JP2005137132A - スイッチング電源回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 力率改善機能を備えるワイドレンジ対応のスイッチング電源回路として、コストダウン及び回路の小型軽量化を図る。
【解決手段】 ハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータに対して部分共振電圧回路を組み合わせた複合共振形コンバータとして、整流平滑電圧(Ei)を生成する整流回路についてAC150V以下では倍電圧整流回路、AC150V以上では全波整流回路に切り換える。力率改善は、スイッチング出力を整流電流経路に対して電圧帰還して整流電流を断続することにより、交流入力電流の導通角を拡大するようにして行う。さらに、絶縁コンバータトランスの磁束密度を所定以下に設定することで、負荷変動に関わらず二次側整流電流が連続モードとなるようにし、不連続モードとされる場合に発生する電力損失を低減すると共に、力率改善回路における電圧帰還レベルの上昇を可能としてより高力率を得る。

【選択図】 図1

Description

本発明は、力率改善のための構成を備えたスイッチング電源回路に関するものである。
特開平6−327246号公報(第11図)
近年、高周波の比較的大きい電流及び電圧に耐えることができるスイッチング素子の開発によって、商用電源を整流して所望の直流電圧を得る電源回路としては、大部分がスイッチング方式の電源回路になっている。
スイッチング電源回路はスイッチング周波数を高くすることによりトランスその他のデバイスを小型にすると共に、大電力のDC−DCコンバータとして各種の電子機器の電源として使用される。
ところで、一般に商用電源を整流すると平滑回路に流れる電流は歪み波形になるため、電源の利用効率を示す力率が損なわれるという問題が生じる。
また、歪み電流波形となることによって発生する高調波を抑圧するための対策が必要とされている。
そこで、スイッチング電源回路において力率を改善する力率改善手段として、整流回路系においてPWM制御方式の昇圧型コンバータを設けて力率を1に近づける、いわゆるアクティブフィルタを設ける方法が知られている(例えば上記特許文献1参照)。
このようなアクティブフィルタの基本構成としては、例えば次の図13に示すようになる。
この図13においては、商用交流電源ACにブリッジ整流回路Diを接続している。このブリッジ整流回路Diの正極/負極ラインに対しては並列に出力コンデンサCoutが接続される。ブリッジ整流回路Diの整流出力が出力コンデンサCoutに供給されることで、出力コンデンサCoutの両端電圧として、直流電圧Voutが得られる。この直流電圧Voutは、例えば後段のDC−DCコンバータなどの負荷10に入力電圧として供給される。
また、力率改善のための構成としては、図示するようにして、インダクタL、高速リカバリ型のダイオードD、抵抗Ri、スイッチング素子Q、及び乗算器11を備える。
インダクタL、ダイオードDは、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と、出力コンデンサCoutの正極端子との間に、直列に接続されて挿入される。
抵抗Riは、ブリッジ整流回路Diの負極出力端子(一次側アース)と出力コンデンサCoutの負極端子との間に挿入される。
また、スイッチング素子Q1は、この場合には、MOS−FETが選定されており、図示するようにして、インダクタLとダイオードDの接続点と、一次側アース間に挿入される。
乗算器11に対しては、フィードフォワード回路として、電流検出ラインLI及び波形入力ラインLwが接続され、フィードバック回路として電圧検出ラインLVが接続される。
乗算器11は、電流検出ラインLIから入力される、ブリッジ整流回路Diの負極出力端子に流れる整流電流レベルを検出する。
また、波形入力ラインLwから入力される、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子の整流電圧波形を検出する。これは、即ち、商用交流電源AC(交流入力電圧)の波形を絶対値化して検出していることに相当する。
また、電圧検出ラインLVから入力される、出力コンデンサCoutの直流電圧Voutに基づいて、直流入力電圧の変動差分を検出する。
そして、乗算器11からは、スイッチング素子Qを駆動するためのドライブ信号が出力される。
電流検出ラインLIから乗算器11に対しては、ブリッジ整流回路Diの負極出力端子に流れる整流電流が入力される。乗算器11では、この電流検出ラインLIから入力された整流電流レベルを検出する。また、電圧検出ラインLVから入力される、出力コンデンサCoutの直流電圧Voutに基づいて、直流入力電圧の変動差分を検出する。また、波形入力ラインLwから入力される、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子の整流電圧波形を検出する。これは、即ち、商用交流電源AC(交流入力電圧)の波形を絶対値化して検出していることに相当する。
乗算器11では、先ず、上記のようにして電流検出ラインLIから検出した整流電流レベルと、上記電圧検出ラインLVから検出した直流入力電圧の変動差分と乗算する。そして、この乗算結果と、波形入力ラインLwから検出した交流入力電圧の波形とによって、交流入力電圧VACと同一波形の電流指令値を生成する。
さらに、この場合の乗算器11では、上記電流指令値と実際の交流入力電流レベル(電流検出ラインL1からの入力に基づいて検出される)を比較し、この差に応じてPWM信号についてPWM制御を行い、PWM信号に基づいたドライブ信号を生成する。そして、スイッチング素子Qは、このドライブ信号によってスイッチング駆動される。この結果、交流入力電流は交流入力電圧と同一波形となるように制御されて、力率がほぼ1に近付くようにして力率改善が図られることになる。また、この場合には、乗算器によって生成される電流指令値は、整流平滑電圧の変動差分に応じて振幅が変化するように制御されるため、整流平滑電圧の変動も抑制されることになる。
図14(a)は、上記図13に示したアクティブフィルタ回路に入力される入力電圧Vin及び入力電流Iinを示している。電圧Vinは、ブリッジ整流回路Diの整流出力としての電圧波形に対応し、電流Iinは、ブリッジ整流回路Diの整流出力としての電流波形に対応する。ここで、電流Iinの波形は、ブリッジ整流回路Diの整流出力電圧(電圧Vin)と同じ導通角となっているが、これは、商用交流電源ACからブリッジ整流回路Diに流れる交流入力電流の波形も、この電流Iinと同じ導通角となっていることを示す。つまり、ほぼ1に近い力率が得られている。
また、図14(b)は、出力コンデンサCoutに入出力するエネルギー(電力)Pchgの変化を示す。出力コンデンサCoutは、入力電圧Vinが高いときにエネルギーを蓄え、入力電圧Vinが低いときにエネルギーを放出して、出力電力の流れを維持する。
図14(c)は、上記出力コンデンサCoutに対する充放電電流Ichgの波形を示している。この充放電電流Ichgは、上記図14(b)の入出力エネルギーPchgの波形と同位相となっていることからも分かるように、出力コンデンサCoutにおけるエネルギーPchgの蓄積/放出動作に対応して流れる電流である。
上記充放電電流Ichgは、入力電流Vinとは異なり、交流ライン電圧(商用交流電源AC)の第2高調波とほぼ同一の波形となる。交流ライン電圧には、出力コンデンサCoutとの間のエネルギーの流れによって、図14(d)に示すようにして、第2高調波成分にリップル電圧Vdが生じる。このリップル電圧Vdは、無効なエネルギー保存のために、図14(c)に示す充放電電流Ichgに対して、90°の位相差を有する。出力コンデンサCoutの定格は、第2高調波のリップル電流と、その電流を変調するブースト・コンバータ・スイッチからの高周波リップル電流を処理することを考慮して決定するようにされる。
また、図15には、図13の回路構成を基として、基本的なコントロール回路系を備えたアクティブフィルタの構成例を示している。なお、図13と同一とされる部分については同一符号を付して説明を省略する。
ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と、出力コンデンサCoutの正極端子間には、スイッチングプリレギュレータ15が備えられる。このスイッチングプリレギュレータ15は、図13においては、スイッチング素子Q、インダクタL、及びダイオードDなどにより形成される部位となる。
そして、乗算器11を含むコントロール回路系は、他に、電圧誤差増幅器12、除算器13、二乗器14を備えて成る。
電圧誤差増幅器12では、出力コンデンサCoutの直流電圧Voutを、分圧抵抗Rvo−Rvdにより分圧してオペアンプ15の非反転入力に入力する。オペアンプ15の反転入力には基準電圧Vrefが入力される。オペアンプ15では、基準電圧Vrefに対する分圧された直流電圧Voutの誤差に応じたレベルの電圧を、帰還抵抗Rvl、コンデンサCvlによって決定される増幅率により増幅して、誤差出力電圧Vveaとして除算器13に出力する。
また、二乗器14には、いわゆるフィードフォワード電圧Vffが入力される。このフィードフォワード電圧Vffは、入力電圧Vinを平均化回路16(Rf11,Rf12,Rf13,Cf11,Cf12)により平均化した出力(平均入力電圧)とされる。二乗器14では、このフィードフォワード電圧Vffを二乗して除算器13に出力する。
除算器13では、電圧誤差増幅器12からの誤差出力電圧Vveaについて、二乗器14から出力された平均入力電圧の二乗値により除算を行い。この除算結果としての信号を乗算器11に出力する。
つまり、電圧ループは、二乗器14、除算器13、乗算器11の系から成るものとされる。そして、電圧誤差増幅器12から出力される誤差出力電圧Vveaは、乗算器11で整流入力信号Ivacにより乗算される前の段階で、平均入力電圧(Vff)の二乗により除算されることになる。この回路によって、電圧ループの利得は、平均入力電圧(Vff)の二乗として変化することなく、一定に維持される。平均入力電圧(Vff)は、電圧ループ内において順方向に送られる開ループ補正の機能を有する。
乗算器11には、上記除算器11により誤差出力電圧Vveaを除算した出力と、抵抗Rvacを介したブリッジ整流回路Diの正極出力端子(整流出力ライン)の整流出力(Iac)が入力される。ここでは、整流出力を電圧によるのではなく、電流(Iac)として示している。乗算器11では、これらの入力を乗算することによって、電流プログラミング信号(乗算器出力信号)Imoを生成して出力する。これは、図13にて説明した電流指令値に相当する。出力電圧Voutは、この電流プログラミング信号の平均振幅を可変することで制御される。つまり、電流プログラミング信号の平均振幅の変化に応じたPWM信号が生成され、このPWM信号に基づいたドライブ信号によってスイッチング駆動が行われることによって、出力電圧Voutのレベルをコントロールするものである。
したがって、電流プログラミング信号は、入力電圧と出力電圧を制御する平均振幅の波形を有する。なお、アクティブフィルタは、出力電圧Voutのみではなく、入力電流Vinも制御するようになっている。そして、フィードフォワード回路における電流ループは、整流ライン電圧によってプログラムされるということがいえるので、後段のコンバータ(負荷10)への入力は抵抗性になる。
図16は、図13に示した構成に基づくアクティブフィルタの後段に対して電流共振形コンバータを接続して成る電源回路の構成例を示している。この図に示す電源回路は、AC100V系とAC200V系の双方の交流入力電圧に対応する、いわゆるワイドレンジ対応とされている。また、負荷電力0〜150Wの条件に対応可能な構成を採っている。また、電流共振形コンバータとしては、他励式のハーフブリッジ結合方式による構成を採る。
この図16に示す電源回路においては、商用交流電源ACに対して、図示する接続態様により、2組のラインフィルタトランスLFT,LFTと、3組のアクロスコンデンサCLが接続され、この後段にブリッジ整流回路Diが接続される。
また、ブリッジ整流回路Diの整流出力ラインには、1組のチョークコイルLNと、2組のフィルタコンデンサ(フィルムコンデンサ)CN,CNを図示するようにして接続して成るノーマルモードノイズフィルタ4が接続される。
ブリッジ整流回路Diの正極出力端子は、上記チョークコイルLNと、パワーチョークコイルPCCのインダクタLpcと、高速リカバリ型の整流ダイオードD10の直列接続を介して、平滑コンデンサCiの正極端子と接続される。この平滑コンデンサCiは、図13,図15における出力コンデンサCoutに相当する。また、パワーチョークコイルPCCのインダクタLpcとダイオードD10は、それぞれ、図13に示したインダクタLとダイオードDに相当する。
また、この図における整流ダイオードD10には、コンデンサCsn−抵抗Rsnから成るRCスナバ回路が並列に接続される。
スイッチング素子Q6は、図13におけるスイッチング素子Q10に相当する。つまり、実際にアクティブフィルタのスイッチング素子を実装するのにあたって、この場合にはスイッチング素子Q6をパワーチョークコイルLpcと高速リカバリ型の整流ダイオードD10の接続点と、一次側アース(負極整流出力ライン)との間に挿入するようにしている。
この場合のスイッチング素子Q6にはMOS−FETが選定されている。そして、スイッチング素子Q6のゲート−ソース間にはゲート−ソース間抵抗R52が接続されている。
アクティブフィルタコントロール回路20は、この場合には力率を1に近づけるように力率改善を行うアクティブフィルタの動作を制御するもので、例えば1石の集積回路(IC)とされている。
この場合、アクティブフィルタコントロール回路20は、乗算器、除算器、誤差電圧増幅器、PWM制御回路、及びスイッチング素子をスイッチング駆動するためのドライブ信号を出力するドライブ回路等を備えて構成される。図15に示した乗算器11、誤差電圧増幅器12、除算器13、及び二乗器14などに相当する回路部は、このアクティブフィルタコントロール回路20内に搭載される。
この場合、フィードバック回路は平滑コンデンサCiの両端電圧(整流平滑電圧Ei)を分圧抵抗R56,R57により分圧した電圧値を、アクティブフィルタコントロール回路20の端子T1に入力するようにして形成される。
また、フィードフォワード回路としては、先ず、抵抗R58を介して整流出力が端子T3に入力される。これによって、交流入力電圧波形の検出と、平均化回路のための対応するフィードフォワード回路が形成されている。
また、ブリッジ整流回路Diの負極出力端子と一次側アース間に挿入される抵抗R61との接続点から、抵抗R60を介して、端子T6に対して整流電流レベルを入力するようにしている。つまり、図15における電流検出ラインLIに相当するラインとしてのフィードフォワード回路が形成されている。
また、端子T4には、起動抵抗Rsを介したブリッジ整流回路Diの正極の整流出力が、起動電圧として入力されている。アクティブフィルタコントロール回路20は、電源起動時において、この端子T4に入力される起動電圧によって起動される。
また、パワーチョークコイルPCCにおいては、インダクタLpcとトランス結合された巻線N5が巻装されている。この巻線N5に励起された交番電圧は、ダイオードD11及びコンデンサC11とから成る半波整流回路により所定の低圧直流電圧に変換されるが、上記端子T4には、この低圧直流電圧も入力されている。アクティブフィルタコントロール回路20は、上記起動電圧により起動した後は、この低圧直流電圧を電源として入力して動作するようになっている。
また、端子T5は、抵抗R59を介して、一次側アースと接続されている。
端子T2からは、スイッチング素子を駆動するためのドライブ信号が出力される。そして、この端子T2から出力されたドライブ信号は、抵抗R51を介してスイッチング素子Q6のゲートに対して出力される。
スイッチング素子Q6では、印加されるドライブ信号に応じて、ゲート−ソース間抵抗R52の両端にゲート電圧が発生するようになっている。そして、ゲート電圧が閾値以上となることでオンとなり、閾値以下となるとオフとなるようにしてスイッチング動作を行う。
そして、スイッチング素子Q6のスイッチング駆動は、図13及び図15により説明したようにして、整流出力電流の導通角が、整流出力電圧波形とほぼ同等の導通角となるように、PWM制御に基づくドライブ信号によって行われる。整流出力電流の導通角が整流出力電圧波形とほぼ同等の導通角となるということは、即ち、商用交流電源ACから流入する交流入力電流の導通角が、交流入力電圧VACの波形とほぼ同じ導通角となることであり、結果的に、力率がほぼ1となるように制御されることになる。つまり、力率改善が図られる。実際においては、力率PF=0.99〜0.98となる特性が得られている。
また、この図16に示すアクティブフィルタコントロール回路20によっては、整流平滑電圧Ei(図15では、Voutに相当する)=375Vの平均値について、交流入力電圧VAC=85V〜264Vの範囲で定電圧化するようにも動作する。つまり、後段の電流共振形コンバータには、交流入力電圧VAC=85V〜264Vの変動範囲に関わらず、375Vで安定化された直流入力電圧が供給されることとなる。
上記交流入力電圧VAC=85V〜264Vの範囲は、商用交流電源AC100V系と200V系を連続的にカバーするものであり、従って、後段のスイッチングコンバータには、商用交流電源AC100V系と200V系とで、同じレベルで安定化された直流入力電圧(Ei)が供給されることとなる。つまり、図16に示す電源回路は、アクティブフィルタを備えることで、ワイドレンジの電源回路としても構成されている。
アクティブフィルタの後段の電流共振形コンバータは、図示するようにして、2石のスイッチング素子Q1,Q2を備えて成る。この場合には、スイッチング素子Q1がハイサイドで、スイッチング素子Q2がローサイドとなるようにしてハーフブリッジ接続し、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)に対して並列に接続している。つまり、ハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータを形成している。
この場合の電流共振形コンバータは他励式とされ、これに対応して上記スイッチング素子Q1,Q2には、MOS−FETが用いられている。これらスイッチング素子Q1,Q2に対しては、それぞれ並列にクランプダイオードDD1,DD2が接続され、これによりスイッチング回路が形成される。これらクランプダイオードDD1,DD2は、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時における逆方向電流を流す経路を形成する。
スイッチング素子Q1,Q2は、ドライブ回路21によって、交互にオン/オフとなるタイミングによって所要のスイッチング周波数によりスイッチング駆動される。また、ドライブ回路21は、後述する二次側直流出力電圧Eoのレベルに応じてスイッチング周波数を可変制御し、これにより、二次側直流出力電圧Eoの安定化を図るようにされる。
絶縁コンバータトランスPITは、上記スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力を一次側から二次側に伝送するために設けられる。
絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の一方の端部は、スイッチング素子Q1,Q2の接続点(スイッチング出力点)に対して接続され、他方の端部は、直列共振コンデンサC1を介して一次側アースに接続される。ここで、直列共振コンデンサC1は、自身のキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンス(L1)とによって直列共振回路を形成する。この直列共振回路は、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力が供給されることで共振動作を生じるが、これによって、スイッチング素子Q1,Q2から成るスイッチング回路の動作を電流共振形とする。
絶縁コンバータトランスPITの二次側には二次巻線N2が巻装される。
この場合の二次巻線N2に対しては、図示するようにしてセンタータップを設けて二次側アースに接続した上で、図示するようにして整流ダイオードDO1,DO2、及び平滑コンデンサCOから成る両波整流回路を接続している。これにより、平滑コンデンサCOの両端電圧として二次側直流出力電圧EOが得られる。この二次側直流出力電圧EOは、図示しない負荷側に供給されるとともに、ドライブ回路21のための検出電圧としても分岐して入力される。前述もしたように、ドライブ回路21は、入力される二次側直流出力電圧EOのレベルに基づいて、二次側直流出力電圧EOが安定化されるようにスイッチング周波数を可変するようにしてスイッチング素子Q1,Q2を駆動する。つまり、スイッチング周波数制御方式による安定化を行う。
これまでの説明から分かるように、先行技術として図16に示した電源回路は、従来から知られている図13及び図15に示したアクティブフィルタを実装して構成されている。このような構成を採ることによって、力率改善を図っている。また、負荷電力150W以下の条件の下で、商用交流電源AC100V系とAC200V系とで動作する、いわゆるワイドレンジ対応としている。
しかしながら、上記図16に示した構成による電源回路では次のような問題を有している。
図16に示す電源回路における電力変換効率としては、図示もしているように、前段のアクティブフィルタに対応するAC−DC電力変換効率(ηAC→DC)と、後段の電流共振形コンバータのDC−DC電力変換効率(ηDC→DC)とを総合したものとなる。
そして、AC100V系時に対応する交流入力電圧VAC=100Vの条件では、ηAC→DC=93%、ηDC→DC=94%であり、総合効率は87.4%となる。これに対して、AC200V系時に対応する交流入力電圧VAC=230Vの条件では、ηAC→DC=95%、ηDC→DC=94%となり、総合効率は89.3%となる。つまり、交流入力電圧VAC=230V時に対して、交流入力電圧VAC=100V時においては、アクティブフィルタ回路側における電力変換効率が低下して、総合効率が低下してしまう。
また、アクティブフィルタ回路はハードスイッチング動作であることから、ノイズの発生レベルが非常に大きいため、比較的重度のノイズ抑制対策が必要となる。
このため、図16に示した回路では、商用交流電源ACのラインに対して、2組のラインフィルタトランスLFTと、3組のアクロスコンデンサによるノイズフィルタを形成している。つまり、2段以上のラインノイズフィルタが必要となっている。
また、整流出力ラインに対しては、1組のチョークコイルLNと、2組のフィルタコンデンサCNから成るノーマルモードノイズフィルタを設けている。さらに、整流用の高速リカバリ型のダイオードD10に対しては、RCスナバ回路を設けている。
このようにして、実際の回路としては、非常に多くの部品点数によるノイズ対策が必要であり、コストアップ及び電源回路基板の実装面積の大型化を招いている。
さらに、汎用ICとしてのアクティブフィルタコントロール回路20によって動作するスイッチング素子Q6のスイッチング周波数は50KHzであるのに対して、後段の電流共振形コンバータのスイッチング周波数は70KHz〜150KHzの範囲となっている。これにより、1次側アース電位が干渉しあって、電源回路としての動作が不安定になりやすいという問題も有している。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、スイッチング電源回路として以下のように構成することとした。
すなわち、先ず、商用交流電源を入力して整流平滑電圧を生成するものとされ、入力される商用交流電源のレベルに応じて、商用交流電源レベルの等倍に対応するレベルの上記整流平滑電圧を生成する等倍電圧整流動作と、商用交流電源レベルの2倍に対応するレベルの上記整流平滑電圧を生成する倍電圧整流動作とで切り換えが行われる整流平滑手段を備える。
そして、上記整流平滑電圧を直流入力電圧として入力してスイッチング動作を行うものとされ、ハイサイドのスイッチング素子と、ローサイドのスイッチング素子とをハーフブリッジ結合して形成されるスイッチング手段と、上記各スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段とを備える。
さらに、少なくとも、上記スイッチング手段のスイッチング動作により得られるスイッチング出力が供給される一次巻線と、該一次巻線に得られたスイッチング出力としての交番電圧が励起される二次巻線とを巻装して形成される絶縁コンバータトランスを備える。
また、少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に直列接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直列共振回路と、上記ハーフブリッジ回路を形成するスイッチング素子のうち、一方のスイッチング素子に対して並列接続された部分電圧共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分によって形成され、上記各スイッチング素子がターンオン及びターンオフするタイミングに応じてのみ電圧共振動作が得られる一次側部分電圧共振回路とを備える。
また、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して、整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を生成するように構成された直流出力電圧生成手段を備え、さらに、上記スイッチング手段によるスイッチング出力に基づく交番電圧を整流電流経路に帰還すると共に、このスイッチング出力に基づく交番電圧を利用して、上記整流平滑手段に備えられたダイオード素子により整流電流成分を断続して力率を改善するように構成される力率改善回路とを備えるようにする。
その上で、上記絶縁コンバータトランスの磁束密度を、上記二次側直流出力電圧に接続される負荷条件の変動にかかわらず、上記直流出力電圧生成手段に流れる二次側整流電流が連続モードとなるようにして、所定以下となるように設定したものである。
上記構成によると、本発明のスイッチング電源回路は、一次側スイッチングコンバータとして、ハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータに対して、部分共振電圧回路を組み合わせた構成を採っていることになる。また、力率改善は、スイッチング出力を整流電流経路に対して電圧帰還して整流電流を断続し、これにより交流入力電流の導通角を拡大してこれを実現する。
そして、ワイドレンジ対応とするのにあたっては、整流平滑電圧(直流入力電圧)を生成する整流平滑手段について、商用交流電源レベルに応じて等倍電圧整流動作と倍電圧整流動作とで整流動作の切り換えが行われるように構成する。
これにより、例えば力率改善回路を備える電源回路としてワイドレンジ対応の構成とするのにあたっては、スイッチングコンバータへの直流入力電圧の安定化を図るアクティブフィルタを備える必要は無いこととなる。
そして、本発明では、上記のように絶縁コンバータトランスの磁束密度が所定以下となるようにしていることで、負荷変動にかかわらず、二次側整流電流が常に連続モードとなるようにしている。二次側整流電流が連続モードとなれば、不連続モードとされた場合よりも二次側整流電流のピークレベルを低下させることができ、これによって不連続モードとされた場合よりも二次側の整流ダイオードの導通損を低減できるものとなる。
また、このように絶縁コンバータトランスの磁束密度を所定以下とすることで、一次側のスイッチング電流にも変化が生じ、スイッチング電流のダンパー期間の拡大を図ることができる。そして、このようにダンパー期間の拡大が図られることにより、上記力率改善回路による電圧帰還レベルを上昇させたとしても、安定したスイッチング動作を確保することが可能となる。
このようにして本発明は、力率改善機能を備えるワイドレンジ対応のスイッチング電源回路として、アクティブフィルタを備えない構成を採ることができる。これにより、例えばアクティブフィルタによって力率改善を図る場合よりも電力変換効率が向上されるという効果を有している。
また、本発明の電源回路としては、アクティブフィルタを構成するための多数の部品素子が不要となる。また、電源回路を構成する電流共振形コンバータ、及び力率改善回路はソフトスイッチング動作であり、スイッチングノイズが大幅に低減されるから、ノイズフィルタを強化する必要もなくなる。
このために、先行技術と比較しては、部品点数が大幅に削減されることになって、電源回路サイズの小型/軽量化を図ることが可能となる。また、それだけコストダウンが図られることにもなる。
また、さらには、アクティブフィルタが省略されたことで、一次側アース電位の干渉が無くなるので、一次側アース電位も安定することとなって、信頼性が向上する。
さらに本発明では、上記のように絶縁コンバータトランスの磁束密度が所定以下となるようにしていることで、負荷変動にかかわらず、二次側整流電流が常に連続モードとなるようにすることができる。
そして、このように連続モードとなれば、二次側整流電流のピークレベルを低下させることができ、これによって不連続モードとされることによる二次側の整流ダイオードの導通損を低減できるものとなる。すなわち、このように二次側の整流ダイオードの導通損を低減できることで、不連続モードのときに生じていた二次側の電力損失を低減して、電力変換効率の向上を図ることができるものである。
また、このように絶縁コンバータトランスの磁束密度を所定以下とすることによっては、上述のようにスイッチング電流のダンパー期間の拡大を図ることができるため、力率改善回路による電圧帰還レベルを上昇させたとしても、安定したスイッチング動作を確保することが可能となる。
つまり、このような本発明によれば、絶縁コンバータトランスの磁束密度を所定以下としない構成よりも、力率改善回路による電圧帰還レベルを上昇させることができ、より高力率を得ることが可能となるものである。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明していく。
図1は、本発明による第1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成を示している。この図に示す電源回路は、先行技術として図16に示した回路と同様に、負荷電力Po=0〜150Wに対応可能で、かつ、商用交流電源AC100V系とAC200V系とで動作するワイドレンジ対応としての構成を採る。
この図1に示す電源回路においては、先ず商用交流電源ACのラインに対して、アクロスコンデンサCL及びコモンモードチョークコイルCMCとから成る、ノイズフィルタが接続される。そして、商用交流電源ACのラインにおいて、このノイズフィルタの後段に対しては、1組のフィルタコンデンサCNが並列に接続される。このフィルタコンデンサCNは、次に説明するブリッジ整流回路Diの整流出力ラインに発生するノーマルモードノイズを抑制するためのものとされる。
この場合、商用交流電源から整流平滑電圧(直流入力電圧)Eiを生成する整流回路系は、ブリッジ整流回路Diと、2本の平滑コンデンサCi1,Ci2を備えて成る。平滑コンデンサCi1,Ci2は同じキャパシタンスを有する。
ブリッジ整流回路Diは、図示するようにして整流ダイオードD1〜D4の4つの整流ダイオードから成る。この場合、整流ダイオードD1と整流ダイオードD2との接続点を正極入力端子、整流ダイオードD2と整流ダイオードD4との接続点を正極出力端子、整流ダイオードD4と整流ダイオードD3との接続点を負極入力端子、整流ダイオードD3と整流ダイオードD1との接続点を負極出力端子とすると、ブリッジ整流回路Diの正極入力端子は、後述する力率改善回路3内における三次巻線N3−リレースイッチS2−高周波チョークコイルLSの直列接続を介して、商用交流電源ACの正極ラインと接続される。
また、負極入力端子は、後述するリレースイッチS1の端子t1に対して接続される。また、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子は、平滑コンデンサCi1の正極端子に接続され、負極出力端子は一次側アースに接続される。
なお、第1の実施の形態の場合、後述する力率改善回路3の動作として、スイッチング周期に対応してスイッチングを行うようにして整流電流を流すために、上記ブリッジ整流回路Diを形成する整流ダイオードとしては、D1,D2の組、D3,D4の組、D1,D3の組、D2,D4の組の何れかの組み合わせを含む、少なくとも2以上の整流ダイオードに高速リカバリ型ダイオードが選定されているものとする。
図中においては、高速リカバリ型による整流ダイオードを黒塗りにより示し、低速型のダイオードについては白抜きにより示している。つまりここでは、ブリッジ整流回路Diにおける整流ダイオードD1、D2に高速リカバリ型ダイオードが選定される例が示されているものである。
平滑コンデンサCi1、Ci2は、図示するようにして平滑コンデンサCi1の負極端子と、平滑コンデンサCi2の正極端子とが接続されるようにして直列接続される。この平滑コンデンサCi1−Ci2による直列接続回路において、平滑コンデンサCi1側の正極端子は、上記もしたようにブリッジ整流回路Diの正極出力端子と接続される。一方、平滑コンデンサCi2側の負極端子は一次側アースに接続される。
この平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路の両端には、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)が得られる。
リレースイッチS1は、上記した整流平滑回路の整流動作をAC100V系とAC200V系とで切り換えるために設けられる。
このリレースイッチS1は、上記もしたように端子t1がブリッジ整流回路Diの負極入力端子に対して接続される。そして、端子t2が、上記した平滑コンデンサCi1と平滑コンデンサCi2との接続点に対して接続される。また、端子t3はオープンとされる。
リレースイッチS1は、端子t1に対して端子t2又は端子t3が択一的に接続される、いわゆる2接点スイッチとされ、その端子切り換えは、次に説明するように整流回路切換モジュール5に接続されたリレーRLの駆動状態に応じて行われるものとなる。
整流回路切換モジュール5は、リレーRLを駆動することで、上記したリレースイッチS1、及び後述するリレースイッチS2をAC100V系とAC200V系とで切り換えるための動作を行う。
この整流回路切換モジュール5には、図のように整流ダイオードD5と平滑コンデンサC5とから成る整流平滑回路が備えられる。この場合、上記整流ダイオードD5のアノードは、商用交流電源ACの正極ラインに対して接続される。そして、カソードが、負極端子が一次側アースに接地された上記平滑コンデンサC5の正極端子と接続され、その上で、これら平滑コンデンサC5とダイオードD5との接続点が整流回路切換モジュール5の検出端子に対して接続される。
これにより、整流回路切換モジュール5の検出端子には、交流入力電圧VACに応じたレベルの直流電圧が得られ、整流回路切換モジュール5では、このように得られる電圧レベルに基づいて商用交流電源ACのレベルを検出することが可能となっている。
また、整流回路切換モジュール5に対してはリレーRLが備えられる。このリレーRLは自身の導通状態に応じて、リレースイッチS1、及びリレースイッチS2の接点切り換え動作を制御するものとなる。
この場合、リレーRLが導通状態では、リレースイッチS1及びリレースイッチS2に端子t2を選択させる切り換えが行われる。また、リレーRLが非導通状態では、リレースイッチS1及びリレースイッチS2にて端子t3が選択されるように切り換えが行われるものとなる。
整流回路切換モジュール5では、上記のようにして検出端子から入力した商用交流電源ACの電圧レベルと、所定の基準電圧(例えば150V)とを比較するようにされる。そして、この比較結果に基づき、検出端子への入力電圧レベルが基準電圧レベル以下であるときは、リレーRLをオンとし、基準電圧以上であるときにはリレーRLをオフとするように駆動する。
つまりこの場合、商用交流電源ACのレベルが基準電圧以下であり、AC=100V系であるとされる場合には、リレーRLが導通してリレースイッチS1、S2では端子t2が選択されるようになる。また、商用交流電源ACのレベルが基準電圧以上となり、AC=200V系であるとされる場合には、リレーRLが非道通となって端子t3が選択されるようになる。
ここで、例えば上記のような整流回路切換モジュール5の動作により、AC100V系であるのに対応してリレースイッチS1にて端子t2が選択された場合は、商用交流電源ACの負極ラインと、平滑コンデンサCi1−Ci2の接続点とが接続された状態となる。
このため、交流入力電圧VACが正の期間では、後述もするようにブリッジ整流回路Diによる整流出力が、平滑コンデンサCi1のみに充電される整流電流経路が形成される。また、交流入力電圧VACが負の期間では、ブリッジ整流回路Diによる整流出力が、平滑コンデンサCi2のみに充電される整流電流経路が形成される。
このようにして整流動作が行われる結果、平滑コンデンサCi1,Ci2の各両端電圧として、交流入力電圧VACの等倍に対応したレベルが生じることになる。従って、平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路の両端電圧である直流入力電圧Eiとしては、交流入力電圧VACの2倍に対応するレベルが得られる。つまり、いわゆる倍電圧整流回路が形成されるものである。
また、整流回路切換モジュール5の動作により、AC200V系であるのに対応してリレースイッチS1にて端子t3が選択された場合は、ブリッジ整流回路Diの負極入力端子と、平滑コンデンサCi1と平滑コンデンサCi2との接続点とが非接続の状態となる。
そして、これによると、この場合の整流平滑回路においては、交流入力電圧VACが正/負となる各期間において、交流入力電圧VACをブリッジ整流回路Diにより整流して平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路に整流電流を充電する動作が得られる。つまり、通常のブリッジ整流回路を備えた全波整流回路による整流動作が得られる。
従って、この場合は平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路の両端電圧として、交流入力電圧VACの等倍に対応するレベルによる直流入力電圧Eiが得られるようになる。
このようにして本実施の形態のスイッチング電源回路では、上記したような整流回路切換モジュール5、リレーRL、及びリレースイッチS1の動作により、商用交流電源AC100V系の場合には、倍電圧整流動作により交流入力電圧VACの2倍に対応する直流入力電圧Eiが生成されるようになる。また、商用交流電源AC200V系の場合には、全波整流回路による等倍電圧整流動作によって、交流入力電圧VACの等倍に対応する直流入力電圧Eiが生成されるようになる。
つまり、商用交流電源AC100V系の場合とAC200V系の場合とで、結果的に同等レベルの直流入力電圧Eiが得られるようにしており、これによって、ワイドレンジ対応としているものである。
これにより、本実施の形態のスイッチング電源回路では、ワイドレンジ対応とするにあたってのアクティブフィルタを不要としているものである。
上記のような整流平滑回路の動作によって生成される、直流入力電圧Eiを入力して動作するスイッチングコンバータとしては、この場合、電流共振形コンバータとしての基本構成を採る。そして、ここでは、図示するようにしてMOS−FETによる2本のスイッチング素子Q1(ハイサイド),Q2(ローサイド)をハーフブリッジ結合により接続している。スイッチング素子Q1,Q2の各ドレイン−ソース間に対しては、図示する方向により、それぞれダンパーダイオードDD1,DD2を並列に接続している。
また、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対しては、部分共振コンデンサCpが並列に接続される。この部分共振コンデンサCpのキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンスL1によっては並列共振回路(部分電圧共振回路)を形成する。そして、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得られるようになっている。
発振・ドライブ回路2は、電流共振形コンバータを他励式により駆動するための発振回路、制御回路、及び保護回路等を備えて構成されるもので、内部にバイポーラトランジスタを備えた汎用のアナログIC(Integrated Circuit)とされる。
この発振・ドライブ回路2においては、スイッチング素子に対してドライブ信号(ゲート電圧)を出力するための端子として、2つのドライブ信号出力端子VGH,VGLが備えられる。ドライブ信号出力端子VGHからは、ハイサイドのスイッチング素子をスイッチング駆動するためのドライブ信号が出力され、ドライブ信号出力端子VGLからは、ローサイドのスイッチング素子(Q2)をスイッチング駆動するためのドライブ信号が出力される。
そして、この場合には、ドライブ信号出力端子VGHは、ハイサイドのスイッチング素子Q1のゲートと接続される。また、ドライブ信号出力端子VGLは、ローサイドのスイッチング素子Q2のゲートと接続される。
これにより、ドライブ信号出力端子VGHから出力されるハイサイド用のドライブ信号は、スイッチング素子Q1のゲートに対して印加され、ドライブ信号出力端子VGLから出力されるローサイド用のドライブ信号は、スイッチング素子Q2のゲートに対して印加されることになる。
発振・ドライブ回路2では、内部の発振回路により所要の周波数の発振信号を生成する。なお、この発振回路は、後述するようにして制御回路1から入力される制御出力のレベルに応じて、発振信号の周波数を可変するようにされている。
そして、発振・ドライブ回路2では、上記発振回路にて生成された発振信号を利用して、ハイサイド用のドライブ信号と、ローサイド用のドライブ信号を生成する。そして、ハイサイド用のドライブ信号をドライブ信号出力端子VGHから出力し、ローサイド用のドライブ信号をドライブ信号出力端子VGLから出力するようにされる。
上記説明によると、スイッチング素子Q1に対しては、ドライブ信号出力端子VGHから出力されるハイサイド用のドライブ信号が印加される。これによって、スイッチング素子Q1のゲート−ソース間電圧VGHとしては、このハイサイド用のドライブ信号に対応した波形が得られることになる。
つまり、図4(a)に示すようにして、1スイッチング周期内において、正極性による矩形波のパルスが発生する期間と、0Vとなる期間が得られることになる。
そして、この図4(a)に示されるゲート−ソース間電圧VGHによって、スイッチング素子Q1は、先ず、1スイッチング周期内において、正極性の矩形波パルスが得られるタイミングでオン状態となるようにされる。つまり、スイッチング素子Q1がオンとなるには、ゲート閾値電圧(≒5V)以上の適切なレベルの電圧が印加されることが必要である。上記正極性のパルスとしてのゲート−ソース間電圧VGHは10Vとなるように設定されているから、この正極性のパルスが印加される期間に対応してオンとなる状態が得られることになる。そして、ゲート−ソース間電圧VGHが0Vでゲート閾値電圧以下となると、オフ状態に切り換わることになる。このようなタイミングにより、スイッチング素子Q1は、オン/オフするようにしてスイッチング動作を行うことになる。
一方、スイッチング素子Q2に対しては、ドライブ信号出力端子VGLから出力されるローサイド用のドライブ信号が印加されるようになっている。このドライブ信号に応じては、図4(b)に示す波形によるスイッチング素子Q2のゲート−ソース間電圧VGLが得られる。
つまり、ゲート−ソース間電圧VGLは、図4(a)に示したスイッチング素子Q1のゲート−ソース間電圧VGHと同じ波形とされたうえで、タイミングとしては、ゲート−ソース間電圧VGHに対して180°の位相差を有した波形が得られているものである。このことから、スイッチング素子Q2は、スイッチング素子Q1と交互にオン/オフするタイミングによりスイッチング駆動されることになる。
また、図4(a)(b)によると、スイッチング素子Q1がターンオフしてスイッチング素子Q2がターンオンするまでの間と、スイッチング素子Q2がターンオフして、スイッチング素子Q1がターンオンするまでの間には期間tdが形成されるようになっている。
この期間tdは、スイッチング素子Q1,Q2が共にオフとなるデッドタイムである。このデッドタイムとしての期間tdは、部分電圧共振動作として、スイッチング素子Q1,Q2がターンオン/ターンオフするタイミングでの短時間において、部分共振コンデンサCpにおける充放電の動作が確実に得られるようにすることを目的として形成している。そして、このような期間tdとしての時間長は、例えば発振・ドライブ回路2側で設定することができるようになっており、発振・ドライブ回路2では、設定された時間長による期間tdが形成されるように、ドライブ信号出力端子VGH,VGLから出力すべきドライブ信号についてのパルス幅のデューティ比を可変する。
絶縁コンバータトランスPITは、上記のように駆動・制御されるスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力を二次側に伝送するものであり、一次巻線N1と二次巻線N2、さらにここでは三次巻線N3が巻装される。
この絶縁トランスPITの一次巻線N1の一端は、スイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q2のドレインとの接続点(スイッチング出力点)に対して、一次側並列共振コンデンサC1を介して接続される。また、他端は一次側アースに接続される。
ここで、絶縁コンバータトランスPITは、後述する構造により、上記一次巻線N1に所要のリーケージインダクタンスL1を生じさせる。そして、直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと、上記リーケージインダクタンスL1によっては、一次側スイッチングコンバータの動作を電流共振形とするための一次側直列共振回路を形成する。
上記説明によると、この図に示す一次側スイッチングコンバータとしては、一次側直列共振回路(L1−C1)による電流共振形としての動作と、前述した部分電圧共振回路(Cp//L1)とによる部分電圧共振動作とが得られることになる。
つまり、この図に示す電源回路は、一次側スイッチングコンバータを共振形とするための共振回路に対して、他の共振回路とが組み合わされた、複合共振形コンバータとしての構成を採っている。本明細書ではこのようなスイッチングコンバータについて、複合共振形コンバータということにする。
絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2には一次巻線N1に伝達されたスイッチング出力に応じた交番電圧が励起される。
この場合、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2としては、図のようにセンタータップを境に二次巻線N2Aと二次巻線N2Bとが形成された1組が備えられる。これら二次巻線N2A、二次巻線N2Bとしては、それぞれ同じ所定のターン数を巻装するものとしている。
上記二次巻線N2のセンタータップ出力は、二次側アースに接続される。
そして、二次巻線N2に対しては、図示するように整流ダイオードDO1,DO2、及び平滑コンデンサCOから成る両波整流回路を接続している。ここでは、二次巻線N2B側の端部に整流ダイオードDO1のアノードを接続し、二次巻線N2A側の端部に整流ダイオードDO2のアノードを接続している。そして、これら整流ダイオードDO1、DO2の各カソードを平滑コンデンサCoの正極端子に接続し、この平滑コンデンサCoの負極端子側を二次側アースに接地している。
これにより、平滑コンデンサCOの両端電圧として二次側直流出力電圧Eoが得られる。この二次側直流出力電圧Eoは、図示しない負荷側に供給されるとともに、次に説明する制御回路1のための検出電圧としても分岐して入力される。
制御回路1は、例えば二次側の直流出力電圧Eoのレベルに応じて、そのレベルが可変される電流又は電圧を制御出力として得る。この制御出力は、先に説明した発振・ドライブ回路2の制御端子に対して出力される。
発振・ドライブ回路2では、制御端子に入力された制御出力レベルに応じて、ドライブ信号出力端子VGH,VGLから出力すべきハイサイド用のドライブ信号と、ローサイド用のドライブ信号とについて、互いに交互にオン/オフさせるタイミングを保たせたうえで、各ドライブ信号の周波数を同期させた状態で可変するように動作する。
これにより、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数は、制御端子に入力された制御出力レベル(つまり二次側直流出力電圧Eoのレベル)に応じて、可変制御されることになる。
スイッチング周波数が可変されることによっては、一次側直列共振回路における共振インピーダンスが変化することになる。このようにして共振インピーダンスが変化することによっては、一次側の直列共振回路の一次巻線N1に供給される電流量が変化して二次側に伝送される電力も変化することになる。これにより、二次側直流出力電圧Eoのレベルが変化することとなってその安定化が図られることになる。
図1に示す電源回路においては、これまで説明した構成に対し、力率改善のための構成として力率改善回路3が備えられる。
この図に示す力率改善回路3は、先に説明したようにして高速リカバリ型ダイオードを備え、整流電流を断続するようにされるブリッジ整流回路Diを含むものとされる。また、商用交流電源ACのラインにおいて、ブリッジ整流回路Diの正極入力端子(D1とD2との接続点)と負極入力端子(D3とD4との接続点)間に並列に挿入される、フィルタコンデンサCNを含むものとされる。
さらに、力率改善回路3においては、ブリッジ整流回路の正極入力端子とその一端が接続され、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1と共に一次側に巻装される、三次巻線N3も含む。
その上で、この三次巻線N3の他端に対して接続されたリレースイッチS2と、このリレースイッチS2によって巻数が切り換えられるように構成された高周波チョークコイルLSを備えている。
力率改善回路3において、上記高周波チョークコイルLSは、巻線N10が所要の巻数により分割されて巻線部N10Aと巻線部N10Bとが形成されている。この場合、巻線部N10Aと巻線部N10Bとの分割点に対しては、上記したリレースイッチS2の端子t2が接続される。また、巻線部N10Bの上記分割点側でない端部は、リレースイッチS2の端子t3に対して接続される。
また、巻線部N10Aの上記分割点側でない端部は、商用交流電源ACの正極ラインにおいて、上記したフィルタコンデンサCNと接続されている。
ここで、このような高周波チョークコイルLSの構造について、次の図2に示しておく。
図2において、この場合の高周波チョークコイルLSには、図のようにフェライト材によるE型コアCR5、CR6を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コア(EE字形コア)を選定している。そして、このように形成されるEE型コアに対しては、例えば樹脂などによって形成される、ボビンBが備えられる。さらに、このボビンBの巻装部に対して、図のように巻線N10(巻線部N10A、N10B)を巻装している。
また、EE型コアの中央磁脚に対しては、図のようにしてギャップGを形成するようにしている。この場合のギャップGとしては、例えばG=1.0mmを形成している。なお、ギャップGは、コアの中央磁脚を2本の外磁脚よりも短くすることで形成することが出来る。
図1において、リレースイッチS2は、端子t1が上記した三次巻線N3の他端に対して接続される。
このリレースイッチS2としても、先に説明したリレースイッチS1と同様、端子t1に対して上記した端子t2又は端子t3が択一的に切り換えられる2接点スイッチとされる。そして、このリレースイッチS2としても、先に説明した整流回路切換モジュール5の動作によって、商用交流電源ACのレベルが100V系とされる場合には、端子t2が選択され、200V系に対応しては端子t3が選択されるように切り換え制御が行われる。
このようなリレースイッチS2の切り換えが行われることにより、AC100V系に対応しては、高周波チョークコイルLSにおいて巻線部N10Aのみが有効となる。また、AC200V系に対応しては、巻線N10全体が有効となるように切り換えが行われるものとなる。
このような構成とされる力率改善回路3においては、一次側スイッチングコンバータの出力が、絶縁コンバータトランスPITに巻装された一次巻線N1から三次巻線N3に、磁気結合を介して電圧帰還される構成となっている。
つまりこの際、力率改善回路3内に流れる電流は、商用交流電源ACに対応した周期の波形に対して、上記一次側スイッチングコンバータ出力としての高周波成分が重畳された波形として得られるものである。
ところで、これまでに説明した本例のスイッチング電源回路のように、一次側のスイッチング素子に対するスイッチング周波数の可変制御により、二次側直流出力電圧Eoについての安定化を図る構成とされる場合において、例えば負荷が重くなる傾向となったときの安定化制御などに起因して、一次側のスイッチング周波数が高くなっている状態では、一次側の直列共振回路を流れる直列共振電流と、二次側の整流回路に流れる二次側整流電流とが、連続して流れない現象が発生することが知られている(いわゆる電流不連続モード)。
このような不連続モードの状態では、二次側整流電流が、一次側直列共振電流の流れる期間よりも短い期間で流れるような電流不連続の状態となる。そして、このように整流電流が短期間で流れるようにされることで、このときの二次側整流電流のピークレベルは比較的高いものとなり、これに伴って二次側の各整流ダイオードの導通損が増加する傾向となる。
従って不連続モードの状態では、このような整流ダイオードの導通損により、二次側において相応の電力損失が生じているものである。
そこで、本例では、絶縁コンバータトランスPITとして次の図3にて説明するような構成とすることにより、このような電流不連続モードの発生を防止し、連続モードの拡大を図るものとしている。
この図3に示すように、絶縁コンバータトランスPITは、先の高周波チョークコイルLSの場合と同様、フェライト材によるE型コアCR1、CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コア(EE字形コア)を備える。
そして、一次側と二次側の巻装部について相互に独立するようにして分割した形状により、例えば樹脂などによって形成される、ボビンBが備えられる。このボビンBの一方の巻装部に対して一次巻線N1、及びこの場合は三次巻線N3を巻装する。また、他方の巻装部に対して二次巻線N2(N2A,N2B)を巻装する。このようにして一次側巻線及び二次巻線N2が巻装されたボビンBを上記EE型コア(CR1,CR2)に取り付けることで、一次側巻線及び二次側巻線とがそれぞれ異なる巻装領域により、EE型コアの中央磁脚に巻装される状態となる。このようにして絶縁コンバータトランスPIT全体としての構造が得られる。この場合のEE型コアとしては、例えばEER−40を選定している。
EE型コアの中央磁脚に対しては、図のようにして、例えばギャップ長1.5mm程度のギャップGを形成するようにしている。これによって、結合係数kとしては、例えばk=0.8以下による疎結合の状態を得るようにしている。この場合も、ギャップGはコアの中央磁脚を2本の外磁脚よりも短くすることで形成することが出来る。
そのうえで、二次巻線N2の1T(ターン)あたりの誘起電圧レベルを、比較的低いものとするように、一次側巻線と二次巻線N2の巻線数(ターン数)を設定する。本例においては、例えば一次巻線N1=80T、二次巻線N2A=N2B=2T、三次巻線N3=15Tとすることで、二次巻線N2の1Tあたりの誘起電圧レベルを、2.5V/T以下としている。
このような絶縁コンバータトランスPITの構造、及び一次側巻線、二次巻線N2の巻線数設定とすることで、絶縁コンバータトランスPITのコアにおける磁束密度は低下傾向となり、リーケージインダクタンスは増加傾向となる。
本例では、このように絶縁コンバータトランスにおける磁束密度を低下させ、リーケージインダクタンスを増加させることによって、一次巻線N1に流れる一次側直列共振電流、及び二次巻線N2に流れる二次側整流電流Icに変化を生じさせ、これにより後述するように連続モードの拡大を図っている。
上記のように構成される本例のスイッチング電源回路において得られる動作を、次の図5及び図6の波形図を参照して説明する。
なお、これらの波形図として、図5では、交流入力電圧VAC=100V、交流入力電圧VAC=230Vの条件下における、交流入力電圧VAC、及び交流入力電流IACの波形を示している。
また、図6では、スイッチング素子Q1の両端電圧VQ1及びスイッチング電流IQ1、一次側直列共振電流Io、及び二次側整流電流経路を流れる整流電流Icの波形について示している。
先ず、図5を参照して、商用交流電源ACが100V系とされる場合に対応して力率改善回路3において得られる動作を説明する。
商用交流電源ACが100V系とされる場合において、例えば図示するように20msの周期により交流入力電圧VACが入力されているとすると、交流入力電流IACは、図示するように上記交流入力電圧VACに応じた周期で、且つ交流入力電圧VACが正/負の期間においてそれぞれ正極性/負極性となるような波形により流れる。
ここで、交流入力電圧VACとして、AC100V系に対応したレベルが得られている場合には、先にも説明したように整流回路切換モジュール5の動作により、リレースイッチS1、リレースイッチS2では共に端子t2が選択されるものとなる。そして、このように端子t2が選択されたAC100V系時において、交流入力電圧VACが正極性となる半周期では、整流電流は、[高周波チョークコイルLS(巻線部N10A)→リレースイッチS2(端子t2−t1)→三次巻線N3→整流ダイオードD2→平滑コンデンサCi1→リレースイッチS1(端子t2−t1)→フィルタコンデンサCN]の経路により流れる。
また、AC100V系時において、交流入力電圧VACが負極性となる半周期には、[リレースイッチS1(端子t1−t2)→平滑コンデンサCi2→整流ダイオードD1→三次巻線N3→リレースイッチS2(端子t1−t2)→高周波チョークコイルLS(巻線部N10A)→フィルタコンデンサCN]の経路によって整流電流が流れる。
このような整流電流経路より、AC100V系時、交流入力電圧VACが正極性の半周期では、高速リカバリ型ダイオードである整流ダイオードD2により整流動作が行われることがわかる。また、交流入力電圧VACが負極性の半周期では、高速リカバリ型ダイオードである整流ダイオードD1により整流動作が行われていることがわかる。
そして、このときの整流電流としては、先にも述べたように絶縁コンバータトランスPITにおいて一次巻線N1と三次巻線N3との磁気結合を介して帰還される、一次側スイッチング出力に基づく成分が重畳された波形とされているものである。
図1に示される力率改善回路3においては、このように一次側スイッチング出力を電圧帰還して、このスイッチング出力としての高周波成分の重畳された整流電流によって高速リカバリ型による整流ダイオードをスイッチング動作させているものである。これにより、整流出力電圧レベルが本来では平滑コンデンサCi(Ci1−Ci2)の両端電圧よりも低いとされる期間においても、重畳された高周波成分に反応して整流ダイオードが導通して、平滑コンデンサCiへの充電電流が流れるようにされる。
この結果、交流入力電流成分の平均的な波形が交流入力電圧の波形に近づくことになって、交流入力電流IACの導通角が拡大され、力率の改善が図られることになる。
なお、確認のため述べておくと、この場合において、図5に示される交流入力電流IACの波形が平滑化されているのは、ACラインに設けたフィルタコンデンサCNにより整流電流の高周波成分が除去されていることによるものである。
一方、図5に示される交流入力電圧VACとして、AC200V系に対応したレベルが入力された場合は、先にも説明したようにリレースイッチS1、リレースイッチS2にて共に端子t3が選択されるものとなる。
そして、このように端子t3が共に選択されるAC200V系時において、交流入力電圧VACが正極性の半周期では、整流電流は、[高周波チョークコイルLS(巻線N10)→リレースイッチS2(端子t3−t1)→三次巻線N3→整流ダイオードD2→平滑コンデンサCi1−Ci2→整流ダイオードD3→フィルタコンデンサCN]の経路により流れる。
また、負極性の半周期には、整流電流は、[整流ダイオードD4→平滑コンデンサCi1−Ci2→整流ダイオードD1→三次巻線N3→リレースイッチS2(端子t1−t3)→高周波チョークコイルLS→フィルタコンデンサCN]の経路により流れるものとなる。
つまり、AC200V系時に対応しては、交流入力電圧VACが正極性の半周期では、整流ダイオードD2(高速リカバリ型)、整流ダイオードD3の組により整流動作が行われている。
また、負極性の半周期では、整流ダイオードD1(高速リカバリ型)、整流ダイオードD4の組により整流動作が行われているものである。
このように本例において、AC200V系とされる場合では、交流入力電圧VACが正/負の期間で共に、少なくとも1つの高速リカバリ型ダイオードが整流動作を行うように構成している。
そして、このようにして一方の高速リカバリ型による整流ダイオードにより整流動作を行わせるようにすることで、先に説明したAC100V系時と同様、電圧帰還されるスイッチング出力に基づく高周波成分に応じたスイッチング動作が得られるようにしている。つまり、これによって、この場合も整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCiの両端電圧よりも低いとされる期間に、平滑コンデンサCiへの充電電流を流すことができるものである。
上記説明より、図1に示した力率改善回路3が備えられることによっては、AC100V系時とAC200V系時とで共に、整流電流成分が断続され、交流入力電流IACの導通角が拡大されて力率の改善が図られるようになる。
つまり、このような本例によれば、力率改善を図るにあたってアクティブフィルタは省略することができるものである。
なお、この場合、上述のようにAC200V系に対応しては、各半周期にそれぞれ2つの整流ダイオードが整流動作を行うものとなるから、他方の整流ダイオードも高速リカバリ型として、ブリッジ整流回路Diを構成する整流ダイオードの全てを高速リカバリ型とすることも考えられる。しかし、このような高速リカバリ型ダイオードとしては、比較的高価なものであることから、その分回路製造コストの増加につながる。
本例においては、上記説明のように各半周期の整流電流経路にそれぞれ挿入されることになる整流ダイオードとして、少なくとも一方が高速リカバリ型ダイオードとされるように構成することで、他方の整流ダイオード(低速ダイオード)をオンとすることができ、これによって電圧帰還方式による力率改善動作を実現している。そして、このような本例によれば、ブリッジ整流回路Diについて、少なくとも2つの整流ダイオードのみを高速リカバリ型として回路コストの低減を図ることができるものである。
ところで、図1にも示したように、力率改善回路3に対しては、高周波チョークコイルLSの巻線N10の巻数を切り換えるためのリレースイッチS2が備えられる。そして、上記説明によれば、交流入力電圧VAC=150V以下(AC100V系)である場合に対応しては、このリレースイッチS2にて端子t2が選択され、また、VAC=150V以上(AC200V系)となるのに応じては、端子t3が接続される。
AC100V系時に対応して、端子t2が選択されることによっては、上記巻線N10にて巻線部N10Aのみが有効とされる。これに対し、AC200V系時に対応して端子t3が選択されることによっては、巻線部N10Aと巻線部N10Bと含む、巻線N10全体が有効とされることになる。
このようにして、高周波チョークコイルLSにおける巻線N10の巻線数が変化すれば、その巻数の差に応じて高周波チョークコイルLSのインダクタンス値が変化するから、これに伴って整流電流経路に帰還されるべき交番電圧レベルも変化することになる。
そして、上記のようにしてAC200V系時に巻線N10の巻数が増加することによっては、高周波チョークコイルLSとしてのインダクタンス値の上昇に伴い、整流電流経路に帰還される交番電圧レベルも増加することになる。これによっては、力率改善回路3において帰還されるエネルギーが増加するために、より高い力率を得ることが可能となる。
つまり、AC100V系時と200V系時とで、このような高周波チョークコイルLS(巻線N10)の巻数を同等とした場合には、AC200V系時の力率の方が低下していたものであるが、このようにリレースイッチS2による巻数の切り換えを行うようにしたことで、この特性を改善しているものである。
なお、このような力率改善回路3に帰還される交番電圧レベルの可変は、絶縁コンバータトランスPITに巻装される三次巻線N3の巻数の切り換えを行うことによっても可能である。
続いては、図6の波形図を用いて、先に説明した本例としての絶縁コンバータトランスPITの構成に基づいて得られる動作について説明する。
図6において、スイッチング素子Q1の両端電圧VQ1は、スイッチング素子Q1のオン/オフ状態に対応している。つまり、スイッチング素子Q1がオンとなる期間T2では0レベルで、オフとなる期間T1では所定レベルでクランプされた矩形波となる。これら期間T1、T2により示されるスイッチング周期は、図のように、この場合は例えば10μsとされる。
そして、スイッチング素子Q1//ダンパーダイオードDD1に流れるスイッチング電流IQ1としては、期間T2に示されるように、ターンオン時においては、ダンパーダイオードDD1を流れることで負極性となり、これが反転して正極性によりスイッチング素子Q1のドレイン→ソースを流れ、期間T1でオフとなって0レベルとなる波形が得られる。
また、スイッチング素子Q2は、上記スイッチング素子Q1に対して交互にオン/オフするようにしてスイッチングを行う。このため、スイッチング素子Q2//ダンパーダイオードDD2に流れるスイッチング電流としては、図示はしていないが上記スイッチング電流IQ1に対して180°位相がシフトした波形となる。また、スイッチング素子Q2の両端電圧としても、スイッチング素子Q1の両端電圧VQ1に対して180°位相がシフトした波形となる。
そして、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力点と一次側アース間に接続される一次側直列共振回路(C1−L1)に流れる一次側直列共振電流Ioは、スイッチング電流IQ1とスイッチング電流IQ2とが合成されたものとなる。これにより、この場合の一次側直列共振電流Ioは、図示するようにして正弦波状となる。
ここで、本例のように絶縁コンバータトランスPITを疎結合の状態としない従来の回路においては、絶縁コンバータトランスPITとして例えばk=0.8以上となる結合係数が設定されて、絶縁コンバータトランスPITにおいてより高い磁束密度が得られるようにされていたが、これによっては、一次側直列共振電流Ioは正弦波状とはならず、一次巻線N1の励磁インダクタンスにより発生する矩形状波成分が含まれるものとされていた。
これに対し本例では、先にも説明したように絶縁コンバータトランスPITの結合係数をより疎結合な状態とする等して、磁束密度を所要以下に設定するものとしたことから、一次巻線N1のリーケージインダクタンスL1が増加した分、相対的に一次巻線N1の励磁インダクタンスを小さくすることができる。
そして、このように一次巻線N1の励磁インダクタンスを小さくすることができたことにより、一次側直列共振電流Ioとして、図示するように正弦波状の波形を得ることができたものである。
このような一次側直列共振電流Ioの波形が得られるのに応じて、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2に励起される交番電圧としても、そのゼロクロスタイミングがこの一次側直列共振電流Ioの波形と重なるものとなる。そして、このように二次巻線N2に励起される交番電圧波形として、一次側直列共振電流Ioとゼロクロスタイミングが一致した波形が得られれば、二次側において流れる整流電流Icの波形としても、図のように一次側直列共振電流Ioとゼロクロスタイミングが一致した波形が得られるものとなる。
つまり、この場合、一次側直列共振電流Ioに対して、二次側整流電流Icが連続して流れ、電流連続モードの状態が得られるものである。
このようにして電流連続モードの状態が得られれば、電流不連続モードの状態では二次側整流電流Icの流れる期間が相対的に短くされることによってそのピークレベルが上昇していたものを、結果的にその導通角を拡大してピークレベルを抑制することができる。
そして、このように二次側整流電流Icのピークレベルが抑制されるようになれば、二次側の整流ダイオード(DO1、DO2)の導通損が低減されるようになって、無効電力の低減を図ることができる。
図7には、図1に示した構成による電源回路の特性として、負荷電力Po=0〜150Wの変動に対する力率PF、AC→DC電力変換効率ηAC→DC、及び直流入力電圧Eiの変化を示している。
なお、この図においては、直流入力電圧Eiを生成する整流回路として、倍電圧整流回路とした場合の特性を実線により示し、全波整流回路とした場合の特性を破線により示している。また、図7の実験結果を得るのにあたっては、倍電圧整流回路とした場合は、交流入力電圧VAC=100Vで一定の条件、全波整流動作とした場合は、交流入力電圧VAC=230Vで一定の条件としている。
また、参考として、この図7に示す実験結果を得るにあたっての、図1に示した回路の各部の定数を示しておく。

・絶縁コンバータトランスPIT:EER−40のフェライトコア、ギャップ長Gap=1.5mm、結合係数k=0.76
一次巻線N1=80T(ターン)
二次巻線N2:センタータップを境に2T+2T
三次巻線N3=15T
・高周波チョークコイルLS:EE−22のフェライトコア、ギャップ長Gap=1.0mm
巻線部N10AのインダクタンスLA=63μH
二次巻線N10BのインダクタンスLB=50μH
・一次側直列共振コンデンサC1=0.022μF

なお、図1に示した回路では、このような各部の設定により二次側直流出力電圧Eo=5V、負荷電流=30A〜0Aまでの負荷変動(Po=0〜150W)に対応するものとされる。
この図7に示すように、図1に示した本例の回路の場合、交流入力電圧VAC=100Vの条件において、負荷電力Po=150W時には、AC→DC電力変換効率として、ηAC→DC=90.1%が得られるものとなる。また、同じくVAC=100V、Po=150Wの条件において、力率PF=0.94となる。
また、交流入力電圧VAC=230Vの条件では、負荷電力Po=150W時にηAC→DC=91.5%となり、力率はPF=0.925となる。
またこの場合、電力変換効率は、交流入力電圧VAC=85V〜264Vの範囲に対してηAC→DC=88%〜93.5%となる実験結果が得られている。
さらに、負荷電力Po=150W〜25Wに対する直流入力電圧Eiの変動幅ΔEiとしては、交流入力電圧VAC=100Vの条件でΔEi=54.0V、交流入力電圧VAC=230Vの条件ではΔEi=30.0Vとなる特性が得られる。
この図7に示した結果より、図1に示した本例の電源回路では、AC100V系時とAC200V系時とで共に、AC→DC電力変換効率として90%以上の高効率が得られていることがわかる。
つまり、先行技術として示した図16の回路の場合における、総合的な電力変換効率87.4%(100V系時)、89.3%(200V系時)と比較して、より高い電力変換効率を得ることができるものである。
このように本例において、電力変換効率として高効率が得られるのは、力率改善及びワイドレンジ対応のための先の図16に示したようなアクティブフィルタの省略を可能としたことと、絶縁コンバータトランスPITとして所要以下の磁束密度を設定することで電流連続モードの拡大を図り、二次側整流ダイオードに発生する導通損を低減するようにしたことによるものである。
また、図7の結果より、図1に示す電源回路においては、AC100V系時とAC200V系時とで共に、力率PF=0.9以上の高力率が得られていることが分かる。
ここで、従来において、単に図1に示したような電圧帰還方式による力率改善回路3のみを備えた電源回路の構成では、力率PFとして0.9以上を得ることが困難とされていた。
これは、力率改善回路3のみを備えた構成では、先に説明したような絶縁コンバータトランスPITの設定による不連続モードの発生により、スイッチング素子Q1、Q2の各ボディダイオードDD1、DD2が導通するダンパー期間(先の図6におけるスイッチング電流IQ1の波形参照)が比較的短いもとされ、力率改善回路3へ帰還すべき電圧レベルを上昇させることが困難であったことによる。
ここで、高力率を得るために電圧帰還レベルを上昇させようとすれば、一次側直列共振電流Ioに変化が生じることとなり、これに伴ってスイッチング電流としても変化が生じ、上記のようなダンパー期間は短くなるように変化するものとなる。
このようなダンパー期間は、充分な長さが得られなければスイッチング素子Q1、Q2の破壊を招く危険性が高くなるものであるが、この場合、ダンパー期間としては、例えば商用交流電源ACの変動等によるスイッチング電流の変化に応じても短くなるように変化してしまう。
つまりこの場合、上記のように不連続モードとされることでダンパー期間が短くなっている従来の構成では、電圧帰還レベルを上昇させた場合にダンパー期間がなくなる可能性が高くなり、スイッチング素子の破壊を招く危険性が非常に高いものとなってしまう。
このよう理由から、単に力率改善回路3のみを設けた電源回路においては、力率改善回路3への電圧帰還レベルを上昇させて高力率を得ることが困難とされていたものである。
これに対し本例では、力率改善回路3を備えると共に、絶縁コンバータトランスPITの構成によって、連続モードの拡大を図っている。そして、これによっては、先にも述べたように一次側直列共振電流Ioの波形として正弦波状の波形が得られ、これに伴ってスイッチング電流の波形としても変化が生じ、ダンパー期間が従来よりも2倍程度拡大する波形として得られるようになる。
このようにダンパー期間が拡大されることによって、本例においては、電圧帰還レベルを上昇させてダンパー期間が短くなるような場合にも、安定なスイッチング動作を確保することが可能となる。すなわち、これによって本例では、上述のように力率改善回路3を設けたのみの従来の構成よりも電圧帰還レベルを上昇させて、より高力率を得ることが可能となったものである。
これらのことから、電圧帰還方式による力率改善回路3を備える電源回路として、絶縁コンバータトランスPITの構成により電流不連続モードの発生を防止するようにした本例では、従来の電圧帰還方式による力率改善回路3のみを備える場合と比較して、電流連続モードの拡大により二次側の無効電力を抑制して電力変換効率の向上を図ることが可能となると共に、より高力率を得ることができるようになったものである。
また、このような本例の電源回路と、先行技術としての図16の電源回路とを比較した場合には、次のようなことがいえる。
先ず、図1に示した本例の回路では、電圧帰還方式による力率改善改善回路3を備える構成としていることでアクティブフィルタが省略される。アクティブフィルタは、1組のコンバータを構成するものであり、図16による説明からも分かるように、実際には、1本のスイッチング素子と、これらを駆動するためのIC等を始め、多くの部品点数により構成される。
これに対して、図1に示す電源回路に備えられる力率改善回路3は、ブリッジ整流回路Diとして高速リカバリ型ダイオードを用いる構成とすることにより、追加部品としては三次巻線N3と、高周波チョークコイルLS、フィルタコンデンサCN、リレースイッチS1及びS2を備えているのみであるから、アクティブ回路と比較すれば非常に少ない部品点数となっている。
これにより、図1に示す電源回路としては、力率改善機能を備えるワイドレンジ対応の電源回路として、図16に示す回路よりもはるかに低コストとすることができる。また、部品点数が大幅に削減されることで、回路基板についても有効に小型軽量化を図ることができる。
また、図1に示す電源回路では、共振形コンバータ及び力率改善回路3の動作はいわゆるソフトスイッチング動作であるから、図16に示したアクティブフィルタと比較すれば、スイッチングノイズのレベルは大幅に低減される。
このため、図1にも示したように、各1組のラインフィルタトランスLFTとアクロスコンデンサCLから成る1段のラインノイズフィルタを備えれば、電源妨害規格をクリアすることが充分に可能とされる。また、整流出力ラインのノーマルモードノイズについては、図1にも示しているように、1つのフィルタコンデンサCNのみにより対策を行っている。
このようにしてノイズフィルタとしての部品点数が削減されることによっても、電源回路のコストダウンと、回路基板の小型軽量化は促進される。
また、図1に示す電源回路の場合、一次側のスイッチングコンバータのスイッチング周波数は、交流入力電圧VAC及び負荷電力の変化などに応じて、定電圧化のために例えば70KHz〜150KHzの範囲で変化するのであるが、このスイッチングコンバータを形成する各スイッチング素子Q1,Q2は、同期してスイッチング動作する。従って、一次側アース電位としては、図16の電源回路のように、アクティブフィルタ側と、その後段のスイッチングコンバータとの間で干渉することが無く、スイッチング周波数の変化に関わらず安定とすることができる。
これにより、従来のアクティブフィルタを備える図16の回路で問題となっていた、異常発振の抑制を図ることができる。
これらの比較より、図1に示した本例の回路では、アクティブフィルタを備えた図16の回路の抱えていた種々の問題を解決した上で、アクティブフィルタを備える場合と同等の、実用上充分な力率を得ることができ、さらに、先の図7に示した特性からも理解されるように電力変換効率としてもより高効率を得ることができるものである。
図8には、第1の実施の形態の変形例について示しておく。なお 、図8においては、図1にて説明した部分については同一の符号を付して説明を省略する。
この図8に示される回路では、図示するように平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路に対して並列に、平滑コンデンサCi3を接続するようにしたものである。
このような構成によれば、AC100V系時、交流入力電圧VACが正極となる半周期では、整流電流は[整流ダイオードD2→平滑コンデンサCi3→整流ダイオードD3→フィルタコンデンサCN]の経路にも分岐して流れるようになる。
また、AC100V系時において、交流入力電圧VACが負極性の半周期には、[整流ダイオードD4→平滑コンデンサCi3→整流ダイオードD1]の経路によっても流れるものとなる。
つまり、先の図1の回路では、AC100V系時において各半周期に整流ダイオードD1のみ、或いは整流ダイオードD2のみにより整流動作を行うようにしていたものを、この変形例では、各半周期に整流ダイオード[D2、D3]の組、整流ダイオード[D1、D4]の組によりそれぞれ整流動作を行うようにしたものである。
続いては、第2の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成について、図9を参照して説明する。なお、この図において、既に図1にて説明した部分については同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態としては、図1の構成に基づいた上で、電圧帰還用トランスVFTによりスイッチング出力を電圧帰還する力率改善回路4を構成するようにした点において、先の第1の実施の形態と異なる。
図9において、第2の実施の形態の場合は、絶縁コンバータトランスPITの一次側に巻装していた三次巻線N3は省略されるものとなる。
そして、これに代えて、図示するように一次側直列共振コンデンサC1と絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1との間に挿入された一次巻線N4を巻装する、電圧帰還用トランスVFTを備える。
この電圧帰還用トランスVFTにおいて、上記一次巻線N4に対しては、二次側に二次巻線N5が巻装される。この場合、二次巻線N5は所要の巻数により分割されて、図のように巻線部N5A、巻線部N5Bが形成される。そして、これら巻線部N5AとN5Bとの分割点は、リレースイッチS2の端子t2に接続される。また、巻線部N5Bの上記分割点とは逆の端部は、リレースイッチS2の端子t3に対して接続される。さらに、巻線部N5Aの上記分割点とは逆の端部は、ブリッジ整流回路Diの正極入力端子に接続される。
また、リレースイッチS2の端子t1は、商用交流電源ACの正極ラインにおいてフィルタコンデンサCNと接続される。
この場合のリレースイッチS2としても、整流回路切換モジュール5の動作に基づき、先の図1の場合と同様の端子切り換えが行われる。
すなわちこの場合、AC100V系時には端子t2が選択されて二次巻線N5における巻線部N5Aのみが有効となるようにされる。また、AC200系時には端子t3が選択されて二次巻線N5の全体が有効となるように切り換えが行われるものとなる。
ここで、上記電圧帰還用トランスVFTの構造としては、例えば図10に示すようにして、フェライト材によるE型コアCR10、CR11を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コアが備えられる。そして、この場合は、一次側と二次側の巻装領域が互いに独立するようにして分割された上で一体化されたボビンBに対して、上記一次巻線N4と、二次巻線N5(巻線部N5A、N5B)がそれぞれの巻装領域に対して巻装される。
そして、このように形成される電圧帰還用トランスVFTとしても、そのコアの中央磁脚に対してはギャップGを形成する。この場合のギャップGとしては、Gap=0.9mm程度を設け、これによって結合係数が0.7〜0.8程度の疎結合の状態を得るようにしている。
上記のようにして、力率改善回路4に電圧帰還用トランスVETを備える第2の実施の形態の場合も、この電圧帰還用トランスVFTの一次巻線N4と二次巻線N5の磁気結合を介して、一次側のスイッチング出力が整流電流経路に電圧帰還されるものとなる。
そして、この場合としても、ブリッジ整流回路Diにおいては電圧帰還される成分に基づいて先の図1の場合と同様の整流動作が行われるものとなって、交流入力電流IACの導通角が拡大されて力率の改善が図られるようになる。
なお、図9に示した回路における各部の動作波形としては、先の図5、図6に示したものとほぼ同等となることからここでの図示による説明は省略する。
また、上記説明によれば、この場合もAC100V系とAC200系とでリレースイッチS2による端子切り換えが行われて、電圧帰還用トランスVFTの二次巻線N5の巻線数が変化するようにされている。
この場合、電圧帰還用トランスVFTの二次巻線N5としての巻線数が変化すれば、この二次巻線N5と一次巻線N4との巻線比が変化することになって、二次巻線N5側に励起されて整流電流経路に帰還されるべき交番電圧レベルも変化することになる。そして、このような原理から、この場合としてもAC200V系時に整流電流経路に帰還される交番電圧レベルが増加してより高い力率を得ることが可能となり、AC200V系時の力率が低下する特性を改善できるものである。
なお、この場合の電圧帰還レベルの可変は、一次巻線N4側の巻数を切り換えることによっても可能となる。
図11は、第2の実施の形態の電源回路の特性として、負荷電力Po=0〜150Wの変動に対する力率PF、AC→DC電力変換効率ηAC→DC、及び直流入力電圧Eiの変化を示している。なお、この図においても、直流入力電圧Eiを生成する整流回路として、倍電圧整流回路とした場合の特性を実線により示し、全波整流回路とした場合の特性を破線により示している。
また、この場合にも、図11の実験結果を得るのにあたっては、倍電圧整流回路としたときの特性は交流入力電圧VAC=100Vで一定の条件とし、また、全波整流回路としたときの特性は、交流入力電圧VAC=230Vで一定の条件としている。
また、参考として、この図11に示す実験結果を得るにあたっての、図9に示した回路の各部の定数を示しておく。

・絶縁コンバータトランスPIT:EER−40のフェライトコア、ギャップ長Gap=1.5mm、結合係数k=0.76
一次巻線N1=70T(ターン)
二次巻線N2:センタータップを分割位置として2T+2T
・電圧帰還用トランスVFT:EER−25のフェライトコア、ギャップ長Gap=0.9mm、結合係数k=0.80
一次巻線N4=40T
二次巻線N5=巻線部N5A+巻線部N5B=16T+18T=34T
・一次側直列共振コンデンサC1=0.015μF

なお、第2の実施の形態では、上記のような絶縁コンバータトランスPITのギャップ長、及び巻線数の設定により、連続モードの拡大が図られるものである。
この図11に示されるように、第2の実施の形態の場合、交流入力電圧VAC=100Vの条件では、負荷電力Po=150W時にAC→DC電力変換効率ηAC→DC=90.0%となる。また、VAC=100V、Po=150Wの条件において、力率はPF=0.905となる。
そして、交流入力電圧VAC=230Vの条件では、負荷電力Po=150W時にηAC→DC=90.6%となり、力率PF=0.895となる。
また、この際、電力変換効率は、交流入力電圧VAC=85V〜264Vの範囲に対してηAC→DC=88%〜93%となる実験結果が得られている。
このような結果から、第2の実施の形態としても、電力変換効率はAC100V系と200V系とで共に90%以上の高効率が得られていることがわかる。また、力率としても、ほぼPF=0.90となる高い数値が得られている。
従って、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態の場合と同等の効果が得られているものである。
なお、この場合、負荷電力Po=150W〜25Wに対する直流入力電圧Eiの変動幅ΔEiとしては、交流入力電圧VAC=100Vの条件でΔEi=10.0V、交流入力電圧VAC=230Vの条件ではΔEi=3.5Vとなる特性が得られている。
つまりこの場合、先の図7に示した図1の回路におけるΔEi=54.0V(100V系時)、及びΔEi=30.0V(200V系時)と比較して、大幅に縮小されているものである。
このように第1の実施の形態と第2の実施の形態の場合とで、ΔEiの値が大幅に異なるのは、第1の実施の形態の場合では、負荷変動に対し三次巻線N3に励起される電力が一定とされるのに対し、第2の実施の形態では負荷変動に応じて電圧帰還用トランスVFTの一次巻線N4に得られる電力が変化するようにされていることによる。
つまり、第1の実施の形態の場合、三次巻線N3は絶縁コンバータトランスPITに対して巻装されていることから、負荷変動に伴って一次側直列共振電流Ioのレベルが変化したとしても、そこに励起される電圧レベルは一定となる。
これに対し、電圧帰還用トランスVFTの一次巻線N4は、一次巻線N1と接続されて負荷変動による一次側直列共振電流Ioの変動の影響を受けるものとなるから、これに伴って二次巻線N5側に励起されて電圧帰還されるレベルも負荷変動に応じて変化するものとなる。
そして、このように一次側直列共振電流Ioの変動(つまり負荷変動)に応じて整流電流経路に帰還される電圧レベルが変化されることで、負荷変動に対する直流入力電圧Eiの変動幅ΔEiが縮小されるようになるものである。
ここで、次の図12に示すようにて、第2の実施の形態としても、先の図8に示した構成と同様の変形例の構成とすることができる。
つまり図12に示されるように、先の図9に示した第2の実施の形態としての構成に基づいた上で、先の図8に示したように平滑コンデンサCi1−Ci2の直列接続回路に対して、並列に平滑コンデンサCi3を接続するものである。
この場合も、図8の変形例と同様にして、AC100V系時において各半周期に整流ダイオードD1のみ、或いは整流ダイオードD2のみにより整流動作を行うようにしていたものを、各半周期に整流ダイオード[D2、D3]の組、整流ダイオード[D1、D4]の組によりそれぞれ整流動作を行うようにすることができる。
なお、本発明としては、これまでに説明した電源回路の構成に限定されるものではない。
例えばスイッチング素子としては、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など、他励式に使用可能な素子であれば、MOS−FET以外の素子が採用されて構わない。また、先に説明した各部品素子の定数なども、実際の条件等に応じて変更されて構わない。
また、本発明としては、自励式でハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータを備えて構成することも可能とされる。この場合には、スイッチング素子として例えばバイポーラトランジスタを選定することができる。
さらには、例えば絶縁コンバータトランスPITの二次側において二次側直流出力電圧を生成するための回路構成としても、適宜変更されて構わない。
また、力率改善回路3、4の構成としても、上記各実施の形態として示したもの以外に限定されるものではなく、これまでに本出願人が提案してきた各種の電圧帰還方式による回路構成として、倍電圧整流回路に適用可能なものを採用することも可能である。
本発明の第1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 第1の実施の形態としての電源回路が備える高周波チョークコイルの構造例を示す断面図である。 実施の形態の電源回路が備える絶縁コンバータトランスの構造例を示す断面図である。 実施の形態の電源回路におけるスイッチング素子のゲート−ソース間電圧を示す波形図である。 実施の形態の電源回路における要部の動作を、商用交流電源周期により示す波形図である。 実施の形態の電源回路における要部の動作を、スイッチング周期により示す波形図である。 第1の実施の形態の電源回路についての、負荷変動に対する力率、電力変換効率、直流入力電圧レベルの特性を示す図である。 第1の実施の形態の変形例について示す回路図である。 第2の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 第2の実施の形態の電源回路が備える電圧帰還用トランスの構造例を示す断面図である。 第2の実施の形態の電源回路についての、負荷変動に対する力率、電力変換効率、直流入力電圧レベルの特性を示す図である。 第2の実施の形態の変形例について示す回路図である。 アクティブフィルタの基本的回路構成を示す回路図である。 図13に示すアクティブフィルタにおける動作を示す波形図である。 アクティブフィルタのコントロール回路系の構成を示す回路図である。 先行技術として、アクティブフィルタを実装した電源回路の構成例を示す回路図である。
符号の説明
1 制御回路、2 発振・ドライブ回路、3、4 力率改善回路、5 整流回路切換モジュール、Di ブリッジ整流回路、Ci1,Ci2 平滑コンデンサ、Q1,Q2 スイッチング素子、PIT 絶縁コンバータトランス、C1 一次側直列共振コンデンサ、Cp 部分共振コンデンサ、N1 一次巻線、N2 二次巻線、N3 三次巻線、RL リレー、S1,S2 リレースイッチ、D1、D2、D3、D4 整流ダイオード、CN フィルタコンデンサ、LS 高周波チョークコイル、N10 巻線、N10A、N10B 巻線部、VFT 電圧帰還用トランス、N4 一次巻線、N5 二次巻線、N5A、N5B 巻線部、LFT ラインフィルタトランス、CL アクロスコンデンサ

Claims (6)

  1. 商用交流電源を入力して整流平滑電圧を生成するものとされ、入力される商用交流電源のレベルに応じて、商用交流電源レベルの等倍に対応するレベルの上記整流平滑電圧を生成する等倍電圧整流動作と、商用交流電源レベルの2倍に対応するレベルの上記整流平滑電圧を生成する倍電圧整流動作とで切り換えが行われる整流平滑手段と、
    上記整流平滑電圧を直流入力電圧として入力してスイッチング動作を行うものとされ、ハイサイドのスイッチング素子と、ローサイドのスイッチング素子とをハーフブリッジ結合して形成されるスイッチング手段と、
    上記各スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段と、
    少なくとも、上記スイッチング手段のスイッチング動作により得られるスイッチング出力が供給される一次巻線と、該一次巻線に得られたスイッチング出力としての交番電圧が励起される二次巻線とを巻装して形成される絶縁コンバータトランスと、
    少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に直列接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直列共振回路と、
    上記ハーフブリッジ回路を形成するスイッチング素子のうち、一方のスイッチング素子に対して並列接続された部分電圧共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分によって形成され、上記各スイッチング素子がターンオン及びターンオフするタイミングに応じてのみ電圧共振動作が得られる一次側部分電圧共振回路と、
    上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して、整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、
    上記スイッチング手段によるスイッチング出力に基づく交番電圧を整流電流経路に帰還すると共に、このスイッチング出力に基づく交番電圧を利用して、上記整流平滑手段に備えられたダイオード素子により整流電流成分を断続して力率を改善するように構成される力率改善回路と、を備えると共に、
    上記絶縁コンバータトランスの磁束密度を、上記二次側直流出力電圧に接続される負荷条件の変動にかかわらず、上記直流出力電圧生成手段に流れる二次側整流電流が連続モードとなるようにして、所定以下となるように設定した、
    ことを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 上記絶縁コンバータトランスの磁束密度を一定以下とするために、絶縁コンバータトランスに形成するギャップ長を所定以上とすることで、一次側と二次側の結合係数を所定以下に設定している、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  3. 上記絶縁コンバータトランスの磁束密度を一定以下とするために、上記二次巻線における1ターンあたりの誘起電圧レベルが所要以下となるように、少なくとも上記一次巻線と、上記二次巻線のターン数を設定している、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  4. 上記力率改善回路は、
    上記絶縁コンバータトランスの一次側に巻装した三次巻線を備えると共に、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線を介してこの三次巻線に励起される上記スイッチング手段によるスイッチング出力に応じた交番電圧を利用して、上記整流平滑手段に備えられたダイオード素子により整流電流成分を断続して力率を改善するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  5. 上記力率改善回路は、
    上記スイッチング手段によるスイッチング出力が入力される一次巻線と、この一次巻線に得られたスイッチング出力に応じた交番電圧が励起される二次巻線とによって形成される電圧帰還用トランスを備え、この電圧帰還用トランスの二次巻線に励起される交番電圧を利用して、上記整流平滑手段に備えられたダイオード素子により整流電流成分を断続して力率を改善するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  6. 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッチング手段のスイッチング周波数を可変制御することで、上記二次側直流出力電圧についての定電圧制御を行うようにされた定電圧制御手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
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