JP2004148756A - 切替式連続運転用両面印刷機及びその運転方法 - Google Patents

切替式連続運転用両面印刷機及びその運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】切替式連続運転用両面印刷機及びその運転方法に関し、両面印刷ユニットを切替えて印刷内容の変更を行なう切替え印刷を印刷物の品質を落とさずに連続して効率的に行なえるようにする。
【解決手段】複数の印刷ユニットのうち少なくとも第1,第2の印刷ユニット11,12は、一方が使用されている際に他方は待機させる切替式連続運転用両面印刷機であって、各印刷ユニットでは紙パスラインを挟んで対向する一対のブランケット胴が、印刷時には紙パスラインに対して傾斜した状態でニップを形成し、非印刷時には紙パスラインからいずれも離隔し、一対のブランケット胴に対して紙パスラインの上流側及び下流側の少なくともいずれかに紙パスラインを部分的に変更する紙パス変更ガイドローラ30〜33が設けられ、各版胴及び各ブランケット胴が、各印刷ユニット毎に互いに独立して回転するように設けられた単独駆動モータ25,26によって駆動される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の両面印刷ユニットをそなえ、印刷を連続して行ないながら使用する両面印刷ユニットを切替えて印刷内容の変更を行なう、切替式連続運転用両面印刷機及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、輪転印刷機によって、例えば新聞折り込み広告等のチラシやダイレクトメールやカタログ等の両面印刷物を印刷する際に、印刷内容の一部(例えば文字スポットの店名、日付、価格等の一部の箇所)を変更して、複数通りの両面印刷物を印刷する場合には、通常の印刷部分はそのままの状態とし、変更箇所のみを切替える方法が採られている。
【0003】
この切替え印刷を行なう場合に、輪転印刷機を停止させずに、変更部分の版を差し替えて両面印刷を行なう技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
図6は、かかる従来の技術を説明する印刷機の要部構成図である。この技術は、従来の駆動伝達機構を備えたラインシャフト型輪転印刷機に、連続印刷を行ないながら一部の版の差し替えを行なえる構成を付加したものであり、図6では、図の簡略化のため、印刷機にそなえられた複数の印刷ユニットのうち、印刷部分の変更にかかる切替え部分の印刷ユニットのみを示し、他の版の変更をしていない印刷ユニットについては省略している。
【0004】
図6に示すように、従来のラインシャフト型輪転印刷機は、複数の印刷ユニット11,12をそなえ、これらの印刷ユニット11,12を貫通するように、紙パスライン(以下、単に紙パスという)が設けられており、ウェブ状の紙4はこの紙パス上をブロック矢印17に示す方向に進む。
また、印刷ユニット11,12の内部には、それぞれ印刷用の刷版をそなえた版胴11A,12Aと、この版胴11A,12Aからインキを転写されて紙パス上の紙4に印刷を行なうブランケットをそなえたブランケット胴11B,12Bとが設けられている。各印刷ユニット11,12は、並設された図示しない印刷ユニットとともに、ラインシャフト3に接続されている。
【0005】
また、このラインシャフト3は、駆動力伝達部2を介して、メインモータ1によって回転駆動される。このラインシャフト3の回転は、ワインポイントクラッチ9,10を介して駆動入力ギア13,14に伝達され、印刷ユニット11,12を回転駆動するように構成されている。
このワンポイントクラッチ9,10は、1相対回転につき1ヶ所の接続ポイントがあり、接続される回転部どうしを所定の位相状態で接続するようになっている。このワンポイントクラッチ9,10の断接によって、駆動入力ギア13,14への駆動力伝達をそれぞれオン(駆動力伝達)、オフ(駆動力遮断)できる構成になっている。
【0006】
なお、図6において、駆動入力ギア13,14は、簡易的にブランケット胴11B,12Bに接続しているように示しているが、実際は、歯車やシャフト等で構成されており、ブランケット胴11B,12Bの回転軸に接続されている。
また、印刷ユニット11,12にはそれぞれ個別に加速モータ5,6が備えられており、駆動力伝達のオン、オフを切替えるためのワンポイントクラッチ等の駆動力切替装置7,8を介して駆動入力ギア13,14に接続されている。
【0007】
これらの構造により、2つの切替用の印刷ユニット11,12のどちらか一方(ここでは印刷ユニット11とする)に、これらから印刷に使用するための差替え用の刷版(例えば店名版等)を取り付け、図示しない通常の印刷部分と合わせて紙4に印刷を行なう。このとき、ワインポイントクラッチ9はオン状態で、ワンポイントクラッチ10はオフ状態になっており、駆動力切替装置7,8はともにオフ状態になっている。
【0008】
また、ブランケット胴11Bはニップ状態(印刷状態)で紙4を挟んで印刷を行なっており、ブランケット胴12Bはニップ開放状態で紙4には接触しないようになっている。
印刷ユニット11と印刷ユニット12とを切替えて、印刷ユニット12で印刷を行なう場合は、印刷ユニット12に印刷ユニット11の版とは別の店名等の版を取り付け、加速モータ6を駆動し、駆動力切替装置8をオン状態にして、ブランケット胴12B及び版胴12Aを回転駆動する。
【0009】
そして、ブランケット胴12B及び版胴12Aの回転を、ラインシャフト3の回転とほぼ同期回転するように回転制御し、ほぼ同期回転になったら、ワンポイントクラッチ10をオン状態にする。ワンポイントクラッチ10がオン状態になったら、駆動力切替装置8をオフにして、加速モータ6を減速停止させるとともに、ブランケット胴12Bをニップ状態(印刷状態)にして、印刷ユニット12によって紙4に印刷を行なう。
【0010】
この時、印刷ユニット11は印刷ユニット12がラインシャフト3とほぼ同期回転になるまでは印刷を行ない、ほぼ同期回転となって、ワンポイントクラッチ10がオンになるとブランケット胴11Bのニップを開放する。そして、ワンポイントクラッチ9をオフにし、ブランケット胴11Bを減速停止させる。
また、図6に示す従来のラインシャフト型輪転印刷機において、印刷ユニット11,12は、紙パス変更ガイドローラによって、2通りの紙4の通し方が可能な構成になっている。図6中には、印刷ユニット11に関する紙パス変更ガイドローラ15,16についてのみ示すが、印刷ユニット12についても印刷ユニット11と同様に、紙パス変更ガイドローラが両側に設置されている。紙4の一方の通し方は、ブランケット胴11B,11Bのニップ部の傾斜に応じて、傾斜させて通す傾斜通し(図6中の実線)であり、この傾斜通しにすることにより、印刷ユニット11を使用しないニップ開放時に、紙4がブランケット胴11B,11Bに対して確実に離隔するようにしている。紙4の他方の通し方は、紙4を縦断面で見てストレートに通すストレート通し(図6中の二点鎖線)であり、このストレート通しとすることにより、紙4のブランケット胴11B,11Bに対する接触面積を大きく獲得して印刷品質を向上できるようにしている。
【0011】
以上のような構成により、図6に示す従来のラインシャフト型輪転印刷機は、連続的に切替え印刷を行なうことができる。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−320714号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のラインシャフト型輪転印刷機では、ラインシャフト3の回転を、駆動入力ギア13,14を介してブランケット胴11B,12Bに伝達するため、駆動入力ギア13,14への駆動力伝達のオン(駆動力伝達)、オフ(駆動力遮断)を切替えるワンポイントクラッチ9,10を用いている。このワンポイントクラッチ9,10を連結する(オン状態にする)時には、接続ポイントが連結する(クラッチが噛合う)際に振動が発生してしまい、この振動がラインシャフト3から印刷中の印刷ユニットに伝達して、印刷障害が発生してしまう恐れがある。
【0014】
このように振動が発生してしまうのは、あらかじめ加速モータ5,6によって、ブランケット胴11B,12Bをラインシャフト3の回転数と若干の速度差(位相差)で回転させ、この速度差(位相差)を利用してワンポイントクラッチ9,10の結合部を連結させるためである。
また、従来のラインシャフト型輪転印刷機では、ワンポイントクラッチ9,10を用いているため、上述した通り、ワンポイントクラッチ9,10を連結する(オン状態にする)ために、あらかじめブランケット胴11B,12Bをラインシャフト3の回転数とほぼ同期回転で回転させなければならず、回転速度を調整するために時間が掛かってしまう。これに加えて、この回転を保持しながらワンポイントクラッチ9,10が連結する(クラッチが噛合う)連結箇所が出会うまでに、相当の時間が掛かってしまう場合がある。
【0015】
さらに、駆動力切替装置7,8がワンポイントクラッチで構成されている場合は、加速モータ5,6によってブランケット胴11B,12Bを回転させる際にも、上述のワンポイントクラッチ9,10と同様に、ワンポイントクラッチが連結するときの振動がブランケット胴11B,12Bに伝わり、印刷障害が発生する恐れがあり、ワンポイントクラッチが連結するまでに時間が掛かってしまう。
【0016】
そのため、従来のラインシャフト型輪転印刷機では、印刷ユニット11と印刷ユニット12とを切替えるために時間が多く掛かってしまい、印刷ユニットを切替える回数が制限されてしまうという課題がある。言い換えると、印刷ユニットを切替えるために時間が掛かるため、少量の切替え印刷物を複数通り印刷する場合には、対応できないという課題がある。
【0017】
また、ワンポイントクラッチは耐久性が低く、消耗品であるため、維持管理にコストが掛かってしまう。ラインシャフト型輪転印刷機にはその他にもラインシャフトや歯車等と、部品点数が多く維持管理コストが大きくなってしまうという課題もある。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、両面印刷ユニットを切替えて印刷内容の変更を行なう切替え印刷を印刷物の品質を落とさずに連続して効率的に行なえるようにした、切替式連続運転用両面印刷機及びその運転方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明の切替式連続運転用両面印刷機は、紙パスラインの両側に、印刷用刷版をそなえた版胴と、該刷版からインキを転写されるブランケットをそなえ該ブランケットにより該紙パスラインを走行するウェブ状の紙に印刷を行なうブランケット胴とを、それぞれ対をなして有する印刷ユニットを複数そなえ、該複数の印刷ユニットのうち少なくとも第1の印刷ユニットと第2の印刷ユニットとの2つは、一方が使用されている際に他方は待機するようにして、印刷を連続して行ないながら該第1の印刷ユニットと該第2の印刷ユニットとの使用を切替えて印刷内容を変更可能とした切替式連続運転用両面印刷機であって、少なくとも第1及び第2の各印刷ユニットでは、該紙パスラインを挟んで対向する上記一対のブランケット胴が、印刷時には該紙パスラインに対して傾斜した状態でニップを形成し、非印刷時には上記の傾斜状態を保ちつつ該紙パスラインからいずれも離隔するように構成され、上記一対のブランケット胴に対して該紙パスラインの上流側及び下流側の少なくともいずれかに、該紙パスラインを部分的に変更する紙パス変更ガイドローラが設けられるとともに、上記の各版胴及び各ブランケット胴が、各印刷ユニット毎に互いに独立して回転するように設けられた単独駆動モータによって駆動されるように構成されていることを特徴としている。
【0019】
また、請求項2記載の本発明の切替式連続運転用両面印刷機は、請求項1記載のものにおいて、該紙パス変更ガイドローラは、該印刷ユニットが印刷停止中のときには、該紙パスラインが該一対のブランケット胴の離隔部において該一対のブランケット胴それぞれの中心線を結ぶ平面に略直交するように制御することを特徴としている。
【0020】
また、請求項3記載の本発明の切替式連続運転用両面印刷機は、請求項1記載のものにおいて、該紙パス変更ガイドローラは、該印刷ユニットが印刷中のときには、該紙パスラインが該一対のブランケット胴のニップ部において所定の該紙パスラインとなるように制御することを特徴としている。
また、請求項4記載の本発明の切替式連続運転用両面印刷機は、請求項2又は3に記載のものにおいて、該紙パス変更ガイドローラは、該印刷ユニットの該紙パスライン移動方向の上下流側にそれぞれ設けられていることを特徴としている。
【0021】
また、請求項5記載の本発明の切替式連続運転用両面印刷機は、請求項1記載のものにおいて、該第1の印刷ユニットと該第2の印刷ユニットとが隣接して配置され、該第1の印刷ユニットと該第2の印刷ユニットとの間に該第1の印刷ユニットの該紙パス変更ガイドローラと該第2の印刷ユニットの該紙パス変更ガイドローラとが設けられ、該第1の印刷ユニットの該紙パス変更ガイドローラと該第2の印刷ユニットの該紙パス変更ガイドローラとが一体に移動して該紙パスラインを制御することを特徴としている。
【0022】
また、請求項6記載の本発明の切替式連続運転用両面印刷機は、請求項5記載のものにおいて、該第1の印刷ユニットと該第2の印刷ユニットとを同時に使用して印刷するときには、該第1の印刷ユニットの該紙パス変更ガイドローラと該第2の印刷ユニットの該紙パス変更ガイドローラとを一体に移動させ該紙パスラインを該第1の印刷ユニットと第2の印刷ユニットとに渡って略直線になるように制御することを特徴としている。
【0023】
また、請求項7記載の本発明の切替式連続運転用両面印刷機の運転方法は、請求項1記載の切替式連続運転用両面印刷機の運転方法であって、第1,第2の印刷ユニットのうち一方の印刷ユニットが印刷中の間に印刷停止中の他方の印刷ユニットの刷版を交換する刷版準備工程と、その後、該単独駆動モータによって印刷中の該一方の印刷ユニットと同期回転するように該他方の印刷ユニットを始動させる加速工程と、該他方の印刷ユニットが該一方の印刷ユニットと同期回転するようになったら、該一方の印刷ユニットは印刷を停止して印刷停止準備を行って該単独駆動モータを減速停止させて該一方の印刷ユニットを完全に停止させるとともに、該他方の印刷ユニットは印刷開始準備を行ない、印刷を開始する、印刷ユニットの切替え工程とを有することを特徴としている。
【0024】
また、請求項8記載の本発明の切替式連続運転用両面印刷機の運転方法は、請求項7記載のものにおいて、該刷版準備工程と該加速工程との間に、該他方の印刷ユニットの始動タイミングを算出する同期回転開始計算工程を有することを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
図1〜図4は本発明の第1実施形態としての切替式連続運転用両面印刷機及びその運転方法を示すもので、図1は切替式連続運転用両面印刷機の要部概要図、図2は切替式連続運転用両面印刷機の印刷ユニット要部の概要図、図3(a)〜(d)は切替式連続運転用両面印刷機と従来のラインシャフト型輪転印刷機の切替え印刷の運転方法を示すタイムチャート、図4(a)〜(d)は切替式連続運転用両面印刷機の使用状態別の概要図である。
【0026】
図1に示すように、本実施の切替式連続運転用両面印刷機は、複数の印刷ユニットを有しており、ここでは図の簡略化のため、印刷機にそなえられた複数の印刷ユニットのうち、運転を連続しながら印刷部分の変更を行なう際のユニット切替えにかかる印刷ユニット21,22のみを示し、他のユニット切替えをしない印刷ユニットについては省略している。
【0027】
これらの印刷ユニット21,22を貫通するように、紙パスが設けられており、紙4はこの紙パス上をブロック矢印27に示す方向に進む。また、印刷ユニット21,22の内部には、それぞれ印刷用の刷版をそなえた版胴21A,22Aと、この版胴21A,22Aからインキを転写されて紙パス上の紙4に印刷を行なうブランケットをそなえたブランケット胴21B,22Bとが設けられている。
【0028】
各印刷ユニット21,22には、それぞれを単独で駆動するための単独駆動モータ25,26が駆動入力ギア23,24を介して接続されている。
図1では、駆動入力ギア23,24について、簡易的にブランケット胴21B,22Bに接続しているように示しているが、実際はこれら駆動入力ギア23,24は、歯車やシャフト等で構成されており、ブランケット胴21B,22Bの回転軸に接続されている。
【0029】
単独駆動モータ25,26の回転は、この駆動入力ギア23,24を介して印刷ユニット21,22に伝達され、印刷ユニット21,22を回転駆動するようになっている。なお、印刷ユニット21,22は、この単独駆動モータ25,26の駆動のみで回転駆動される構成となっている。
また、各印刷ユニット21,22の紙パス上下流側には、紙パスを変更させるための紙パス変更ガイドローラ30〜33が配設されており、印刷ユニット21の紙パス上下流側には紙パス変更ガイドローラ30,31が、印刷ユニット22の紙パス上下流側には紙パス変更ガイドローラ32,33が配設されている。
【0030】
これらの紙パス変更ガイドローラ30〜33は、紙パスに対して振逃げ式に着脱可能な構成となっており、この脱着構造により、印刷ユニット21,22の印刷状態に対応して、紙パスを変更するように構成されている。
図2に、この印刷状態による紙パス変更ガイドローラと紙パスの状態を示す。図2では、印刷ユニット21のブランケット胴21Bと、紙パス変更ガイドローラ30,31及び紙パスとを、印刷中の状態(図2中実線)と印刷停止中の状態(図2中二点鎖線)とに区別して示している。
【0031】
印刷ユニット21が印刷中(図2中実線)の状態では、一対のブランケット胴21Bはニップ状態でウェブ状の紙4を挟んで印刷を行なっている。このとき、紙パス変更ガイドローラ30,31はともに脱状態となり、紙パスが略直線となるような所定の紙パスで、紙4を一対のブランケット胴21Bのニップ部に通すようになっている。
【0032】
なお、ブランケット胴21Bが紙パスに対して傾斜して配設されているために、紙4はやや屈折してニップ部を貫通するようになっている。これによって、紙4の各ブランケット胴11Bに対する接触面積を大きく獲得して、紙4の滑りを防止する効果が得られる。
次に、印刷ユニット21が印刷停止中(図2中二点鎖線)の状態では、一対のブランケット胴21Bの中心線は、それぞれニップ状態での中心点O,OからO´,O´へ移動して、一対のブランケット胴21Bはニップ開放状態となる。
【0033】
このとき、紙4が上記印刷中(図2中実線)と同様の状態のままであると、一対のブランケット胴21Bがニップ開放状態となっても、紙4が各ブランケット胴21Bに接触してしまう。そのため、紙パス変更ガイドローラ30,31はともに着状態となり、紙パスが一対のブランケット胴21Bの中心線O´,O´を結ぶ平面に略直交するようにしている。これによって、紙4が各ブランケット胴21Bに対して確実に離隔し、接触しないようになっている。
【0034】
なお、図2には印刷ユニット21のブランケット胴21Bと紙パス変更ガイドローラ30,31を示したが、印刷ユニット22のブランケット胴22Bと紙パス変更ガイドローラ32,33もこれと同様である。
なお、図1においては、印刷ユニット21は印刷中、印刷ユニット22は印刷停止中であり、紙パス変更ガイドローラ30〜33は図2に示すように、印刷状態に対応して制御され、紙4の紙パスは所定の紙パスとされている。
以上の構造により、本発明の切替式連続運転用両面印刷機は切替え印刷を行なうことができる。
【0035】
次に、図1に示す印刷ユニット21,22の切替え印刷の運転方法について、図1と図3(a)〜(d)を用いて以下に説明する。
なお、図3(a)〜(d)は切替え印刷の運転をタイムチャートで示したものであり、図3(a)〜(d)において、横軸は時間を、縦軸は印刷ユニットの回転数を表している。また、図3(a)は本実施の形態の切替式連続運転用両面印刷機の印刷ユニット21を、図3(b)は本実施の形態の切替式連続運転用両面印刷機の印刷ユニット22を、図3(c)は図6に示す従来のラインシャフト型輪転印刷機の印刷ユニット11を、図3(d)は図6に示す従来のラインシャフト型輪転印刷機の印刷ユニット12を示している。
【0036】
本実施形態の切替式連続運転用両面印刷機は、2つの印刷ユニット21,22のどちらか一方(ここでは印刷ユニット21とする)に、これらから印刷に使用するための差替え用の刷版を取り付け、図1に図示しない通常の印刷部分と合わせて紙4に印刷を行なう。このとき、印刷中の印刷ユニット21は単独駆動モータ25によって回転駆動されている。また、ブランケット胴21Bはニップ状態で紙4を挟んで印刷を行なっている。
【0037】
これに対して、他方の印刷ユニット22は停止しており、単独駆動モータ26も停止している。また、一対のブランケット胴22Bはニップ開放状態で紙4に接触しないようになっている。
ここで、印刷ユニット21と印刷ユニット22との印刷の切替えを行なう場合には、まず、印刷ユニット22において印刷ユニット21に取り付けられた刷版とは異なる別の刷版を取り付ける刷版準備工程を行なう。この刷版準備工程は図3(a),(b)の▲1▼の状態に該当する。
【0038】
そして、始動タイミング算出工程を実施する(図3(a),(b)中▲2▼)。この工程では、始動してから印刷ユニット22が印刷ユニット21と回転同期するまでの加速中に、印刷ユニット21で何部印刷するかを算出し、印刷ユニット21により印刷すべき部数と、印刷ユニット21により既に印刷された部数とから、残りの印刷すべき部数を監視する。残りの印刷部数が加速時の印刷部数に達した時点で印刷ユニット22を始動させる。
【0039】
次に、印刷ユニット22を単独駆動モータ26によって回転駆動し、印刷ユニット22の回転が現在印刷中の印刷ユニット21と同期回転するように加速し、印刷ユニット22が印刷ユニット21と同期回転するようになったら、印刷ユニット21の印刷(正紙)を停止する加速工程を行なう。これは、図3(a),(b)の▲3▼の状態に該当する。これにより、印刷ユニット21による目標部数の印刷が完了することになる。
【0040】
そして、印刷ユニット21では印刷ユニット切替え工程に入る。つまり、図1に図示していない、インキを版胴21Aに供給する装置を版胴21Aから脱離させ、湿し水を版胴21Aに供給する装置を版胴21Aから脱離する。次に、ブランケット胴21Bがニップ開放状態になるように、版胴21A及びブランケット胴21Bを移動させ、単独駆動モータ25を減速停止させて、印刷ユニット21の回転を徐々に停止させる。なお、一対のブランケット胴21Bがニップ開放状態になったら、紙パス変更ガイドローラ30,31を移動して上記の図2に示した印刷停止中の状態の紙パスに紙4を変更させる。
【0041】
また、この印刷ユニット21の印刷停止準備と同時に、印刷ユニット22は印刷開始準備に入る。つまり、図1に図示していない、湿し水を版胴22Aに供給する装置を版胴22Aに装着し、インキを版胴22Aに供給する装置を版胴22Aに装着させる。
次に、ブランケット胴22Bがニップ状態になるように、版胴22A及びブランケット胴22Bを移動させ、紙パス変更ガイドローラ32,33を移動して上記の図2に示した印刷中の状態の紙パスに紙4を変更させる。そして、見当濃度安定として印刷濃度調整及びピント調整を行なう(図3(a),(b)中▲4▼)。
【0042】
印刷ユニット22の印刷開始準備が完了したら、印刷ユニット22は印刷を行なう。また、印刷ユニット21の印刷停止準備が完了し、印刷ユニット21が完全に停止したら、印刷ユニット21の刷版を次の切替え用の刷版に交換する刷版準備工程を行なう(図3(a),(b)中▲5▼)。
そして、印刷ユニット21から印刷ユニット22への切替え印刷(図3(a),(b)中▲2▼〜▲5▼の方法)と同様の方法で、印刷ユニット22からと印刷ユニット21へと印刷が切替えられる(図3(a),(b)中▲6▼〜▲9▼)。これらの切替え印刷は必要に応じて適宜行なわれる。
【0043】
ここで、図3において、本実施の切替式連続運転用両面印刷機の切替え印刷の運転方法(a),(b)と、従来のラインシャフト型輪転印刷機の切替え印刷の運転方法(c),(d)とを比較する。
上述のとおり、本実施形態の切替式連続運転用両面印刷機では、印刷ユニット21,22にそれぞれを単独で駆動させる単独駆動モータ25,26が設けられているため、印刷ユニット21,22はこれら単独駆動モータ25,26によって直接回転駆動される。
【0044】
そのため、従来のラインシャフト型輪転印刷機において、印刷ユニット11,12を回転駆動するために行なうワンポイントクラッチの結合のための時間(図3(c),(d)中▲3▼´,▲7▼´)を省くことができる。
これにより、本実施形態の切替式連続運転用両面印刷機の運転方法では、印刷ユニットの切替え時間を短縮することができるため、少ない印刷部数のものを複数通り印刷するような場合でも対応することができ、効率的に切替え印刷を行なうことができるようになる。
【0045】
次に、図4(a)〜(d)に印刷ユニット21,22の印刷状態による紙パス変更ガイドローラ30〜33の着脱状態を示す。なお、図の簡略化のため、図4(a)〜(d)には図1で示した駆動入力ギア23,24及び、単独駆動モータ25,26は示していない。
図4(a)に示すように、印刷ユニット21が印刷中、印刷ユニット22が印刷停止中であるときは、印刷ユニット21の一対のブランケット胴21Bはニップ状態で紙4を挟んで、図示していない単独駆動モータ25(図1参照)及び駆動入力ギア23(図1参照)によって、矢印46,47の示す方向に回転されながら紙4に印刷している。また、印刷ユニット22の一対のブランケット胴22Bはニップ開放状態で、回転駆動はされていない。
【0046】
このとき、紙パス変更ガイドローラ30,31は脱状態で紙パスを設定し、紙パス変更ガイドローラ32は下側に、紙パス変更ガイドローラ33は上側にそれぞれ着状態で紙パスを設定している。
そのため、印刷中の一対のブランケット胴21Bのニップ部には、紙パス変更ガイドローラ30,31によって、略直線となるような所定の紙パスで紙4が通るよう支持されており、一対のブランケット胴21Bに接触して、紙4の滑りを防止しながら紙4に印刷するようになっている。
【0047】
また、印刷停止中の一対のブランケット胴22Bのニップ開放部には、一対のブランケット胴22Bの中心線を結ぶ平面に略直交するように、紙パスが設定されており、紙4は一対のブランケット胴22には接触しないようになっている。次に図4(b)に示すように、印刷ユニット21が印刷停止準備中、印刷ユニット22が印刷開始準備中であるときは、印刷ユニット21,22によって印刷はされておらず、印刷ユニット21,22それぞれの一対のブランケット胴21B,22Bはともに、ニップ状態で紙4を挟んでいる。
【0048】
ただし、印刷ユニット21は図示していない単独駆動モータ25(図1参照)によって、矢印46,47に示す方向に減速されながら回転されており、一方の印刷ユニット22は図示しない単独駆動モータ26(図1参照)によって、矢印48,49に示す方向に回転されている。
このとき、紙パス変更ガイドローラ30,31は脱状態のままであるが、二点鎖線で示すように、紙パス変更ガイドローラ30は下側に、紙パス変更ガイドローラ31は上側にそれぞれ脱状態から着状態へと切替えられる。
【0049】
また、紙パス変更ガイドローラ32、33は着状態のままであるが、二点鎖線で示すように、紙パス変更ガイドローラ32は上側に、紙パス変更ガイドローラ33は下側にそれぞれ着状態から脱状態へと切替えられる。そのため、図4(b)の二点鎖線で示すような紙パスで紙4を変更する。
そして図4(c)に示すように、印刷ユニット21が印刷停止中、印刷ユニット22が印刷中の状態となるときは、上述の図4(a)の状態とは逆に、印刷ユニット21の一対のブランケット胴21Bはニップ開放状態で、回転駆動はされておらず、印刷ユニット22の一対のブランケット胴22Bはニップ状態で紙4を挟んで、図示していない単独駆動モータ26(図1参照)及び駆動入力ギア24(図1参照)によって、矢印48,49の示す方向に回転されながら紙4に印刷している。
【0050】
このとき、紙パス変更ガイドローラ30は下側に、紙パス変更ガイドローラ31は上側にそれぞれ着状態で紙パスを設定し、紙パス変更ガイドローラ32,33は脱状態で紙パスを設定している。
そのため、印刷停止中の一対のブランケット胴21Bのニップ開放部には、一対のブランケット胴21Bのそれぞれの中心線を結ぶ平面に略直交するように、紙パスが設定されており、紙4は一対のブランケット胴21Bには接触しないようになっている。
【0051】
また、印刷中の一対のブランケット胴22Bのニップ部には、紙パス変更ガイドローラ32,33によって、略直線となるような所定の紙パスで紙4が通るように支持されており、一対のブランケット胴22Bに接触して、紙4の滑りを防止しながら紙4に印刷するようになっている。
そして図4(d)に示すように、再度印刷ユニット21,22が切替えられ、印刷ユニット21が印刷開始準備中、印刷ユニット22が印刷停止準備中となるときは、印刷ユニット21,22によって印刷はされておらず、印刷ユニット21,22ともに、それぞれの一対のブランケット胴21B,22Bはニップ状態で紙4を挟んでいる。
【0052】
ただし、印刷ユニット21は図示していない単独駆動モータ25(図1参照)によって、矢印46,47に示す方向に回転されており、一方の印刷ユニット22は図示していない単独駆動モータ26(図1参照)によって、矢印48,49に示す方向に減速されながら回転されている。
このとき、上述の図4(b)の状態とは逆に、紙パス変更ガイドローラ30,31は着状態のままであるが、二点鎖線で示すように紙パス変更ガイドローラ30は上側に、紙パス変更ガイドローラ31は下側にそれぞれ着状態から脱状態へと切替えられる。
【0053】
また、紙パス変更ガイドローラ32,33は脱状態のままであるが、二点鎖線で示すように、紙パス変更ガイドローラ32は下側に、紙パス変更ガイドローラ33は上側にそれぞれ脱状態から着状態へと切替えられる。そのため、図4(d)の二点鎖線で示すような紙パスで紙4を変更する。
このように、紙パス変更ガイドローラ30〜33は、印刷ユニット21,22の印刷状態に応じて着脱するようになっており、印刷ユニットが印刷中には紙4を略直線となるような所定の紙パスで一対のブランケット胴のニップ部に通すようにし、印刷ユニットが印刷停止中には、紙4が各ブランケット胴に接触しないように紙パスを一対のブランケット胴の中心点を結ぶ平面に略直交するように設定して、ニップ開放部に通すようにしている。
【0054】
本発明の第1実施形態としての切替式連続運転用両面印刷機は上述のように構成され、また、本発明の切替式連続運転用両面印刷機は上述の運転方法で切替え印刷を行なうので、印刷障害による損紙を発生させることなく、効率的に切替え印刷を行なうことができる。
つまり、印刷ユニット21,22は連結時に振動を発生するワンポイントクラッチや、その振動を印刷ユニット21,22に伝達する連結シャフト等を有しておらず、単独駆動モータ25,26によって単独で駆動され、そのまま印刷状態に入ることができる。そのため、振動による印刷障害を起こして、損紙を発生する恐れも無く、円滑に切替え印刷を行なうことができる。
また、単独駆動モータによって、印刷中の印刷ユニットと同期回転され、そのまま印刷状態に入るため、ワインポイントクラッチを用いた場合に必要な、クラッチ連結までの時間が短縮される。そのため、印刷切替時に、余裕をもって準備を行なうことができ、また、印刷切替を頻繁に行ないながら、少量の印刷部数のものを複数通り印刷するような場合にも有利になり、効率的に切替え印刷を行なうことができるようになる。
【0055】
また、本発明の切替式連続運転用両面印刷機では、消耗品であるワンポイントクラッチや、複数の印刷ユニットを連結して駆動するためのシャフトや歯車等が不要であるため、部品点数が少なくなり、維持管理コストの低減を図ることができる。
【0056】
[第2実施形態]
次に、図5(a)〜(d)を参照して、本発明の第2実施形態としての切替式連続運転用両面印刷機を説明する。なお、図5(a)〜(d)は切替式連続運転用両面印刷機の使用状態別の概要図である。
本発明の第2実施形態は、上述の第1実施形態とは紙パス変更ガイドローラの構成、脱着方法のみが異なるものであるため、かかる切替式連続運転用両面印刷機の構成については説明を省略し、その変更部分について以下に詳述する。
なお、図5(a)〜(d)において、図4(a)〜(d)と同符号のものは同様のものを示す。
【0057】
本実施形態では、図4(a)〜(d)の紙パス変更ガイドローラ30,33に該当する位置に軸位置が固定された固定ガイドローラ34,37が配設され、紙パス変更ガイドローラ31,32に該当する位置には一体に移動する紙パス変更移動ガイドローラ35,36が配設されている。つまり、紙パス変更移動ガイドローラ35,36は、共通の支持体(図示略)に軸支され、この支持体が移動することにより、紙パス変更移動ガイドローラ35,36が一体に移動するようになっている。
【0058】
図5(a)〜(d)は印刷ユニット21,22の印刷状態による紙パス変更ガイドローラ30〜33の着脱状態を示しており、図の簡略化のため、図5(a)〜(d)には、図1で示した駆動入力ギア23,24及び、単独駆動モータ25,26は示していない。
図5(a)に示すように、印刷ユニット21が印刷中、印刷ユニット22が印刷停止中であるときは、印刷ユニット21の一対のブランケット胴21Bはニップ状態で紙4を挟んで、図示しない単独駆動モータ25(図1参照)及び駆動入力ギア23(図1参照)によって駆動され、矢印46,47に示す方向に回転しながら紙4に印刷を行なう。また、印刷ユニット22の一対のブランケット胴22Bはニップ開放状態で、回転駆動はされていない。
【0059】
このとき、固定ガイドローラ34,37に対して、紙パス変更移動ガイドローラ36は着状態、紙パス変更移動ガイドローラ35は脱状態となっている。そのため、印刷停止中の一対のブランケット胴22Bのニップ開放部には、一対のブランケット胴22Bの中心線を結ぶ平面に略直交するように紙パスが設定されることになり、紙4は一対のブランケット胴22には接触しないようになる。
【0060】
また、印刷中の一対のブランケット胴21Bのニップ部ではやや屈折した紙パスが形成されることになり、ブランケット胴21Bに接触して紙4に支障なく印刷できるようになっている。なお、紙4が屈折して一対のブランケット胴21Bを通ることによって、ブランケット胴21Bと紙パス4との滑りが防止される効果がある。
【0061】
次に図5(b)に示すように、印刷ユニット21が印刷停止準備中、印刷ユニット22が印刷開始準備中であるときは、印刷ユニット21,22によって印刷はされておらず、印刷ユニット21,22それぞれの一対のブランケット胴21B,22Bはともに、ニップ状態で紙4を挟んでいる。
ただし、印刷ユニット21は図示していない単独駆動モータ25(図1参照)によって、矢印46,47に示す方向に減速されながら回転されており、一方の印刷ユニット22は図示しない単独駆動モータ26(図1参照)によって、矢印48,49に示す方向に回転されている。
【0062】
このとき、固定ガイドローラ34,37に対して、紙パス変更移動ガイドローラ35は矢印42で示すように、脱状態から着状態へと切替えられ、紙パス変更移動ガイドローラ36は矢印43で示すように、着状態から脱状態へと切替えられる。そのため、二点鎖線で示すような状態へ紙パスで紙4を変更する。
そして図5(c)に示すように、印刷ユニット21が印刷停止中、印刷ユニット22が印刷中の状態となるときは、上述の図5(a)の状態とは逆に、印刷ユニット21の一対のブランケット胴21Bはニップ開放状態で、回転駆動はされておらず、印刷ユニット22の一対のブランケット胴22Bはニップ状態で紙4を挟んで、図示していない単独駆動モータ26(図1参照)及び駆動入力ギア24(図1参照)によって、矢印48,49の示す方向に回転されながら紙4に印刷している。
【0063】
このとき、固定ガイドローラ34,37に対して、紙パス変更移動ガイドローラ35は着状態、紙パス変更移動ガイドローラ36は脱状態となっている。そのため、印刷停止中の一対のブランケット胴21Bのニップ開放部には、一対のブランケット胴21Bの中心線を結ぶ平面に略直交するように紙パスが通ることになり、紙4は一対のブランケット胴21Bには接触しないようになっている。
【0064】
また、印刷中の一対のブランケット胴22Bのニップ部ではやや屈折した紙パスを紙4が通ることになり、一対のブランケット胴22Bに接触して、滑りを防止しながら紙4に印刷するようになっている。
そして図5(d)に示すように、再度印刷ユニット21,22が切替えられ、印刷ユニット21が印刷開始準備中、印刷ユニット22が印刷停止準備中となるときは、印刷ユニット21,22によって印刷はされておらず、印刷ユニット21,22それぞれの一対のブランケット胴21B,22Bはともに、ニップ状態で紙4を挟んでいる。
【0065】
ただし、印刷ユニット21は図示していない単独駆動モータ25(図1参照)によって、矢印46,47に示す方向に回転されており、一方の印刷ユニット22は図示しない単独駆動モータ26(図1参照)によって、矢印48,49に示す方向に減速されながら回転されている。
このとき、固定ガイドローラ34,37に対して、上述の図5(b)の状態とは逆に、紙パス変更移動ガイドローラ35は矢印44で示すように、着状態から脱状態へと切替えられ、紙パス変更移動ガイドローラ36は矢印45で示すように、脱状態から着状態へと切替えられる。そのため、二点鎖線で示すような状態へ紙パスへ紙4を変更する。
【0066】
このように、本実施の形態では、固定ガイドローラ34,37は、印刷ユニット21,22の印刷状態に関係なく固定されたままであり、紙パス変更移動ガイドローラ35,36は、印刷ユニット21,22の印刷状態に応じて着脱するようになっている。これによって、印刷ユニットが印刷中には紙4を屈折して一対のブランケット胴のニップ部に通すようにし、印刷ユニットが印刷停止中には、紙4を一対のブランケット胴に接触しないように、ニップ開放部に通すようにしている。
【0067】
本発明の第2実施形態としての切替式連続運転用両面印刷機は上述のように構成されているので、前述の第1実施形態の効果に加えて、紙パス変更ガイドローラを簡素化することができ、第1実施形態においては、4つの紙パス変更ガイドローラを個別に制御するのに対して、第2実施形態では2つのガイドローラは固定ガイドローラのため制御の必要がなく、他の2つの紙パス変更移動ガイドローラは一体に制御することができるので、制御を容易に行なうことができる。
【0068】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形、又は併用して実施することができる。
例えば、切替式連続運転用両面印刷ユニットを、部分印刷変えや、色変え等を頻繁に行なう特色印刷ユニットとして使用し、運転中にインキ替えを行なう形態等が考えられる。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の切替式連続運転用両面印刷機によれば、印刷ユニットには連結時に振動を発生するワンポイントクラッチや、その振動を他の印刷ユニットに伝達する連結シャフト等を有しておらず、単独駆動モータによって単独で駆動され、そのまま印刷状態に入ることができる。そのため、振動による印刷障害を起こして、損紙を発生する恐れも無く、円滑に切替え印刷を行なうことができる。
【0070】
また、本発明の切替式連続運転用両面印刷機及びその運転方法によれば、単独駆動モータによって、印刷中の印刷ユニットと同期回転され、そのまま印刷状態に入るため、ワインポイントクラッチを用いた場合に必要な、クラッチ連結までの時間が短縮される。そのため、少量の印刷部数のものを複数通り印刷するような場合にも有利になり、効率的に切替え印刷を行なうことができる。
【0071】
また、本発明の切替式連続運転用両面印刷機によれば、消耗品であるワンポイントクラッチや、印刷ユニットを連結して駆動するためのシャフトや歯車等が不要であるため、部品点数が少なくなり、維持管理コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての切替式連続運転用両面印刷機の要部概要図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての切替式連続運転用両面印刷機の印刷ユニット内の要部概要図である。
【図3】(a),(b)は本発明の第1実施形態としての切替式連続運転用両面印刷機の切替え印刷の運転方法を示すタイムチャートである。
(c),(d)は従来のラインシャフト型輪転印刷機の切替え印刷の運転方法を示すタイムチャートである。
【図4】(a)〜(d)は本発明の第1実施形態としての切替式連続運転用両面印刷機の使用状態別の概要図である。
【図5】(a)〜(d)は本発明の第2実施形態としての切替式連続運転用両面印刷機の使用状態別の概要図である。
【図6】従来のラインシャフト型輪転印刷機の要部概要図である。
【符号の説明】
1 メインモータ
2 駆動力伝達部
3 ラインシャフト
4 紙
5,6 加速モータ
7,8 駆動力切替装置
9,10 ワンポイントクラッチ
11,12 印刷ユニット
11A,12A 版胴
11B,12B ブランケット胴
13,14 駆動入力ギア
15,16 紙パス変更ガイドローラ
17 ブロック矢印
21,22 印刷ユニット
21A,22A 版胴
21B,22B ブランケット胴
23,24 駆動入力ギア
25,26 単独駆動モータ
27 ブロック矢印
30〜33 紙パス変更ガイドローラ
34,37 固定ガイドローラ
35,36 紙パス変更移動ガイドローラ
42〜49 矢印

Claims (8)

  1. 紙パスラインの両側に、印刷用刷版をそなえた版胴と、該刷版からインキを転写されるブランケットをそなえ該ブランケットにより該紙パスラインを走行するウェブ状の紙に印刷を行なうブランケット胴とを、それぞれ対をなして有する印刷ユニットを複数そなえ、
    該複数の印刷ユニットのうち少なくとも第1の印刷ユニットと第2の印刷ユニットとの2つは、一方が使用されている際に他方は待機するようにして、印刷を連続して行ないながら該第1の印刷ユニットと該第2の印刷ユニットとの使用を切替えて印刷内容を変更可能とした切替式連続運転用両面印刷機であって、
    少なくとも上記の第1及び第2の各印刷ユニットでは、
    該紙パスラインを挟んで対向する上記一対のブランケット胴が、印刷時には該紙パスラインに対して傾斜した状態でニップを形成し、非印刷時には上記の傾斜状態を保ちつつ該紙パスラインからいずれも離隔するように構成され、
    上記一対のブランケット胴に対して該紙パスラインの上流側及び下流側の少なくともいずれかに、該紙パスラインを部分的に変更する紙パス変更ガイドローラが設けられるとともに、
    上記の各版胴及び各ブランケット胴が、各印刷ユニット毎に互いに独立して回転するように設けられた単独駆動モータによって駆動されるように構成されている
    ことを特徴とする、切替式連続運転用両面印刷機。
  2. 該紙パス変更ガイドローラは、該印刷ユニットが印刷停止中のときには、該紙パスラインが該一対のブランケット胴の離隔部において該一対のブランケット胴それぞれの中心線を結ぶ平面に略直交するように制御する
    ことを特徴とする、請求項1記載の切替式連続運転用両面印刷機。
  3. 該紙パス変更ガイドローラは、該印刷ユニットが印刷中のときには、該紙パスラインが該一対のブランケット胴のニップ部において所定の該紙パスラインとなるように制御する
    ことを特徴とする、請求項1記載の切替式連続運転用両面印刷機。
  4. 該紙パス変更ガイドローラは、該印刷ユニットの該紙パスライン移動方向の上下流側にそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする、請求項2又は3記載の切替式連続運転用両面印刷機。
  5. 該第1の印刷ユニットと該第2の印刷ユニットとが隣接して配置され、
    該第1の印刷ユニットと該第2の印刷ユニットとの間に該第1の印刷ユニットの該紙パス変更ガイドローラと該第2の印刷ユニットの該紙パス変更ガイドローラとが設けられ、
    該第1の印刷ユニットの該紙パス変更ガイドローラと該第2の印刷ユニットの該紙パス変更ガイドローラとが一体に移動して該紙パスラインを制御する
    ことを特徴とする、請求項1記載の切替式連続運転用両面印刷機。
  6. 該第1の印刷ユニットと該第2の印刷ユニットとを同時に使用して印刷するときには、
    該第1の印刷ユニットの該紙パス変更ガイドローラと該第2の印刷ユニットの該紙パス変更ガイドローラとを一体に移動させ該紙パスラインを該第1の印刷ユニットと第2の印刷ユニットとに渡って略直線になるように制御する
    ことを特徴とする、請求項5記載の切替式連続運転用両面印刷機。
  7. 請求項1記載の切替式連続運転用両面印刷機の運転方法であって、
    上記の第1,第2の印刷ユニットのうち一方の印刷ユニットが印刷中の間に印刷停止中の他方の印刷ユニットの刷版を交換する刷版準備工程と、
    その後、該単独駆動モータによって印刷中の該一方の印刷ユニットと同期回転するように該他方の印刷ユニットを始動させる加速工程と、
    該他方の印刷ユニットが該一方の印刷ユニットと同期回転するようになったら、該一方の印刷ユニットは印刷停止処理を行って該単独駆動モータを減速停止させて該一方の印刷ユニットを完全に停止させるとともに、
    該他方の印刷ユニットは印刷開始準備を行なって、印刷を開始する、印刷ユニットの切替え工程とを有する
    ことを特徴とする、切替式連続運転用両面印刷機の運転方法。
  8. 該刷版準備工程と該加速工程との間に、該他方の印刷ユニットの始動タイミングを算出する始動タイミング算出工程を有する
    ことを特徴とする、請求項7記載の切替式連続運転用両面印刷機の運転方法。
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