JPH06182962A - ウエッブオフセット輪転印刷機におけるウエッブ送り停止機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、可及的に損紙を低減せしめること
のできるウエッブ送り停止機構を提供することを目的と
する。 【構成】 版胴１，ブラン胴２，圧胴３を有する印刷部
４を設け、ブラン胴２と圧胴３との間にウエッブ５を供
給して該ウエッブ５を印刷部４により印刷するウエッブ
オフセット輪転印刷機において、印刷部４の駆動源Ｍ₁
とウエッブ５を走行せしめるウエッブ送り機構６の駆動
源Ｍ₂，Ｍ₃とを別個に設け、ウエッブ送り機構６による
ウエッブ送りを停止せしめる際、ブラン胴２をウエッブ
５から離反せしめる離反機構７を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、印刷前段階における調
整時の損紙低減を達成し得るウエッブオフセット輪転印
刷機におけるウエッブ送り停止機構に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
らあるウエッブオフセット輪転印刷機は、印刷部即ち版
胴の駆動源とウエッブ送り機構の駆動源とが分離されて
おらず、印刷部とウエッブ送り機構の駆動源と同一にな
っている為例えば印刷前段階における印刷部の調整時に
おいて印刷部を作動せしめれば、必然的にウエッブ送り
もなされてしまい多量の損紙が生じてしまう。

【０００３】本発明はこのような欠点を解決したもの
で、印刷前段階における調整時の損紙を可及的に低減せ
しめたウエッブオフセット輪転印刷機におけるウエッブ
送り停止機構を提供することを技術的課題とするもので
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。

【０００５】版胴１，ブラン胴２，圧胴３を有する印刷
部４を設け、ブラン胴２と圧胴３との間にウエッブ５を
供給して該ウエッブ５を印刷部４により印刷するウエッ
ブオフセット輪転印刷機において、印刷部４の駆動源Ｍ
₁とウエッブ５を走行せしめるウエッブ送り機構６の駆
動源Ｍ₂，Ｍ₃とを別個に設け、ウエッブ送り機構６によ
るウエッブ送りを停止せしめる際、ブラン胴２をウエッ
ブ５から離反せしめる離反機構７を設けたことを特徴と
するウエッブオフセット輪転印刷機におけるウエッブ送
り停止機構に係るものである。

【０００６】

【作用】ウエッブ送り機構６によるウエッブ送りを停止
せしめる際、離反機構７の作用によりブラン胴２がウエ
ッブ５から離反し、従って、ウエッブ５に対する印刷作
用は停止する。

【０００７】

【実施例】本実施例は、表面に版を付設した版胴１と，
表面にブランケットを付設したブラン胴２（転写ロー
ル）と，圧胴３とを一組とする印刷部４(印刷ユニット)
を四組並設したタンデム形ウエッブオフセット輪転印刷
機を図示した場合で、版胴１，ブラン胴２，圧胴３の駆
動は駆動源Ｍ₁により行なわれる。

【０００８】ウエッブ送り機構６は、同速にして正逆回
転する同径のインフィートローラ８及びアウトフィート
ローラ９により構成され、このインフィートローラ８，
アウトフィートローラ９の駆動は、駆動源Ｍ₁と別個の
駆動源Ｍ₂，Ｍ₃により行なわれる。インフィートローラ
８，アウトフィートローラ９を正逆回転させるのは所定
量送ったウエッブ５を所定量戻し、再び所定量送るとい
う動きを行わせる為である。

【０００９】符号10はガイドローラ，13は切欠部，23は
版止着用切欠部である。

【００１０】離反機構７は、図３に図示した構造であ
る。フレーム15に架設されたブラン胴２は空圧アクチュ
エータ11により版胴１の中心を支点として図３中におい
て右方向に揺動可能に構成されている。符号14はブラン
胴２の軸を受ける軸受ケースで、ブラン胴２の軸芯と該
軸受ケース14の軸芯とは偏心している。この軸受ケース
14の突片14’と前記空圧アクチェータ11のピストンロッ
ド18とは固着され、また、この軸受ケース14の対面２カ
所には長窓16付の鍔部20が設けられており、フレーム15
に突設したピン17をガイドとして空圧アクチェータ11の
作動により軸受ケース14は回動し、軸受ケース14の軸芯
とブラン胴２の軸芯とが偏心していることによる偏心運
動により軸受けケース14が回動すると、ブラン胴２が版
胴１を中心に揺動し、ブラン胴２は圧胴３から離反す
る。符号19，22は、軸受ケース14の回動量調節機構であ
る。

【００１１】ブラン胴２がウエッブ５から離反した場合
においても版胴１は回動しており、ブラン胴２も回動し
ているが、この版胴１，ブラン胴２の回動角度の位置管
理はマイコンにより行う。

【００１２】ブラン胴２がウエッブ５から離反すると同
時に圧胴３が下降し、ウエッブ５下面に当接している圧
胴３もウエッブ５から離反するように構成しても良い。

【００１３】尚、４つの印刷部４の各ブラン胴２はすべ
て同時に揺動するように構成される。

【００１４】符号21は圧胴３の軸受ケースである。

【００１５】また、本実施例のウエッブ送り機構６に設
けた制御部12は、回動する版胴１の１サイクル終了時且
つウエッブ送り加速度(＝インフィートローラ８，アウ
トフィートローラ９の回転加速度)が零の時にインフィ
ートローラ８，アウトフィートローラ９を停止制御する
ように構成されている(勿論版胴１の１サイクルの途中
においてウエッブ送りを停止せしめることも可能であ
る。)。

【００１６】図４は、上から順に印刷位相とウエッブ送
り長さとの関係を表すグラフ，印刷位相とウエッブ送り
速度との関係を表すグラフ，印刷位相とウエッブ送り加
速度との関係を表すグラフである。

【００１７】従って、Ｘの点，Ｙの点，・・・におい
て、インフィートローラ８，アウトフィートローラ９を
制御部12において停止制御する際同時に空圧アクチュエ
ータ11を作動させてブラン胴２を揺動させ、ウエッブ５
との当接を解除するのが本実施例である。

【００１８】尚、印刷位相は圧胴３に設けたロータリー
エンコーダＲＥなどの適宜な手段により測定する。ま
た、図４の中段のグラフ中の区間Ｌ₁はインフィートロ
ーラ８，アウトフィートローラ９が正転し且つブラン胴
２と圧胴３とが当接している印刷区間，区間Ｌ₂はイン
フィートローラ８，アウトフィートローラ９が逆転し
（ウエッブ５が戻され）、且つブラン胴２と圧胴３とが
ブラン胴２に設けた切欠部13を介して離反している非印
刷区間である。

【００１９】本実施例は上記構成であるから、 ウエッブ５からブラン胴２が離反し、且つウエッブ
送り機構６によるウエッブ５の送りも停止する。即ち、
空圧アクチェータ11のピストンロッド18が突出し、軸受
ケース14をピン17をガイドとして回動せしめると、軸受
ケース14の軸芯とブラン胴２の軸芯とが偏心している為
ブラン胴２は図３において右上側にわずかだけ揺動し、
従って、ブラン胴２がウエッブ５から離反し、印刷作用
が停止し、且つウエッブ５の送りも停止する。従って、
損紙を可及的に低減せしめることが可能となる。 ウエッブ送り機構６が停止したとき、ブラン胴２が
ウエッブ５に当接しているとブラン胴２に付着している
インキがウエッブ５に地汚れと称されるインキの滲みを
現出せしめてしまうが、本実施例はブラン胴２がウエッ
ブ５から離反する為このような地汚れは生じない。

【００２０】 ウエッブ送りは、制御部12により版胴
１の１サイクル終了時にしてウエッブ送り加速度が零の
時に停止制御されるから、揺動してウエッブ５との当接
が解除されたブラン胴２が再び復帰揺動して、ウエッブ
送り機構６の作動が再開されてもこの再開される印刷
は、ウエッブ送り加速度が零の時点からの再開である為
印刷見当の狂いが極力押さえられる。そして、前記した
ようにブラン胴２がウエッブ５から離反した際の版胴
１，ブラン胴２の回動角度の位置管理は、マイコンによ
り行われる為、該ウエッブ送り停止，再開の前後で印刷
パターンが狂うことない。

【００２１】

【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、ウ
エッブ送りを停止せしめる際にブラン胴とウエッブとの
当接が解除される為損紙を可及的に低減し得ることにな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の説明図である。

【図２】本発明の要部の説明図である。

【図３】本発明の離反機構の説明正面図である。

【図４】本発明の作動説明のグラフである。

【符号の説明】

１ 版胴 ２ ブラン胴 ３ 圧胴 ４ 印刷部 ５ ウエッブ ６ ウエッブ送り機構 ７ 離反機構 Ｍ₁ 駆動源 Ｍ₂ 駆動源 Ｍ₃ 駆動源

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 版胴，ブラン胴，圧胴を有する印刷部を
   設け、ブラン胴と圧胴との間にウエッブを供給して該ウ
   エッブを印刷部により印刷するウエッブオフセット輪転
   印刷機において、印刷部の駆動源とウエッブを走行せし
   めるウエッブ送り機構の駆動源とを別個に設け、ウエッ
   ブ送り機構によるウエッブ送りを停止せしめる際、ブラ
   ン胴をウエッブから離反せしめる離反機構を設けたこと
   を特徴とするウエッブオフセット輪転印刷機におけるウ
   エッブ送り停止機構。