JP2004147471A - スイッチング電源回路 - Google Patents

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安村 昌之
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Abstract

【課題】力率改善機能を備えるワイドレンジ対応のスイッチング電源回路として、コストダウン及び回路の小型軽量化を図る。
【解決手段】ハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータに対して、部分共振電圧回路を組み合わせた複合共振形コンバータにおいて、直流入力電圧(Ei)を生成する整流回路について、AC150V以下では倍電圧整流回路で、AC150V以上では全波整流回路となるように切り換え制御を行う構成とする。力率改善は、絶縁コンバータトランスPITに巻装した三次巻線N3に伝達されたスイッチング出力を整流電流経路に対して電圧帰還して整流電流を断続し、これにより交流入力電流の導通角を拡大するようにされた力率改善回路3を設ける。さらに、AC150V以上では、上記力率改善回路3を構成する三次巻線の巻線数、及びこれに接続される電圧帰還用インダクタのインダクタンスを増加させ、AC200V系時の力率を改善させる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、力率改善のための回路を備えたスイッチング電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高周波の比較的大きい電流及び電圧に耐えることができるスイッチング素子の開発によって、商用電源を整流して所望の直流電圧を得る電源回路としては、大部分がスイッチング方式の電源回路になっている。
スイッチング電源回路はスイッチング周波数を高くすることによりトランスその他のデバイスを小型にすると共に、大電力のDC−DCコンバータとして各種の電子機器の電源として使用される。
【0003】
ところで、一般に商用電源を整流すると平滑回路に流れる電流は歪み波形になるため、電源の利用効率を示す力率が損なわれるという問題が生じる。
また、歪み電流波形となることによって発生する高調波を抑圧するための対策が必要とされている。
【0004】
そこで、スイッチング電源回路において力率を改善する力率改善手段として、整流回路系においてPWM制御方式の昇圧型コンバータを設けて力率を1に近づける、いわゆるアクティブフィルタを設ける方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
このようなアクティブフィルタの基本構成としては、例えば次の図6に示すようになる。
この図6においては、商用交流電源ACにブリッジ整流回路Diを接続している。このブリッジ整流回路Diの正極/負極ラインに対しては並列に出力コンデンサCoutが接続される。ブリッジ整流回路Diの整流出力が出力コンデンサCoutに供給されることで、出力コンデンサCoutの両端電圧として、直流電圧Voutが得られる。この直流電圧Voutは、例えば後段のDC−DCコンバータなどの負荷10に入力電圧として供給される。
【0006】
また、力率改善のための構成としては、図示するようにして、インダクタL、高速リカバリ型のダイオードD、抵抗Ri、スイッチング素子Q、及び乗算器11を備える。
インダクタL、ダイオードDは、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と、出力コンデンサCoutの正極端子との間に、直列に接続されて挿入される。
抵抗Riは、ブリッジ整流回路Diの負極出力端子(一次側アース)と出力コンデンサCoutの負極端子との間に挿入される。
また、スイッチング素子Q1は、この場合には、MOS−FETが選定されており、図示するようにして、インダクタLとダイオードDの接続点と、一次側アース間に挿入される。
【0007】
乗算器11に対しては、フィードフォワード回路として、電流検出ラインLI及び波形入力ラインLwが接続され、フィードバック回路として電圧検出ラインLVが接続される。
乗算器11は、電流検出ラインLIから入力される、ブリッジ整流回路Diの負極出力端子に流れる整流電流レベルを検出する。
また、波形入力ラインLwから入力される、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子の整流電圧波形を検出する。これは、即ち、商用交流電源AC(交流入力電圧)の波形を絶対値化して検出していることに相当する。
また、電圧検出ラインLVから入力される、出力コンデンサCoutの直流電圧Voutに基づいて、直流入力電圧の変動差分を検出する。
そして、乗算器11からは、スイッチング素子Qを駆動するためのドライブ信号が出力される。
【0008】
電流検出ラインLIから乗算器11に対しては、ブリッジ整流回路Diの負極出力端子に流れる整流電流が入力される。乗算器11では、この電流検出ラインLIから入力された整流電流レベルを検出する。また、電圧検出ラインLVから入力される、出力コンデンサCoutの直流電圧Voutに基づいて、直流入力電圧の変動差分を検出する。また、波形入力ラインLwから入力される、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子の整流電圧波形を検出する。これは、即ち、商用交流電源AC(交流入力電圧)の波形を絶対値化して検出していることに相当する。
【0009】
乗算器11では、先ず、上記のようにして電流検出ラインLIから検出した整流電流レベルと、上記電圧検出ラインLVから検出した直流入力電圧の変動差分と乗算する。そして、この乗算結果と、波形入力ラインLwから検出した交流入力電圧の波形とによって、交流入力電圧VACと同一波形の電流指令値を生成する。
【0010】
さらに、この場合の乗算器11では、上記電流指令値と実際の交流入力電流レベル(電流検出ラインL1からの入力に基づいて検出される)を比較し、この差に応じてPWM信号についてPWM制御を行い、PWM信号に基づいたドライブ信号を生成する。そして、スイッチング素子Qは、このドライブ信号によってスイッチング駆動される。この結果、交流入力電流は交流入力電圧と同一波形となるように制御されて、力率がほぼ1に近付くようにして力率改善が図られることになる。また、この場合には、乗算器によって生成される電流指令値は、整流平滑電圧の変動差分に応じて振幅が変化するように制御されるため、整流平滑電圧の変動も抑制されることになる。
【0011】
図7(a)は、上記図6に示したアクティブフィルタ回路に入力される入力電圧Vin及び入力電流Iinを示している。電圧Vinは、ブリッジ整流回路Diの整流出力としての電圧波形に対応し、電流Iinは、ブリッジ整流回路Diの整流出力としての電流波形に対応する。ここで、電流Iinの波形は、ブリッジ整流回路Diの整流出力電圧(電圧Vin)と同じ導通角となっているが、これは、商用交流電源ACからブリッジ整流回路Diに流れる交流入力電流の波形も、この電流Iinと同じ導通角となっていることを示す。つまり、ほぼ1に近い力率が得られている。
【0012】
また、図7(b)は、出力コンデンサCoutに入出力するエネルギー(電力)Pchgの変化を示す。出力コンデンサCoutは、入力電圧Vinが高いときにエネルギーを蓄え、入力電圧Vinが低いときにエネルギーを放出して、出力電力の流れを維持する。
図7(c)は、上記出力コンデンサCoutに対する充放電電流Ichgの波形を示している。この充放電電流Ichgは、上記図7(b)の入出力エネルギーPchgの波形と同位相となっていることからも分かるように、出力コンデンサCoutにおけるエネルギーPchgの蓄積/放出動作に対応して流れる電流である。
【0013】
上記充放電電流Ichgは、入力電流Vinとは異なり、交流ライン電圧(商用交流電源AC)の第2高調波とほぼ同一の波形となる。交流ライン電圧には、出力コンデンサCoutとの間のエネルギーの流れによって、図7(d)に示すようにして、第2高調波成分にリップル電圧Vdが生じる。このリップル電圧Vdは、無効なエネルギー保存のために、図7(c)に示す充放電電流Ichgに対して、90°の位相差を有する。出力コンデンサCoutの定格は、第2高調波のリップル電流と、その電流を変調するブースト・コンバータ・スイッチからの高周波リップル電流を処理することを考慮して決定するようにされる。
【0014】
また、図8には、図6の回路構成を基として、基本的なコントロール回路系を備えたアクティブフィルタの構成例を示している。なお、図6と同一とされる部分については同一符号を付して説明を省略する。
ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と、出力コンデンサCoutの正極端子間には、スイッチングプリレギュレータ15が備えられる。このスイッチングプリレギュレータ15は、図6においては、スイッチング素子Q、インダクタL、及びダイオードDなどにより形成される部位となる。
【0015】
そして、乗算器11を含むコントロール回路系は、他に、電圧誤差増幅器12、除算器13、二乗器14を備えて成る。
電圧誤差増幅器12では、出力コンデンサCoutの直流電圧Voutを、分圧抵抗Rvo−Rvdにより分圧してオペアンプ15の非反転入力に入力する。オペアンプ15の反転入力には基準電圧Vrefが入力される。オペアンプ15では、基準電圧Vrefに対する分圧された直流電圧Voutの誤差に応じたレベルの電圧を、帰還抵抗Rvl、コンデンサCvlによって決定される増幅率により増幅して、誤差出力電圧Vveaとして除算器13に出力する。
【0016】
また、二乗器14には、いわゆるフィードフォワード電圧Vffが入力される。このフィードフォワード電圧Vffは、入力電圧Vinを平均化回路16(Rf11,Rf12,Rf13,Cf11,Cf12)により平均化した出力(平均入力電圧)とされる。二乗器14では、このフィードフォワード電圧Vffを二乗して除算器13に出力する。
【0017】
除算器13では、電圧誤差増幅器12からの誤差出力電圧Vveaについて、二乗器14から出力された平均入力電圧の二乗値により除算を行い。この除算結果としての信号を乗算器11に出力する。
つまり、電圧ループは、二乗器14、除算器13、乗算器11の系から成るものとされる。そして、電圧誤差増幅器12から出力される誤差出力電圧Vveaは、乗算器11で整流入力信号Ivacにより乗算される前の段階で、平均入力電圧(Vff)の二乗により除算されることになる。この回路によって、電圧ループの利得は、平均入力電圧(Vff)の二乗として変化することなく、一定に維持される。平均入力電圧(Vff)は、電圧ループ内において順方向に送られる開ループ補正の機能を有する。
【0018】
乗算器11には、上記除算器11により誤差出力電圧Vveaを除算した出力と、抵抗Rvacを介したブリッジ整流回路Diの正極出力端子(整流出力ライン)の整流出力(Iac)が入力される。ここでは、整流出力を電圧によるのではなく、電流(Iac)として示している。乗算器11では、これらの入力を乗算することによって、電流プログラミング信号(乗算器出力信号)Imoを生成して出力する。これは、図6にて説明した電流指令値に相当する。出力電圧Voutは、この電流プログラミング信号の平均振幅を可変することで制御される。つまり、電流プログラミング信号の平均振幅の変化に応じたPWM信号が生成され、このPWM信号に基づいたドライブ信号によってスイッチング駆動が行われることによって、出力電圧Voutのレベルをコントロールするものである。
したがって、電流プログラミング信号は、入力電圧と出力電圧を制御する平均振幅の波形を有する。なお、アクティブフィルタは、出力電圧Voutのみではなく、入力電流Vinも制御するようになっている。そして、フィードフォワード回路における電流ループは、整流ライン電圧によってプログラムされるということがいえるので、後段のコンバータ(負荷10)への入力は抵抗性になる。
【0019】
図9は、上記図6に示した構成に基づくアクティブフィルタの後段に対して電流共振形コンバータを接続して成る電源回路の構成例を示している。この図に示す電源回路は、AC100V系とAC200V系の両者の交流入力電圧に対応する、いわゆるワイドレンジ対応とされている。また、負荷電力300W以上の条件に対応可能な構成を採っている。また、電流共振形コンバータとしては、他励式のハーフブリッジ結合方式による構成を採る。
【0020】
この図9に示す電源回路においては、商用交流電源ACに対して、図示する接続態様により、2組のラインフィルタトランスLFT,LFTと、3組のアクロスコンデンサCLが接続され、この後段にブリッジ整流回路Diが接続される。また、ブリッジ整流回路Diの整流出力ラインには、1組のチョークコイルLNと、2組のフィルタコンデンサ(フィルムコンデンサ)CN,CNを図示するようにして接続して成るノーマルモードノイズフィルタ4が接続される。
【0021】
ブリッジ整流回路Diの正極出力端子は、上記チョークコイルLNと、パワーチョークコイルPCCのインダクタLpcと、高速リカバリ型の整流ダイオードD10の直列接続を介して、平滑コンデンサCiの正極端子と接続される。この平滑コンデンサCiは、図6,図8における出力コンデンサCoutに相当する。また、パワーチョークコイルPCCのインダクタLpcとダイオードD10は、それぞれ、図6に示したインダクタLとダイオードDに相当する。
また、この図における整流ダイオードD10には、コンデンサCsn−抵抗Rsnから成るRCスナバ回路が並列に接続される。
【0022】
スイッチング素子Q6,Q7から成るスイッチング素子の組は、図6におけるスイッチング素子Q10に相当する。つまり、実際にアクティブフィルタのスイッチング素子を実装するのにあたって、この場合には、2つのスイッチング素子Q6,Q7を1組としており、これらのスイッチング素子Q6,Q7を、それぞれ、パワーチョークコイルLpcと高速リカバリ型の整流ダイオードD10の接続点と、一次側アース(負極整流出力ライン)との間に並列に挿入するようにしている。
【0023】
このようにして、2つのスイッチング素子を備えるのは、信頼性確保のためである。
つまり、例えば交流入力電圧VACが100V以下となる条件では、スイッチング素子に流れるドレイン電流が総合で14Ap程度と非常に高くなる。そこで、2つのスイッチング素子を並列に接続することで、各スイッチング素子に流れるドレイン電流のピークレベルを抑えているものである。
この場合のスイッチング素子Q6,Q7には、MOS−FETが選定されている。そして、スイッチング素子Q6,Q7の各ゲート−ソース間には、それぞれ、ゲート−ソース間抵抗R52,R54が接続されている。
【0024】
アクティブフィルタコントロール回路20は、この場合には力率を1に近づけるように力率改善を行うアクティブフィルタの動作を制御するもので、例えば1石の集積回路(IC)とされている。
この場合、アクティブフィルタコントロール回路20は、乗算器、除算器、誤差電圧増幅器、PWM制御回路、及びスイッチング素子をスイッチング駆動するためのドライブ信号を出力するドライブ回路等を備えて構成される。図8に示した乗算器11、誤差電圧増幅器12、除算器13、及び二乗器14などに相当する回路部は、このアクティブフィルタコントロール回路20内に搭載される。
【0025】
この場合、フィードバック回路は平滑コンデンサCiの両端電圧(整流平滑電圧Ei)を分圧抵抗R55,R56,R57により分圧した電圧値を、アクティブフィルタコントロール回路20の端子T1に入力するようにして形成される。
【0026】
また、フィードフォワード回路としては、先ず、抵抗R58を介して整流出力が端子T3に入力される。これによって、交流入力電圧波形の検出と、平均化回路のための対応するフィードフォワード回路が形成されている。
また、ブリッジ整流回路Diの負極出力端子と一次側アース間に挿入される抵抗R61との接続点から、抵抗R60を介して、端子T6に対して整流電流レベルを入力するようにしている。つまり、図8における電流検出ラインLIに相当するラインとしてのフィードフォワード回路が形成されている。
【0027】
また、端子T4には、起動抵抗Rsを介したブリッジ整流回路Diの正極の整流出力が、起動電圧として入力されている。アクティブフィルタコントロール回路20は、電源起動時において、この端子T4に入力される起動電圧によって起動される。
また、パワーチョークコイルPCCにおいては、インダクタLpcとトランス結合された巻線N5が巻装されている。この巻線N5に励起された交番電圧は、ダイオードD11及びコンデンサC11とから成る半波整流回路により所定の低圧直流電圧に変換されるが、上記端子T4には、この低圧直流電圧も入力されている。アクティブフィルタコントロール回路20は、上記起動電圧により起動した後は、この低圧直流電圧を電源として入力して動作するようになっている。
また、端子T5は、抵抗R59を介して、一次側アースと接続されている。
【0028】
端子T2からは、スイッチング素子を駆動するためのドライブ信号が出力される。そして、この端子T2に対しては、トランジスタQ21,Q21及びツェナーダイオードZDから成る、いわゆるトーテムポール回路が接続されている。この場合のトーテムポール回路は、1つのドライブ信号によって2つのスイッチング素子Q6,Q7を駆動するのに必要な電力を得るためにドライブ信号を増幅することと、周知のようにして、MOS−FETとしてのスイッチング素子Q6,Q7を安定して高速スイッチングすることを目的として設けられている。
このトーテムポール回路から出力されたドライブ信号は、分岐して、それぞれ抵抗R51,R53を介してスイッチング素子Q6,Q7のゲートに対して出力される。
スイッチング素子Q6では、上記のようにして印加されるドライブ信号に応じて、ゲート−ソース間抵抗R52の両端にゲート電圧が発生するようになっている。そして、ゲート電圧が閾値以上となることでオンとなり、閾値以下となるとオフとなるようにしてスイッチング動作を行う。
スイッチング素子Q7も同様にして、ドライブ信号によってゲート−ドレイン抵抗R54の両端電圧であるゲート電圧が閾値以上/以下で変化するのに応じて、上記スイッチング素子Q6と同じオン/オフタイミングでスイッチング動作を行う。
【0029】
そして、上記したスイッチング素子Q6,Q7のスイッチング駆動は、図6及び図8により説明したようにして、整流出力電流の導通角が、整流出力電圧波形とほぼ同等の導通角となるように、PWM制御に基づくドライブ信号によって行われる。整流出力電流の導通角が整流出力電圧波形とほぼ同等の導通角となるということは、即ち、商用交流電源ACから流入する交流入力電流の導通角が、交流入力電圧VACの波形とほぼ同じ導通角となることであり、結果的に、力率がほぼ1となるように制御されることになる。つまり、力率改善が図られる。実際においては、力率PF=0.99〜0.98となる特性が得られている。
【0030】
また、この図9に示すアクティブフィルタコントロール回路20によっては、整流平滑電圧Ei(図8では、Voutに相当する)=375Vの平均値について、交流入力電圧VAC=85V〜264Vの範囲で定電圧化するようにも動作する。つまり、後段の電流共振形コンバータには、交流入力電圧VAC=85V〜264Vの変動範囲に関わらず、375Vで安定化された直流入力電圧が供給されることとなる。
上記交流入力電圧VAC=85V〜264Vの範囲は、商用交流電源AC100V系と200V系を連続的にカバーするものであり、従って、後段のスイッチングコンバータには、商用交流電源AC100V系と200V系とで、同じレベルで安定化された直流入力電圧(Ei)が供給されることとなる。つまり、図9に示す電源回路は、アクティブフィルタを備えることで、ワイドレンジの電源回路としても構成されている。
【0031】
アクティブフィルタの後段の電流共振形コンバータは、図示するようにして、2石のスイッチング素子Q1,Q2を備えて成る。この場合には、スイッチング素子Q1がハイサイドで、スイッチング素子Q2がローサイドとなるようにしてハーフブリッジ接続し、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)に対して並列に接続している。つまり、ハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータを形成している。
【0032】
この場合の電流共振形コンバータは他励式とされ、これに対応して上記スイッチング素子Q1,Q2には、MOS−FETが用いられている。これらスイッチング素子Q1,Q2に対しては、それぞれ並列にクランプダイオードDD1,DD2が接続され、これによりスイッチング回路が形成される。これらクランプダイオードDD1,DD2は、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時における逆方向電流を流す経路を形成する。
スイッチング素子Q1,Q2は、ドライブ回路21によって、交互にオン/オフとなるタイミングによって所要のスイッチング周波数によりスイッチング駆動される。また、ドライブ回路21は、後述する二次側直流出力電圧Eoのレベルに応じてスイッチング周波数を可変制御し、これにより、二次側直流出力電圧Eoの安定化を図るようにされる。
【0033】
絶縁コンバータトランスPITは、上記スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力を一次側から二次側に伝送するために設けられる。
絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の一方の端部は、スイッチング素子Q1,Q2の接続点(スイッチング出力点)に対して接続され、他方の端部は、直列共振コンデンサC1を介して一次側アースに接続される。ここで、直列共振コンデンサC1は、自身のキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンス(L1)とによって直列共振回路を形成する。この直列共振回路は、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力が供給されることで共振動作を生じるが、これによって、スイッチング素子Q1,Q2から成るスイッチング回路の動作を電流共振形とする。
【0034】
絶縁コンバータトランスPITの二次側には二次巻線N2が巻装される。
この場合の二次巻線N2に対しては、図示するようにしてセンタータップを設けて二次側アースに接続した上で、図示するようにして整流ダイオードDO1,DO2、及び平滑コンデンサCOから成る両波整流回路を接続している。これにより、平滑コンデンサCOの両端電圧として二次側直流出力電圧EOが得られる。この二次側直流出力電圧EOは、図示しない負荷側に供給されるとともに、ドライブ回路21のための検出電圧としても分岐して入力される。前述もしたように、ドライブ回路21は、入力される二次側直流出力電圧EOのレベルに基づいて、二次側直流出力電圧EOが安定化されるようにスイッチング周波数を可変するようにしてスイッチング素子Q1,Q2を駆動する。つまり、スイッチング周波数制御方式による安定化を行う。
【特許文献1】
特開平6−327246号公報(第11図)
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
これまでの説明から分かるように、先行技術として図9に示した電源回路は、従来から知られている図6及び図8に示したアクティブフィルタを実装して構成されている。このような構成を採ることによって、力率改善を図っている。また、負荷電力300W以上の条件の下で、商用交流電源AC100V系とAC200V系とで動作する、いわゆるワイドレンジ対応としている。
【0036】
しかしながら、上記図9に示した構成による電源回路では次のような問題を有している。
図9に示す電源回路における電力変換効率としては、図9に示しているように、前段のアクティブフィルタに対応するAC−DC電力変換効率(ηAC→DC)と、後段の電流共振形コンバータのDC−DC電力変換効率(ηDC→DC)とを総合的したものとなる。
そして、AC100V系時に対応する交流入力電圧VAC=100Vの条件では、ηAC→DC=94%、ηDC→DC=96%であり、総合効率は90.2%となる。これに対して、AC200V系時に対応する交流入力電圧VAC=240Vの条件では、ηAC→DC=97%、ηDC→DC=96%となり、総合効率は93.1%となる。つまり、交流入力電圧VAC=240V時に対して、交流入力電圧VAC=100V時においては、アクティブフィルタ回路側における電力変換効率が低下して、総合効率が低下してしまう。
【0037】
また、アクティブフィルタ回路はハードスイッチング動作であることから、ノイズの発生レベルが非常に大きいため、比較的重度のノイズ抑制対策が必要となる。
このため、図9に示した回路では、商用交流電源ACのラインに対して、2組のラインフィルタトランスLFTと、3組のアクロスコンデンサによるノイズフィルタを形成している。つまり、2段以上のラインノイズフィルタが必要となっている。
また、整流出力ラインに対しては、1組のチョークコイルLNと、2組のフィルタコンデンサCNから成るノーマルモードノイズフィルタを設けている。さらに、整流用の高速リカバリ型のダイオードD10に対しては、RCスナバ回路を設けている。
このようにして、実際の回路としては、非常に多くの部品点数によるノイズ対策が必要であり、コストアップ及び電源回路基板の実装面積の大型化を招いている。
【0038】
また、前述もしたように、図9に示す回路では、交流入力電圧VACが100V以下の条件ではスイッチング素子に流れるドレイン電流のピークレベルが上昇するので、MOS−FETのスイッチング素子としては、スイッチング素子Q6,Q7の2本を並列接続して信頼性を確保する必要が生じる。
このようにして、図9に示す回路ではスイッチング素子を2本並列接続している。しかしながら、これに対して、汎用ICとしてのアクティブフィルタコントロール回路20は、ドライブ信号の出力端子として、端子T2の1つしか備えていない。このために、アクティブフィルタコントロール回路20からのドライブ信号出力を2つに分岐して各スイッチング素子Q6,Q7に印加する必要があるが、そのままでは電力が不足して高い信頼性でもってスイッチング素子を駆動することが難しい。そこで、図9にも示したように、トランジスタQ21,Q22を備えたトーテムポール回路が必要となるが、これによっても、部品点数が増加していることになる。
【0039】
さらに、汎用ICとしてのアクティブフィルタコントロール回路20によって動作するスイッチング素子Q6,Q7のスイッチング周波数は50KHzであるのに対して、後段の電流共振形コンバータのスイッチング周波数は70KHz〜150KHzの範囲となっている。これにより、1次側アース電位が干渉しあって、電源回路としての動作が不安定になりやすいという問題も有している。
【0040】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記した課題を考慮して、スイッチング電源回路として次のように構成する。
つまり、商用交流電源を入力して整流平滑電圧を生成するものとされ、入力される商用交流電源のレベルに応じて、商用交流電源レベルの等倍に対応するレベルの上記整流平滑電圧を生成する等倍電圧整流動作と、商用交流電源レベルの2倍に対応するレベルの上記整流平滑電圧を生成する倍電圧整流動作とで切り換えが行われる整流平滑手段を備える。
また、整流平滑電圧を直流入力電圧として入力してスイッチング動作を行うものとされ、ハイサイドのスイッチング素子と、ローサイドのスイッチング素子とをハーフブリッジ結合して形成されるスイッチング手段と、上記各スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段を備える。
また、少なくとも、スイッチング手段のスイッチング動作により得られるスイッチング出力が供給される一次巻線と、この一次巻線に得られたスイッチング出力としての交番電圧が励起される二次巻線とを巻装して形成される絶縁コンバータトランスを備える。
また、少なくとも、絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、一次巻線に直列接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直列共振回路を備える。
また、各ハーフブリッジ回路を形成する2つのスイッチング素子のうち、一方のスイッチング素子に対して並列接続された部分電圧共振コンデンサのキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分によって形成され、各スイッチング素子がターンオン及びターンオフするタイミングに応じてのみ電圧共振動作が得られる一次側部分電圧共振回路を備える。
また、絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して、整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、二次側直流出力電圧のレベルに応じてスイッチング駆動手段を制御して、スイッチング手段のスイッチング周波数を可変することで、二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された定電圧制御手段を備える。また、絶縁コンバータトランスの一次側に巻装した三次巻線に励起される交番電圧を利用して整流電流成分を断続して、整流平滑手段における整流電流経路に対して供給するように構成される力率改善回路と、上記絶縁コンバータトランスの一次側に巻装した三次巻線に励起される交番電圧を利用して整流電流成分を断続して、上記整流平滑手段における整流電流経路に対して供給するように構成される力率改善回路と、さらに、上記商用交流電源のレベルに応じて、上記三次巻線としての巻数と、この三次巻線に接続される電圧帰還用のインダクタのインダクタンスを切り換える切り換え手段とを備えることとしている。
【0041】
上記構成によると、本発明のスイッチング電源回路は、一次側スイッチングコンバータとして、ハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータに対して、部分共振電圧回路を組み合わせた構成を採っていることになる。また、力率改善は、絶縁コンバータトランスに巻装した三次巻線に伝達されたスイッチング出力を整流電流経路に対して電圧帰還して整流電流を断続し、これにより交流入力電流の導通角を拡大して力率改善を図る構成が採られる。
そして、ワイドレンジ対応とするのにあたっては、整流平滑電圧(直流入力電圧)を生成する整流平滑手段について、商用交流電源レベルに応じて等倍電圧整流動作と倍電圧整流動作とで整流動作の切り換えが行われるようになる。
これにより、例えば力率改善回路を備える電源回路としてワイドレンジ対応の構成とするのにあたり、スイッチングコンバータへの直流入力電圧の安定化を図るアクティブフィルタを備える必要がなくなる。
【0042】
その上で、上記構成によれば、商用交流電源レベルに応じて、上記三次巻線としての巻数と、この三次巻線に接続される電圧帰還用のインダクタのインダクタンスとが切り換えられるようになる。そして、これにより、商用交流電源として、AC200V系に対応する交流入力電圧が入力された場合における力率を向上することが可能となる。
【0043】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による第1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成を示している。この図に示す電源回路は、先行技術として図9に示した回路と同様に、負荷電力Po=300W以上に対応可能で、かつ、商用交流電源AC100V系とAC200V系とで動作するワイドレンジ対応としての構成を採る。
【0044】
この図1に示す電源回路においては、先ず商用交流電源ACのラインに対して、各1組のアクロスコンデンサCL及びラインフィルタトランスLFTとから成る、ラインノイズフィルタが接続される。つまり、この場合には、1段のラインノイズフィルタのみが設けられる。
そして、商用交流電源ACのラインにおいては、上記ラインノイズフィルタの後段に対して、1組のフィルタコンデンサCNが並列に接続される。このフィルタコンデンサCNは、次に説明するブリッジ整流回路Diの整流出力ラインに発生するノーマルモードノイズを抑制するためのものとされる。
【0045】
この場合、商用交流電源から整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を生成する整流回路系は、ブリッジ整流回路Diと、2本の平滑コンデンサCi1,Ci2を備えて成る。平滑コンデンサCi1,Ci2は同じキャパシタンスを有する。
ブリッジ整流回路Diの正極入力端子は、上記商用交流電源ACの正極ラインに対して接続され、ブリッジ整流回路Diの負極入力端子は、後述するリレースイッチS1の端子t3に接続される。
また、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子は、平滑コンデンサCi1側の正極端子に接続され、負極出力端子は、一次側アースに接続される。
平滑コンデンサCi1,Ci2は、図示するようにして、平滑コンデンサCi1の正極端子と、平滑コンデンサCi2の負極端子とが接続されるようにして直列に接続される。そして、平滑コンデンサCi1側の正極端子は、上記もしたように、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と接続される。平滑コンデンサCi2側の負極端子は一次側アースに接続される。整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)は、平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路の両端電圧として得られる。
【0046】
ここで、本実施の形態の場合、このように構成される整流平滑回路には、リレースイッチS1を挿入している。
このリレースイッチS1としては、端子t1に対して端子t2又は端子t3が択一的に接続されるようにして切り換えが行われる、いわゆる2接点となっている。そして、図のように上記端子t1が、フィルタコンデンサCNにおける商用交流電源ACの負極ライン側の端子に接続され、端子t2が平滑コンデンサCi1−Ci2の接続点に対して接続され、さらに端子t3がブリッジ整流回路Diの負極入力端子に接続されるようにしている。
このリレースイッチS1における端子t2、t3の切り換え動作は、次に説明するように、整流回路切換モジュール5に接続されたリレーRLの駆動状態に応じて行われるものとなる。
【0047】
整流回路切換モジュール5は、リレーRLを駆動することで、上記したリレースイッチS1、及び後述するリレースイッチS2をAC100V系とAC200V系とで切り換えるために設けられる。このために、整流回路切換モジュール5の検出端子T11には、図のように整流平滑電圧Eiが入力されるようになっている。
つまり、先ず、整流平滑電圧Eiのラインと一次側アース間に対し、図のように抵抗R1と、さらにこの抵抗R1と直列に接続された分圧抵抗R2―R3の直列接続回路を挿入する。その上で、上記分圧抵抗R2―R3の直列接続回路の分圧点と、上記検出端子T11を接続するものである。
これにより、上記検出端子T11には、上記整流平滑電圧Eiに応じたレベルの電圧が得られるようになる。そして、整流平滑電圧Eiのレベルは、商用交流電源ACのレベルに応じた変化を示すものとなることから、この整流回路切換モジュール5では、上記検出端子T11に得られた電圧レベルに基づいて、商用交流電源ACのレベルを検出することが可能となる。
【0048】
また、リレー駆動端子T12,T13間に対してはリレーRLが接続される。このリレーRLは、自身の導通状態に応じて、リレースイッチS1、及びリレースイッチS2の接点切り換え動作を制御するようにされる。
なお、ここでは、リレーRLが導通状態(AC100V系時)では、リレースイッチS1及びリレースイッチS2においては、共に端子t1に対して端子t2が接続される状態となるように切り換えが行われる。また、リレーRLが非導通状態(AC200V系時)では、リレースイッチS1及びリレースイッチS2では、共に端子t1に対して端子t3が接続される状態となるように切り換えが行われるようにされている。
また、整流回路切換モジュール5の電源入力端子T14には5Vの低圧直流電圧が入力されている。整流回路切換モジュール5は、この電源入力端子T14に入力された直流電圧を入力電源として動作するようになっている。端子T15は、整流回路切換モジュール5のアースラインを一次側アースに接地させるための端子である。
【0049】
この整流回路切換モジュール5では、上記のようにして検出端子T11に入力される整流平滑電圧Eiに応じた電圧レベルと、所定の基準電圧とを比較する。検出端子T11に入力される電圧レベルは、交流入力電圧VAC=150V以上であるときには上記基準電圧以上となり、交流入力電圧VACが150V以下であるときには上記基準電圧以下となる。つまり、基準電圧は、交流入力電圧VAC=150Vに対応したレベルとなっている。
そして、整流回路切換モジュール5は、分圧レベルが基準電圧以下であるときには、リレーRLをオンとし、基準電圧以上であるときには、リレーRLをオフとするように駆動する。
【0050】
ここで、例えばAC100V系であるのに対応して、交流入力電圧VAC=150V以下に対応するレベルの整流平滑電圧Eiが発生したとする。
この場合、上記整流回路切換モジュール5においては、検出端子T11に入力される電圧レベルが上記基準電圧以下となることから、リレーRLがオンとされるように制御される。
これに伴い、リレースイッチS1側としては、端子t1に対して端子t2が接続されるように制御されるようになる。
リレースイッチS1において、このように端子t1に対して端子t2が接続される状態では、商用交流電源ACの負極ラインと平滑コンデンサCi1−Ci2の接続点が接続された状態となる。このため、交流入力電圧VACが正の期間では、ブリッジ整流回路Diによる整流出力が、平滑コンデンサCi1のみに充電される整流電流経路が形成される。一方、交流入力電圧VACが負の期間では、ブリッジ整流回路Diによる整流出力が、平滑コンデンサCi2のみに充電される整流電流経路が形成される。
このようにして整流動作が行われる結果、平滑コンデンサCi1,Ci2の各両端電圧として、交流入力電圧VACの等倍に対応したレベルが生じることになる。従って、平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路の両端電圧である整流平滑電圧Eiとしては、交流入力電圧VACの2倍に対応するレベルが得られる。つまり、いわゆる倍電圧整流回路が形成されるものである。
【0051】
これに対して、AC200V系であるのに対応して、交流入力電圧VAC=150V以上に対応するレベルの整流平滑電圧Eiが発生したとする。
この場合、検出端子T11に入力される電圧レベルが基準電圧以上となるので、整流回路切換モジュール5は、リレーRLをオフとする。これに応じて、リレースイッチS1では、端子t1に対して端子t2が接続される状態が得られるようになる。
リレースイッチS1において、このように端子t1に対して端子t3が接続される状態では、ブリッジ整流回路Diの負極入力端子と商用交流電源ACの負極ラインが接続された状態となり、交流入力電圧VACが正/負となる各期間において、交流入力電圧VACをブリッジ整流回路Diにより整流して平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路に整流電流を充電する動作が得られる。つまり、通常のブリッジ整流回路を備えた全波整流回路による整流動作が得られる。これにより、平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路の両端電圧として、交流入力電圧VACの等倍に対応する整流平滑電圧Eiが得られるようになる。
【0052】
このようにして、本実施の形態のスイッチング電源回路では、上記したような整流回路切換モジュール5、リレーRL、及びリレースイッチS1の動作により、商用交流電源AC100V系の場合には、倍電圧整流動作により交流入力電圧VACの2倍に対応する整流平滑電圧Eiが生成されるようになる。また、商用交流電源AC200V系の場合には、例えば全波整流回路による等倍電圧整流動作によって、交流入力電圧VACの等倍に対応する整流平滑電圧Eiが生成されるようになる。
つまり、商用交流電源AC100V系の場合と、AC200V系の場合とで、結果的に同等レベルの整流平滑電圧Eiが得られるようにしており、これによって、ワイドレンジ対応としているものである。
これにより、本実施の形態のスイッチング電源回路では、ワイドレンジ対応とするにあたってアクティブフィルタを不要としているものである。
なお、上記整流回路切換モジュール5、及びリレーRLの動作に伴うリレースイッチS2側における切り換え動作については後述する。
【0053】
上記のような整流回路により生成される直流入力電圧を入力して動作するスイッチングコンバータとしては、電流共振形コンバータとしての基本構成を採る。そして、ここでは、図示するようにして、MOS−FETによる2本のスイッチング素子Q1(ハイサイド),Q2(ローサイド)をハーフブリッジ結合により接続している。スイッチング素子Q1,Q2の各ドレイン−ソース間に対しては、図示する方向により、それぞれダンパーダイオードDD1,DD2を並列に接続している。
【0054】
また、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対しては、部分共振コンデンサCpが並列に接続される。この部分共振コンデンサCpのキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンスL1によっては並列共振回路(部分電圧共振回路)を形成する。そして、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得られるようになっている。
【0055】
コントロールIC2は、電流共振形コンバータを他励式により駆動するための発振回路、制御回路、及び保護回路等を備えて構成されるもので、内部にバイポーラトランジスタを備えた汎用のアナログIC(Integrated Circuit)とされる。このコントロールIC2は、電源入力端子Vccに入力される直流電圧により動作する。また、このコントロールIC2は、アース端子Eにより一次側アースに接地させるようにしている。
【0056】
そして、コントロールIC2においては、スイッチング素子に対してドライブ信号(ゲート電圧)を出力するための端子として、2つのドライブ信号出力端子VGH,VGLが備えられる。
ドライブ信号出力端子VGHからは、ハイサイドのスイッチング素子をスイッチング駆動するためのドライブ信号が出力され、ドライブ信号出力端子VGLからは、ローサイドのスイッチング素子をスイッチング駆動するためのドライブ信号が出力される。
そして、この場合には、ドライブ信号出力端子VGHは、ハイサイドのスイッチング素子Q1のゲートと接続される。また、ドライブ信号出力端子VGLは、ローサイドのスイッチング素子Q2のゲートと接続される。
これにより、ドライブ信号出力端子VGHから出力されるハイサイド用のドライブ信号は、スイッチング素子Q1のゲートに対して印加され、ドライブ信号出力端子VGLから出力されるローサイド用のドライブ信号は、スイッチング素子Q2のゲートに対して印加されることになる。
【0057】
コントロールIC2では、内部の発振回路により所要の周波数の発振信号を生成する。なお、この発振回路は、後述するようにして制御回路1から端子Vcに入力される制御出力のレベルに応じて、発振信号の周波数を可変するようにされている。
そして、コントロールIC2では、上記発振回路にて生成された発振信号を利用して、ハイサイド用のドライブ信号と、ローサイド用のドライブ信号を生成する。そして、ハイサイド用のドライブ信号をドライブ信号出力端子VGHから出力し、ローサイド用のドライブ信号をドライブ信号出力端子VGLから出力するようにされる。
【0058】
上記説明によると、スイッチング素子Q1に対しては、ドライブ信号出力端子VGHから出力されるハイサイド用のドライブ信号が印加される。これによって、スイッチング素子Q1のゲート−ソース間電圧VGH1としては、このハイサイド用のドライブ信号に対応した波形が得られることになる。
つまり、図2(a)に示すようにして、1スイッチング周期内において、正極性による矩形波のパルスが発生する期間と、0Vとなる期間が得られることになる。
そして、この図2(a)に示されるゲート−ソース間電圧VGH1によって、スイッチング素子Q1は、先ず、1スイッチング周期内において、正極性の矩形波パルスが得られるタイミングでオン状態となるようにされる。つまり、スイッチング素子Q1がオンとなるには、ゲート閾値電圧(≒5V)以上の適切なレベルの電圧が印加されることが必要である。上記正極性のパルスとしてのゲート−ソース間電圧VGH1は10Vとなるように設定されているから、この正極性のパルスが印加される期間に対応してオンとなる状態が得られることになる。そして、ゲート−ソース間電圧VGH1が0Vでゲート閾値電圧以下となると、オフ状態に切り換わることになる。このようなタイミングにより、スイッチング素子Q1は、オン/オフするようにしてスイッチング動作を行うことになる。
【0059】
一方、スイッチング素子Q2に対しては、ドライブ信号出力端子VGLから出力されるローサイド用のドライブ信号が印加されるようになっている。このドライブ信号に応じては、図2(b)に示す波形によるスイッチング素子Q2のゲート−ソース間電圧VGL1が得られる。
つまり、ゲート−ソース間電圧VGL1は、図2(a)に示したスイッチング素子Q1のゲート−ソース間電圧VGH1と同じ波形とされたうえで、タイミングとしては、ゲート−ソース間電圧VGH1に対して180°の位相差を有した波形が得られているものである。このことから、スイッチング素子Q2は、スイッチング素子Q1と交互にオン/オフするタイミングによりスイッチング駆動されることになる。
また、図2(a)(b)によると、スイッチング素子Q1がターンオフしてスイッチング素子Q2がターンオンするまでの間と、スイッチング素子Q2がターンオフして、スイッチング素子Q1がターンオンするまでの間には期間tdが形成されるようになっている。
【0060】
この期間tdは、スイッチング素子Q1,Q2が共にオフとなるデッドタイムである。このデッドタイムとしての期間tdは、部分電圧共振動作として、スイッチング素子Q1,Q2がターンオン/ターンオフするタイミングでの短時間において、部分共振コンデンサCpにおける充放電の動作が確実に得られるようにすることを目的として形成している。そして、このような期間tdとしての時間長は、例えばコントロールIC2側で設定することができるようになっており、コントロールIC2では、設定された時間長による期間tdが形成されるように、ドライブ信号出力端子VGH,VGLから出力すべきドライブ信号についてのパルス幅のデューティ比を可変する。
【0061】
絶縁コンバータトランスPITはスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力を二次側に伝送するものであり、一次巻線N1と二次巻線N2が巻装される。また、本実施の形態では後述する力率改善回路3を形成する三次巻線N3も巻装される。
この絶縁トランスPITの一次巻線N1の一端は、図示する一次側並列共振コンデンサC1を介してスイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q2のドレインとの接続点(スイッチング出力点)に接続される。また、他端は一次側アースに接続される。
ここで、上記直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと、一次巻線N1を含む絶縁コンバータトランスPITのリーケージインダクタンスL1によっては、一次側直列共振回路が形成される。そして、上記のようにして、この一次側直列共振回路がスイッチング出力点に対して接続されていることで、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力が一次側直列共振回路に伝達されることになる。一次側直列共振回路では伝達されたスイッチング出力に応じて共振動作するが、これによって、一次側スイッチングコンバータの動作を電流共振形とする。
【0062】
上記説明によると、この図に示す一次側スイッチングコンバータとしては、一次側直列共振回路(L1−C1)による電流共振形としての動作と、前述した部分電圧共振回路(Cp//L1)とによる部分電圧共振動作とが得られることになる。
つまり、この図に示す電源回路は、一次側スイッチングコンバータを共振形とするための共振回路に対して、他の共振回路とが組み合わされた形式を採っていることになる。本明細書では、このようなスイッチングコンバータについて、複合共振形コンバータということにする。
【0063】
ここでの図示による説明は省略するが、絶縁コンバータトランスPITの構造としては、例えばフェライト材によるE型コアを組み合わせたEE型コアを備える。そして、一次側と二次側とで巻装部位を分割したうえで、一次巻線N1(三次巻線N3)の組と、次に説明する二次巻線N2を、EE型コアの中央磁脚に対して巻装している。
そして、EE型コアの中央磁脚に対しては1.0mm〜1.5mmのギャップを形成するようにしている。これによって、0.7〜0.8程度の結合係数による疎結合の状態を得るようにしている。
【0064】
絶縁コンバータトランスPITの二次側には、二次巻線N2が巻装されている。この二次巻線N2には、一次巻線N1に伝達されたスイッチング出力に応じた交番電圧が励起される。
二次巻線N2に対しては、図示するようにしてセンタータップを設けて二次側アースに接続した上で、図示するようにして整流ダイオードDO1,DO2、及び平滑コンデンサCOから成る両波整流回路を接続している。これにより、平滑コンデンサCOの両端電圧として二次側直流出力電圧EOが得られる。この二次側直流出力電圧EOは、図示しない負荷側に供給されるとともに、次に説明する制御回路1のための検出電圧としても分岐して入力される。
【0065】
制御回路1は、例えば二次側の直流出力電圧EOのレベルに応じて、そのレベルが可変される電流又は電圧を制御出力として得る。この制御出力は、コントロールIC2の制御端子Vcに対して出力される。
コントロールIC2では、制御端子Vcに入力された制御出力レベルに応じて、ドライブ信号出力端子VGH,VGLから出力すべきハイサイド用のドライブ信号と、ローサイド用のドライブ信号とについて、互いに交互にオン/オフさせるタイミングを保たせたうえで、各ドライブ信号の周波数を同期させた状態で可変するように動作する。
これにより、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数は、制御端子Vcに入力された制御出力レベル(つまり二次側直流出力電圧レベル)に応じて、可変制御されることになる。
スイッチング周波数が可変されることによっては、一次側直列共振回路における共振インピーダンスが変化することになる。このようにして共振インピーダンスが変化することによっては、一次側の直列共振回路の一次巻線N1に供給される電流量が変化して二次側に伝送される電力も変化することになる。これにより、二次側直流出力電圧E0のレベルが変化することとなって定電圧制御が図られることになる。
【0066】
そして、図1に示す電源回路においては、これまで説明した構成に対して、力率改善のための力率改善回路3が備えられる。
この図に示す力率改善回路3は、商用交流電源ACのラインにおいて、ブリッジ整流回路Diの正極入力端子と接続されるフィルタコンデンサCNを含むものとされる。そして、上記ブリッジ整流回路Diの正極入力端子に対し、図示するように三次巻線N3の一端を接続している。
この場合、力率改善回路3を形成するこの三次巻線N3としては、タップ出力が設けられることで、巻線部N3Aと巻線部N3Bとに分割される。その上で、このタップ出力には、図のように電圧帰還用チョークコイルLAが接続され、また、巻線部N3B側の端部には電圧帰還用チョークコイルLBが接続される。そして、この場合、これら電圧帰還用チョークコイルLAと電圧帰還用チョークコイルLBとは、図示するように互いの巻線が共通のコアに巻装されて形成される。なお、これら電圧帰還用チョークコイルLA、電圧帰還用チョークコイルLBとしては、それぞれ独立のものとされてもよいが、上記のようにコアを共通のものとすれば、実際の部品点数としては1つとなり回路の省スペース化が図られる。
また、この場合、上記電圧帰還用チョークコイルLBとしては、上記電圧帰還用チョークコイルLAよりもインダクタンスが大きいものが選定されているものとする。
【0067】
上記電圧帰還用チョークコイルLAにおいて、上記三次巻線N3との接続点と逆側の端部は、図示するようにリレースイッチS2の端子t2に対して接続される。また、同様に、上記電圧帰還用チョークコイルLBにおける、上記三次巻線N3との接続点と逆側の端部は、図示するようにリレースイッチS2の端子t3に対して接続される。
【0068】
上記リレースイッチS2としては、先に説明したリレースイッチS1と同様、端子t1に対して端子t2又は端子t3が択一的に接続されるようにして切り換えが行われる2接点のものが採用される。
そして、このリレースイッチS2における、上記端子t2、t3の切り換え動作も、上記リレースイッチS1と同様、整流回路切換モジュール5に接続されたリレーRLの駆動状態に応じて行われるものとなる。
なお、この場合も先に説明したリレースイッチS1の場合と同様、商用交流電源が100V系時に対応しては、リレーRLにより端子t1に対して端子t2が接続されるように制御される。また、200V系時に対応しては、端子t1に対して端子t3が接続されるように制御されるようになっている。
【0069】
上記リレースイッチS2の端子t1に対しては、高速リカバリ型ダイオードD1のアノードが接続される。そして、この高速リカバリ型ダイオードD1のカソードは、図示するようにブリッジ整流回路Diの正極出力端子に対して接続されている。
また、この場合、上記高速リカバリ型ダイオードD1のアノードと、リレースイッチS2の端子t1の接続点に対しては、もう一つの高速リカバリ型ダイオードD2のカソードが接続される。そして、この高速リカバリ型ダイオードD2のアノード側は、図のように一次側アースに接地されている。
【0070】
上記のようにして構成される力率改善回路3において得られる動作を、次の図3及び図4の波形図を参照して説明する。
なお、これらの波形図として、図3では、交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po=300Wの条件下での、また、図4では、交流入力電圧VAC=230V、負荷電力Po=300Wの条件下での測定結果をそれぞれ示している。
先ず、図3を参照して、商用交流電源がAC100V系とされる場合に対応して力率改善回路3において得られる動作を説明する。
図3において、先ず、AC100V系に対応して、例えば図3(a)に示すような交流入力電圧VAC(=100V)が入力されているとすると、商用交流電源ACの正極ラインに得られる交流入力電流IACとしては、図3(b)に示す波形により、上記交流入力電圧VACが正/負の期間において正極性/負極性となるようにして流れる。
そして、この場合、ブリッジ整流回路Diの正極出力ラインに得られる整流電流I1としては、図3(d)に示すようにして、交流入力電圧VACが正の期間において、正極性によって流れるようにされる。
【0071】
また、三次巻線N3Aには、一次巻線N1に得られる交番電圧に基づいて、図3(e)に示す波形の電圧V2が得られるが、この電圧V2は、交流入力電圧VACに対応した波形形状を有した、正極性によるスイッチング周期に応じた交番電圧となる。この波形は、一次側スイッチングコンバータのスイッチング出力が、一次巻線N1から三次巻線N3に対して励起されることで得られる。つまり、一次側スイッチングコンバータの出力は、一次巻線N1と三次巻線N3の磁気結合を介して、力率改善回路3側に電圧帰還される構成となっている。
そして、この図3(e)に示した波形による電圧V2が得られることにより、力率改善回路3内においては、高速リカバリ型ダイオードD1,D2がスイッチング周期により電流を断続するようにされる結果、図3(f)に示すスイッチング周期による交番電流I2が流れる。
また、この力率改善回路3に備えられる、高速リカバリ型ダイオードD1と高速リカバリ型ダイオードD2の接続点における電位V3としては、図3(c)に示すような波形が得られる。
【0072】
ここで、交流入力電圧VACが正の期間では、正極性の交流入力電流IACは、整流電流I1として、ブリッジ整流回路Diの正極入力端子から、このブリッジ整流回路Diを形成するダイオードDaに流入する成分と、交番電流I2として三次巻線N3側に流入する成分とに分岐される。
そして、この図3に示す場合は、交流入力電圧VACとして、AC100V系に対応するレベルが入力されていることから、先にも説明したようにしてリレースイッチS2では端子t1に対して端子t2が接続される状態が得られている。このため、上記交番電流I2としては、三次巻線N3A→電圧帰還用チョークコイルLA→高速リカバリ型ダイオードD1の経路で平滑コンデンサCi1の正極端子に流入するようにされる。
また、この場合、リレースイッチS1側でも同様に端子t1に対して端子t2が接続されて倍電圧整流回路が形成されていることから、上記のように平滑コンデンサCi1を流れた交番電流I2は、リレースイッチS1(端子t2→端子t1)を介してフィルタコンデンサCNに流入するようにされる。
【0073】
一方、交流入力電圧VACが負の期間において、負極性の交流入力電流IACは、上記したリレースイッチS1の接続状態によって倍電圧整流回路が形成されることにより、平滑コンデンサCi2を介した後において、ブリッジ整流回路DiのダイオードDcに流れる成分と、平滑コンデンサCi2を介して高速リカバリ型ダイオードD2に流入して負極性の交番電流I2となる成分とに分岐する。
そして、このように高速リカバリ型ダイオードD2に流入した負極性の交番電流I2は、この場合(AC100V系時)はリレースイッチS2側において端子t1と端子t2が接続されていることにより、高速リカバリ型ダイオードD2→電圧帰還用チョークコイルLA→三次巻線N3A→ブリッジ整流回路Diの正極入力端子の経路で流れ、商用交流電源ACの正極ライン側からフィルタコンデンサCNに流入することとなる。
【0074】
このようにして、交番電流I2は、正極性のときには高速リカバリ型ダイオードD1によりスイッチング(断続)され、負極性のときには高速リカバリ型ダイオードD2によりスイッチング(断続)されることで交番波形とされて、整流電流経路に流れるようにされる。
そして、図3(f)と図3(d)とを比較して分かるように、高速リカバリ型ダイオードD1,D2によりスイッチングされて得られる交番電流I2は、整流電流I1よりも導通角が拡大されているとともに、帰還されたスイッチング出力により増幅されて振幅も大きくなっていることが分かる。
【0075】
このようにして、高速リカバリ型ダイオードD1,D2によって、整流電流がスイッチングされるようにして断続されることで、整流出力電圧レベルが整流平滑電圧Eiのレベルよりも低いとされる期間にも平滑コンデンサCi1,Ci2への充電電流が流れるようにされる。
この結果、交流入力電流の平均的な波形が交流入力電圧の波形に近づくようにされることで、図3(b)に示すようにして、交流入力電流IACの導通角が拡大される。このようにして、交流入力電流IACの導通角が拡大される結果、力率改善が図られることになる。
【0076】
続いて、図4を参照し、商用交流電源がAC200V系とされる場合に対応して得られる動作について説明する。
先ず、AC200V系に対応して、例えば図4(a)に示すような交流入力電圧VACが入力されているとすると、この場合も交流入力電流IACとしては、図4(b)に示す波形により、上記交流入力電圧VACが正/負の期間において正極性/負極性となるようにして流れる。
そして、この場合は、ブリッジ整流回路Diの正極出力ラインに得られる整流電流I1としては、交流入力電圧VACが正/負となるのに対応して図4(d)に示すような波形により流れる。
【0077】
また、三次巻線N3に得られる電圧V2としては、この場合も図4(e)に示すようにスイッチング周期に応じた交番電圧が生じ、また、力率改善回路3内において流れる交番電流I2としても、図4(f)に示すようにスイッチング周期による波形が得られる。
また、ブリッジ整流回路Diの正極入力端子と三次巻線N3の端部との接続点における電位V1としては、図4(c)に示すような波形が得られている。
【0078】
この場合も、交流入力電圧VACが正の期間では、正極性の交流入力電流IACは、整流電流I1として、ブリッジ整流回路Diの正極入力端子からこのブリッジ整流回路Diを形成するダイオードDaに流入する成分と、交番電流I2として三次巻線N3側に流入する成分とに分岐されるようにして流れる。
そして、この場合は交流入力電圧VACとしてAC200V系のレベルが入力されているため、リレースイッチS2側では、端子t1に対して端子t3が接続される状態が得られる。このため、上記交番電流I2としては、三次巻線N3(巻線部N3A+巻線部N3B)→電圧帰還用チョークコイルLB→高速リカバリ型ダイオードD1の経路で平滑コンデンサCi1の正極端子に流入する。そして、同様にリレースイッチS1側では端子t1に対して端子t3が接続されて全波整流回路が形成されているため、この場合は、上記平滑コンデンサCi1を流れた交番電流I2は、ブリッジ整流回路DiのダイオードDd、及びリレースイッチS1(端子t3→端子t1)を介してフィルタコンデンサCNに流入するようにされる。
【0079】
これに対し、交流入力電圧VACが負の期間においては、負極性の交流入力電流IACは、ブリッジ整流回路DiのダイオードDb→平滑コンデンサCi1→Ci2を介した後において、ブリッジ整流回路DiのダイオードDcに流れる成分と、高速リカバリ型ダイオードD2に流入して負極性の交番電流I2となる成分とに分岐する。
そして、この場合には、リレースイッチS2側では端子t1に対して端子t3が接続されている状態が得られていることにより、上記負極性の交番電流I2としては、高速リカバリ型ダイオードD2を介した後、電圧帰還用チョークコイルLB→三次巻線N3(NA+NB)→ブリッジ整流回路Diの正極入力端子の経路で流れ、商用交流電源ACの正極ライン側からフィルタコンデンサCNに流入するようになる。
【0080】
このようにして、AC200V系とされる場合も、交番電流I2は、高速リカバリ型ダイオードD1、D2によりスイッチング(断続)されることになる。
そして、これにより、交番電流I2としては、この場合も図4(f)と図4(d)とを比較して分かるように、整流電流I1よりも導通角が拡大されているとともに、帰還されたスイッチング出力により増幅されて振幅も大きくなるようにされる。
【0081】
このようにして、図1に示した構成による力率改善回路3によっては、AC100V系時(VAC=100V)とAC200V系時(VAC=230V)とで共に、整流電流成分が断続されるようになり、交流入力電流IACの導通角が拡大されて力率の改善が図られるものとなる。
【0082】
ところで、上記もしているように、この図に示す力率改善回路3では、交流入力電圧VACが100V系時と200V系時とでリレースイッチS2の接続状態が切り換えられ、交番電流I2の流れる経路が切り換えられるようにされている。すなわち、先ず、AC100V系であるのに対応して交流入力電圧VAC=150V以下に対応するレベルの整流平滑電圧Eiが発生した場合には、整流回路切換モジュール5の動作によりリレーRLがオンとされ、リレースイッチS2側では端子t1に対して端子t2が接続されるように制御されるようになる。そして、このように端子t1に対して端子t2が接続されることによって、先ず、力率改善回路3を形成する三次巻線N3としては、巻線部N3Aのみが有効とされることになる。また、これと共に、三次巻線N3に接続される電圧帰還用のチョークコイルとしては、電圧帰還用チョークコイルLAが有効とされるようになる。
【0083】
一方、例えばAC200V系であるのに対応して、交流入力電圧VAC=150V以上に対応するレベルの整流平滑電圧Eiが発生した場合、リレースイッチS2側では端子t1に対して端子t3が接続されるように制御される。
そして、このように端子t1に対して端子t3が接続されることにより、力率改善回路3を形成する三次巻線N3としては、線部N3Aと巻線部N3Bとを直列接続した巻線が有効とされるとされることになる。また、これと共に、電圧帰還用のチョークコイルとしては、電圧帰還用チョークコイルLAよりもインダクタンスの大きい電圧帰還用チョークコイルLBが有効とされるようになる。
【0084】
つまり、この図1に示す力率改善回路3においては、先ず、AC100V系時よりもAC200V系時のほうが、力率改善回路3を形成する三次巻線N3についての巻数が増加するようにして切り換えが行われるようになる。
また、これと共に力率改善回路3においては、AC100V系時よりもAC200V系時のほうが、三次巻線N3と接続されて電圧帰還用とされるチョークコイルとして、よりインダクタンスの大きいチョークコイルが有効とされるようになるものである。
【0085】
この際、上記のようにして、先ず三次巻線N3としての巻線数が変化することによっては、この三次巻線N3と一次巻線N1との巻線比が変化することになって、三次巻線N3に励起されて整流電流経路に帰還されるべき交番電圧レベルも変化することになる。そして、上記のようにして、AC200V系時に三次巻線N3の巻線数が増加することによっては、三次巻線N3に励起される交番電圧レベルも上昇して、整流電流経路に帰還される交番電圧レベルも増加することになる。これにより、力率改善回路3において帰還されるエネルギーが増加するために、より高い力率を得ることが可能となる。
【0086】
また、さらに、上記のようにしてAC200V系時に対応して、電圧帰還用チョークコイルLAよりもインダクタンスの大きい電圧帰還用チョークコイルLBが有効とされることによっては、電圧帰還用チョークコイルLA、電圧帰還用チョークコイルLBのインダクタンスの差分に応じて磁気エネルギー量が変化し、この電圧帰還用チョークコイルLBに発生する両端電圧が上昇するようになる。そして、この電圧帰還用チョークコイルLBの両端電圧の上昇分によって、平滑コンデンサ(Ci1−Ci2)の両端電圧は相対的に引き下げられるようになって、その分整流電流I1、交流入力電流IACの導通角を拡大させる。つまり、これによっても、AC200V系時における力率がより向上するようになるものである。
【0087】
続いて、上記構成による電源回路における、負荷電力Po=0〜300Wの変動に対する力率PFの変化特性を次の図5に示す。
なお、この図5においては、整流平滑電圧Eiを生成する整流回路として、倍電圧整流回路とした場合の特性を実線により示し、全波整流回路とした場合の特性を破線により示している。
また、この実験結果を得るのにあたっては、倍電圧整流回路とした場合は、交流入力電圧VAC=100Vで一定の条件、全波整流動作とした場合は、交流入力電圧VAC=230Vで一定の条件としている。
【0088】
また、参考として、上記図5に示した実験結果を得るにあたっての、図1に示した回路の各部の定数を示しておく。
絶縁コンバータトランスPIT:EER−42のフェライトコア、ギャップ長Gap=1mm
一次巻線N1=33T
二次巻線N2:センタータップを分割位置として25T+25T(ターン)
三次巻線N3=三次巻線N3A+三次巻線N3B=3T+3T=6T
一次側直列共振コンデンサC1=0.033μF
一次側部分共振コンデンサCp=680pF
電圧帰還用チョークコイルLA=39μH
電圧帰還用チョークコイルLB=120μH
【0089】
先ず、この図5に示すように、AC200V系時(AC=230V)では、特に重負荷の条件となるのに従って、力率が向上されていることがわかる。そして、負荷電力Po=300Wの条件では、AC200V系時の力率は、AC100V系時とほぼ同等となるまでに引き上げられていることが分かる。
そして、この場合の力率特性と高調波歪規制との関係としては、例えば交流入力電圧VAC=100Vでは、負荷電力Po=25W〜300Wの範囲で力率PF=0.75〜0.90が得られ、我が国(日本国)の高調波歪規制値をクリアする。また、交流入力電圧VAC=230Vでは、負荷電力Po=80W〜300Wの範囲で力率PF=0.75〜0.85であり、欧州の高調波歪規制値をクリアする。
【0090】
なお、図1に示した電源回路における力率改善回路3の構成において、例えば三次巻線N3=7Tとし、この三次巻線N3に接続される電圧帰還用チョークコイルをインダクタンス=39μHに固定とした場合、交流入力電圧VAC=230Vでは、負荷電力Po=200W〜300Wの範囲で力率PF=0.75〜0.77となる結果が得られている。
これに対し、上記もしたように本実施の形態では、VAC=230V、負荷電力Po=80W〜300Wの範囲で、力率PF=0.75〜0.85であり、このことからも、上記説明した構成による力率改善回路3により、AC200V系時における力率が改善されていることがわかる。
つまり、上記構成による力率改善回路3によっては、ワイドレンジに対応可能なスイッチング電源回路として、AC100V系時と200V系時の力率をほぼ同等のレベルとするスイッチング電源回路を実現できるようになるものである。
【0091】
ここで、本実施の形態である図1の電源回路と、先行技術としての図9の電源回路とを比較した場合には次のようなことがいえる。
先ず、図1に示した回路では、電圧帰還方式による力率改善改善回路3を備える構成としていることでアクティブフィルタが省略される。アクティブフィルタは、1組のコンバータを構成するものであり、図9による説明からも分かるように、実際には、2本のスイッチング素子と、これらを駆動するためのIC、及びトーテムポール回路等を始め、多くの部品点数により構成される。
これに対して、図1に示す電源回路に備えられる力率改善回路3は、絶縁コンバータトランスPITに巻装する三次巻線N3と、電圧帰還用チョークコイルLA、電圧帰還用チョークコイルLB、リレースイッチS2、フィルタコンデンサCN、高速リカバリ型ダイオードD1,D2の2本を備えているのみであるから、アクティブ回路と比較すれば非常に少ない部品点数となっている。
これにより、図1に示す電源回路としては、力率改善機能を備えるワイドレンジ対応の電源回路として、図9に示す回路よりもはるかに低コストとすることができる。また、部品点数が大幅に削減されることで、回路基板についても有効に小型軽量化を図ることができる。
【0092】
また、図1に示す電源回路では、共振形コンバータ及び力率改善回路3の動作は、いわゆるソフトスイッチング動作であるから、図9に示したアクティブフィルタと比較すれば、スイッチングノイズのレベルは大幅に低減される。
このため、図1にも示したように、各1組のラインフィルタトランスLFTとアクロスコンデンサCLから成る1段のラインノイズフィルタを備えれば、電源妨害規格をクリアすることが充分に可能とされる。また、整流出力ラインのノーマルモードノイズについては、図1にも示しているように、1つのフィルタコンデンサCNのみにより対策を行っている。
このようにしてノイズフィルタとしての部品点数が削減されることによっても、電源回路のコストダウンと、回路基板の小型軽量化は促進される。
【0093】
また、図9に示す電源回路の総合電力変換効率は、前段のアクティブフィルタにおけるAC−DC電力変換効率(ηAC/DC)と、後段の電流共振形コンバータのDC−DC電力変換効率(ηDC/DC)とにより決定されるものであった。これに対して、図1に示す電源回路は、アクティブフィルタを前段に備えていないから、総合電力変換効率は、この電流共振形コンバータのAC−DC電力変換効率として見ればよいことになる。
これにより、図1に示す電源回路の総合電力変換効率としては、図9に示す電源回路よりも大幅に向上されることになる。
なお、図1に示す回路において、負荷電力Po=300W、交流入力電圧VAC=100Vの条件での総合電力変換効率(AC−DC電力変換効率)は93.9%であり、図9に示した回路と比較して、交流入力電力は13.1W低減しているという結果が得られた。また、負荷電力Po=300W、交流入力電圧VAC=230Vの条件では、総合電力変換効率(AC−DC電力変換効率)は96.0%であり、この場合の交流入力電力は9.7W低減する。
【0094】
また、図1に示す電源回路の場合、一次側のスイッチングコンバータのスイッチング周波数は、交流入力電圧VAC及び負荷電力の変化などに応じて、定電圧化のために例えば70KHz〜150KHzの範囲で変化するのであるが、このスイッチングコンバータを形成する各スイッチング素子Q1,Q2は、同期してスイッチング動作する。従って、一次側アース電位としては、図9の電源回路のように、アクティブフィルタ側と、その後段のスイッチングコンバータとの間で干渉することが無く、スイッチング周波数の変化に関わらず安定することとなる。
【0095】
なお、本発明としては、これまでに説明した電源回路の構成に限定されるものではない。
例えばスイッチング素子としては、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など、他励式に使用可能な素子であれば、MOS−FET以外の素子が採用されて構わない。また、先に説明した各部品素子の定数なども、実際の条件等に応じて変更されて構わない。
また、本発明としては、自励式でハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータを備えて構成することも可能とされる。この場合には、スイッチング素子として例えばバイポーラトランジスタを選定することができる。
さらには、例えば絶縁コンバータトランスPITの二次側において二次側直流出力電圧を生成するための回路構成としても、適宜変更されて構わない。
【0096】
また、力率改善回路3の構成としても、上記各実施の形態として示したもの以外に限定されるものではなく、これまでに本出願人が提案してきた各種の電圧帰還方式による回路構成として、倍電圧整流回路に適用可能なものを採用することも可能である。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したようにして本発明は、力率改善機能を備えるワイドレンジ対応のスイッチング電源回路として、アクティブフィルタを備えない構成を採る。これにより、例えばアクティブフィルタによって力率改善を図る場合よりも電力変換効率が向上されるという効果を有している。
【0098】
また、本発明の電源回路としては、アクティブフィルタを構成するための多数の部品素子が不要となる。また、電源回路を構成する電流共振形コンバータ、及び力率改善回路はソフトスイッチング動作であり、スイッチングノイズが大幅に低減されるから、ノイズフィルタを強化する必要もなくなる。
このために、先行技術と比較しては、部品点数が大幅に削減されることになって、電源回路サイズの小型/軽量化を図ることが可能となる。また、それだけコストダウンが図られることにもなる。
【0099】
さらには、アクティブフィルタが省略されたことで、一次側アース電位の干渉が無くなるので、一次側アース電位も安定することとなって、信頼性が向上する。
【0100】
また、商用交流電源のレベルに応じて、力率改善回路を構成する三次巻線の巻線数、及びこれに接続される電圧帰還用インダクタのインダクタンスが可変されるようになるので、交流入力電圧のレベルがAC200V系とされる場合の力率を従来より大幅に改善でき、AC200V系時の力率をAC100V系時とほぼ同等のものに引き上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としての電源回路の構成例を示す回路図である。
【図2】実施の形態の電源回路におけるスイッチング素子のゲート−ソース間電圧を示す波形図である。
【図3】実施の形態の要部の動作を、商用交流電源周期により示す波形図である。
【図4】実施の形態の要部の動作を、商用交流電源周期により示す波形図である。
【図5】実施の形態の電源回路についての力率特性を示す図である。
【図6】アクティブフィルタの基本的回路構成を示す回路図である。
【図7】図9に示すアクティブフィルタにおける動作を示す波形図である。
【図8】アクティブフィルタのコントロール回路系の構成を示す回路図である。
【図9】先行技術として、アクティブフィルタを実装した電源回路の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 制御回路、2 コントロールIC、3 力率改善回路、5 整流回路切換モジュール、Di ブリッジ整流回路、Ci1,Ci2 平滑コンデンサ、Q1,Q2 スイッチング素子、PIT 絶縁コンバータトランス、C1 一次側直列共振コンデンサ、Cp 部分共振コンデンサ、N1 一次巻線、RL リレー、S1,S2 リレースイッチ、LA、LB 電圧帰還用チョークコイル、D1,D2 高速リカバリ型ダイオード、CN フィルタコンデンサ、N3 三次巻線、N3A,N3B 巻線部、LFT ラインフィルタトランス、CL アクロスコンデンサ

Claims (1)

  1. 商用交流電源を入力して整流平滑電圧を生成するものとされ、入力される商用交流電源のレベルに応じて、商用交流電源レベルの等倍に対応するレベルの上記整流平滑電圧を生成する等倍電圧整流動作と、商用交流電源レベルの2倍に対応するレベルの上記整流平滑電圧を生成する倍電圧整流動作とで切り換えが行われる整流平滑手段と、
    上記整流平滑電圧を直流入力電圧として入力してスイッチング動作を行うものとされ、ハイサイドのスイッチング素子と、ローサイドのスイッチング素子とをハーフブリッジ結合して形成されるスイッチング手段と、
    上記各スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段と、
    少なくとも、上記スイッチング手段のスイッチング動作により得られるスイッチング出力が供給される一次巻線と、該一次巻線に得られたスイッチング出力としての交番電圧が励起される二次巻線とを巻装して形成される絶縁コンバータトランスと、
    少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に直列接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直列共振回路と、
    上記各ハーフブリッジ回路を形成する2つのスイッチング素子のうち、一方のスイッチング素子に対して並列接続された部分電圧共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分によって形成され、上記各スイッチング素子がターンオン及びターンオフするタイミングに応じてのみ電圧共振動作が得られる一次側部分電圧共振回路と、
    上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して、整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、
    上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて上記スイッチング駆動手段を制御して、上記スイッチング手段のスイッチング周波数を可変することで、二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された定電圧制御手段と、
    上記絶縁コンバータトランスの一次側に巻装した三次巻線に励起される交番電圧を利用して整流電流成分を断続して、上記整流平滑手段における整流電流経路に対して供給するように構成される力率改善回路と、
    上記商用交流電源のレベルに応じて、上記三次巻線としての巻数と、この三次巻線に接続される電圧帰還用のインダクタのインダクタンスを切り換える切り換え手段と、
    を備えることを特徴とするスイッチング電源回路。
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