JP2016090946A - 光学部材、光学部材の製造方法、密着防止層形成用原版の製造方法、面光源装置、映像源ユニット、及び液晶表示装置 - Google Patents

光学部材、光学部材の製造方法、密着防止層形成用原版の製造方法、面光源装置、映像源ユニット、及び液晶表示装置 Download PDF

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恵範 林田
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Abstract

【課題】他の部材との密着が抑制され、且つ表示画像のギラツキを抑制することができる光学部材及びその製造方法、並びに当該光学部材を用いた面光源装置、映像源ユニット及び液晶表示装置を提供する。
【解決手段】光透過性を有するシート状の本体部と、前記本体部の一方の面側に配置され、前記本体部側とは反対側の表面に複数の凸状の単位光学要素が配列されてなる光制御層と、前記本体部の他方の面側に配置された密着防止層と、を備え、前記密着防止層が、前記本体部側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である凹凸構造を有することを特徴とする、光学部材。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置用バックライトのプリズムシート等として用いられる光学部材及びその製造方法、前記光学部材の製造に用いられる密着防止層形成用原版の製造方法、並びに前記光学部材を備える面光源装置、映像源ユニット、及び液晶表示装置に関するものである。
近年、液晶表示装置等のディスプレイにおいては、光を屈折、回折、干渉又は分散等させることにより、集光、収束、拡散、偏光又は反射等させる機能を有する光学部材が用いられている。
このような光学部材としては、例えば、液晶表示装置等のバックライトに用いられるプリズムシート、立体写真や投影スクリーン等に用いられるレンチキュラーレンズシート、オーバーヘッドプロジェクターのコンデンサーレンズ等に用いられるフレネルレンズシート及びカラーフィルタ等に用いられる回折格子等を挙げることができる。
光学部材は、通常、基材と、当該基材上に、所定の屈折率を備え表面に単位プリズム又は単位レンズ等の凸状の単位光学要素を複数配列した微細な凹凸形状を有する。このような光学部材は、その凹凸形状において光を屈折若しくは反射等の幾何光学的作用によって、又は回折等の波動光学的作用によって変調させることによって、所望の機能を発現するものであり、用途に応じてその凹凸形状を構成する樹脂材料及び単位光学要素の形状が決定される。
光学部材においては、視野角の広域化や干渉縞の防止等が求められ、所望の機能を付与するために更に機能層を設ける場合がある。
例えば特許文献1には、入光面にプリズム状レンズ部を備えたレンズフィルムにおいて、視野角を広くするために、出光面に拡散効果のある光拡散層を設けた旨が記載されており、光拡散層は、ビーズ等の光拡散剤を含む旨が記載されている。
また、特許文献2には、シート状の基部層と、前記基部層のシート面と平行な方向に並べられた複数の単位形状要素を有する光制御層との間に、光拡散層を配置した光学シートにおいて、前記光拡散層が、粒子の単体が凝集してなる凝集体を含むことにより、単体粒子のみを含む場合と比較して、光学シートの単位形状要素が他の部材と接触した際に生じる縞模様を目立たなくさせることができる旨が記載されている。
一方で、特許文献3には、表面に単位プリズム又は単位レンズを複数配列した透光性基材の裏面を、透光性材料からなるコーティング層により覆った光学シートにおいて、コーティング層に含まれる球状ビーズがコーティング層の表面から突出していることにより、導光体等の透光性材料との間に隙間が発生するため、球状ビーズの光拡散作用とあいまって、導光板との密着による干渉縞の発生が抑制される旨が記載されている。
特開平10−160914号公報 特開2010−256844号公報 特開平11−133214号公報
このように、表示装置等に用いられる光学部材においては、視野角の広域化や他の部材との密着による干渉縞の防止のため、微粒子を含有させたり、それにより表面凹凸形状を設けることが行われている。一方で、光学部材に含まれる微粒子や表面凹凸形状によって、反射光同士の干渉により輝度の面内分布が不均一になる現象、いわゆるギラツキが生じ、それにより表示画像が見づらくなることが問題になる場合がある。
従来の光学部材では、他の部材との密着を抑制する効果と、表示画像のいわゆるギラツキを抑制する効果の両方を十分に優れたものとすることは困難であった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、他の部材との密着が抑制され、且つ表示画像のギラツキを抑制することができる光学部材及びその製造方法、並びに当該光学部材を用いた面光源装置、映像源ユニット及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光学部材は、光透過性を有するシート状の本体部と、
前記本体部の一方の面側に配置され、前記本体部側とは反対側の表面に複数の凸状の単位光学要素が配列されてなる光制御層と、
前記本体部の他方の面側に配置された密着防止層と、を備え、
前記密着防止層が、前記本体部側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である凹凸構造を有することを特徴とする。
本発明に係る光学部材は、前記密着防止層が、平均半径0.5μm以上5μm未満の略球状粒子が2個以上集合してなる集合体を含有するものとすることができ、この場合、前記集合体に追従してなる、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部の個数の比率が、前記密着防止層の前記凹凸構造が備える全突起部中の1.0%であることが好ましい。これにより、前記密着防止層の前記特定の凹凸構造を容易に形成することができ、また、前記集合体に追従してなる前記突起部の個数の比率が前記下限値以上であることにより、他の部材との密着を抑制し、表示画像のギラツキを抑制する効果がさらに向上する。
本発明に係る光学部材は、前記密着防止層の前記凹凸構造が、前記凹凸構造を反転した反転構造を有する密着防止層形成用原版を用いて賦型処理をすることにより形成されてなり、前記密着防止層が略球状粒子を含有しないものとすることができる。前記凹凸構造を賦型処理により形成することにより、本発明に係る光学部材を大量生産したときに、各光学部材が有する前記凹凸構造を均質なものとすることができるため、量産安定性が向上する点で好ましい。また、前記密着防止層が略球状粒子を含有しないことにより、当該略球状粒子の脱落による異物発生がないため、輝点発生等の異物による不具合がない点で好ましい。
本発明に係る光学部材は、前記密着防止層が、前記本体部側とは反対側の表面に、前記突起部を500個/mm以上の密度で備えることが、他の部材との密着を抑制し、表示画像のギラツキを抑制する効果がさらに向上する点から好ましい。
本発明に係る光学部材の第一の製造方法は、光透過性を有するシート状の本体部と、
前記本体部の一方の面側に配置され、前記本体部側とは反対側の表面に複数の凸状の単位光学要素が配列されてなる光制御層と、
前記本体部の他方の面側に配置された密着防止層と、を備える光学部材の製造方法であって、
前記本体部を準備する工程と、
前記本体部の一方の面側に、前記光制御層を形成する工程と、
前記本体部の他方の面側に、平均半径0.5μm以上5μm未満の略球状粒子が2個以上集合してなる集合体を含有する密着防止層形成用組成物を塗布し、硬化することにより、前記本体部側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部を有する複数の突起部を備え、前記集合体に追従してなる、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部の個数の比率が、前記密着防止層の前記凹凸構造が備える全突起部中の1.0%以上であり、十点平均粗さRzが1.0μm以上である凹凸構造を有する前記密着防止層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る光学部材の第二の製造方法は、光透過性を有するシート状の本体部と、
前記本体部の一方の面側に配置され、前記本体部側とは反対側の表面に複数の凸状の単位光学要素が配列されてなる光制御層と、
前記本体部の他方の面側に配置された密着防止層と、を備える光学部材の製造方法であって、
前記本体部を準備する工程と、
前記本体部の一方の面側に、前記光制御層を形成する工程と、
平均半径0.5μm以上5μm未満の略球状粒子が2個以上集合してなる集合体を含有する基準原版形成用組成物を、基材上に塗布し、硬化することにより、前記基材側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、前記集合体に追従してなる、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である基準凹凸構造を有する基準原版を形成する工程と、
前記基準原版を用いて賦型処理をすることにより、前記基準原版が有する前記基準凹凸構造を反転した反転構造を表面に有する密着防止層形成用原版を形成する工程と、
前記密着防止層形成用原版を用いて賦型処理をすることにより、前記本体部側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である凹凸構造を有する前記密着防止層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る密着防止層形成用原版の製造方法は、平均半径が0.5μm以上5μm未満の略球状粒子が2個以上集合してなる集合体を含有する基準原版形成用組成物を、基材上に塗布し、硬化することにより、前記基材側とは反対側の表面に、前記集合体に追従してなる、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である基準凹凸構造を有する基準原版を形成する工程と、
前記基準原版を用いて賦型処理をすることにより、前記基準原版が有する前記基準凹凸構造を反転した反転構造を表面に有する密着防止層形成用原版を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る面光源装置は、光源と、前記光源から出射した光を導光する導光板と、前記導光板の出光面側に配置されるプリズムシートと、を備え、前記プリズムシートが、前記本発明に係る光学部材であることを特徴とする。
本発明に係る映像源ユニットは、前記本発明に係る面光源装置と、前記面光源装置の出光側に配置された液晶パネルと、を備えることを特徴とする。
本発明に係る液晶表示装置は、前記本発明に係る映像源ユニットと、前記映像源ユニットを内包する筐体と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、他の部材との密着が抑制され、且つ表示画像のギラツキを抑制することができる光学部材及びその製造方法、並びに当該光学部材を用いた面光源装置、映像源ユニット及び液晶表示装置を提供することができる。
本発明に係る光学部材の一例を示した模式的な斜視図である。 本発明に係る光学部材の層構成の一例を示した模式的な断面図である。 図2に示す密着防止層20が備える突起部23を拡大した図である。 本発明に係る光学部材の第一の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明に係る光学部材の第二の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明に係る液晶表示装置の外観斜視図である。 本発明に係る映像源ユニットを説明する分解斜視図である。 図7に示す映像源ユニットのIII−IIIに沿った断面を示す分解図である。 図7に示す映像源ユニットのIV−IVに沿った断面を示す分解図である。 実施例に用いた単位プリズムの形状を説明する図である。 従来の光学部材が備えるコーティング層の表面の断面図を拡大した図である。 従来の光学部材が備えるコーティング層の表面の断面図を拡大した図である。
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
なお、フィルムとシートのJIS−K6900での定義では、シートとは薄く一般にその厚さが長さと幅の割りには小さい平らな製品をいい、フィルムとは長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通例、ロールの形で供給されるものをいう。したがって、シートの中でも厚さの特に薄いものがフィルムであるといえるが、シートとフィルムの境界は定かではなく、明確に区別しにくいので、本発明では、厚みの厚いもの及び薄いものの両方の意味を含めて、「シート」と定義する。また、本発明においては、厚さが厚くて完全に曲がらない板状のものも「シート」に含まれるものとする。
本発明において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「円」、「同一」等の用語については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本発明において、硬化するとは、化学反応を経て又は経ないで、固化することをいう。
本発明において電離放射線とは、分子を重合させて硬化させ得るエネルギーを有する電磁波または荷電粒子を意味し、例えば、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線等が挙げられる。
本発明において、固形分とは、溶剤を除いたすべての成分を表す。
<光学部材>
本発明に係る光学部材は、光透過性を有するシート状の本体部と、
前記本体部の一方の面側に配置され、前記本体部側とは反対側の表面に複数の凸状の単位光学要素が配列されてなる光制御層と、
前記本体部の他方の面側に配置された密着防止層と、を備え、
前記密着防止層が、前記本体部側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である凹凸構造を有することを特徴とする。
前記本発明に係る光学部材について、図を参照して説明する。なお、図1以下の図面では、説明の便宜上、縦横の寸法比及び各層間の寸法比は適宜、実寸とは変えて誇張して図示してある。
図1は、本発明に係る光学部材の一例を示した模式的な斜視図である。図1に示す光学部材100は、本体部10と、本体部10の一方の面に配置され、本体部10側とは反対側の表面に複数の凸状の単位光学要素31が配列されてなる光制御層30と、本体部10の他方の面側に配置され、本体部10側とは反対側の表面に、複数の突起部23を備えた凹凸構造21を有する密着防止層20を備える。突起部23は、図1には示さないが、略球状面の一部からなる頂部を有する。
図2は、本発明に係る光学部材の層構成の一例を示した模式的な断面図であり、図1に示す光学部材100と同様の層構成を有する。また、図2に示す密着防止層20が備える突起部23は、略球状面の一部からなる面を2つ以上(ここでは24a、24b、24cの3つ)組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、このような突起部の場合、本体部とは反対側の最表面側に配置される面24bが、当該突起部23の頂部22となる。
また、図3に、図2に示す密着防止層20が備える突起部23を拡大した図を示す。
本発明に係る光学部材は、光制御層を有する面とは反対側の面に、特定の形状及び大きさの頂部を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、且つ十点平均粗さRzが特定値以上である凹凸構造を有する密着防止層を備えることにより、当該密着防止層側の面と導光板等の他の部材との密着を防止し、さらに、表示画像のギラツキを抑制することができる。
従来、光学部材において、特許文献3のように、球状ビーズを分散させて用いて表面が凹凸形状を有することにより、他の部材との密着を防止しようとすると、表示画像のギラツキが発生しやすくなり、表示画像のギラツキを抑制しようとすると、十分な密着防止効果が得られなかった。これは、粒子を含有する層により密着防止効果を向上しようとすると、表面の凹凸形状が有する突起部の高さを高くする必要が生じ、そのため図11に示すように、半径の大きい粒子を用いると、突起部の曲率半径も大きくなるため、当該突起部のレンズ効果により輝度が一律ではなくなってしまい、その結果ギラツキが発生すると考えられる。一方で、ギラツキを抑制するために、図12に示すように、半径の小さい粒子を用いて突起部の曲率半径を小さくすると、表面の凹凸形状が有する突起部の高さが低くなってしまうため、十分な密着防止効果が得られ難いと考えられる。
これに対し、本発明に係る光学部材は、密着防止層表面の凹凸構造が有する突起部が、前記特定の形状及び大きさの頂部を有し、例えば図3に示す突起部のような、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含むことにより、各突起部によるレンズ効果が小さいため、表示画像のギラツキが生じ難く、更に、各突起部の頂部の曲率半径は小さいが、各突起部の高さは十分に高くでき、十点平均粗さRzが前記特定値以上であることから、密着防止効果にも十分に優れると考えられる。
以下、本発明に係る光学部材の必須の構成要素である本体部、光制御層及び密着防止層について説明する。
(本体部)
本発明に用いられる本体部は、光透過性を有するシート状の樹脂製本体部であり、本発明に係る光学部材の支持体となるものである。前記本体部としては、従来、表示装置に組み込まれる光学部材に用いられている樹脂製の光透過性基材を適宜選択して用いることができる。
なお、本発明に用いられる本体部において、光透過性とは、可視光領域(380〜780nm)における平均透過率が80%以上である場合をいう。本体部の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。また、本発明において平均透過率とは、規定した波長領域にわたる10nm間隔での透過率の測定値の平均とする。
前記本体部に用いられる樹脂としては、従来用いられているものの中から適宜選択することができ、特に限定はされないが、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等を挙げることができ、中でも、光透過性に優れ、密着防止層及び光制御層の形成の際に、硬化反応が効率良く進行する点、機械的特性に優れる点及び耐飛散性に優れる点から、前記樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。なお、前記樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明に用いられる本体部は、前記本体部に含まれる全固形分のうち、樹脂の含有量が50質量%以上であればよく、必要に応じて酸化防止剤、難燃剤等の添加剤を含んでいてもよい。
前記本体部の厚さは、本発明に係る光学部材の用途に応じて適宜調整することができ、特に限定はされないが、通常、25〜300μmである。
(光制御層)
本発明に係る光学部材は、前記本体部の一方の面に配置され、前記本体部側とは反対側の表面に複数の凸状の単位光学要素が配列されてなる光制御層を有する。
前記単位光学要素の形状は、要求される性能に応じて適宜選択又は設定すれば良い。前記単位光学要素の形状は、具体的には本発明に係る光学部材を搭載する装置によって選択され、前記光制御層が、例えば、プリズム、レンチキュラーレンズ、フレネルレンズ等のレンズ、回折格子等となるように、適宜選択又は設定することができる。
例えば、本発明に係る光学部材をプリズムシートとして用いる場合、前記光制御層の具体的な形状(構造)としては、前記単位光学要素として、三角柱(図2参照)、四角柱、五角柱等の角柱状の単位プリズムを有し、当該単位プリズムを、その稜線方向(延在方向)と直交する方向に多数配列したもの(プリズム線状配列)が挙げられる。上述したような角柱状の単位プリズムの場合、光制御層の厚さT2は、その稜線方向で均一であっても良いし、均一でなくとも良い。例えば、周縁部に近いほど高く、中央部に近いほど低いというように稜線方向で異なっていても良い。
この他、本発明に係る光学部材をプリズムシートとして用いる場合の光制御層の具体的な形状の一例としては、前記単位光学要素として、円錐、円錐台又は三角、四角、五角若しくは六角等の角錐又は角錐台等の単位光学要素を前記本体部とは反対側の面に二次元的に複数配列したものが挙げられる。
前記本体部の平面の法線方向(以下、単に「厚さ方向」という。)における単位プリズムの断面の形状は図2のように二等辺三角形としても良いし、図示はしないが不等辺三角形としても良いし、曲線や折れ線等からなる略三角形としても良い。
厚さ方向の断面における三角形の単位プリズムの頂角の値は、図2のように90°でも良いし、それ以外の角度であっても良く、40〜120°の範囲で調節することができる。
前記単位プリズムの頂部は図1及び図2のような尖った形状でも良いし、図示しないが厚さ方向の断面の頂部近傍が曲率半径1〜10μmの円(すなわち鈍い頂点)でも良い。厚さ方向断面の単位プリズムの頂部がこのような鈍い頂点であれば、力学的及び幾何学的に頂部に集中する応力を分散させ、頂部の変形、欠け又は山潰れを低減乃至抑制し得る。
その他の本発明に係る光学部材をレンズシートとして用いる場合の前記光制御層の具体的な形状の一例としては、前記単位光学要素として、半円柱又は半楕円柱等の曲面柱状の単位レンズを、その稜線方向(延在方向)と直交する方向に多数配列したもの(レンチキュラーレンズ)、前記単位光学要素として、半球又は回転楕円体の半裁形状等の曲面状の単位レンズを、前記本体部の他方の面に二次元的に複数配列したもの(モスアイレンズ)、及び環状又は線状のフレネルレンズ等が挙げられる。これらの光制御層の形状としては、適宜公知の形状を採用すればよい。
光制御層の厚さT2(図2に示すように単位光学要素31の凸状頂部から本体部10側の面までの長さ(稜線方向で厚さが異なる場合は最大となる箇所の厚さ))は、要求される性能に応じて適宜調節すれば良く、通常、5〜500μmである。
また、前記光制御層は、可視光領域(380〜780nm)における平均透過率が80%以上であることが好ましい。前記光制御層の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
前記光制御層は、特に限定はされないが、少なくとも樹脂を含有する光制御層形成用組成物の硬化物からなるものとすることができる。
前記樹脂としては、例えば、ポリオール化合物とイソシアネート化合物とから成る2液硬化ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系等の熱硬化性樹脂、或いは、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系等の電離放射線硬化型樹脂等を挙げることができる。前記樹脂としては、中でも、成形性に優れる点から、電離放射線硬化型樹脂を用いることが好ましい。
前記光制御層形成用組成物は、必要に応じて、更に、溶剤、並びに重合開始剤、安定化剤、離型剤、シリコーン、酸化防止剤、重合禁止剤、増粘剤、帯電防止剤、紫外線安定剤及び消泡剤等の添加剤等を含有していてもよい。
前記光制御層は、前記本体部の一方の面側に、前記光制御層形成用組成物からなる塗膜を形成し、当該塗膜の表面に光制御層形成用原版を押圧して、前記本体部の他方の面側から光を照射することによって当該塗膜を硬化させ、前記光制御層形成用原版を剥離し、複数の前記単位光学要素が配列されてなる形状を賦型することにより、形成することができる。
前記光制御層形成用原版としては、複数の前記単位光学要素が配列されてなる形状を反転した構造を有するものであれば特に限定はされない。
前記光制御層形成用原版の材料としては、特に限定はされず、例えば、鉄、鉄合金、ニッケル、銅等の金属、炭素鋼等の金属合金、シリコン樹脂等の樹脂、セラミックス等及びこれらの材料の積層構造体等が挙げられる。中でも、前記光制御層形成用金型は、耐変形性および耐摩耗性に優れている点から、金属製であることが好ましい。
前記光制御層形成用原版の作製方法としては、例えば特開2013−3258号公報に記載されるような方法等を用いて、前記単位光学要素の形状に合わせて適宜公知の方法を選択することができ、具体的には例えば、ロール状の母材の表面を旋盤を用いて切削し、所望の単位光学要素の形状を反転させた形状を形成することにより、前記光制御層が有する複数の前記単位光学要素が配列されてなる形状を反転した構造を形成する方法等が挙げられる。
(密着防止層)
前記密着防止層は、前記本体部側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である凹凸構造を有する。本発明に係る光学部材は、前記密着防止層が備える突起部が、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値を前記範囲内とする頂部を有することから、表示画像のギラツキを抑制することができる。また、本発明に係る光学部材は、前記密着防止層の前記凹凸構造の十点平均粗さRzが前記下限値以上であることから、前記密着防止層側表面において、他の部材との密着が抑制される。また、前記突起部が、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含むことにより、前記突起部の頂部の形状及び大きさを前記特定のものとし、且つ前記十点平均粗さRzを前記特定値以上とすることが容易になる。
ここで、略球状とは、回転楕円体や、多面体等をも含めた球体に近似できる形状を意味し、球状(真球状)も包含する概念である。前記突起部の頂部が、球状面以外の略球状面の一部である場合は、前記曲率半径は、外接球の一部の曲率半径に近似することとする。
前記密着防止層の前記凹凸構造が備える前記突起部の頂部の曲率半径の平均値は、0.5μm以上5μm未満であり、表示画像のギラツキを更に抑制する点から、3.0μm以下であることがより好ましい。
なお、前記突起部の頂部の曲率半径は、前記密着防止層の断面及び表面を走査型電子顕微鏡(SEM)等の電子顕微鏡によって観察することにより測定することができ、好ましくは5個以上の突起部について、本体部とは反対側の最表面側となる頂部における曲率半径を測定し、その測定値の平均値を、突起部の頂部における曲率半径の平均値とすることができる。
また、前記密着防止層の前記凹凸構造の十点平均粗さRzは、1.0μm以上であり、他の部材との密着がさらに抑制される点から、1.5μm以上であることが好ましく、突起部の傷つき防止等の観点から、5.0μm以下であることが好ましく、3.0μm以下であることがより好ましい。
なお、本発明において十点平均粗さRzは、JIS B0601−1994に準拠して、例えば、表面粗さ測定器(例えば(株)小坂研究所製の型番SE−3400等)を用いて、下記の条件にて測定することにより得ることができる。
1)表面粗さ検出部の触針:
型番/SE2555N(2μ標準)(株)小坂研究所製
(先端曲率半径2μm/頂角:90度/材質:ダイヤモンド)
2)表面粗さ測定器の測定条件:
基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
触針の送り速さ:0.1mm/s
前記密着防止層の前記凹凸構造が備える複数の突起部は、図2及び図3に示す突起部23のような、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含むことにより、前記突起部の頂部の曲率半径の平均値が前記特定の範囲内になりやすく、また、前記十点平均粗さRzも前記特定値以上になりやすいため、他の部材との密着を抑制し、且つ表示画像のギラツキを抑制する効果を奏する。
略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部においては、2つ以上の略球状面の一部からなる面の中で本体部とは反対側の最表面側に配置される面24bが、当該突起部23の頂部22となる。
なお、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部は、例えば、前記密着防止層に平均半径0.5μm以上5μm未満の略球状粒子が2個以上集合してなる集合体を含有させることにより形成することもできるし、前記突起部を反転した形状を有する原版を用いた賦型処理により形成することもでき、その形成方法は特に限定されない。
また、他の部材との密着を抑制し、且つ表示画像のギラツキを抑制する効果がさらに向上する点から、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部の個数の比率は、前記密着防止層の前記凹凸構造が備える全突起部中の1.0%以上であることが好ましく、3.0%以上であることがより好ましく、5.0%以上であることが更により好ましい。また、前記比率は、特に限定はされないが、20%以下であることが好ましい。略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部が、前記密着防止層に前記集合体を含有させることにより形成されてなる場合、前記比率が前記上限値を超えると、光学部材の取り扱い時の擦れや、他部材の接触等により、略球状粒子が表面から脱落するおそれがあり、それによる輝点発生等の不具合が生じるおそれがある。
また、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部は、ギラツキを抑制する点から、底面の長径(図3でいうW)の平均が、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることがさらにより好ましい。底面が大きくなると曲率半径の大きい表面を有する突起部ができてしまい、ギラツキの原因となってしまう場合があるからである。また、前記突起部の底面の長径の平均は、特に限定はされないが、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。ここで、突起部の底面の長径とは、当該底面が有する最も長い部分の距離をいう。
また、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部の高さ(図3でいうH)の平均は、密着防止の点から、1.0μm以上であることが好ましく、1.5μm以上であることがより好ましい。また、前記突起部の高さの平均は、特に限定はされないが、前記突起部が、前記密着防止層に前記集合体を含有させることにより形成されてなる場合は、略球状粒子の脱落が防止される点から、30μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。
また、前記突起部は、頂部の曲率半径の平均値が、底面の長径(W)の1/2(W/2)の平均よりも小さいことが好ましく、底面の長径(W)の1/2(W/2)の平均に対する頂部の曲率半径の平均値の比率が10%〜70%であることがより好ましく、30%〜70%であることが更により好ましい。
前記密着防止層は、前記本体部側とは反対側の表面に、他の部材との密着を抑制し、且つ表示画像のギラツキを抑制する効果がさらに向上する点から、突起部を、500個/mm以上の密度で備えることが好ましく、1000個/mm以上の密度で備えることがより好ましい。また、前記突起部の密度は、特に限定はされないが、通常10000個/mm以下である。
また、他の部材との密着を抑制し、且つ表示画像のギラツキを抑制する効果がさらに向上する点から、前記密着防止層は、前記本体部側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を、30個/mm以上の密度で備えることが好ましく、50個/mm以上の密度で備えることがより好ましい。また、前記表面形状を有する突起部の密度は、特に限定はされないが、通常2000個/mm以下である。
また、同様の観点から、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部であって、底面の長径(W)のが7〜30μmの範囲内であり、高さ(H)が1〜4μmの範囲内である大きさを有する突起部を、20個/mm以上の密度で備えることが好ましく、30個/mm以上の密度で備えることがより好ましい。また、前記表面形状及び前記大きさを有する突起部の密度は、特に限定はされないが、通常2000個/mm以下である。
なお、前記突起部の密度は、例えば、倍率1000倍のSEM画像より、100μm×100μmmの範囲で観察して突起部の個数を数え、当該個数を100倍することにより求めることができる。
前記密着防止層の厚さT1は、要求される性能に応じて適宜調節すれば良く、特に限定はされないが、1.0〜15.0μmであることが好ましく、1.0〜10.0μmであることがより好ましい。なお、本発明において前記密着防止層の厚さT1は、図2に示すように、凹凸構造21の凹部の最深部から本体部10側の面までの長さ、すなわち突起部を有しない部分の密着防止層の厚さ(稜線方向で厚さが異なる場合は最大となる箇所の厚さ)をいう。
前記密着防止層は、発光効率が向上する点から、ヘイズ値が50%未満であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。前記ヘイズ値は、JIS K 7105に準拠して、ヘイズメーター(例えば村上色彩研究所製、型番HM150等)を用いて測定することができる。
前記密着防止層としては、例えば、第一の実施形態として、平均半径0.5μm以上5μm未満の略球状粒子が2個以上集合してなる集合体を含有する第一の密着層形成用組成物の硬化物からなる密着防止層、及び、第二の実施形態として、略球状粒子を含有しない第二の密着層形成用組成物の硬化物からなる密着防止層を挙げることができる。
なお、略球状粒子を含有しないとは、粒径が0.38μm以上の単体粒子及び二次粒子を含有しないことをいい、粒径が0.38μm未満の極小さい粒子を含んでいてもよいことを意味する。
(第一の実施形態)
前記第一の実施形態においては、前記密着防止層の前記凹凸構造が備える複数の突起部が、前記集合体に追従してなる突起部を含むものとすることができる。これにより、前記密着防止層の前記特定の凹凸構造を容易に形成することができる。
なお、前記第一の実施形態においては、前記集合体に追従してなる突起部は、略球状面の一部からなる面を複数有し、これら複数の面の中で本体部とは反対側の最表面側に配置される面が当該突起部の頂部となる形状を有する突起部となる。
前記第一の密着層形成用組成物に含まれる前記略球状粒子としては、特に限定はされないが、例えば、ポリメタクリル酸メチル(アクリル)系ビーズ、ポリメタクリル酸ブチル系ビーズ、ポリカーボネート系ビーズ、ポリウレタン系ビーズ、炭酸カルシウム系ビーズ、シリコーン系ビーズ及びシリカ系ビーズ、アクリル−スチレン共重合体系ビーズ、ポリスチレン系ビーズ等が挙げられる。
前記略球状粒子の平均半径は、0.5μm以上5.0μm未満であることが好ましく、0.7〜3.0μmであることがより好ましい。
前記平均半径が前記下限値未満であると、密着防止効果が不十分になるおそれがあり、前記上限値を超えると、レンズ効果によりギラツキが発生してしまうおそれがある。
前記略球状粒子の半径は、前記密着防止層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)等の電子顕微鏡によって観察することにより測定することができ、好ましくは5個以上の略球状粒子の半径の平均値を、平均半径とすることができる。また、前記略球状粒子が球体以外の形状を有するときは、前記略球状粒子の半径は、当該略球状粒子の外接球の半径で近似することとする。
前記集合体を構成する前記略球状粒子の単体粒子の数は、2個以上であれば特に限定はされないが、2〜10個であることが好ましく、2〜5個であることがより好ましい。
なお、前記第一の密着層形成用組成物に含まれる前記集合体を構成する前記略球状粒子の単体粒子の数は、各集合体によって、異なっていても良いし、同一であってもよい。
前記集合体を構成する前記略球状粒子の単体粒子の数は、例えば、前記密着防止層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)等の電子顕微鏡によって観察することにより測定することができる。
前記集合体としては、略球状粒子の単体粒子を予め凝集させて得られた集合体を用いても良いし、密着防止層を形成する際に、略球状粒子の単体粒子を凝集させることにより、前記集合体を形成してもよい。
前記集合体は、例えば、略球状粒子の単体粒子を分散させた分散液において、分散時の分散剤の添加量、分散強度等を調整することにより、略球状粒子の単体粒子を予め凝集させて得ることができる。
密着防止層を形成する際に、略球状粒子の単体粒子を凝集させることにより、集合体を形成する方法としては、例えば、略球状粒子とバインダー樹脂の相溶性、及び乾燥速度等を調整することにより、集合体を形成する方法等が挙げられる。具体的には、乾燥速度が速すぎると、集合体は形成されにくく、乾燥速度が遅すぎると、生産タクトの低下、乾燥ムラの発生など生産性低下の原因となるため、例えば、密着防止層を形成するための塗膜を、好ましくは5〜20分間、より好ましくは7〜15分間で乾燥できる程度の乾燥速度により乾燥することにより、生産性を損なわずに、密着防止層中に前記集合体を形成することができる。
前記第一の密着層形成用組成物に含まれる平均半径0.5μm以上5μm未満の略球状粒子の含有量は、特に限定はされないが、前記凹凸構造を形成しやすい点から、前記第一の密着層形成用組成物の全固形分に対して3〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。
また、前記第一の実施形態においては、表示画像のギラツキを抑制する点から、前記第一の密着層形成用組成物に含まれる平均半径5μm以上の略球状粒子の含有量が、前記第一の密着層形成用組成物の全固形分に対して1質量%以下であることが好ましく、0質量%であることがより好ましい。
前記第一の密着層形成用組成物は、樹脂等のバインダー成分を含むことが、前記集合体を安定して固定できる点から好ましい。
前記樹脂としては、例えば、前記光制御層形成用組成物に用いられる樹脂と同様の樹脂を挙げることができる。中でも、前記突起部を形成しやすい点から、アクリレート系の電離放射線硬化型樹脂が好ましい。
前記第一の密着層形成用組成物は、必要に応じて、更に、溶剤、並びに重合開始剤、安定化剤、離型剤、シリコーン、酸化防止剤、重合禁止剤、増粘剤、帯電防止剤、紫外線安定剤及び消泡剤等の添加剤等を含有していてもよい。
前記密着防止層が前記第一の実施形態である場合における本発明に係る光学部材の製造方法としては、例えば、前記本体部を準備する工程と、
前記本体部の一方の面側に、前記光制御層を形成する工程と、
前記本体部の他方の面側に、平均半径0.5μm以上5μm未満の略球状粒子が2個以上集合してなる集合体を含有する密着防止層形成用組成物を塗布し、硬化することにより、前記本体部側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、前記集合体に追従してなる、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である凹凸構造を有する前記密着防止層を形成する工程と、を有する第一の製造方法を挙げることができる。
図4は、前記第一の製造方法の一例を示す概略図である。図4に示す方法においては、例えば、まず、図4の(a)に示すように、本体部10を準備する。
次いで、図4の(b)に示すように、本体部10の一方の面側に光制御層30を形成する。光制御層30の形成方法は、特に限定はされず、適宜公知の方法を選択することができる。具体的には例えば、光制御層30が有する単位光学要素31の形状を反転させた構造を有する光制御層形成用原版、及び光硬化性樹脂を含む光制御層形成用組成物を用いて、本体部の一方の面側に、光制御層形成用組成物からなる塗膜22を形成し、当該塗膜の表面に光制御層形成用原版を押圧して、本体部側から光を照射することによって、当該塗膜を硬化させ、光制御層形成用原版を剥離し、複数の凸状の単位光学要素が配列されてなる形状を賦型することにより、光制御層を形成することができる。
次いで、図4の(c)に示すように、本体部10の他方の面側に、平均半径0.5μm以上5μm未満の略球状粒子が2個以上集合してなる集合体25を含有する第一の密着防止層形成用組成物を塗布し、硬化することにより、前記本体部側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部22を有する複数の突起部23を備え、前記突起部が、前記集合体に追従してなる、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である凹凸構造21を有する密着防止層20を形成する。これにより、本発明に係る光学部材100を得ることができる。
前記集合体に追従してなる、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部の個数の比率は、他の部材との密着を抑制し、且つ表示画像のギラツキを抑制する効果がさらに向上する点から、前記密着防止層の前記凹凸構造が備える全突起部中の1.0%以上であることが好ましく、3.0%以上であることがより好ましく、5.0%以上であることが更により好ましい。また、前記比率は、20%以下であることが好ましく、これにより略球状粒子の脱落及びそれによる輝点発生等の不具合が抑制される。
前記第一の密着防止層形成用組成物を塗布する方法としては、ダイコーティング、グラビアコーティング、スリットリバースコーティング等各種公知の塗布方法を選択することができる。
また、前記第一の密着防止層形成用組成物を硬化する方法は、前記第一の密着防止層形成用組成物に含まれるバインダー成分に応じて、適宜選択される。
(第二の実施形態)
前記第二の実施形態においては、前記密着防止層は、略球状粒子を含有しない第二の密着層形成用組成物の硬化物からなる。
前記第二の実施形態においては、前記密着防止層の前記凹凸構造を、前記凹凸構造を反転した反転構造を有する密着防止層形成用原版を用いて賦型処理をすることにより形成されてなるものとすることができるため、前記密着防止層が略球状粒子を含有しないものとすることができる。
前記第一の実施形態では、密着防止層の凹凸構造が備える複数の突起部が、前記集合体に追従してなる突起部を含むことにより、当該凹凸構造の形状を良好なものとすることができる。一方で、前記集合体の生成を厳密に制御することが困難であるため、前記第一の実施形態では、密着防止層の凹凸構造の形状は、各光学部材によってバラツキが生じる場合がある。
これに対し、前記第二の実施形態においては、前記密着防止層の前記凹凸構造を賦型処理により形成することにより、各光学部材が有する前記凹凸構造を均質なものとすることができるため、量産安定性に優れる。また、前記第二の実施形態においては、前記密着防止層が略球状粒子を含有しないことにより、当該略球状粒子が、取り扱い時の擦れや他部材との接触等により表面から脱落することや、光学部材切断時の切断面から脱落することが抑制されるため、当該略球状粒子の脱落による異物発生がなく、輝点発生等の異物による不具合がない点で好ましい。密着防止層中における略球状粒子の含有量が多いと、当該略球状粒子は、取り扱い時の擦れや、他部材の接触等により表面から脱落することや、光学部材切断時の切断面から脱落する場合がある。また、前記密着防止層が略球状粒子を含有しないことにより、密着防止層のヘイズ値を低減することができ、それにより発光効率を向上することができる。
前記第二の実施形態に用いられる前記第二の密着層形成用組成物は、成形性の観点から、樹脂を含有することが好ましい。前記樹脂としては、特に限定はされず、例えば、前記第一の密着層形成用組成物に用いられる樹脂と同様の樹脂を挙げることができるが、中でも、成形性に優れる点から、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系等の電離放射線硬化型樹脂が好ましく、特に、アクリレート系の電離放射線硬化型樹脂が好ましい。
また、前記第二の密着層形成用組成物は、必要に応じて、更に、溶剤、並びに重合開始剤、安定化剤、離型剤、シリコーン、酸化防止剤、重合禁止剤、増粘剤、帯電防止剤、紫外線安定剤及び消泡剤等の添加剤等を含有していてもよい。
前記密着防止層が前記第二の実施形態である場合における本発明に係る光学部材の製造方法としては、例えば、前記本体部を準備する工程と、
前記本体部の一方の面側に、前記光制御層を形成する工程と、
平均半径0.5μm以上5μm未満の略球状粒子が2個以上集合してなる集合体を含有する基準原版形成用組成物を、基材上に塗布し、硬化することにより、前記基材側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、前記集合体に追従してなる、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である基準凹凸構造を有する基準原版を形成する工程と、
前記基準原版を用いて賦型処理をすることにより、前記基準原版が有する前記基準凹凸構造を反転した反転構造を表面に有する密着防止層形成用原版を形成する工程と、
前記密着防止層形成用原版を用いて賦型処理をすることにより、前記本体部側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である凹凸構造を有する前記密着防止層を形成する工程と、を有する第二の製造方法を挙げることができる。
図5は、前記第二の製造方法の一例を示す概略図である。図5に示す方法においては、例えば、まず、図5の(a)に示すように、本体部10を準備する。
次いで、図5の(b)に示すように、本体部10の一方の面側に光制御層30を形成する。光制御層30の形成方法としては、特に限定はされず、適宜公知の方法を選択することができ、前記第一の製造方法の光制御層形成工程と同様の方法を用いることができる。
次いで、図5の(c)に示すように、基準凹凸構造27を有する基準原版26を形成する。前記第二の製造方法では、例えば前記第一の製造方法の密着防止層20が有する凹凸構造21の形状と、前記基準凹凸構造27の形状とを、同じ形状とすることができる。
前記基準原版26は、例えば、図5の(c)に示すように、平均半径0.5μm以上5μm未満の略球状粒子が2個以上集合してなる集合体を含有する基準原版形成用組成物26aを、基材26b上に塗布し、硬化することにより形成することができる。前記基準原版形成用組成物としては、例えば、前記第一の製造方法に用いられた、前記第一の密着層形成用組成物を用いることができ、その塗布方法及び硬化方法としては、例えば、前記第一の密着層形成用組成物の場合と同じ方法を挙げることができる。
前記基準原版26に用いられる基材26bの材料としては、特に限定はされないが、例えば、前記本体部に用いられる材料と同様の材料を用いることができる。
前記基準凹凸構造27は、前記基材側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、前記集合体に追従してなる、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である。
また、前記基準凹凸構造27において、前記集合体に追従してなる、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部の個数の比率は、前記基準凹凸構造が備える全突起部中の1.0%以上であることが好ましく、3.0%以上であることがより好ましく、5.0%以上であることが更により好ましい。これにより、形成される密着防止層において、他の部材との密着を抑制し、且つ表示画像のギラツキを抑制する効果がさらに向上することができる。また、前記比率は、特に限定はされないが、20%以下であることが好ましい。これにより、前記基準原版からの略球状粒子の脱落を抑制することができる。
次いで、図5の(d)に示すように、前記基準原版26を用いて賦型処理をすることにより、前記基準原版26が有する前記基準凹凸構造27を反転した反転構造29を表面に有する密着防止層形成用原版28を形成する。
前記密着防止層形成用原版の材料としては、特に限定はされず、鉄、鉄合金、ニッケル、銅等の金属、炭素鋼等の金属合金、シリコン樹脂等の樹脂、セラミックス等及びこれらの材料の積層構造体等が挙げられる。中でも、前記密着防止層形成用原版は、耐変形性および耐摩耗性に優れている点からは、金属製であることが好ましく、一方で、前記凹凸構造を反転した構造を形成しやすい点からは、樹脂製であることが好ましい。
樹脂製の密着防止層形成用原版を作製する方法としては、例えば、密着防止層形成用原版形成用組成物を、基材上に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜の表面に前記基準原版26を押圧して、前記塗膜を硬化させ、前記基準原版26を剥離し、前記基準原版26が有する基準凹凸構造27を反転した反転構造29を賦型することにより、形成することができる。
前記密着防止層形成用原版形成用組成物としては、特に限定はされないが、例えば、前記光制御層形成用組成物と同様の組成物を挙げることができる。
また、前記密着防止層形成用原版に用いられる基材の材料としては、特に限定はされないが、例えば、前記本体部に用いられる材料と同様の材料を用いることができる。
次いで、図5の(e)に示すように、前記密着防止層形成用原版28を用いて賦型処理をすることにより、前記本体部側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である凹凸構造21を有する密着防止層20を形成する。これにより、本発明に係る光学部材100を得ることができる。
前記賦型処理は、例えば、前記第二の密着防止層形成用組成物を、前記本体部10の他方の面側に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜の表面に前記密着防止層形成用原版28を、反転構造29が当該塗膜側となるように押圧して、当該塗膜を硬化させ、前記密着防止層形成用原版28を剥離することにより行うことができる。
本発明に係る光学部材のヘイズ値は、特に限定はされないが、50%未満であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。前記ヘイズ値は、JIS K 7105に準拠して、ヘイズメーター(例えば村上色彩研究所製、型番:HM150等)を用いて測定することができる。
(光学部材の用途)
本発明に係る光学部材は、例えば、液晶表示装置等のバックライトに用いられるプリズムシート、プロジェクションテレビ等の投影スクリーンに用いられるフレネルレンズシートやレンチキュラーシート等に用いることができる。本発明に係る光学部材はこれらのいずれにおいても好適に用いることができるが、中でも液晶表示装置用バックライトのプリズムシートとして好適に用いることができる。
<面光源装置、映像源ユニット及び液晶表示装置>
本発明に係る面光源装置は、光源と、前記光源から出射した光を導光する導光板と、前記導光板の出光面側に配置されるプリズムシートと、を備え、前記プリズムシートが、前記本発明に係る光学部材であることを特徴とする。
本発明に係る映像源ユニットは、前記本発明に係る面光源装置と、前記面光源装置の出光側に配置された液晶パネルと、を備えることを特徴とする。
本発明に係る液晶表示装置は、前記本発明に係る映像源ユニットと、前記映像源ユニットを内包する筐体と、を備えることを特徴とする。
液晶テレビ等の液晶表示装置は、映像情報を含む液晶パネルに対して、該液晶パネルの背面側に配置された面光源装置(バックライト)を照明として用いることで映像を観察者に視認可能に提供する。
面光源装置は、光源、光源から出射された光を導光方向に導いて面状に広げて出光する導光板、及び光を所定の方向に偏向するプリズムシートを有する。
プリズムシートは、導光板の出光面側と液晶パネルとの間に配置され、光が液晶パネルを効率よく透過できるように導光板からの光の向きを変えるものであり、プリズムシートとしては、前記本発明に係る光学部材を用いることができる。
本発明に係る面光源装置、映像源ユニット及び液晶表示装置は、前記本発明に係る光学部材を用いるため、品質の優れた画像表示を提供することができる。
図6は本発明の1つの形態にかかる液晶表示装置400の外観斜視図である。液晶表示装置400は筐体40を備え、筐体40の内側に映像源ユニット300が内蔵される。筐体40は液晶表示装置400の外殻を形成し、液晶表示装置400を構成する部材の大部分をその内側に収める。また筐体40は開口を有しており、該開口から映像源ユニット300のいわゆる画面部分が露出して映像等を視認可能となる。その他、液晶表示装置400には液晶表示装置として機能するための各種公知の構成部材が備えられている。
液晶表示装置400は、図7に示すような映像源ユニット300を有しており、映像源ユニット300に含まれる面光源装置200から出射された白色の光源光が液晶パネル50を透過して映像情報を得てから観察者側に提供される。映像源ユニット300は、図7からわかるように液晶パネル50、面光源装置200、及び機能性シート71を備えている。ここで図7では紙面上方が観察者側となる。
液晶パネル50は、観察者側に配置された上偏光板52、面光源装置200側に配置された下偏光板53、及び、上偏光板52と下偏光板53との間に配置された液晶層51を有している。上偏光板52、下偏光板53は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波及びS波)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分(例えばP波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)の偏光成分(例えばS波)を吸収する機能を有している。
液晶層51は、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加された液晶層51の配向は変化するようになる。面光源装置200側(すなわち入光側)に配置された下偏光板53を透過した特定方向の偏光成分(例えばP波)は、電界印加された液晶層51を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されていない液晶層51を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、液晶層51への電界印加の有無によって、下偏光板53を透過した特定方向の偏光成分(P波)が、下偏光板53の出光側に配置された上偏光板52をさらに透過するか、又は、上偏光板52で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
このようにして液晶パネル50では、面光源装置200からの光の透過又は遮断を画素毎に制御し、映像を表現することができるように構成されている。液晶パネルにはその形式に様々なものがあるが、特に限定されることなく用いることができる。
次に面光源装置200について説明する。面光源装置200は、液晶パネル50を挟んで観察者側とは反対側に配置され、液晶パネル50に面状の光を出射する照明装置である。図7よりわかるように、本形態では面光源装置200は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光板60、光源61、本発明に係る光学部材であるプリズムシート100’、及び反射シート70を有している。
本発明に係る光学部材であるプリズムシート100’は、本体部10と、本体部10の出向面側に配置された密着防止層20と、本体部10の入光側に配置された光制御層(プリズム層)30とを有する。なお、図7においては図示しないが、密着防止層20の本体部10側とは反対側の表面には前記凹凸構造を有する。
プリズムシート100’は、光制御層30により、入光側から入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させることができる。また、プリズムシート100’は、密着防止層20により、液晶パネル50との密着による干渉縞の発生が抑制され、さらに、傷等の不具合を隠すことができる。
なお、図7には、本発明に係る面光源装置の一例として、エッジライト型の面光源装置を示したが、本発明はこれに限定されず、従来公知の、いわゆる、直下型面光源装置、EL(電場発光)型面光源装置等の形態の面光源の光放出面側に、前記本発明に係る光学部材を載置したものであってもよい。
導光板60は、図7よりわかるように、基部62、裏面プリズム部63、及び表面プリズム部64を有している。導光板60は透光性を有する材料により形成された全体として板状の部材であり、一方の板面側に表面プリズム部64が配置されて出光面が形成されている。他方の板面側は裏面とされ、裏面プリズム部63が形成されている。すなわち導光板60にはその表裏面のそれぞれに凹凸形状を備えている。
基部62、裏面プリズム部63、及び表面プリズム部64をなす材料としては、種々の材料を使用することができ、優れた機械的特性、光学特性、安定性及び加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることができる。これには例えば脂環式構造を有する重合体樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)等を挙げることができる。
基部62は、裏面プリズム部63及び表面プリズム部64のベースとなる部位で、所定の厚さを有する透明な板状である。
裏面プリズム部63は、基部62の裏面側(表面プリズム部64が配置される側とは反対側の板面)に形成される凹凸形状であり、図7よりわかるように、本形態では三角柱状の複数の単位裏面プリズム63aが配列されている。単位裏面プリズム63aは、柱状の長手方向が基部62の面に沿って延びるように配置されており、断面三角形のうちの2つの頂点が基部62の面上に、残りの1つの頂点が基部から突出するように設けられている。そして単位プリズム63aは当該突出する頂点を形成する稜線が図2の紙面左右方向に延び、複数の単位裏面プリズム63aは当該延びる方向に直交する方向に所定のピッチで並べて配列されている。
図7に示す単位裏面プリズム63aは断面が三角形であるがこれに限定されることはなく、四角形や五角形等の多角形、半球状、球の一部、レンズ形状等いずれの形状であってもよい。なお、単位裏面プリズム63aの断面形状は導光板における公知の形態を適用することができる。
表面プリズム部64は、基部62のうち裏面プリズム部63とは反対側(観察者側の面)に形成される凹凸形状であり、凸部である単位表面プリズム64aが複数配列されている。単位表面プリズム64aは導光板60を面光源装置に用いた場合に出光面として機能する部位である。
本形態で単位表面プリズム64aは、図7に表されるように、五角形の断面を有し、該断面を維持してその稜線が一方に延びる柱状の要素である。単位表面プリズム64aの稜線が延在する方向は、単位表面プリズム64aが配列される方向及び単位裏面プリズム63aの稜線が延びる方向に対して直交する方向である。すなわち単位表面プリズム64aはその稜線が単位裏面プリズム63aの稜線と平面視で直交するように構成されている。
ただし、単位表面プリズム64aの断面は五角形であるが必ずしもこれに限定されることなく、三角形、四角形をはじめとする多角形、半球状、球の一部、レンズ形状等いずれの形状であってもよい。
また、表面プリズム部64は必ずしも設けられている必要はなく、基部62の平滑面が出光面とされてもよい。
以上のような構成を備える導光板60は、押し出し成型により、又は、基部62上に単位裏面プリズム63a、及び/又は単位表面プリズム64aを賦型することにより、製造することができる。なお、押し出し成型で製造された導光板60においては、基部62に対して、裏面プリズム部63、及び表面プリズム部64の少なくとも一方が一体的に形成され得る。また、賦型によって導光板60を製造する場合、裏面プリズム部63、表面プリズム部64が、基部62と同一の樹脂材料であっても、異なる材料であってもよい。
光源61は、発光源であり、導光板60の基部62の2組の側面のうち、単位表面プリズム64aの稜線が延びる方向の両端となる一組の側面の一方に配置される。光源の種類は特に限定されるものではないが、線状の冷陰極管等の蛍光灯、点状のLED(発光ダイオード)、又は白熱電球等の種々の態様で構成され得る。本形態では光源61は複数のLEDを具備してなり、不図示の制御装置により各LEDの出力、すなわち、各LEDの点灯及び消灯、及び/又は、各LEDの点灯時の明るさを、他のLEDの出力から独立して調節し得るように構成されている。
本形態では光源61は、単位表面プリズム64aの稜線が延びる方向の両端となる一組の側面の一方に配置される例であるが、当該一組の両方に光源が配置されることを妨げるものではない。
反射シート70は、導光板60の裏面から出射した光を反射して、再び導光板60内に光を入射させるための部材である。反射シート70は、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等のいわゆる鏡面反射を可能とするものを好ましく適用することができる。これにより、光の利用性を向上させることが可能となり、エネルギー利用効率をよくすることができる。
機能性シート71は通常の液晶表示装置に用いられる各種の機能を有するシートである。これには例えば色調を補正するシート、防眩機能を有するシート、反射を防止するシート、ハードコートシート等を挙げることができる。
次に、本発明に係る液晶表示装置の光路例について説明する。ただしこの光路例は概念的に表したものであり、反射や屈折の程度等を厳密に示したものではない。
図8は、図7に示す映像源ユニット300のIII−IIIに沿った断面を示す分解図であり、図9は、図7に示す映像源ユニット300のIV−IVに沿った断面を示す分解図である。
まず、図8に示すように、光源61で発光された光は、導光板60の入光面である側面を透過して導光板60内に入射する。図8には、例として、光源61から導光板60に入射した光L61、L62の光路が示されている。
図8に示すように、導光板60に入射した光L61、L62は、導光板60の表面プリズム部64の面及びその反対側の裏面プリズム部63の面において、空気との屈折率差により全反射する。また、図示は省略するが裏面から出光した光は反射シート70により導光板60に戻される。このような反射を繰り返し、光は単位表面プリズム64aの稜線が延びる方向(導光方向)へ進んでいく。
ただし、導光板60の基部62のうち裏面側には裏面プリズム部63が形成されている。このため、図8に示すように、導光板60内を進む光L61、L62は、裏面プリズム部63により順次向きが変えられ、全反射臨界角未満の入射角度で表面プリズム部64に入射することもある。この場合、当該光は、導光板60の表面プリズム部64の面から出射し得る。表面プリズム部64から出射した光L61、L62は、導光板60の出光側に配置されたプリズムシート100’へと向かう。
これにより導光板60内を進む光は、少しずつ、出光面から出射するようになり、導光板60の表面プリズム部64から出射する光の導光方向に沿った光量分布を均一化させることができる。
ここで、図示する導光板60の表面プリズム部64は、複数の単位表面プリズム64aによって構成され、各単位表面プリズム64aの断面形状は、三角形、三角形の頂角を面取りしてなる形状、五角形、又はその他多角形となっている。いずれの形状であっても、単位表面プリズム64aは、導光板60の導光方向に対して傾斜面を有して構成されている。従って、単位表面プリズム64aを介して導光板60から出射する光は導光板60から出射するときに屈折する。この屈折は、単位表面プリズム64aの配列方向において、シート面法線に近づく(法線とのなす角が小さくなる)屈折である。このような作用により、表面プリズム部64は、導光方向と直交する方向に沿った光の成分について、透過光の進行方向を正面方向側に絞り込むことができる。これにより、表面プリズム部64は、導光方向と直交する方向に沿った光の成分に対して、集光作用を及ぼすことができる。
以上のようにして、導光板60から出射する光の出射角度は、導光板60の単位表面プリズム64aの配列方向と平行な面において、正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込まれる。
導光板60から出射した光は、その後、プリズムシート100’へ入射する。プリズムシート100’の単位プリズム(単位光学要素)31は、導光板60の単位表面プリズム64aと同様に、単位プリズム32aの入光面での屈折及び全反射によって透過光に対して集光作用を及ぼす。ただし、プリズムシート100’でその進行方向を変化させられる光は、プリズムシート100’のうち、単位プリズム32aの配列方向とは直交する面内の成分であり、導光板60で集光させられた成分とは異なる。すなわち、単位プリズム31に入射した光は、単位プリズム31と空気との屈折率差に基づいてその界面で全反射する。そのとき、単位プリズム31の斜面の傾斜に基づいて、反射光は入射光よりも法線に近付けられる角度とすることができる。
ここまで説明したように、導光板60は、導光板60の単位表面プリズム64aの配列方向と平行な面において、光の進行方向を正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込むようになる。その一方で、プリズムシート100’では、単位プリズム31の配列方向と平行な面において、光の進行方向を正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込むようになる。したがって、プリズムシート100’での光学的作用によって、導光板60で上昇された正面方向輝度を損なうことなく、さらに、正面方向輝度を向上させることができる。
プリズムシート100’を出射した光は、液晶パネル50の下偏光板53に入射する。下偏光板53は、入射光のうち、一方の偏光成分を透過させ、その他の偏光成分を吸収する。下偏光板53を透過した光は、液晶セル12における画素毎への電界印加の状態に応じて、選択的に上偏光板52を透過するようになる。このようにして、液晶パネル50によって、面光源装置200からの光を画素毎に選択的に透過させることにより、液晶表示装置の観察者が、映像を観察することができるようになる。
本発明に係る液晶表示装置の用途としては、様々な態様が考えられ、例えば、液晶ディスプレイ、テレビ、携帯型端末、カーナビゲーション、電子黒板、電子広告板等が挙げられる。
また、本発明に係る面光源装置は、天井照明やスタンド型照明等の照明器具に適用してもよい。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
(本体部の準備)
本体部として、厚さ125μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、A4300)を準備した。
(光制御層形成用原版の作製)
光制御層形成用原版として、ロール原版表面の円周上に、ロール原版の軸方向の断面形状が図10に示すような単位プリズムの線状配列を反転させた形状になるように、ダイヤモンドバイトを用いて溝をNC旋盤で切削することにより、プリズム型を準備した。当該プリズム型において、単位プリズムの形状は、厚さ方向の断面における形状が図10に示す4角形を有し、ピッチPは18μmであり、ピッチP方向の大きさを図10に括弧書きで表した比率とした。また、各単位プリズムの稜線が互いに平行になるように複数の単位プリズムを前記ピッチPで当該稜線と直交する方向に多数隣接して配列したものとした。
(第一の密着防止層形成用組成物1の調製)
下記成分を混合することにより、第一の密着防止層形成用組成物1を調製した。
・バインダー成分(1)(新中村化学工業(株)製、ウレタンアクリレート、商品名:U−4HA)10質量部
・バインダー成分(2)(日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、商品名:KAYARAD−DPHA)15質量部
・略球状粒子(光拡散粒子A:アクリル樹脂製、平均粒子径2μm(積水化成品工業株式会社 テクポリマー(登録商標) SSX−102))2質量部
・溶剤(1)メチルエチルケトン(MEK) 50質量部
・溶剤(2)イソプロピルアルコール(IPA) 21質量部
・光重合開始剤(1)イルガキュアー184 1質量部
(第一の密着防止層形成用組成物2の調製)
下記成分を混合することにより、第一の密着防止層形成用組成物2を調製した。
・バインダー成分(1)(新中村化学工業(株)製、ウレタンアクリレート、商品名:U−4HA)10質量部
・バインダー成分(2)(日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、商品名:KAYARAD−DPHA)15質量部
・略球状粒子(光拡散粒子B:アクリル樹脂製、平均粒子径5μm(積水化成品工業株式会社 テクポリマー(登録商標) SSX−105))3質量部
・溶剤(1)メチルエチルケトン(MEK) 50質量部
・溶剤(2)イソプロピルアルコール(IPA) 21質量部
・光重合開始剤(1)イルガキュアー184 1質量部
(第一の密着防止層形成用組成物3の調製)
下記成分を混合することにより、第一の密着防止層形成用組成物3を調製した。
・バインダー成分(1)(新中村化学工業(株)製、ウレタンアクリレート、商品名:U−4HA)10質量部
・バインダー成分(2)(日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、商品名:KAYARAD−DPHA)15質量部
・略球状粒子(光拡散粒子C:アクリル樹脂製、平均粒子径10μm(積水化成品工業株式会社 テクポリマー(登録商標) SSX−110))5質量部
・溶剤(1)メチルエチルケトン(MEK) 50質量部
・溶剤(2)イソプロピルアルコール(IPA) 21質量部
・光重合開始剤(1)イルガキュアー184 1質量部
[実施例1]
(密着防止層の形成)
前記本体部の他方の面に、前記第一の密着防止層形成用組成物1を、乾燥後の膜厚(図2でいうT1)が1.5μmとなるように塗布し、50℃、10分間の乾燥条件により乾燥することにより、密着防止層を形成した。
(光制御層の形成)
前記本体部の一方の面に、下記組成の光制御層形成用組成物を膜厚が15μmとなるように塗布し、光制御層用塗膜を形成した。
<光制御層形成用組成物の組成>
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(ダイセル株式会社製、商品名:HDDA)65質量部
・トリデシルアクリレート(サートマー社製、商品名:SR489D)30質量部
・IRGACURE819(BASF社製)5質量部
・リン酸エステル型離型剤(SC有機化学(株)製、商品名:Chelex H−18D)1質量部
前記光制御層用塗膜の表面に、前記で得られた光制御層形成用原版を押圧して、光源として無電極DバルブランプであるFUSION製「Light Hammer 10」を用い、露光量500mJ/cmにて、密着防止層側から光制御層用塗膜に対して光照射を行った。その後、光制御層形成用原版を剥離することにより、光制御層を形成した。
得られた光学部材の光制御層が有する単位プリズム(単位光学要素)の形状は、厚さ方向の断面における形状が図10に示す形状であり、各単位プリズムの稜線が互いに平行になるように複数の単位プリズムを配列周期18μmで当該稜線と直交する方向に多数隣接して配列されていた。
[実施例2]
実施例1において、第一の密着防止層形成用組成物1に代えて、第一の密着防止層形成用組成物2を用い、第一の密着防止層形成用組成物2を当該乾燥後の膜厚が4.0μmとなるように塗布したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の光学部材を得た。
[実施例3]
実施例1において、密着防止層の形成方法を、下記の方法に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の光学部材を得た。
(密着防止層の形成)
(1)基準原版の作製
まず、基材(厚さ125μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、A4300))の一方の面に、前記第一の密着防止層形成用組成物1を、基準原版形成用組成物として、乾燥後の膜厚が1.5μmとなるように塗布し、50℃、10分間の乾燥条件により乾燥することにより、基準原版を形成した。
得られた基準原版は、基材側とは反対側の表面に複数の突起部を備えた本発明の基準凹凸構造を有するものであった。
(2)密着防止層形成用原版の作製
まず、厚み100μmのPETフィルムのコロナ処理面に、フェノキシエチルアクリレートと、EO変性ビスフェノールAジアクリレートと、ヘキサメチレンジイソシアネートと、光開始剤(BASF社製、品番:IRGACURE819)とを、質量比で2:1:2:0.05の比率で含有する密着防止層形成用原版形成用組成物を、厚み100μmとなるように塗布して塗膜を形成した。
次いで、前記で得られた基準原版を、基準凹凸構造側が当該塗膜側になるように押圧して、光源として無電極DバルブランプであるFUSION製「Light Hammer 10」を用い、露光量500mJ/cmにて、光照射を行い、当該塗膜を硬化させた。その後、基準原版を剥離することにより、前記基準凹凸構造を反転した反転構造を有する密着防止層形成用原版を作製した。
(3)密着防止層の形成
前記本体部の他方の面に、下記組成の第二の密着防止層形成用組成物1を、乾燥後の膜厚が15μmとなるように塗布して塗膜を形成した。次いで、前記で得られた密着防止層形成用原版を、反転凹凸構造側が当該塗膜側になるように押圧して、光源として無電極DバルブランプであるFUSION製「Light Hammer 10」を用い、露光量500mJ/cmにて、光照射を行い、当該塗膜を硬化させた。その後、密着防止層形成用原版を剥離することにより、凹凸構造を有する密着防止層(厚さ(図2でいうT1)14.5μm)を形成した。
<第二の密着防止層形成用組成物1>
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(ダイセル株式会社製、商品名:HDDA)66質量部
・トリデシルアクリレート(サートマー社製、商品名:SR489D)30質量部
・IRGACURE819(BASF社製)3質量部
・IRGACURE184(BASF社製)1質量部
・リン酸エステル型離型剤(SC有機化学(株)製、商品名:Chelex H−18D)1質量部
[実施例4]
実施例2において、密着防止層の形成の際の塗膜の乾燥条件を、60℃、7分間に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例4の光学部材を得た。
[比較例1]
実施例1において、密着防止層の形成の際の塗膜の乾燥条件を、80℃、2分間に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の光学部材を得た。
[比較例2]
実施例2において、密着防止層の形成の際の塗膜の乾燥条件を、80℃、2分間に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、比較例2の光学部材を得た。
[比較例3]
実施例1において、第一の密着防止層形成用組成物1に代えて、第一の比較密着防止層形成用組成物3を用い、第一の比較密着防止層形成用組成物3を当該乾燥後の膜厚が8.0μmとなるように塗布し、密着防止層の形成の際の塗膜の乾燥条件を80℃、3分間に変えたこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の光学部材を得た。
[評価]
<本体部の透過率の測定>
各実施例及び各比較例で、本体部として用いられた厚さ125μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、A4300)の可視光領域(380〜780nm)における透過率を、分光光度計(島津製作所製、UV−3100PC)を用いて測定し、380〜780nmにわたる10nm間隔での透過率の平均値を算出することにより、平均透過率を求めた。その結果、前記PETフィルムの可視光領域(380〜780nm)における平均透過率は80%以上であった。
<密着防止層の十点平均粗さRzの測定>
各実施例及び各比較例で得られた光学部材の密着防止層側表面について、JIS B0601−1994に準拠して、表面粗さ測定器((株)小坂研究所製の型番SE−3400等)を用いて、下記の条件にて十点平均粗さRzを測定した。測定結果を表1に示す。
1)表面粗さ検出部の触針:
型番/SE2555N(2μ標準)(株)小坂研究所製
(先端曲率半径2μm/頂角:90度/材質:ダイヤモンド)
2)表面粗さ測定器の測定条件:
基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
触針の送り速さ:0.1mm/s
<突起部の密度及び大きさの測定>
各実施例及び各比較例で得られた光学部材の密着防止層側表面を、倍率1000倍のSEM画像より、100μm×100μmmの範囲で観察して突起部の個数を数え、当該個数を100倍することにより、突起部の密度を求めた。
また、同様にして、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部の密度も同様にして求めた。
さらに、前記SEM画像により、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を10個観察し、当該突起部の底面の長径W及び高さHの平均値を求めた。
さらに、前記SEM画像により、任意に選んだ突起部を5個観察し、当該突起部の頂部の曲率半径の平均値を求めた。
なお、表1には、全突起部の密度を「突起部1密度」とし、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を「突起部2」として表した。
<密着防止層のヘイズ値の測定>
各実施例及び各比較例で得られた光学部材が有する密着防止層と同じものを、基材(厚さ125μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、A4300)上に形成したサンプルを用意し、当該サンプルを用いて、各実施例及び各比較例で得られた光学部材が有する密着防止層のヘイズ値(全ヘイズ)を、JIS K 7105に準拠して、ヘイズメーター(村上色彩研究所製、型番HM150)を用いて測定した。
<ギラツキの評価>
各実施例及び各比較例で得られた光学部材を用いて、図7に示された構成の映像源ユニットを備えた液晶表示装置(LED光源を使用)を作製し、ギラツキの発生を目視にて観察した。
(評価基準)
A:ギラツキの発生なし
B:ギラツキがわずかに発生するが、許容範囲内
C:ギラツキの発生により表示画像が見づらく、許容できないレベル
<密着防止性評価>
各実施例及び各比較例で得られた光学部材を用いて、図7に示された構成の映像源ユニットを備えた液晶表示装置(LED光源を使用)を作製し、密着防止層表面と液晶パネルとの密着により生じる干渉の縞模様などの表示不具合を目視にて観察し、下記評価基準により密着防止層表面の密着防止性を評価した。
(評価基準)
A:暗所及び通常室内の明所のいずれにおいても不具合が観察されない
B:暗所での検査では不具合が観察されるが、通常室内の明所では不具合が観察されない
C:通常室内の明所でも不具合が観察される
(結果のまとめ)
実施例1〜4で得られた光学部材は、密着防止層が表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である凹凸構造を有するものであったため、他の部材との密着が抑制され、且つ表示画像のギラツキを抑制されたものであった。
一方で、比較例1及び比較例2で得られた光学部材は、十点平均粗さRzが1.0μm未満であったため、密着防止層表面と液晶パネルとの密着による干渉縞が発生した。
比較例3で得られた光学部材は、密着防止層が有する突起部の頂部の曲率半径の平均値が5μm以上であったため、表示画像のギラツキが発生した。
10 本体部
20 密着防止層
21 凹凸構造
22 頂部
23 突起部
24a,24b,24c 略球状面の一部からなる面
25 集合体
26 基準原版
26a 基準原版形成用組成物
26b 基材
26 基準凹凸構造
28 密着防止層形成用原版
29 反転構造
30 光制御層
31 単位光学要素
40 筐体
50 液晶パネル
51 液晶層
52 上偏光板
53 下偏光板
60 導光板
61 光源
62 基部
63 裏面プリズム部
63a 単位裏面プリズム
64 表面プリズム部
64a 単位表面プリズム
70 反射シート
71 機能性シート
100 光学部材
100’プリズムシート
200 面光源装置
300 映像源ユニット
400 液晶表示装置

Claims (10)

  1. 光透過性を有するシート状の本体部と、
    前記本体部の一方の面側に配置され、前記本体部側とは反対側の表面に複数の凸状の単位光学要素が配列されてなる光制御層と、
    前記本体部の他方の面側に配置された密着防止層と、を備え、
    前記密着防止層が、前記本体部側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である凹凸構造を有することを特徴とする、光学部材。
  2. 前記密着防止層が、平均半径0.5μm以上5μm未満の略球状粒子が2個以上集合してなる集合体を含有し、前記集合体に追従してなる、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部の個数の比率が、前記密着防止層の前記凹凸構造が備える全突起部中の1.0%以上である、請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記密着防止層の前記凹凸構造が、前記凹凸構造を反転した反転構造を有する密着防止層形成用原版を用いて賦型処理をすることにより形成されてなり、前記密着防止層が略球状粒子を含有しない、請求項1に記載の光学部材。
  4. 前記密着防止層が、前記本体部側とは反対側の表面に、前記突起部を500個/mm以上の密度で備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学部材。
  5. 光透過性を有するシート状の本体部と、
    前記本体部の一方の面側に配置され、前記本体部側とは反対側の表面に複数の凸状の単位光学要素が配列されてなる光制御層と、
    前記本体部の他方の面側に配置された密着防止層と、を備える光学部材の製造方法であって、
    前記本体部を準備する工程と、
    前記本体部の一方の面側に、前記光制御層を形成する工程と、
    前記本体部の他方の面側に、平均半径0.5μm以上5μm未満の略球状粒子が2個以上集合してなる集合体を含有する密着防止層形成用組成物を塗布し、硬化することにより、前記本体部側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部を有する複数の突起部を備え、前記集合体に追従してなる、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部の個数の比率が、前記密着防止層の前記凹凸構造が備える全突起部中の1.0%以上であり、十点平均粗さRzが1.0μm以上である凹凸構造を有する前記密着防止層を形成する工程と、を有する光学部材の製造方法。
  6. 光透過性を有するシート状の本体部と、
    前記本体部の一方の面側に配置され、前記本体部側とは反対側の表面に複数の凸状の単位光学要素が配列されてなる光制御層と、
    前記本体部の他方の面側に配置された密着防止層と、を備える光学部材の製造方法であって、
    前記本体部を準備する工程と、
    前記本体部の一方の面側に、前記光制御層を形成する工程と、
    平均半径0.5μm以上5μm未満の略球状粒子が2個以上集合してなる集合体を含有する基準原版形成用組成物を、基材上に塗布し、硬化することにより、前記基材側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、前記集合体に追従してなる、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である基準凹凸構造を有する基準原版を形成する工程と、
    前記基準原版を用いて賦型処理をすることにより、前記基準原版が有する前記基準凹凸構造を反転した反転構造を表面に有する密着防止層形成用原版を形成する工程と、
    前記密着防止層形成用原版を用いて賦型処理をすることにより、前記本体部側とは反対側の表面に、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である凹凸構造を有する前記密着防止層を形成する工程と、を有する光学部材の製造方法。
  7. 平均半径が0.5μm以上5μm未満の略球状粒子が2個以上集合してなる集合体を含有する基準原版形成用組成物を、基材上に塗布し、硬化することにより、前記基材側とは反対側の表面に、前記集合体に追従してなる、略球状面の一部からなり且つ曲率半径の平均値が0.5μm以上5μm未満である頂部、を有する複数の突起部を備え、前記突起部が、略球状面の一部からなる面が2つ以上組み合わされてなる表面形状を有する突起部を含み、十点平均粗さRzが1.0μm以上である基準凹凸構造を有する基準原版を形成する工程と、
    前記基準原版を用いて賦型処理をすることにより、前記基準原版が有する前記基準凹凸構造を反転した反転構造を表面に有する密着防止層形成用原版を形成する工程と、を有する密着防止層形成用原版の製造方法。
  8. 光源と、
    前記光源から出射した光を導光する導光板と、
    前記導光板の出光面側に配置されるプリズムシートと、を備え、
    前記プリズムシートが、前記請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学部材である、面光源装置。
  9. 前記請求項8に記載の面光源装置と、
    前記面光源装置の出光側に配置された液晶パネルと、を備える映像源ユニット。
  10. 前記請求項9に記載の映像源ユニットと、
    前記映像源ユニットを内包する筐体と、を備える液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112873057A (zh) * 2019-11-29 2021-06-01 Toto株式会社 用水器具及用水器具的制造方法

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