JPH1125525A - 記録媒体の製造方法 - Google Patents
記録媒体の製造方法Info
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- JPH1125525A JPH1125525A JP18017297A JP18017297A JPH1125525A JP H1125525 A JPH1125525 A JP H1125525A JP 18017297 A JP18017297 A JP 18017297A JP 18017297 A JP18017297 A JP 18017297A JP H1125525 A JPH1125525 A JP H1125525A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 有機溶液をスピンコート法により塗布して形
成した色素層に対して記録される情報信号の記録再生信
号にジッタが発生するようなことがない記録媒体の製造
方法を提供する。 【解決手段】 記録媒体の製造方法は、有機色素を沸点
が異なる2種以上の有機溶剤を混合した混合有機溶剤に
溶かして色素溶液を作成して基板上に塗布、乾燥させて
色素層を形成するので、有機色素の沸点を変化させた混
合有機溶剤により色素層を形成することができ、色素層
内に残存する有機溶剤を除去する乾燥工程に要する時間
を短縮することができる。
成した色素層に対して記録される情報信号の記録再生信
号にジッタが発生するようなことがない記録媒体の製造
方法を提供する。 【解決手段】 記録媒体の製造方法は、有機色素を沸点
が異なる2種以上の有機溶剤を混合した混合有機溶剤に
溶かして色素溶液を作成して基板上に塗布、乾燥させて
色素層を形成するので、有機色素の沸点を変化させた混
合有機溶剤により色素層を形成することができ、色素層
内に残存する有機溶剤を除去する乾燥工程に要する時間
を短縮することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に有機色素
材料が形成されてなる記録媒体の製造方法に関する。
材料が形成されてなる記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】情報信号が記録可能な光ディスクとして
は、合成樹脂材料等からなる基板上に有機色素層が形成
され、この色素層に光を照射することにより情報信号が
記録可能な、いわゆるCD−Rと称される光ディスクが
ある。
は、合成樹脂材料等からなる基板上に有機色素層が形成
され、この色素層に光を照射することにより情報信号が
記録可能な、いわゆるCD−Rと称される光ディスクが
ある。
【0003】このように基板上に色素層を形成する方法
としては、記録材料用色素とこの記録材料用色素に対し
て可溶性の高い有機溶剤とを混合して有機溶液を作成
し、これら記録材料用色素と有機溶剤とからなる有機溶
液をスピンコート法を用いて基板上に形成することは公
知となっている。
としては、記録材料用色素とこの記録材料用色素に対し
て可溶性の高い有機溶剤とを混合して有機溶液を作成
し、これら記録材料用色素と有機溶剤とからなる有機溶
液をスピンコート法を用いて基板上に形成することは公
知となっている。
【0004】また、その記録材料用色素としては、シア
ニン系色素が公知となっている。そして、これらの記録
材料用色素を良く溶かす有機溶剤としては、ジアセトン
アルコール等がある。
ニン系色素が公知となっている。そして、これらの記録
材料用色素を良く溶かす有機溶剤としては、ジアセトン
アルコール等がある。
【0005】そして、スピンコート法により基板上に形
成された色素層には、有機溶剤を乾燥させて除去する乾
燥工程が行われる。
成された色素層には、有機溶剤を乾燥させて除去する乾
燥工程が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した有機
溶剤は、シアニン系色素であり、沸点が約168℃程度
で揮発性も低い。そのため、上記乾燥工程においては、
有機溶液の乾燥時間が長くかかってしまう。さらに、色
素層に含まれる有機溶剤が十分に乾燥しないまま製造さ
れた光ディスクは、記録した情報信号を再生したときの
再生信号に変換点位置の誤差であるジッタが発生してし
まう。このように、光ディスクにおいては、再生信号に
ジッタが発生すると、記録されている情報信号の再生を
安定して行うことができなくなる可能性がある。これ
は、上記の有機溶剤が、乾燥工程を経た後であっても、
上述のように沸点が高く揮発性も低いため、色素層中に
残存してしまうことがあるためである。
溶剤は、シアニン系色素であり、沸点が約168℃程度
で揮発性も低い。そのため、上記乾燥工程においては、
有機溶液の乾燥時間が長くかかってしまう。さらに、色
素層に含まれる有機溶剤が十分に乾燥しないまま製造さ
れた光ディスクは、記録した情報信号を再生したときの
再生信号に変換点位置の誤差であるジッタが発生してし
まう。このように、光ディスクにおいては、再生信号に
ジッタが発生すると、記録されている情報信号の再生を
安定して行うことができなくなる可能性がある。これ
は、上記の有機溶剤が、乾燥工程を経た後であっても、
上述のように沸点が高く揮発性も低いため、色素層中に
残存してしまうことがあるためである。
【0007】そこで、本発明は、上述したような実情に
鑑みて提案されたものであり、有機溶液をスピンコート
法により塗布して形成した色素層に対して記録される情
報信号の記録再生信号にジッタが発生するようなことが
ない記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
鑑みて提案されたものであり、有機溶液をスピンコート
法により塗布して形成した色素層に対して記録される情
報信号の記録再生信号にジッタが発生するようなことが
ない記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決する本
発明に係る記録媒体の製造方法は、有機色素を沸点が異
なる2種以上の有機溶剤を混合した混合有機溶剤に溶か
して色素溶液を作成して基板上に塗布、乾燥させて色素
層を形成する。
発明に係る記録媒体の製造方法は、有機色素を沸点が異
なる2種以上の有機溶剤を混合した混合有機溶剤に溶か
して色素溶液を作成して基板上に塗布、乾燥させて色素
層を形成する。
【0009】このような記録媒体の製造方法は、有機色
素と有機溶剤の沸点を変化させた混合有機溶剤により色
素層を形成することができ、色素層内に残存する有機溶
剤を除去する乾燥工程に要する時間を短縮することがで
きる。
素と有機溶剤の沸点を変化させた混合有機溶剤により色
素層を形成することができ、色素層内に残存する有機溶
剤を除去する乾燥工程に要する時間を短縮することがで
きる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る記録媒体の製
造方法について図面を参照しながら説明する。
造方法について図面を参照しながら説明する。
【0011】本発明を適用した記録媒体の製造方法は、
図1に示すように、合成樹脂材料等からなる基板1と、
この基板1上に形成された色素層2と、この色素層2上
に形成された金属層3と、この金属層3上に形成された
保護層4とからなる光ディスクを製造する光ディスクの
製造方法に適用することができる。この光ディスクは、
光透過性が高い基板1側から光が入射され、光が照射さ
れた色素層2の光の吸収により昇温して色素層2が熱分
解することにより情報信号が記録される。
図1に示すように、合成樹脂材料等からなる基板1と、
この基板1上に形成された色素層2と、この色素層2上
に形成された金属層3と、この金属層3上に形成された
保護層4とからなる光ディスクを製造する光ディスクの
製造方法に適用することができる。この光ディスクは、
光透過性が高い基板1側から光が入射され、光が照射さ
れた色素層2の光の吸収により昇温して色素層2が熱分
解することにより情報信号が記録される。
【0012】この光ディスクを製造する光ディスクの製
造方法は、記録用色素を主溶剤と副溶剤とを混合した混
合有機溶剤に溶かして色素溶液を作成する色素溶液作成
工程と、この色素溶液作成工程で作成された上記色素溶
液を基板上に成膜することにより色素層を形成する色素
層形成工程と、この色素層形成工程で作成された上記色
素層を乾燥させる乾燥工程とを有する。
造方法は、記録用色素を主溶剤と副溶剤とを混合した混
合有機溶剤に溶かして色素溶液を作成する色素溶液作成
工程と、この色素溶液作成工程で作成された上記色素溶
液を基板上に成膜することにより色素層を形成する色素
層形成工程と、この色素層形成工程で作成された上記色
素層を乾燥させる乾燥工程とを有する。
【0013】色素溶液作成工程は、記録用色素を主溶剤
と副溶剤とを混合した有機溶剤に溶かして色素溶液を作
成する工程である。ここで、主溶剤は記録用色素に対し
て可溶性に優れ、副溶剤は主溶剤に対して可溶性を有し
主溶剤より沸点が高いものである。そして、この主溶剤
と副溶剤とは、混合されることにより混合有機溶剤とさ
れる。ここで、副溶剤は、主溶剤と混合されて使用され
ることにより、混合有機溶剤の沸点を低くする。
と副溶剤とを混合した有機溶剤に溶かして色素溶液を作
成する工程である。ここで、主溶剤は記録用色素に対し
て可溶性に優れ、副溶剤は主溶剤に対して可溶性を有し
主溶剤より沸点が高いものである。そして、この主溶剤
と副溶剤とは、混合されることにより混合有機溶剤とさ
れる。ここで、副溶剤は、主溶剤と混合されて使用され
ることにより、混合有機溶剤の沸点を低くする。
【0014】記録用色素は、主としてシアニン系色素を
使用し、光の吸収により熱分解するものである。この記
録用色素は、以下に述べる実施例において、例えば日本
感光色素研究所製シアニン系色素NK−3219や富士
写真フィルムOM−57、OM−69、日本化薬(株)
製カヤソーブIRG−002等が使用可能である。ま
た、有機溶剤の主溶剤として例えばジアセトンアルコー
ルを選択した場合、副溶剤としては、ジアセトンアルコ
ールに対して相溶性を有し、かつ、このジアセトンアル
コールの沸点168℃よりも沸点が低い、沸点が64.
8℃のメチルアルコール、沸点が78.3℃のエチルア
ルコール、沸点が108℃の1,1,ω−トリハイドロ
テトラフルオロプロパノール−1、沸点が94.4℃の
イソプロピルアルコール、沸点が117℃のn−ブチル
アルコール等が好適であり、これらを混合したものであ
っても良い。
使用し、光の吸収により熱分解するものである。この記
録用色素は、以下に述べる実施例において、例えば日本
感光色素研究所製シアニン系色素NK−3219や富士
写真フィルムOM−57、OM−69、日本化薬(株)
製カヤソーブIRG−002等が使用可能である。ま
た、有機溶剤の主溶剤として例えばジアセトンアルコー
ルを選択した場合、副溶剤としては、ジアセトンアルコ
ールに対して相溶性を有し、かつ、このジアセトンアル
コールの沸点168℃よりも沸点が低い、沸点が64.
8℃のメチルアルコール、沸点が78.3℃のエチルア
ルコール、沸点が108℃の1,1,ω−トリハイドロ
テトラフルオロプロパノール−1、沸点が94.4℃の
イソプロピルアルコール、沸点が117℃のn−ブチル
アルコール等が好適であり、これらを混合したものであ
っても良い。
【0015】色素層形成工程は、上述の色素溶液作成工
程で作成された色素溶液を基板上に成膜することにより
色素層を形成する工程である。ここで、色素層を形成す
る際には、スピンコート法により基板上に形成する。具
体的な一例としては、先ず、例えばスピンドルモータ等
の回転駆動手段により所定の回転数で円盤状の基板を回
転駆動させて、基板の回転中心に色素溶液を供給する。
次に基板の回転数を高くすることにより、基板上に均一
な膜厚の色素層を形成する。
程で作成された色素溶液を基板上に成膜することにより
色素層を形成する工程である。ここで、色素層を形成す
る際には、スピンコート法により基板上に形成する。具
体的な一例としては、先ず、例えばスピンドルモータ等
の回転駆動手段により所定の回転数で円盤状の基板を回
転駆動させて、基板の回転中心に色素溶液を供給する。
次に基板の回転数を高くすることにより、基板上に均一
な膜厚の色素層を形成する。
【0016】乾燥工程は、色素層形成工程で作成された
色素層を乾燥させる工程である。この乾燥工程は、記録
用色素と混合有機溶剤とからなる色素層を乾燥させるこ
とにより、色素層に残存する混合有機溶剤を除去するた
めに行う。
色素層を乾燥させる工程である。この乾燥工程は、記録
用色素と混合有機溶剤とからなる色素層を乾燥させるこ
とにより、色素層に残存する混合有機溶剤を除去するた
めに行う。
【0017】そして、この光ディスクの製造工程におい
ては、上述したような工程を経て形成された色素層上に
金属層を形成する金属層形成工程と、この金属層形成工
程により形成された金属層上に保護層を形成する保護層
形成工程とをさらに有する。
ては、上述したような工程を経て形成された色素層上に
金属層を形成する金属層形成工程と、この金属層形成工
程により形成された金属層上に保護層を形成する保護層
形成工程とをさらに有する。
【0018】金属層形成工程は、色素層上に金属層を形
成する工程である。この金属層形成工程は、例えばスパ
ッタリング法等の薄膜形成技術により形成され、例えば
Auを成膜する。そして、この金属層は、光ディスクに
おいて、反射膜として機能する。
成する工程である。この金属層形成工程は、例えばスパ
ッタリング法等の薄膜形成技術により形成され、例えば
Auを成膜する。そして、この金属層は、光ディスクに
おいて、反射膜として機能する。
【0019】保護層形成工程は、上記の金属層形成工程
において形成された金属層上に保護層を形成する工程で
ある。この保護層形成工程においては、先ず、保護材料
を金属層が形成された基板上に塗布し、塗布された保護
層に対して紫外線を照射することにより硬化させて保護
層を形成する。
において形成された金属層上に保護層を形成する工程で
ある。この保護層形成工程においては、先ず、保護材料
を金属層が形成された基板上に塗布し、塗布された保護
層に対して紫外線を照射することにより硬化させて保護
層を形成する。
【0020】なお、この混合色素溶剤は、副溶剤を1〜
30%程度の割合で含有させれば上述の効果を得ること
が好ましい。これは、副溶剤の容量が1%以下であると
上述した効果が得られなくなり、容量が30%以上であ
るとジアセトンアルコールが含まれる割合が少なくな
り、記録用色素の可溶性が低くなってしまうからであ
る。なお、副溶剤の容量は、5〜10%程度の割合で含
まれることがさらに好ましい。
30%程度の割合で含有させれば上述の効果を得ること
が好ましい。これは、副溶剤の容量が1%以下であると
上述した効果が得られなくなり、容量が30%以上であ
るとジアセトンアルコールが含まれる割合が少なくな
り、記録用色素の可溶性が低くなってしまうからであ
る。なお、副溶剤の容量は、5〜10%程度の割合で含
まれることがさらに好ましい。
【0021】
【実施例】実施例1 先ず、色素溶液作成工程においては、富士写真フィルム
(株)製OM−57を3.73gと富士フィルム(株)
製OM−69を1.40gと日本化薬(株)製商品カヤ
ソーブIRG−002を1.87gとからなる記録用色
素をジアセトンアルコールを90mlと1,1,ω−ト
リハイドロテトラフルオロプロパノール−1を10ml
とからなる有機溶剤に溶かして色素溶液を作成した。そ
して、このように作成した色素溶液を直径が12cmの
基板上にスピンコート法により塗布して基板上に色素層
を形成した。そして、乾燥工程を行い、金属層形成工程
でスパッタリング法によりAuを成膜し、この金属層上
に保護層を形成して光ディスクを作成した。
(株)製OM−57を3.73gと富士フィルム(株)
製OM−69を1.40gと日本化薬(株)製商品カヤ
ソーブIRG−002を1.87gとからなる記録用色
素をジアセトンアルコールを90mlと1,1,ω−ト
リハイドロテトラフルオロプロパノール−1を10ml
とからなる有機溶剤に溶かして色素溶液を作成した。そ
して、このように作成した色素溶液を直径が12cmの
基板上にスピンコート法により塗布して基板上に色素層
を形成した。そして、乾燥工程を行い、金属層形成工程
でスパッタリング法によりAuを成膜し、この金属層上
に保護層を形成して光ディスクを作成した。
【0022】実施例2 先ず、色素溶液作成工程においては、富士写真フィルム
(株)製OM−57を3.73gと富士フィルム(株)
製OM−69を1.40gと日本化薬(株)製商品カヤ
ソーブIRG−002を1.87gとからなる記録用色
素をジアセトンアルコールを70mlと1,1,ω−ト
リハイドロテトラフルオロプロパノール−1を30ml
とからなる有機溶剤に溶かして色素溶液を作成した。そ
して、このように作成した色素溶液を直径が12cmの
基板上にスピンコート法により塗布して基板上に色素層
を形成した。そして、乾燥工程を行い、金属層形成工程
でスパッタリング法によりAuを成膜し、この金属層上
に保護層を形成して光ディスクを作成した。
(株)製OM−57を3.73gと富士フィルム(株)
製OM−69を1.40gと日本化薬(株)製商品カヤ
ソーブIRG−002を1.87gとからなる記録用色
素をジアセトンアルコールを70mlと1,1,ω−ト
リハイドロテトラフルオロプロパノール−1を30ml
とからなる有機溶剤に溶かして色素溶液を作成した。そ
して、このように作成した色素溶液を直径が12cmの
基板上にスピンコート法により塗布して基板上に色素層
を形成した。そして、乾燥工程を行い、金属層形成工程
でスパッタリング法によりAuを成膜し、この金属層上
に保護層を形成して光ディスクを作成した。
【0023】実施例3 先ず、色素溶液作成工程においては、富士写真フィルム
(株)製OM−57を3.73gと富士フィルム(株)
製OM−69を1.40gと日本化薬(株)製商品カヤ
ソーブIRG−002を1.87gとからなる記録用色
素をジアセトンアルコール90mlとn−ブタノール1
0mlとからなる有機溶剤に溶かして色素溶液を作成し
た。そして、このように作成した色素溶液を直径が12
cmの基板上にスピンコート法により塗布して基板上に
色素層を形成した。そして、乾燥工程を行い、金属層形
成工程でスパッタリング法によりAuを成膜し、この金
属層上に保護層を形成して光ディスクを作成した。
(株)製OM−57を3.73gと富士フィルム(株)
製OM−69を1.40gと日本化薬(株)製商品カヤ
ソーブIRG−002を1.87gとからなる記録用色
素をジアセトンアルコール90mlとn−ブタノール1
0mlとからなる有機溶剤に溶かして色素溶液を作成し
た。そして、このように作成した色素溶液を直径が12
cmの基板上にスピンコート法により塗布して基板上に
色素層を形成した。そして、乾燥工程を行い、金属層形
成工程でスパッタリング法によりAuを成膜し、この金
属層上に保護層を形成して光ディスクを作成した。
【0024】比較例1 先ず、色素溶液作成工程においては、富士写真フィルム
(株)製OM−57を3.73gと富士フィルム(株)
製OM−69を1.40gと日本化薬(株)製商品カヤ
ソーブIRG−002を1.87gとからなる記録用色
素をジアセトンアルコール100mlの有機溶剤に溶か
して色素溶液を作成した。そして、このように作成した
色素溶液を直径が12cmの基板上にスピンコート法に
より塗布して基板上に色素層を形成した。そして、乾燥
工程を行い、金属層形成工程でスパッタリング法により
Auを成膜し、この金属層上に保護層を形成して光ディ
スクを作成した。
(株)製OM−57を3.73gと富士フィルム(株)
製OM−69を1.40gと日本化薬(株)製商品カヤ
ソーブIRG−002を1.87gとからなる記録用色
素をジアセトンアルコール100mlの有機溶剤に溶か
して色素溶液を作成した。そして、このように作成した
色素溶液を直径が12cmの基板上にスピンコート法に
より塗布して基板上に色素層を形成した。そして、乾燥
工程を行い、金属層形成工程でスパッタリング法により
Auを成膜し、この金属層上に保護層を形成して光ディ
スクを作成した。
【0025】このように製造された光ディスクは、乾燥
工程において温度と時間とを変化させたとき、記録した
情報信号を再生したときの再生信号に変換点位置の誤差
であるジッタが以下の表1に示すようになる。
工程において温度と時間とを変化させたとき、記録した
情報信号を再生したときの再生信号に変換点位置の誤差
であるジッタが以下の表1に示すようになる。
【0026】
【表1】
【0027】なお、この表1においては、光ディスクに
記録を行う光強度を最適記録強度としてランダムに情報
信号を記録したときのピットジッタとブランクジッタを
測定した結果を示している。また、ジッタは、光ディス
クにピットを形成した場合において、最短ピット長3T
から最長のピット長11Tまで測定している。ここで、
ピットジッタとは3T〜11Tのそれぞれ分散した値の
ジッタであり、ブランクジッタとはピットとピットとの
間をブランクと称しこのブランクを再生したときのジッ
タである。
記録を行う光強度を最適記録強度としてランダムに情報
信号を記録したときのピットジッタとブランクジッタを
測定した結果を示している。また、ジッタは、光ディス
クにピットを形成した場合において、最短ピット長3T
から最長のピット長11Tまで測定している。ここで、
ピットジッタとは3T〜11Tのそれぞれ分散した値の
ジッタであり、ブランクジッタとはピットとピットとの
間をブランクと称しこのブランクを再生したときのジッ
タである。
【0028】この表1によれば、実施例1、実施例2及
び実施例3においてジアセトンアルコールとイソプロピ
ルアルコール又は1,1,ω−トリハイドロテトラフル
オロプロパノール−1又はn−ブタノールとからなる混
合有機溶剤を使用して色素層が形成された光ディスク
は、ピットジッタ、ブランクジッタ共に3T〜11Tに
おいて35nsec以下となっており、ジッタが35n
sec以下というCDの規格値を満足するものとなって
いる。したがって、実施例1、実施例2及び実施例3に
おいて製造された光ディスクは、ジッタが生じることに
より情報信号の記録再生が行えなくなるようなことがな
い。したがって、光ディスクは、ジアセトンアルコール
とイソプロピルアルコール又はn−ブチルアルコールと
からなる混合有機溶剤を使用して色素層が形成されるこ
とにより、比較例1における有機溶剤を使用して色素層
を形成したときと同一乾燥温度、同一乾燥時間で乾燥工
程を行っても内部の有機溶剤が除去されることがわか
る。
び実施例3においてジアセトンアルコールとイソプロピ
ルアルコール又は1,1,ω−トリハイドロテトラフル
オロプロパノール−1又はn−ブタノールとからなる混
合有機溶剤を使用して色素層が形成された光ディスク
は、ピットジッタ、ブランクジッタ共に3T〜11Tに
おいて35nsec以下となっており、ジッタが35n
sec以下というCDの規格値を満足するものとなって
いる。したがって、実施例1、実施例2及び実施例3に
おいて製造された光ディスクは、ジッタが生じることに
より情報信号の記録再生が行えなくなるようなことがな
い。したがって、光ディスクは、ジアセトンアルコール
とイソプロピルアルコール又はn−ブチルアルコールと
からなる混合有機溶剤を使用して色素層が形成されるこ
とにより、比較例1における有機溶剤を使用して色素層
を形成したときと同一乾燥温度、同一乾燥時間で乾燥工
程を行っても内部の有機溶剤が除去されることがわか
る。
【0029】一方、比較例1において、有機溶剤をジア
セトンアルコールのみを使用して色素層を形成した光デ
ィスクでは、ピットジッタ、ブランクジッタ共に3T〜
11Tにおいて39nsec以上となっており、ジッタ
が35nsec以下という規格値を超えていることが判
る。したがって、この比較例1の光ディスクでは、記録
された情報信号を再生した再生信号にノイズが生ずる場
合がある。
セトンアルコールのみを使用して色素層を形成した光デ
ィスクでは、ピットジッタ、ブランクジッタ共に3T〜
11Tにおいて39nsec以上となっており、ジッタ
が35nsec以下という規格値を超えていることが判
る。したがって、この比較例1の光ディスクでは、記録
された情報信号を再生した再生信号にノイズが生ずる場
合がある。
【0030】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る記録媒体の製造方法は、有機色素を沸点が異なる2種
以上の有機溶剤を混合した混合有機溶剤に溶かして色素
溶液を作成して基板上に塗布、乾燥させて色素層を形成
するので、沸点を変化させた混合有機溶剤により色素層
を形成することができ、混合有機溶剤の沸点を低下させ
て色素層内の有機溶剤を除去する乾燥工程に要する時間
を短縮することができる。したがって、この記録媒体の
製造方法によれば、同一の乾燥温度、乾燥時間でも主溶
剤のみを使用して形成した色素層を有する記録媒体より
も記録再生信号のジッタが少ない記録媒体を製造するこ
とができる。
る記録媒体の製造方法は、有機色素を沸点が異なる2種
以上の有機溶剤を混合した混合有機溶剤に溶かして色素
溶液を作成して基板上に塗布、乾燥させて色素層を形成
するので、沸点を変化させた混合有機溶剤により色素層
を形成することができ、混合有機溶剤の沸点を低下させ
て色素層内の有機溶剤を除去する乾燥工程に要する時間
を短縮することができる。したがって、この記録媒体の
製造方法によれば、同一の乾燥温度、乾燥時間でも主溶
剤のみを使用して形成した色素層を有する記録媒体より
も記録再生信号のジッタが少ない記録媒体を製造するこ
とができる。
【図1】本発明を適用した光ディスクの製造方法により
製造される光ディスクの一例を示す断面図である。
製造される光ディスクの一例を示す断面図である。
1 基板、2 色素層
Claims (3)
- 【請求項1】 有機色素を沸点が異なる2種以上の有機
溶剤を混合した混合有機溶剤に溶かして色素溶液を作成
する色素溶液作成工程と、 上記色素溶液作成工程で作成された上記色素溶液を基板
上に塗布することにより色素層を形成する色素層形成工
程と、 上記色素層形成工程で作成された上記色素層を乾燥させ
る乾燥工程とを少なくとも有する記録媒体の製造方法。 - 【請求項2】 上記色素溶液作成工程においては、上記
混合有機溶剤を有機色素に対して可溶性を有する主溶剤
と当該主溶剤に対して相溶性を有する副溶剤とからなる
混合有機溶剤を使用することを特徴とする請求項1記載
の記録媒体の製造方法。 - 【請求項3】 上記色素層形成工程は、スピンコート法
により行うことを特徴とする請求項1記載の記録媒体の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18017297A JPH1125525A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18017297A JPH1125525A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1125525A true JPH1125525A (ja) | 1999-01-29 |
Family
ID=16078663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18017297A Abandoned JPH1125525A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1125525A (ja) |
-
1997
- 1997-07-04 JP JP18017297A patent/JPH1125525A/ja not_active Abandoned
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Legal Events
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A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20050113 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050118 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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Effective date: 20050322 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 |