフィンの付加(共)重合体、(c)環状オレフィンとエチレン、プロピレン等α−オレフィンとのランダム共重合体、(d)前記(a)〜(c)を不飽和カルボン酸やその誘導体等で変性したグラフト変性体等が例示できる。この環状オレフィン系共重合樹脂は、具体的には日本ゼオン製の商品名「ZEONOR」や三井化学((株))製の商品名「アペル」やTicona社製の商品名「Topas」を例示することができる。環状オレフィン系樹脂の比重は一般的には1.00〜1.05である。
環状オレフィン系重合体は、例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭61−115916号公報、特開昭61―271308号公報、特開昭61−252407号公報などに記載されている公知の方法に準じて製造することができる。
さらに、本発明において、環状オレフィン開環(共)重合体あるいは環状オレフィン開環(共)重合体の水添物を、例えば無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸あるいはその無水物の変性剤で変性したグラフと共重合体も使用することができる。
該環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度は、収縮特性の観点より好ましくは50〜150℃、より好ましくは120〜140℃であることが望ましい。
本発明の非晶性樹脂層においては、非晶性樹脂のほか、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内で、一般に樹脂組成物に配合される添加剤を最外層に適宜添加できる。前記添加剤は、成形加工性、生産性および両外層の諸物性を改良・調整する目的で添加されるものであり、具体的には耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂や、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤または着色剤などの添加剤が挙げられる。
非晶性樹脂層の膜厚は、フィルム総厚みと積層比率の観点から、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、110μm以下がさらに好ましい。また、収縮特性発現の観点から、50μm以上が好ましく、80μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。
3.積層フィルム
本発明のフィルムは公知の方法によって製造することができる。フィルムの形態としては平面状、チューブ状の何れであってもよいが、生産性(原反フィルムの幅方向に製品として数丁取りが可能)や内面に印刷が可能という点から平面状がより好ましい。平面状の場合の製造方法としては、例えば、複数の押出機を用いて樹脂を溶融し、Tダイから共押出し、チルドロールで冷却固化し、縦方向にロール延伸をし、冷却し、(印刷が施される場合にはその面にコロナ放電処理をして、) 巻取機にて巻き取ることによりフィルムを得る方法が例示できる。
フィルム総厚みに対する中間層の厚みの比率の下限については、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上である。一方、上限については、好ましくは98%以下、より好ましくは95%以下、特に好ましくは90%以下である。フィルム総厚みに対する中間層の厚みの比率が上記の範囲であれば、収縮特性を損なわないため好ましい。また表面特性の均一性の面から最外層の膜厚は等しいことが好ましい。
本フィルムにおける延伸倍率は、特に制限されるものではないが、熱収縮性、平面平滑性の観点から、MDに対して1.10〜10倍の延伸を行うことが好ましく、より好ましくは1.50〜5.0倍であり、さらに好ましくは1.70〜3.0倍である。また本発明の表面粗さは、印刷性の観点から100nm以下であり、好ましくは80nm以下、より好ましくは60nmである。表面粗さは延伸倍率を上げること、ロールの温度を低くすることでフィルムを急冷させ外層の結晶性を低下させることによって小さくすることができる。
本フィルムにおける延伸温度は、特に制限されるものではないが、熱収縮性、延伸倍率の観点から、好ましくは50〜160℃の温度であり、より好ましくは100〜150℃であり、さらに好ましくは130〜140℃である。延伸倍率が160℃を超えると目的とする収縮性が発現しない可能性があるため好ましくない。延伸温度が50℃未満では、延伸倍率を上げることが困難になる可能性があるため好ましくない。
以下に実施例でさらに詳しく説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例に示す測定値及び評価は次のように行った。ここで、フィルムの引き取り(流れ)方向を「縦方向(MD)」、その直角方向を「横方向(TD)」と記載する。
[熱収縮率]
フィルムのMDに長さ150mm、幅20mmの大きさに切り取り、中央部に約100mmの距離において標線をつけた試験片を作製する。該試験片は、150℃に設定した空気循環式恒温槽に15分放置した後に収縮量を測定した。熱収縮率は、「(加熱前の標線間距離[mm]−加熱後の標線間距離[mm])/(加熱前の標準間距離[mm]×100)」よりMDについて算出した。
[表面粗さ]
表面粗さの計測は株式会社菱化システム製のバートスキャンを使用し、その算術平均高さ(Sa)を表面粗さとした。
[耐溶剤性の評価]
フィルムを、縦100mm、横100mmの大きさに切り取りトルエンを滴下し、60秒後にフィルム表面のトルエンを拭き取り、トルエンを滴下した部位の状態を目視にて確認した。白化やクラック、フィルムの溶解が見られないものについては○、白化やクラック、フィルムの溶解が見られたものについては×とした。
(実施例1)
両外層にはホモPP(ノバテックPP「FY6HA」(MFR(230℃):2.4g/10分))を、中間層には環状オレフィンポリマーには、日本ゼオン(株)製:「ZEONOR 1420R」(ガラス転移温度:136℃)を75重量部、日本ゼオン(株)製:「ZEONOR 1020R」(ガラス転移温度:105℃)を25重量部でブレンドしたものを用いた。それぞれ別個の押出機に投入後、各層の厚みが外層/中間層/外層=1/4/1となるような積層比とし、3層ダイスより共押出しし、30℃キャストロールで引き取り固化させて厚さ約140μm の2種3層シートを得た。このシートを縦延伸装置を用いて、温度140℃でMDに2倍延伸し、膜厚約71μmの積層熱収縮性フィルムを作成した。この積層熱収縮フィルムの各評価結果を表1に示す。
(実施例2)
各層の厚み比を外層/中間層/外層=1/6/1とし、延伸倍率を1.75倍とした以外は実施例1と同様にして膜厚約78μmの積層熱収縮性フィルムを作成した。この積層熱収縮フィルムの各評価結果を表1に示す。
(実施例3)
延伸倍率を2倍とした以外は実施例2と同様にして膜厚約68μmの積層熱収縮性フィルムを作成した。この積層熱収縮フィルムの各評価結果を表1に示す。
(比較例1)
延伸倍率を1.5倍とした以外は実施例2と同様にして膜厚約86μmの積層熱収縮性フィルムを作成した。この積層熱収縮フィルムの各評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例2と同様にして得られた積層フィルムに対して延伸を行わず、各評価を行った。その評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例3で得られた積層熱収縮性フィルムに対して、両外層を剥離し、中間層に対して耐溶剤性評価を行った結果について表1に示す。
(比較例4)
両外層には環状オレフィンポリマー、日本ゼオン(株)製:「ZEONOR 1420R」(ガラス転移温度:136℃)を75重量部、日本ゼオン(株)製:「ZEONOR 1020R」(ガラス転移温度:105℃)を25重量部でブレンドしたものを、中間層には、ホモPP(ノバテックPP「FY6HA」(MFR(230℃):2.4g/10分))を用いた。それ以外は比較例1と同様に延伸を行った。その結果について表1に示す。
Figure 0006484996
実施例1〜3において、熱収縮性を維持したまま耐溶剤性、表面粗さの良好な結果であった。しかしながら、比較例1、2では熱収縮性を維持され、耐溶剤性は良好であるものの、表面粗さに関して不十分な結果となった。また、比較例3、4においては、耐溶剤性が悪くフィルムの溶解が起こったため、耐溶剤性を有するフィルムとして不十分であった。

Claims (4)

  1. 少なくとも1層の中間層と、両外層からなる積層熱収縮性フィルムにおいて、中間層が環状オレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、非晶性ポリエステル、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の非晶性樹脂を主成分とする組成物からなり、両外層がホモプロピレン系樹脂を主成分とする組成物からなり、フィルム総厚みに対する中間層の厚みの比率が67%以上98%以下であり、表面粗さが100nm以下であることを特徴とする積層熱収縮性フィルム。
  2. 前記非晶性樹脂が、環状オレフィン系樹脂あることを特徴とする請求項1に記載の積層熱収縮性フィルム。
  3. 前記両外層の膜厚がそれぞれ1μm以上100μm以下である請求項1または2に記載の積層熱収縮性フィルム。
  4. 前記中間層の膜厚が50μm以上200μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の積層熱収縮性フィルム。
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