JP4400845B2 - 光拡散シートおよびそれを用いた映像表示素子、面光源装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、光を拡散透過させる光拡散シートに関するものであり、特にノートパソコン、液晶テレビ等に使用される液晶表示装置の面光源装置、背面投射型テレビ等に使用される透過型スクリーン等の光拡散素子として使用されるものであり、さらに詳しくは、明るさや輝度の大幅な低下を最小限に抑え、広い出射光分布が得られる光拡散シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー液晶表示装置は、パソコン、液晶テレビあるいはビデオ一体型液晶テレビ、携帯用情報端末、携帯電話機等の種々の分野で広く使用されてきている。また、情報処理量の増大化、ニーズの多様化、マルチメディア対応等に伴って、液晶表示装置の大画面化、高精細化が盛んに進められている。
【0003】
このような液晶表示装置は、基本的にバックライト部と液晶表示素子部とから構成されている。バックライト部としては、液晶表示素子部の直下に光源を配置した直下方式のものや導光体の側端面に対向するように光源を配置したエッジライト方式のものがあり、液晶表示装置のコンパクト化の観点からエッジライト方式が多用されている。このエッジライト方式では、板状の導光体の側端面に対向するように光源を配置して、導光体の表面全体を発光させ面光源装置を構成している。
【0004】
ところで、カラー液晶表示装置を用いたノートパソコンや液晶テレビなどの機器では、可搬式とするためバッテリーを用いて駆動しているが、その電力の多くを液晶表示装置が消費し、中でも液晶表示装置を構成するバックライトの消費電力の割合は大きく、この消費電力をできる限り低く抑えることがバッテリーによる機器の駆動時間を伸ばし、液晶表示装置の実用価値を高める上で重要な課題とされている。しかし、バックライトの消費電力を抑えることによってバックライトの輝度を低下させたのでは、液晶表示のコントラストが低下し表示が見難くなり好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
バックライトの消費電力を抑えるとともに、輝度も極力犠牲にしないために出射光の分布を狭くする方法が提案されているが、用途によっては液晶表示の観察角度範囲が狭くなりすぎるという問題点を有している。例えば、特公平7−27137号公報では光出射面が粗面の導光体を用い、多数のプリズム列を配列したプリズムシートを、そのプリズム面が導光体側となるように導光体の光出射面上に配置したバックライトが提案されている。このようなバックライトでは、高い輝度が得られるものの、線光源に対して垂直方向の出射光分布が狭くなるため、小型の液晶表示装置等のように広い観察角度範囲を必要としないものには利用できるが、大型の液晶表示装置等のように広い観察角度範囲を必要とする場合には適用できないという問題点を有している。
【0006】
このような問題点の解決を目的として、例えば、特開平10−160914号公報には、輝度分布を改善し観察角度範囲を広くするため、プリズムシートをそのプリズム面が導光体側となるように導光体の光出射面上に配置し、そのプリズムシートの光出射面に光拡散層を形成したものが提案されている。しかし、このようなバックライトにおいては、輝度分布を必要な観察角度範囲にある程度広げられるものの、輝度の低下が大きすぎるという問題点を有している。
【0007】
そこで、本発明の目的は、輝度の大幅な低下を最小限に抑え、出射光分布を広げ広い観察角度範囲を確保できる面光源装置、映像表示素子およびこれに用いられる光拡散シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決させるための手段】
本発明者等は、このような状況に鑑み、光拡散シートの出射面の平均傾斜角を小さくし入射面の平均傾斜角を大きくすることによって、輝度の大幅な低下を最小限に抑え、出射光分布を制御し観察角度範囲を広げることができることを見出し、本発明に到達したものである。
【0009】
すなわち、本発明の面光源装置は、光源と、該光源に対向する少なくとも1つの側面を光入射面とし、2つの対向する主面の一方を光出射面とする導光体と、該導光体の光出射面上に配置された光偏向素子と、該光偏向素子の出光面上に配置された光拡散素子とからなる面光源装置において、該光拡散素子が2つの対向する主面の一方を入射面とし他方の主面を出射面とするシート状物であって、入射面の平均傾斜角が10°以上であり、出射面の平均傾斜角が前記入射面の平均傾斜角より小さいことを特徴とするものである。また、本発明の光拡散シートは、2つの対向する主面の一方を入射面とし、他方の主面を出射面とする光拡散シートにおいて、入射面の平均傾斜角が10°以上であり、出射面の平均傾斜角が前記入射面の平均傾斜角より小さいことを特徴とするものである。さらに、本発明の映像表示素子は、上記のような光拡散シートを光拡散素子として使用したことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による面光源装置の一つの実施形態を示す模式的斜視図である。図1に示されているように、本発明の面光源装置は、少なくとも一つの側端面を光入射面31とし、これと略直交する一つの表面を光出射面33とする導光体3と、この導光体3の光入射面31に対向して配置され光源リフレクタ2で覆われた光源1と、導光体3の光出射面33上に配置された光偏向素子4と、導光体3の光出射面33の裏面34に配置された光反射素子5とから構成される。
【0011】
本発明の面光源装置においては、光偏向素子4の出光面42上に配置される光拡散素子5として、XY面と平行に位置する2つの対向する主面の一方を入射面とし他方の主面を出射面とする光拡散シートであって、この入射面の平均傾斜角が10°以上であり、出射面の平均傾斜角が入射面の平均傾斜角より小さいことを特徴とする。このような光拡散素子5を使用することによって、面光源装置としての輝度の低下を抑えながら、出射光分布を改善して適度な広さの観察角度範囲を確保できる。
【0012】
このように光拡散素子5の出射面の平均傾斜角を入射面の平均傾斜角より小さくすることによって、出射光分布を広げるのに寄与する出射光のフレネル反射が少なくなり面光源装置としての輝度の低下を抑止することができる。光拡散素子5の出射面の平均傾斜角は、3°以下であることが好ましく、2°以下であることがより好ましい。また、光拡散素子5の入射面の平均傾斜角を10°以上とすることによって出射光分布を広げることができる。光拡散素子5の出射面の平均傾斜角は、好ましくは10〜30°の範囲であり、より好ましくは10〜20°の範囲であり、さらに好ましくは10〜15°の範囲である。
【0013】
さらに、本発明においては、光拡散素子5の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。これは、光拡散素子5の全光線透過率を85%以上とすることにより、面光源素子としての輝度の低下を十分に抑止することができるためである。
【0014】
光拡散素子5として使用される光拡散シートとしては、透明シート内に光拡散性のある微粒子を含有させたもの、透明シートの表面をマット状の微細な凹凸としたもの、透明シートの表面に透明ビーズ等の光拡散性微粒子層を塗布したもの等のように種々の形態のものを使用することができる。中でも、少なくとも入射面が微細な凹凸かなる粗面であるものが好ましい。光拡散素子5として、このような構成のものを使用することによって、観察角度範囲の適度な広さを確保できるとともに、光偏向素子4あるいは液晶表示素子との密着による干渉、モアレ、ぎらつき等の発生を防止することもできる。
【0015】
導光体3は、XY面と平行に配置されており、全体として矩形板状をなしている。導光体3は4つの側端面を有しており、そのうちYZ面と平行な1対の側端面のうちの少なくとも一つの側端面を光入射面31とする。光入射面31は光源1と対向して配置されており、光源1から発せられた光は光入射面31から導光体3内へと入射する。本発明においては、例えば、光入射面31と対向する側端面32等の他の側端面にも光源を配置してもよい。
【0016】
導光体3の光入射面31に略直交した2つの主面は、それぞれXY面と略平行に位置しており、いずれか一方の面(図では上面)が光出射面33となる。この光出射面33またはその裏面34のうちの少なくとも一方の面に粗面からなる指向性光出射機構や、プリズム列、レンチキュラーレンズ列、V字状溝等の多数のレンズ列を光出射面31と略平行に並列形成したレンズ面からなる指向性光出射機構等を付与することによって、光出射面33から光源1と直交する面(XZ面)内の分布において指向性のある光を出射させる。本発明においては、導光体3から出射する出射光の指向性としては、XZ面内分布における出射光分布のピークの方向が光出射面31の法線方向から50〜80度の角度であり、出射光分布の半値幅が50度以下であることが好ましい。
【0017】
導光体3の表面に形成する粗面やレンズ列は、ISO4287/1−1984による平均傾斜角θaが0.3〜15°の範囲のものとすることが、光出射面33内での輝度の均斉度を図る点から好ましい。平均傾斜角θaは、さらに好ましくは1〜12°の範囲であり、より好ましくは1.5〜11°の範囲である。この平均傾斜角θaは、導光体3の厚さ(t)と入射光が伝搬する方向の長さ(L)との比(L/t)によって最適範囲が設定されることが好ましい。すなわち、導光体3としてL/tが20〜200程度のものを使用する場合は、平均傾斜角θaを0.3〜7.5°とすることが好ましく、さらに好ましくは1〜5°の範囲であり、より好ましくは1.5〜4°の範囲である。また、導光体3としてL/tが20以下程度のものを使用する場合は、平均傾斜角θaを7〜12°とすることが好ましく、さらに好ましくは8〜11°の範囲である。
【0018】
導光体3に形成される粗面の平均傾斜角θaは、ISO4287/1−1984に従って、触針式表面粗さ計を用いて粗面形状を測定し、測定方向の座標をxとして、得られた傾斜関数f(x)から次の(1)式および(2)式を用いて求めることができる。ここで、Lは測定長さであり、Δaは平均傾斜角θaの正接である。
【0019】
【数1】
【数2】
さらに、導光体3としては、その光出射率が0.2〜5%の範囲にあるものが好ましく、より好ましくは05〜4%の範囲であり、さらに好ましくは1〜3%の範囲である。これは、光出射率が0.2%より小さくなると導光体3から出射する光量が少なくなり十分な輝度が得られなくなる傾向にあり、光出射率が5%より大きくなると光源1近傍で多量の光が出射して、光出射面23内でのX方向における光の減衰が著しくなり、光出射面33での輝度の均斉度が低下する傾向にあるためである。このように導光体3の光出射率を0.2〜5%とすることにより、光出射面から出射するピーク光の角度が光出射面の法線に対し50〜80°の範囲にあり、光入射面と光出射面の双方に垂直な面における光度半値幅が50°以下であり、前記ピーク光を含み前記垂面と垂直な面における光度半値幅が35〜65°であるような指向性の高い出射特性の光を導光体3から出射させることができ、その出射方向を光偏向素子42で効率的に偏向させることができ、高い輝度を有する面光源素子を提供することができる。
【0020】
本発明において、導光体3からの光出射率は次のように定義される。光出射面33の光入射面21側の端縁での出射光の光強度(I0)と光入射面31側の端縁から距離Lの位置での出射光強度(I)との関係は、導光体3の厚さ(Z方向寸法)をtとすると、次の(3)式のような関係を満足する。
【0021】
【数3】
ここで、定数αが光出射率であり、光出射面33における光入射面31と直交するX方向での単位長さ(導光体厚さtに相当する長さ)当たりの導光体3から光が出射する割合(%)である。この光出射率αは、縦軸に光出射面23からの出射光の光強度の対数と横軸に(L/t)をプロットすることで、その勾配から求めることができる。
【0022】
また、指向性光出射機構が付与されていない他の主面には、導光体3からの出射光の光源1と平行な面(YZ面)での指向性を制御するために、光入射面31に対して略垂直の方向(X方向)に延びる多数のレンズ列を配列したレンズ面を形成することが好ましい。本発明においては、図1に示した実施形態にように、光出射面33に粗面を形成し、裏面34に光入射面31に対して略垂直方向(X方向)に延びる多数のレンズ列の配列からなるレンズ面を形成することが好ましいが、図1に示した形態とは逆に、光出射面33にレンズ面を形成し、裏面34を粗面とするものであってもよい。
【0023】
図1に示したように、導光体3の裏面34あるいは光出射面33にレンズ列を形成する場合、そのレンズ列としては略X方向に延びたプリズム列、レンチキュラーレンズ列、V字状溝等が挙げられるが、YZ方向の断面の形状が略三角形状のプリズム列とすることが好ましい。
【0024】
本発明において、導光体3に形成されるレンズ列としてプリズム列を形成する場合には、その頂角を70〜150°の範囲とすることが好ましい。これは、頂角をこの範囲とすることによって導光体3からの出射光を十分集光さることができ、面光源素子としての輝度の十分な向上を図ることができるためである。すなわち、プリズム頂角をこの範囲内とすることによって、光源1に平行な主出射光を含む面(例えばYZ面)において光度半値幅が35〜65°である集光された出射光を出射させることができ、面光源素子としての輝度を向上させることができる。なお、プリズム列を光出射面33に形成する場合には、頂角は80〜100゜の範囲とすることが好ましく、プリズム列を裏面34に形成する場合には、頂角は60〜80゜または100〜150゜の範囲とすることが好ましい。
【0025】
なお、本発明では、上記のような光出射面33またはその裏面34に指向性光出射機構を形成する代わりにあるいはこれと併用して、導光体内部に光拡散性微粒子を混入分散することで指向性光出射機能を付与したものでもよい。また、導光体3としては、図1に示したような形状に限定されるものではなく、くさび状、船型状等の種々の形状のものが使用できる。
【0026】
光源1は、導光体3の光入射面31と同方向に延在する線状の光源であり、例えば蛍光ランプや冷陰極管を用いることができる。光源1としては、図1に示した線状光源の他、LED等の点光源、単体または複数のLEDから構成されるラインライト等を使用することもでき、光ファイバーや、光ファイバーから構成されるラインライトを用いて別途設置された光源から光を伝送することもできる。この光源1は、光源1からの光をロスを少なくして導光体3へ導くために光源リフレクタ2で覆われている。この光源リフレクタ2としては、表面に金属蒸着反射層を有するプラスチックフィルム、拡散材含有プラスッチックフィルム等を用いることができる。図1に示されているように、光源リフレクタ2は、反射素子6の端縁部外面から光源1の外面を経て光偏向素子4の出光面端縁部へと巻つけられている。なお、光源リフレクタ2は、反射素子6の端縁部外面から光源1の外面を経て導光体3の光出射面端縁部へと巻つけることも可能である。また、このような光源リフレクタ2と同様な反射部材を、導光体3の光入射面31以外の側端面に設けてもよい。
【0027】
光偏向素子4は、導光体3の光出射面33上に配置されている。光偏向素子4の2つの主面は、それぞれ全体としてXY面と平行に位置する。2つの主面のうちの一方(導光体3の光出射面33に対向して位置する主面)は入光面41とされており、他方が出光面42とされている。出光面42は、導光体3の光出射面33と平行な平坦面とされている。
【0028】
光偏向素子4は、導光体3からの指向性出射光を目的の方向に偏向(変角)させる機能を果たすものであり、拡散シート、少なくとも一方の面に多数のレンズ単位が並列して形成されたレンズ面を有するレンズシート等を使用することができるが、本発明のように指向性の高い光を出射する導光体3の場合には、レンズシートを使用することが特に好ましい。
【0029】
レンズシート4に形成されるレンズ形状は、目的に応じて種々の形状のものが使用され、例えば、プリズム形状、レンチキュラーレンズ形状、フライアイレンズ形状、波型形状等が挙げられる。中でも断面略三角形状の多数のプリズム列が配列されたプリズムシートが特に好ましい。プリズムシート4を使用する場合には、各プリズム列のプリズム頂角は導光体3からの出射光の出射角に応じて適宜選定されるが、一般的には50〜120゜の範囲とすることが好ましい。また、プリズムシート4の向きについても、導光体3からの出射光の出射角に応じて適宜選定され、レンズ面が導光体側となるように載置してもよいし、逆向きに載置してもよい。
【0030】
本発明においては、図1に示したように、導光体3の光出射面側にプリズム面が位置するようにプリズムシート4を載置するのが好ましく、この場合、プリズムシート4の入光面に形成されたプリズム列のプリズム頂角は50〜80°の範囲とすることが好ましく、この角度範囲内であれば導光体4からの指向性のある出射光を全反射作用により目的の方向に効率よく方向変更させることができる。プリズム頂角は、より好ましくは55°〜75°の範囲であり、さらに好ましくは60°〜70°の範囲である。入光面に形成されるプリズム列は、導光体4からの出射光を目的の方向(例えば面光源装置法線方向)に変換する光進行方向変換機能を持つものであれば断面三角形状のプリズム列に限定されるものではなく、例えばプリズム列の頂部や谷部を曲線としたもの、プリズム面を曲面としたもの等を用いることも可能である。
【0031】
図2には、導光体3の光出射面33から斜めに出射される光が、プリズム列の第1面へ入射し第2面により全反射されてほぼ出光面42の法線の方向に出射する様子が示されている。
【0032】
反射素子6は、導光体3の裏面34で反射せずに導光体3から出射した光を反射させ、再び裏面34から導光体3内に入射させるもので、光源リフレクタ2と同様に、表面に金属蒸着反射層を有するプラスチックシート、拡散材含有プラスッチックシート等を用いることができる。本発明においては、反射素子6として、図1に示したような反射シートに代えて、導光体3の裏面34に金属蒸着などにより反射層を形成したものでもよい。
【0033】
本発明において、導光体3、光偏向素子4および光拡散素子5は、光透過率の高い合成樹脂から構成することができる。このような合成樹脂としては、例えば、メタクリル樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。中でも、導光体3としては、光透過率の高さ、耐熱性、力学的特性、成形加工性等に優れている点からメタクリル樹脂が特に好ましい。このようなメタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチルを主成分とする樹脂であり、メタクリル酸メチルが80重量%以上であるものが好ましい。
【0034】
また、導光体3、光偏向素子4、光拡散素子5の粗面やレンズ面等の表面構造を形成するには、透明合成樹脂板を所望の表面構造を有する型部材を用いて熱プレスすることで形成してもよいし、スクリーン印刷、押出成形や射出成形等によって同時に形状付与してもよいし、熱あるいは光硬化性樹脂等を用いて形成することもできる。特に、光偏向素子4としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリルイミド系樹脂等からなる透明フィルムあるいはシート等の透明基材上に、活性エネルギー線硬化型樹脂によって粗面構造やレンズ構造を形成することが好ましく、このようなシートを接着、融着等の方法によって別個の透明基材上に接合一体化させてもよい。使用される活性エネルギー線硬化型樹脂としては、多官能(メタ)アクリル化合物、ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル類、アリル化合物、(メタ)アクリル酸等を組み合わせて使用することができる。
【0035】
本発明の光拡散シートは、上記のようにパソコン、液晶テレビあるいはビデオ一体型液晶テレビ、携帯用情報端末、携帯電話機等の液晶表示装置のバックライトとして使用される面光源装置の光拡散素子として使用するものに限らず、プロジェクションテレビやモニター等の透過型スクリーン等の映像表示素子の光拡散素子としても好適に使用することができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例における各物性の測定は下記のようにして行った。
【0037】
面光源装置の輝度、主出射光の角度、光度半値幅の測定
大野技術研究所社製XY輝度測定システムの測定台に面光源装置を載置し、面光源装置の出射面を20mm間隔で54分割(縦方向を6分割、横方向を9分割)し輝度計(トプコン社製BM−7)で各点の輝度値を測定し、その平均を求め面光源装置の輝度とした。また、54点の輝度値の最大値(Max)と最小値(Min)から輝度均斉度(Min/Max)を求めた。
【0038】
導光体の主出射光の角度、光度半値幅の測定
大野技術研究所社製XY輝度測定システムの測定台に導光体を載置し、導光体の光出射面に4mmφのピンホールを有する黒色の紙をピンホールが光出射面の中央に位置するように導光体上に固定し、測定円が8〜9mmとなるように輝度計(トプコン社製BM−7)までの距離を調整した。光入射面と垂直な方向(縦方向)および平行な方向(横方向)でピンホールを中心に輝度計の回転軸が回転するように調節した。輝度計の回転軸を+80°〜−80°まで1°間隔で回転させながら、縦方向および横方向での出射光の光度分布を測定した。測定した光度分布から導光体の光出射面から出射する光の主出射光の角度および主出射光の相対光度の半分になる角度を求め導光体の光度半値幅とした。なお、主出射光の分布が+80°以上又は−80°以下に広がっている場合は、主出射光分布のピーク角度と測定範囲内での光度が半分になる角度の差の絶対値の2倍を光度半値幅とした。
【0039】
全光線透過率の測定
村上色彩技術研究所社製反射・透過率計HR−100型を用い、コリメートした19mmφの光(平行度は光軸に対して3%以内)を照射し、積分球入り口に光拡散素子を設置しない場合の光量(T1)と設置した場合の光量(T2)を測定し、T2/T1を百分率で求めた。
【0040】
出射率(α)の測定
面光源装置の光出射面の中央部の光源側から他端面側に至る20mm間隔で区分した各領域での光度の測定値を行い、前記(1)式に基づいて算出した。
【0041】
実施例1〜2、比較例1〜4
鏡面仕上げをした有効面積253mm×195mm、厚さ3mmのステンレス板の表面を、粒径125〜149μmのガラスビーズ(不二製作所社製FGB−120)を用いて、ステンレス板から吹付けノズルまでの距離を10cmとして、吹付け圧力4〜6kgf/cm2で全面にブラスト処理を行った。一方、鏡面仕上げをした有効面積253mm×195mm、厚さ3mmのステンレス板の表面に、頂角130°の二等辺三角形断面を有するピッチ50μmのプリズム列を連設したプリズムパターンを195mmの短辺と平行となるように切削加工した。
【0042】
2つのステンレス板の型を用いてアクリル樹脂(三菱レイヨン社製アクリペットVH5#000)を射出成形し、一辺253mm、他辺195mmの長方形で、厚さが3.0〜1.0mmのくさび形状であり、一方の面に粗面、他方の面にプリズムパターンが形成された透明アクリル樹脂板を作製し導光体とした。
【0043】
得られた導光板の長さ253mmの長辺の側端面に対向するように、蛍光ランプ(富士通化成社製バックライトユニットBL−252のものを使用)を配置した。次いで、導光体の他の側端面に光拡散反射フィルム(東レ社製E60)を貼付し、プリズム列を形成した面(裏面)に対向して反射シートを配置し、光源リフレクタ(麗光社製銀反射フィルム)を配置した。なお、導光体の光出射率は1.2%、出射光の主光線の出射角度(導光体の光出射面の法線に対する角度)は67.0°、XZ面での光度半値幅は27.5°であった。
【0044】
一方、厚さ125μmのポリエステルフィルムの一方の表面にアクリル系紫外線硬化型樹脂を用いてプリズム頂角63°、ピッチ50μmのプリズム列が並列に連設したプリズム面を形成してプリズムシートとした。このプリズムシートを、そのプリズム列が導光体の裏面のプリズム列と直交し、プリズム面が導光体の粗面(光出射面)に対向するようにして導光体上に配置した。
【0045】
さらに、プリズムシート上に表1に示す平均傾斜角および全光線透過率を有する光拡散シートを表1に示した向きに配置した。いずれの光拡散シートも、ポリエステルフィルムの一方の表面に種々の樹脂ビーズ層を塗布して微細な凹凸を有する光拡散層を形成したものであり、光拡散層を形成していない表面の平均傾斜角は約0°であった。このようにして構成した面光源装置について、XZ面の光度半値幅、YZ面の光度半値幅および法線輝度を測定し、その結果を表1に示した。また、XZ面およびYZ面での光度半値幅と法線輝度とのバランスを確認するため、法線輝度とXZ面の光度半値幅とYZ面の光度半値幅の積と光拡散シートの凹凸面の平均傾斜角との関係を図3に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
本発明は、面光源装置の輝度の低下を最小限に抑え、所望の観察角度範囲に応じた適度な出射光分布を得ることができ、高輝度で観察角度範囲の広い液晶表示装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面光源装置の一実施形態を示す模式的斜視図である。
【図2】本発明の光偏向素子の光学機能を説明する部分断面図である。
【図3】法線輝度とXZ面の光度半値幅とYZ面の光度半値幅の積と光拡散シートの凹凸面の平均傾斜角との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 光源
2 光源リフレクタ
3 導光体
4 光偏向素子
5 光拡散素子
6 反射素子
Claims (9)
- 光源と、該光源に対向する少なくとも1つの側面を光入射面とし、2つの対向する主面の一方を光出射面とする導光体と、該導光体の光出射面上に配置された光偏向素子と、該光偏向素子の出光面上に配置された光拡散素子とからなる面光源装置において、該光拡散素子が2つの対向する主面の一方を入射面とし他方の主面を出射面とするシート状物であって、入射面の平均傾斜角が10°以上であり、出射面の平均傾斜角が前記入射面の平均傾斜角より小さいことを特徴とする面光源装置。
- 前記光拡散素子の出射面の平均傾斜角が3°以下であることを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
- 前記光拡散素子の全光線透過率が85%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の面光源装置。
- 前記光偏向素子が、一方の表面に多数のレンズ列が並列して形成されたレンズ面を有し、該レンズ面が前記導光体の光出射面と対向するように前記導光体の光出射面上に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の面光源装置。
- 前記レンズ面が、多数の断面略三角形状のプリズム列が並列に形成されたプリズム面であることを特徴とする請求項4に記載の面光源装置。
- 2つの対向する主面の一方を入射面とし、他方の主面を出射面とする光拡散シートにおいて、入射面の平均傾斜角が10°以上であり、出射面の平均傾斜角が前記入射面の平均傾斜角より小さいことを特徴とする光拡散シート。
- 前記出射面の平均傾斜角が3°以下であることを特徴とする請求項6に記載の光拡散シート。
- 全光線透過率が85%以上であることを特徴とする請求項6または7に記載の光拡散シート。
- 請求項6〜8のいずれかに記載の光拡散シートを光拡散素子として使用したことを特徴とする映像表示素子。
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