JP2002212454A - シアニン色素 - Google Patents

シアニン色素

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JP2002212454A JP2001031916A JP2001031916A JP2002212454A JP 2002212454 A JP2002212454 A JP 2002212454A JP 2001031916 A JP2001031916 A JP 2001031916A JP 2001031916 A JP2001031916 A JP 2001031916A JP 2002212454 A JP2002212454 A JP 2002212454A
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綾子 芳坂
Masaru Matsuura
大 松浦
Toshio Kawada
敏雄 河田
Shigeo Yasui
茂男 安井
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Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高密度光記録媒体において有用な溶解性、
耐熱性に優れた有機色素化合物を提供する。 【解決手段】一般式1で表され、ジアセトンアルコール
における20℃の溶解度が50mg/ml以上であるト
リメチン系シアニン色素、そのトリメチン系シアニン色
素を含んでなる光吸収剤、耐光性改善剤及び光記録媒
体、さらには、活性メチル基を有するベンゾインドレニ
ウム化合物と、適宜の脱離基を有するベンゾインドレニ
ウム化合物とを反応させる工程を経由するトリメチン系
シアニン色素の製造方法 (R及びRはそれぞれ脂肪族炭化水素基。それらは
置換基を有してもよい。Z及びZはそれぞれベンゾ
インドレニン環を完成するための結合ナフタレン環。そ
れらは置換基を有してもよい。Xは対イオン。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は新規な有機色素化
合物に関するものであり、とりわけ、高密度光記録媒体
において有用なトリメチン系シアニン色素に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア時代の到来に伴い、CD
−R(コンパクトディスクを利用する追記型メモリ)や
DVD−R(デジタルビデオディスクを利用する追記型
メモリ)などの光記録媒体が脚光を浴びている。光記録
媒体は、テルル、セレン、ロジウム、炭素、硫化水素な
どの無機物を用いて記録層を構成する無機系光記録媒体
と、有機色素化合物を主体とする光吸収剤により記録層
を構成する有機系光記録媒体に大別することができる。
【0003】このうち、有機系光記録媒体は、通常、シ
アニン色素を2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プ
ロパノール(以下、「TFP」と略記する。)などの有
機溶剤に溶解し、溶液をポリカーボネートの基板に塗布
し、乾燥して記録層を形成した後、金、銀、銅などの金
属による反射層及び紫外線硬化樹脂などによる保護層を
順次密着させて形成することによって作製される。有機
系光記録媒体は、無機系のものと比較して、読取光や自
然光などの環境光によって記録層が変化し易いという欠
点はあるものの、光吸収剤を溶液にして直接基板に塗布
することによって記録層を構成し得ることから、光記録
媒体を低廉に作製できる利点がある。加えて、有機系光
記録媒体は、有機物を主体に構成されるので、湿気や海
水にさらされる環境下でも腐食し難い利点があること
と、有機系光記録媒体の一種である熱変形型光記録媒体
の出現によって、所定のフォーマットで光記録媒体に記
録された情報を市販の読取専用装置を用いて読み取れる
ようになったことから、今や廉価な光記録媒体の主流に
なりつつある。
【0004】有機系光記録媒体における緊急の課題は、
マルチメディア時代に対応するためのさらなる高密度化
である。現在、斯界において鋭意推進されている高密度
化の研究は、主として、情報の書込に用いるレーザー光
の波長をGaAlAs系半導体レーザーによる現行の7
75乃至795nmから700nm以下に短波長化する
ことを目指している。しかしながら、CD−R用として
開発されたシアニン色素は、DVD−Rなどの高密度光
記録媒体において、その多くが700nmより短波長の
レーザー光を用いて情報を適切に書き込んだり読み取っ
たりできないことから、現状のままでは各方面で希求さ
れている高密度化の要請に応じられないことになる。
【0005】有機系光記録媒体の高密度化を妨げる別の
原因として、色素の熱分解性、耐熱性の問題がある。す
なわち、有機系光記録媒体においては、レーザー光を吸
収した色素が融解し、分解し、その際に発生する熱を利
用してピットを形成しているところ、公知のシアニン色
素の多くは分解点が低く、その結果として耐熱性が小さ
いことから、読取に際しても、レーザー光へ長時間露出
させると、蓄積した熱によって記録面におけるピット周
辺とピットが形成されていない部分が変形し易いという
問題がある。
【0006】ところで、DVD−Rなどの高密度光記録
媒体を紙に代わるマルチメディア時代の情報記録手段と
して定着させるためには、高品質の製品を大量且つ廉価
に提供する必要がある。そのためには、基板へ光吸収剤
を塗布する作業を効率化しつつ、記録特性と安定性に優
れた光記録媒体を歩留りよく作製することが肝要とな
る。そこで欠かせないのが有機溶剤に溶解し易い光吸収
剤であり、特に、環境を汚染し難い非ハロゲン溶剤に溶
解し易い光吸収剤の開発が希求されている。これまで、
多種多様の光吸収剤が提案され、その一部はすでに実用
化されているけれども、DVD−Rなどの高密度光記録
媒体の作製に用いて、光特性と溶解性を同時に満足し得
る光吸収剤は未だ実現していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】斯かる状況に鑑み、こ
の発明の課題は、高密度光記録媒体において有用な溶解
性、耐熱性に優れた有機色素化合物を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決すべ
く、本発明者が鋭意研究し、検索したところ、活性メチ
ル基を有するベンゾインドレニウム化合物と、適宜の脱
離基を有するベンゾインドレニウム化合物とを反応させ
る工程を経由して得られる特定のトリメチン系シアニン
色素は、700nmより短波長の可視光を実質的に吸収
するうえに、その多くが、公知の類縁化合物と比較し
て、光記録媒体の作製に頻用される有機溶剤、とりわ
け、非ハロゲン溶剤における溶解度が有意に大きいこと
を見出した。また、斯かる反応を経由して得られるシア
ニン色素の多くは、分解点が272℃を上回り、公知の
類縁化合物と比較して耐熱性が著しく高いことを見出し
た。さらに、斯かるトリメチン系シアニン色素は、光記
録媒体において、700nmより短波長のレーザー光を
照射すると、記録面に微小なピットを高密度に形成する
ことを確認した。この発明は新規な有機色素化合物の創
製と、その産業上有用な特性の発見に基づくものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明は、前述の課題を、一般
式1で表され、かつ、ジアセトンアルコール(以下、
「DAA」と略記する。)における20℃の溶解度が5
0mg/ml以上であるトリメチン系シアニン色素と、
一般式1で表され、かつ、分解点が272℃を上回るト
リメチン系シアニン色素(以下においては、両トリメチ
ン系シアニン色素を一括して「シアニン色素」と呼称す
ることがある。)を提供することによって解決するもの
である。
【0010】
【化7】
【0011】一般式1において、R1及びR2は、それぞ
れ、脂肪族炭化水素基を表す。個々の脂肪族炭化水素基
としては、通常、炭素数8までの、例えば、メチル基、
エチル基、エチニル基、プロピル基、イソプロピル基、
1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−プロピニル
基、イソプロペニル基、ブチル基、イソブチル基、se
c−ブチル基、tert−ブチル基、2−ブテニル基、
1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル
基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチ
ルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンテニル
基、2−ペンテン−4−イニル基、ヘキシル基、イソヘ
キシル基、5−メチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基などが挙げられる。斯かる脂肪族炭化水素は、その
1又は複数が置換基を1又は複数有していてもよく、個
々の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル
基などの脂肪族炭化水素基、フェニル基、o−トリル
基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチ
ル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル
基、ビフェニル基などの芳香族炭化水素基、メトキシ
基、トリフルオルメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキ
シ基などのエーテル基、メトキシカルボニル基、トリフ
ルオロメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、トリフルオロ
アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などのエステル基、
フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロ
ゲン基などが挙げられる。シアニン色素全体の構造にも
よるけれども、望ましいのは、R1及びR2として、それ
ぞれ、Cm2m+1及びCn2n+1(m+n≦9)で表され
る互いに異なる脂肪族炭化水素を有するシアニン色素で
あり、斯かるシアニン色素の多くは、DAAをはじめと
する非ハロゲン溶剤における溶解度が大きいうえに、分
解点が高く、その結果として、耐熱性が大きい特徴があ
る。
【0012】一般式1におけるZ1及びZ2は、それぞ
れ、ベンゾインドレニン環を完成するための縮合ナフタ
レン環を表し、それらのベンゾインドレニン環は、通
常、それぞれ独立に、1H−ベンゾ[e]インドール骨
格又は3H−ベンゾ[g]インドール骨格のいずれかを
有する。斯かる縮合ナフタレン環における水素原子は、
その1又は複数が置換基によって置換されていてもよ
く、個々の置換基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチ
ル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペ
ンチル基などの脂肪族炭化水素基、メトキシ基、トリフ
ルオロメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプ
ロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペン
チルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などの
エーテル基、メトキシカルボニル基、トリフルオロメト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシ
カルボニル基、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ
基、ベンゾイルオキシ基などのエステル基、メチルスル
ホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル
基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、
tert−ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基
などのアルキルスルホニル基、メチルスルファモイル
基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル
基、ジエチルスルファモイル基、プルピルスルファモイ
ル基、ジプロピルスルファモイル基、ブチルスルファモ
イル基、ジブチルスルファモイル基、ペンチルスルファ
モイル基、ジペンチルスルファモイル基などのアルキル
スルファモイル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、
ヨード基などのハロゲン基、さらには、ニトロ基、シア
ノ基などが挙げられる。なお、一般式1で表されるシア
ニン色素において、構造上、シス/トランス異性体が存
在する場合には、いずれの異性体もこの発明に包含され
るものとする。
【0013】一般式1におけるX-は適宜の対イオンを
表す。対イオンについては特に制限がなく、用途にもよ
るけれども、要は、DAAにおける溶解度及び/又は熱
分解性を指標に適宜のものとすればよい。光記録媒体に
用いる場合には、金属を含有する反射層を変質させ難い
対イオン、とりわけ、互いに異なる2種類以上の元素か
らなるアニオンとするのが望ましく、個々のアニオンと
しては、例えば、燐酸イオン、過塩素酸イオン、過沃素
酸イオン、六弗化燐酸イオン、六弗化アンチモン酸イオ
ン、六弗化錫酸イオン、硼弗化水素酸イオン、四弗硼素
酸イオンなどの無機酸イオンや、チオシアン酸イオン、
ベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオ
ン、p−トルエンスルホン酸イオン、アルキルスルホン
酸イオン、ベンゼンカルボン酸イオン、アルキルカルボ
ン酸イオン、トリハロアルキルカルボン酸イオン、アル
キル硫酸イオン、トリハロアルキル硫酸イオン、ニコチ
ン酸イオンなどの有機酸イオン、さらには、アゾ系、ビ
スフェニルジチオール系、チオカテコールキレート系、
チオビスフェノレートキレート系、ビスジオール−α−
ジケトン系の有機金属錯体アニオンなどが挙げられる。
爆発性などの安定性、取扱い易さなどを勘案すると、特
に望ましいのは、弗素と、燐、アンチモン、ビスマスな
どの周期律表における第15族の金属元素からなる、例
えば、六弗化燐酸イオン、六弗化アンチモン酸イオンな
どのアニオンであって、斯かるアニオンを対イオンとす
るこの発明のシアニン色素は、取扱い易いうえに、DA
Aをはじめとする諸種の有機溶剤に溶解し易く、耐熱性
も大きい特徴がある。
【0014】対イオンX-について説明を続けると、用
途にもよるけれども、この発明のシアニン色素における
好ましい有機金属錯体アニオンは耐光性改善能を有する
有機金属錯体のアニオン、とりわけ、アゾ系有機金属錯
体アニオンである。この発明でいうアゾ系有機金属錯体
アニオンとは、金属原子を中心原子とし、その金属原子
へ配位子としてのアゾ化合物が1又は複数結合してなる
錯体アニオン一般を意味する。この発明においては、い
かなるアゾ系有機金属錯体アニオンであろうと、それ
が、シアニン色素の光吸収特性を実質的に損なうことな
く、シアニン色素の耐光性を実用に供し得る程度に改善
し得るものであるかぎり、化学構造や調製方法にかかわ
りなく用いることができる。複数のアゾ化合物が金属原
子へ結合する場合、それらのアゾ化合物は互いに同じも
のであっても異なるものであってもよい。斯かるアゾ系
有機金属錯体アニオンの例としては、例えば、一般式6
で表されるものが挙げられる。一般式6で表される一群
のアゾ系有機金属錯体は、いずれも、シアニン色素の光
吸収特性を実質的に損なうことがないので、この発明を
実施するうえで極めて有用である。
【0015】
【化8】
【0016】一般式6におけるZ3乃至Z6は互いに同じ
か異なる芳香環又は複素環を表し、それらの芳香環及び
複素環は置換基を1又は複数有していてもよい。好まし
い芳香環は単環式のベンゼン環であり、複素環として
は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子及びテ
ルル原子から選ばれるヘテロ原子を1又は複数含んでな
る、例えば、イソオキサゾロン骨格、インダゾロン骨
格、インダンジオン骨格、オキサゾロン骨格、チオナフ
テン骨格、バルビツル酸骨格、ヒダントイン骨格、ピラ
ゾロン骨格、ロダニン骨格を有するものが望ましい。
【0017】斯かる芳香環及び複素環は、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、
tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メ
チルペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メ
チルヘキシル基などの脂肪族炭化水素基、シクロプロピ
ル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、シクロヘキセニル基などの脂環式炭化水素基、
フェニル基、ビフェニリル基、o−トリル基、m−トリ
ル基、p−トリル基、o−クメニル基、m−クメニル
基、p−クメニル基、キシリル基、メシチル基、スチリ
ル基、シンナモイル基、ナフチル基などの芳香族炭化水
素基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオ
キシ基などのエステル基、第一級アミノ基、メチルアミ
ノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルア
ミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソ
プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルア
ミノ基、ジブチルアミノ基などの置換又は無置換の脂肪
族、脂環式若しくは芳香族アミノ基、メチルスルファモ
イル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモ
イル基、ジエチルスルファモイル基、プロピルスルファ
モイル基、ジプロピルスルファモイル基、イソプロピル
スルファモイル基、ジイソプロピルスルファモイル基、
ブチルスルファモイル基、ジブチルスルファモイル基な
どのアルキルスルファモイル基、さらには、カルバモイ
ル基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ
基、スルホ基、スルホアミノ基、スルホンアミド基など
の置換基を1又は複数有していてもよい。
【0018】用途にもよるけれども、斯かる置換基にお
ける水素原子は、その1又は複数が、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチ
ル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、
ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基な
どの脂肪族炭化水素基、フェニル基、ビフェニリル基、
o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、o−クメ
ニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、キシリル
基、メシチル基、スチリル基、シンナモイル基、ナフチ
ル基などの芳香族炭化水素基、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イ
ソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキ
シ基などのエーテル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ
基、ヨード基などのハロゲン基、さらには、カルボキシ
基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基などによって置
換されていてもよい。
【0019】一般式6で表されるアゾ系有機金属錯体ア
ニオンは、上記のごとき、互いに同じか異なるアゾ化合
物が配位子として中心原子となる金属原子Mへ1又は複
数結合してなるものである。金属原子としては、通常、
スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、
ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、
モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、
レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロ
ジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、
銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀などの周期律表に
おける第3族乃至第12族の金属元素が採用され、光記
録媒体の分野においては、入手し易く、取扱い易いこと
から、通常、コバルト又はニッケルが用いられる。な
お、一般式6におけるA及びA´は、金属原子へ電子対
を供与することによって配位結合を形成し得る、例え
ば、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子など
の周期律表における第16族の元素から選ばれる互いに
同じか異なるヘテロ原子を表し、それらのヘテロ原子は
3、Z6へ結合した原子団を構成するものであってもよ
い。
【0020】斯かるアゾ系有機金属錯体アニオンの例と
しては、例えば、化学式1乃至化学式12で表されるも
のが挙げられる。これらは、いずれも、この発明による
シアニン色素の対イオンとして用いると、可視領域、詳
細には、波長350乃至850nmにおいてシアニン色
素の耐光性を改善する性質が顕著であるうえに、シアニ
ン色素の望ましい光吸収特性や有機溶剤における溶解性
を実質的に損なうことがないので、この発明を実施する
うえで極めて有用である。なお、化学式1乃至化学式1
2で表されるアゾ系有機金属錯体アニオンは、いずれ
も、アニリン又はアニリン誘導体をジアゾ結合反応へ供
し、得られたアゾ化合物を適宜の金属塩及び塩基の存在
下で反応させる公知の方法に準じて所望量を得ることが
できる。また、アゾ系有機金属錯体アニオンを対イオン
とするシアニン色素を調製するには、例えば、適宜溶剤
中、アゾ系有機金属錯体アニオン以外のアニオンを対イ
オンとするこの発明のシアニン色素と、上記のごときア
ゾ系有機金属錯体アニオンの塩とを、攪拌しながら、
0.1乃至10時間に亙って周囲温度を上回る温度で加
熱する。
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
【0028】
【化16】
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】
【化19】
【0032】
【化20】
【0033】この発明によるシアニン色素の具体例とし
ては、例えば、化学式13乃至化72で表されるものが
挙げられる。これらは、いずれも、溶液状態においては
波長580乃至600nmに吸収極大を有し、また、薄
膜状態においては、吸収極大の長波長側で700nmよ
り短波長の可視光を実質的に吸収する。したがって、こ
れらのシアニン色素は、書込光として700nmより短
波長の可視光を用いる光記録媒体、とりわけ、波長63
0乃至680nm付近のレーザー光を用いるDVD−R
などの高密度光記録媒体における光吸収剤として極めて
有用である。この発明によるシアニン色素のうちでも、
有機金属錯体アニオン、とりわけ、アゾ系有機金属錯体
アニオンを対イオンとするものは、他のシアニン色素に
対して著明な耐光性改善能を発揮することから、DVD
−Rにおける光吸収剤としてのみならず、主として、シ
アニン色素により記録層を構成し、かつ、書込光とし
て、波長が700nmを越え、800nmを越えない可
視光、通常、波長775乃至795nm付近のレーザー
光を用いる、例えば、CD−Rにおける耐光性改善剤と
しても有用である。さらに、有機金属錯体アニオンを対
イオンとするこの発明のシアニン色素は、DVD−Rな
どの高密度光記録媒体において、有機金属錯体アニオン
以外のアニオン、とりわけ、過塩素酸イオンや弗素と、
周期律表における第15族の金属元素からなるアニオン
を対イオンとするこの発明のシアニン色素と組合せて用
いると、光記録媒体の光吸収特性を実質的に変えること
なく耐光性を著明に改善することができる。その際、両
者の割合は、重量比で、0.1:1乃至1:0.1、望
ましくは、0.3:1乃至1:0.3の範囲で加減す
る。
【0034】
【化21】
【0035】
【化22】
【0036】
【化23】
【0037】
【化24】
【0038】
【化25】
【0039】
【化26】
【0040】
【化27】
【0041】
【化28】
【0042】
【化29】
【0043】
【化30】
【0044】
【化31】
【0045】
【化32】
【0046】
【化33】
【0047】
【化34】
【0048】
【化35】
【0049】
【化36】
【0050】
【化37】
【0051】
【化38】
【0052】
【化39】
【0053】
【化40】
【0054】
【化41】
【0055】
【化42】
【0056】
【化43】
【0057】
【化44】
【0058】
【化45】
【0059】
【化46】
【0060】
【化47】
【0061】
【化48】
【0062】
【化49】
【0063】
【化50】
【0064】
【化51】
【0065】
【化52】
【0066】
【化53】
【0067】
【化54】
【0068】
【化55】
【0069】
【化56】
【0070】
【化57】
【0071】
【化58】
【0072】
【化59】
【0073】
【化60】
【0074】
【化61】
【0075】
【化62】
【0076】
【化63】
【0077】
【化64】
【0078】
【化65】
【0079】
【化66】
【0080】
【化67】
【0081】
【化68】
【0082】
【化69】
【0083】
【化70】
【0084】
【化71】
【0085】
【化72】
【0086】
【化73】
【0087】
【化74】
【0088】
【化75】
【0089】
【化76】
【0090】
【化77】
【0091】
【化78】
【0092】
【化79】
【0093】
【化80】
【0094】この発明のシアニン色素は種々の方法で製
造することができる。経済性を重視するのであれば、活
性メチル基を有するベンゾインドレニウム化合物に、適
宜の脱離基を有するベンゾインドレニウム化合物を反応
させる工程を経由する方法が好適であり、この方法によ
るときには、例えば、一般式1に対応するR1を有する
一般式2で表される化合物と、一般式1に対応するR2
を有する一般式3で表される化合物とを反応させるか、
あるいは、一般式1に対応するR1を有する一般式4で
表される化合物と、一般式1に対応するR2を有する一
般式5で表される化合物とを反応させることによって、
この発明のシアニン色素が好収量で得られる。
【0095】
【化81】
【0096】
【化82】
【0097】
【化83】
【0098】
【化84】
【0099】具体的には、反応容器に一般式2及び一般
式3で表される化合物か、あるいは、一般式4及び一般
式5で表される化合物をそれぞれ適量とり(通常等モル
前後)、必要に応じて、適宜溶剤に溶解し、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア、トリエ
チルアミン、ピペリジン、ピリジン、ピロリジン、モル
ホリン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N
−ジエチルアニリン、N−メチルピロリドン、1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの
塩基性化合物、塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、
p−トルエンスルホン酸、酢酸、無水酢酸、無水プロピ
オン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロスルホン酸な
どの酸性化合物、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、四塩化
錫、四塩化チタンなどのルイス酸性化合物を適量加えた
後、加熱還流などにより加熱・攪拌しながら周囲温度か
周囲温度を上回る温度で反応させる。
【0100】溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、
キシレンなどの炭化水素類、四塩化炭素、クロロホル
ム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタ
ン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロ
ロベンゼン、ブロモベンゼン、α−ジクロロベンゼンな
どのハロゲン化物、メタノール、エタノール、1−プロ
パノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブ
タノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコ
ール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エト
キシエタノール、フェノール、ベンジルアルコール、ク
レゾール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、グリセリンなどのアルコール類及びフェノール
類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキ
サン、アニソール、1,2−ジメトキシエタン、ジエチ
レングリコール、ジメチルエーテル、ジシクロヘキシル
−18−クラウン−6、メチルカルビトール、エチルカ
ルビトールなどのエーテル類、フルフラール、アセト
ン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどのケト
ン類、酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ
酢酸、無水プロピオン酸、酢酸エチル、炭酸ブチル、炭
酸エチレン、炭酸プロピレン、ホルムアミド、N−メチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−
メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
ヘキサメチル燐酸トリアミド、燐酸トリメチルなどの酸
及び酸誘導体、アセトニトリル、プロピオニトリル、ス
クシノニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、ニ
トロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物、ジメ
チルスルホキシドなどの含硫化合物、水などが挙げら
れ、必要に応じて、これらは適宜組合せて用いられる。
【0101】溶剤を用いる場合、一般に、溶剤の量が多
くなると反応の効率が低下し、反対に、少なくなると、
均一に加熱・攪拌するのが困難になったり、副反応が起
こり易くなる。したがって、溶剤の量を重量比で原料化
合物全体の100倍まで、通常、5乃至50倍の範囲に
するのが望ましい。原料化合物の種類や反応条件にもよ
るけれども、反応は10時間以内、通常、0.5乃至5
時間で完結する。反応の進行は、例えば、薄層クロマト
グラフィー、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマ
トグラフィーなどの汎用の方法によってモニターするこ
とができる。反応が完結したら、反応混合物のまま、必
要に応じて、通常の対イオン交換反応へ供することによ
って、所望の対イオンを有するこの発明のシアニン色素
を得る。化学式13乃至化学式72で表されるシアニン
色素は、いずれも、斯かる方法によって所望量を得るこ
とができる。ちなみに、一般式2乃至一般式5で表され
るベンゾインドレニウム化合物は、例えば、同じ特許出
願人による特開平10−316655号公報に記載され
た方法により調製することができる。その一般式2乃至
一般式5において、X1 -及びX2 -は一般式1におけるX
-と同じか異なる対イオンであり、また、Lは適宜の脱
離基であって、通常、アニリノ基、p−トルイジノ基、
p−メトキシアニリノ基、p−エトキシカルボニルアニ
リノ基、N−アセチルアニリノ基などのアニリン又はア
ニリン誘導体の一価基が採用される。
【0102】斯くして得られるこの発明のシアニン色素
は、用途によっては反応混合物のまま用いられることも
あるが、通常、使用に先立って、例えば、溶解、抽出、
分液、傾斜、濾過、濃縮、薄層クロマトグラフィー、カ
ラムクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高
速液体クロマトグラフィー、蒸留、結晶化、昇華などの
類縁化合物を精製するための通常一般の方法により精製
され、必要に応じて、これらの精製方法は組合せて適用
される。なお、この発明のシアニン色素をDVD−Rな
どの高密度光記録媒体における光吸収剤として用いる場
合には、使用に先立って、蒸留、結晶化及び/又は昇華
などの方法によって精製しておくのが望ましい。
【0103】次に、この発明のシアニン色素の用途につ
いて説明すると、この発明のシアニン色素は、DAAに
おける20℃の溶解度が50mg/ml以上と、非ハロ
ゲン溶剤における溶解度が大きいという性質か、あるい
は、分解点が272℃を上回り、耐熱性が著しく高いと
いう性質により特徴付けられる。しかも、この発明のシ
アニン色素は、公知の類縁化合物と同様に、薄膜状態に
おいて700nmより短波長の可視光、とりわけ、波長
630乃至680nm付近の可視光を実質的に吸収す
る。したがって、この発明のシアニン色素は、斯かる性
質を具備する有機色素化合物が必要とされる、例えば、
光記録媒体、光化学的重合、太陽電池及び染色をはじめ
とする諸分野において多種多様の用途を有するものであ
り、これらの用途のうち、書込光として700nmより
短波長の可視光、とりわけ、波長630乃至680nm
付近のレーザー光を用いるDVD−Rなどの高密度光記
録媒体における光吸収剤として極めて有用である。
【0104】そこで、この発明のシアニン色素の光記録
媒体における用途について説明すると、この発明のシア
ニン色素は、光記録媒体に用いるに際して特殊な処理や
操作を必要としないことから、この発明による光記録媒
体は従来公知の光記録媒体に準じて作製することができ
る。例えば、光吸収剤として、この発明によるシアニン
色素へ、必要に応じて、記録層における反射率や光吸収
率を調節すべく、可視光を実質的に吸収する他の有機色
素化合物の1又は複数を含有せしめたり、さらには、汎
用の耐光性改善剤、バインダー、分散剤、難燃剤、滑
剤、帯電防止剤、界面活性剤、熱干渉防止剤、可塑剤な
どを1又は複数添加したうえで有機溶剤に溶解し、溶液
を噴霧法、浸漬法、ローラー塗布法、回転塗布法などに
より基板の片面へ均一に塗布し、乾燥させて記録層とな
る光吸収剤による薄膜を形成した後、必要に応じて、反
射率が45%以上、望ましくは、55%以上になるよう
に真空蒸着法、化学蒸着法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法などにより金、銀、銅、白金、アルミ
ニウム、コバルト、錫、ニッケル、鉄、クロムなどの金
属か、あるいは、汎用の有機系反射層用材による記録層
に密着する反射層を形成したり、傷、埃、汚れなどから
記録層を保護する目的で、難燃剤、安定剤、帯電防止剤
などを含有せしめた紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂などを
回転塗布し、光照射するか加熱して硬化させることによ
って反射層に密着する保護層を形成する。その後、必要
に応じて、上述のようにして記録層、反射層及び保護層
を形成した一対の基板を、例えば、接着剤、粘着シート
などにより保護層同士を対向させて貼合せるか、あるい
は、保護層に対して基板におけると同様の材料、形状の
保護板を貼り付ける。
【0105】この発明によるシアニン色素と組合せて用
いる他の有機色素化合物としては、それが可視光を実質
的に吸収し、かつ、光記録媒体の光反射率や光吸収率を
調節し得るものであるかぎり、特に制限がない。斯かる
有機色素化合物としては、置換基を1又は複数有するこ
とあるモノメチン鎖又はジメチン鎖、トリメチン鎖、テ
トラメチン鎖、ペンタメチン鎖、ヘキサメチン鎖、ヘプ
タメチン鎖などのポリメチン鎖の両端に置換基を1又は
複数有することある、互いに同じか異なるイミダゾリン
環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、α−ナフ
トイミダゾール環、β−ナフトイミダゾール環、インド
ール環、イソインドール環、インドレニン環、イソイン
ドレニン環、ベンゾインドレニン環、ピリジノインドレ
ニン環、オキサゾリン環、オキサゾール環、イソオキサ
ゾール環、ベンゾオキサゾール環、ピリジノオキサゾー
ル環、α−ナフトオキサゾール環、β−ナフトオキサゾ
ール環、セレナゾリン環、セレナゾール環、ベンゾセレ
ナゾール環、α−ナフトセレナゾール環、β−ナフトセ
レナゾール環、チアゾリン環、チアゾール環、イソチア
ゾール環、ベンゾチアゾール環、α−ナフトチアゾール
環、β−ナフトチアゾール環、テルラゾリン環、テルラ
ゾール環、ベンゾテルラゾール環、α−ナフトテルラゾ
ール環、β−ナフトテルラゾール環、さらには、アクリ
ジン環、アントラセン環、イソキノリン環、イソピロー
ル環、イミダノキサリン環、インダンジオン環、インダ
ゾール環、インダリン環、オキサジアゾール環、カルバ
ゾール環、キサンテン環、キナゾリン環、キノキサリン
環、キノリン環、クロマン環、シクロヘキサンジオン
環、シクロペンタンジオン環、シンノリン環、チオジア
ゾール環、チオオキサゾリドン環、チオフェン環、チオ
ナフテン環、チオバルビツール環、チオヒダントイン
環、テトラゾール環、トリアジン環、ナフタレン環、ナ
フチリジン環、ピペラジン環、ピラジン環、ピラゾール
環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、ピラゾロン環、ピ
ラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピ
リリウム環、ピロリジン環、ピロリン環、ピロール環、
フェナジン環、フェナントリジン環、フェナントレン
環、フェナントロリン環、フタラジン環、プテリジン
環、フラザン環、フラン環、プリン環、ベンゼン環、ベ
ンゾオキサジン環、ベンゾピラン環、モルホリン環、ロ
ダニン環などの環状核が結合してなるシアニン色素に加
えて、アクリジン系、アザアヌレン系、アゾ系、アント
ラキノン系、インジゴ系、インダンスレン系、オキサジ
ン系、キサンテン系、ジオキサジン系、チアジン系、チ
オインジゴ系、テトラピラポルフィラジン系、トリフェ
ニルメタン系、トリフェノチアジン系、ナフトキノン
系、フタロシアニン系、ベンゾキノン系、ベンゾピラン
系、ベンゾフラノン系、ポルフィリン系、ローダミン系
の色素が挙げられ、必要に応じて、これらは適宜組合せ
て用いられる。
【0106】耐光性改善剤としては、例えば、ニトロソ
ジフェニルアミン、ニトロソアニリン、ニトロソフェノ
ール、ニトロソナフトールなどのニトロソ化合物や、テ
トラシアノキノジメタン化合物、ジインモニウム化合
物、ビス[2´−クロロ−3−メトキシ−4−(2−メ
トキシエトキシ)ジチオベンジル]ニッケル(商品名
『NKX−1199』、株式会社林原生物化学研究所製
造)、ホルマザン金属錯体などの金属錯体が用いられ、
必要に応じて、これらは適宜組合せて用いられる。好ま
しい耐光性改善剤はホルマザン金属錯体を含んでなるも
のであり、特に望ましいのは、同じ特許出願人による特
願平11−163036号明細書(発明の名称「ホルマ
ザン金属錯体」)に開示された、ホルマザン骨格におけ
る5位の位置にピリジン環を有し、かつ、3位の位置に
ピリジン環若しくはフラン環が結合してなるホルマザン
化合物又はその互変異性体の1又は複数を配位子とす
る、例えば、ニッケル、亜鉛、コバルト、鉄、銅、パラ
ジウムなどとの金属錯体を含んでなるものである。斯か
る耐光性改善剤と併用するときには、有機溶剤における
この発明のシアニン色素の溶解性を低下させたり、望ま
しい光特性を実質的に損なうことなく、読取光や環境光
などへの露光によるシアニン色素の劣化、退色、変色、
変性などの望ましくない変化を効果的に抑制することが
できる。特に、ホルマザン金属錯体は、DVD−Rなど
の高密度光記録媒体において、既述した有機金属錯体ア
ニオンを対イオンとするこの発明のシアニン色素と、有
機金属錯体アニオン以外のアニオンを対イオンとするこ
の発明のシアニン色素との混合系と組合せて用いること
により、この発明によるシアニン色素の耐光性を効果的
に改善するのみならず、光記録媒体の感度、変調特性、
解像度及びジッター特性をはじめとする電気特性を著明
に改善する。いずれにしても、耐光性改善剤の配合比
は、通常、シアニン色素1重量部に対して、耐光性改善
剤を0.01乃至1重量部、望ましくは、0.03乃至
0.3重量部の範囲で加減しながら含有せしめる。用途
によるけれども、有機金属錯体アニオン、とりわけ、ア
ゾ系有機金属錯体アニオンを対イオンとするこの発明の
シアニン色素は、自体、耐光性が大きいので、使用に際
して、斯かる耐光性改善剤が不用であるか、併用する耐
光性改善剤の量を少なくすることができる。
【0107】この発明のシアニン色素は、諸種の有機溶
剤において実用上支障のない溶解性を発揮するので、シ
アニン色素を基板に塗布するための有機溶剤にも制限が
ない。したがって、この発明による光記録媒体の作製に
あっては、例えば、光記録媒体の作製に頻用されるTF
P若しくはDAAか、あるいは、ヘキサン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサ
ン、エチルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサ
ン、tert−ブチルシクロヘキサン、オクタン、シク
ロオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化
水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロ
エタン、1,2−ジブロモエタン、トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベ
ンゼン、α−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化物、メ
タノール、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタ
ノール、2−メトキシエタノール(メチルセロソル
ブ)、2−エトキシエタノール(エチルセロソルブ)、
2−イソプロポキシ−1−エタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノー
ル、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブタノー
ル、1−メトキシ−2−ブタノール、3−メトキシ−1
−ブタノール、4−メトキシ−1−ブタノール、イソブ
チルアルコール、ペンチルアルコール、イソペンチルア
ルコール、シクロヘキサノール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、フェノール、ベンジルアルコール、クレゾ
ールなどのアルコール類及びフェノール類、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、アニソ
ール、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジシクロヘキシル−18−クラウ
ン−6、メチルカルビトール、エチルカルビトールなど
のエーテル類、フルフラール、アセトン、エチルメチル
ケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、燐酸
トリメチルなどのエステル類、ホルムアミド、N−メチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキ
サメチル燐酸トリアミドなどのアミド類、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル、スクシノニトリルなどのニトリ
ル類、ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合
物、エチレンジアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホ
リン、N−メチルピロリドンなどのアミン類、ジメチル
スルホキシド、スルホランなどの含硫化合物をはじめと
するDAAやTFP以外の汎用の有機溶剤から選択し、
必要に応じて、これらは適宜組合せて用いられる。
【0108】とりわけ、この発明のシアニン色素は、例
えば、TFP、DAAなどの蒸発し易い有機溶剤におけ
る溶解度が大きいので、斯かる溶剤にこの発明のシアニ
ン色素を溶解し、基板へ塗布しても、乾燥後、色素の結
晶が出現したり、記録層の膜厚や表面が不均一になるこ
とがない。ことに、この発明のシアニン色素をDAAな
どのアルコール類に溶解して基板へ塗布するときには、
溶剤によって基板を傷めたり、環境を汚染し難くなる。
【0109】基板も汎用のものでよく、通常、圧出成形
法、射出成形法、圧出射出成形法、フォトポリマー法
(2P法)、熱硬化一体成形法、光硬化一体成形法など
により適宜の材料を最終用途に応じて、例えば、直径1
2cm、厚さ0.1乃至1.2mmのディスク状に形成
し、これを単板で用いるか、あるいは、粘着シート、接
着剤などにより適宜貼合せて用いる。基板の材料として
は、実質的に透明で、波長400乃至800nmの範囲
で80%以上、望ましくは、90%以上の光透過率を有
するものであれば、原理上、材質は問わない。個々の材
料としては、例えば、ガラス、セラミックのほかに、ポ
リアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカー
ボネート、ポリスチレン(スチレン共重合物)、ポリメ
チルペンテン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイ
ミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリアリレート、ポリカーボネート・ポリ
スチレン−アロイ、ポリエステルカーボネート、ポリフ
タレートカーボネート、ポリカーボネートアクリレー
ト、非晶性ポリオレフィン、メタクリレート共重合物、
ジアリルカーボネートジエチレングリコール、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂などのプラスチックが挙げられ、
通常、ポリカーボネートが頻用される。プラスチック製
基板の場合、同期信号並びにトラック及びセクターの番
地を表示する凹部は、通常、成形の際にトラック内周に
転写される。その凹部は、形状については特に制限はな
いものの、平均幅が0.3乃至0.8μmの範囲になる
ように、また、深さが70乃至200nmの範囲になる
ようにするのが望ましい。
【0110】この発明によるシアニン色素は、粘度を勘
案しながら、前述のごとき有機溶剤における濃度0.5
乃至5%(w/w)の溶液にして、乾燥後の記録層の厚
みが10乃至1,000nm、望ましくは、50乃至3
00nmになるように基板へ均一に塗布される。なお、
溶液の塗布に先立って、基板の保護や接着性の改善など
を目的に、必要に応じて、基板へ下引層を設けてもよ
く、下引層の材料としては、例えば、イオノマー樹脂、
ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、シリコン、
液状ゴムなどの高分子物質が挙げられる。また、バイン
ダーを用いる場合には、ニトロセルロース、燐酸セルロ
ース、硫酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸
セルロース、酪酸セルロース、パルミチン酸セルロー
ス、酢酸・プロピオン酸セルロースなどのセルロースエ
ステル類、メチルセルロース、エチルセルロース、プロ
ピルセルロース、ブチルセルロースなどのセルロースエ
ーテル類、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、
ポリビニルホルマール、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドンなどのビニル樹脂、スチレン−ブタジエ
ンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマ
ー、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリルコポリマ
ー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、無水マレイン
酸共重合体などの共重合樹脂類、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリメチルアクリレート、ポリアクリレート、ポ
リメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロ
ニトリルなどのアクリル樹脂類、ポリエチレンテレフタ
レートなどのポリエステル類、ポリエチレン、塩素化ポ
リエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類な
どのポリマーが単独又は組合せて、重量比で、シアニン
色素の0.01乃至10倍用いられる。
【0111】この発明による光記録媒体の使用方法につ
いて説明すると、この発明によるDVD−Rなどの高密
度光記録媒体は、例えば、AlGaInP系、GaAs
P系、GaAlAs系、InGaP系、InGaAsP
系若しくはInGaAlP系の半導体レーザー、あるい
は、第二高調波発生素子(SHG素子)と組合せたYA
Gレーザーなどによる700nmより短波長の可視光、
とりわけ、波長630乃至680nm付近のレーザー光
を用いて諸種の情報を高密度に書き込むことができる。
読取には、書込におけると同様の波長か、あるいは、そ
れをやや上回るか下回る波長のレーザー光を用いる。書
込、読取の際のレーザー出力について言えば、この発明
のシアニン色素と組合せて用いる耐光性改善剤の種類と
配合量にもよるけれども、この発明による光記録媒体に
おいては、情報を書き込むときのレーザー出力は、ピッ
トが形成されるエネルギーの閾値を越えて比較的強め
に、一方、書き込まれた情報を読み取るときの出力は、
その閾値を下回って比較的弱めに設定するのが望まし
い。一般的には、5mWを上回る出力、通常、10乃至
50mWの範囲で書き込み、読取は5mW以下の出力、
通常、0.1乃至5mWの範囲で加減する。記録された
情報は、光ピックアップにより、光記録媒体の記録面に
おけるピットとピットが形成されていない部分の反射光
量又は透過光量の変化を検出することによって読み取
る。
【0112】斯くして、この発明による光記録媒体にお
いては、700nmより短波長の可視光、とりわけ、波
長630乃至680nm付近のレーザー光による光ピッ
クアップを用いることによって、現行の標準的なCD−
Rに採用されている1.6μmを下回るトラックピッチ
で、0.834μm/ピットを下回るピット長の安定に
して微小なピットを高密度に形成することができる。し
たがって、例えば、直径12cmのディスク状基板を用
いる場合には、公知のシアニン色素では容易に達成でき
なかった、記録容量が片面で0.682GBを遥かに越
え、画像情報及び音声情報を約2時間分記録できる極め
て高密度の光記録媒体を実現できることとなる。
【0113】この発明による光記録媒体は、文字情報、
画像情報、音声情報及びその他のデジタル情報を高密度
に記録することができるので、文書、データ、コンピュ
ータープログラムなどを記録・管理するための民生用及
び業務用記録媒体として極めて有用である。この発明に
よる光記録媒体を用い得る個々の業種と情報の形態とし
ては、例えば、建設・土木における建築・土木図面、地
図、道路・河川台帳、アパチュアカード、建築物見取
図、災害防止資料、配線図、配置図、新聞・雑誌情報、
地域情報、工事報告書など、製造における設計図、成分
表、処方、商品仕様書、商品価格表、パーツリスト、メ
ンテナンス情報、事故・故障事例集、苦情処理事例集、
製造工程表、技術資料、デッサン、ディテール、自社作
品集、技術報告書、検査報告書など、販売における顧客
情報、取引先情報、会社情報、契約書、新聞・雑誌情
報、営業報告書、企業信用調査、在庫一覧など、金融に
おける会社情報、株価記録、統計資料、新聞・雑誌情
報、契約書、顧客リスト、各種申請・届出・免許・許認
可書類、業務報告書など、不動産・運輸における物件情
報、建築物見取図、地図、地域情報、新聞・雑誌情報、
リース契約書、会社情報、在庫一覧、交通情報、取引先
情報など、電力・ガスにおける配線・配管図、災害防止
資料、作業基準表、調査資料、技術報告書など、医療に
おけるカルテ、病歴・症例ファイル、医療関係図など、
塾・予備校におけるテキスト、問題集、教育用資料、統
計資料など、大学・研究所における学術論文、学会記
録、研究月報、研究データ、文献及び文献のインデック
スなど、情報における調査データ、論文、特許公報、天
気図、データ解析記録、顧客ファイルなど、法律におけ
る判例など、各種団体における会員名簿、過去帳、作品
記録、対戦記録、大会記録など、観光における観光情
報、交通情報など、マスコミ・出版における自社出版物
のインデックス、新聞・雑誌情報、人物ファイル、スポ
ーツ記録、テロップファイル、放送台本など、官庁関係
における地図、道路・河川台帳、指紋ファイル、住民
票、各種申請・届出・免許・許認可書類、統計資料、公
共資料などが挙げられる。とりわけ、1回のみ書き込め
るこの発明の光記録媒体は、記録情報が改竄されたり消
去されてはならない、例えば、カルテや公文書などの記
録保存に加えて、美術館、図書館、博物館、放送局など
の電子ライブラリーとして極めて有用である。
【0114】この発明による光記録媒体のやや特殊な用
途としては、コンパクトディスク、デジタルビデオディ
スク、レーザーディスク(登録商標)、MD(光磁気デ
ィスクを用いる情報記録システム)、CDV(コンパク
トディスクを利用するレーザーディスク)、DAT(磁
気テープを利用する情報記録システム)、CD−ROM
(コンパクトディスクを利用する読取専用メモリ)、D
VD−ROM(デジタルビデオディスクを利用する読取
専用メモリ)、DVD−RAM(デジタルビデオディス
クを利用する書込可能な読取メモリ)、デジタル写真、
映画、ビデオソフト、オーディオソフト、コンピュータ
ーグラフィック、出版物、放送番組、コマーシャルメッ
セージ、ゲームソフトなどの編集、校正、さらには、大
型コンピューター、カーナビゲーション用の外部プログ
ラム記録手段としての用途が挙げられる。
【0115】以上においては、この発明によるシアニン
色素の光記録媒体の分野における用途として、書込光と
して700nmより短波長の可視光を用いる有機系光記
録媒体への適用例を中心に説明してきた。しかしなが
ら、光記録媒体の分野において、この発明によるシアニ
ン色素の用途はDVD−Rなどの高密度光記録媒体だけ
ではなく、CD−Rなどの現行の光記録媒体において、
例えば、波長775乃至795nmのレーザー光を実質
的に吸収する他の有機色素化合物の1又は複数と組合せ
ることによって、その光記録媒体における光吸収率や光
反射率を調節したり補正するための材料としても有利に
用いることができる。また、書込光として700nmよ
り短波長の可視光を用いる有機系光記録媒体へ適用する
場合であっても、この発明のシアニン色素をして基板上
に直接ピットを形成せしめるのではなく、より長波長
の、例えば、775乃至795nmのレーザー光を実質
的に吸収する他の有機色素化合物の1又は複数と組合せ
ることによって、波長630乃至680nm付近のレー
ザー光による励起エネルギーをこの発明のシアニン色素
を介してこれらの有機色素化合物へ移動させ、もって、
後者の化合物を分解することによって、間接的にピット
を形成してもよい。さらに言えば、この発明でいう光記
録媒体とは、この発明のシアニン色素が700nmより
短波長の可視光を実質的に吸収するという性質を利用す
る記録媒体全般を意味するものであって、有機系のもの
以外に、例えば、有機色素化合物の光吸収に伴う発熱に
よる発色剤と顕色剤との化学反応を利用する感熱発色方
式や、基板の表面に設けられた周期的な凹凸パターンが
斯かる発熱によって平坦化される現象を利用する、いわ
ゆる、「蛾の目方式」のものであってもよい。
【0116】既述のとおり、この発明のシアニン色素
は、主としてシアニン色素により記録層を構成し、書込
光として、波長が700nmを越え、800nmを越え
ない可視光、通常、波長775乃至795nm付近のレ
ーザー光を用いる、例えば、CD−Rにおける耐光性改
善剤としても有用である。斯かる光記録媒体において、
この発明によるシアニン色素と組合せて用いるシアニン
色素としては、ペンタメチン鎖の両端に互いに同じか異
なる1H−ベンゾ[e]インドール骨格又は3H−ベン
ゾ[g]インドール骨格のいずれかを有する、例えば、
同じ特許出願人らによる特開平3−203692号公
報、特開平3−203693号公報、特開平5−238
149号公報、特開平6−199045号公報などに記
載されたペンタメチン系シアニン色素が挙げられる。こ
れらのシアニン色素に対するこの発明のシアニン色素の
添加量としては、添加量が少ないと、所期の耐光性改善
が得られず、反対に、多いと、光記録媒体の電気特性が
悪化することから、通常、他のシアニン色素の0.5乃
至50%(w/w)、望ましくは、3乃至30%(w/
w)の範囲で加減する。この場合、耐光性改善剤とし
て、この発明によるシアニン色素とともに、必要に応じ
て、他の耐光性改善剤を1又は複数組合せて用いてもよ
く、とりわけ、ホルマザン金属錯体は、薄膜状態におい
て、この発明によるシアニン色素や他のシアニン色素と
良好なアモルファス性を発揮し、耐熱性も大きいので、
特に好ましい。
【0117】この発明によるシアニン色素を、例えば、
CD−Rなどの書込光として700nmより長波長の可
視光を用いる耐光性改善剤として用いる場合、必ずし
も、この発明のシアニン色素を記録層へ含有せしめる必
要はない。例えば、この発明によるシアニン色素を、既
述のバインダーの1又は複数とともに下引層へ含有せし
めるか、あるいは、必要に応じて、既述のバインダーの
1又は複数とともに適宜有機溶剤に溶解し、溶液を基板
の外面、すなわち、書込光を照射する面の全体又は一部
へ塗布することによって、この発明のシアニン色素によ
る保護膜を形成する。斯かる下引層や保護膜は、基板を
透過した自然光や人工光などの環境光から記録層を保護
し、光記録媒体の耐久性、とりわけ、ジッター特性、プ
ロックエラー率をはじめとする電気特性を大幅に改善す
ることができる。基板の外面へ溶液を塗布する場合、溶
液を印刷材料、塗料として用いることによって、基板の
外面へ、例えば、文字、模様、絵、数字、記号などを印
刷したり記入することができる。
【0118】さらに、この発明のシアニン色素は700
nmより短波長の可視光を実質的に吸収することから、
斯かるシアニン色素を含んでなるこの発明の光吸収剤
は、光記録媒体における用途に加えて、例えば、重合性
化合物を可視光へ露光させることによって重合させるた
めの材料、太陽電池を増感させるための材料、色素レー
ザーにおけるレーザー作用物質、さらには、諸種の衣料
を染色するための材料としても有用である。また、この
発明の光吸収剤を、必要に応じて、紫外領域、可視領域
及び/又は赤外領域の光を吸収する他の光吸収剤の1又
は複数とともに、衣料一般や、衣料以外の、例えば、ド
レープ、レース、ケースメント、プリント、ベネシャン
ブラインド、ロールスクリーン、シャッター、のれん、
毛布、布団、布団側地、布団カバー、布団綿、シーツ、
座布団、枕、枕カバー、クッション、マット、カーペッ
ト、寝袋、テント、自動車の内装材、ウインドガラス、
窓ガラスなどの建寝装用品、紙おむつ、おむつカバー、
眼鏡、モノクル、ローネットなどの保健用品、靴の中
敷、靴の内張地、鞄地、風呂敷、傘地、パラソル、ぬい
ぐるみ及び照明装置や、例えば、ブラウン管ディスプレ
ー、液晶ディスプレー、電界発光ディスプレー、プラズ
マディスプレーなどを用いるテレビジョン受像機やパー
ソナルコンピューターなどの情報表示装置用のフィルタ
ー類、パネル類及びスクリーン類、サングラス、サンル
ーフ、サンバイザー、PETボトル、貯蔵庫、ビニール
ハウス、寒冷紗、光ファイバー、プリペイドカード、電
子レンジ、オーブンなどの覗き窓、さらには、これらの
物品を包装、充填又は収納するための包装用材、充填用
材、容器などに用いるときには、生物や物品における自
然光や人工光などの環境光による障害や不都合を防止し
たり低減することができるだけではなく、物品の色彩、
色調、風合などを整えたり、物品から反射したり透過す
る光を所望の色バランスに整えることができる実益があ
る。
【0119】この発明の実施の形態につき、以下、実施
例に基づいて説明する。
【0120】
【実施例1】〈シアニン色素〉反応容器に1−ブチル−
3,3−ジメチル−2−[(フェニルアミノ)エテニ
ル]ベンゾインドレニウム=トシレート15g、1−エ
チル−2,3,3−トリメチルベンゾインドレニウム=
トシレート10.4g及びアセトニトリル30mlをと
り、室温下で攪拌しながら無水酢酸3.3mlを添加し
た後、トリエチルアミン9.7mlを滴々加え、1時間
反応させた。反応混合物に水を適量加え、暫時静置した
後、傾斜により水層を除去し、適量のメタノールを加
え、加熱溶解させた。溶液を濾過し、攪拌しながら、濾
液に六弗化燐酸アンモニウム11.3gの水溶液20m
lを滴々加え、温浴上で70℃で30分間加熱した後、
冷却した。その後、析出した結晶を濾取したところ、化
学式19で表されるシアニン色素の金緑色結晶が10.
5g得られた。
【0121】この結晶の一部をとり、常法にしたがって
測定したところ、融点は245乃至252℃であった。
【0122】
【実施例2】〈シアニン色素〉六弗化燐酸アンモニウム
の全量を六弗化アンチモン酸カリウム9.14gに変更
した以外は実施例1におけると同様にして反応させたと
ころ、化学式20で表されるシアニン色素の金緑色結晶
が12.0g得られた。
【0123】この結晶の一部をとり、常法にしたがって
測定したところ、融点は228乃至232℃であった。
【0124】
【実施例3】〈シアニン色素〉反応容器にアセトニリル
120mlをとり、化学式77で表されるアゾ化合物1
2.2gと二酢酸コバルト四水和物4.0gとを加え、
65℃で加熱・攪拌しながら、トリエチルアミン11.
7mlを滴々加えた後、この状態で1時間反応させた。
反応混合物を濾過し、濾液からアセトニトリルを略2/
3まで留去した後、エタノール100mlを加え、分散
させた後、室温下で暫時放置した。析出した結晶を濾取
し、エタノールと水とで洗浄した後、乾燥したところ、
化学式4で表されるアゾ系有機金属錯体アニオンのトリ
エチルアンモニウム塩の緑茶色結晶が得られた。結晶の
一部をとり、常法にしたがって測定したところ、このト
リエチルアンモニウム塩はメタノール溶液において波長
479nmに吸収極大を有し、融点は327.8℃であ
った。
【0125】
【化85】
【0126】次に、反応容器にアセトニトリル200m
lをとり、これに化学式41で表されるシアニン色素
5.0gと、上記のようにして得られた化学式4で表さ
れるアゾ系有機金属錯体アニオンのトリエチルアンモニ
ウム塩6.75gのアセトニトリル溶液337mlとを
加え、80℃で加熱・攪拌して反応させた後、アセトニ
トリルを留去し、残渣にエタノール400mlを加え、
60℃で約30分間加熱した後、冷却した。析出した結
晶を濾取し、水とエタノールで洗浄した後、乾燥したと
ころ、アゾ系有機金属錯体アニオンを対イオンとする、
化学式43で表されるシアニン色素の輝緑色結晶9.4
gが得られた。
【0127】
【実施例4】〈シアニン色素〉反応容器にアセトニリル
40mlをとり、これに化学式78で表されるアゾ化合
物7.08gと二酢酸コバルト四水和物2.57gとを
加え、65℃で加熱・攪拌しながら、トリエチルアミン
7.5mlを滴々加えた後、同じ温度で1時間加熱・攪
拌して反応させた。反応混合物を濾過し、濾液からアセ
トニトリルを略2/3まで留去した後、エタノール80
mlを加え、分散させた後、室温下で暫時放置した。そ
の後、析出した結晶を濾取し、エタノールと水とで洗浄
した後、乾燥したところ、化学式6で表されるアゾ系有
機金属錯体アニオンのトリエチルアンモニウム塩の緑茶
色結晶が得られた。結晶の一部をとり、常法にしたがっ
て測定したところ、このトリエチルアンモニウム塩はメ
タノール溶液において波長465nmに吸収極大を有
し、融点は270.2℃であった。
【0128】
【化86】
【0129】次に、反応容器にアセトニトリル200m
lをとり、化学式15で表されるシアニン色素6.2g
と、上記のようにして得られた化学式6で表されるアゾ
系有機金属錯体アニオンのトリエチルアンモニウム塩1
0gのアセトニトリル溶液1,000mlとを加え、8
0℃で加熱・攪拌して反応させた後、アセトニトリルを
略2/3まで留去し、放冷した。析出した結晶を濾取
し、エタノールで洗浄した後、乾燥したところ、アゾ系
有機金属錯体アニオンを対イオンとする、化学式22で
表されるシアニン色素の輝緑色結晶が4.8g得られ
た。
【0130】
【実施例5】〈シアニン色素〉反応容器にアセトニトリ
ル40mlをとり、化学式79で表されるアゾ化合物1
0gと二酢酸コバルト四水和物3.98gとを加え、6
5℃で加熱・攪拌しながら、トリエチルアミン8.47
mlを滴々加えた後、この状態で1時間反応させた。そ
の後、反応混合物を実施例3におけると同様に処理した
ところ、化学式12で表されるアゾ系有機金属錯体アニ
オンのトリエチルアンモニウム塩の緑茶色結晶が得られ
た。結晶の一部をとり、常法にしたがって測定したとこ
ろ、このトリエチルアンモニウム塩はメタノール溶液に
おいて波長537nmに吸収極大を有した。
【0131】
【化87】
【0132】次に、反応容器にアセトニトリル150m
lをとり、化学式33で表されるシアニン色素2.3g
と、上記のようにして得られた化学式12で表されるア
ゾ系有機金属錯体アニオンのトリエチルアンモニウム塩
2.2gのアセトニトリル溶液500mlとを加え、8
0℃で加熱・攪拌して反応させた。反応混合物を実施例
3におけると同様に処理したところ、化学式35で表さ
れるシアニン色素の輝濃茶緑色結晶9.4gが得られ
た。
【0133】この発明のシアニン色素は、構造によって
仕込条件や収率に若干の違いはあるものの、化学式13
乃至化学式72で表されるものを含めて、いずれも、実
施例1乃至実施例5の方法によるか、あるいは、それら
の方法に準じて所望量を製造することができる。
【0134】
【実施例6】〈シアニン色素の光吸収特性〉表1に示す
この発明のシアニン色素につき、常法にしたがって、メ
タノール溶液にしたときと、ガラス板上に製膜したとき
の可視吸収スペクトルをそれぞれ測定した。併行して、
化学式73乃至化学式76で表される公知の類縁化合物
につき、同様にして可視吸収スペクトルを測定した。溶
液状態及び薄膜状態における各シアニン色素の吸収極大
波長を表1に示す。化学式20で表されるこの発明のシ
アニン色素と、化学式74で表される公知の類縁化合物
については、それぞれ、図1及び図2に溶液状態及び薄
膜状態における可視吸収スペクトルを示す。
【0135】
【化88】
【0136】
【化89】
【0137】
【化90】
【0138】
【化91】
【0139】
【表1】
【0140】表1の結果から明らかなように、この発明
のシアニン色素は、いずれも、化学式73乃至化学式7
6で表される公知の類縁化合物と同様、溶液状態におい
ては波長580乃至600nmに、また、薄膜状態にお
いては波長600乃至630nmに吸収極大を示した。
また、図1及び図2の可視吸収スペクトルに見られると
おり、化学式20で表されるこの発明によるシアニン色
素の長波長側の吸収端は、化学式74で表される公知の
類縁化合物と同様、薄膜状態において波長700nm付
近まで延展していた。これらの結果は、この発明のシア
ニン色素が薄膜状態において700nmより短波長の可
視光、とりわけ、波長630乃至680nmのレーザー
光を実質的に吸収し、DVD−Rなどの高密度光記録媒
体において有用であることを物語っている。
【0141】
【実施例7】〈シアニン色素の溶解性〉表1に示すこの
発明のシアニン色素につき、常法にしたがってDAAに
おける20℃の溶解度を測定した。併行して、化学式7
3乃至化学式76で表される公知の類縁化合物について
も同様にして溶解度を測定した。結果を表1に示す。
【0142】表1の結果から明らかなように、この発明
によるシアニン色素の多くは、DAAにおいて、化学式
73乃至化学式76で表される公知の類縁化合物を凌駕
する溶解度を示した。すなわち、公知の類縁化合物の溶
解度が50mg/ml未満であったのに対して、試験に
供したこの発明によるシアニン色素は、いずれも、公知
の類縁化合物とほぼ同等か、公知の類縁化合物を有意に
上回る溶解度を示した。
【0143】
【実施例8】〈シアニン色素の分解点〉被検試料とし
て、表1に示すシアニン色素をそれぞれ適量とり、デジ
タル熱分析計(商品名『TG/DTA220型』、セイ
コー電子工業株式会社製造)を用いる通常の示差熱分析
(以下、「DTA」と略記する。)及び熱重量分析(以
下「TGA」と略記する。)に供することによって分解
点(TGAにおいて、被検試料の重量が減少し始める温
度)を調べた。併行して、化学式73乃至化学式76で
表される公知の類縁化合物についても同様の分析をし
た。結果を表1に示す。化学式19で表されるこの発明
のシアニン色素については、図3にDTA及びTGAの
分析結果を示す。また、DTA及びTGAにおいて、雰
囲気温度は10℃/分の昇温モードに設定した。
【0144】表1及び図3の結果に見られるとおり、化
学式73乃至化学式76で表される公知の類縁化合物
が、いずれも、272℃を下回る分解点を示したのに対
して、試験に供したこの発明によるシアニン色素の多く
は、公知の類縁化合物を有意に上回る分解点を示し、耐
熱性がより大きいことを物語っていた。基板のガラス転
移温度にもよるけれども、耐熱性の低い色素は、一般
に、光記録媒体において光吸収剤として用いると、低出
力のレーザー光で情報を書き込める利点がある半面、読
取に際して、レーザー光に長時間露光すると、蓄積した
熱によって記録面におけるピット周辺やピットが形成さ
れていない部分が変形し、ジッターや読取エラーが発生
し易くなる。この発明のシアニン色素の分解点が高いこ
とは、この発明のシアニン色素を光吸収剤として用いる
ことによって、ジッターや読取エラーが少なく、読取光
や自然光などの環境光への露光に対して安定な高密度光
記録媒体が得られることを物語っている。
【0145】
【実施例9】〈光記録媒体〉化学式15、化学式19、
化学式20、化学式31又は化学式41のいずれかで表
されるシアニン色素を光吸収剤としてTFPに濃度2.
0%(w/w)になるように加え、さらに、耐光性改善
剤として、中心原子としてのニッケル原子へ化学式80
で表されるホルマザン化合物が2分子結合してなるホル
マザン金属錯体を濃度0.2%(w/w)になるように
添加し、暫時加熱した後、超音波を印加して溶解した。
常法にしたがって、この溶液を膜濾過した後、トラック
の内周へ同期信号並びにトラック及びセクターの番地を
表示する凹部(トラックピッチ0.74μm、幅0.0
3μm、深さ76nm)を射出成形により転写しておい
たポリカーボネート製のディスク状基板(直径12c
m、厚さ0.6mm)の片面へ均一に回転塗布し、乾燥
して厚さ100nmの記録層を形成した。その後、基板
へ銀を100nmの厚さになるように蒸着して記録層に
密着する反射層を形成し、さらに、その反射層へ公知の
紫外線硬化樹脂(商品名『ダイキュアクリアSD170
0』、大日本インキ化学工業株式会社製造)を均一に回
転塗布し、光照射して反射層に密着する保護層を形成し
た後、保護層に密着させてポリカーボネート製のディス
ク状保護板(直径12cm、厚さ0.6mm)を貼り付
けることによって5種類の光記録媒体を作製した。
【0146】
【化92】
【0147】感度、変調特性、解像度、ジッター特性な
どの電気特性に優れた本例の光記録媒体は、いずれも、
4GBを越える記録容量を有し、700nmより短波長
の可視光、とりわけ、波長630乃至680nm付近の
レーザー光による光ピックアップを用いることにより、
大量の文書情報、画像情報、音声情報及びその他のデジ
タル情報を高密度に書き込むことができる。なお、発振
波長658nmの半導体レーザー素子を用いて情報を書
き込んだ本例の光記録媒体の記録面を電子顕微鏡で観察
したところ、1μmを下回る微小なピットが1μmを下
回るトラックピッチで高密度に形成されていた。
【0148】
【実施例10】〈光記録媒体〉実施例9において、ホル
マザン金属錯体を汎用のジインモニウム化合物(商品名
『IRG022』、日本火薬株式会社製造)に変更した
以外は実施例9におけると同様にして、5種類の光記録
媒体を作製した。
【0149】感度、変調特性、解像度、ジッター特性な
どの電気特性に優れた本例の光記録媒体は、いずれも、
4GBを越える記録容量を有し、700nmより短波長
の可視光、とりわけ、波長630乃至680nm付近の
レーザー光による光ピックアップを用いることにより、
大量の文書情報、画像情報、音声情報及びその他のデジ
タル情報を高密度に書き込むことができる。なお、発振
波長658nmの半導体レーザー素子を用いて情報を書
き込んだ本例の光記録媒体の記録面を電子顕微鏡で観察
したところ、1μmを下回る微小なピットが1μmを下
回るトラックピッチで高密度に形成されていた。
【0150】
【実施例11】〈光記録媒体〉化学式13、化学式29
又は化学式50のいずれかで表されるシアニン色素を光
吸収剤としてDAAに濃度2.0%(w/w)になるよ
うに加え、暫時加熱した後、超音波を印加して溶解し
た。常法にしたがって、この溶液を膜濾過した後、トラ
ックの内周へ同期信号並びにトラック及びセクターの番
地を表示する凹部(トラックピッチ0.74μm、幅
0.03μm、深さ76nm)を射出成形により転写し
ておいたポリカーボネート製のディスク状基板(直径1
2cm、厚さ0.6mm)の片面へ均一に回転塗布し、
乾燥して厚さ100nmの記録層を形成した。その後、
基板へ銀を100nmの厚さになるように蒸着して記録
層に密着する反射層を形成し、さらに、その反射層へ公
知の紫外線硬化樹脂(商品名『ダイキュアクリアSD1
700』、大日本インキ化学工業株式会社製造)を均一
に回転塗布し、光照射して反射層に密着する保護層を形
成した後、保護層に密着させてポリカーボネート製のデ
ィスク状保護板(12cm、厚さ0.6mm)を貼り付
けることによって3種類の光記録媒体を作製した。
【0151】感度、変調特性、解像度、ジッター特性な
どの電気特性に優れた本例の光記録媒体は、いずれも、
4GBを越える記録容量を有し、700nmより短波長
の可視光、とりわけ、波長630乃至680nm付近の
レーザー光による光ピックアップを用いることにより、
大量の文書情報、画像情報、音声情報及びその他のデジ
タル情報を高密度に書き込むことができる。なお、発振
波長658nmの半導体レーザー素子を用いて情報を書
き込んだ本例の光記録媒体の記録面を電子顕微鏡で観察
したところ、1μmを下回る微小なピットが1μmを下
回るトラックピッチで高密度に形成されていた。
【0152】
【実施例12】〈光記録媒体〉実施例9において、光吸
収剤を化学式15で表されるシアニン色素と化学式16
で表されるシアニン色素との混合物(重量比1:1)
か、あるいは、化学式41で表されるシアニン色素と化
学式43で表されるシアニン色素との混合物(重量比
1:1)を用いた以外は実施例9におけると同様にし
て、2種類の光記録媒体を作製した。
【0153】感度、変調特性、解像度、ジッター特性な
どの電気特性が特に優れた本例の光記録媒体は、いずれ
も、4GBを越える記録容量を有し、700nmより短
波長の可視光、とりわけ、波長630乃至680nm付
近のレーザー光による光ピックアップを用いることによ
り、大量の文書情報、画像情報、音声情報及びその他の
デジタル情報を高密度に書き込むことができる。なお、
発振波長658nmの半導体レーザー素子を用いて情報
を書き込んだ本例の光記録媒体の記録面を電子顕微鏡で
観察したところ、1μmを下回る微小なピットが1μm
を下回るトラックピッチで高密度に形成されていた。
【0154】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明は新規な
シアニン色素の創製と、その産業上有用な諸特性の発見
に基づくものである。この発明のシアニン色素は、70
0nmより短波長の可視光を実質的に吸収するうえに、
DAAをはじめとする諸種の有機溶剤に溶解し易く、耐
熱性が大きい。したがって、この発明のシアニン色素
は、DVD−Rにおけるがごとく、書込光として700
nmより短波長の可視光、とりわけ、波長630乃至6
80nm付近のレーザー光を用い、情報の書込に際し
て、限られた記録面に安定にして微小なピットを高密度
に形成しなければならない光記録媒体の光吸収剤として
極めて有用である。
【0155】斯かるシアニン色素を光吸収剤として用
い、700nmより短波長の可視光、とりわけ、波長6
30乃至680nm付近のレーザー光により情報を書き
込むこの発明の有機系光記録媒体は、現行のCD−Rと
比較して、安定にしてより微小なピットをより小さなト
ラックピッチで高密度に形成できることから、文字情
報、画像情報、音声情報及びその他のデジタル情報を桁
違いに大量且つ高密度に記録できることとなり、その結
果として、情報記録に要する1ビット当りの価格を大幅
に下げることができる実益がある。
【0156】さらに、この発明のシアニン色素は、70
0nmより長波長の可視光を実質的に吸収することなく
他のシアニン色素の耐光性を著明に改善するので、DV
D−Rなどの高密度光記録媒体における光吸収剤として
の用途に加えて、例えば、700nmより長波長の可視
光を実質的に吸収する他のシアニン色素により記録層を
構成し、かつ、書込光として波長775乃至795nm
付近のレーザー光を用いる現行のCD−R、とりわけ、
高速書込可能なCD−Rにおける耐光性改善剤としても
有利に用いることができる。
【0157】斯くも有用なシアニン色素は、活性メチル
基を有するベンゾインドレニウム化合物と、適宜の脱離
基を有するベンゾインドレニウム化合物とを反応させる
工程を経由するこの発明の製造方法により、所望量を容
易に得ることができる。
【0158】斯くも顕著な効果を奏するこの発明は、斯
界に貢献すること誠に多大な、意義のある発明であると
言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるシアニン色素の可視吸収スペク
トルである。
【図2】公知の類縁化合物の可視吸収スペクトルであ
る。
【図3】この発明によるシアニン色素のDTA及びTG
Aの結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 522 B41M 5/26 Y (72)発明者 安井 茂男 岡山県岡山市下石井1丁目2番3号 株式 会社林原生物化学研究所 Fターム(参考) 2H111 FB43 FB60 4H056 CA01 CC02 CC08 CE03 DD03 5D029 JA04 JB47

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式1で表され、かつ、ジアセトンア
    ルコールにおける20℃の溶解度が50mg/ml以上
    であるトリメチン系シアニン色素。 【化1】 一般式1において、R1及びR2は、それぞれ、脂肪族炭
    化水素基を表し、それらの脂肪族炭化水素は置換基を有
    していてもよい。Z1及びZ2は、それぞれ、ベンゾイン
    ドレニン環を完成するための縮合ナフタレン環を表し、
    それらの縮合ナフタレン環は置換基を有していてもよ
    い。X-は対イオンを表す。
  2. 【請求項2】 R1及びR2が、それぞれ、Cm2m+1
    びCn2n+1(m及びnはm+n≦9である自然数)で
    表される互いに異なる脂肪族炭化水素基である請求項1
    に記載のトリメチン系シアニン色素。
  3. 【請求項3】 対イオンが、弗素と、周期律表における
    第15族の金属元素からなるアニオンである請求項1又
    は2に記載のトリメチン系シアニン色素。
  4. 【請求項4】 対イオンが有機金属錯体アニオンである
    請求項1又は2に記載のトリメチン系シアニン色素。
  5. 【請求項5】 700nmより短波長の可視光を実質的
    に吸収する請求項1、2、3又は4に記載のトリメチン
    系シアニン色素。
  6. 【請求項6】 一般式1で表され、かつ、分解点が27
    2℃を上回るトリメチン系シアニン色素。 【化2】 一般式1において、R1及びR2は、それぞれ、脂肪族炭
    化水素基を表し、それらの脂肪族炭化水素基は置換基を
    有していてもよい。Z1及びZ2は、それぞれ、ベンゾイ
    ンドレニン環を完成するための縮合ナフタレン環を表
    し、それらの縮合ナフタレン環は置換基を有していても
    よい。X-は対イオンを表す。
  7. 【請求項7】 R1及びR2が、それぞれ、Cm2m+1
    びCn2n+1(m及びnはm+n≦9である自然数)で
    表される互いに異なる脂肪族炭化水素基である請求項6
    に記載のトリメチン系シアニン色素。
  8. 【請求項8】 対イオンが、弗素と、周期律表における
    第15族の金属元素からなるアニオンである請求項6又
    は7に記載のトリメチン系シアニン色素。
  9. 【請求項9】 対イオンが有機金属錯体アニオンである
    請求項6又は7に記載のトリメチン系シアニン色素。
  10. 【請求項10】700nmより短波長の可視光を実質的
    に吸収する請求項6、7、8又は9に記載のトリメチン
    系シアニン色素。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10のいずれかに記載のト
    リメチン系シアニン色素を含んでなる光吸収剤。
  12. 【請求項12】請求項1乃至10のいずれかに記載のト
    リメチン系シアニン色素とともに、可視光を実質的に吸
    収する他の有機色素化合物を1又は複数含んでなる請求
    項11に記載の光吸収剤。
  13. 【請求項13】請求項1乃至10のいずれかに記載のト
    リメチン系シアニン色素とともに、適宜の耐光性改善剤
    を1又は複数含んでなる請求項11又は12に記載の光
    吸収剤。
  14. 【請求項14】耐光性改善剤がホルマザン金属錯体であ
    る請求項13に記載の光吸収剤。
  15. 【請求項15】対イオンが有機金属錯体アニオンである
    請求項1乃至10のいずれかに記載のトリメチン系シア
    ニン色素と、対イオンが有機金属錯体アニオン以外のア
    ニオンである請求項1乃至10のいずれかに記載のトリ
    メチン系シアニン色素とを組合せて用いる請求項11、
    12又は13に記載の光吸収剤。
  16. 【請求項16】薄膜状態において700nmより短波長
    のレーザー光に感度を有する請求項11、12、13、
    14又は15に記載の光吸収剤。
  17. 【請求項17】請求項1乃至10のいずれかに記載のト
    リメチン系シアニン色素を含んでなる耐光性改善剤。
  18. 【請求項18】書込光として700nmより長波長の可
    視光を用いる光記録媒体において有効な請求項17に記
    載の耐光性改善剤。
  19. 【請求項19】請求項1乃至10のいずれかに記載のト
    リメチン系シアニン色素を含んでなる光記録媒体。
  20. 【請求項20】請求項1乃至10のいずれかに記載のト
    リメチン系シアニン色素とともに、可視光を実質的に吸
    収する他の有機色素化合物を1又は複数含んでなる請求
    項19に記載の光記録媒体。
  21. 【請求項21】請求項1乃至10のいずれかに記載のト
    リメチン系シアニン色素とともに、適宜の耐光性改善剤
    を1又は複数含んでなる請求項19又は20に記載の光
    記録媒体。
  22. 【請求項22】耐光性改善剤がホルマザン金属錯体であ
    る請求項21に記載の光記録媒体。
  23. 【請求項23】対イオンが有機金属錯体アニオンである
    請求項1乃至10のいずれかに記載のトリメチン系シア
    ニン色素と、対イオンが有機金属錯体アニオン以外のア
    ニオンである請求項1乃至10のいずれかに記載のトリ
    メチン系シアニン色素とを組合せて用いる請求項19、
    20又は21に記載の光記録媒体。
  24. 【請求項24】700nmより短波長のレーザー光を用
    いて情報を書き込む請求項19、20、21、22又は
    23に記載の光記録媒体。
  25. 【請求項25】一般式1に対応するR1を有する一般式
    2で表される化合物と、一般式1に対応するR2を有す
    る一般式3で表される化合物とを反応させる工程を経由
    する請求項1乃至10のいずれかに記載のトリメチン系
    シアニン色素の製造方法。 【化3】 【化4】 一般式2及び一般式3において、Lは脱離基を、また、
    1 -及びX2 -は対イオンを表す。
  26. 【請求項26】一般式1に対応するR1を有する一般式
    4で表される化合物と、一般式1に対応するR2を有す
    る一般式5で表される化合物とを反応させる工程を経由
    する請求項1乃至10のいずれかに記載のトリメチン系
    シアニン色素の製造方法。 【化5】 【化6】 一般式4及び一般式5において、Lは脱離基を、また、
    1 -及びX2 -は対イオンを表す。
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