JP2004145975A - 塗布液用溶剤組成物 - Google Patents

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Hajime Yamada
山田 元
Nobuya Saegusa
三枝 暢也
Shojiro Kuwabara
桑原 章二郎
Shinichi Hinagata
日永田 真一
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Abstract

【課題】均一で優れた色素記録層を形成できる塗布液用溶剤組成物を提供する。
【解決手段】2−ヒドロキシイソ酪酸エステルからなる溶剤(A)20〜95重量%、および(A)以外の溶剤であって沸点が100〜160℃であり、20℃における粘度が5mPa・s以下であり、20℃における表面張力が15x10−3〜35x10−3N/mの範囲であり、かつ酢酸ブチルを100としたときの蒸発速度が5〜200の範囲である溶剤(B)80〜5重量%からなることを特徴とする塗布液用溶剤組成物。
【選択図】 無し

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は色素記録層の塗布に適した塗布液用溶剤組成物に関するものである。より詳しくは、光学記録層に用いられる有機色素の塗布に用いられる塗布液用溶剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CD−RあるいはDVD−Rなどの高密度光学記録媒体が開発され、実用化されている。これら光学記録媒体には、コスト的に安価であり、しかも製造が容易であるという点で有機色素が記録層として用いられている。
【0003】
短波長の半導体レーザーが開発されるに伴い、記録用の有機色素も適した最大吸収波長を有する構造に置き換えられており、数多くの化合物が提案されている。
【0004】
現在の有機色素系光学記録媒体は、色素記録層をスピンコート法にて形成できるために製造工程がシンプルであり、かつ製造に要する時間が短い点が大きな利点となっている。溶剤への溶解度が低い化合物の場合、塗布法での光学記録媒体製造が困難であり、仮に製造できても基板上で色素が結晶化するという問題がある。一方、塗布液調製用の溶剤としては、色素に対して高い溶解性を示し、かつ基板材料であるポリカーボネート樹脂を溶解させない性能を有することが要求されるが、新しい色素の開発に対応する溶剤の開発は進まず、そのため最大吸収波長を対応するレーザーの波長に対応させることをある程度犠牲にしてでも特定の溶剤に溶解する構造を持たせる手法で色素の設計が行われてきた。
【0005】
この中で新しい溶剤として分子中に水酸基を有するエステル系化合物を用いることが提案されている(特許文献1参照)。フタロシアニン色素をヒドロキシカルボン酸エステル溶剤に溶解させた色素溶液(塗布液)を基板上に塗布して光学記録層(色素記録層)を形成することからなる光情報記録媒体の製造方法が開示されている(特許文献2参照)。フタロシアニン色素に対しては、溶剤としてヒドロキシカルボン酸エステルを用いて調製した塗布液を用いることにより、記録再生特性(特に、反射率)が向上した光ディスクを製造できることが開示されている。そして、シアニン色素などのメチン色素用溶剤の例として、ジアセトンアルコール、乳酸エチル、乳酸メチル等が開示されている(特許文献3参照)。また、フッ素化アルコールなどのフッ素含有化合物が提案されており、過塩素イオンを持つシアニン色素を2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール溶剤に溶解させて塗布液を調製した例が記載されている(特許文献4参照)。
【0006】
CD−R型光記録媒体の色素記録層の色素材料として特定の構造を持つアゾ系化合物と金属との錯体化合物、インドレニン系シアニン色素、およびメタロセン系化合物との組成物を用いることが記載されており、またその色素組成物の塗布液を調製する際に用いる溶剤として、ケトンアルコール系溶剤、セロソルブ系溶剤、炭化水素系溶剤、パーフルオロアルキルアルコール系溶剤、そしてヒドロキシカルボン酸エステル系溶剤が利用できることが開示されている(特許文献5参照)。また、特定のスチルベン誘導体を光学記録媒体として用いるに際し、特定のケトンアルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びヒドロキシカルボン酸エステル系溶媒に特定量以上溶解することを特徴とするスチルベン誘導体を用いることが開示されている(特許文献6参照)。
【0007】
光学記録媒体の基板は一般に、透明性と機械的特性が優れたポリカーボネートなどの樹脂材料の射出成形によって製造される。基板上に色素溶液をスピンコート法によって塗布し、乾燥することにより、色素記録層が形成される。従って、塗布液の溶剤は、色素記録材料を必要量溶解し、かつ樹脂基板(あるいは樹脂基板の表面上に設けられた被覆層)を溶解させることのない溶剤であることはもちろんのこと、溶媒の沸点、粘度、表面張力または蒸発速度などの物性においても要求される物性を満足することが必要である。しかし、シアニン色素などの記録に通常用いられる色素を溶解しかつ基板表面を侵さないという特徴を兼ね備えた溶媒は少なく、単独で他の物性を満足する溶媒は見いだされていない。このため、他の物性をある程度犠牲にしながらいくつかの溶媒が色素溶媒として一般的に利用されてきた。
【0008】
たとえばフッ素化アルコールは、シアニン色素などの各種色素に対して優れた溶解性を示し、ポリカーボネートなどの樹脂基板に障害を与えにくい点において、優れた溶媒ではあるが、フッ素化アルコールを色素溶媒として用いた色素塗布液から形成される色素記録層の均一性が必ずしも満足できない場合がある(特許文献7参照)。この原因はフッ素化アルコール溶液の粘度、表面張力および蒸発速度のバランスがとれておらず、色素膜形成時に本来望まれるコーティング溶液としての物性を兼ね備えていないためであると考えられる。特に、DVD−Rのように表面により微細な書き込みを行なう必要のある高密度光学記録媒体においてはこのような不均一性は歩留まりの低下原因となり好ましくない。
【0009】
また、ヒドロキシカルボン酸エステル、特に2−ヒドロキシイソ酪酸エステルは塗布液用溶剤として好ましい粘度、表面張力および蒸発速度のバランスを有しているが、シアニン色素の対イオンが無機イオンである色素など現在提案されている全ての記録用色素を溶解しないため、その使用は特定の用途に限定されている(特許文献8参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平3−86583号公報
【特許文献2】
特開平10−222884号公報
【特許文献3】
特開平2−165487号公報
【特許文献4】
特開昭63−159090号公報
【特許文献5】
特開平10−244755号公報
【特許文献6】
特開2002−2117号公報
【特許文献7】
特開2002−109793号公報
【特許文献8】
特開平3−86583号公報
【0011】
複数の溶媒を組み合わせる例として、ケトンアルコール系溶媒としてジアセトンアルコール、ケトン系溶媒としてメチルエチルケトンおよび炭化水素系溶媒を組み合わせて用いることが開示されているが、これら溶媒系の沸点および蒸発速度が異なるため、塗布前には均一な溶液であっても塗布直後から完全に乾燥するまでの間に色素を溶解し得ない組成となり、一部の色素が結晶化するため均一な膜厚の色素記録層が得られない。
【0012】
色素記録層の形成方法には他に色素の蒸着法なども提案されているが、溶液塗布法に比べコストが高くなるため実用化には至っていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、入手が容易な材料を用いながら、均一で優れた色素記録層を形成できる塗布液用溶剤組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、日々高性能化が進む記録用有機色素を溶解し塗布工程において、均一で優れた色素記録層を形成できる溶剤の組み合わせを研究した結果、2−ヒドロキシイソ酪酸エステルに特定の物性を有する溶媒を組み合わせれば、広い範囲の層厚に対応でき、かつ層厚が均一なため、記録時に安定して書き込みのできる優れた色素記録層を形成するのに特に有効であることを見出し、本発明に到達した。このような色素記録層を持つ光学記録媒体の製造は、DVD−Rのような高密度の光情報記録媒体を製造する際に特に重要である。
【0015】
即ち本発明は、有機色素を溶解するための塗布液用溶剤組成物であって、一般式[I]で表される1種以上の2−ヒドロキシイソ酪酸エステルからなる溶剤(A)20〜95重量%、好ましくは50〜90重量%、および(A)以外の溶剤であって沸点が100〜160℃であり、20℃における粘度が5mPa・s以下であり、20℃における表面張力が15x10−3〜35x10−3N/mの範囲であり、かつ酢酸ブチルを100としたときの蒸発速度が5〜200の範囲である溶剤(B)80〜5重量%、好ましくは50〜10重量%からなることを特徴とする塗布液用溶剤組成物に関する。
【0016】
Figure 2004145975
(式中、Rは炭素数1〜3の炭化水素基)
【0017】
【本発明の実施の形態】
本発明を詳細に説明する。本発明の塗布液用溶剤組成物は、一般式[I]で示される2−ヒドロキシイソ酪酸エステルである溶剤(A)および特定の物性範囲を満足する溶剤(B)からなる塗布液用溶剤組成物である。
【0018】
本発明で用いられる2−ヒドロキシイソ酪酸エステルは上記一般式[I]で表される化合物の1種以上から選ばれる化合物であり、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、2−ヒドロキシイソ酪酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸−n−プロピルおよび2−ヒドロキシイソ酪酸−i−プロピルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。炭素数4以上の2−ヒドロキシイソ酪酸エステルも特定の有機色素に対する溶解性は優れているが、沸点が高く蒸発速度が遅いため、塗布工程後においても少量の溶媒が色素記録層に残存する場合があり、乾燥工程後の製造工程において色素記録層の一部が剥離するなど製品不良の原因となり好ましくない。
【0019】
本発明で用いられる、特定の物性範囲を満足する溶剤(B)は、(A)以外の溶剤であって沸点が100〜160℃であり、20℃における粘度が5mPa・s以下であり、20℃における表面張力が15x10−3〜35x10−3N/mの範囲であり、かつ酢酸ブチルを100としたときの蒸発速度が5〜200の範囲である溶剤1種以上から選ばれる。
【0020】
溶剤(B)の沸点は100〜160℃、好ましくは120〜150℃の範囲であり、かつ酢酸ブチルを100としたときの蒸発速度が5〜200の範囲であることが必要である。沸点が100℃未満または蒸発速度が200を超える化合物では塗布液を塗布する間に溶媒の蒸発が始まり均一な塗膜を形成することが出来ない。逆に沸点が160℃を超えるかまたは蒸発速度が5未満である化合物では沸点が高く蒸発速度が遅いため、塗布工程後においても少量の溶媒が色素記録層に残存する場合があり、乾燥工程後の製造工程において色素記録層の一部が剥離するなど製品不良の原因となり好ましくない。
【0021】
20℃における溶剤(B)の粘度は5mPa・s以下、好ましくは3.5mPa・s以下であることが必要である。20℃における粘度が5mPa・sを超える化合物では均一な塗膜を得るための塗布液量を多く設定し液の一部が基板から飛散するような回転数条件下で塗布を行わねばならず、塗布液の歩留まりが悪くなる。
【0022】
20℃における溶剤(B)の表面張力は15x10−3〜35x10−3N/mの範囲、好ましくは15x10−3〜30x10−3N/mの範囲にあることが必要である。表面張力が15x10−3N/mよりも小さい場合、塗布液の塗布時に液厚が薄くなるため色素記録層としての性能を発揮するのに必要な層厚を保てない場合がある。逆に表面張力が35x10−3N/mよりも大きい場合、塗布液の塗布時に液の厚みが厚くなるため層厚を薄くするためには色素濃度を薄くする必要があり経済的でない。
【0023】
上記の物性範囲を満足する溶剤(B)の例としては、1−プロパノール、プロパルギルアルコール、n−ブタノール、i−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノールもしくは2−エチル−1−ブタノールなどのアルコール化合物、メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、プロピルセロソルブ、t−ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルもしくはプロピレングリコールモノイソプロピルエーテルなどのエーテルアルコール化合物、グリコールモノ酪酸エステル等のエステルアルコール化合物、グリコール酸プロピル、乳酸メチル、乳酸エチルもしくは3〜ヒドロキシイソ酪酸メチルなどの2−ヒドロキシイソ酪酸エステル以外のヒドロキシカルボン酸エステル化合物、ジ−n−ブチルエーテル、ジオキサン、トリオキサン、アニソール、ジエチルグリコールもしくはトリメトキシグリセリンなどのエーテル化合物、ギ酸−n−ブチル、ギ酸アミル、酢酸−n−プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸−i−ブチル、酢酸イソアミル、シュウ酸ジメチル、炭酸ジエチル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸−i−ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、イソ酪酸イソブチルもしくはイソ吉草酸エチルなどのエステル化合物、2−ペンタノン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン化合物、メチルセロソルブアセテートもしくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエーテルエステル化合物、トルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、オクタンもしくはトリメチルヘキサンなどの炭化水素化合物、N,N−ジメチルホルムアミド、モルホリン、ピコリン、ルチジン、ピリジン、ピロールなどの含窒素化合物、スルホランなどの含硫黄化合物、トリクロロエチレンなどの含塩素化合物またはベンゼントリフルオリド、テトラフルオロペンタノール、オクタフルオロペンタノールもしくはテトラフルオロプロパノールなどの含フッ素化合物が挙げられる。
【0024】
本発明の塗布液用溶剤組成物における2−ヒドロキシイソ酪酸エステルである溶剤(A)と上記の物性範囲を満足する溶剤(B)との比は溶解しようとする色素にもよるが、20〜95:80〜5(重量%)、好ましくは50〜90:50〜10(重量%)であることが必要である。溶剤(B)が5重量%未満である場合には(A)単独の物性とほぼ同一の物性を示すため、塗布液として要求される性能を満足することが出来ない。本発明の塗布液用溶剤組成物は(A)および(B)を組み合わせることではじめて性能が発揮されるものである。
【0025】
このようにして得られた溶剤組成物の20℃における粘度は5mPa・s以下、好ましくは3.5mPa・s以下であり、20℃における表面張力は15x10−3〜35x10−3N/mの範囲、好ましくは15x10−3〜30x10−3N/mの範囲にあることが望ましい。
【0026】
これらの条件を満足する化合物を2−ヒドロキシイソ酪酸エステルと組み合わせることにより、色素記録層を形成するのに十分な性能を有する塗布液用溶剤組成物が得られる。
【0027】
本発明の塗布液用溶剤組成物においては、酸化防止剤、UV吸収剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0028】
本発明の塗布液用溶剤組成物に溶解する色素については着色剤または色素記録層として用いることの出来る有機色素であれば特に限定されず、例えばアゾ系色素もしくはアゾ系金属キレート色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン系色素、スクアリリウム系色素、含金属インドアニリン系色素、トリアリールメタン系色素、オキソノール色素、シアニン色素、メロシアニン系色素、アズレニウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、キサンテン系色素、オキサジン系色素、ピリリウム系色素等などがあげられる。
【0029】
本発明の塗布液用溶剤組成物はこれら色素及び必要に応じて結合材、UV吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、潤滑剤、消泡剤もしくは脱泡剤などの添加剤を配合し、ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等公知の手法により塗布される。
【0030】
【実施例】
以下本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例によって限定されるものではない。
【0031】
実施例1
蒸発速度の測定方法、条件は、以下のようにした。温度23℃、相対湿度60%の条件下で、濾紙(アドバンテック製、2番、直径110mm)を波状に折り、これを精密天秤の上に乗せた。この濾紙に試料0.2ml塗布し、同時に重量を測定し30〜60秒経過毎に測定を継続した。この時の重量減少率をプロットし、傾きから蒸発速度を求めた。標準試料として、酢酸ブチルを測定し、この時の蒸発速度を100とした。
2−ヒドロキシイソ酪酸メチルの蒸発速度を測定したところ、37であった。
【0032】
実施例2
2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(沸点137℃、粘度2.8mPa・s、表面張力28.3x10−3N/m、蒸発速度37)90部、メチルセロソルブ(沸点125℃、粘度1.7mPa・s、表面張力31.8x10−3N/m、蒸発速度47)10部の溶剤組成物(表面張力28.6x10−3N/m)に、色素としてシアニン系色素(田村化研社製、L04)を5部加えたところ、完全に溶解した。この溶液を0.2μmのフィルターでろ過し、溶解物を得た。
【0033】
常法により成形された外径120mm、厚み0.6mmのスパイラルグループ状のグループ(深さ=150nm、半値幅=0.33μm、傾斜角=63°、ピッチ=0.74μm)を有する射出成形基盤(ポリカーボネート製)を用い、スピンコート法により回転数1200rpmで平均厚み50nmとなるよう塗布した。80℃、1時間乾燥後目視で確認した結果いずれにおいても結晶は認められなかった。エリプソンメータによって膜厚の均一性を測定した。
【0034】
続いて、スパッタ装置(バルザース社製、CDI−900)を用いて、金属反射層を(厚さ80nm)スパッタ成膜し、さらにこの上に紫外線硬化樹脂(大日本インキ製、アクリル系樹脂SD1700)を塗布して紫外線硬化させた後、この上に前記と同様の0.6mm厚のポリカーボネート製基板を重ね合わせ、紫外線硬化型ラジカル性接着剤(JSR製Z8421H)を塗布し紫外光を照射して貼り合わせ型光学記録媒体を作製した。
【0035】
この光学記録媒体をディスクテスター(パルステック工業社製、DDU−1000,波長=658nm、NA=0.60)にて線速=3.5m/sでDVD互換となる8−16変調記録を施した(ベーシック・ストラテジーType3)。この後、同様にDDU−1000筐体に標準のROM再生光学系(波長=650nm、NA=0.60)を搭載したディスクテスターにて上記記録部位の信号を再生し、ジッター値、ボトムジッターを与える記録パワーを評価した。
結果は、膜厚の均一性は3%、記録感度9.0mW、ジッター7.6%であった。
【0036】
比較例1
2−ヒドロキシイソ酪酸メチル100部を用いて、実施例1と同様に行なった。
結果は、色素は完全に溶解し、基盤に塗布しても、結晶化は見られなかった。膜厚の均一性は6%、記録感度9.8mW、ジッター9.0%であった。
【0037】
実施例3
2−ヒドロキシイソ酪酸メチル70部、4−メチル−2−プロパノール(沸点131.6℃、粘度4.6mPa・s、表面張力25.1x10−3N/m、蒸発速度30)30部の溶剤組成物(表面張力27.3x10−3N/m)として、実施例1と同様に行なった。
結果は、色素は完全に溶解し、基盤に塗布しても、結晶化は見られなかった。膜厚の均一性は4%、記録感度9.2mW、ジッター7.7%であった。
【0038】
実施例4
2−ヒドロキシイソ酪酸メチル80部、乳酸エチル(沸点155℃、粘度2.6mPa・s、表面張力29.2x10−3N/m、蒸発速度20)20部を溶剤組成物(表面張力28.5x10−3N/m)とし、実施例1と同様に行なった。
結果は、色素は完全に溶解し、基盤に塗布しても、結晶化は見られなかった。膜厚の均一性は3%、記録感度9.5mW、ジッター7.6%であった。
【0039】
比較例2
2−ヒドロキシイソ酪酸メチル80部、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール(沸点174℃、粘度7.3mPa・s、表面張力29.9x10−3N/m、蒸発速度7)20部の混合溶剤として、実施例1と同様に行なった。
結果は、色素は完全に溶解し、基盤に塗布しても結晶化は見られなかった。膜厚の均一性は9%、記録感度10.0mW、ジッター10.1%であった。
【0040】
比較例3
2−ヒドロキシイソ酪酸メチル80部、メチルシクロヘキサン(沸点101℃、粘度0.68mPa・s、表面張力23.2x10−3N/m、蒸発速度320)20部の混合溶剤を用いて、実施例1と同様に行なった。
結果は、色素は完全に溶解し、基盤に塗布しても、結晶化は見られなかった。膜厚の均一性は8%、記録感度10.5mW、ジッター9.9%であった。
【0041】
比較例4
2−ヒドロキシイソ酪酸メチル70部、N−メチルピロリドン(沸点202℃、粘度1.65mPa・s、表面張力41x10−3N/m、蒸発速度1以下)30部の混合溶剤を用いて、実施例1と同様に行なった。結果は、色素は完全に溶解したが、実施例1と同じ条件では乾燥が不十分であり、90℃、3時間乾燥を行った。目視でわかるぐらいの色素記録層のムラが認められた。
【0042】
【発明の効果】
本発明により均一で優れた色素記録層を形成することができ、歩留まり向上に伴い生産性を向上させることが出来、意義は大きい。

Claims (5)

  1. 有機色素を溶解するための塗布液用溶剤組成物であって、一般式[I]で表される1種以上の2−ヒドロキシイソ酪酸エステルからなる溶剤(A)20〜95重量%、および(A)以外の溶剤であって沸点が100〜160℃であり、20℃における粘度が5mPa・s以下であり、20℃における表面張力が15x10−3〜35x10−3N/mの範囲であり、かつ酢酸ブチルを100としたときの蒸発速度が5〜200の範囲である(B)80〜5重量%からなることを特徴とする塗布液用溶剤組成物。
    Figure 2004145975
    (式中、Rは炭素数1〜3の炭化水素基)
  2. 溶剤(B)の沸点が120〜150℃である請求項1記載の塗布液用溶剤組成物。
  3. 塗布液用溶剤組成物の20℃における表面張力が15x10−3〜30x10−3N/mの範囲である請求項1記載の塗布液用溶剤組成物。
  4. 溶剤(A)が50〜90重量%である請求項1記載の塗布液用溶剤組成物。
  5. 溶剤(B)が、アルコール化合物、エーテルアルコール化合物、エステルアルコール化合物、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル以外のヒドロキシカルボン酸エステル化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、エーテルエステル化合物、炭化水素化合物、含窒素化合物、含硫黄化合物、含塩素化合物、及び含フッ素化合物から選ばれる1種以上である請求項1記載の塗布液用溶剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109720113A (zh) * 2017-10-31 2019-05-07 精工爱普生株式会社 记录方法以及记录装置

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CN109720113A (zh) * 2017-10-31 2019-05-07 精工爱普生株式会社 记录方法以及记录装置
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