JP2004146420A - 窒化物半導体レーザ素子、その製造方法及びそれを備えた半導体光学装置 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子、その製造方法及びそれを備えた半導体光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ発振寿命の長い窒化物半導体レーザ素子を提供する。
【解決手段】本発明の半導体レーザ素子は、窒化物半導体基板とその上に積層された窒化物半導体層より成る。基板はドット状の転位集中領域と転位集中領域を除いた領域である低転位領域を有し、窒化物半導体層はストライプ状のレーザ光導波領域を有する。レーザ光導波領域は低転位領域上に設けられており、周期的に並ぶ複数の転位集中領域と平行または垂直である。レーザ光導波領域と最近接の転位集中領域との水平方向の距離は30μm以上である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化物半導体レーザ素子、その製造方法および窒化物半導体レーザ素子を光源として備える半導体光学装置に関し、特に、窒化物半導体を基板として用いる窒化物半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
GaN、AlN、InNおよびそれらの混晶に代表される窒化物半導体材料により、紫外から可視領域で発振する半導体レーザ素子が試作されている。ジャパニーズ=ジャーナル=オブ=アプライド=フィジックス39号L647〜L650頁(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.39(2000) pp.L647−650)で報告された半導体レーザ素子もこの一例である。
【0003】
まず、GaN基板の製造には、次の方法を用いることが報告されている。MOCVD法(Metalorganic Chemical Vapor Deposition)によりサファイア基板上に2.5μm厚の下地GaN層を成長し、その上に周期的なストライプ状の開口部をもつSiOマスクパターン(周期20μm)を形成し、再びMOCVD法により15μm厚のGaN層を形成して、表面が平坦なウェハーを得る。これは、ELOG(Epitaxially Lateral Overgrown)と呼ばれる技術であり、ラテラル成長の利用により、欠陥を低減する手法である。さらに、HVPE法(Hydride Vapor Phase Epitaxy)により200μm厚のGaN層を形成し、下地を除去することで150μm厚のGaN基板を製造する。
【0004】
次に、窒化物半導体レーザ素子の製造方法について示されている。前記の製造方法で得られたGaN基板上に周期的なストライプ状の開口部をもつSiOマスクパターン領域を形成し、この上にストライプ状導波路(リッジストライプ構造)を有する窒化物半導体の積層構造を形成し、窒化物半導体レーザ素子を得る。こうして得られた半導体レーザの寿命特性は、60℃において30mWで、推定寿命15000時間であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記報告に記載の半導体レーザ素子では、基板の製造方法が3回の結晶成長(下地成長、MOCVD成長、HVPE成長)を必要としており、複雑で生産性に問題があった。また、レーザ発振寿命もまだ十分でなく、さらに高温で高出力(例えば、70℃、60mW)の条件での寿命が十分でなかった。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたもので、レーザ発振寿命の一層優れた窒化物半導体レーザ素子およびその簡便な製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本明細書で説明する窒化物半導体基板とは、少なくともAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で構成された基板である。さらに、窒化物半導体基板は、その構成成分である窒素元素の約20%以下が、As、PおよびSbの元素群のうち少なくともいずれかの元素で置換されても構わない。
【0008】
窒化物半導体基板として、最も好ましくは、二元結晶となるGaN基板である。二元結晶とすることで組成が一定となり、基板として安定した特性のものが得られやすくなるとともに、その上にエピタキシャル成長を行う際にも組成の変化が無くなる。また、GaNとすることで、良好な導電性が得られるようにもなる。次いでは、AlGaN基板である。AlGaN基板のように屈折率がGaNよりも小さい材料を基板として用いることで、紫外〜青色領域の半導体レーザを上記材料系で構成する場合、レーザ光の活性層への光閉じ込めが良好になる。
【0009】
また、窒化物半導体基板は、n型もしくはp型のドーパント等の不純物が添加されていても構わない。不純物としては、Cl、O、S、Se、Te、C、Si、Ge、Zn、Cd、MgおよびBe等を用いることができる。その不純物の総添加量は5×1016/cm以上5×1020/cm以下が好ましい。窒化物半導体基板がn型導電性を有するための不純物は、前記不純物群のうち、Si、Ge、O、Se、Clのいずれかが特に好ましい。
【0010】
本明細書で説明する窒化物半導体基板に積層された窒化物半導体層とは、少なくともAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で構成された層である。窒化物半導体層は、その構成成分である窒素元素の約20%以下が、As、PおよびSbの元素群のうち少なくともいずれかの元素で置換されても構わない。
【0011】
また、窒化物半導体層は、n型もしくはp型のドーパント等の不純物が添加されていても構わない。不純物としては、Cl、O、S、Se、Te、C、Si、Ge、Zn、Cd、MgおよびBe等を用いることができる。その不純物の総添加量は5×1016/cm以上5×1020/cm以下が好ましい。窒化物半導体層がn型導電性を有するための不純物は、前記不純物群のうち、Si、Ge、S、Se、Teのいずれかが特に好ましく、p型導電性を有するための不純物はMg、Cd、Beのいずれかが特に好ましい。
【0012】
本明細書で説明する活性層とは、井戸層もしくは井戸層と障壁層から構成された層の総称を指すものとする。例えば、単一量子井戸構造の活性層は、1つの井戸層のみから構成されるか、あるいは、障壁層/井戸層/障壁層から構成される。また、多重量子井戸構造の活性層は複数の井戸層と複数の障壁層から構成される。
【0013】
なお、結晶の面や方位を示す指数が負の場合、絶対値の上に横線を付して表記するのが結晶学の決まりであるが、本明細書では、そのような表記ができないため、絶対値の前に負号「−」を付して負の指数を表す。
【0014】
前記目的を達成するために、本発明では、窒化物半導体基板とその上に積層された窒化物半導体層を備える窒化物半導体レーザ素子は、窒化物半導体基板が複数の点状の転位集中領域と転位集中領域を除いた領域である低転位領域を有し、窒化物半導体層がストライプ状のレーザ光導波領域を窒化物半導体基板の低転位領域上に有し、レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との中心間距離が30μm以上である構成とする。
【0015】
レーザ光導波領域を低転位領域上に位置させることで、レーザ光導波領域への転位の影響が抑えられ、レーザ発振寿命の長い半導体レーザ素子を得ることができる。ただし、低転位領域においては転位密度が一定ではなく、分布を生じることがある。特に転位集中領域の中心からの距離dが30μm以下の領域、つまり、転位集中領域の近傍には転位が多いため、その領域にはレーザ光導波領域を位置させない。
【0016】
窒化物半導体層がAlを含む層を有する場合、Alを含む層の層厚は0.5μm以上かつ3.5μm以下とするのが望ましい。Alを含む層は厚くなるほど表面の凹凸が大きくなり、素子の特性を低下させる原因となるからである。
【0017】
複数の転位集中領域は等間隔の千鳥配列である構成とする。
【0018】
窒化物半導体基板における隣り合う転位集中領域の中心間距離は70μm以上、1000μm以下であることが望ましい。素子の製造プロセスに際し、レーザ光導波領域を設ける位置が転位集中領域を避けるのを容易にするためである。
【0019】
複数の点状の転位集中領域が窒化物半導体基板の[11−20]方向に周期的に配列され、ストライプ状のレーザ光導波領域が窒化物半導体基板の[1−100]方向に設けられ、点状の転位集中領域の配列の周期をP、レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との中心間距離をdで表すとき、おおよそd=0.25×Pとするのが望ましい。レーザ光導波領域と転位集中領域の位置関係をこのように設定することで、一層レーザ発振寿命の長い半導体レーザ素子となり、レーザー素子の反射面も劈開により容易に作製できるためである。
【0020】
複数の点状の転位集中領域が窒化物半導体基板の[1−100]方向に周期的に配列され、ストライプ状のレーザ光導波領域が窒化物半導体基板の[1−100]方向に設けられ、点状の転位集中領域の配列の周期をP、レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との中心間距離をfで表すとき、おおよそf=0.433×Pとするのが望ましい。レーザ光導波領域と転位集中領域の位置関係をこのように設定しても、レーザ発振寿命の長い半導体レーザ素子となり、レーザー素子の反射面も劈開により容易に作製することができる。
【0021】
本発明ではまた、複数の点状の転位集中領域と転位集中領域を除いた領域である低転位領域とを有する窒化物半導体基板上に、ストライプ状のレーザ光導波領域を備えた窒化物半導体の積層構造を含有する窒化物半導体層を形成する工程を含む窒化物半導体レーザ素子の製造方法において、レーザ光導波領域を低転位領域上に設けるとともに、レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との中心間距離を30μm以上とする。このようにすると、レーザ光導波領域への基板の転位の影響を抑えることができて、レーザ発振寿命の長い半導体レーザ素子が得られる。
【0022】
窒化物半導体層がAlを含む層を有する場合、Alを含む層の層厚は0.5μm以上かつ3.5μm以下とする。
【0023】
窒化物半導体基板としては、複数の点状の転位集中領域が等間隔の千鳥配列をなすものを用いる。
【0024】
また、窒化物半導体基板として、隣り合う転位集中領域の中心間距離が70μm以上かつ1000μm以下のものを用いる。このような基板を用いると、レーザ光導波領域を転位集中領域から容易にずらすことができる。
【0025】
窒化物半導体基板として複数の点状の転位集中領域が[11−20]方向に周期的に配列したものを用いるとともに、窒化物半導体層のストライプ状のレーザ光導波領域を窒化物半導体基板の[1−100]方向に沿って設けて、点状の転位集中領域の配列の周期をP、レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との中間距離をdで表すとき、おおよそd=0.25×Pとする。レーザ光導波領域と転位集中領域の位置関係をこのように設定することで、一層レーザ発振寿命の長い半導体レーザ素子となり、レーザー素子の反射面も劈開により容易に作製できる。
【0026】
窒化物半導体基板として複数の点状の転位集中領域が[1−100]方向に周期的に配列したものを用いるとともに、窒化物半導体層のストライプ状のレーザ光導波領域を窒化物半導体基板の[1−100]方向に沿って設けて、点状の転位集中領域の配列の周期をP、レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との中心間距離をfで表すとき、おおよそf=0.433×Pとする。レーザ光導波領域と転位集中領域の位置関係をこのように設定しても、レーザ発振寿命の長い半導体レーザ素子が得られ、レーザー素子の反射面も劈開により容易に作製することができる。
【0027】
本発明ではまた、半導体光学装置に上記の窒化物半導体レーザ素子を光源として備えるようにする。
【0028】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
図1(a)は本発明における実施の形態1の半導体レーザ素子1を示す断面模式図であり、光出射方向から見た図である。また、図1(b)は半導体レーザ素子1を上面側から見た(上面図)模式図である。ここで、図1(a)は、図1(b)の点線での断面図である。図1(a)において、10はn型GaN基板であり、基板10中には、転位集中領域11が存在し、転位集中領域11以外の部分は低転位領域12となっている。
【0029】
ここで、領域11を転位集中領域と呼称したのは、硫酸、燐酸の混酸を250℃に加熱した液にサンプルを浸してエッチングを行なった結果、多数のエッチピットが現れ、転位(あるいは結晶欠陥)が極めて集中している領域であることが判明したからである。一方、領域12を低転位領域と呼称したのは、EPD(エッチピット密度)10〜10/cm台の低転位領域となっていたからである。転位集中領域11のEPDは、これよりも3桁以上大きいように観察された。
【0030】
基板10上には、窒化物半導体層(エピタキシャル成長層)13が形成されている。窒化物半導体層13中には、レーザ光導波領域14が設けられている。また、窒化物半導体層13上面および基板10下面には、電極15、16がそれぞれ形成されている。
【0031】
図1(a)において、レーザ光導波領域14の中央部と転位集中領域11との距離をdで表すとき、d=100μmとした。なお、本明細書において、距離dは各ストライプ状のレーザ光導波領域14、および転位集中領域11の中心位置間の距離から規定されるものとする。
【0032】
一方、図1(b)は、複数の点状の転位集中領域11が周期的に千鳥配列(隣接する転位集中領域11を直線で結ぶと正三角形を成す)し、その周りを同心円状に低転位領域12が占める。円状の低転位領域12は隣の円状の低転位領域と接する。転位集中領域11と低転位領域12を除く領域を高ルミネッセンス領域17と呼称する。その所以は、サンプルに紫外線(Hgランプ365nm輝線を用いることができる)を照射して、表面からのルミネッセンスを顕微鏡を用いて観察すると(蛍光顕微鏡観察)、図1(b)の領域17は、周囲よりも肉眼で観察される発光(ルミネッセンス)が強く、やや黄色がかって明るく観察される領域であるためである。
【0033】
この領域17は、結晶成長時にファセット面{0001}面が表出しつつ成長していた領域であり、このように周囲と異なって観察されるのは、ドーパントの取り込まれ具合が周囲と異なるなどの理由が考えられる。なお、このような高ルミネッセンス領域17は、上記インゴットを作成するときの条件や、インゴットにおける位置(支持基体からの距離)によっては、ほとんど形成されないこともある。
【0034】
以下に、本実施の形態の半導体レーザ素子1の製造方法について解説しつつ、さらに詳しくその構造についても説明する。
【0035】
(GaN基板の作製方法)
まず、n型GaN基板10の結晶成長方法の概略を述べる。GaNの結晶は、ファセット面からなる斜面が表出するようにして、その斜面を維持しながら成長させる。つまり、斜面を成長方向に次第に移動させていく。これにより、斜面の途中に発生する転位が斜面の下端に伝搬して集合し、斜面の下端であった部位が転位集中領域、斜面の途中であった部位が低転位領域となる。
【0036】
転位集中領域にはいくつかの状態がある。例えば多結晶となることがある。また、周囲の低転位領域に対して僅かに傾斜した単結晶となることもある。さらに、周囲の低転位領域の成長方向が[0001]方向であるのに対して、成長方向が逆に[000−1]方向となることもある。このため、転位集中領域と低転位領域の間には明確な境界が生じる。
【0037】
斜面を成長方向に移動させるため、ファセット面を最初にどのような形状で発生させるかにより、転位集中領域の形状を規定することができる。上下を逆にした(頂点が下で底面が上の)角錐の側面のようなファセット面を最初に発生させておけば、転位はその角錐の頂点の部位に集まり、転位集中領域は成長方向に平行な直線状となってピットを形成する。また、断面がV字状である溝の側面のようなファセット面を最初に発生させておけば、転位はその溝の底(直線状の部位)に集まり、転位集中領域は成長方向に平行な面状となってストライプを形成する。
【0038】
最初に生じさせるファセット面の種としては、結晶成長を妨げるマスクを利用することができる。マスクを設けていない部位で結晶成長が始まって、マスクのない部位とある部位との境界にファセット面が生じ、水平方向への成長によってマスク上でファセット面が接し合い、その接点が転位集中領域の開始位置となる。
【0039】
ファセット面が接し合った後は、垂直方向(本来の成長方向)への結晶成長が安定して進み、ファセット面はそのまま成長方向に移動し、転位集中領域は成長方向に伸びていく。結晶成長を妨げるマスクをドット状とすれば、上下が逆すなわちV字状である角錐の側面のようなファセット面を発生させることができ、マスクを直線状とすれば、断面がV字状の溝の側面のようなファセット面を発生させることができる。マスクとしては非結晶または多結晶の層を設ければよく、例えばSiOの薄膜を基体表面に形成しておく。
【0040】
結晶成長後、その表面を研磨して鏡面化することで、半導体層を積層しうる基板が得られる。
【0041】
次に、n型GaN基板10の具体的な製造方法を、図2を参照して説明する。本実施の形態では、マスクをドット状の千鳥配列となるように設け、ドットを取り巻くV字状のファセット面を周期的に複数生じさせるようにする。ドットはGaN基板10の<11−20>方向に400μmのピッチで設ける。
【0042】
支持基体21上に、HVPE法により、n型GaN層22を、ファセット面{11−22}面23が成長中の表面に主として表出するように成長させる。その結果、表面の断面図形は鋸歯状の凹凸形状となる。ただし、凸部の頂点付近には、わずかに、{0001}面26が表出した部分が見られた。図2(a)は、この状態を説明した断面図(一部のみ表示)である。
【0043】
ただし、前記ファセット面を{11−22}面と表したが、このように{…}は集合的な面の表示である。例えば、{11−22}面は、個別の面にすると、(11−22)、(1−212)、(2−1−12)、(−12−12)、(−2112)、(−1−122)の6つの面を含み、この6つが傾斜面すなわちファセット面を形成する。
【0044】
ここで、HVPE法というのは、ホットウォール型の反応炉によりGaNを基体に堆積するものである。上流部にGaボートを設けて加熱したGa融液にHClガスを吹き込んでGaClガスを合成し、反応炉の下流部に設けた基体へ送る。NHガスも基体へ送り、GaClガスとNHガスとを基体上で反応させ、合成することにより基体にGaNが堆積する。
【0045】
支持基体21としては2インチ(111)GaAsウェハーを用いた。基体21の材料に特に制約はなく、一般的なサファイアを用いることも可能であるが、後に切除するため、このようにGaAsを材料として用いて無駄を抑えるのが好ましい。
【0046】
図2(b)は、図2(a)の上面図(一部のみ表示)である。GaN結晶の[11−20]方向に平行で、ピッチP=400μmの周期構造である。また、隣接する転位集中領域11を直線で結ぶと正三角形を成す。このように凹凸の位置を規定するためには、基体21上にあらかじめ上記凹凸の凹部に対応したSiO等のマスクを形成しておき、これを種としてファセットが表出する状態で、結晶成長を行えば良い。つまりマスクは、GaN結晶の[11−20]方向に平行になるように、ピッチP=400μmで千鳥状に配置されており、その形状は、連続した一定間隔で直線上に位置する多数のドット状である。
【0047】
ファセット{11−22}面が表出した状態で、結晶成長を持続させる手法(成長条件)については、本出願人が先に出願した特願平11−273882号に詳細に開示している。なお、成長時にOをドーピングすることで、成長する結晶をn型とした。
【0048】
このような成長モードを保ったまま、さらにGaN結晶の形成を続けることで、基体21上に高さ30mmのインゴットを作製した。図2(c)は、インゴットを示した図である。
【0049】
このインゴットを、スライサーによりスライス切断加工して薄片(n型GaN基板)を得た。薄片を研磨加工して、表面が平坦な2インチ(約5cm)径、厚さ350μmのn型GaN基板10を得た。エピタキシャル成長を行うための表面は鏡面研磨仕上げとした。なお、この表面は、ほぼ(0001)面としたが、上にエピタキシャル成長される窒化物半導体13層のモフォロジーが平坦で良好になるためには、(0001)面から任意の方向に0.2〜1°の範囲の、比較的小さいオフ角度を有していることが望ましく、特に表面の平坦性が最小になるようにするためには、0.4〜0.8°の範囲とすることが好ましかった。図2(d)は、こうして得られたn型GaN基板10の図2(b)における点線での断面図(一部のみ表示)である。
【0050】
こうして得られたGaN基板10の評価を次のように行った。まず、n型GaN基板10の表面を顕微鏡で詳細に観察した。研磨加工された表面は必ずしも平坦でなく、結晶成長時に凹部の最底部が生じていた領域(図2(a)において符号24で示した部分)に対応する領域がやや窪んでいた。
【0051】
さらに、硫酸、燐酸の混酸を250℃に加熱した液にサンプルを浸してエッチングを行い、エッチピットが表面に出るようにした。その結果、結晶成長時に凹部の最底部が生じていた領域(図2(a)において符号24で示した部分)に対応する領域で、多数のエッチピットが現れ、この領域は転位(あるいは結晶欠陥)が極めて集中している領域(転位集中領域)であることが判明した。つまり、上記窪みは、この領域に対応していた。
【0052】
このように窪みの部分は、転位が極めて集中しているために、研磨工程で他の部分よりも侵食されやすく、そのため生じてしまったものと考えられる。転位集中領域の幅は約10〜40μmであった。それ以外の領域は、EPD(エッチピット密度)10〜10/cm台の低転位領域となっていた。転位集中領域のEPDは、これよりも3桁以上大きいように観察された。
【0053】
なお、上記GaN基板10の形成のための結晶成長は、HVPE法以外の気相成長によってもよく、MOCVD法(Metalorganic Chemical Vapor Deposition)、MOC法(Metalorganic Chloride Vapor Phase Epitaxy)、昇華法などを用いても実施することができる。
【0054】
GaN基板10の形成のための成長に用いる基体21としては、GaAsの他にも、軸廻りに六回対称性あるいは三回対称性がある結晶基板を用いることができる。つまり結晶系としては六方晶系であるか立方晶系である結晶が挙げられる。立方晶系の場合(111)面を使えば三回対称性がある。サファイア、SiC、石英、NdGaO、ZnO、GaN、AlNなどの六方晶系の結晶を用いることができる。Si、スピネル、MgO、GaPなどの立方晶系の(111)面基板を用いることもできる。これらはGaNをC面で成長させるものである。
【0055】
GaN基板10の形成のためのマスクの設け方にも2種類の選択肢がある。一つは基体の上に直接にマスクを形成する手法である。この場合、エピ層に先立ちマスク開口の内部の基体露出面にGaNバッファ層を堆積する等の工夫を行ったほうがよい。もう一つは基体の上に予め比較的薄くGaN層を形成しておいて、その上にマスクを形成する手法である。後者の方が成長がスムーズに進行し、より好ましい場合が多い。
【0056】
また、ここでは基板10としてGaNを用いた例を説明したが、「課題を解決するための手段」の欄に記載したような材料で構成される窒化物半導体基板に置換してもよい。
【0057】
「従来の技術」の欄に示した窒化物半導体基板の製造方法では、基板結晶の成長を進行させるに従って、横方向成長技術(ELOG技術)を用いることで、転位を低減しているが、転位(欠陥)が生じる位置は特に制御されず、結晶成長が進むに従って、転位は面内に一様に分布するようになる。一方、本発明で用いる窒化物半導体基板では、転位集中領域の位置が、基板結晶の成長を通じて、所定の位置(ピッチが数100μmオーダである)に制御される。従来技術のGaN基板と、本発明で用いる窒化物半導体基板には、このような違いがある。
【0058】
そのため、同程度の転位密度の基板を得ようとする場合、本実施の形態で説明する基板結晶の製造方法の方が、結晶成長回数が少なくてすみ、生産性が良好になる。このような基板を用いた場合に、半導体レーザ素子におけるレーザ光導波領域がどのような位置に設けられれば適当であるかについては、従来知られていなかった。この点については、後に詳細に説明する。
【0059】
(窒化物半導体層のエピタキシャル成長)
次に、n型GaN基板10上に窒化物半導体層13等を形成して半導体レーザ素子1を作製する方法について、図3を参照して解説する。図3は、図1の半導体レーザ素子1を、窒化物半導体層13の層構造を詳細に示すように表した模式図であり、基板10中の上記構造については記載を省略した。
【0060】
MOCVD装置を用いて、V族原料のNHとIII族原料のTMGa(トリメチルガリウム)またはTEGa(トリエチルガリウム)に、ドーパント原料としてのSiHを加え、n型GaN基板10に、基板温度1050℃で、膜厚3μmのn型GaN層102を形成した。次いで、800℃の基板温度で、上記原料にIII族原料としてのTMIn(トリメチルインジウム)を加え、n型In0.07Ga0.93Nクラック防止層103を40nm成長させた。次に、基板温度を1050℃に上げ、TMAl(トリメチルアルミニウム)またはTEAl(トリエチルアルミニウム)のIII族原料も用いて、1.2μm厚のn型Al0.1Ga0.9Nクラッド層104を成長させた。n型不純物としてSiを5×1017/cm〜1×1019/cm添加した。続いて、n型GaN光ガイド層105(Si不純物濃度1×1016〜1×1018/cm)を0.1μm成長させた。
【0061】
その後、基板温度を750℃に下げ、3周期の、厚さ4nmのIn0.1Ga0.9N井戸層と厚さ8nmのIn0.01Ga0.99N障壁層から成る活性層(多重量子井戸構造)106を、障壁層/井戸層/障壁層/井戸層/障壁層/井戸層/障壁層の順序で成長させた。その際、障壁層または障壁層と井戸層の両方にSiH(Si不純物濃度は1×1016〜1×1018/cm)を添加した。障壁層と井戸層、または井戸層と障壁層との間に、1秒以上180秒以内の成長中断を実施すると、各層の平坦性が向上し、発光半値幅が減少して好ましい。
【0062】
活性層にAsを添加する場合はAsH(アルシン)またはTBAs(ターシャリブチルアルシン)を、活性層にPを添加する場合はPH(ホスフィン)またはTBP(ターシャリブチルホスフィン)を、活性層にSbを添加する場合はTMSb(トリメチルアンチモン)またはTESb(トリエチルアンチモン)を、それぞれ原料に用いると良い。また、活性層を形成する際、N原料として、NH以外にN(ヒドラジン)、C(ジメチルヒドラジン)あるいはNを含む有機原料を用いても構わない。
【0063】
次に、基板温度を再び1050℃まで上昇させて、厚さ20nmのp型Al0.2Ga0.8Nキャリアブロック層107、0.1μmのp型GaN光ガイド層108、0.5μmのp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層109、および0.1μmのp型GaNコンタクト層110を順次成長させた。p型不純物として原料にEtCPMg(ビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを1×1018/cm〜2×1020/cmで添加した。p型GaNコンタクト層110のp型不純物濃度は、p電極112の方向に向かって高くなるようにした方が好ましい。これによりp電極形成によるコンタクト抵抗が低減する。また、p型不純物であるMgの活性化を妨げているp型層中の残留水素を除去するために、p型層成長中に微量の酸素を混入させてもよい。
【0064】
このようにして、p型GaNコンタクト層110を成長させた後、MOCVD装置のリアクター内を全て窒素キャリアガスとNHに替えて、60℃/分で温度を降下させた。基板温度が800℃になった時点で、NHの供給を停止し、5分間その基板温度で待機してから、室温まで降下した。ここでの基板の保持温度は650℃から900℃の間が好ましく、待機時間は、3分以上10分以下が好ましかった。また、温度の降下速度は、30℃/分以上が好ましい。
【0065】
このようにして作製した成長膜をラマン測定によって評価した結果、MOCVD装置からのウェハー取り出し後のp型化アニールを実行しなくても、成長後すでにp型化の特性が示されていた(Mgが活性化していた)。また、p電極形成によるコンタクト抵抗も低下する。上記手法に加えて従来のp型化アニールを組み合わせると、Mgの活性化率がより向上して好ましかった。
【0066】
In0.07Ga0.93Nクラック防止層103は、In組成比が0.07以外であっても構わないし、InGaNクラック防止層103自体がなくても構わない。しかしながら、クラッド層104とGaN基板10との格子不整合が大きくなる場合は、前記InGaNクラック防止層103を挿入した方がクラック防止の点でより好ましい。また、クラックを防止するために、各n型層におけるn型の不純物として、Siに代えてGeを用いることも好ましい。
【0067】
活性層106は、障壁層で始まり障壁層で終わる構成であるが、井戸層で始まり井戸層で終わる構成であってもよい。また、井戸層の層数は、前述の3層に限らず、10層以下であれば閾値電流密度が低く、室温連続発振が可能であった。特に2層以上6層以下のとき閾値電流密度が低く好ましかった。さらに上記で説明した活性層に、Alを含有するようにしてもよい。
【0068】
また、ここでは活性層106を成す井戸層と障壁層の両層にSiを所要量添加したが、不純物を添加しなくても構わない。しかしながら、Siのような不純物を活性層に添加した方が発光強度は強かった。このような不純物としては、Si以外に、O、C、Ge、ZnおよびMgのうちのいずれか、またはこれらの2以上を組み合わせて用いることができる。また、不純物の添加量の総和は、約1×1017〜8×1018/cm程度が好ましかった。さらに、不純物を添加する層は井戸層と障壁層の両層に限らず、片方の層のみに不純物を添加しても良い。
【0069】
p型Al0.2Ga0.8Nキャリアブロック層107は、この組成以外であっても構わない。Inを添加したAlGaNとすれば、より低温での成長でp型化するので、結晶成長時に活性層106が受けるダメージを低減することができて、好ましい。なお、キャリアブロック層107自体が無くても構わないが、これを設けた方が閾値電流密度は低かった。これは、キャリアブロック層107が活性層106にキャリアを閉じ込める働きがあるからである。キャリアブロック層107のAl組成比は、高くすることによってキャリアの閉じ込めが強くなって好ましい。また、キャリアの閉じ込めが保持される程度までAl組成比を小さくすれば、キャリアブロック層内のキャリア移動度が大きくなり電気抵抗が低くなって好ましい。
【0070】
また、n型クラッド層104とp型クラッド層109として、Al0.1Ga0.9N結晶を用いたが、Alの組成比が0.1以外のAlGaN三元結晶であっても構わない。Alの混晶比が高くなると活性層106とのエネルギーギャップ差及び屈折率差が大きくなり、キャリアや光が活性層に効率良く閉じ込められ、レーザ発振閾値電流密度を低減することができる。また、キャリアおよび光の閉じ込めが保持される程度までAl組成比を小さくすれば、クラッド層でのキャリア移動度が大きくなり、素子の動作電圧を低くすることができる。この点を考慮してp型クラッド層109のAl組成比を0.06〜0.09程度にすることも、好ましい。
【0071】
ただし、n型AlGaNクラッド層104のようにAlを含む層の厚さを大きくするほど表面の凹凸が顕著になり、n型AlGaNクラッド層104の後段で成長する活性層106を面内に均一に作製することが難しくなり、素子の特性が悪化する原因となる。なぜならば、活性層の一周期分の層厚は数nmから10nm程度と非常に薄いので、表面の凹凸の影響を受けやすいためである。
【0072】
そのため、n型AlGaNクラッド層104のようにAlを含む層の厚さは、0.5μm〜3.5μmが好ましい。さらに、n型AlGaNクラッド層104の層厚が0.7μm〜2.5μmの範囲にある場合、垂直横モードの単峰化と光閉じ込め効率が増し、レーザの光学特性の向上とレーザ閾値電流密度の低減も同時に図ることができる。
【0073】
また、クラッド層104、109は、電気抵抗を低減するために、AlGaN層とGaN層からなる超格子構造、AlGaN層とAlGaN層からなる超格子構造、またはAlGaN層とInGaN層からなる超格子構造を有していても良い。
【0074】
さらに、クラッド層104、109は、上記ではAlGaN三元混晶としたが、AlInGaN、AlGaNP、AlGaNAs等の四元混晶であっても良い。
【0075】
ここでは、MOCVD装置による結晶成長方法を説明したが、分子線エピタキシー法(MBE)、ハイドライド気相成長法(HVPE)を用いても構わない。
【0076】
続いて、窒化物半導体層13の各層がn型GaN基板10上に形成されたエピウェハーを、MOCVD装置から取り出して、窒化物半導体レーザ素子チップに加工するプロセス工程を説明する。
【0077】
(素子化プロセス)
レーザ光導波領域14であるリッジストライプ部を、n型GaN基板10に対して、図1を用いて説明した所要の位置に形成する。これは、エピウェハー表面側より、p型クラッド層109の途中または下端までを、ストライプ状の部分を残してエッチングすることにより行う。ここで、ストライプ幅は1〜3μm、好ましくは1.3〜2μmとし、また、エッチング底面のp型ガイド層108からの距離は、0〜0.1μmとした。その後、リッジストライプ部以外の部分に絶縁膜113を形成した。ここで、絶縁膜113としてはAlGaNを用いた。エッチングされずに残ったp型GaNコンタクト層110は露出しているので、この部分および絶縁膜113上に、p電極112をPd/Mo/Auの順序で蒸着して形成した。
【0078】
絶縁膜113としては上記以外に珪素、チタン、ジルコニア、タンタル、アルミニウム等の酸化物もしくは窒化物を用いることもでき、また、p電極112の材料として他に、Pd/Pt/Au、Pd/Au、またはNi/Auのいずれかを用いても構わない。
【0079】
さらに、エピウェハー裏面側(基板側)を研磨することにより、ウェハーの厚さを80〜200μmに調整し、後にウェハーの分割を行いやすいようにした。n電極111は、基板の裏側にHf/Alの順序で形成した。n電極111の材料として他に、Hf/Al/Mo/Au、Hf/Al/Pt/Au、Hf/Al/W/Au、Hf/Au、Hf/Mo/Auや、これらのうちのHfをTi、Zrに置き換えたものを用いても構わない。
【0080】
最後に、エピウェハーを、リッジストライプ方向に対して垂直方向に劈開し、共振器長600μmのファブリ・ペロー共振器を作製した。共振器長は250μmから1000μmが好ましい。この工程により、ウェハーは個々のレーザ素子が横に連なったバー状の形態となった。ストライプが<1−100>方向に沿って形成された窒化物半導体レーザ素子の共振器端面は、窒化物半導体結晶の{1−100}面である。劈開はウェハー全面にスクライバーにより罫書き傷をつけて行うのではなく、ウェハーの一部、例えば、ウェハーの両端にのみ、あるいは、チップ両端に対応する部分にのみスクライバーによって罫書き傷をつけ、これを起点に劈開した。なお、端面で帰還させる手法以外に、内部に回折格子を設けて帰還させるDFB(Distributed Feedback)、外部に回折格子を設けて帰還させるDBR(Distributed Bragg Reflector)を用いても構わない。
【0081】
ファブリ・ペロー共振器の共振器端面を形成した後、この端面に約80%の反射率を有するSiOとTiOの誘電体膜を交互に蒸着し、誘電体多層反射膜を形成した。誘電多層反射膜は他の誘電体材料で形成しても構わない。さらにこの後、バーを個々のレーザ素子に分割することで、図1の半導体レーザ素子1を得た。レーザチップの中央にレーザ光導波領域14(リッジストライプ)を配置し、レーザ素子1の横幅は400μmとした。
【0082】
以上のようにして図1および図3に示す窒化物半導体レーザ素子1のチップを作製した。
【0083】
(半導体レーザ素子の特性)
得られた窒化物半導体レーザ素子1では、最適位置に電流狭窄部分が存在することによって、レーザ出力60mW、雰囲気温度70℃の条件の下、レーザ発振寿命5000時間以上が達成された。なお、本発明者らが前述の従来技術によって半導体レーザを作製し、同一条件で試験を行ったところ、その寿命は1000時間程度であった。
【0084】
(レーザ光導波領域と基板との位置関係)
本実施の形態の窒化物半導体基板10は、上述のごとく、点状の転位集中領域、低転位領域、高ルミネッセンス領域を有していることを特徴とする。あるいは、上述のような製造方法を用いて作製されたことを特徴とする。このような窒化物半導体基板を用いて窒化物半導体レーザ素子を製造する際、窒化物半導体レーザ素子のレーザ光導波領域を窒化物半導体基板上のどの位置に形成するかによって、レーザ発振寿命が変化することを、本発明者らは見出した。以下に、レーザ光導波領域と転移集中領域との距離の好ましい範囲について詳細に検討する。
【0085】
まず、窒化物半導体基板10が有する点状の転位集中領域11の2通りの周期的な配置について説明する。図4(a)と図4(b)は、それぞれ転位集中領域がドット状の千鳥配列となるように作製した窒化物半導体レーザ素子の表面の概略図である。図4(a)と図4(b)の違いは、周期的なドットが並ぶ方向が異なっている点にある。図4(a)はGaN基板10の[11−20]方向に、図4(b)はGaN基板10の[1−100]方向に周期的に並んでいる。それそれ、ストライプ状のレーザ光導波領域14を窒化物半導体基板10の[1−100]方向に設け、劈開方向は[11−20]方向である。
【0086】
図4(a)において、転位集中領域11がGaN基板10の[11−20]方向に周期的に並んでいること、かつ、レーザ光導波領域14がGaN基板10の[1−100]方向に設けられることから以下の位置関係が導かれる。転位集中領域11のピッチP=400μmの場合、1つの転位集中領域11の中心Aからレーザ光導波領域14までの距離dがP/4=100μmより大きくなると、他の転位集中領域11の中心Cからレーザ光導波領域14までの距離eの方が小さくなる。したがって、レーザ光導波領域14に最近接の転位集中領域11の中心Aからレーザ光導波領域14までの距離dは、P/4=100μm以下の範囲をとる。ここで、2×(d+e)=Pの関係が成り立つ。
【0087】
一方、図4(b)において、転位集中領域11がGaN基板10の[1−100]方向に周期的に並んでいること、かつ、レーザ光導波領域14がGaN基板10の[1−100]方向に設けられることから以下の位置関係が導かれる。P=400μmの場合、1つの転位集中領域11の中心Dからレーザ光導波領域14までの距離fが0.433×P=173μmより大きくなると、他の転位集中領域11の中心EまたはFからレーザ光導波領域14までの距離gの方が小さくなる。したがって、レーザ光導波領域14に最近接の転位集中領域11の中心Dからレーザ光導波領域14までの距離fは、0.433×P=173以下の範囲をとる。ここで、f+g=0.866×Pの関係が成り立つ。
【0088】
図5は、図4(a)に示す転位集中領域11の配列で、P=400μmの場合について、本実施の形態の半導体レーザ素子1とほぼ同様にして作製し、レーザ光導波領域14の位置を変更したいくつかの半導体レーザ素子のレーザ発振寿命を、レーザ光導波領域14と転位集中領域11との距離dに対してプロットしたグラフである。評価した距離dの最大値は100μmである。
【0089】
評価は、レーザ出力60mW、雰囲気温度70℃の条件で行った。その結果、d≧30μmの範囲で、実用寿命の3000時間が達成され、d≧70μmで5000時間以上と十分な特性が得られた。なお、寿命の測定は5000時間までしか行っておらず、図5中の上向きの矢印はレーザ発振寿命が5000時間以上であることを示したものである。
【0090】
一方、d≦10μmの場合、レーザ光導波領域14は転位集中領域11上に位置しており、寿命数時間以下と極端に特性が劣化した。距離dが10〜20μmの場合、駆動電流が時間の経過とともに徐々に上昇する現象が見られ、これが200mA付近に達したときに熱暴走によりレーザ発振が不可能となった。また、pn接合に逆バイアスを印加してpn接合のリーク電流を評価したところ、このように、駆動電流が徐々に上昇するような素子においては、d≧30μmの素子と比較すると明らかにリーク電流が多く、これが経過時間とともに増加していた。
【0091】
上記手法で作製されたGaN基板10の転位集中領域11上またはその近傍に形成された半導体レーザ素子では、レーザ光導波領域14付近のpn接合に転位(欠陥)が発生しているため、または、この影響によりpn接合面が平坦でなく乱れているために、上記のような駆動時間の経過とともに増大するリークが発生してしまい、寿命特性が劣化したものと推定された。結果として、少なくともd≧30μm、好ましくは、d≧70μmと設定することが必要であると判明した。特に寿命測定試験において、時間の経過につれて駆動電流が上昇が最も少なかったのはd=100μmの近傍であった。d=100μmの距離は、d=P/4に相当する位置である。
【0092】
図6は、図4(b)に示すドット状の千鳥配列をとる転位集中領域11がGaN基板10の[1−100]方向に、P=400μmで周期的に配列した場合について、本実施の形態の半導体レーザ素子1とほぼ同様にして作製し、レーザ光導波領域14の位置を変更したいくつかの半導体レーザ素子のレーザ発振寿命を、レーザ光導波領域14と転位集中領域11との距離fに対してプロットしたグラフである。評価した距離fの最大値は173μmである。
【0093】
評価は、レーザ出力60mW、雰囲気温度70℃の条件で行った。その結果、30μm≦f≦90μm、および、140μm≦f≦173μmで、実用寿命の3000時間が達成され、f≧150μmで5000時間以上と十分な特性が得られた。特に寿命測定試験において、時間の経過につれて駆動電流が上昇が最も少なかったのはf=173μmの近傍であった。f=173μmの距離は、f=0.433×Pの位置に相当する。
【0094】
なお、寿命の測定は5000時間までしか行っておらず、図5中の上向きの矢印はレーザ発振寿命が5000時間以上であることを示したものである。
【0095】
一方、f≦10μmの場合、レーザ光導波領域14は概ね転位集中領域11上に位置しており、この場合、寿命数時間以下と極端に特性が劣化した。距離fが10〜20μmの場合、駆動電流が時間の経過とともに徐々に上昇する現象が見られ、これが200mA付近に達したときに熱暴走によりレーザ発振が不可能となった。pn接合に逆バイアスを印加してpn接合のリーク電流を評価したところ、このように、駆動電流が徐々に上昇するような素子においては、f≧150μmの素子と比較すると明らかにリーク電流が多く、これが経過時間とともに増加していた。
【0096】
上記手法で作製されたGaN基板10の転位集中領域11の近くに形成された半導体レーザ素子では、レーザ光導波領域14付近のpn接合に転位(欠陥)が発生しているため、またはこの影響によりpn接合面が平坦でなく乱れているために、このような駆動時間の経過とともに増大するリークが発生してしまい、寿命特性が劣化したものと推定された。結果として、少なくとも30μm≦f≦90μm、および、140μm≦f≦173μm、好ましくは、f≧150μmと設定することが必要であると判明した。
【0097】
上記の図5および図6の結果より、レーザ光導波領域を窒化物半導体基板上のどの位置に形成するかによって、レーザ発振寿命が変化することが判明した。その物理的な要因を考察すると、素子の寿命特性は、レーザ光導波領域14と転位集中領域11との距離に依存するが、これは、レーザ光導波領域14における高ルミネッセンス領域17の占める割合が小さいほど寿命特性が向上するものと考えられる。
【0098】
なぜならば、図4(a)において距離d=P/4の位置に、図4(b)においてf=0.433×Pの位置にあるとき、レーザ光導波領域14は高ルミネッセンス領域17を全く含まないため素子寿命特性は向上し、一方、d=P/4、および、f=0.433×Pの位置から離れるにしたがって、レーザ光導波領域14における高ルミネッセンス領域17が占める割合が大きくなって素子の寿命が悪化するためである。この原因は、高ルミネッセンス領域17では、素子電圧の上昇と駆動電流値の上昇が見られ、これにより素子寿命が劣化してしまうものと考えられる。また、基板10において高ルミネッセンス領域17では、周囲よりも抵抗の高い領域が存在しており、そのため素子電圧に影響が現れたものと考えられる。
【0099】
(ピッチPの好ましい範囲)
次に、GaN基板10における転位集中領域11の現れるピッチPの好ましい範囲について検討した。前述のように、GaN基板10の作製においては、ファセット面{11−22}面を表出させながら、表面の断面形状が鋸歯状の凹凸形状となるようにすることが重要である。こうすることにより、低転位領域12、高ルミネッセンス領域17を発生させることができ、転位集中領域11から所要距離だけ離れた部分はレーザ導波領域を形成するに好適な領域となる。
【0100】
したがって、図4(a)の場合では、上述の効果を得る距離dの最小値30μmの4倍以上をピッチPとして取らないと、レーザ導波領域を形成する領域が無くなってしまう。よって、距離Pの範囲はP≧120μmに限定される。一方、図4(b)の場合では、距離fの最小値30μmのおよそ2.3倍である70μm以上をピッチPとして取らないと、レーザ導波領域を形成する領域が無くなってしまう。よって、距離Pの範囲はP≧70μmに限定される。
【0101】
また、距離Pの値は、GaN基板10の形成において、凹凸形状の位置を一定に保ったまま成長が持続できるか否かの点からも限定される。なぜなら、成長の進行とともに凹凸形状の位置が初期の位置とずれてきてしまうと、ピッチPが一定しなくなり、得られたGaN基板10に対して所定の位置にレーザ導波領域を設定することが困難になるためである。この点からPの範囲について検討すると、P<50μm程度では、このような状態を保つことができず、P≧100μmとすることが望ましいことがわかった。
【0102】
さらに、転位を転位集中領域11に集中させる機能からすると、ファセット面{11−22}面を大きく発生させたほうが良く、P≧300μmとすると、上述のように転位集中領域11と低転位領域での欠陥密度が3桁以上異なるようになって好ましかった。距離Pの上限に関しては、これらの要請からは規定されないが、あまり大きくすると、得られるインゴット表面の凹凸が大きくなり、得られるウェハーの取れ数が小さくなってしまうから、1000μm程度が適当である。結論として、P≧120μmが必要であり、好ましくは、P≧300μmであれば良く、あえて上限を規定するならばP≦1000が好ましい。
【0103】
<実施の形態2>
本実施の形態2の半導体レーザ素子は実施の形態1の半導体レーザ素子1と同様であるが、距離P、d、fの値等が種々異なるものである。
【0104】
図7は、図4(a)の場合について、本実施の形態の半導体レーザ素子のレーザ光導波領域14とn型GaN基板の転位集中領域11、高ルミネッセンス領域17の配置関係を示す図であり、n型GaN基板70のうち個々の半導体レーザ素子(チップ)とする領域を符号71、72で表している。なお、本実施の形態2および後述する実施の形態3、4、5においては、レーザ光導波領域14、転位集中領域11、高ルミネッセンス領域17の位置関係が実施の形態1と異なるが、各実施の形態においても実施の形態1と同様に符号1で半導体レーザ素子を示す。
【0105】
本実施の形態の半導体レーザ素子1の製造方法においては、n型GaN基板70の転位集中領域11のピッチPは500μmであり、1ピッチに2本のレーザ光導波領域14を配置して、ピッチあたり2個の半導体レーザ素子(チップ)1を形成する。個々の半導体レーザ素子1(領域71、72)の横幅Wは250μmである。
【0106】
一方の領域71、および、領域72のいずれも、レーザ光導波領域14と最近接の転位集中領域11との距離dは125μmであり、高ルミネッセンス領域17上を含まない。本実施の形態においても、本発明の効果の出現する距離d、Pの範囲は実施の形態1に記載したとおりであり、この範囲において実施の形態1で述べた効果が得られる。
【0107】
<実施の形態3>
図8は、図4(b)の場合について、本実施の形態の半導体レーザ素子のレーザ光導波領域14とn型GaN基板の転位集中領域11、高ルミネッセンス領域17の配置関係を示す図であり、n型GaN基板80のうち個々の半導体レーザ素子(チップ)とする領域を符号81、82で表している。実施の形態2と3の違いは、ドット状の千鳥配列をとる転位集中領域11の周期的な配列の方向であり、前者はGaN基板10の[11−20]方向であり、後者はGaN基板10の[1−100]方向である。
【0108】
本実施の形態の半導体レーザ素子1の製造方法においては、n型GaN基板80の転位集中領域11のピッチPは500μmであり、1ピッチに1本のレーザ光導波領域14を配置して、ピッチあたり1個の半導体レーザ素子(チップ)1を形成する。個々の半導体レーザ素子1(領域81、82)の横幅Wは400μmである。
【0109】
一方の領域81、および、領域82のいずれも、レーザ光導波領域14と最近接の転位集中領域11との距離dは217μmであり、高ルミネッセンス領域17上を含まない。本実施の形態においても、本発明の効果の出現する距離d、Pの範囲は実施の形態1に記載したとおりであり、この範囲において実施の形態1で述べた効果が得られる。
【0110】
<実施の形態4>
本実施の形態4は、実施の形態2または3とは逆に、半導体レーザ素子の幅W>ピッチPとするものである。図9は、図7と同様に、本実施の形態の半導体レーザ素子のレーザ光導波領域14とn型GaN基板の転位集中領域11、高ルミネッセンス領域17の配置関係を示す図であり、n型GaN基板90のうち半導体レーザ素子(チップ)1とする領域を符号91と92で表している。
【0111】
本実施の形態の半導体レーザ素子1の製造方法においては、n型GaN基板90の転位集中領域11のピッチPは200μmであり、半導体レーザ素子1(領域91、92)の横幅Wは300μmである。つまり、ピッチあたり2/3個の半導体レーザ素子(チップ)1を形成する(1.5ピッチに1つのチップ1を形成する)。レーザ光導波領域14と最近接の転位集中領域11との距離dは50μmである。
【0112】
図示したように、1つの半導体レーザ素子(チップ)1に含まれる転位集中領域11と高ルミネッセンス領域12は、いずれも3つまたはそれ以上である。本実施の形態の半導体レーザの製造方法においては、(2/3)W=Pである。
【0113】
本実施の形態においても、本発明の効果の出現する距離d、Pの範囲は実施の形態1に記載したとおりであり、この範囲において実施の形態1で述べた効果が得られる。
【0114】
上記実施の形態1〜4においては、1ピッチあたり半導体レーザ素子(チップ)を1個、2個、2/3個形成する配置について説明したが、本発明の適用範囲はこれに限られるわけではなく、6個、1/2個、1/3個等の配置とすることもできる。さらに、GaN基板上の一部の素子の配置が上記dの所要の範囲を逸脱しても構わないようにすれば、このように整数倍または簡単な分数で表せる値以外の数に設定することも可能である。
【0115】
<実施の形態5>
本実施の形態5は、実施の形態1〜4で述べたリッジストライプ構造を有する窒化物半導体レーザ素子1を、電流阻止層を有する窒化物半導体レーザ素子2に替えたものである。電流阻止層を有する本実施の形態の窒化物半導体レーザ素子2について、図10を参照して説明する。
【0116】
本実施例の半導体レーザ素子2は、n型GaN基板200、その上に順次形成されたn型GaN層201、n型In0.07Ga0.93Nクラック防止層203、n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層204、n型GaN光ガイド層205、活性層206、 p型Al0.2Ga0.8Nキャリアブロック層207、p型GaN光ガイド層208、p型Al0.1Ga0.9N第1クラッド層209a、電流阻止層220、p型Al0.1Ga0.9N第2クラッド層209b、p型InGaNコンタクト層210およびp電極212、ならびにn電極211、から構成される。
【0117】
電流阻止層220は、p型電極212から注入された電流が、図10に示した電流阻止層間幅のみを通過できるように電流を阻止する層であれば良い。例えば、電流阻止層220として、n型Al0.25Ga0.75N層を用いても良い。電流阻止層220のAl組成比は0.25に限らず、その他の値でも構わない。本実施の形態では、電流阻止層220の開口部がレーザ光導波領域14に対応しており、本実施の形態においても、本発明の効果の出現する距離d、f、Pの範囲は実施の形態1に記載したとおりであり、この範囲において実施の形態1で述べた効果が得られる。
【0118】
<実施の形態6>
本実施の形態6の半導体レーザ素子は実施の形態1の半導体レーザ素子1と同様であるが、図3におけるn型Al0.1Ga0.9Nクラッド層104の層厚が種々異なるものである。なお、実施の形態1はn型Al0.1Ga0.9Nクラッド層104の層厚が1.2μmの場合である。
【0119】
図11は、本実施の形態とほぼ同様にして作製した半導体レーザ素子1の、n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層104の層厚hを変更したいくつかの半導体レーザ素子のレーザ発振寿命をプロットしたグラフである。評価は、レーザ出力60mW、雰囲気温度70℃の条件で行った。その結果、0.5≦h≦3.5μmの範囲で、実用寿命の3000時間が達成され、0.7≦h≦2.5μmで5000時間以上と十分な特性が得られた。なお、寿命の測定は5000時間までしか行っておらず、図11中の上向きの矢印はレーザ発振寿命が5000時間以上であることを示したものである。
【0120】
n型AlGaNクラッド層104のようにAlを含む層の厚さを大きくするほど表面の凹凸が顕著になる。その原因は、AlがGaよりも成長面{0001}面にマイグレーションしにくいため、Alを含むことによりファセット面{11−22}面23が成長中の表面に表出しやすくなることが原因で、表面の断面図形は鋸歯状の凹凸形状となるものと考えられる。窒化物半導体基板10が有する点状の転位集中領域11の直径が平均して20μmであったのに対し、窒化物半導体層(エピタキシャル成長層)13を積層した後の転位集中領域11の直径は平均して30μmまで広がっていた。表面の凹凸が顕著になると、n型AlGaNクラッド層104の後段で成長する活性層106を面内に均一に作製することが難しくなり、素子の特性が悪化する原因となる。なぜならば、活性層の一周期分の層厚は数nmから10nm程度と非常に薄いので、表面の凹凸の影響を受けやすいためである。
【0121】
h≦0.5μmの場合、駆動電流が150mA付近と大きく、駆動電流が時間の経過とともに徐々に上昇する現象が見られ、これが200mA付近に達したときに熱暴走によりレーザ発振が不可能となった。これは、クラッド層104、109への光閉じ込めが十分ではないためであると考えられる。さらに、h≧3.5μmの場合も、駆動時間の経過とともに増大するリークが発生してしまい、寿命特性が劣化した。これは、活性層が平坦でなく乱れているためであると推定される。
【0122】
上記のような結果として、n型AlGaNクラッド層104の層厚hは0.5μm〜3.5μmが好ましく、さらに好ましくは0.7μm〜2.5μmの範囲であると判明した。また、n型AlGaNクラッド層104の層厚が0.7μm〜2.5μmの範囲にある場合は垂直横モードの単峰化と光閉じ込め効率が増し、レーザの光学特性の向上とレーザ閾値電流密度の低減も同時に図ることができる。
【0123】
本実施の形態6では、Alを含む層をn型AlGaNクラッド層104の場合について述べたが、AlGaN層とGaN層からなる超格子構造、AlGaN層とAlGaN層からなる超格子構造、またはAlGaN層とInGaN層からなる超格子構造を用いても良い。
【0124】
<実施の形態7>
本実施の形態7は、As、PおよびSbの元素群のうち少なくともいずれかの元素を窒化物半導体レーザ素子1または2の活性層に含有するようにしたものである。他の構成は既に述べたとおりである。
【0125】
本実施の形態では、As、PおよびSbの元素群のうち少なくともいずれかの元素を、窒化物半導体発光レーザ素子1、2を構成している活性層106、206のうち少なくとも井戸層に含有させる。ここで、井戸層に含有させる上記元素群の総和の組成比をXとし、井戸層のN元素の組成比をYとするとき、XはYよりも小さく、X/(X+Y)は0.3(30%)以下であり、好ましくは0.2(20%)以下である。また、上記元素群の総和の下限値は、1×1018/cm以上である。
【0126】
組成比Xが20%よりも高くなると、井戸層内の領域ごとに各元素の組成比が異なる濃度分離が次第に生じ始める。さらに、組成比Xが30%よりも高くなると、今度は濃度分離から六方晶系と立方晶系が混在する結晶系分離に移行し始めて、井戸層の結晶性が低下し始める。一方、上記元素群の総和の添加量が1×1018/cmよりも小さくなると、井戸層に上記元素を含有したことによる効果が得られにくくなる。
【0127】
本実施の形態による効果は、井戸層にAs、PまたはSbを含有させることによって、井戸層の電子とホールの有効質量が小さく、また、井戸層の電子とホールの移動度が大きくなる点にある。半導体レーザ素子の場合、前者は少ない電流注入量でレーザ発振のためのキャリア反転分布が得られることを意味し、後者は活性層で電子とホールが発光再結合によって消滅しても新たに電子・ホールが拡散により高速に注入されることを意味する。即ち、現在報告されているような活性層にAs、P、Sbのいずれの元素をも含有しないInGaN系窒化物半導体レーザ素子と比べて、本実施の形態の窒化物半導体レーザ素子は、閾値電流密度が低く、雑音特性にも優れたものとなる。本実施の形態においても、本発明の効果の出現する距離d、f、Pの範囲は実施の形態1に記載したとおりである。
【0128】
<実施の形態8>
本実施の形態8は、基板上に各窒化物半導体層を形成する際に、選択成長技術を用いるものであり、他は上述の実施の形態のいずれかと同様である。
【0129】
選択成長技術は、成長を抑制する材料(例えばSiO等の酸化物や、SiN、AlNなどの窒化物)からなり開口部を有するマスクを、基板上にあらかじめ設けておき、基板上に各窒化物半導体層を形成する際、その成長初期に、横方向への成長が進行するように制御する技術である。これにより、各窒化物半導体層の成長に伴って生じうるクラックが有効に防止される。マスクは、転位集中領域11上、高ルミネッセンス領域17上に対応して設けることができ、また、これらの領域に関わらず設けることもできる。少なくともレーザ導波領域14の直下にマスクを設けることが、レーザ導波領域に発生しうるクラックを効果的に防止できる点から望ましい。
【0130】
上述の各実施の形態1〜7においては、基板としてGaNを用いる例を説明したが、「課題を解決するための手段」に記載したような材料で構成される窒化物半導体基板に置換することもできる。また、窒化物半導体基板上に成長させる各窒化物半導体層の材料についても、「課題を解決するための手段」に記載したような窒化物半導体材料に置換することができる。
【0131】
<実施の形態9>
本実施の形態9は、本発明の窒化物半導体レーザ素子を半導体光学装置に適用したものである。本発明の窒化物半導体レーザ素子(330〜550nmの発振波長)は、半導体光学装置、例えば光ピックアップ装置に利用すると、以下の点において好ましい。各窒化物半導体レーザ素子は、高出力(30mW)であり、高温雰囲気中(60℃)でも安定して動作し、しかもレーザ発振寿命が長いことから、高い信頼性が要求される高密度記録再生用光ディスク装置に最適である(発振波長が短いほど、より高密度に記録再生が可能となる)。
【0132】
図12に、本発明の窒化物半導体レーザ素子を半導体光学装置に利用した一例として、光ディスク装置(光ピックアップを有する装置、例えば、DVD装置など)の概略構成を示す。光ディスク装置は、光ピックアップ、制御回路、ディスクを回転させるモータ、および光ピックアップを移動させるモータを備えている。光ピックアップには、半導体レーザ素子、ビームスプリッタ、ミラー、対物レンズ、および光検出器が含まれている。半導体レーザ素子は、上述のいずれかの実施の形態の窒化物半導体レーザ素子1、2である。
【0133】
情報の記録に際し、半導体レーザ素子が発するレーザ光は、制御回路によって入力情報に応じて変調され、ビームスプリッタ、ミラーおよび対物レンズを経てディスクの記録面上に収束して、情報をディスクに記録する。また、半導体レーザ素子が無変調のレーザ光を発している間に、ディスクの記録面のうちレーザ光が収束する部位の磁界を入力情報に応じて変調することによっても、情報を記録することができる。情報の再生に際しては、ディスク上のピット配列によって光学的に変化を受けたレーザ光が、対物レンズ、ミラー、ビームスプリッタを経て光検出器に入射し、光検出器によって再生信号とされる。半導体レーザ素子が出力するレーザ光のパワーは、例えば、記録時には30mW、再生時には5mW程度である。
【0134】
本発明の半導体レーザ素子は、光ピックアップ装置を有するこのような光ディスク装置の他に、例えば、レーザプリンター、バーコードリーダー、光の三原色(青色、緑色、赤色)レーザによるプロジェクター等にも利用可能であり、高出力で高寿命の光源として適している。
【0135】
【発明の効果】
窒化物半導体層のレーザ光導波領域を窒化物半導体基板の転位集中領域から30μm以上ずらすようにした本発明では、レーザ光導波領域への基板の転位の影響が抑えられ、レーザ発振寿命の長い窒化物半導体レーザ素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の半導体レーザ素子の構造を模式的に示す縦断面図(a)、および平面図(b)
【図2】本発明における窒化物半導体基板の製造工程を模式的に示す拡大縦断面図(a)、平面図(b)、斜視図(c)および縦断面図(d)。
【図3】実施の形態1の半導体レーザ素子の層構成を模式的に示す縦断面図。
【図4】窒化物半導体レーザ素子におけるレーザ光導波領域と転位集中領域の距離とレーザ発振寿命との関係を示す図。
【図5】窒化物半導体レーザ素子におけるレーザ光導波領域から転位集中領域までの距離とレーザ発振寿命との関係を示す図。
【図6】窒化物半導体レーザ素子におけるレーザ光導波領域から転位集中領域までの距離とレーザ発振寿命との関係を示す図。
【図7】実施の形態2の半導体レーザ素子の製造方法を模式的に示す平面図。
【図8】実施の形態3の半導体レーザ素子の製造方法を模式的に示す平面図。
【図9】実施の形態4の半導体レーザ素子の製造方法を模式的に示す平面図。
【図10】実施の形態1〜4の半導体レーザ素子の他の層構成を模式的に示す縦断面図。
【図11】窒化物半導体レーザ素子におけるn型AlGaNクラッド層の層厚とレーザ発振寿命との関係を示す図。
【図12】実施の形態8の半導体光学装置の概略構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1、2 窒化物半導体レーザ素子
10、  n型GaN基板
11  転位集中領域
12    低転位領域
13  窒化物半導体層
14  レーザ光導波領域
15  p電極
16  n電極
17  低転位領域中央領域(高ルミネッセンス領域)
21  支持基体
22  n型GaN層
23  {11−22}面
24  凹凸底部下部
25  凹凸頂上部
26  {0001}面
60  n型GaN基板
70  n型GaN基板
71、72 窒化物半導体レーザ素子形成領域
80  n型GaN基板
81、82  窒化物半導体レーザ素子形成領域
90  n型GaN基板
91、92  窒化物半導体レーザ素子形成領域
102  n型GaN層
103  n型InGaNクラック防止層
104  n型AlGaNクラッド層
105  n型GaN光ガイド層
106  InGaN活性層
107  p型AlGaNキャリアブロック層
108  p型GaN光ガイド層
109  p型AlGaNクラッド層
110  p型GaNコンタクト層
111  n電極
112  p電極
113  絶縁膜
200  n型GaN基板
201  n型GaN層
203  n型InGaNクラック防止層
204  n型AlGaNクラッド層
205  n型GaN光ガイド層
206  活性層
207  p型AlGaNキャリアブロック層
208  p型GaN光ガイド層
209a p型AlGaN第1クラッド層
209b p型AlGaN第2クラッド層
210  p型InGaNコンタクト層
211  n電極
212  p電極
220  電流阻止層

Claims (13)

  1. 窒化物半導体基板とその上に積層された窒化物半導体層を備える窒化物半導体レーザ素子であって、
    窒化物半導体基板が複数の点状の転位集中領域と転位集中領域を除いた領域である低転位領域を有し、
    窒化物半導体層がストライプ状のレーザ光導波領域を窒化物半導体基板の低転位領域上に有し、
    レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との中心間距離が30μm以上であることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  2. 窒化物半導体層にAlを含む層を有し、Alを含む層の層厚が0.5μm以上かつ3.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  3. 窒化物半導体基板の複数の転位集中領域が等間隔の千鳥配列をなすことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. 窒化物半導体基板の隣り合う転位集中領域の中心間距離が70μm以上かつ1000μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  5. 複数の点状の転位集中領域が窒化物半導体基板の[11−20]方向に周期的に配列され、
    ストライプ状のレーザ光導波領域が窒化物半導体基板の[1−100]方向に設けられ、
    点状の転位集中領域の配列の周期をP、レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との中心間距離をdで表すとき、おおよそ
    d=0.25×P
    であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. 複数の点状の転位集中領域が窒化物半導体基板の[1−100]方向に周期的に配列され、
    ストライプ状のレーザ光導波領域が窒化物半導体基板の[1−100]方向に設けられ、
    点状の転位集中領域の配列の周期をP、レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との中心間距離をfで表すとき、おおよそ
    f=0.433×P
    であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 複数の点状の転位集中領域と転位集中領域を除いた領域である低転位領域とを有する窒化物半導体基板上に、ストライプ状のレーザ光導波領域を備えた窒化物半導体の積層構造を含有する窒化物半導体層を形成する工程を含む窒化物半導体レーザ素子の製造方法であって、
    レーザ光導波領域を低転位領域上に設けるとともに、
    レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との中心間距離を30μm以上とすることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  8. 窒化物半導体層の一部としてAlを含む層を形成するとともに、
    Alを含む層の層厚を0.5μm以上かつ3.5μm以下とすることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  9. 窒化物半導体基板として、複数の点状の転位集中領域が等間隔の千鳥配列をなすものを用いることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  10. 窒化物半導体基板として、隣り合う転位集中領域の中心間距離が70μm以上かつ1000μm以下のものを用いることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  11. 窒化物半導体基板として複数の点状の転位集中領域が[11−20]方向に周期的に配列したものを用いるとともに、
    窒化物半導体層のストライプ状のレーザ光導波領域を窒化物半導体基板の[1−100]方向に沿って設けて、
    点状の転位集中領域の配列の周期をP、レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との中間距離をdで表すとき、おおよそ
    d=0.25×P
    とすることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  12. 窒化物半導体基板として複数の点状の転位集中領域が[1−100]方向に周期的に配列したものを用いるとともに、
    窒化物半導体層のストライプ状のレーザ光導波領域を窒化物半導体基板の[1−100]方向に沿って設けて、
    点状の転位集中領域の配列の周期をP、レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との中心間距離をfで表すとき、おおよそ
    f=0.433×P
    とすることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  13. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子を光源として備えることを特徴とする半導体光学装置。
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