JP5113383B2 - 光制御フィルムおよびそれを用いたバックライト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶ディスプレイ等のバックライト装置などに用いる光制御フィルム、およびそれを用いたバックライト装置に関する。
従来から液晶ディスプレイ等には、エッジライト型若しくは直下型のバックライト装置が用いられている。エッジライト型のバックライト装置は、バックライト自身の厚みを薄くできるためノートパソコンなどに使用されており、直下型のバックライト装置は、大型液晶テレビなどに使用されている場合が多い。
これら従来のバックライト装置においては、正面から傾いて出射する光の成分が存在する。特に、エッジライト型のバックライト装置においては、正面から大きく傾いて出射する光の成分が多く、高い正面輝度が得られにくい。
従来のバックライト装置では正面輝度を向上するために、プリズムシート等の光学フィルムや光拡散フィルムを複数枚組み合わせて使用し、出射光を正面に立ち上げている(例えば、特許文献1参照)。
一般的に、プリズムシートは、幾何光学に基づいた表面設計によって正面(フィルム面と直交する面)に出射する光の割合を多くすることができるが、規則正しく配列する凸部に起因して干渉状パターンが現れやすく、またそれのみではぎらつきが生じ、見にくくなるという欠点がある。また、正面に光を集めすぎる結果、視野角を広くすることができない。
一方、拡散フィルム単独で使用した場合には、上記問題は生じないものの、正面輝度が不十分である。
特許文献1に記載の技術ではプリズムシートと光拡散フィルムが併用されているが、光拡散フィルムを使用することにより、プリズムシートによって高められた正面輝度は低下してしまう。また、フィルムを積層することにより各部材間にニュートンリングが発生したり、場合によっては、部材どうしの接触による傷などが発生することもあり得る。
特開平9−127314号公報(請求項1、段落番号0034)
そこで、本発明は、単独であるいはプリズムシートとの併用で、確実に正面輝度の向上を図ることができるとともに、適度の光拡散性を備え、干渉状パターンやぎらつきの問題のない光制御フィルム、およびそれを用いたバックライト装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者は光制御フィルムの表面形状について、凹凸形状、フィルム面(基準面)に対する傾き、凹凸高さ、ピッチ等の表面形状を規定する種々の要素について鋭意研究を行った結果、凹凸面を構成する曲面の、基準面に対する傾きを適切に制御することにより、フィルムに入射した光を効率的にフィルムの正面方向(出射方向)に立ち上げることで、正面輝度を向上させることができることを見出した。
より具体的には、本発明の第1〜第4の態様では、基準面(凹凸が形成された面と反対側の面)に対する凹凸面上の曲面の傾き(以下、これを曲面の傾きという)を、特定の面積以上(1mm以上)にわたって平均化したときの曲面の傾きの平均(θnv(度))が所定の範囲にあるとき、優れた正面輝度が達成できることを見出した。
さらに、曲面の傾きの平均(θnv(度))を凹凸面の傾きの指標とし、凹凸面上の略正方形領域の面積(凹凸面の正射影の面積)(A1)と、凹凸面を構成する曲面の表面積(A2)との比(A=A2/A1)を凹凸の高さの指標として用いることにより、正面輝度の変化との相関を表す特定の関係式で記述できること、そしてこの値が特定の範囲にあるときに優れた正面輝度が達成できることを見出し、本発明の第1〜第4の態様に至ったものである。
すなわち、本発明の第1の態様の光制御フィルムは、凹凸面を有する光制御フィルムであって、前記凹凸面上の任意の地点に設定した面積1mm以上の略正方形領域において、前記略正方形領域の縦および横方向にそれぞれ所定の間隔ごとに測定した前記凹凸面の高さデータを用いて近似された前記凹凸面上の曲面について、フィルムの基準面に対する前記凹凸面上の曲面の傾きの平均(θnv)が、前記光制御フィルムの実質的にすべての地点で、27度以上70度以下であることを特徴とするものである(以下、θnvが27度以上70度以下となる条件を、「条件1」という)。
また、本発明の第2の態様の光制御フィルムは、所定の屈折率nの材料からなる凹凸層により形成された凹凸面を有する光制御フィルムであって、前記凹凸面上の任意の地点に設定した面積1mm以上の略正方形領域において、前記略正方形領域の縦および横方向にそれぞれ所定の間隔ごとに測定した前記凹凸面の高さデータを用いて近似された前記凹凸面上の曲面について、フィルムの基準面に対する前記凹凸面上の曲面の傾きの平均(θnv)が、前記光制御フィルムの実質的にすべての地点で、(59−20n)度以上70度以下であることを特徴とするものである(以下、θnvが(59−20n)度以上70度以下となる条件を、「条件2」という)。
さらに、本発明の第3の態様の光制御フィルムは、凹凸面を有する光制御フィルムであって、前記凹凸面上の任意の地点に設定した面積1mm以上の略正方形領域において、前記略正方形領域の縦および横方向にそれぞれ所定の間隔ごとに測定した前記凹凸面の高さデータを用いて近似された前記凹凸面上の曲面について、フィルムの基準面に対する前記凹凸面上の曲面の傾きの平均(θnv)と、前記略正方形領域の面積(A1)と前記近似された凹凸面上の曲面の表面積(A2)の比(A=A2/A1)が、実質的に全ての地点で、次式(1)または(2)を満たすことを特徴とするものである(以下、「θnv÷A≧22」または「30≦θnv×A≦140」となる条件を、「条件3」という)。
θnv÷A≧22 ・・・(1)
30≦θnv×A≦140 ・・・(2)
また、本発明の第4の態様の光制御フィルムは、所定の屈折率nの材料からなる凹凸層により形成された凹凸面を有する光制御フィルムであって、前記凹凸面上の任意の地点に設定した面積1mm以上の略正方形領域において、前記略正方形領域の縦および横方向にそれぞれ所定の間隔ごとに測定した前記凹凸面の高さデータを用いて近似された前記凹凸面上の曲面について、フィルムの基準面に対する前記凹凸面上の曲面の傾きの平均(θnv)と、前記略正方形領域の面積(A1)と前記近似された凹凸面上の曲面の表面積(A2)の比(A=A2/A1)が、実質的に全ての地点で、次式(3)または(4)を満たすことを特徴とするものである(以下、「θnv÷A×n≧35」または「60≦θnv×A×n≦350」となる条件を、「条件4」という)。
θnv÷A×n≧35 ・・・(3)
60≦θnv×A×n≦350 ・・・(4)
また、上記目的を達成するために、本発明の第5〜第8の態様では、基準面(凹凸が形成された面と反対側の面)に対する凹凸面上の曲面の傾き(以下、これを曲面の傾きという)を、特定の面積以上(1mm以上)にわたって平均化したときの曲面の傾きの平均(θnv(度))が所定の範囲にあり、さらに前記面積に含まれるすべての表面高さデータから求められる、高さ方向の確率密度関数の非対称性の尺度となる数値Ask[式(5)]、または、前記すべての表面高さデータから求められる確率密度関数の高さ方向の鋭さの尺度となる数値Aku[式(6)]が、特定の範囲にあるときに優れた正面輝度を達成できることを見出した。
[式(5)中、ziは測定された表面高さから凹凸面の平均面の高さを引いた値、mは測定点の数を示す。]
[式(6)中、ziは測定された表面高さから凹凸面の平均面の高さを引いた値、mは測定点の数を示す。]
すなわち、本発明の第5の態様の光制御フィルムは、凹凸面を有する光制御フィルムであって、前記凹凸面上の任意の地点に設定した1mm以上の略正方形領域において、前記略正方形領域の縦および横方向にそれぞれ所定の間隔ごとに測定した前記凹凸面の高さデータを用いて近似された前記凹凸面上の曲面について、フィルムの基準面に対する前記凹凸面上の曲面の傾きの平均(θnv)が、27度以上70度以下であり、かつ、前記凹凸面の高さデータのすべてを用いて上式(5)により算出される数値(Ask)の絶対値が1.2以下となる条件を、前記光制御フィルムの実質的にすべての地点で満たすことを特徴とするものである(以下、θnvが27度以上70度以下となり、Askの絶対値が1.2以下となる条件を、「条件5」という)。
また、本発明の第6の態様の光制御フィルムは、所定の屈折率nの材料からなる凹凸層により形成された凹凸面を有する光制御フィルムであって、前記凹凸面上の任意の地点に設定した1mm以上の略正方形領域において、前記略正方形領域の縦および横方向にそれぞれ所定の間隔ごとに測定した前記凹凸面の高さデータを用いて近似された前記凹凸面上の曲面について、フィルムの基準面に対する前記凹凸面上の曲面の傾きの平均(θnv)が、(59−20n)度以上70度以下であり、かつ、前記凹凸面の高さデータのすべてを用いて上式(5)により算出される数値(Ask)の絶対値が1.2以下となる条件を、前記光制御フィルムの実質的にすべての地点で満たすことを特徴とするものである(以下、θnvが(59−20n)度以上70度以下となり、Askの絶対値が1.2以下となる条件を、「条件6」という)。
さらに、本発明の第7の態様の光制御フィルムは、凹凸面を有する光制御フィルムであって、前記凹凸面上の任意の地点に設定した1mm以上の略正方形領域において、前記略正方形領域の縦および横方向にそれぞれ所定の間隔ごとに測定した前記凹凸面の高さデータを用いて近似された前記凹凸面上の曲面について、フィルムの基準面に対する前記凹凸面上の曲面の傾きの平均(θnv)が、27度以上70度以下であり、かつ、前記凹凸面の高さデータのすべてを用いて上式(6)により算出される数値(Aku)が1.5以上5.0以下となる条件を、前記光制御フィルムの実質的にすべての地点で満たすことを特徴とするものである(以下、θnvが27度以上70度以下となり、Akuが1.5以上5.0以下となる条件を、「条件7」という)。
また、本発明の第8の態様の光制御フィルムは、所定の屈折率nの材料からなる凹凸層により形成された凹凸面を有する光制御フィルムであって、前記凹凸面上の任意の地点に設定した1mm以上の略正方形領域において、前記略正方形領域の縦および横方向にそれぞれ所定の間隔ごとに測定した前記凹凸面の高さデータを用いて近似された前記凹凸面上の曲面について、フィルムの基準面に対する前記凹凸面上の曲面の傾きの平均(θnv)が、(59−20n)度以上70度以下であり、かつ、前記凹凸面の高さデータのすべてを用いて上式(6)により算出される数値(Aku)が1.5以上5.0以下となる条件を、前記光制御フィルムの実質的にすべての地点で満たすことを特徴とするものである(以下、θnvが(59−20n)度以上70度以下となり、Akuが1.5以上5.0以下となる条件を、「条件8」という)。
また、上記目的を達成するために、本発明の第9〜第12の態様は、凹凸面を構成する曲面の表面積(A2)と凹凸面上の略正方形領域の面積(凹凸面の正射影の面積)(A1)の比(Ar=A2/A1、以下表面積比という)が所定の範囲にあり、さらに前記面積(A1)に含まれるすべての表面高さデータから求められる、高さ方向の確率密度関数の非対称性の尺度となる数値Ask[式(5)]、または、前記すべての表面高さデータから求められる確率密度関数の高さ方向の鋭さの尺度となる数値Aku[式(6)]が、特定の範囲にあるときに優れた正面輝度を達成できることを見出した。
[式(5)中、ziは測定された表面高さから凹凸面の平均面の高さを引いた値、mは測定点の数を示す。]
[式(6)中、ziは測定された表面高さから凹凸面の平均面の高さを引いた値、mは測定点の数を示す。]
すなわち、本発明の第9の態様の光制御フィルムは、凹凸面を有する光制御フィルムであって、前記凹凸面上の任意の地点に設定した1mm以上の略正方形領域において、前記略正方形領域の縦および横方向にそれぞれ所定の間隔ごとに測定した前記凹凸面の高さデータを用いて近似された前記凹凸面上の曲面について、前記略正方形領域の面積(A1)と前記近似された凹凸面上の曲面の表面積(A2)の比(Ar=A2/A1)が、1.2以上2.5以下であり、かつ、前記凹凸面の高さデータのすべてを用いて上式(5)により算出される数値(Ask)の絶対値が1.2以下となる条件を、前記光制御フィルムの実質的にすべての地点で満たすことを特徴とするものである((以下、Arが1.2以上2.5以下となり、Askの絶対値が1.2以下となる条件を、「条件9」という)。
また、本発明の第10の態様の光制御フィルムは、所定の屈折率nの材料からなる凹凸層により形成された凹凸面を有する光制御フィルムであって、前記凹凸面上の任意の地点に設定した1mm以上の略正方形領域において、前記略正方形領域の縦および横方向にそれぞれ所定の間隔ごとに測定した前記凹凸面の高さデータを用いて近似された前記凹凸面上の曲面について、前記略正方形領域の面積(A1)と前記近似された凹凸面上の曲面の表面積(A2)の比(Ar=A2/A1)が、(2−0.5n)以上2.5以下であり、かつ、前記凹凸面の高さデータのすべてを用いて上式(5)により算出される数値(Ask)の絶対値が1.2以下となる条件を、前記光制御フィルムの実質的にすべての地点で満たすことを特徴とするものである((以下、Arが(2−0.5n)以上2.5以下となり、Askの絶対値が1.2以下となる条件を、「条件10」という)。
さらに、本発明の第11の態様の光制御フィルムは、凹凸面を有する光制御フィルムであって、前記凹凸面上の任意の地点に設定した1mm以上の略正方形領域において、前記略正方形領域の縦および横方向にそれぞれ所定の間隔ごとに測定した前記凹凸面の高さデータを用いて近似された前記凹凸面上の曲面について、前記略正方形領域の面積(A1)と前記近似された凹凸面上の曲面の表面積(A2)の比(Ar=A2/A1)が、1.2以上2.5以下であり、かつ、前記凹凸面の高さデータのすべてを用いて上式(6)により算出される数値(Aku)が1.5以上5.0以下となる条件を、前記光制御フィルムの実質的にすべての地点で満たすことを特徴とするものである((以下、Arが1.2以上2.5以下となり、Akuが1.5以上5.0以下となる条件を、「条件11」という)。
また、本発明の第12の態様の光制御フィルムは、所定の屈折率nの材料からなる凹凸層により形成された凹凸面を有する光制御フィルムであって、前記凹凸面上の任意の地点に設定した1mm以上の略正方形領域において、前記略正方形領域の縦および横方向にそれぞれ所定の間隔ごとに測定した前記凹凸面の高さデータを用いて近似された前記凹凸面上の曲面について、前記略正方形領域の面積(A1)と前記近似された凹凸面上の曲面の表面積(A2)の比(Ar=A2/A1)が、(2−0.5n)以上2.5以下であり、かつ、前記凹凸面の高さデータのすべてを用いて上式(6)により算出される数値(Aku)が1.5以上5.0以下であることを特徴とするものである((以下、Arが(2−0.5n)以上2.5以下となり、Akuが1.5以上5.0以下となる条件を、「条件12」という)。
本発明の第1〜第12の態様において、凹凸面上の略正方形領域の面積とは、凹凸面の正射影の面積をいう。
本発明の第1〜第12の態様において、フィルムの基準面とは、フィルムを概略平面とみなした時のその平面を意味し、本発明の光制御フィルムの凹凸が形成される面と反対側の面が平滑である場合にはその面を基準面とみなすことができる。また、反対側の面が平滑でなく凹凸面である場合には、その異なる2方向の中心線を含む面を基準面とみなすことができる。
本発明の第1〜第8の態様では、曲面の傾きの平均(θnv(度))を用いるが、一般的に、上記基準面に対する、凹凸面を構成する曲面の傾きの平均(Cfc)は、凹凸面の曲面を一般的な関数z=f(x,y)で表すことができれば、前記平均を求める領域をDとすると次式(7)で表すことができる。
さらに、この傾きを角度表示した曲面の傾きの平均(θfc(度))は、次式(8)で表すことができる。
しかし製品設計としてこのような関数を用いることは可能であるが、実際の製品について凹凸面を一般的な関数で記述することはほとんど不可能であり、また曲面の傾きの平均(θfc(度))を得ることもできない。したがって、本発明の第1〜第8の態様では次のようにして求めた値を、曲面の傾きの平均(θnv(度))として定義する。
まず、表面形状測定装置を用い、凹凸面上の任意の地点で、特定の面積以上(1mm以上)の略正方形領域について、縦および横方向にそれぞれ基準面上の所定の間隔(Δd、Δd)で格子状に分割した位置の表面高さデータを測定する。測定された基準面上の前記略正方形の領域の表面高さデータが縦方向にr点、横方向にs点あった場合、それらの高さデータは、全部で(r×s)点のデータとなり、各データ点は、{(H11、H12、H13、…、H1s)、(H21、H22、H23、…、H2s)、…、(Hr1、Hr2、Hr3、…、Hrs)}で表示することができる。なお、縦および横方向の測定点数であるrおよびsは、略正方形であれば、r=sであっても、r≠sであってもよい。また、縦および横方向の測定間隔についても、Δd=Δdであっても、Δd≠Δdであってもよい。
ここで、縦横それぞれΔd、Δdの長さを持つ基準面上の単位格子に1つの対角線を引いて、2つの三角形に分割する。基準面上のこの2つの三角形の3つの頂点の位置における高さデータから、基準面上の三角形に対して、それぞれ「1つの三角形状の平面(以下、微小な三角形状の平面という)」が一義的に決まり、この微小な三角形状の平面の法線と基準面の法線とのなす角を計算により求めることで、この微小な三角形状の平面の基準面に対する傾きを得ることができる。ここで、ΔdおよびΔdが十分に小さければ、この微小な三角形状の平面は、凹凸面を構成する曲面を平面で近似していると見なすことができる。したがって、高さデータを測定した略正方形内のすべての単位格子にこの方法を適用して、凹凸面を構成する曲面を微小な三角形状の平面で近似し、この微小な三角形状の平面の傾きを求め、これを平均することにより、曲面の傾きの平均(θnv(度))が得られる。
上述した測定間隔(ΔdおよびΔd)の長さは、測定領域に含まれる凹凸面の形状を十分正しく反映できる程度の長さであり、具体的にはともに1.0μm以下程度の間隔である。
一方、本発明の第3〜第4の態様ならびに第9〜第12の態様では、凹凸面を構成する曲面の表面積(A2)を用いるが、一般的に、凹凸面を構成する曲面の表面積(A2)は、凹凸面の曲面を一般的な関数z=f(x,y)で表すことができれば、前記平均を求める領域をDとすると次式(9)で表すことができる。
しかし製品設計としてこのような関数を用いることは可能であるが、実際の製品について凹凸面を一般的な関数で記述することはほとんど不可能であり、したがって、表面積(A2)を得ることもできない。したがって、本発明の第3〜第4の態様ならびに第9〜第12の態様では次のようにして求めた値を、曲面の表面積(A2)として定義する。
まず、表面形状測定装置を用い、凹凸面上の任意の地点で、特定の面積以上(1mm以上)の略正方形領域について、縦および横方向にそれぞれ基準面上の所定の間隔(ΔdL、ΔdH)で格子状に分割した位置の表面高さデータを測定する。測定された基準面上の前記略正方形の領域の表面高さデータが縦方向にr点、横方向にs点あった場合、それらの高さデータは、全部で(r×s)点のデータとなり、各データ点は、{(H11、H12、H13、…、H1s)、(H21、H22、H23、…、H2s)、…、(Hr1、Hr2、Hr3、…、Hrs)}で表示することができる。なお、縦および横方向の測定点数であるrおよびsは、略正方形であれば、r=sであっても、r≠sであってもよい。また、縦および横方向の測定間隔についても、ΔdL=ΔdHであっても、ΔdL≠ΔdHであってもよい。
ここで、縦横それぞれΔdL、ΔdHの長さを持つ基準面上の単位格子に1つの対角線を引いて、2つの三角形に分割する。基準面上のこの2つの三角形の3つ頂点の位置における高さデータから、基準面上の三角形に対して、それぞれ「1つの三角形状の平面(以下、微小な三角形状の平面という)」が一義的に決まり、この微小な三角形状の平面の面積を計算により得ることができる。ここで、ΔdLおよびΔdHが十分に小さければ、この微小な三角形状の平面は、凹凸面を構成する曲面を平面で近似していると見なすことができる。したがって、高さデータを測定した略正方形内のすべての単位格子にこの方法を適用して、凹凸面を構成する曲面を微小な三角形状の平面で近似し、この微小な三角形状の平面の面積を求め、これを合計することにより、曲面表面積(A2)が得られる。
上述した測定間隔(ΔdLおよびΔdH)の長さは、測定領域に含まれる凹凸面の形状を十分正しく反映できる程度の長さであり、具体的にはともに1.0μm以下程度の間隔である。
また、本発明の第13の態様の光制御フィルムは、上述してきた第1〜第12の態様の光制御フィルムにおいて、凹凸面上の曲面の法線を基準面へ投影した場合の正射影と、略正方形領域の1つの辺とのなす角度(φ)(−180度<φ≦180度)の平均(φave)の絶対値が、略正方形領域を凹凸面内のいかなる向きに設定して取得した場合であっても、5度以下であることを特徴とするものである(以下、φaveの平均の絶対値が5度以下となる条件を、「条件13」という)。φaveが、略正方形領域を凹凸面内のいかなる向きに設定して取得した場合においても条件13を満たすことにより、光制御フィルムのぎらつきをより一層防止することができる。このような条件13を満たす光制御フィルムとするには、凹凸面を構成する複数の凸部が互いにほぼ独立しており、かつ、凸部が後述する図2−2のような回転体であることが好ましい。
また、本発明の第14の態様のバックライト装置は、少なくとも一端部に光源が配置され、前記一端部に略直交する面を光出射面とする導光板と、前記導光板の光出射面に配置される光制御フィルムとを備えたバックライト装置において、前記光制御フィルムとして、上記光制御フィルムを使用したことを特徴とするものである。本発明の第15の態様のバックライト装置は、上記バックライト装置の前記光制御フィルムと前記導光板との間に、プリズムシートを使用したことを特徴とするものである。
本発明の第16の態様のバックライト装置は、光源と、前記光源の一方の側に配置される光拡散板と、前記光拡散板の、前記光源とは別の側に配置される光制御フィルムとを備えたバックライト装置において、前記光制御フィルムとして、上記光制御フィルムを使用したことを特徴とするものである。
本発明の第1〜第13の態様の光制御フィルムは、特定形状の凹凸面を有することから、凹凸面と反対側から入射され、凹凸面側から出射する光のうち、正面、特に出射角0〜30度の範囲の成分を増加することができ、通常の拡散フィルムよりはるかに高い正面輝度を達成できる。しかも、適度の光拡散性も併せ備え、ぎらつきや干渉パターンを生じることがない。
また、本発明の第14および第15の態様のバックライト装置は、特定の光制御フィルムを使用しているので、正面輝度が高く、しかも適度の光拡散性を備えぎらつきや干渉パターンを生じないバックライト装置である。また、プリズムシートと他の部材との接触によるプリズムシートのキズの発生などをおさえることができる。
以下、本発明の光制御フィルムおよびバックライト装置について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の説明に用いる図面において、各要素のサイズ(厚み、幅、高さ等)は説明のために必要に応じて拡大あるいは縮小されたものであって、実際の光制御フィルムおよびバックライト装置の各要素のサイズを反映したものではない。
図1(a)〜(c)は、本発明の光制御フィルムの実施形態を模式的に示す図である。図示するように、本発明の光制御フィルムは、ほぼ平面状のフィルムの一方の面に微細な凹凸が形成されたものであり、その凹凸の形状に特徴を有している。凹凸は、(a)および(b)に示すように、基材となるフィルムの一方の面に形成された層に形成されていてもよいし、(c)に示すように、凹凸が形成された層のみで光制御フィルムを構成してもよい。
本発明の光制御フィルムは、凹凸が形成された面と反対側の面から入射した光が凹凸面から出射される際に、出射光のうち正面から所定の角度範囲内に向かう光の成分がより多くなるように光の向きを制御し、これによって正面輝度を高めるとともにぎらつきを防止しうる光拡散性を与えるものである。凹凸が形成された面と反対側の面は、典型的には平滑面であるが平滑面に限定されない。例えば、マット化されていたり、所定のドットパターンなどが形成されていてもよい。
次に、上述した光の向きを制御するための凹凸の形状に関する条件について説明する。
本発明では、最初に図2−1に示すような、xy平面を基準面とし、それと直交する面に描出した任意の曲線をz軸について回転した回転体からなる単一の凸部形状(図2−2)について、凸形状、高さ、入射光の入射角等を変えて、入射光と出射光との関係を3次元空間内でシミュレートし、最適な出射光を得られる条件を検討した。そして、この凸部の底面から、実際のバックライト装置の導光板から出射される光の分布と同じ分布を有する光が入射した場合に凸部側から出射する光の分布(出射角特性)を計算により求めた。ここで凸部の内部の屈折率nは、一般的なアクリル系樹脂の屈折率である1.5として計算した。
図3は、図2−2に示す形状の凸部についてシミュレートした結果である出射光分布を表すグラフである。図中、実線が出射光分布、点線が入射光分布を示す。ここで、正面輝度が良好で、かつ、ある程度の光散乱性を備えるためには、正面(0度)から±30度の範囲に出射される光の成分が多いことが望ましい。
次に複数の凸部が形成された凹凸面について、このような条件の出射光特性を得るための条件を見出すために、上述した凸部が複数存在する系について、凸部の形状および高さを種々に変更したときの出射光分布の変化をシミュレートした。具体的には、凸部の底面積は一定とし、高さを5〜6点変更し、各高さごとに曲線形状を100点ほど変更することにより、計500〜600種類の凸部形状を定め、同一の凸部形状が平面上に複数存在する計500〜600種類のサンプルについて、出射光分布の変化をシミュレートした。その結果を図4のグラフに示す。図中、横軸は曲面の傾きの平均(θnv)、縦軸は出射光エネルギーであり、グラフ内で△、□、○で表した点のうち、△で表した第1のグループ601は、各サンプルについてのz軸について6度の範囲内の出射光エネルギー(以下、出射光という)を、□で表した第2のグループ602は、各サンプルについてのz軸について18度の範囲に含まれる出射光エネルギー(以下、出射光18という)を、○で表した第3のグループ603は、各サンプルについてのz軸について30度の範囲に含まれる出射光エネルギー(以下、出射光30という)を示している。
図4のシミュレーション結果から、曲面の傾きの平均(θnv)を27度以上70度以下と、好ましくは27度以上65度以下、より好ましくは27度以上60度以下とすることにより、出射光30の割合が増加することが分かった。
また、図4のシミュレーション結果から、曲面の傾きの平均(θnv)が大きくなるにつれ、出射光30の割合が増加するが、ある程度まで大きくなると逆に減少する傾向が見られた。そこで出射光30との相関が得られる凹凸形状の総合的な指標を検討したところ、曲面の傾きの平均(θnv)と、凹凸面を構成する曲面の表面積(A2)の凹凸面上の略正方形領域の面積(凹凸面の正射影の面積)(A1)に対する比(A=A2/A1、以下、表面積比という)との商あるいは積を用いた場合に、出射光30との関連をもっともよく記述できることがわかった。ここで、A2は高さデータにより得られた微小な三角形状の平面の面積を合計することにより導くことができる。
図5および図6は、θnvおよびAの指標を用いて図4のシミュレーションデータを表示したグラフであり、図5は、曲面の傾きの平均(θnv)を表面積比(A)で割った値を横軸に取ったときの出射光エネルギーの変化、図6は曲面の傾きの平均(θnv)に表面積比(A)を乗じた値を横軸に取ったときの出射光エネルギーの変化を示している。
図5および図6から、曲面の傾きの平均(θnv)を表面積比(A)で除した値(商)が22以上のとき、曲面の傾きの平均(θnv)に表面積比(A)を乗じた値(積)が30以上140以下のときに、出射角30度の範囲の出射光エネルギーが大幅に増加することがわかった。すなわち、次の条件(式(1)または式(2))を満たすことにより、正面輝度が高くしかも適度の拡散性を有する光制御フィルムが構成されることがわかる。
θnv÷A≧22 ・・・(1)
30≦θnv×A≦140 ・・・(2)
なお、式(1)の、曲面の傾きの平均(θnv)を表面積比(A)で除した値は、より好ましくは25以上であり、式(2)の、曲面の傾きの平均(θnv)と表面積比(A)との積は、より好ましくは下限が35以上、上限が130以下である。
このような条件は、実質的にすべての位置で満たす必要がある。「実質的にすべての位置」とは、特定の光制御フィルムについて複数の測定位置について観察したときに、観察したほとんどの位置において満たしていればよいという意味であり、上記条件を満たさない1、2の位置を含んでいる場合も含む意味である。
ところで本発明の凹凸面が満たすべき条件を見出すための上記シミュレーションでは、凸部が屈折率1.5の材質からなるものと仮定しているが、本発明の光制御フィルムの凹凸層は、一般に光学フィルムに使用される材料を採用することができ、その屈折率は1.5に限定されない。屈折率nを考慮して一般化するために、屈折率を所定範囲で変更しながら、上記シミュレーションを繰り返し行った結果、曲面の傾きの平均(θnv)は、(59−20n)度以上、70度以下であるときに上記効果が得られることがわかった。
同様に、屈折率nを考慮して上記式(1)、(2)を一般化すると、次式(3)、(4)ように表すことができる。
θnv÷A×n≧35 ・・・(3)
60≦θnv×A×n≦350 ・・・(4)
なお、式(3)の値は、より好ましくは40以上であり、式(4)の値は、より好ましくは下限が70以上、上限が340以下である。このように凹凸を構成する材料の屈折率を考慮して、凹凸形状を設計することにより、より正面方向への輝度を向上することができる。
また、上記シミュレーション結果から、出射光30との相関が得られる凹凸形状の総合的な別の指標を検討したところ、曲面の傾きの平均を求めるのに使用したすべての表面高さデータから求められる、高さ方向の確率密度関数の非対称性の尺度となる数値Askあるいは、前記すべての表面高さデータから求められる確率密度関数の高さ方向の鋭さの尺度となる数値Akuを用いた場合に、出射光30との関連をもっともよく記述できることがわかった。
図7および図8は、θnvの指標を用いて図4のシミュレーションデータを表示したグラフであり、ともに曲面の傾きの平均(θnv)を横軸に取ったときの出射光エネルギーの変化を示している。図7において「●」点704は、上記式(5)で表されるAskの絶対値が1.2以下となるサンプルのデータを示している。図8において「●」点804は、上記式(6)で表されるAkuが1.5以上5.0以下となるサンプルのデータを示している。
図7および図8から、曲面の傾きの平均(θnv)が27度以上70度以下のときに、出射角30度の範囲の出射光エネルギーが大幅に増加する傾向が見られるが、曲面の傾きの平均(θnv)がこの範囲にあっても出射光30の割合が高くならない場合(図7の「○」点703および図8の「○」点803)が見られることがわかった。しかしながら、上記式(5)で表されるAskの絶対値が1.2以下となる結果(図7の「●」点704)のみに注目すると、出射光30の割合が必ず高いことがわかった。また、上記式(6)で表されるAkuが1.5以上5.0以下となる結果(図6の「●」点804)のみに注目すると、出射光30の割合が必ず高いことがわかった。
この曲面の傾きの平均(θnv(度))が、27度以上70度以下、好ましくは27度以上65度以下、より好ましくは27度以上60度以下のときにおいて、式(5)で表されるAskの絶対値が1.2以下、好ましくは1.1以下にあるとき、また式(6)で表されるAkuが1.5以上5.0以下、好ましくは1.5以上4.5以下であるときに特に優れた効果が得られる。
このような条件は、実質的にすべての位置で満たす必要がある。「実質的にすべての位置」とは、特定の光制御フィルムについて複数の測定位置について観察したときに、観察したほとんどの位置において満たしていればよいという意味であり、上記条件を満たさない1、2の位置を含んでいる場合も含む意味である。
ところで本発明の凹凸面が満たすべき条件を見出すための上記シミュレーションでは、凸部が屈折率1.5の材質からなるものと仮定しているが、本発明の光制御フィルムの凹凸層は、一般に光学フィルムに使用される材料を採用することができ、その屈折率は1.5に限定されない。屈折率nを考慮して一般化した場合、曲面の傾きの平均(θnv)は、(59−20n)度以上、70度以下であるときに上記効果が得られる。
このように凹凸層を構成する材料の屈折率を考慮して、凹凸面の形状を設計することにより、より正面方向への輝度を向上することができる。
一方、図9および図10は、表面積比(A)の指標を用いて図4のシミュレーションデータを表示したグラフであり、ともに表面積比(A)を横軸に取ったときの出射光エネルギーの変化を示している。図9において「●」点904は、上記式(5)で表されるAskの絶対値が1.2以下となるサンプルのデータを示している。図10において「●」点1004は、上記式(6)で表されるAkuが1.5以上5.0以下となるサンプルのデータを示している。
図9および図10から、表面積比(A)が1.2以上2.5度以下のときに、出射角30度の範囲の出射光エネルギーが大幅に増加する傾向が見られるが、表面積比(A)がこの範囲にあっても出射光30が高くならない場合(図9の「○」点903および図10の「○」点1003)が見られることがわかった。しかしながら、上記式(5)で表されるAskの絶対値が1.2以下となる結果(図9の「●」点904)のみに注目すると、出射光30の割合が必ず高いことがわかった。また、上記式(6)で表されるAkuが1.5以上5.0以下となる結果(図10の「●」点1004)のみに注目すると、出射光30の割合が必ず高いことがわかった。
この表面積比(A)が、1.2以上2.5以下、好ましくは1.3以上2.4以下、より好ましくは1.4以上2.3以下のときにおいて、上記式(5)で表されるAskの絶対値が1.2以下、好ましくは1.1以下にあるとき、または上記式(6)で表されるAkuが1.5以上5.0以下、好ましくは1.5以上4.5以下であるときに特に優れた効果が得られる。
このような条件は、実質的にすべての位置で満たす必要がある。「実質的にすべての位置」とは、特定の光制御フィルムについて複数の測定位置について観察したときに、観察したほとんどの位置において満たしていればよいという意味であり、上記条件を満たさない1、2の位置を含んでいる場合も含む意味である。
ところで本発明の凹凸面が満たすべき条件を見出すための上記シミュレーションでは、凸部が屈折率1.5の材質からなるものと仮定しているが、本発明の光制御フィルムの凹凸層は、一般に光学フィルムに使用される材料を採用することができ、その屈折率は1.5に限定されない。屈折率nを考慮して一般化した場合、表面積比(A)は、(2−0.5n)以上、2.5以下であるときに上記効果が得られる。
このように凹凸層を構成する材料の屈折率を考慮して、凹凸面の形状を設計することにより、より正面方向への輝度を向上することができる。
本発明の光制御フィルムは、その凹凸面を上述した条件を満たすように設計することにより、正面輝度が高く、ある程度の拡散性を有するものとすることができる。このような特性を有する本発明の光制御フィルムは、例えば、エッジライト型のバックライト装置の導光板上に直接、あるいは直下型のバックライト装置の光源上に光拡散材等を介して配置され、その出射光の向きを制御するフィルムとして使用される。
本発明の光制御フィルムは、「凹凸面の曲面の傾きの平均(θnv)」または「表面積比(A)」が上述した条件1〜12を満たす限り、凸部の形状や配置は特に限定されない。すなわち、凸部および凹部がランダムに配置されていてもよく、また、凸部および凹部が規則的に配置されていてもよい。しかしながら、ランダムな配置とすることにより、規則的なパターンを持っている他の部材と組み合わせても、干渉パターンの発生を容易に防止することができる。個々の凸部および凹部の形状は同一でもよいし異なっていてもよく、互いに重なるように配置しても、一部もしくは全部の凸部および凹部を重ねるように配置してもよい。凸部の高さ、凹部の深さは何れも3〜100μm程度、凸部又は凹部の配置密度は10個〜20万個/mm程度であることが好ましい。上記条件を満たす典型的な光制御フィルムの凹凸面を図11に示す。
次に、上述した凹凸面を有する光制御フィルムを製造するための具体的構成について説明する。
本発明の光制御フィルム10の基材11および凹凸層12を構成する材料としては、一般に光学フィルムに用いられる材料を用いることができる。具体的には、基材11は、光透過性が良好なものであれば特に制限されることなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、アクリル、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルムなどを使用することができる。
凹凸層12を構成する材料としても、光透過性が良好なものであれば特に制限されることなく、ガラス、高分子樹脂などを使用することができる。ガラスとしては、ケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラスなどの酸化ガラスなどがあげられる。高分子樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などがあげられる。
これら材料のうち、加工性、取扱い性の観点から高分子樹脂が好適であり、特に屈折率(JIS K7142:1996)が1.3〜1.7程度のものを用いることが好ましい。凹凸層を形成する材料として屈折率nが上記範囲以外のものを用いた場合でも、条件1、3、5、7、9または11を満たすことにより、良好な輝度が実現できるが、このような範囲のものを用いることにより高い輝度が得られる。特に、材料の屈折率に応じて、凹凸面が条件2、4、6、8、10または12を満たすようにすることにより、より一層正面輝度を向上させることができる。
凹凸層12には、一般的な光拡散性シートのように、有機ビーズや無機顔料などの光拡散剤を含有させてもよいが、必須ではない。本発明の光制御フィルムにおいては、光拡散剤を含有させなくても凹凸面自体である程度の光拡散効果を発揮することができる。したがって、光拡散剤を原因として他の部材を傷つけたり、光拡散剤が剥がれ落ちてゴミが発生することもない。
凹凸層12の形成方法としては、例えば、1)エンボスロールを用いた方法、2)エッチング処理、3)型による成型を採用することができるが、再現性よく所定の凹凸層を有する光制御フィルムを製造できる点で、型を使用して製造する方法が好ましい。具体的には、凹凸面と相補的な形状からなる型を作製し、当該型に高分子樹脂などの凹凸層を構成する材料を流し込んで硬化させた後、型から取り出すことにより製造することができる。基材を使用する場合には、型に高分子樹脂などを流し込み、その上に透明基材を重ね合わせた後、高分子樹脂などを硬化させ、透明基材ごと型から取り出すことにより製造することができる。
型に凹凸面と相補的な形状を形成する方法としては、特に限定されないが、次のような方法を採用することができる。例えば、レーザー微細加工技術により、特定形状の凸部を平板上に配置密度が例えば数千個/mmとなるように形成し、これを雄型として成型用の型(雌型)を作製する。特定形状の凸部とは、一つの凸部全体をその形状が正しく反映される幅(1.0μm以下)で等間隔に高さデータを測定した結果、当該凸部が条件1又は条件3を満たすものである。あるいは所定の粒子径の粒子を分散させた樹脂を硬化して凹凸層を有する樹脂板を作製し、これら凹凸層の表面を表面測定装置で測定し、上記条件に合致する樹脂板を選択し、これを雄型として成型用の型(雌型)を作製する。
なお、光制御フィルムの凹凸面とは反対側の面は平滑であってもよいが、導光板や樹脂板と接する際にニュートンリングを生じさせないように微マット処理を施したり、光透過率を向上させるため反射防止処理を施してもよい。
また、良好な正面輝度を得るため、光制御フィルムの光学特性として、ヘーズが60%以上、好ましくは70%以上であることが望ましい。ここで、ヘーズとは、JIS K7136:2000におけるヘーズの値のことであり、ヘーズ(%)=[(τ/τ)−τ(τ/τ)]×100の式から求められる値である(τ:入射光の光束、τ:試験片を透過した全光束、τ:装置で拡散した光束、τ:装置および試験片で拡散した光束)。
光制御フィルム全体の厚みは特に制限されることはないが、通常20〜300μm程度である。
以上説明した本発明の光制御フィルムは、主として、液晶ディスプレイ、電飾看板などを構成するバックライトの一部品として用いられる。
次に、本発明のバックライトについて説明する。本発明のバックライトは、少なくとも光制御フィルムと、光源とから構成される。光制御フィルムとしては上述した光制御フィルムを用いる。バックライト中における光制御フィルムの向きは特に制限されることはないが、好ましくは凹凸面を光出射面側となるようにして用いる。バックライトは、いわゆるエッジライト型、直下型といわれる構成を採用することが好ましい。
エッジライト型のバックライトは、導光板と、導光板の少なくとも一端に配置された光源と、導光板の光出射面側に配置された光制御フィルムなどから構成される。ここで、光制御フィルムは、凹凸面を光出射面となるようにして用いることが好ましい。また、導光板と光制御フィルムとの間にプリズムシートを使用することが好ましい。このような構成とすることで、正面輝度、視野角のバランスに優れるとともに、プリズムシート特有の問題であるぎらつきのないバックライト装置とすることができる。
導光板は、少なくとも一つの側面を光入射面とし、これと略直交する一方の面を光出射面とするように成形された略平板状からなるものであり、主としてポリメチルメタクリレートなどの高透明な樹脂から選ばれるマトリックス樹脂からなる。必要に応じてマトリックス樹脂と屈折率の異なる樹脂粒子が添加されていてもよい。導光板の各面は、一様な平面ではなく複雑な表面形状をしているものでも、ドットパターンなどの拡散印刷が設けられていてもよい。
光源は導光板の少なくとも一端に配置されるものであり、主として冷陰極管が使用される。光源の形状としては線状、L字状のものなどがあげられる。
エッジライト型バックライトは、上述した光制御フィルム、導光板、光源のほかに、目的に応じて反射板、偏光フィルム、電磁波シールドフィルムなどが備えられる。
本発明のエッジライト型のバックライトの一実施形態を図12に示す。このバックライト140は、導光板141の両側に光源142を備えた構成を有し、導光板141の上側に、凹凸面が外側となるように光制御フィルム143が載置されている。光源142は光源からの光が効率よく導光板141に入射されるように、導光板141と対向する部分を除き光源リフレクタ144で覆われている。また導光板141の下側には、シャーシ145に収納された反射板146が備えられている。これによって導光板141の出射側と反対側に出射された光を再度導光板141に戻し、導光板141の出射面からの出射光を多くするようにしている。
直下型のバックライトは、光制御フィルムと、光制御フィルムの光出射面とは反対側の面に順に備えられた、光拡散材、光源などから構成される。ここで、光制御フィルムは、凹凸面を光出射面となるようにして用いることが好ましい。また、光拡散材と光制御フィルムとの間にプリズムシートを使用することが好ましい。このような構成とすることで、正面輝度、視野角のバランスに優れるとともに、プリズムシート特有の問題であるぎらつきのないバックライト装置とすることができる。
光拡散材は光源のパターンを消すためのものであり、乳白色の樹脂板、光源に対応する部分にドットパターンを形成した透明フィルム(ライティングカーテン)の他、透明基材上に凹凸の光拡散層を有するいわゆる光拡散フィルムなどを単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。
光源は主として冷陰極管が使用される。光源の形状としては線状、L字状のものなどがあげられる。直下型のバックライトは、上述した光制御フィルム、光拡散材、光源の他に、目的に応じて、反射板、偏光フィルム、電磁波シールドフィルムなどを備えていてもよい。
本発明の直下型のバックライトの一実施形態を図13に示す。このバックライト150は、図示するように、シャーシ155内に収納した反射板156の上に光源152を複数配置し、その上に光拡散材157を介して、光制御フィルム153が載置された構造を有している。
本発明のバックライトは、光源あるいは導光板から出射される光の向きを制御する光制御フィルムとして、特定の凹凸面を有する光制御フィルムを用いたことにより、従来のバックライトに比べ正面輝度を向上することができ、しかもプリズムシートを単体で用いた場合のようなぎらつきの問題やキズつきの発生が少ない。
以下、実施例により本発明を更に説明する。
[実施例1〜4]
レーザー微細加工技術により所定の凹凸を形成した4種類の型(1)〜(4)を作製し、(1)〜(3)の型には屈折率1.50の紫外線硬化型樹脂、(4)の型には、屈折率1.40のシリコーン樹脂を流し込んだ。次いで、流し込んだ樹脂を硬化させた後、型から取り出して、23cm(光源と垂直方向)×31cm(光源と平行方向)の光制御フィルム(1)〜(4)(実施例1〜4の光制御フィルム)を得た。
次いで、レーザー顕微鏡(VK−9500:キーエンス社)により光制御フィルム(1)〜(4)の凹凸面(光出射面)の高さデータを50倍の対物レンズを使用して測定した。平面内の測定間隔は約0.26μmである。50倍の対物レンズの1視野は270μm×202μmであるため、自動連結機能を利用し、1mm×1mmの領域の表面高さデータを得た。測定は、各光制御フィルム上の任意の5箇所で測定し、この表面高さデータを用い、基準面に対する曲面の傾きの平均(θnv)を算出した(単位は「度」)。光制御フィルム(1)〜(4)について得られた結果を表1に示す。また、濁度計(NDH2000:日本電色工業社)により、光制御フィルム(1)〜(4)のヘーズをJIS K7136:2000に従い測定した結果を合わせて表1に示す。
表1からわかるように、実施例1〜4の光制御フィルムは、全ての測定点において曲面の傾きの平均が27度以上70度以下であった。また、実施例1〜4の各光制御フィルムのヘーズは何れも70%以上であり、良好な正面輝度を得るため必要な光学特性を満たしていた。
次に、光制御フィルム(1)〜(4)を15インチエッジライト型バックライト装置(冷陰極管上下各1灯)に組み込み、正面輝度を測定した。すなわち、光制御フィルム(1)〜(4)の凹凸面が光出射面となるようにして導光板上に設置し、バックライト装置上の中央における光源(冷陰極管)と平行方向と垂直方向における出射角度ごとの輝度を測定した(1インチ=2.54cm)。光制御フィルム(1)〜(4)について得られた結果を表2に示す(単位は「cd/m」)。
表2の結果から、実施例1〜4の光制御フィルムは、バックライト装置に1枚組み込んだのみで、出射角30度以内の輝度を高くすることができ、正面方向に対し高い出射光が得られることが示された。
[実施例5〜8]
レーザー微細加工技術により所定の凹凸を形成した4種類の型(5)〜(8)を作製し、型(5)〜(7)には屈折率1.50の紫外線硬化型樹脂を、一つの型(8)には屈折率1.40のシリコーン樹脂を流し込んだ。次いで、流し込んだ樹脂を硬化させた後、型から取り出して、23cm×31cmの光制御フィルム(5)〜(8)(実施例5〜8の光制御フィルム)を得た。
次いで、実施例1〜4と同様に光制御フィルム(5)〜(8)の凹凸面(光出射面)の表面高さデータを測定した。測定は、各光制御フィルム上の任意の5箇所で行い、得られた高さデータを用いて曲面の傾きの平均(θnv)を算出した。さらに、同じ表面高さデータから、凹凸面の表面積(A2)を求め、測定した凹凸面の正射影の面積(A1)との比(A=A2/A1)を算出し、曲面の傾きの平均(θnv)と表面積の比(A)との積または商を求めた。光制御フィルム(5)〜(8)について得られた結果を表3に示す(傾きの単位は「度」)。また、濁度計(NDH2000:日本電色工業社)により、光制御フィルム(5)〜(8)のヘーズをJIS K7136:2000に従い測定した結果を合わせて表3に示す。
表3に示すように、実施例5〜8の光制御フィルムでは、測定した全ての位置で、曲面の傾きの平均および表面積の比の変動が少なく、フィルム全体として均一な凹凸特性を有していた。また、実施例5〜8の各光制御フィルムのヘーズは何れも70%以上であり、良好な正面輝度を得るため必要な光学特性を満たしていた。
次に、光制御フィルム(5)〜(8)を15インチエッジライト型バックライト装置(冷陰極管上下各1灯)に組み込み、正面輝度を測定した。すなわち、光制御フィルム(5)〜(8)の凹凸面が光出射面となるようにして導光板上に設置し、バックライト装置の中心における光源(冷陰極管)と平行方向と垂直方向における出射角度ごとの輝度を測定した(1インチ=2.54cm)。光制御フィルム(5)〜(8)について得られた結果を表4に示す(単位は「cd/m」)。
表4の結果から、実施例5〜8の光制御フィルムは、バックライト装置に1枚組み込んだのみで、出射角30度以内の輝度を高くすることができ、正面方向に対し高い出射光が得られることが示された。
[比較例1〜3]
市販の光拡散性シート(比較例1〜3)について、実施例と同様にフィルム上の5箇所で凹凸面(光出射面)の表面形状を測定し、曲面の傾きの平均(θnv)を求めた。比較例1〜3の光拡散性シートについて得られた結果を順に表5に示す。
表5からわかるように、比較例1〜3の光拡散性シートは、全ての測定点において、曲面の傾きの平均(θnv)が27度以上70度以下にならないものであった。
次いで、比較例1〜3の光拡散性シートを15インチエッジライト型バックライト装置(冷陰極管上下各1灯)に組み込み、正面輝度を測定した。すなわち、比較例1〜3の光拡散性シートの凹凸面が光出射面となるようにして導光板上に設置し、バックライト装置の中心における光源(冷陰極管)と平行方向と垂直方向における出射角度ごとの輝度を測定した(1インチ=2.54cm)。結果を表6に示す。
表6の結果からもわかるように、従来の光拡散性シートをバックライト装置に組み込んだ場合には、良好な正面輝度を得ることはできなかった。
以上の実施例からも明らかなように、実施例の光制御フィルムは、凹凸面を特定の構成を満たすようにしたことにより、正面輝度に優れ、適度の光拡散性を備えたものであった。また、このような光制御フィルムをバックライト装置に組み込むことにより、正面輝度が高く、ぎらつきや干渉パターンの発生のないバックライト装置とすることができた。
[実施例9〜12]
レーザー微細加工技術により所定の凹凸を形成した4種類の型(9)〜(12)を作製し、(9)〜(11)の型には屈折率1.50の紫外線硬化型樹脂、(12)の型には、屈折率1.40のシリコーン樹脂を流し込んだ。次いで、流し込んだ樹脂を硬化させた後、型から取り出して、23cm(光源と垂直方向)×31cm(光源と平行方向)の光制御フィルム(9)〜(12)(実施例9〜12の光制御フィルム)を得た。
次いで、レーザー顕微鏡(VK−9500:キーエンス社)により光制御フィルム(9)〜(12)の凹凸面(光出射面)の高さデータを50倍の対物レンズを使用して測定した。平面内の測定間隔は約0.26μmである。50倍の対物レンズの1視野は270μm×202μmであるため、自動連結機能を利用し、1mm×1mmの領域の表面高さデータを得た。測定は、各光制御フィルム上の任意の5箇所で測定し、この表面高さデータを用い、基準面に対する曲面の傾きの平均(θnv)を算出した。さらに、同じ表面高さデータを用い、上記式(5)によりAskを算出した。光制御フィルム(9)〜(12)について得られた結果を表7に示す(傾きの単位は「度」)。また、濁度計(NDH2000:日本電色工業社)により、光制御フィルム(9)〜(12)のヘーズをJIS K7136:2000に従い測定した結果を合わせて表7に示す。
表7からわかるように、実施例9〜12の光制御フィルムは、全ての測定点において曲面の傾きの平均(θnv)が27度以上70度以下であった。また、全てのAskの絶対値が1.2以下であった。また、実施例9〜12の各光制御フィルムのヘーズは何れも70%以上であり、良好な正面輝度を得るため必要な光学特性を満たしていた。
次に、光制御フィルム(9)〜(12)を15インチエッジライト型バックライト装置(冷陰極管上下各1灯)に組み込み、正面輝度を測定した。すなわち、光制御フィルム(9)〜(12)の凹凸面が光出射面となるようにして導光板上に設置し、バックライト装置の中央における光源(冷陰極管)と平行方向と垂直方向における出射角度ごとの輝度を測定した(1インチ=2.54cm)。光制御フィルム(9)〜(12)について得られた結果を表8に示す(単位は「cd/m」)。
表8の結果から、実施例9〜12の光制御フィルムは、バックライト装置に1枚組み込んだのみで、出射角30度以内の輝度を高くすることができ、正面方向に対し高い出射光が得られることが示された。
[実施例13〜16]
レーザー微細加工技術により所定の凹凸を形成した4種類の型(13)〜(16)を作製し、型(13)〜(15)には屈折率1.50の紫外線硬化型樹脂を、一つの型(16)には屈折率1.40のシリコーン樹脂を流し込んだ。次いで、流し込んだ樹脂を硬化させた後、型から取り出して、23cm×31cmの光制御フィルム(13)〜(16)を得た。
次いで、実施例9〜12と同様に光制御フィルム(13)〜(16)の凹凸面(光出射面)の表面高さデータを測定した。測定は、各光制御フィルム上の任意の5箇所で行い、得られた表面高さデータを用いて曲面の傾きの平均(θnv)を算出した。さらに、同じ表面高さデータを用い、上記式(6)によりAkuを算出した。光制御フィルム(13)〜(16)について得られた結果を表9に示す(傾きの単位は「度」)。また、濁度計(NDH2000:日本電色工業社)により、光制御フィルム(13)〜(16)のヘーズをJIS K7136:2000に従い測定した結果を合わせて表9に示す。
表9からわかるように、実施例13〜16の光制御フィルムは、全ての測定点において曲面の傾きの平均(θnv)が27度以上70度以下であった。また、全てのAkuが1.5以上5.0以下であった。また、実施例13〜16の各光制御フィルムのヘーズは何れも70%以上であり、良好な正面輝度を得るため必要な光学特性を満たしていた。
次に、光制御フィルム(13)〜(16)を15インチエッジライト型バックライト装置(冷陰極管上下各1灯)に組み込み、正面輝度を測定した。すなわち、光制御フィルム(13)〜(16)の凹凸面が光出射面となるようにして導光板上に設置し、バックライト装置の中央における光源(冷陰極管)と平行方向と垂直方向における出射角度ごとの輝度を測定した(1インチ=2.54cm)。光制御フィルム(13)〜(16)について得られた結果を表10に示す(単位は「cd/m」)。
表10の結果から、実施例13〜16の光制御フィルムは、バックライト装置に1枚組み込んだのみで、出射角30度以内の輝度を高くすることができ、正面方向に対し高い出射光が得られることが示された。
[比較例4〜6]
レーザー微細加工技術により所定の凹凸を形成した3種類の型(17)〜(19)を作製し、型に屈折率1.50の紫外線硬化型樹脂を流し込んだ。次いで、流し込んだ樹脂を硬化させた後、型から取り出して、23cm×31cmの光制御フィルム(17)〜(19)(比較例4〜6の光制御フィルム)を得た。
次いで、実施例9〜12と同様に光制御フィルム(17)〜(19)の凹凸面(光出射面)の表面高さデータを測定した。測定は各光制御フィルム上の任意の5箇所で行い、得られた表面高さデータを用いて曲面の傾きの平均(θnv)を算出した。さらに、同じ表面高さデータを用い、上記式(5)によりAskを算出した。光制御フィルム(17)〜(19)について得られた結果を表11に示す(傾きの単位は「度」)。
表11からわかるように、比較例4〜6の光制御フィルム(17)〜(19)は、全ての測定箇所で曲面の傾きの平均(θnv)が27度以上70度以下である。しかしながら、全てのAskの絶対値が1.2より大きい。
次に、光制御フィルム(17)〜(19)を15インチエッジライト型バックライト装置(冷陰極管上下各1灯)に組み込み、正面輝度を測定した。すなわち、光制御フィルム(17)〜(19)の凹凸面が光出射面となるようにして導光板上に設置し、バックライト装置の中心における光源(冷陰極管)と平行方向と垂直方向における出射角度ごとの輝度を測定した(1インチ=2.54cm)。光制御フィルム(17)〜(19)について得られた結果を表12に示す(単位は「cd/m」)。
表12の結果から、比較例4〜6の光制御フィルムは、バックライト装置に組み込んだ場合の正面輝度が十分でないことがわかった。
[比較例7〜9]
レーザー微細加工技術により所定の凹凸を形成した3種類の型(20)〜(22)を作製し、型に屈折率1.50の紫外線硬化型樹脂を流し込んだ。次いで、流し込んだ樹脂を硬化させた後、型から取り出して、23cm×31cmの光制御フィルム(20)〜(22)(比較例7〜9の光制御フィルム)を得た。
次いで、実施例9〜12と同様に光制御フィルム(20)〜(22)の凹凸面(光出射面)の表面高さデータを測定した。測定は各光制御フィルム上の任意の5箇所で行い、得られた表面高さデータを用いて曲面の傾きの平均(θnv)を算出した。さらに、同じ表面高さデータを用い、上記式(6)によりAkuを算出した。光制御フィルム(20)〜(22)について得られた結果を表13に示す(傾きの単位は「度」)。
表13からわかるように、比較例7〜9の光制御フィルム(20)〜(22)は、全ての測定箇所で曲面の傾きの平均(θnv)が27度以上70度以下であった。しかしながら、全てのAkuが1.5より小さいか5.0より大きかった。
次に、光制御フィルム(20)〜(22)を15インチエッジライト型バックライト装置(冷陰極管上下各1灯)に組み込み、正面輝度を測定した。すなわち、光制御フィルム(20)〜(22)の凹凸面が光出射面となるようにして導光板上に設置し、バックライト装置の中心における光源(冷陰極管)と平行方向と垂直方向における出射角度ごとの輝度を測定した(1インチ=2.54cm)。光制御フィルム(20)〜(22)について得られた結果を順に表14に示す(単位は「cd/m」)。
表14の結果から、比較例7〜9の光制御フィルムは、バックライト装置に組み込んだ場合の正面輝度が十分でないことがわかった。
[比較例10〜11]
市販の光拡散性シート(比較例10〜11)について、実施例と同様にフィルム上の任意の5点で凹凸面(光出射面)の表面高さデータを測定し、曲面の傾きの平均(θnv)を求めた。さらに、同じ表面高さデータを用い、上記式(5)に示したAskと、上記式(6)に示したAkuを求めた。比較例10〜11の光拡散性シートについて得られた結果を表15に示す。
表15からわかるように、比較例10〜11の光拡散性シートは、全ての測定点において、曲面の傾きの平均(θnv)が27度以上70度以下にならないものであった。
次いで、比較例10〜11の光拡散性シートを15インチエッジライト型バックライト装置(冷陰極管上下各1灯)に組み込み、正面輝度を測定した。すなわち、比較例10〜11の光拡散性シートの凹凸面が光出射面となるようにして導光板上に設置し、バックライト装置の中心における光源(冷陰極管)と平行方向と垂直方向における出射角度ごとの輝度を測定した(1インチ=2.54cm)。結果を表16に示す。
表16の結果からもわかるように、従来の光拡散性シートをバックライト装置に組み込んだ場合には、良好な正面輝度を得ることはできなかった。
以上の実施例からも明らかなように、実施例の光制御フィルムは、凹凸面を特定の構成を満たすようにしたことにより、正面輝度に優れ、適度の光拡散性を備えたものであった。また、このような光制御フィルムをバックライト装置に組み込むことにより、正面輝度が高く、ぎらつきや干渉パターンの発生のないバックライト装置とすることができた。
[実施例17〜20]
レーザー微細加工技術により所定の凹凸を形成した4種類の型(23)〜(26)を作製し、(23)〜(25)の型には屈折率1.50の紫外線硬化型樹脂、(26)の型には、屈折率1.40のシリコーン樹脂を流し込んだ。次いで、流し込んだ樹脂を硬化させた後、型から取り出して、23cm(光源と垂直方向)×31cm(光源と平行方向)の光制御フィルム(23)〜(26)(実施例17〜20の光制御フィルム)を得た。
次いで、レーザー顕微鏡(VK−9500:キーエンス社)により光制御フィルム(23)〜(26)の凹凸面(光出射面)の高さデータを50倍の対物レンズを使用して測定した。平面内の測定間隔は約0.26μmである。50倍の対物レンズの1視野は270μm×202μmであるため、自動連結機能を利用し、1mm×1mmの領域の表面高さデータを得た。測定は、各光制御フィルム上の任意の5箇所で行い、得られた表面高さデータを用い、凹凸面の表面積(A2)を求め、測定した凹凸面の正射影の面積(A1)との比(A=A2/A1)を算出した。さらに、同じ表面高さデータを用い、上記式(5)によりAskを算出した。光制御フィルム(23)〜(26)について得られた結果を表17に示す。また、濁度計(NDH2000:日本電色工業社)により、光制御フィルム(23)〜(26)のヘーズをJIS K7136:2000に従い測定した結果も合わせて表17に示す。
表17からわかるように、実施例17〜20の光制御フィルム(23)〜(26)は、全ての測定点において面積の比Aが1.2以上2.5以下であった。また、全てのAskの絶対値が1.2以下であった。また、実施例17〜20の各光制御フィルムのヘーズは何れも70%以上であり、良好な正面輝度を得るため必要な光学特性を満たしていた。
次に、光制御フィルム(23)〜(26)を15インチエッジライト型バックライト装置(冷陰極管上下各1灯)に組み込み、正面輝度を測定した。すなわち、光制御フィルム(23)〜(26)の凹凸面が光出射面となるようにして導光板上に設置し、バックライト装置の中央における光源(冷陰極管)と平行方向と垂直方向における出射角度ごとの輝度を測定した(1インチ=2.54cm)。光制御フィルム(23)〜(26)について得られた結果を表18に示す(単位は「cd/m」)。
表18の結果から、実施例17〜20の光制御フィルム(23)〜(26)は、バックライト装置に1枚組み込んだのみで、出射角30度以内の輝度を高くすることができ、正面方向に対し高い出射光が得られることが示された。
[実施例21〜24]
レーザー微細加工技術により所定の凹凸を形成した4種類の型(27)〜(30)を作製し、型(27)〜(29)には屈折率1.50の紫外線硬化型樹脂を、一つの型(30)には屈折率1.40のシリコーン樹脂を流し込んだ。次いで、流し込んだ樹脂を硬化させた後、型から取り出して、23cm×31cmの光制御フィルム(27)〜(30)(実施例21〜24の光制御フィルム)を得た。
次いで、実施例17〜20と同様に光制御フィルム(27)〜(30)の凹凸面(光出射面)の表面高さデータを測定した。測定は、各光制御フィルム上の任意の5箇所で行い、得られた表面高さデータを用い、凹凸面の表面積(A2)を求め、測定した凹凸面の正射影の面積(A1)との比(A=A2/A1)を算出した。さらに、同じ表面高さデータを用い、上記式(6)によりAkuを算出した。光制御フィルム(27)〜(30)について得られた結果を表19に示す(傾きの単位は「度」)。また、濁度計(NDH2000:日本電色工業社)により、光制御フィルム(27)〜(30)のヘーズをJIS K7136:2000に従い測定した結果を合わせて表19に示す。
表19からわかるように、実施例21〜24の光制御フィルムは、全ての測定点において面積の比Aが1.2以上2.5以下であった。また、全てのAkuが1.5以上5.0以下であった。また、実施例21〜24の各光制御フィルム(27)〜(30)のヘーズは何れも70%以上であり、良好な正面輝度を得るため必要な光学特性を満たしていた。
次に、光制御フィルム(27)〜(30)を15インチエッジライト型バックライト装置(冷陰極管上下各1灯)に組み込み、正面輝度を測定した。すなわち、光制御フィルム(27)〜(30)の凹凸面が光出射面となるようにして導光板上に設置し、バックライト装置の中央における光源(冷陰極管)と平行方向と垂直方向における出射角度ごとの輝度を測定した(1インチ=2.54cm)。光制御フィルム(27)〜(30)について得られた結果を表20に示す(単位は「cd/m」)。
表20の結果から、実施例21〜24の光制御フィルムは、バックライト装置に1枚組み込んだのみで、出射角30度以内の輝度を高くすることができ、正面方向に対し高い出射光が得られることが示された。
[比較例12〜14]
レーザー微細加工技術により所定の凹凸を形成した3種類の型(31)〜(33)を作製し、型に屈折率1.50の紫外線硬化型樹脂を流し込んだ。次いで、流し込んだ樹脂を硬化させた後、型から取り出して、23cm×31cmの光制御フィルム(31)〜(33)(比較例12〜14の光制御フィルム)を得た。
次いで、実施例17〜20と同様に光制御フィルム(31)〜(33)の凹凸面(光出射面)の表面高さデータを測定した。測定は、各光制御フィルム上の任意の5箇所で行い、得られた表面高さデータを用い、凹凸面の表面積(A2)を求め、測定した凹凸面の正射影の面積(A1)との比(A=A2/A1)を算出した。さらに、同じ表面高さデータを用い、上記式(5)によりAskを算出した。光制御フィルム(31)〜(33)について得られた結果を表21に示す(傾きの単位は「度」)。
表21からわかるように、比較例12〜14の光制御フィルム(31)〜(33)は、全ての測定点において面積の比Aが1.2以上2.5以下であった。しかしながら、全てのAskの絶対値が1.2より大きかった。
次に、光制御フィルム(31)〜(33)を15インチエッジライト型バックライト装置(冷陰極管上下各1灯)に組み込み、正面輝度を測定した。すなわち、光制御フィルム(31)〜(33)の凹凸面が光出射面となるようにして導光板上に設置し、バックライト装置の中心における光源(冷陰極管)と平行方向と垂直方向における出射角度ごとの輝度を測定した(1インチ=2.54cm)。光制御フィルム(31)〜(33)について得られた結果を表22に示す(単位は「cd/m」)。
表22の結果から、比較例12〜14の光制御フィルムは、バックライト装置に組み込んだ場合の正面輝度が十分でないことがわかった。
[比較例15〜17]
レーザー微細加工技術により所定の凹凸を形成した3種類の型(34)〜(36)を作製し、型に屈折率1.50の紫外線硬化型樹脂を流し込んだ。次いで、流し込んだ樹脂を硬化させた後、型から取り出して、23cm×31cmの光制御フィルム(34)〜(36)(比較例15〜17の光制御フィルム)を得た。
次いで、実施例と同様に光制御フィルム(34)〜(36)の凹凸面(光出射面)の表面高さデータを測定した。測定は、各光制御フィルム上の任意の5箇所で行い、得られた表面高さデータを用い、凹凸面の表面積(A2)を求め、測定した凹凸面の正射影の面積(A1)との比(A=A2/A1)を算出した。さらに、同じ表面高さデータを用い、上記式(6)によりAkuを算出した。光制御フィルム(34)〜(36)について得られた結果を表23に示す(傾きの単位は「度」)。
表23からわかるように、比較例15〜17の光制御フィルムは、全ての測定点において面積の比Aが1.2以上2.5以下であった。しかしながら、全てのAkuが1.5より小さいか5.0より大きかった。
次に、光制御フィルム(34)〜(36)を15インチエッジライト型バックライト装置(冷陰極管上下各1灯)に組み込み、正面輝度を測定した。すなわち、光制御フィルム(34)〜(36)の凹凸面が光出射面となるようにして導光板上に設置し、バックライト装置の中心における光源(冷陰極管)と平行方向と垂直方向における出射角度ごとの輝度を測定した(1インチ=2.54cm)。光制御フィルム(34)〜(36)について得られた結果を表24に示す(単位は「cd/m」)。
表24の結果から、比較例15〜17の光制御フィルムは、バックライト装置に組み込んだ場合の正面輝度が十分でないことがわかった。
[比較例18〜19]
市販の光拡散性シート(比較例18〜19)について、実施例と同様にフィルム上の任意の5点で凹凸面(光出射面)の表面高さデータを測定し、凹凸面の表面積(A2)を求め、測定した凹凸面の正射影の面積(A1)との比(A=A2/A1)を算出した。さらに、同じ表面高さデータを用い、上記式(5)に示したAskと、上記式(6)に示したAkuを求めた。比較例18〜19の各光拡散性シートについて得られた結果を表25に示す。
表25からわかるように、比較例18〜19の光拡散性シートは、全ての測定点において、面積の比Arが1.2以上2.5以下にならないものであった。
次いで、比較例18〜19の光拡散性シートを15インチエッジライト型バックライト装置(冷陰極管上下各1灯)に組み込み、正面輝度を測定した。すなわち、比較例18〜19の光拡散性シートの凹凸面が光出射面となるようにして導光板上に設置し、バックライト装置の中心における光源(冷陰極管)と平行方向と垂直方向における出射角度ごとの輝度を測定した(1インチ=2.54cm)。結果を表26に示す。
表26の結果からもわかるように、従来の光拡散性シートをバックライト装置に組み込んだ場合には、良好な正面輝度を得ることはできなかった。
また、実施例1〜24の光制御フィルムについて、凹凸面上の曲面の法線を基準面へ投影した場合の正射影と、設定した略正方形領域の1つの辺とのなす角度(φ)(−180度<φ≦180度)の平均(φave)の絶対値を測定した。具体的には、実施例1〜24の光制御フィルム上の任意の1箇所の設定した正方形領域(1mm×1mm)について、実施例1〜24と同様にして表面形状を測定し、測定された高さデータをもとに凹凸面の曲面を近似した。この曲面の予め定めた所定の複数地点の法線を基準面へ投影した場合の正射影と、設定した正方形領域の予め定めた1つの辺とのなす角φをそれぞれ求め、その平均φaveを算出し、さらにその絶対値を求めた。実施例1〜24のいずれの光制御フィルムも、φaveの絶対値が5度以下となった。さらに、設定した正方形領域をその中心を回転軸としてフィルム内で回転させて測定した高さデータにおいても、正方形領域の向きによらずφaveの絶対値が5度以下であった。
代表例として、実施例1、9、17の光制御フィルムにおいて、設定した正方形領域の向きを10度ずつ一回転させた場合のφaveの絶対値の変化を図14のグラフに示す。図14において、縦軸はφaveの絶対値、横軸は正方領域の初めの位置からの向き(度)を示し、太線1401が実施例1、細線1402が実施例9、破線1403が実施例17の光制御フィルムを示す。図14のグラフからわかるように、実施例1、9、17の光制御フィルムのφaveの絶対値はいずれも、最大でも0.5度未満であり、φaveの絶対値は5度以下であった。
このように、実施例1〜24の光制御フィルムにおいては、設定した正方形領域がいかなる向きであってもφaveの絶対値が5度以下となることから、バックライト装置に組み込んだ際も、ぎらつきを生じないものであった。
以上の実施例からも明らかなように、実施例の光制御フィルムは、凹凸面を特定の構成を満たすようにしたことにより、正面輝度に優れ、適度の光拡散性を備えたものであった。また、このような光制御フィルムをバックライト装置に組み込むことにより、正面輝度が高く、ぎらつきや干渉パターンの発生のないバックライト装置とすることができた。
本発明の光制御フィルムの実施形態を示す断面図 本発明において、形状による出射角特性の違いをシミュレートするのに用いた3次元凸部形状の断面図 本発明において、形状による出射角特性の違いをシミュレートするのに用いた3次元凸部形状の一例を示す図 本発明の実施の形態において、凸部の形状を変えて行った3次元シミュレーションの結果を示す図 本発明の実施の形態において、凸部の形状を変えて行った3次元シミュレーションの結果を示す図 本発明の実施の形態において、凸部の形状を変えて行った3次元シミュレーションの結果を示す図 本発明の実施の形態において、凸部の形状を変えて行った3次元シミュレーションの結果を示す図 本発明の実施の形態において、凸部の形状を変えて行った3次元シミュレーションの結果を示す図 本発明の実施の形態において、凸部の形状を変えて行った3次元シミュレーションの結果を示す図 本発明の実施の形態において、凸部の形状を変えて行った3次元シミュレーションの結果を示す図 本発明の実施の形態において、凸部の形状を変えて行った3次元シミュレーションの結果を示す図 本発明の光制御フィルムの凹凸面の一例を示す斜視図 本発明のバックライト装置の一実施形態を示す図 本発明のバックライト装置の一実施形態を示す図 実施例1、9、17の光制御フィルムについて測定したφaveの絶対値と設定した正方形領域の向きとの関係を示すグラフ。
符号の説明
10・・・光制御フィルム
11・・・基材
12・・・凹凸層
140・・エッジライト型バックライト装置
150・・直下型バックライト装置

Claims (9)

  1. 光出射面に凹凸面を有し、光出射面とは反対側の面を光入射面とし、光を拡散させつつ、正面から±30度の出射角範囲の輝度を他の範囲よりも高めるための光制御フィルムであって、
    前記光入射面を基準面としたとき、前記凹凸面は、表面が曲面であって高さが3〜100μmの凸部を、10個〜20万個/mm2の配置密度で前記基準面上にランダムに配置した形状であり、
    前記凸部は、前記基準面に対する前記曲面の傾きの平均(θnv)が、38度以上62度以下であり、かつ、前記曲面の表面高さから下式(1)により算出される数値(Aku)が1.6以上4.1以下であり、
    前記凹凸面上の任意の位置に設定した1mm以上の略正方形領域について求めた、前記基準面に対する前記凹凸面の曲面の傾きの平均(θnv)は、38度以上62度以下であり、かつ、
    前記略正方形領域について、前記凹凸面の表面高さから下式(1)により算出される数値(Aku)が1.6以上4.1以下である
    ことを特徴とする光制御フィルム。
    [式(1)において、mは、前記略正方形領域の前記凹凸面に設定した複数の測定点の数、ziは、i番目の測定点の表面高さから凹凸面の平均面の高さを引いた値を示す。]
  2. 請求項1に記載の光制御フィルムにおいて、前記略正方形領域について、前記凹凸面の表面高さから下式(2)により算出される数値(Ask)の絶対値が1.2以下であることを特徴とする光制御フィルム。
    [式(2)において、mは、前記略正方形領域の前記凹凸面に設定した複数の測定点の数、ziは、i番目の測定点の表面高さから凹凸面の平均面の高さを引いた値を示す。]
  3. 請求項1に記載の光制御フィルムにおいて、前記略正方形領域の面積(A1)と、前記略正方形領域の前記凹凸面の曲面の表面積(A2)の比(A=A2/A1)は、1.2以上2.5以下であることを特徴とする光制御フィルム。
  4. 請求項1または3に記載の光制御フィルムにおいて、前記略正方形領域の面積(A1)と、前記略正方形領域の前記凹凸面の曲面の表面積(A2)の比(A=A2/A1)は、次式(3)または(4)を満たすことを特徴とする光制御フィルム。
    θnv÷A≧22 ・・・(3)
    30≦θnv×A≦140 ・・・(4)
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光制御フィルムにおいて、前記凹凸面上の任意の位置に略正方形領域を設定し、前記略正方形領域内の凹凸面上の所定間隔で複数の測定点を設定した場合、それぞれの前記測定点における前記曲面の法線の前記基準面への正射影と、当該正射影と交差する前記略正方形領域の辺とのなす角度(φ)(−180度<φ≦180度)を、前記複数の測定点について平均した値φaveの絶対値は、5度以下であることを特徴とする光制御フィルム。
  6. 請求項1または2のいずれか1項に記載の光制御フィルムにおいて、前記複数の測定点は、前記凹凸面上に所定の間隔で設定されることを特徴とする光制御フィルム。
  7. 少なくとも一端部に光源が配置され、前記一端部に略直交する面を光出射面とする導光板と、前記導光板の光出射面に配置される光制御フィルムとを備えたバックライト装置において、前記光制御フィルムとして、請求項1から6のいずれか1項記載の光制御フィルムを使用したことを特徴とするバックライト装置。
  8. 前記光制御フィルムと前記導光板との間に、プリズムシートを使用したことを特徴とする請求項7記載のバックライト装置。
  9. 光源と、前記光源の一方の側に配置される光拡散板と、前記光拡散板の、前記光源とは別の側に配置される光制御フィルムとを備えたバックライト装置において、前記光制御フィルムとして、請求項1から6のいずれか1項記載の光制御フィルムを使用したことを特徴とするバックライト装置。
JP2006510694A 2004-03-03 2005-03-02 光制御フィルムおよびそれを用いたバックライト装置 Active JP5113383B2 (ja)

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