JP2004145035A - 面光源装置及びこれに用いる導光板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、導光板のサイズを必要以上に大きくせず、また、使用する点光源の数の変化にも容易に対応でき、点光源間に暗部の発生をなくし、均一な発光輝度が得られる面光源装置を提供する。
【解決手段】この発明の面光源装置は、面状の導光板1と、この導光板1の反射面側に配設される反射シート2と、前記導光板1の入光側端面に沿って配設される複数のLED3と、前記導光板1の出光面側に配設されるプリズムシート5と、前記導光板の入光面と対向する面に設けられた反射部材4と、を備え、前記導光板1に、出光面の全面に渡ってシボが形成されるとともに、前記LED3の配置に基づいて局所的にシボ密度を変化させていることを特徴とする。
【選択図】 図4
【解決手段】この発明の面光源装置は、面状の導光板1と、この導光板1の反射面側に配設される反射シート2と、前記導光板1の入光側端面に沿って配設される複数のLED3と、前記導光板1の出光面側に配設されるプリズムシート5と、前記導光板の入光面と対向する面に設けられた反射部材4と、を備え、前記導光板1に、出光面の全面に渡ってシボが形成されるとともに、前記LED3の配置に基づいて局所的にシボ密度を変化させていることを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、面光源装置及びこれに用いる導光板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば液晶表示装置においては、面光源装置により液晶表示パネルを照明し、これにより全体形状の薄型化を図っている。
【0003】
通常、このような面光源装置に用いられる導光板には、シルク印刷、ドットパターン等の光散乱パターンを設け、光源から近い位置では単位面積あたりの被覆率(ドット)が小さく、光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターン変化が施されている。すなわち、光源から近いほど輝度が高くなるので、光散乱させるパターンの単位面積あたりの密度を小さくし、光の散乱を少なくし、光源から遠ざかるにつれて光散乱させるパターンの単位面積あたりの密度を高くし光の散乱を多くする。
【0004】
尚、被覆率は、例えば微小な凹凸で光散乱パターンを形成する場合には、単位面積あたりのドットの面積をいう。
【0005】
このような光散乱パターンを形成することで、導光板全面に渡って均一に発光させることが可能となる。
【0006】
しかしながら、図10に示すように、面状導光板101の入光側端面に沿って発光ダイオード(LED)等の点光源100を配設した面光源装置においては、従来のような光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなグラデーションパターンでは、点光源(LED)100から離れた面では均一な輝度が得られるが、点光源(LED)100近傍では、点光源(LED)100の前部が明るく、点光源(LED)100…間が暗くなり、暗部102が視認され、発光輝度に明暗が生じるという問題がある。
【0007】
この欠点を解決するために、点光源(LED)前部の導光板入光面に凹部や微細な形状を設けることで、点光源(LED)の指向性を広げる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−260404号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
面光源装置は、用いられる液晶表示装置の大きさにより導光板の大きさ、用いるLEDの個数が変わる。例えば、2.0インチサイズのものでは、33.4×44.3mm、厚み0.7mmで、LEDが3個用いられる。また、3.5インチサイズのものでは、56.2×79.6mm、厚み1.0mmで、LEDが6個用いられる。
【0010】
また、輝度を多く取る場合には、LEDの個数を増やすことがある。このように、使用するLEDの個数、ピッチは色々なものがあり、従来の特許文献1の方法では、LEDの個数、ピッチが変わる度にそれに応じた入光面形状の変更を行うが必要であるなどの問題がる。さらに、導光板入光面に凹部を設けると、その部分がデッドスペースとなり、光源としてのサイズが大きくなるという難点もある。
【0011】
この発明は、上述した従来の問題点に鑑みなされたものにして、導光板のサイズを必要以上に大きくせず、また、使用する点光源の数の変化にも容易に対応でき、点光源間に暗部の発生をなくし、均一な発光輝度が得られる面光源装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の面状光源装置は、面状の導光板と、この導光板の反射面側に配設される反射シートと、前記導光板の入光側端面に沿って配設される複数の点光源と、前記導光板の出光面側に配設されるプリズムシートと、前記導光板の入光面と対向する面に設けられた反射部材と、を備え、前記導光板に、出光面の全面に渡ってシボが形成されるとともに、前記点光源の配置に基づいて局所的にシボ密度を変化させていることを特徴とする。
【0013】
上記した構成によれば、シボが点光源の前部の部分は疎、点光源間の部分は密になるようにパターンを変化させているので、点光源間は光の散乱が多くなり、この部分が暗部になるのが抑制され、輝度ムラが解消する。
【0014】
この発明の導光板の製造方法は、ブラスト加工を行い導光板用金型のキャビティ面に第1の凹部を形成する第1の工程と、所定の領域のみ穴をあけたマスクを用いてブラスト加工を行い導光板用金型のキャビティ面に第1の凹部とは異なる凹部を形成する第2の工程と、を含む工程により形成された金型を用意し、この金型を使用して樹脂成形により所定のシボが表面に形成された導光板を製造することを特徴とする。
【0015】
また、前記第2の工程におけるブラスト加工により第1の凹部と異なる大きさの凹部を形成するように構成してもよい。
【0016】
上記の製造方法によれば、点光源の前部は疎、点光源間は密になるようにパターンを変化させたシボを導光板に容易に形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態につき、図面を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態にかかる面光源装置を示す分解斜視図である。
【0018】
図1に示すように、この実施形態の面光源装置は、面状の導光板1と、この導光板の反射面側に配設される反射シート2と、導光板1の入光側端面に沿って配設される複数の点光源としてのLED3、導光板1の出光面側に配設されるプリズムシート5と、導光板1の入光面と対向する面に設けられた反射部材4と、で構成される。プリズムシート5の上に液晶表示パネル(図示せず)が設置される。
【0019】
導光板1は、例えば、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)のような透光性樹脂を射出成形法により形成された板状部材である。
【0020】
導光板1に形成される光散乱パターンとしてシボ(微小な凹凸)は、出光面側或いは反射面若しくは両面に設けられるが、この実施形態では図1の部分拡大図に示すように、出光面側にシボ11が形成される。シボ11の形状は、図2、図3に示すように、略球面状突起で、その表面は反射した光が散乱せず、規則正しく所定の方向を向くように平滑曲面に形成されている。
【0021】
この実施形態におけるシボ11は、図4乃至図5に示すように、全面に亘るグラデーションパターン或いは均一なパターンではなく、LED3近傍の発光状態に応じてパターンを変化させている。LED3の前部は明、LED3、3の間は暗であるので、LED3の前部の部分31はシボ11の密度を疎、LED3、3間の部分32はシボ11の密度が密になるようにパターンを変化させている。
【0022】
導光板1の全面に形成されるシボは、単位面積当たりのシボ密度はほぼ一定若しくはグラデーションを設けている。シボ密度は表面粗さで規定され、具体的には表面粗さRa0.05〜0.3μmになるように規定し、形成した。そして、LED3、3間は密になるように表面粗さRa0.3μmに規定し、形成した。フォトマスクを用いてパターンを作成するドットパターンでは被覆率を変化させることは容易であるが、フォトマスクを使用できないシボ面の場合は被覆率を変化させることは困難である。そこで、この発明においては、後述する方法で金型を製造し、その金型を用いて導光板を製造した。
【0023】
尚、図3において、(a)は、表面粗さRa0.1μmのシボの表面を、(b)表面粗さRa0.3μmのシボの表面を示している。
【0024】
導光板1の反射面には、図1の部分拡大図に示すように、入光側端面から反射側端面に向かう縦軸に対して平行する方向にプリズムが形成されている。具体的にはピッチ50μm、頂角135°の山形プリズムが形成されている。
【0025】
プリズムシート5は、アクリル樹脂のような透光性樹脂シートで形成され、片面に断面三角形の多数の平行凸条が形成されており、凸条の延長方向に直交する方向に出光面から出た指向性ある光を法線方向に方向転角する。配置方向は図1の部分拡大図に示すように、入光側端面から反射側端面に向かう縦軸に対して直交する方向に平行凸条51が配置される。
【0026】
反射シート2及び反射部材4は、正反射シート又は散乱型白色シートで形成されており、導光板1の反射面及び反射側端面の全面を覆うように配設されている。なお、白色シャーシを近接してもよい。
【0027】
又、図1には示していないが、導光板1、反射シート2、LED3、反射部材4とは、白色ケースで固定される。導光板1の側端面から漏れる光はこの白色ケース6で反射され、導光板1内に戻される。
【0028】
LED3が点灯すると、LED3から出た光は、導光板1の入光側端面から導光板1内に入光する。入光した光は、反射側端面に向かって出光面と反射面との間を反射しながら進んでいく。導光板1のシボ11及びプリズム12の表面は平滑球面状であるから、表面にて反射された光は散乱されず、ごく僅かに光の方向を変えながら反射を繰り返し導光する。シボ11及びプリズム12の表面にて反射され、徐々に光の進行角度が変化し出光面に臨界角以下の角度で当たるようになった時点で出光面より出射する。
【0029】
従って、導光板1より出射する光は非常に絞られて寝た光となり、この出光面から出た指向性のある光をプリズムシート5により法線方向に方向転角する。視野角0度付近で効率良く光が出光される。
【0030】
また、シボ11がLED3の前部の部分31は疎、LED3、3間の部分32は密になるようにパターンを変化させているので、LED3、3間は光の散乱が多くなり、この部分が暗部になるのが抑制され、輝度ムラが解消する。
【0031】
また、入光面から入射した光を入光面と対向する反射側端面に届くまでの間で殆ど消費させるのではなく、入射した光が入光面と対向する反射側端面及び反射部材で反射し、入光面側へ戻ってくるようパターンを設計したものにも、この発明は適用できる。
【0032】
次に、この発明の金型の製造につき図6乃至図9を参照して説明する。
【0033】
図6、図7に示すように、導光板用金型の製造は、導光板用金型20に平行にブラストノズル40を前後左右に移動させ、球形のビーズを所定圧力で均一に導光板用金型20のキャビティ面にショットしてブラスト加工を行う。
【0034】
この際、この発明では、まず全面に付加するシボのためのブラスト加工を行い導光板用金型のキャビティ面に第1の凹部を形成する。
【0035】
図6及び図7に示すように、第1の工程では、LEDが配置される前部を被覆するようなマスク板30を用意し(図7(a)参照)、金型20に所定の空隙をあけて配置する(図6参照)。そして、平行にブラストノズル40を前後左右に移動させ、球形のビーズを所定圧力で均一に導光板用金型20のキャビティ面にショットしてブラスト加工を行う。このブラスト加工により、金型20には、表面粗さRa0.1のシボが形成された凹部を有する加工面22が形成される(図7(b)参照)。
【0036】
上記マスク板30にて被覆された金型20の面21、即ち、LEDが配置されるの前部の表面粗さRaは小さいものになる。なお、このマスク板30は除いて、全面にブラスト加工を施すように構成しても良い。この実施形態では、明暗の解消を効率よく図るために、この第1工程においてもマスク板を用いている。
【0037】
また、加工面22にグラデーションをつける場合には、ブラストノズル40の移動速度、ブラスト圧力を変化させることで対応することができる。また、ブラストノズル40を前後に移動させるときに、球形のビーズの径を変えることでも対応することができる。
【0038】
続いて、図8及び図9に示すように、第2の工程では、LED間及び両端の部分に対応する位置に穴36、37を開けたマスク板35を用意し(図9(a)参照)、金型20に所定の空隙をあけて配置する(図8参照)。そして、平行にブラストノズル40を前後左右に移動させ、球形のビーズを所定圧力で均一に導光板用金型20のキャビティ面にショットしてブラスト加工を行う。金型20の加工面23、24は2度のブラスト加工が行われることになる。この2度のブラスト加工により図5の模式図に示すように、加工面23、24には形成される凹部の密度が増え、表面粗さRaは大きくなる。このブラスト加工は、第1の工程と同じビーズ径のもので良いが、必要に応じて第1の工程で形成される凹部よりも大きな凹部が形成されるビーズ径のものを用いても良い。この結果、金型20の面23、24には、表面粗さRa0.3のシボが形成される凹部が形成される(図9(b)参照)。
【0039】
この金型を使用して樹脂成形により所定のシボが表面に形成された導光板を製造する。この金型を使用して形成された導光板のシボ形成面には、キャビティ面の凹部が転写された球形凸形のシボが形成される。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明は、シボの単位面積あたりの密度が点光源の前部の部分は疎、点光源間の部分は密になるようにパターンを変化させているので、点光源間は光の散乱が多くなり、この部分が暗部になるのが抑制され、輝度ムラが解消する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態にかかる面光源装置を示す分解斜視図である。
【図2】この発明の導光板に形成されるシボの形状を示す模式的側面図である。
【図3】この発明の導光板に形成されるシボの表面状態を示し、(a)は、表面粗さRa0.1μmのシボの表面を、(b)表面粗さRa0.3μmのシボの表面を示す図である。
【図4】この発明の実施形態にかかる面光源装置を示す概略平面図である。
【図5】この発明の実施形態にかかる面光源装置の要部を示す拡大平面図である。
【図6】この発明の導光板を製造する第1工程を示す図である。
【図7】この発明の導光板を製造する第1工程の説明図である。
【図8】この発明の導光板を製造する第2工程を示す図である。
【図9】この発明の導光板を製造する第2工程の説明図である。
【図10】従来の面光源装置の平面図である。
【符号の説明】
1 導光板
2 反射シート
3 LED
4 反射部材
5 プリズムシート
11 シボ
【発明の属する技術分野】
本発明は、面光源装置及びこれに用いる導光板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば液晶表示装置においては、面光源装置により液晶表示パネルを照明し、これにより全体形状の薄型化を図っている。
【0003】
通常、このような面光源装置に用いられる導光板には、シルク印刷、ドットパターン等の光散乱パターンを設け、光源から近い位置では単位面積あたりの被覆率(ドット)が小さく、光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなパターン変化が施されている。すなわち、光源から近いほど輝度が高くなるので、光散乱させるパターンの単位面積あたりの密度を小さくし、光の散乱を少なくし、光源から遠ざかるにつれて光散乱させるパターンの単位面積あたりの密度を高くし光の散乱を多くする。
【0004】
尚、被覆率は、例えば微小な凹凸で光散乱パターンを形成する場合には、単位面積あたりのドットの面積をいう。
【0005】
このような光散乱パターンを形成することで、導光板全面に渡って均一に発光させることが可能となる。
【0006】
しかしながら、図10に示すように、面状導光板101の入光側端面に沿って発光ダイオード(LED)等の点光源100を配設した面光源装置においては、従来のような光源から遠ざかるにつれて被覆率が高くなるようなグラデーションパターンでは、点光源(LED)100から離れた面では均一な輝度が得られるが、点光源(LED)100近傍では、点光源(LED)100の前部が明るく、点光源(LED)100…間が暗くなり、暗部102が視認され、発光輝度に明暗が生じるという問題がある。
【0007】
この欠点を解決するために、点光源(LED)前部の導光板入光面に凹部や微細な形状を設けることで、点光源(LED)の指向性を広げる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−260404号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
面光源装置は、用いられる液晶表示装置の大きさにより導光板の大きさ、用いるLEDの個数が変わる。例えば、2.0インチサイズのものでは、33.4×44.3mm、厚み0.7mmで、LEDが3個用いられる。また、3.5インチサイズのものでは、56.2×79.6mm、厚み1.0mmで、LEDが6個用いられる。
【0010】
また、輝度を多く取る場合には、LEDの個数を増やすことがある。このように、使用するLEDの個数、ピッチは色々なものがあり、従来の特許文献1の方法では、LEDの個数、ピッチが変わる度にそれに応じた入光面形状の変更を行うが必要であるなどの問題がる。さらに、導光板入光面に凹部を設けると、その部分がデッドスペースとなり、光源としてのサイズが大きくなるという難点もある。
【0011】
この発明は、上述した従来の問題点に鑑みなされたものにして、導光板のサイズを必要以上に大きくせず、また、使用する点光源の数の変化にも容易に対応でき、点光源間に暗部の発生をなくし、均一な発光輝度が得られる面光源装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の面状光源装置は、面状の導光板と、この導光板の反射面側に配設される反射シートと、前記導光板の入光側端面に沿って配設される複数の点光源と、前記導光板の出光面側に配設されるプリズムシートと、前記導光板の入光面と対向する面に設けられた反射部材と、を備え、前記導光板に、出光面の全面に渡ってシボが形成されるとともに、前記点光源の配置に基づいて局所的にシボ密度を変化させていることを特徴とする。
【0013】
上記した構成によれば、シボが点光源の前部の部分は疎、点光源間の部分は密になるようにパターンを変化させているので、点光源間は光の散乱が多くなり、この部分が暗部になるのが抑制され、輝度ムラが解消する。
【0014】
この発明の導光板の製造方法は、ブラスト加工を行い導光板用金型のキャビティ面に第1の凹部を形成する第1の工程と、所定の領域のみ穴をあけたマスクを用いてブラスト加工を行い導光板用金型のキャビティ面に第1の凹部とは異なる凹部を形成する第2の工程と、を含む工程により形成された金型を用意し、この金型を使用して樹脂成形により所定のシボが表面に形成された導光板を製造することを特徴とする。
【0015】
また、前記第2の工程におけるブラスト加工により第1の凹部と異なる大きさの凹部を形成するように構成してもよい。
【0016】
上記の製造方法によれば、点光源の前部は疎、点光源間は密になるようにパターンを変化させたシボを導光板に容易に形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態につき、図面を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態にかかる面光源装置を示す分解斜視図である。
【0018】
図1に示すように、この実施形態の面光源装置は、面状の導光板1と、この導光板の反射面側に配設される反射シート2と、導光板1の入光側端面に沿って配設される複数の点光源としてのLED3、導光板1の出光面側に配設されるプリズムシート5と、導光板1の入光面と対向する面に設けられた反射部材4と、で構成される。プリズムシート5の上に液晶表示パネル(図示せず)が設置される。
【0019】
導光板1は、例えば、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)のような透光性樹脂を射出成形法により形成された板状部材である。
【0020】
導光板1に形成される光散乱パターンとしてシボ(微小な凹凸)は、出光面側或いは反射面若しくは両面に設けられるが、この実施形態では図1の部分拡大図に示すように、出光面側にシボ11が形成される。シボ11の形状は、図2、図3に示すように、略球面状突起で、その表面は反射した光が散乱せず、規則正しく所定の方向を向くように平滑曲面に形成されている。
【0021】
この実施形態におけるシボ11は、図4乃至図5に示すように、全面に亘るグラデーションパターン或いは均一なパターンではなく、LED3近傍の発光状態に応じてパターンを変化させている。LED3の前部は明、LED3、3の間は暗であるので、LED3の前部の部分31はシボ11の密度を疎、LED3、3間の部分32はシボ11の密度が密になるようにパターンを変化させている。
【0022】
導光板1の全面に形成されるシボは、単位面積当たりのシボ密度はほぼ一定若しくはグラデーションを設けている。シボ密度は表面粗さで規定され、具体的には表面粗さRa0.05〜0.3μmになるように規定し、形成した。そして、LED3、3間は密になるように表面粗さRa0.3μmに規定し、形成した。フォトマスクを用いてパターンを作成するドットパターンでは被覆率を変化させることは容易であるが、フォトマスクを使用できないシボ面の場合は被覆率を変化させることは困難である。そこで、この発明においては、後述する方法で金型を製造し、その金型を用いて導光板を製造した。
【0023】
尚、図3において、(a)は、表面粗さRa0.1μmのシボの表面を、(b)表面粗さRa0.3μmのシボの表面を示している。
【0024】
導光板1の反射面には、図1の部分拡大図に示すように、入光側端面から反射側端面に向かう縦軸に対して平行する方向にプリズムが形成されている。具体的にはピッチ50μm、頂角135°の山形プリズムが形成されている。
【0025】
プリズムシート5は、アクリル樹脂のような透光性樹脂シートで形成され、片面に断面三角形の多数の平行凸条が形成されており、凸条の延長方向に直交する方向に出光面から出た指向性ある光を法線方向に方向転角する。配置方向は図1の部分拡大図に示すように、入光側端面から反射側端面に向かう縦軸に対して直交する方向に平行凸条51が配置される。
【0026】
反射シート2及び反射部材4は、正反射シート又は散乱型白色シートで形成されており、導光板1の反射面及び反射側端面の全面を覆うように配設されている。なお、白色シャーシを近接してもよい。
【0027】
又、図1には示していないが、導光板1、反射シート2、LED3、反射部材4とは、白色ケースで固定される。導光板1の側端面から漏れる光はこの白色ケース6で反射され、導光板1内に戻される。
【0028】
LED3が点灯すると、LED3から出た光は、導光板1の入光側端面から導光板1内に入光する。入光した光は、反射側端面に向かって出光面と反射面との間を反射しながら進んでいく。導光板1のシボ11及びプリズム12の表面は平滑球面状であるから、表面にて反射された光は散乱されず、ごく僅かに光の方向を変えながら反射を繰り返し導光する。シボ11及びプリズム12の表面にて反射され、徐々に光の進行角度が変化し出光面に臨界角以下の角度で当たるようになった時点で出光面より出射する。
【0029】
従って、導光板1より出射する光は非常に絞られて寝た光となり、この出光面から出た指向性のある光をプリズムシート5により法線方向に方向転角する。視野角0度付近で効率良く光が出光される。
【0030】
また、シボ11がLED3の前部の部分31は疎、LED3、3間の部分32は密になるようにパターンを変化させているので、LED3、3間は光の散乱が多くなり、この部分が暗部になるのが抑制され、輝度ムラが解消する。
【0031】
また、入光面から入射した光を入光面と対向する反射側端面に届くまでの間で殆ど消費させるのではなく、入射した光が入光面と対向する反射側端面及び反射部材で反射し、入光面側へ戻ってくるようパターンを設計したものにも、この発明は適用できる。
【0032】
次に、この発明の金型の製造につき図6乃至図9を参照して説明する。
【0033】
図6、図7に示すように、導光板用金型の製造は、導光板用金型20に平行にブラストノズル40を前後左右に移動させ、球形のビーズを所定圧力で均一に導光板用金型20のキャビティ面にショットしてブラスト加工を行う。
【0034】
この際、この発明では、まず全面に付加するシボのためのブラスト加工を行い導光板用金型のキャビティ面に第1の凹部を形成する。
【0035】
図6及び図7に示すように、第1の工程では、LEDが配置される前部を被覆するようなマスク板30を用意し(図7(a)参照)、金型20に所定の空隙をあけて配置する(図6参照)。そして、平行にブラストノズル40を前後左右に移動させ、球形のビーズを所定圧力で均一に導光板用金型20のキャビティ面にショットしてブラスト加工を行う。このブラスト加工により、金型20には、表面粗さRa0.1のシボが形成された凹部を有する加工面22が形成される(図7(b)参照)。
【0036】
上記マスク板30にて被覆された金型20の面21、即ち、LEDが配置されるの前部の表面粗さRaは小さいものになる。なお、このマスク板30は除いて、全面にブラスト加工を施すように構成しても良い。この実施形態では、明暗の解消を効率よく図るために、この第1工程においてもマスク板を用いている。
【0037】
また、加工面22にグラデーションをつける場合には、ブラストノズル40の移動速度、ブラスト圧力を変化させることで対応することができる。また、ブラストノズル40を前後に移動させるときに、球形のビーズの径を変えることでも対応することができる。
【0038】
続いて、図8及び図9に示すように、第2の工程では、LED間及び両端の部分に対応する位置に穴36、37を開けたマスク板35を用意し(図9(a)参照)、金型20に所定の空隙をあけて配置する(図8参照)。そして、平行にブラストノズル40を前後左右に移動させ、球形のビーズを所定圧力で均一に導光板用金型20のキャビティ面にショットしてブラスト加工を行う。金型20の加工面23、24は2度のブラスト加工が行われることになる。この2度のブラスト加工により図5の模式図に示すように、加工面23、24には形成される凹部の密度が増え、表面粗さRaは大きくなる。このブラスト加工は、第1の工程と同じビーズ径のもので良いが、必要に応じて第1の工程で形成される凹部よりも大きな凹部が形成されるビーズ径のものを用いても良い。この結果、金型20の面23、24には、表面粗さRa0.3のシボが形成される凹部が形成される(図9(b)参照)。
【0039】
この金型を使用して樹脂成形により所定のシボが表面に形成された導光板を製造する。この金型を使用して形成された導光板のシボ形成面には、キャビティ面の凹部が転写された球形凸形のシボが形成される。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明は、シボの単位面積あたりの密度が点光源の前部の部分は疎、点光源間の部分は密になるようにパターンを変化させているので、点光源間は光の散乱が多くなり、この部分が暗部になるのが抑制され、輝度ムラが解消する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態にかかる面光源装置を示す分解斜視図である。
【図2】この発明の導光板に形成されるシボの形状を示す模式的側面図である。
【図3】この発明の導光板に形成されるシボの表面状態を示し、(a)は、表面粗さRa0.1μmのシボの表面を、(b)表面粗さRa0.3μmのシボの表面を示す図である。
【図4】この発明の実施形態にかかる面光源装置を示す概略平面図である。
【図5】この発明の実施形態にかかる面光源装置の要部を示す拡大平面図である。
【図6】この発明の導光板を製造する第1工程を示す図である。
【図7】この発明の導光板を製造する第1工程の説明図である。
【図8】この発明の導光板を製造する第2工程を示す図である。
【図9】この発明の導光板を製造する第2工程の説明図である。
【図10】従来の面光源装置の平面図である。
【符号の説明】
1 導光板
2 反射シート
3 LED
4 反射部材
5 プリズムシート
11 シボ
Claims (3)
- 面状の導光板と、この導光板の反射面側に配設される反射シートと、前記導光板の入光側端面に沿って配設される複数の点光源と、前記導光板の出光面側に配設されるプリズムシートと、前記導光板の入光面と対向する面に設けられた反射部材と、を備え、前記導光板に、出光面の全面に渡ってシボが形成されるとともに、前記点光源の配置に基づいて局所的にシボ密度を変化させていることを特徴とする面光源装置。
- ブラスト加工を行い導光板用金型のキャビティ面に第1の凹部を形成する第1の工程と、所定の領域のみ穴をあけたマスクを用いてブラスト加工を行い導光板用金型のキャビティ面に第1の凹部とは異なる凹部を形成する第2の工程と、を含む工程により形成された金型を用意し、この金型を使用して樹脂成形により所定のシボが表面に形成された導光板を製造することを特徴とする導光板の製造方法。
- 前記第2の工程におけるブラスト加工により第1の凹部と異なる大きさの凹部を形成することを特徴とする請求項2に導光板の製造方法。
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