JP2004149430A - 衛生用繊維製品およびそれを用いた衛生用品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】皮膚に貼着される貼付剤の基材や保護材等として用いられる繊維製品であって、繊維重量に対し紫外線吸収剤を0.05〜1.0重量%含有し、波長290〜400nmの紫外線の透過率が4%以下、波長290〜320nmの紫外線の透過率が2%以下、波長290nm以下の紫外線の透過率が1%以下に設定され、通気度が50cc/cm2 ・秒以上に設定されている。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスター剤やパップ剤等、皮膚に貼着される貼付剤の基材もしくは保護材として用いられる衛生用繊維製品およびそれを用いた衛生用品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、プラスター剤やパップ剤等、皮膚に貼着して用いる貼付剤が多く用いられている。これらの貼付剤は、通常、シート状の基材片面に、薬効成分を含有する粘着剤層を設けた構成になっており、上記粘着剤層を、皮膚に直接貼り付けることにより、上記薬効成分を皮膚に吸収させるようになっている。
【0003】
このような貼付剤の薬効成分としては、外用鎮痛作用や消炎作用を有するものが好適に用いられるが、優れた鎮痛・消炎作用を有していても、光、特に紫外線に対する安定性が低く、屋外で日光にさらされる貼付剤には使用することができないものがある。
【0004】
そこで、貼付剤に用いる粘着剤自体に、紫外線吸収作用をもつ官能基を導入して、光安定性を高める技術(特許文献1参照。)や、貼付剤の基材として用いる繊維集合体に、金属酸化物またはセラミックスの微粉末を含有させて紫外線透過率を低く抑える技術(特許文献2参照。)等が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−5962号公報
【特許文献2】
登録実用新案第2538863号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記粘着剤自体に紫外線吸収作用をもつ官能基を導入する方法では、粘着剤成分や薬物の種類によって、導入できる官能基の種類や配合割合が限定されるため、必ずしも高い紫外線吸収作用を付与することができないという問題や、紫外線吸収剤も薬物といっしょに経皮吸収されて悪影響を及ぼすおそれがあるという問題がある。また、上記金属酸化物等の微粉末を繊維集合体に含有させる方法では、焼却処分時に微粉末が灰分として残留するため、処理コストが高くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、高い紫外線吸収作用を備え、通気性にも優れた衛生用繊維製品およびそれを用いた衛生用品の提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、皮膚に貼着される貼付剤の基材や保護材等として用いられる繊維製品であって、繊維重量に対し紫外線吸収剤を0.05〜1.0重量%含有し、波長290〜400nmの紫外線の透過率が4%以下、波長290〜320nmの紫外線の透過率が2%以下、波長290nm以下の紫外線の透過率が1%以下に設定され、通気度が50cc/cm2 ・秒以上に設定されている衛生用繊維製品を第1の要旨とする。
【0009】
また、本発明は、そのなかでも特に、上記紫外線吸収剤が、繊維に吸着保持された状態で含有されている衛生用繊維製品を第2の要旨とし、上記紫外線吸収剤が、繊維内に練り込み保持された状態で含有されている衛生用繊維製品を第3の要旨とする。
【0010】
さらに、本発明は、上記第1〜3のいずれかの要旨である衛生用繊維製品を用いて構成されている衛生用品を第4の要旨とする。
【0011】
そして、本発明は、そのなかでも特に、上記衛生用繊維製品を基材として用い、その片面に経皮吸収用の薬効成分が含有された粘着剤層を形成してなる貼付剤である衛生用品を第5の要旨とし、上記衛生用繊維製品を、貼付剤保護用のシートもしくは包帯として用いてなる衛生用品を第6の要旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
まず、本発明に用いられる紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ヒンダードアミン系等、各種のものを用いることができるが、なかでも、少ない付与量で優れた効果を発揮する点で、ベンゾトリアゾール系のものが好適である。そして、特に、融点が130℃以上のものが好適である。すなわち、融点が130℃未満のものは、せっかく繊維に付着もしくは含有させても、加熱等によって繊維表面からブリードしやすく、また皮膚に接触して肌ヤケ等のトラブルを招くおそれがあるからである。
【0014】
したがって、上記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(融点137〜141℃)、2−[クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール(融点138〜141℃)、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール(融点154〜157℃)等が好適である。
【0015】
また、上記トリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール(融点148℃)が好適であり、上記ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(融点192〜197℃)が好適である。さらに、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、高分子量タイプのジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N・N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物(融点130〜136℃)や、低分子量タイプのビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート(融点146〜150℃)が好適である。
【0016】
上記紫外線吸収剤を繊維製品に含有させる方法としては、例えば、▲1▼紫外線吸収剤を、繊維に吸着保持させる方法や、▲2▼合成繊維,再生繊維等の繊維内に、上記紫外線吸収剤を練り込む方法等があげられる。
【0017】
上記▲1▼の、紫外線吸収剤を繊維に吸着保持させる方法では、適宜の形態の繊維に、紫外線吸収剤が分散含有された処理液を供給して上記紫外線吸収剤を繊維に吸着させたのち、脱液・乾燥することにより、上記紫外線吸収剤を繊維に固定することが行われる。
【0018】
上記▲1▼の方法を適用する繊維の材質は、特に限定するものではなく、ポリエチチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ビニロン、ポリウレタン、ポリ乳酸繊維等の合成繊維、アセテート等の半合成繊維、ビスコース・レーヨン等の再生繊維、木綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維等、各種の繊維を用いることができる。もちろん、これらの繊維には、他の成分が配合されているものであっても差し支えない。
【0019】
そして、上記紫外線吸収剤を吸着させるときの繊維の形態は、モノフィラメント、マルチフィラメント、ステープルファイバー、紡績糸、フラットヤーン、チョップドストランド、スパンボンド等、どのような形であっても差し支えないが、通常、織・編地、不織布等の繊維構造品の形にした段階で行うことが好適である。
【0020】
これらの繊維への処理液(紫外線吸収剤を分散含有させたもの)の供給は、繊維の形態に応じて、適宜の方法が採用されるが、例えば、処理液に繊維品全体を含浸させる方法の他、パッド法やコーティング法、刷毛塗り、スプレー等、適宜の方法を用いることができる。また、パッケージ染色機、液流染色機等の機械を用い、例えば精錬染色工程において、染色用の処理液に紫外線吸収剤を分散含有させて供給することにより、染色と紫外線吸収剤の吸着を同時に行うと、効率がよく好適である。
【0021】
なお、繊維に対し、紫外線吸収剤を吸着固定することが難しい場合には、紫外線吸収剤を、樹脂液等のバインダーに分散含有させて繊維表面に供給し、乾燥することにより、バインダーを介して繊維表面に固着させるようにしてもよい。このようなバインダーとしては、繊維表面に耐久性のある樹脂皮膜を形成しうるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、合成ゴムラテックス等の単体、または共重合体、もしくはこれらの混合物等が、好適に用いられる。
【0022】
一方、▲2▼の、紫外線吸収剤を繊維内に練り込む方法では、繊維製造工程の適宜の段階で、繊維原料に対し紫外線吸収剤を添加混合することが行われる。例えば、原料モノマーに紫外線吸収剤を添加混合したのち重合してもよいし、重合終了後のポリマーに、紫外線吸収剤を添加混合してもよい。そして、これらの紫外線吸収剤含有樹脂からマスターチップを形成し、紡糸することができる。また、樹脂チップと、紫外線吸収剤とを溶融したのち、紡糸するようにしてもよい。
【0023】
上記紫外線吸収剤を練り込む繊維の材質は、練り込み可能なものであることが必要で、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ビニロン、ポリウレタン等の合成繊維、アセテート等の半合成繊維、ビスコース・レーヨン等の再生繊維等があげられる。
【0024】
また、上記紫外線吸収剤を練り込む繊維の形態は、モノフィラメント、マルチフィラメント、ステープルファイバー、紡績糸、フラットヤーン、チョップドストランド、スパンボンド等、どのような形であっても差し支えない。なお、芯鞘構造の複合繊維において、その芯部分か鞘部分のどちらか一方に紫外線吸収剤を練り込むようにしてもよい。紫外線吸収剤が比較的高価であることから、このようにすると、紫外線吸収剤の使用量を低減することができ、低コスト化を図ることができる。特に、鞘部分に紫外線吸収剤を練り込んだものは、紫外線吸収性能が高く、好適である。また、芯部分に紫外線吸収剤を練り込んだものは、紫外線吸収性能こそやや劣るものの、紫外線吸収剤が繊維表面にブリードしにくいため、使用できる紫外線吸収剤の幅が広がるという利点を有する。
【0025】
このようにして得られた紫外線吸収剤含有繊維製品は、各種衛生用品の材料として用いることができる。なお、本発明において、上記「衛生用品」とは、プラスター剤やパップ剤等の貼付剤に限らず、絆創膏等の傷保護シート、これらを保護するガーゼ、包帯、重ね貼り用のシート、衛生テープ等を含む趣旨である。
【0026】
なお、本発明の衛生用繊維製品には、繊維重量に対し、紫外線吸収剤が0.05〜1.0重量%含有されていなければならない。すなわち、紫外線吸収剤が0.05重量%未満では、充分な紫外線遮断効果が得られず、逆に、1.0重量%を超えると、効果としてはそれ以上のものが得られず、紫外線吸収剤のコストが高くなるだけだからである。
【0027】
そして、上記紫外線吸収剤の含有により、繊維製品の紫外線吸収性能は、波長290〜400nmの紫外線の透過率が4%以下、波長290〜320nmの紫外線の透過率が2%以下、波長290nm以下の紫外線の透過率が1%以下となるよう設定されていなければならない。この範囲を満たすことにより、貼付剤に用いられる薬効成分が光安定性の低いものであっても、その効能を安定して保つことができる。また、粘着剤層における粘着剤が光によって経時的に劣化して粘着特性が低下することを防止することができる。なかでも、特に、波長290〜400nmの紫外線の透過率が1%以下、波長290〜320nmの紫外線の透過率が1%以下、波長290nm以下の紫外線の透過率が0.1%以下となるよう設定することが、効果の上で好適である。
【0028】
さらに、本発明の衛生用繊維製品は、通気度が、50cc/cm2 ・秒以上に設定されていなければならない。すなわち、通気度が50cc/cm2 ・秒未満では、肌に長時間接した状態にすると、肌がむれて悪影響を及ぼすおそれがあるからである。
【0029】
なお、ポリエステルやナイロン等の合成繊維を用いる場合、繊維に酸化チタン(TiO2 )を配合してその光沢を調整することが、一般に行われているが、本発明では、光沢あるブライト糸(通常、TiO2 0.1重量%未満)の他、セミダル糸(通常、TiO2 0.1 〜1重量%未満)、フルダル糸(通常、TiO2 1重量%以上)に、紫外線吸収剤を含有させてなる繊維製品を用いることができる。特に、酸化チタンの光反射効果と、紫外線吸収剤による紫外線吸収剤効果とが相俟って、優れた光遮断効果を得ることができる。
【0030】
ただし、上記酸化チタン等の添加物は、繊維製品を焼却した際に、灰分として残留することから、焼却処理上の負担を軽減するために、本発明では、焼却後の灰分が3重量%以下になるような組成の繊維製品にすることが好適である。
【0031】
例えば、本発明の衛生用繊維製品を基布とし、その片面に、鎮痛・消炎作用を有する薬効成分が含有された粘着剤層を形成することにより、貼付剤を得ることができる。この場合、衛生用繊維製品は、織・編地、不織布等の生地状の形態で用いられる。
【0032】
上記薬効成分としては、従来から経皮吸収薬として用いられているどのようなものであってもよく、例えば、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、1−メントール、トウガラシエキス、ノニル酸ワニリルアミド、ハッカ油、ジクロフェナク、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、スリンダク、トルメチン、ロベンザリット、ペニシラミン、フェンプフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン、プラノプロフェン、チアプロフェン、スプロフェン、フェルビナク、ケトロラク、オキサプロジン、エトドラク、ザルトプロフィン、ピロキシカム、ペンタゾシン、塩酸ブプレノルフィン、酒石酸ブトルファノール等およびそのエステル誘導体または塩等の非ステロイド系抗炎症薬があげられる。
【0033】
また、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、フルオシニド、フルオシノロンアセトニド、吉草酸酢酸プレドニゾロン、ジプロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸フルコルトロン、ジフルプレドナート、吉草酸ベタメタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸クロベタゾン、酪酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾン、コハク酸デキサメタゾン、プレドニゾロン21−(2E,6E)ファルネシート、吉草酸ヒドロコルチゾン、酢酸ジフロラゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、ジプロピオン酸デキサメタゾン、アムシノニド、吉草酸デキサメタゾン、ハルシノニド、ブテソニド、プロピオン酸アルクロメタゾン等のステロイド系抗炎症薬等があげられる。
【0034】
さらに、これらのエステル誘導体、アミド誘導体、アセタール誘導体、あるいは医学的に許容される無機塩、有機塩の形態でもって膏体に含有または付着させたものであってもよい。
【0035】
これらは、単独で用いても2種以上を併用してもよく、なかでも、光によって分解しやすいアミノ基やアミド基等を分子内に有しているものが、本発明の衛生用繊維製品の紫外線遮断特性によって、その分解が抑制されるため、好適である。なお、その使用量は、貼付剤の種類,用途等に応じて適宜に設定される。
【0036】
そして、貼付剤の粘着剤層に用いられる粘着剤も、従来から貼付剤に用いられているどのようなものであってもよいが、特に、光劣化しやすい不飽和二重結合を有しているものが、本発明の衛生用繊維製品の紫外線遮断特性によって、その劣化が抑制されるため、好適である。このような粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤等があげられる。
【0037】
また、本発明の衛生用繊維製品は、貼付剤以外に、絆創膏等の傷保護シート、これらを保護するガーゼ、包帯、重ね貼り用のシート、衛生テープ等に用いることができる。これらのうち、傷保護シートや重ね貼り用のシート、衛生テープ等に用いる場合は、貼付剤と同様、片面に粘着剤層が形成される。そして、ガーゼ、包帯等に用いる場合は、織・編地や不織布のまま用いられる。これらの用途に用いる場合、内側に、紫外線吸収剤が含有されていない通常の貼付剤をつけた状態で、本発明の包帯やガーゼを当てると、上記貼付剤の薬効成分が分解したり粘着剤層が劣化したりすることが抑制されるという効果を奏する。
【0038】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0039】
【実施例1】
ポリエステルのブライト仮撚糸(56デシテックス/36フィラメント、TiO2 0.03重量%含有)を用い、下記の編成条件で編み立てることにより、コース:40本/2.54cm、ウェール:38本/2.54cm、幅176cm、長さ176m、重量20.6kgの編地を得た。
【0040】
[編成条件]
編成の種類 :インターロック編み
編み機 :丸編機(釜径30×2.54cm、ゲージ28本/2.54cm)
【0041】
そして、得られた編地に対し、以下の組成の処理液を用いて精錬染色(130℃×60分)を行い、染色と紫外線吸収剤の付与を同時に行った。
【0042】
【0043】
そして、処理された編地に対し、仕上げ処理として、160℃×30秒でヒートセットを行い、コース:54本/2.54cm、ウェール:44本/2.54cm、幅74cm×2、長さ115m、重量20.0kgの編地を得た。
【0044】
【実施例2】
処理液中の紫外線吸収剤の配合量を、1.0%owfにした。それ以外は実施例1と同様にして、編地を得た。
【0045】
【実施例3】
糸として、ポリエステルのセミダル仮撚糸(56デシテックス/36フィラメント、TiO2 0.4重量%含有)を用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、編地を得た。
【0046】
【実施例4】
処理液中の紫外線吸収剤の配合量を、1.0%owfにした。それ以外は実施例3と同様にして、編地を得た。
【0047】
【実施例5】
糸として、ポリエステルのフルダル仮撚糸(56デシテックス/36フィラメント、TiO2 1.35重量%含有)を用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、編地を得た。
【0048】
【実施例6】
処理液中の紫外線吸収剤の配合量を、1.0%owfにした。それ以外は実施例5と同様にして、編地を得た。
【0049】
【実施例7】
芯が、TiO2 を0.03重量%含有するポリエステルからなり、鞘が、TiO2 を0.03重量%と、紫外線吸収剤である2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノールを繊維重量に対し0.167重量%含有するポリエステルからなる、図1に示す芯鞘型の複合繊維(芯部aと鞘部bの重量比a:b=2:1)を準備した。図において、1はTiO2 、2は紫外線吸収剤である。そして、この複合繊維から、ポリエステルのブライト仮撚糸(56デシテックス/36フィラメント、TiO2 0.03重量%含有)を得た。この糸を用いた以外は、実施例1と同様にして、編地を得た。
【0050】
【比較例1】
精錬染色時の処理液に、紫外線吸収剤を配合しなかった。それ以外は、上記実施例1と同様にして、編地を得た。
【0051】
【比較例2】
精錬染色時の処理液に、紫外線吸収剤を配合しなかった。それ以外は、上記実施例3と同様にして、編地を得た。
【0052】
【比較例3】
精錬染色時の処理液に、紫外線吸収剤を配合しなかった。それ以外は、上記実施例5と同様にして、編地を得た。
【0053】
【比較例4】
精錬染色時の処理液に、紫外線吸収剤を、0.03%owf配合した。それ以外は、上記実施例1と同様にして、編地を得た。
【0054】
【比較例5】
精錬染色時の処理液に、紫外線吸収剤を、1.5%owf配合した。それ以外は、上記実施例1と同様にして、編地を得た。
【0055】
これらの実施例品および比較例品について、分光光度計によって、波長290〜400nm、波長290〜320nm、波長290nm以下、の3種類の波長範囲における紫外線透過率を測定した。また、各編地の通気度を、JIS L1079−1976「化学繊維織物試験方法」の6.29の「通気度」の項目に記載された測定方法に準じて測定した。さらに、日本薬局方、生薬試験法の灰分測定法に従い、各編地を焼却処理して、その残差として残留した灰分の量を測定して、焼却前の全体重量に対する割合を算出した。
【0056】
また、これらの編地を貼付剤用の基布として、片面にアクリル系樹脂粘着剤とパップ剤用薬剤とを混合した粘着性組成物を、目付20g/m2 で塗布することにより、パップ剤を得た。そして、モニター10名の左手の手首近傍に貼付して外気にさらし、晴天の屋外で12時間過ごさせて、剥がれ具合を観察し、下記の3段階で、パップ剤の剥がれにくさを評価した。。
◎…10名のパップ剤とも剥がれ始めなかった。
○…剥がれ始めるものもあったが、完全に剥がれ落ちるものはなかった。
×…完全に剥がれ落ちるものがあった。
【0057】
これらの結果を、下記の表1〜表3に併せて示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【比較例6】
実施例1と同様の糸を用い、実施例1と同様の処理を行った。ただし、仕上げ密度が、コース:62本/2.54cm、ウェール:48本/2.54cm、幅72cm×2、長さ115m、重量25.0kgの編地とした。このものの通気度は、38cc/cm2 ・秒であり、通気性が悪いため、このものを基布として用いたパップ剤は、短時間で肌が蒸れて、使用感の悪いものであった。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、本発明の衛生用繊維製品は、繊維重量に対し所定割合で紫外線吸収剤が含有され、優れた紫外線吸収性能を備えているとともに、良好な通気度が確保されている。したがって、このものを用いた貼付剤等の衛生用品は、皮膚に貼着して経皮吸収させようとする薬効成分が、光安定性の低いものであっても、これを貼付して屋外で長時間日光に当てても上記薬効成分が分解されず、長時間有効に作用するという効果を奏する。また、貼付剤等に用いられる粘着剤も、光劣化することなく、その粘着性が損なわれないため、長時間剥がれることがないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における芯鞘型複合繊維の構成を示す説明図である。
Claims (6)
- 皮膚に貼着される貼付剤の基材や保護材等として用いられる繊維製品であって、繊維重量に対し紫外線吸収剤を0.05〜1.0重量%含有し、波長290〜400nmの紫外線の透過率が4%以下、波長290〜320nmの紫外線の透過率が2%以下、波長290nm以下の紫外線の透過率が1%以下に設定され、通気度が50cc/cm2 ・秒以上に設定されていることを特徴とする衛生用繊維製品。
- 上記紫外線吸収剤が、繊維に吸着保持された状態で含有されている請求項1記載の衛生用繊維製品。
- 上記紫外線吸収剤が、繊維内に練り込み保持された状態で含有されている請求項1記載の衛生用繊維製品。
- 上記請求項1〜3のいずれか一項の衛生用繊維製品を用いて構成されていることを特徴とする衛生用品。
- 上記衛生用繊維製品を基材として用い、その片面に経皮吸収用の薬効成分が含有された粘着剤層を形成してなる貼付剤である請求項4記載の衛生用品。
- 上記衛生用繊維製品を、貼付剤保護用のシートもしくは包帯として用いてなる請求項4記載の衛生用品。
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