JP2004148687A - バリアブルカットオフ印刷機 - Google Patents
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Abstract
【課題】バリアブルカットオフ印刷機に関し、版胴やブランケット胴を交換することなくカットオフ長さを変更することができるようにする。
【解決手段】ブランケット胴13a,13bの表面の印刷領域がウェブ1側を通過する印刷時には、ウェブ1の走行速度とブランケット胴13a,13b及び版胴12a,12bの周速度とが等しくなるように速度制御を行ない、ブランケット胴13a,13bの非印刷領域がウェブ1側を通過する非印刷時には、ブランケット胴13a,13b及び版胴12a,12bの周速度に対するウェブ1の相対走行速度が遅くなるように速度制御を行なう。これにより、ウェブに非印刷領域に応じた余白を与えないようにでき、版胴やブランケット胴を変更せずに、カットオフ長さを変更可能になる。
【選択図】 図1
【解決手段】ブランケット胴13a,13bの表面の印刷領域がウェブ1側を通過する印刷時には、ウェブ1の走行速度とブランケット胴13a,13b及び版胴12a,12bの周速度とが等しくなるように速度制御を行ない、ブランケット胴13a,13bの非印刷領域がウェブ1側を通過する非印刷時には、ブランケット胴13a,13b及び版胴12a,12bの周速度に対するウェブ1の相対走行速度が遅くなるように速度制御を行なう。これにより、ウェブに非印刷領域に応じた余白を与えないようにでき、版胴やブランケット胴を変更せずに、カットオフ長さを変更可能になる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行するウェブに印刷を行なう輪転式の印刷機であって、カットオフ長さを変更しうるバリアブルカットオフ印刷機に関する。
【0002】
【従来の技術】
輪転式の印刷機には、ウェブ(連続紙)の両面に印刷を施すために、図6に示すように、ウェブ1の各面(ここでは、上面と下面)にそれぞれ、版胴2a,2bとブランケット胴3a,3bとがそなえられる。また、版胴2a,2bの表面には刷版4a,4bがそなえられ、ブランケット胴3a,3bの表面にはブランケット5a,5bがそなえられる。なお、以下の説明では、版胴,ブランケット胴,刷版,ブランケットについて、上下のものを区別しない場合はそれぞれ符号2,3,4,5で示す。
【0003】
かかる輪転式印刷機械において、印刷長さ(換言すれば、ウェブのカットオフ長さ)を変更する際には、刷版やブランケットの周長の変更、即ち、印刷胴(版胴2及びブランケット胴3)の直径の変更が要求される場合がある。このような要求に対しては、一般に、印刷胴2,3や刷版4やブランケット5をいずれも取り替えるとともに、図6に実線及び一点鎖線で示すように、一部の印刷胴2,3の軸支持位置を変更しなくては対応できない。
【0004】
しかし、印刷胴は重量の大きな鋼鉄製の軸をそなえているため、これらを取り替えるのは大きな作業負担となり、交換作業に要するコストや時間を膨大に費やしてしまう。
そこで、印刷胴を、重量の大きな軸部と、この軸部の外周に装備される外周部とに分割構成して、軸部は取り替えずに外周部を外径の異なるものに取り替えて、印刷胴の直径を変更できるようにした技術(このような印刷機はカットオフ長を変更できることからバリアブルカットオフ印刷機と呼ぶ)が開発されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
【0005】
例えば、特許文献1の技術では、図7に示すように、印刷胴102,103は、軸部(シリンダコア)111と、この軸部111の両端部外周にキー124を介して一体回転するように設けられたディスク122,122と、ディスク122,122の外周に嵌装されディスク122,122と一体回転するケーシング120をそなえて構成されている。また、ケーシング120の外周には、図示しないスリーブ及び印刷ブロック(刷版やブランケット)が装備される。
【0006】
ケーシング120をディスク122,122とともに交換することができ、ケーシングを所要の外径のものに交換すれば、印刷胴の直径を変更して、カットオフ長を変更できる。
これにより、重量のある軸部111は取り替えずに、軽量なケーシング120やディスク122,122のみを取り替えるだけで、印刷胴の直径を変更することができる。
【0007】
なお、この技術では、図7に示すように、軸部111の軸心部に形成された孔部114内に圧縮空気を導入できるようになっており、この孔部114と連通して軸部111の外周面に開口した孔部116と、ケーシング120の内外周を連通するように形成された孔部126とを通じて、孔部114に導入された圧縮空気をケーシング120の外周に噴射できるようになっている。スリーブの交換時には、ケーシング120の外周に圧縮空気を噴射してケーシング120とスリーブとの間に空気層を形成させればスリーブを容易に着脱できる。
【0008】
また、特許文献2の技術では、図8に示すように、版胴202,ブランケット胴203は、軸部211と、この軸部211の外周に嵌装される筒状のスリーブ(サドル)212とから構成され、各スリーブ212の外周には、印刷版204,ブラケット205が装備されている。そして、印刷胴202,203の各軸部211が印刷ユニット201内に装着された状態で、印刷ユニット201の側壁に設けられたドア213を開放して、このドア開口から各スリーブ212を軸方向に着脱できるようになっている。
【0009】
そして、各スリーブ212として、図9に示すように、内径は同一で外径が異なるスリーブ212a〜212eを複数用意して、印刷胴202,203の直径を変更するには、各スリーブ212を軸部211から外して、所要の刷版を有し所用の外径のスリーブ212を軸部211に取り付ける。これにより、重量のある軸部211は取り替えずに、軽量なスリーブ212のみを取り替えるだけで、印刷胴の直径を変更することができる。
【0010】
なお、この技術では、スリーブ212の軸部211への着脱を、前述のように圧縮空気を利用して行なっている。
また、特許文献2には、印刷版を装着するスリーブ212の表面に、図9に示すような溝214を設けて、従来の平板状の印刷版を装着するようにしても良い旨も記載されている。
【0011】
また、カットオフ長を変更する際には、印刷胴のうちブランケット胴は交換しないで版胴のみを交換することで対応できるように技術(バリアブルカットオフ印刷機)も開発されている(例えば、特許文献3参照)。
この技術では、ブランケット胴のブランケット表面からウェブにインキを転写した後にブランケット表面に潜像が存在しないようにし、一印刷ごとに刷版からブランケットにインキを供給するようにすることで、ブランケット胴の周長さを刷版の長さやウェブのカットオフ長さと無関係に設定することができるようにしたものである。すなわち、ブランケット表面に潜像が存在すれば、ブランケット表面の常に同じ個所に刷版が接触しなくてはダブリングが生じてしまうが、ブランケット表面に潜像が存在しなければダブリングのおそれはないため、ブランケット表面に対して一周ごとに刷版が異なる位置に接触してもよいことになる。このため、ブランケット胴の周長さを刷版の長さやウェブのカットオフ長さと無関係に設定することができるのである。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−225681号公報
【特許文献2】
特開平9−183208号公報
【特許文献3】
特開平11−342583号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1,2の技術では、軸部に対する外周部(ケーシング120やスリーブ212)の着脱のために、例えば、印刷部の操作側に開口を設け(図8参照)て、さらに、軸受けの着脱機構や胴の片持ち支持構造など複雑が技術が必要となり、コスト増を招く。
【0014】
また、特許文献3の技術では、版胴については、版胴の交換については何ら改善していないので、重量のある軸部を含めて交換することになり、この交換に多大な時間と労力を要する。また、「ブランケット胴のブランケット表面からウェブにインキを転写した後にブランケット表面に潜像が存在しないようにする技術」が前提となり、一般的な印刷機に広く適用しうるものではない。
【0015】
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、版胴やブランケット胴を交換することなくカットオフ長さを変更することができ、しかも、一般的な印刷機に広く適用することができるようにした、バリアブルカットオフ印刷機を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目標を達成するため、本発明のバリアブルカットオフ印刷機は、該刷版からインクを転写されるブランケットを外周に装備し、走行するウェブに該ブランケットによって印刷を施すブランケット胴と、該版胴と該ブランケット胴と該ウェブとを同期させて駆動する駆動手段とをそなえ、該ブランケット胴が胴入れ状態のときであっても、該ブランケット胴の表面の非印刷領域は該ウェブに接触しないように設定され、該駆動手段は、該ブランケット胴の表面の印刷領域が該ウェブ側を通過する印刷時には、該ウェブの走行速度と該ブランケット胴及び該版胴の周速度とが等しくなるように速度制御を行ない、該ブランケット胴の該非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、該ブランケット胴及び該版胴の周速度に対する該ウェブの相対走行速度が遅くなるように速度制御を行なうことを特徴としている(請求項1)。
【0017】
該駆動手段は、該ブランケット胴及び該版胴の周速度に対する該ウェブの相対走行速度を該ウェブのカットオフ長さが短いほど遅くなるように速度制御を行なうことが好ましい。
該ブランケットは該ウェブのカットオフ長さに対応した周方向長さのものが選択されて該ブランケット胴の外周に取り付けられるとともに、該ブランケットの厚みが所定量以上大きく設定され、該ブランケット胴の該ブランケットの取り付けられた該印刷領域が該ウェブ側を通過する印刷時には、該印刷領域が該ウェブに接触し、該ブランケット胴の該ブランケットの取り付けられていない該非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、該印刷領域が該ウェブに接触しないように構成されていることが好ましい。
【0018】
また、該ブランケット胴は該ウェブを挟むようにして該ウェブの両面に対を成して配設され、該版胴は該各ブランケット胴に対してそれぞれ設けられ、対を成す該ブランケットは、該ウェブに対して面対称に配設されていることが好ましい。
該駆動手段は、該ウェブが該ブランケットの印刷領域に接触する際には、該ウェブの速度と該ブランケット胴及び該版胴の周速度とが等しくなるようにそれぞれ基準速度に速度制御を行ない、該ウェブが該ブランケットの非印刷領域に接触する際には、該ウェブのカットオフ長さが短いほど該ウェブの走行速度が該基準速度よりも低くなるように速度制御を行なうことが好ましい。
【0019】
この場合、該駆動手段には、走行する該ウェブを貯蔵及び放出して該ブランケットと接触する部分の該ウェブの速度を制御するアキュムレータがそなえられていることが好ましい。
また、該駆動手段は、該ウェブが該ブランケットの印刷領域に接触する際には、該ウェブの速度と該ブランケット胴及び該版胴の周速度とが等しくなるようにそれぞれ基準速度に速度制御を行ない、該ブランケットの非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、該ウェブのカットオフ長さが短いほど該ウェブの走行速度が該基準速度よりも低くなるように(さらに好ましくは、該ウェブの走行速度を0にするように)速度制御を行なうことが好ましい。
【0020】
この場合、該駆動手段には、走行する該ウェブを貯蔵及び放出して該ブランケットと接触する部分の該ウェブの速度を制御するアキュムレータがそなえられていることが好ましい。
また、該駆動手段は、該ブランケットの印刷領域が該ウェブ側を通過する印刷時には、該ウェブの走行速度と該ブランケット胴及び該版胴の周速度とが等しくなるようにそれぞれ基準速度に速度制御を行ない、該ブランケットの非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、該ウェブのカットオフ長さが短いほど該ブランケット胴及び該版胴の周速度が該基準速度よりも高くなるように速度制御を行なうことが好ましい。
【0021】
この場合、該駆動手段は、該ブランケットの非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、まず該ブランケット胴及び該版胴の周速度を加速して該ウェブのカットオフ長さが短いほど該ブランケット胴及び該版胴の周速度を高速にして、その後減速して該ウェブが該ブランケットの印刷領域に接触するようになるまでに該ブランケット胴及び該版胴の周速度を該基準速度に復帰させることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について図面に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明の第1実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機を示すもので、図1はその要部構成を示す模式図、図2はそのブランケット胴を示す模式的断面図、図3はその速度制御を説明するタイムチャートである。
【0023】
本実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機は、図1に示すように、ウェブ(連続紙)の両面に印刷を施す輪転式の両面印刷機であり、ウェブ1の各面(ここでは、上面と下面)にそれぞれ、版胴12a,12bとブランケット胴13a,13bとがそなえられる。また、版胴12a,12bの表面には刷版14a,14bがそなえられ、ブランケット胴13a,13bの表面にはブランケット15a,15bがそなえられる。また、ウェブ1及び版胴12a,12b,ブランケット胴13a,13bは図示しない駆動手段によってそれぞれ駆動される。なお、以下の説明では、版胴,ブランケット胴,刷版,ブランケットについて、上下のものを区別しない場合はそれぞれ符号12,13,14,15で示す。
【0024】
本印刷機の場合、印刷長さ、即ち、ウェブ1のカットオフ長さを変更する際に、版胴12及びブランケット胴13は取り替えることなく、刷版14及びブランケット15のみ取り替えるだけで対応できるようになっている。
このために、版胴12及びブランケット胴13の表面は特徴的な構成になっている。
【0025】
つまり、図2(a)に示すように、版胴12の表面には、所要の印刷長さ(カットオフ長さ)に対応した周方向長さの刷版14が装着される。したがって、版胴12の表面には、刷版14が装着された印刷領域と、刷版14が装着されない非印刷領域とが発生する。周方向に連続したギャップレスの刷版でない場合、版胴12にはギャップが存在し、この部分は刷版14の装着されない非印刷領域となるが、本印刷機の場合、カットオフ長さが短いほどこの非印刷領域が長くなることになる。
【0026】
また、図2(b)に示すように、ブランケット胴13の表面には、刷版14の周方向長さに対応した(即ち、所要の印刷長さ(カットオフ長さ)に対応した)周方向長さの有効表面を有するブランケット15が装着される。したがって、ブランケット胴13の表面にも、ブランケット15が装着された(或いは、刷版14に接触しうるブランケット部分である)印刷領域と、ブランケット15が装着されない(或いは、刷版14に接触しないブランケット部分である)非印刷領域とが発生する。ブランケット胴13の場合も周方向に連続したギャップレスのブランケットでない場合、ブランケット胴13にはギャップが存在し、この部分はブランケット15の装着されない非印刷領域となり、版胴12の場合と同様に、カットオフ長さが短いほどこのブランケット胴13の非印刷領域が長くなることになる。
【0027】
通常、版胴12やブランケット胴13の表面に周方向に非印刷領域が大きくなるほど、ウェブ1に非印刷部分が長手方向に大きく存在してしまうため商品にならなくなってしまうが、本印刷機では、後述するように、版胴12及びブランケット胴13の周速度とウェブ1の走行速度とを変調制御して、版胴12やブランケット胴13の表面に周方向に大きな非印刷領域が存在しても、ウェブ1には長手方向に大きな非印刷部分が発生しないように構成されている。
【0028】
すなわち、本印刷機では、ブランケット胴13の表面の印刷領域がウェブ1側を通過するときには、版胴12及びブランケット胴13の周速度とウェブ1の走行速度とを一致させるとともにブランケット胴13の表面(即ち、ブランケット15の表面)をウェブ1に圧接して印刷を行なう。一方、ブランケット胴13の表面の非印刷領域がウェブ1側を通過するときには、ブランケット胴13の表面(即ち、ブランケット15の表面)をウェブ1から離隔させて、この離隔している間は、ウェブ1の走行速度を版胴12及びブランケット胴13の周速度に対して相対的に遅くして、ウェブ1に対して版胴12及びブランケット胴13が空回りするように制御を行なう。
【0029】
ブランケット胴13の表面の非印刷領域がウェブ1側を通過するときに、ブランケット胴13の表面(ブランケット15の表面)をウェブ1から離隔させるために、ブランケット15は図2(b)に示すような構造になっている。つまり、ブランケット15表面の印刷領域は所定量以上の厚さに形成され、ウェブ1の両側のブランケット15がウェブ1を挟んでニップ圧を発生できるようになっているが、ブランケット15表面の非印刷領域は印刷領域よりも薄く形成され、ウェブ1の両側のブランケット15が共にウェブ1から離隔するように構成されている。
【0030】
本実施形態では、図2(b)に示すように、ブランケット15は周方向に連続した筒状に形成され、非印刷領域では外周部が削除されており(カット部と記載する)、これにより厚みを薄く構成している。
なお、ブランケット15を周方向に端部のあるシート状(平板型)のものとしてブランケット胴13に巻き付けるような構造のにしてもよい。この場合、印刷領域のみにブランケット15を巻き付けて、非印刷領域には何も巻きつけない構成としてもよい。また、ブランケット15をベースプレート上にブランケット本体を接合した構造にして、ベースプレートはブランケット胴13の全周又はほぼ全周に巻き付く長さとし、ブランケット本体はベースプレート上に印刷長さ分だけ接合させた構成としても良い。
【0031】
また、本実施形態では、図2(a)に示すように、刷版14は、周方向に端部があり印刷長さ分だけの長さのシート状(平板型)のものとして版胴12に巻き付けられているが、この刷版14についても、ベースプレート上に刷版本体を接合した構造にして、ベースプレートは版胴12の全周又はほぼ全周に巻き付く長さとし、刷版本体はベースプレート上に印刷長さ分だけ接合させた構成としても良い。あるいは、刷版14を周方向に連続した筒状に形成し、印刷領域のみに版を形成させたものとしても良い。
【0032】
また、刷版14及びブランケット15の版胴12やブランケット胴13への固定は、刷版14又はブランケット15の周方向両端部を版胴12やブランケット胴13の外周に形成されたくわえ部(クランプ)に係止させる従来の固定方法のほか、刷版14やブランケット15が軽量であることから、接着剤を用いた接着や、磁力を用いた吸着など、種々のものが適用できる。
【0033】
ここで、版胴12及びブランケット胴13の周速度とウェブ1の走行速度との変調制御について説明する。
版胴12及びブランケット胴13は、周速度が常に基準速度V1になるように回転駆動される。一方、ウェブ1は、ブランケット胴13の印刷領域がウェブ1側に位置するときには、版胴12及びブランケット胴13は周速度と等しい基準速度V1で走行するように駆動され、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときには、停止状態とされるようになっている。
【0034】
このようなウェブ1の速度制御を行なうために、ウェブパスライン上のブランケット胴13a,13bよりも上流側及び下流側には、それぞれ駆動手段としてアキュムレータ20a,20bがそなえられている。これらのアキュムレータ20a,20bは、位置が固定された一対のガイドロール21,22と、ガイドロール21,22間に介装され位置が移動する可動ロール23と、可動ロール23の軸位置を移動させる図示しないロール位置移動機構とをそなえている。また、ウェブ1は、上流側アキュムレータ20aよりも上流、及び、下流側アキュムレータ20bよりも下流では、ライン速度V2で走行するように駆動される。
【0035】
上流側アキュムレータ20aのロール位置移動機構は、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときには、可動ロール23を速度Vd1でガイドロール21,22から離隔するように移動させ、ウェブ1を貯蔵してウェブ1が下流側に送り出されないようにする。このロール位置移動機構は、ブランケット胴13の印刷領域がウェブ1側に位置するときには、可動ロール23を速度Vu1でガイドロール21,22に接近するように移動させ、ウェブ1を放出して下流側に送り出し、次のウェブ1貯蔵に対応できるようにする。
【0036】
下流側アキュムレータ20bのロール位置移動機構は、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときには、可動ロール23を速度Vu2でガイドロール21,22に接近するように移動させ、ウェブ1が上流側で停止している間にも下流側ではウェブ1がライン速度V2で走行するようにウェブ1を放出する。このロール位置移動機構は、ブランケット胴13の印刷領域がウェブ1側に位置するときには、可動ロール23を速度Vd2でガイドロール21,22から離隔するように移動させ、上流側からライン速度V2よりも高速で送り出されるウェブ1を貯蔵しながら下流側にはライン速度V2で送り出すようにする。
【0037】
このようなライン速度V2,基準速度(版胴12及びブランケット胴13の周速度)V1,上流側の可動ロール23の移動速度(ガイドロール21,22に対する接近速度Vu1,離隔速度Vd1),下流側の可動ロール23の移動速度(ガイドロール21,22に対する接近速度Vu2,離隔速度Vd2)との関係は次のようになる。
【0038】
V2+2Vu1=V1
V1−2Vd2=V2
V2−2Vd1=0
0−2Vu2=V2
したがって、接近速度Vu1,Vu2,離隔速度Vd1,Vd2はライン速度V2,基準速度V1に対して以下のように設定すればよい。
【0039】
Vu1=Vd2=(V1−V2)/2
Vd1=Vu2=V2/2
なお、可動ロール23やガイドロール21,22のうちの一部のロールを必要に応じてウェブ1を走行させる駆動ロールとして、他のロールは従動ロールとしてもよい。
【0040】
また、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときには、ウェブ1を、微小速度で走行させるようにしても良い。この場合、ウェブ1にブランケット胴13の非印刷領域に応じた非印刷部が発生するが、これは微小であれば問題ない。又,この場合、カットオフ長さが短いほど、即ち、ブランケット胴13の非印刷領域の周方向長さが長いほどウェブ1の速度を遅くすることで、ブランケット胴13の非印刷領域に応じてウェブ1に発生する非印刷部の長さをカットオフ長さにかかわらず限度内に収めることができる。
【0041】
本発明の第1実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機は上述のように構成されているので、図3に示すように、ブランケット胴13の印刷領域がウェブ1側に位置するときには、ウェブ1側が版胴12及びブランケット胴13の周速度と等しい基準速度V1で走行しながらブランケット15に圧接して印刷される。
【0042】
ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときには、ウェブ1がブランケット15から離隔すると共に、版胴12及びブランケット胴13が基準速度V1で走行する一方ウェブ1は停止するため、版胴12及びブランケット胴13がウェブ1に対して空回りするようになり、ブランケット胴13の非印刷領域に応じたウェブ1に非印刷部の発生が防止される。
【0043】
したがって、版胴12に取り付けられる刷版14及びブランケット胴13に取り付けられるブランケット15を変更して、上記の速度制御を実施すれば、版胴12及びブランケット胴13を変更することなく、印刷部の長さ、即ち、カットオフ長さを変更することができる。
なお、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときに、ウェブ1を微小速度で走行させるとともに、ブランケット胴13の非印刷領域の周方向長さが長いほどウェブ1の速度を遅くすることで、ブランケット胴13の非印刷領域に応じてウェブ1に発生する非印刷部の長さをカットオフ長さにかかわらず限度内に収めることができ、やはり、版胴12及びブランケット胴13を変更することなく、印刷部の長さ、即ち、カットオフ長さを変更することができる。
【0044】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図面に基づいて説明する。
図4,図5は本発明の第2実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機を示すもので、図4はその要部構成を示す模式図、図5はその速度制御を説明するタイムチャートである。なお、図4において図1と同符号は同様のものを示す。
本実施形態では、図4に示すように、速度制御に関する部分を除いて、第1実施形態と同様に構成されているので、これら同様部分の説明は省略し、相違する速度制御に関して説明する。
【0045】
つまり、第1実施形態では、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときに、ウェブ1の走行を停止する(或いは微小速度に落とす)ことにより、ブランケット胴13の非印刷領域に応じたウェブ1に非印刷部の発生を防止(又は抑制)しているが、本実施形態では、ウェブ1は常に等速で走行させながら、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときには、ウェブ1をブランケット15から離隔させると共に、版胴12及びブランケット胴13の周速度をウェブ1の走行速度よりも大きくするようにしている。これにより、版胴12及びブランケット胴13がウェブ1に対して空回りするようにして、ブランケット胴13の非印刷領域に応じたウェブ1の非印刷部発生を抑制するようにしているのである。
【0046】
本発明の第2実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機は上述のように構成されているので、版胴12及びブランケット胴13を変更することなく、印刷部の長さ、即ち、カットオフ長さを変更することができる。
なお、版胴12及びブランケット胴13の駆動手段は、ブランケット15の非印刷領域がウェブ1側を通過する非印刷時には、まず、ブランケット胴13及び版胴12の周速度を加速してウェブ1のカットオフ長さが短いほど(非印刷領域が長いほど)ブランケット胴13及び版胴12の周速度を高速にして、その後、ウェブ1がブランケット15の印刷領域に接触するようになるまでには、ブランケット胴13及び版胴12の周速度を減速してブランケット胴13及び版胴12の周速度を基準速度(ウェブ1の走行速度)に一致させるようにすれば、ブランケット胴13の非印刷領域に応じてウェブ1に発生する非印刷部の長さを、カットオフ長さにかかわらず限度内に収めることができ、やはり、版胴12及びブランケット胴13を変更することなく、印刷部の長さ、即ち、カットオフ長さを変更することができる。
【0047】
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態を互いに組み合わせて実施しても良いことは言うまでもない。つまり、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときに、ウェブ1をブランケット15から離隔させると共に、ウェブ1の走行を停止する(或いは微小速度に落とす)と共に、版胴12及びブランケット胴13の周速度を印刷時の走行速度よりも大きくするように制御してもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のバリアブルカットオフ印刷機(請求項1)によれば、ブランケット胴の表面の印刷領域がウェブ側を通過する印刷時には、該ウェブの走行速度と該ブランケット胴及び版胴の周速度とが等しくなるように速度制御を行ない、該ブランケット胴の表面の非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、該ブランケット胴及び該版胴の周速度に対する該ウェブの相対走行速度が該ウェブのカットオフ長さが短いほど遅くなるように速度制御を行なう。
【0049】
これにより、ウェブの走行速度と等しい周速度で回転するブランケット胴の印刷領域がウェブに確実に印刷を行なう一方で、ブランケット胴及び版胴の周速度に対するウェブの相対走行速度が遅くなるので、ウェブに非印刷領域に応じた余白を与えることなく次の周期の印刷領域がウェブに印刷を行なうようにでき、ブランケット胴の外径を変更することなく、ブランケット胴の印刷領域の周方向長さに応じたウェブのカットオフ長さを設定することができる。
【0050】
特に、ブランケット胴及び版胴の周速度に対するウェブの相対走行速度はカットオフ長さが短いほど遅くなるので、カットオフ長さが短く設定され、ブランケット胴の非印刷領域の周方向長さが長くなっても、ウェブに非印刷領域に応じた余白を与えないようにすることができる(請求項2)。
ウェブのカットオフ長さに対応した周方向長さのブランケットを選択してブランケット胴の外周に取り付けるようにするとともに、ブランケットの厚みを所定量以上大きく設定すれば、ブランケット胴においてブランケットの取り付けられた印刷領域がウェブ側を通過する印刷時には、この印刷領域がウェブに接触し、ブランケット胴におけるブランケットの取り付けられていない該非印刷領域がウェブ側を通過する非印刷時には、この印刷領域がウェブに接触しないようにできる。したがって、ブランケット胴の非印刷領域をウェブから確実に離隔させて、ブランケット胴及び版胴の周速度に対するウェブの相対走行速度の変更を支障なく実施できるようになる(請求項3)。
【0051】
ブランケット胴がウェブを挟むようにしてウェブの両面に対を成して配設され、版胴が各ブランケット胴に対してそれぞれ設けられ、対を成して設けられるブランケットが、ウェブに対して面対称に配設されていれば、印刷時には両ブランケットでウェブを挟んでウェブにニップ圧を与えながらウェブの両面に印刷を行なえ、非印刷時には両ブランケットをウェブから確実に離隔させることができる(請求項4)。
【0052】
ウェブがブランケットの印刷領域に接触する際には、ウェブの速度とブランケット胴及び版胴の周速度とが等しくなるようにそれぞれ基準速度に速度制御を行ない、ウェブがブランケットの非印刷領域に接触する際には、ウェブのカットオフ長さが短いほどウェブの走行速度が基準速度よりも低くなるように速度制御を行なうことにより、ブランケット胴及び版胴の周速度に対するウェブの相対走行速度を確実に遅くすることができる(請求項5)。
【0053】
この場合、駆動手段に、走行するウェブを貯蔵及び放出してブランケット胴を通過する部分のウェブの速度を制御するアキュムレータをそなえれば、ブランケットに対するウェブの走行速度について適宜変調制御することができるようになる。例えば、ブランケット胴の上流にアキュムレータをそなえるようにして、上流側ではウェブを常時等速でアキュムレータ側に送り込むようにした場合、ウェブを基準速度よりも低速にするには、走行してくるウェブをアキュムレータで貯蔵すればよく、ウェブを基準速度にするには、ウェブをアキュムレータから放出しながらブランケット胴に送り込むようにして、アキュムレータにより次回の低速制御時にウェブを貯留できるようにする(請求項6)。
【0054】
ウェブがブランケットの印刷領域に接触する際には、ウェブの走行速度とブランケット胴及び該版胴の周速度とが等しくなるようにそれぞれ基準速度に速度制御を行ない、ウェブがブランケットの非印刷領域に接触する際には、ウェブのカットオフ長さが短いほどブランケット胴及び版胴の周速度が基準速度よりも高くなるように速度制御を行なうことにより、ブランケット胴及び版胴の周速度に対するウェブの相対走行速度を確実に遅くすることができる(請求項7)。
【0055】
この場合、該駆動手段では、ウェブがブランケットの非印刷領域に接触する際には、まずブランケット胴及び版胴の周速度を加速してウェブのカットオフ長さが短いほどブランケット胴及び版胴の周速度を高速にして、その後減速してウェブがブランケットの印刷領域に接触するようになるまでにブランケット胴及び版胴の周速度を基準速度に復帰させれば、ウェブのカットオフ長さが短いほどブランケット胴及び版胴の周速度が基準速度よりも高くなるように速度制御を確実に行なうことができる(請求項8)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機の要部構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機に装備される印刷胴を示す模式的断面図であり、(a)は版胴を示し、(b)はブランケット胴を示す。
【図3】本発明の第1実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機における速度制御を説明するタイムチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機の要部構成を示す模式図である。
【図5】本発明の第2実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機における速度制御を説明するタイムチャートである。
【図6】バリアブルカットオフ印刷機を説明する印刷機の要部の模式的側面図である。
【図7】従来のバリアブルカットオフ印刷機に関する版胴を示す模式的断面図である。
【図8】従来のバリアブルカットオフ印刷機に関する技術を示す模式的斜視図である。
【図9】従来のバリアブルカットオフ印刷機に関するスリーブを示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 ウェブ
2,2a,2b 版胴
3,3a,3b ブランケット胴
4,4a,4b 刷版
5,5a,5b ブランケット
12,12a,12b 版胴
13,13a,13b ブランケット胴
14,14a,14b 刷版
15,15a,15b ブランケット
20a,20b アキュムレータ(駆動手段)
21,22 ガイドロール
23 可動ロール
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行するウェブに印刷を行なう輪転式の印刷機であって、カットオフ長さを変更しうるバリアブルカットオフ印刷機に関する。
【0002】
【従来の技術】
輪転式の印刷機には、ウェブ(連続紙)の両面に印刷を施すために、図6に示すように、ウェブ1の各面(ここでは、上面と下面)にそれぞれ、版胴2a,2bとブランケット胴3a,3bとがそなえられる。また、版胴2a,2bの表面には刷版4a,4bがそなえられ、ブランケット胴3a,3bの表面にはブランケット5a,5bがそなえられる。なお、以下の説明では、版胴,ブランケット胴,刷版,ブランケットについて、上下のものを区別しない場合はそれぞれ符号2,3,4,5で示す。
【0003】
かかる輪転式印刷機械において、印刷長さ(換言すれば、ウェブのカットオフ長さ)を変更する際には、刷版やブランケットの周長の変更、即ち、印刷胴(版胴2及びブランケット胴3)の直径の変更が要求される場合がある。このような要求に対しては、一般に、印刷胴2,3や刷版4やブランケット5をいずれも取り替えるとともに、図6に実線及び一点鎖線で示すように、一部の印刷胴2,3の軸支持位置を変更しなくては対応できない。
【0004】
しかし、印刷胴は重量の大きな鋼鉄製の軸をそなえているため、これらを取り替えるのは大きな作業負担となり、交換作業に要するコストや時間を膨大に費やしてしまう。
そこで、印刷胴を、重量の大きな軸部と、この軸部の外周に装備される外周部とに分割構成して、軸部は取り替えずに外周部を外径の異なるものに取り替えて、印刷胴の直径を変更できるようにした技術(このような印刷機はカットオフ長を変更できることからバリアブルカットオフ印刷機と呼ぶ)が開発されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
【0005】
例えば、特許文献1の技術では、図7に示すように、印刷胴102,103は、軸部(シリンダコア)111と、この軸部111の両端部外周にキー124を介して一体回転するように設けられたディスク122,122と、ディスク122,122の外周に嵌装されディスク122,122と一体回転するケーシング120をそなえて構成されている。また、ケーシング120の外周には、図示しないスリーブ及び印刷ブロック(刷版やブランケット)が装備される。
【0006】
ケーシング120をディスク122,122とともに交換することができ、ケーシングを所要の外径のものに交換すれば、印刷胴の直径を変更して、カットオフ長を変更できる。
これにより、重量のある軸部111は取り替えずに、軽量なケーシング120やディスク122,122のみを取り替えるだけで、印刷胴の直径を変更することができる。
【0007】
なお、この技術では、図7に示すように、軸部111の軸心部に形成された孔部114内に圧縮空気を導入できるようになっており、この孔部114と連通して軸部111の外周面に開口した孔部116と、ケーシング120の内外周を連通するように形成された孔部126とを通じて、孔部114に導入された圧縮空気をケーシング120の外周に噴射できるようになっている。スリーブの交換時には、ケーシング120の外周に圧縮空気を噴射してケーシング120とスリーブとの間に空気層を形成させればスリーブを容易に着脱できる。
【0008】
また、特許文献2の技術では、図8に示すように、版胴202,ブランケット胴203は、軸部211と、この軸部211の外周に嵌装される筒状のスリーブ(サドル)212とから構成され、各スリーブ212の外周には、印刷版204,ブラケット205が装備されている。そして、印刷胴202,203の各軸部211が印刷ユニット201内に装着された状態で、印刷ユニット201の側壁に設けられたドア213を開放して、このドア開口から各スリーブ212を軸方向に着脱できるようになっている。
【0009】
そして、各スリーブ212として、図9に示すように、内径は同一で外径が異なるスリーブ212a〜212eを複数用意して、印刷胴202,203の直径を変更するには、各スリーブ212を軸部211から外して、所要の刷版を有し所用の外径のスリーブ212を軸部211に取り付ける。これにより、重量のある軸部211は取り替えずに、軽量なスリーブ212のみを取り替えるだけで、印刷胴の直径を変更することができる。
【0010】
なお、この技術では、スリーブ212の軸部211への着脱を、前述のように圧縮空気を利用して行なっている。
また、特許文献2には、印刷版を装着するスリーブ212の表面に、図9に示すような溝214を設けて、従来の平板状の印刷版を装着するようにしても良い旨も記載されている。
【0011】
また、カットオフ長を変更する際には、印刷胴のうちブランケット胴は交換しないで版胴のみを交換することで対応できるように技術(バリアブルカットオフ印刷機)も開発されている(例えば、特許文献3参照)。
この技術では、ブランケット胴のブランケット表面からウェブにインキを転写した後にブランケット表面に潜像が存在しないようにし、一印刷ごとに刷版からブランケットにインキを供給するようにすることで、ブランケット胴の周長さを刷版の長さやウェブのカットオフ長さと無関係に設定することができるようにしたものである。すなわち、ブランケット表面に潜像が存在すれば、ブランケット表面の常に同じ個所に刷版が接触しなくてはダブリングが生じてしまうが、ブランケット表面に潜像が存在しなければダブリングのおそれはないため、ブランケット表面に対して一周ごとに刷版が異なる位置に接触してもよいことになる。このため、ブランケット胴の周長さを刷版の長さやウェブのカットオフ長さと無関係に設定することができるのである。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−225681号公報
【特許文献2】
特開平9−183208号公報
【特許文献3】
特開平11−342583号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1,2の技術では、軸部に対する外周部(ケーシング120やスリーブ212)の着脱のために、例えば、印刷部の操作側に開口を設け(図8参照)て、さらに、軸受けの着脱機構や胴の片持ち支持構造など複雑が技術が必要となり、コスト増を招く。
【0014】
また、特許文献3の技術では、版胴については、版胴の交換については何ら改善していないので、重量のある軸部を含めて交換することになり、この交換に多大な時間と労力を要する。また、「ブランケット胴のブランケット表面からウェブにインキを転写した後にブランケット表面に潜像が存在しないようにする技術」が前提となり、一般的な印刷機に広く適用しうるものではない。
【0015】
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、版胴やブランケット胴を交換することなくカットオフ長さを変更することができ、しかも、一般的な印刷機に広く適用することができるようにした、バリアブルカットオフ印刷機を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目標を達成するため、本発明のバリアブルカットオフ印刷機は、該刷版からインクを転写されるブランケットを外周に装備し、走行するウェブに該ブランケットによって印刷を施すブランケット胴と、該版胴と該ブランケット胴と該ウェブとを同期させて駆動する駆動手段とをそなえ、該ブランケット胴が胴入れ状態のときであっても、該ブランケット胴の表面の非印刷領域は該ウェブに接触しないように設定され、該駆動手段は、該ブランケット胴の表面の印刷領域が該ウェブ側を通過する印刷時には、該ウェブの走行速度と該ブランケット胴及び該版胴の周速度とが等しくなるように速度制御を行ない、該ブランケット胴の該非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、該ブランケット胴及び該版胴の周速度に対する該ウェブの相対走行速度が遅くなるように速度制御を行なうことを特徴としている(請求項1)。
【0017】
該駆動手段は、該ブランケット胴及び該版胴の周速度に対する該ウェブの相対走行速度を該ウェブのカットオフ長さが短いほど遅くなるように速度制御を行なうことが好ましい。
該ブランケットは該ウェブのカットオフ長さに対応した周方向長さのものが選択されて該ブランケット胴の外周に取り付けられるとともに、該ブランケットの厚みが所定量以上大きく設定され、該ブランケット胴の該ブランケットの取り付けられた該印刷領域が該ウェブ側を通過する印刷時には、該印刷領域が該ウェブに接触し、該ブランケット胴の該ブランケットの取り付けられていない該非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、該印刷領域が該ウェブに接触しないように構成されていることが好ましい。
【0018】
また、該ブランケット胴は該ウェブを挟むようにして該ウェブの両面に対を成して配設され、該版胴は該各ブランケット胴に対してそれぞれ設けられ、対を成す該ブランケットは、該ウェブに対して面対称に配設されていることが好ましい。
該駆動手段は、該ウェブが該ブランケットの印刷領域に接触する際には、該ウェブの速度と該ブランケット胴及び該版胴の周速度とが等しくなるようにそれぞれ基準速度に速度制御を行ない、該ウェブが該ブランケットの非印刷領域に接触する際には、該ウェブのカットオフ長さが短いほど該ウェブの走行速度が該基準速度よりも低くなるように速度制御を行なうことが好ましい。
【0019】
この場合、該駆動手段には、走行する該ウェブを貯蔵及び放出して該ブランケットと接触する部分の該ウェブの速度を制御するアキュムレータがそなえられていることが好ましい。
また、該駆動手段は、該ウェブが該ブランケットの印刷領域に接触する際には、該ウェブの速度と該ブランケット胴及び該版胴の周速度とが等しくなるようにそれぞれ基準速度に速度制御を行ない、該ブランケットの非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、該ウェブのカットオフ長さが短いほど該ウェブの走行速度が該基準速度よりも低くなるように(さらに好ましくは、該ウェブの走行速度を0にするように)速度制御を行なうことが好ましい。
【0020】
この場合、該駆動手段には、走行する該ウェブを貯蔵及び放出して該ブランケットと接触する部分の該ウェブの速度を制御するアキュムレータがそなえられていることが好ましい。
また、該駆動手段は、該ブランケットの印刷領域が該ウェブ側を通過する印刷時には、該ウェブの走行速度と該ブランケット胴及び該版胴の周速度とが等しくなるようにそれぞれ基準速度に速度制御を行ない、該ブランケットの非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、該ウェブのカットオフ長さが短いほど該ブランケット胴及び該版胴の周速度が該基準速度よりも高くなるように速度制御を行なうことが好ましい。
【0021】
この場合、該駆動手段は、該ブランケットの非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、まず該ブランケット胴及び該版胴の周速度を加速して該ウェブのカットオフ長さが短いほど該ブランケット胴及び該版胴の周速度を高速にして、その後減速して該ウェブが該ブランケットの印刷領域に接触するようになるまでに該ブランケット胴及び該版胴の周速度を該基準速度に復帰させることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について図面に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明の第1実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機を示すもので、図1はその要部構成を示す模式図、図2はそのブランケット胴を示す模式的断面図、図3はその速度制御を説明するタイムチャートである。
【0023】
本実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機は、図1に示すように、ウェブ(連続紙)の両面に印刷を施す輪転式の両面印刷機であり、ウェブ1の各面(ここでは、上面と下面)にそれぞれ、版胴12a,12bとブランケット胴13a,13bとがそなえられる。また、版胴12a,12bの表面には刷版14a,14bがそなえられ、ブランケット胴13a,13bの表面にはブランケット15a,15bがそなえられる。また、ウェブ1及び版胴12a,12b,ブランケット胴13a,13bは図示しない駆動手段によってそれぞれ駆動される。なお、以下の説明では、版胴,ブランケット胴,刷版,ブランケットについて、上下のものを区別しない場合はそれぞれ符号12,13,14,15で示す。
【0024】
本印刷機の場合、印刷長さ、即ち、ウェブ1のカットオフ長さを変更する際に、版胴12及びブランケット胴13は取り替えることなく、刷版14及びブランケット15のみ取り替えるだけで対応できるようになっている。
このために、版胴12及びブランケット胴13の表面は特徴的な構成になっている。
【0025】
つまり、図2(a)に示すように、版胴12の表面には、所要の印刷長さ(カットオフ長さ)に対応した周方向長さの刷版14が装着される。したがって、版胴12の表面には、刷版14が装着された印刷領域と、刷版14が装着されない非印刷領域とが発生する。周方向に連続したギャップレスの刷版でない場合、版胴12にはギャップが存在し、この部分は刷版14の装着されない非印刷領域となるが、本印刷機の場合、カットオフ長さが短いほどこの非印刷領域が長くなることになる。
【0026】
また、図2(b)に示すように、ブランケット胴13の表面には、刷版14の周方向長さに対応した(即ち、所要の印刷長さ(カットオフ長さ)に対応した)周方向長さの有効表面を有するブランケット15が装着される。したがって、ブランケット胴13の表面にも、ブランケット15が装着された(或いは、刷版14に接触しうるブランケット部分である)印刷領域と、ブランケット15が装着されない(或いは、刷版14に接触しないブランケット部分である)非印刷領域とが発生する。ブランケット胴13の場合も周方向に連続したギャップレスのブランケットでない場合、ブランケット胴13にはギャップが存在し、この部分はブランケット15の装着されない非印刷領域となり、版胴12の場合と同様に、カットオフ長さが短いほどこのブランケット胴13の非印刷領域が長くなることになる。
【0027】
通常、版胴12やブランケット胴13の表面に周方向に非印刷領域が大きくなるほど、ウェブ1に非印刷部分が長手方向に大きく存在してしまうため商品にならなくなってしまうが、本印刷機では、後述するように、版胴12及びブランケット胴13の周速度とウェブ1の走行速度とを変調制御して、版胴12やブランケット胴13の表面に周方向に大きな非印刷領域が存在しても、ウェブ1には長手方向に大きな非印刷部分が発生しないように構成されている。
【0028】
すなわち、本印刷機では、ブランケット胴13の表面の印刷領域がウェブ1側を通過するときには、版胴12及びブランケット胴13の周速度とウェブ1の走行速度とを一致させるとともにブランケット胴13の表面(即ち、ブランケット15の表面)をウェブ1に圧接して印刷を行なう。一方、ブランケット胴13の表面の非印刷領域がウェブ1側を通過するときには、ブランケット胴13の表面(即ち、ブランケット15の表面)をウェブ1から離隔させて、この離隔している間は、ウェブ1の走行速度を版胴12及びブランケット胴13の周速度に対して相対的に遅くして、ウェブ1に対して版胴12及びブランケット胴13が空回りするように制御を行なう。
【0029】
ブランケット胴13の表面の非印刷領域がウェブ1側を通過するときに、ブランケット胴13の表面(ブランケット15の表面)をウェブ1から離隔させるために、ブランケット15は図2(b)に示すような構造になっている。つまり、ブランケット15表面の印刷領域は所定量以上の厚さに形成され、ウェブ1の両側のブランケット15がウェブ1を挟んでニップ圧を発生できるようになっているが、ブランケット15表面の非印刷領域は印刷領域よりも薄く形成され、ウェブ1の両側のブランケット15が共にウェブ1から離隔するように構成されている。
【0030】
本実施形態では、図2(b)に示すように、ブランケット15は周方向に連続した筒状に形成され、非印刷領域では外周部が削除されており(カット部と記載する)、これにより厚みを薄く構成している。
なお、ブランケット15を周方向に端部のあるシート状(平板型)のものとしてブランケット胴13に巻き付けるような構造のにしてもよい。この場合、印刷領域のみにブランケット15を巻き付けて、非印刷領域には何も巻きつけない構成としてもよい。また、ブランケット15をベースプレート上にブランケット本体を接合した構造にして、ベースプレートはブランケット胴13の全周又はほぼ全周に巻き付く長さとし、ブランケット本体はベースプレート上に印刷長さ分だけ接合させた構成としても良い。
【0031】
また、本実施形態では、図2(a)に示すように、刷版14は、周方向に端部があり印刷長さ分だけの長さのシート状(平板型)のものとして版胴12に巻き付けられているが、この刷版14についても、ベースプレート上に刷版本体を接合した構造にして、ベースプレートは版胴12の全周又はほぼ全周に巻き付く長さとし、刷版本体はベースプレート上に印刷長さ分だけ接合させた構成としても良い。あるいは、刷版14を周方向に連続した筒状に形成し、印刷領域のみに版を形成させたものとしても良い。
【0032】
また、刷版14及びブランケット15の版胴12やブランケット胴13への固定は、刷版14又はブランケット15の周方向両端部を版胴12やブランケット胴13の外周に形成されたくわえ部(クランプ)に係止させる従来の固定方法のほか、刷版14やブランケット15が軽量であることから、接着剤を用いた接着や、磁力を用いた吸着など、種々のものが適用できる。
【0033】
ここで、版胴12及びブランケット胴13の周速度とウェブ1の走行速度との変調制御について説明する。
版胴12及びブランケット胴13は、周速度が常に基準速度V1になるように回転駆動される。一方、ウェブ1は、ブランケット胴13の印刷領域がウェブ1側に位置するときには、版胴12及びブランケット胴13は周速度と等しい基準速度V1で走行するように駆動され、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときには、停止状態とされるようになっている。
【0034】
このようなウェブ1の速度制御を行なうために、ウェブパスライン上のブランケット胴13a,13bよりも上流側及び下流側には、それぞれ駆動手段としてアキュムレータ20a,20bがそなえられている。これらのアキュムレータ20a,20bは、位置が固定された一対のガイドロール21,22と、ガイドロール21,22間に介装され位置が移動する可動ロール23と、可動ロール23の軸位置を移動させる図示しないロール位置移動機構とをそなえている。また、ウェブ1は、上流側アキュムレータ20aよりも上流、及び、下流側アキュムレータ20bよりも下流では、ライン速度V2で走行するように駆動される。
【0035】
上流側アキュムレータ20aのロール位置移動機構は、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときには、可動ロール23を速度Vd1でガイドロール21,22から離隔するように移動させ、ウェブ1を貯蔵してウェブ1が下流側に送り出されないようにする。このロール位置移動機構は、ブランケット胴13の印刷領域がウェブ1側に位置するときには、可動ロール23を速度Vu1でガイドロール21,22に接近するように移動させ、ウェブ1を放出して下流側に送り出し、次のウェブ1貯蔵に対応できるようにする。
【0036】
下流側アキュムレータ20bのロール位置移動機構は、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときには、可動ロール23を速度Vu2でガイドロール21,22に接近するように移動させ、ウェブ1が上流側で停止している間にも下流側ではウェブ1がライン速度V2で走行するようにウェブ1を放出する。このロール位置移動機構は、ブランケット胴13の印刷領域がウェブ1側に位置するときには、可動ロール23を速度Vd2でガイドロール21,22から離隔するように移動させ、上流側からライン速度V2よりも高速で送り出されるウェブ1を貯蔵しながら下流側にはライン速度V2で送り出すようにする。
【0037】
このようなライン速度V2,基準速度(版胴12及びブランケット胴13の周速度)V1,上流側の可動ロール23の移動速度(ガイドロール21,22に対する接近速度Vu1,離隔速度Vd1),下流側の可動ロール23の移動速度(ガイドロール21,22に対する接近速度Vu2,離隔速度Vd2)との関係は次のようになる。
【0038】
V2+2Vu1=V1
V1−2Vd2=V2
V2−2Vd1=0
0−2Vu2=V2
したがって、接近速度Vu1,Vu2,離隔速度Vd1,Vd2はライン速度V2,基準速度V1に対して以下のように設定すればよい。
【0039】
Vu1=Vd2=(V1−V2)/2
Vd1=Vu2=V2/2
なお、可動ロール23やガイドロール21,22のうちの一部のロールを必要に応じてウェブ1を走行させる駆動ロールとして、他のロールは従動ロールとしてもよい。
【0040】
また、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときには、ウェブ1を、微小速度で走行させるようにしても良い。この場合、ウェブ1にブランケット胴13の非印刷領域に応じた非印刷部が発生するが、これは微小であれば問題ない。又,この場合、カットオフ長さが短いほど、即ち、ブランケット胴13の非印刷領域の周方向長さが長いほどウェブ1の速度を遅くすることで、ブランケット胴13の非印刷領域に応じてウェブ1に発生する非印刷部の長さをカットオフ長さにかかわらず限度内に収めることができる。
【0041】
本発明の第1実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機は上述のように構成されているので、図3に示すように、ブランケット胴13の印刷領域がウェブ1側に位置するときには、ウェブ1側が版胴12及びブランケット胴13の周速度と等しい基準速度V1で走行しながらブランケット15に圧接して印刷される。
【0042】
ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときには、ウェブ1がブランケット15から離隔すると共に、版胴12及びブランケット胴13が基準速度V1で走行する一方ウェブ1は停止するため、版胴12及びブランケット胴13がウェブ1に対して空回りするようになり、ブランケット胴13の非印刷領域に応じたウェブ1に非印刷部の発生が防止される。
【0043】
したがって、版胴12に取り付けられる刷版14及びブランケット胴13に取り付けられるブランケット15を変更して、上記の速度制御を実施すれば、版胴12及びブランケット胴13を変更することなく、印刷部の長さ、即ち、カットオフ長さを変更することができる。
なお、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときに、ウェブ1を微小速度で走行させるとともに、ブランケット胴13の非印刷領域の周方向長さが長いほどウェブ1の速度を遅くすることで、ブランケット胴13の非印刷領域に応じてウェブ1に発生する非印刷部の長さをカットオフ長さにかかわらず限度内に収めることができ、やはり、版胴12及びブランケット胴13を変更することなく、印刷部の長さ、即ち、カットオフ長さを変更することができる。
【0044】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図面に基づいて説明する。
図4,図5は本発明の第2実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機を示すもので、図4はその要部構成を示す模式図、図5はその速度制御を説明するタイムチャートである。なお、図4において図1と同符号は同様のものを示す。
本実施形態では、図4に示すように、速度制御に関する部分を除いて、第1実施形態と同様に構成されているので、これら同様部分の説明は省略し、相違する速度制御に関して説明する。
【0045】
つまり、第1実施形態では、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときに、ウェブ1の走行を停止する(或いは微小速度に落とす)ことにより、ブランケット胴13の非印刷領域に応じたウェブ1に非印刷部の発生を防止(又は抑制)しているが、本実施形態では、ウェブ1は常に等速で走行させながら、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときには、ウェブ1をブランケット15から離隔させると共に、版胴12及びブランケット胴13の周速度をウェブ1の走行速度よりも大きくするようにしている。これにより、版胴12及びブランケット胴13がウェブ1に対して空回りするようにして、ブランケット胴13の非印刷領域に応じたウェブ1の非印刷部発生を抑制するようにしているのである。
【0046】
本発明の第2実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機は上述のように構成されているので、版胴12及びブランケット胴13を変更することなく、印刷部の長さ、即ち、カットオフ長さを変更することができる。
なお、版胴12及びブランケット胴13の駆動手段は、ブランケット15の非印刷領域がウェブ1側を通過する非印刷時には、まず、ブランケット胴13及び版胴12の周速度を加速してウェブ1のカットオフ長さが短いほど(非印刷領域が長いほど)ブランケット胴13及び版胴12の周速度を高速にして、その後、ウェブ1がブランケット15の印刷領域に接触するようになるまでには、ブランケット胴13及び版胴12の周速度を減速してブランケット胴13及び版胴12の周速度を基準速度(ウェブ1の走行速度)に一致させるようにすれば、ブランケット胴13の非印刷領域に応じてウェブ1に発生する非印刷部の長さを、カットオフ長さにかかわらず限度内に収めることができ、やはり、版胴12及びブランケット胴13を変更することなく、印刷部の長さ、即ち、カットオフ長さを変更することができる。
【0047】
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態を互いに組み合わせて実施しても良いことは言うまでもない。つまり、ブランケット胴13の非印刷領域がウェブ1側に位置するときに、ウェブ1をブランケット15から離隔させると共に、ウェブ1の走行を停止する(或いは微小速度に落とす)と共に、版胴12及びブランケット胴13の周速度を印刷時の走行速度よりも大きくするように制御してもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のバリアブルカットオフ印刷機(請求項1)によれば、ブランケット胴の表面の印刷領域がウェブ側を通過する印刷時には、該ウェブの走行速度と該ブランケット胴及び版胴の周速度とが等しくなるように速度制御を行ない、該ブランケット胴の表面の非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、該ブランケット胴及び該版胴の周速度に対する該ウェブの相対走行速度が該ウェブのカットオフ長さが短いほど遅くなるように速度制御を行なう。
【0049】
これにより、ウェブの走行速度と等しい周速度で回転するブランケット胴の印刷領域がウェブに確実に印刷を行なう一方で、ブランケット胴及び版胴の周速度に対するウェブの相対走行速度が遅くなるので、ウェブに非印刷領域に応じた余白を与えることなく次の周期の印刷領域がウェブに印刷を行なうようにでき、ブランケット胴の外径を変更することなく、ブランケット胴の印刷領域の周方向長さに応じたウェブのカットオフ長さを設定することができる。
【0050】
特に、ブランケット胴及び版胴の周速度に対するウェブの相対走行速度はカットオフ長さが短いほど遅くなるので、カットオフ長さが短く設定され、ブランケット胴の非印刷領域の周方向長さが長くなっても、ウェブに非印刷領域に応じた余白を与えないようにすることができる(請求項2)。
ウェブのカットオフ長さに対応した周方向長さのブランケットを選択してブランケット胴の外周に取り付けるようにするとともに、ブランケットの厚みを所定量以上大きく設定すれば、ブランケット胴においてブランケットの取り付けられた印刷領域がウェブ側を通過する印刷時には、この印刷領域がウェブに接触し、ブランケット胴におけるブランケットの取り付けられていない該非印刷領域がウェブ側を通過する非印刷時には、この印刷領域がウェブに接触しないようにできる。したがって、ブランケット胴の非印刷領域をウェブから確実に離隔させて、ブランケット胴及び版胴の周速度に対するウェブの相対走行速度の変更を支障なく実施できるようになる(請求項3)。
【0051】
ブランケット胴がウェブを挟むようにしてウェブの両面に対を成して配設され、版胴が各ブランケット胴に対してそれぞれ設けられ、対を成して設けられるブランケットが、ウェブに対して面対称に配設されていれば、印刷時には両ブランケットでウェブを挟んでウェブにニップ圧を与えながらウェブの両面に印刷を行なえ、非印刷時には両ブランケットをウェブから確実に離隔させることができる(請求項4)。
【0052】
ウェブがブランケットの印刷領域に接触する際には、ウェブの速度とブランケット胴及び版胴の周速度とが等しくなるようにそれぞれ基準速度に速度制御を行ない、ウェブがブランケットの非印刷領域に接触する際には、ウェブのカットオフ長さが短いほどウェブの走行速度が基準速度よりも低くなるように速度制御を行なうことにより、ブランケット胴及び版胴の周速度に対するウェブの相対走行速度を確実に遅くすることができる(請求項5)。
【0053】
この場合、駆動手段に、走行するウェブを貯蔵及び放出してブランケット胴を通過する部分のウェブの速度を制御するアキュムレータをそなえれば、ブランケットに対するウェブの走行速度について適宜変調制御することができるようになる。例えば、ブランケット胴の上流にアキュムレータをそなえるようにして、上流側ではウェブを常時等速でアキュムレータ側に送り込むようにした場合、ウェブを基準速度よりも低速にするには、走行してくるウェブをアキュムレータで貯蔵すればよく、ウェブを基準速度にするには、ウェブをアキュムレータから放出しながらブランケット胴に送り込むようにして、アキュムレータにより次回の低速制御時にウェブを貯留できるようにする(請求項6)。
【0054】
ウェブがブランケットの印刷領域に接触する際には、ウェブの走行速度とブランケット胴及び該版胴の周速度とが等しくなるようにそれぞれ基準速度に速度制御を行ない、ウェブがブランケットの非印刷領域に接触する際には、ウェブのカットオフ長さが短いほどブランケット胴及び版胴の周速度が基準速度よりも高くなるように速度制御を行なうことにより、ブランケット胴及び版胴の周速度に対するウェブの相対走行速度を確実に遅くすることができる(請求項7)。
【0055】
この場合、該駆動手段では、ウェブがブランケットの非印刷領域に接触する際には、まずブランケット胴及び版胴の周速度を加速してウェブのカットオフ長さが短いほどブランケット胴及び版胴の周速度を高速にして、その後減速してウェブがブランケットの印刷領域に接触するようになるまでにブランケット胴及び版胴の周速度を基準速度に復帰させれば、ウェブのカットオフ長さが短いほどブランケット胴及び版胴の周速度が基準速度よりも高くなるように速度制御を確実に行なうことができる(請求項8)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機の要部構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機に装備される印刷胴を示す模式的断面図であり、(a)は版胴を示し、(b)はブランケット胴を示す。
【図3】本発明の第1実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機における速度制御を説明するタイムチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機の要部構成を示す模式図である。
【図5】本発明の第2実施形態にかかるバリアブルカットオフ印刷機における速度制御を説明するタイムチャートである。
【図6】バリアブルカットオフ印刷機を説明する印刷機の要部の模式的側面図である。
【図7】従来のバリアブルカットオフ印刷機に関する版胴を示す模式的断面図である。
【図8】従来のバリアブルカットオフ印刷機に関する技術を示す模式的斜視図である。
【図9】従来のバリアブルカットオフ印刷機に関するスリーブを示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 ウェブ
2,2a,2b 版胴
3,3a,3b ブランケット胴
4,4a,4b 刷版
5,5a,5b ブランケット
12,12a,12b 版胴
13,13a,13b ブランケット胴
14,14a,14b 刷版
15,15a,15b ブランケット
20a,20b アキュムレータ(駆動手段)
21,22 ガイドロール
23 可動ロール
Claims (8)
- 刷版を外周に装備した版胴と、
該刷版からインクを転写されるブランケットを外周に装備し、走行するウェブに該ブランケットによって印刷を施すブランケット胴と、
該版胴と該ブランケット胴と該ウェブとを同期させて駆動する駆動手段とをそなえ、
該ブランケット胴が胴入れ状態のときであっても、該ブランケット胴の表面の非印刷領域は該ウェブに接触しないように設定され、
該駆動手段は、該ブランケット胴の表面の印刷領域が該ウェブ側を通過する印刷時には、該ウェブの走行速度と該ブランケット胴及び該版胴の周速度とが等しくなるように速度制御を行ない、該ブランケット胴の該非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、該ブランケット胴及び該版胴の周速度に対する該ウェブの相対走行速度が遅くなるように速度制御を行なう
ことを特徴とする、バリアブルカットオフ印刷機。 - 該駆動手段は、該ブランケット胴及び該版胴の周速度に対する該ウェブの相対走行速度を該ウェブのカットオフ長さが短いほど遅くなるように速度制御を行なう
ことを特徴とする、請求項1記載のバリアブルカットオフ印刷機。 - 該ブランケットは該ウェブのカットオフ長さに対応した周方向長さのものが選択されて該ブランケット胴の外周に取り付けられるとともに、
該ブランケットの厚みが所定量以上大きく設定され、
該ブランケット胴の該ブランケットの取り付けられた該印刷領域が該ウェブ側を通過する印刷時には、該印刷領域が該ウェブに接触し、該ブランケット胴の該ブランケットの取り付けられていない該非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、該印刷領域が該ウェブに接触しないように構成されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のバリアブルカットオフ印刷機。 - 該ブランケット胴は該ウェブを挟むようにして該ウェブの両面に対を成して配設され、該版胴は該各ブランケット胴に対してそれぞれ設けられ、対を成す該ブランケットは、該ウェブに対して面対称に配設されている
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のバリアブルカットオフ印刷機。 - 該駆動手段は、該ウェブが該ブランケットの印刷領域に接触する際には、該ウェブの速度と該ブランケット胴及び該版胴の周速度とが等しくなるようにそれぞれ基準速度に速度制御を行ない、該ブランケットの非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、該ウェブのカットオフ長さが短いほど該ウェブの走行速度が該基準速度よりも低くなるように速度制御を行なう
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のバリアブルカットオフ印刷機。 - 該駆動手段には、走行する該ウェブを貯蔵及び放出して該ブランケットと接触する部分の該ウェブの速度を制御するアキュムレータがそなえられている
ことを特徴とする、請求項5記載のバリアブルカットオフ印刷機。 - 該駆動手段は、該ブランケットの印刷領域が該ウェブ側を通過する印刷時には、該ウェブの走行速度と該ブランケット胴及び該版胴の周速度とが等しくなるようにそれぞれ基準速度に速度制御を行ない、該ブランケットの非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、該ウェブのカットオフ長さが短いほど該ブランケット胴及び該版胴の周速度が該基準速度よりも高くなるように速度制御を行なう
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のバリアブルカットオフ印刷機。 - 該駆動手段は、該ブランケットの該非印刷領域が該ウェブ側を通過する非印刷時には、まず該ブランケット胴及び該版胴の周速度を加速して該ウェブのカットオフ長さが短いほど該ブランケット胴及び該版胴の周速度を高速にして、その後減速して該ウェブが該ブランケットの印刷領域に接触するようになるまでに該ブランケット胴及び該版胴の周速度を該基準速度に復帰させる
ことを特徴とする、請求項7記載のバリアブルカットオフ印刷機。
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