JP2004144540A - 電磁流量計 - Google Patents
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Abstract
【課題】微分ノイズの大きさdnのみを抽出し、流量が変化しても、正しくゼロ点が補正できる電磁流量計を提供すること。
【解決手段】第1周波数とこれより低い第2周波数の2つの異なった周波数を有する磁場を供給して磁束密度を測定流体中に発生させることで、前記測定流体が流れる測定管内に発生する前記測定流体の平均流速に比例した流量信号を抽出し、前記磁束密度の時間変化に対応して、前記第1周波数の成分に基づいて発生する第1周波数の微分ノイズを抽出する手段を備えた電磁流量計において、前記第2周波数の微分ノイズがないとみなせる期間に対応する前記流量信号の成分と前記第1周波数の微分ノイズの成分とを所定の前記第2周波数のサンプリングタイミングでサンプリングすることを特徴とする電磁流量計。
【選択図】 図1
【解決手段】第1周波数とこれより低い第2周波数の2つの異なった周波数を有する磁場を供給して磁束密度を測定流体中に発生させることで、前記測定流体が流れる測定管内に発生する前記測定流体の平均流速に比例した流量信号を抽出し、前記磁束密度の時間変化に対応して、前記第1周波数の成分に基づいて発生する第1周波数の微分ノイズを抽出する手段を備えた電磁流量計において、前記第2周波数の微分ノイズがないとみなせる期間に対応する前記流量信号の成分と前記第1周波数の微分ノイズの成分とを所定の前記第2周波数のサンプリングタイミングでサンプリングすることを特徴とする電磁流量計。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波成分のゼロ点の補正演算を行う電磁流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に、電磁流量計における、一般的な2周波励磁方式のタイミングチャートを示す。2周波励磁方式では低周波(a)と高周波(b)とが合成された励磁電流波形(c)が使用される。
【0003】
電磁流量計内の励磁コイルに印加される励磁電流波形(i)(c)と相似な磁束密度(B)(d)が流体中に発生し、これにより管内の平均流速に比例した流量信号(es)(e)が発生する。
【0004】
電磁流量計にはこの他に、磁束密度(B)(d)の時間変化に比例した高周波の微分ノイズ(D)(f)、低周波の微分ノイズ(g)が発生する。低周波の微分ノイズ(g)は低周波(a)成分に基づくもので、高周波の微分ノイズ(f)は高周波(b)成分に基づくものである。
【0005】
また、流量信号(es)(e)の信号のサンプリングでは、流量信号(es)(e)の低周波成分は(h)のタイミングで、高周波成分は半周期毎のサンプリングタイミング1,2(i),(j)でサンプリングされる。
【0006】
さて、次に、このような電磁流量計の信号処理にあって、2周波励磁方式の演算に関しての詳しい説明は省略し、高周波成分のゼロ点の補正に関してのみ説明する。
【0007】
2周波励磁方式では、実際の微分ノイズは、低周波の微分ノイズ(g)と高周波の微分ノイズ(f)が合成された複雑な波形となる。また、流量信号(es)(e)の高周波成分の信号は、高周波の半周期の間サンプリングタイミング1(i)またはサンプリングタイミング2(j)でサンプリングされるため、サンプリングされた値には、微分ノイズ(f)、(g)も含まれる。
【0008】
2周波励磁方式では、このような微分ノイズの変動の影響を小さくするため、高周波成分はハイパスフィルターの演算が施される。しかし、高周波の微分ノイズ(D)(f)は特に大きいので、ハイパスフィルターの演算を実施しても環境要因等で微分ノイズの信号成分が変動した場合はゼロ点がドリフトする。このため、従来例では更に高周波の微分ノイズを補正しゼロ点の安定を図っている。
【0009】
この補正値として、低周波の微分ノイズ(g)が十分小さくなったタイミング(図1のタイムチャートでは、4、12、20、28、36)でサンプリングした高周波の微分ノイズ値の平均値(dhave)をもとめ使用する。
【0010】
また、電磁流量計には図1に示した各種の信号成分以外に、電極の電位変動によるランプ状ノイズ、スパイク状ノイズ等が含まれるので、平均化処理する必要がある。微分ノイズの補正値をdcomp、diを高周波の微分ノイズとすると(1)式のようになる。
【0011】
dcomp=di±dhave≒0…(1) (±はdiの符号による)
【0012】
このような演算を実施することにより、高周波成分の微分ノイズの値はほぼゼロにすることができ、流体の流れを止めることなくオンラインでゼロ点の補正値を求めることができる。これが従来のゼロ点補正であり、環境変動等で微分ノイズが変化しても、ゼロ点はドリフトしない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では、励磁OFFのタイミング、つまり図1のタイムチャートで偶数番号のタイミングにあって、微分ノイズのみが存在するとという前提で微分ノイズ除去演算を行っていた。
【0014】
しかし、図2に示す励磁電流(i)(c)のように、実際には励磁OFFのタイミングでも励磁電流は直ちにゼロとはならない(図2励磁電流波形(c))。このため、励磁OFFのタイミングでも流量信号(es)(e)(図2で偶数番号e2n、n=整数)が発生し、微分ノイズ(f)のみを抽出することは実際上は困難であった。したがって、微分ノイズの補正値が流量によっても変化し、正確なゼロ点の補正ができなかった。
【0015】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、微分ノイズの大きさdnのみを抽出し、流量が変化しても、正しくゼロ点が補正できる電磁流量計を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、励磁OFFのタイミングで発生する流量信号の大きさ(e2n)を求め、このタイミングで得られた数値データ(dn+e2n)からe2nを差し引くものであり、その構成は次の通りである。
【0017】
請求項1に記載の発明は、第1周波数とこれより低い第2周波数の2つの異なった周波数を有する磁場を供給して磁束密度を測定流体中に発生させることで、前記測定流体が流れる測定管内に発生する前記測定流体の平均流速に比例した流量信号を抽出し、前記磁束密度の時間変化に対応して、前記第1周波数の成分に基づいて発生する第1周波数の微分ノイズを抽出する手段を備えた電磁流量計において、前記第2周波数の微分ノイズがないとみなせる期間に対応する前記流量信号の成分と前記第1周波数の微分ノイズの成分とを所定の前記第2周波数のサンプリングタイミングでサンプリングすることを特徴とする電磁流量計である。
【0018】
従って、請求項1に記載の発明によれば、第2周波数(低周波)の微分ノイズがないとみなせる期間に対応する第2周波数(低周波)のサンプリングタイミングで流量信号の成分と第1周波数(高周波)の微分ノイズの成分をサンプリングすることが可能になる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明は、第1周波数とこれより低い第2周波数の2つの異なった周波数を有する磁場を供給して磁束密度を測定流体中に発生させることで、前記測定流体が流れる測定管内に発生する前記測定流体の平均流速に比例した流量信号を抽出し、前記磁束密度の時間変化に対応して、前記第1周波数の成分に基づいて発生する第1周波数の微分ノイズを抽出する手段を備えた電磁流量計において、前記第2周波数の微分ノイズがないとみなせる期間に対応する前記流量信号の成分と前記第1周波数の微分ノイズの成分とを所定の前記第1周波数のサンプリングタイミングでサンプリングすることを特徴とする電磁流量計である。
【0020】
従って、請求項2に記載の発明によれば、第2周波数(低周波)の微分ノイズがないとみなせる期間に対応する第1周波数(高周波)のサンプリングタイミングで流量信号の成分と第1周波数(高周波)の微分ノイズの成分をサンプリングすることが可能になる。
【0021】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記第2周波数に対する流量信号を実流校正によって予め求めた前記第2周波数に対する所定の定数、前記第2周波数のサンプリングタイミングでサンプリングした前記流量信号の成分及び前記第1周波数の微分ノイズの成分を積分することにより前記測定流体の流量を求めることを特徴とする請求項1に記載の電磁流量計である。
【0022】
従って、請求項3に記載の発明によれば、高周波の微分ノイズの一周期の積分値を求めることになり、その積分値はゼロになり、低周波のサンプリングタイミングで得られた値としては、流量信号の成分のみになり、その流量信号の成分と、第2周波数(低周波)に対する流量信号を実流量に換算するために実流校正によって予め求めた定数と、から測定流体の流量を求めることが可能になる。
【0023】
また、請求項4に記載の発明は、前記第1周波数の前記励磁電流がONのタイミングでサンプリングした前記流量信号の成分と前記第1周波数の微分ノイズの成分から、前記第1周波数の前記励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした前記流量信号の成分と前記第1周波数の微分ノイズの成分を減算するとともに、流体が静止している時求めた、前記第1周波数の前記励磁電流がONするタイミングでサンプリングした前記第1周波数の微分ノイズの成分と、前記第1周波数の前記励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした前記第1周波数の微分ノイズの成分とを補正することを特徴とする請求項2に記載の電磁流量計である。
【0024】
従って、請求項4に記載の発明によれば、流体が静止している時求めた、つまり、実流校正のような短時間の間で求めた、第1周波数(高周波)の励磁電流がONするタイミングでサンプリングした第1周波数(高周波)の微分ノイズの成分と、第1周波数(高周波)の励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした第1周波数(高周波)の微分ノイズの成分と、は一定であるためゼロ調整により補正することでゼロにすることが可能になり、第1周波数(高周波)の励磁電流がONのタイミングでサンプリングした流量信号の成分から、第1周波数(高周波)の励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした流量信号の成分を減算することが可能になる。
【0025】
さらに、請求項5に記載の発明は、前記第1周波数に対する流量信号を実流校正によって予め求めた前記第1周波数に対する所定の定数と、前記第2の演算手段によって得られた値とから前記測定流体の流量を求めることを特徴とする請求項2に記載の電磁流量計である。
【0026】
従って、請求項5に記載の発明によれば、第1周波数(高周波)に対する流量信号を実流量に換算するために実流校正によって予め求めた第1周波数(高周波)に対する定数と、第2の演算手段によって得られた第1周波数(高周波)の励磁電流がONのタイミングでサンプリングした流量信号の成分から、第1周波数(高周波)の励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした流量信号の成分を減算することによって得られる値とを乗算することで測定流体の流量を求めることが可能になる。
【0027】
また、請求項6に記載の発明は、前記第2周波数の所定のサンプリングタイミングでサンプリングした前記流量信号の成分に、前記実流校正によって予め求めた前記第2周波数に対する所定の定数から前記実流校正によって予め求めた前記第1周波数に対する所定の定数を減算して得られた値を乗算するとともに、該乗算して得られた値に2倍の前記実流校正によって予め求めた前記第1周波数に対する所定の定数で除算することにより、前記第1周波数の前記励磁電流がOFFするタイミングでの流量信号を求めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁流量計である。
【0028】
従って、請求項6に記載の発明によれば、第2周波数(低周波)のサンプリングタイミングでサンプリングした流量信号の成分に、実流校正によって予め求めた第2周波数(低周波)に対する定数から実流校正によって予め求めた第1周波数(高周波)に対する所定の定数を減算して得られた値を乗算するとともに、その乗算して得られた値に2倍の実流校正によって予め求めた第1周波数(高周波)に対する所定の定数で除算することで、第1周波数(高周波)の励磁電流がOFFするタイミングでの流量信号のみを求めることが可能になる。
【0029】
さらに、請求項7に記載の発明は、前記第1周波数の前記励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした前記第1周波数の流量信号と微分ノイズの成分とから前記流量信号を求める手段により得られる流量信号を減算することにより、微分ノイズ成分を取り出すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁流量計である。
【0030】
従って、請求項7に記載の発明によれば、第1周波数(高周波)の励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした第1周波数(高周波)の流量信号と微分ノイズの成分から流量信号のみを求める手段により得られる流量信号を減算することにより、微分ノイズ成分のみを取り出すことが可能になる。
【0031】
また、請求項8に記載の発明は、前記第1周波数の前記励磁電流がONまたはOFFしているタイミングでサンプリングにより得られる、流量信号と微分ノイズから前記微分ノイズ成分を取り出す手段により得られる微分ノイズ成分を減算し、流量信号の成分を求める手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁流量計である。
【0032】
従って、請求項8に記載の発明によれば、第1周波数(高周波)の励磁電流がONまたはOFFしているタイミングでサンプリングにより得られる、流量信号と微分ノイズから微分ノイズ成分のみを取り出す手段により得られる微分ノイズ成分を減算し、流量信号の成分のみを求めることが可能になる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
図2のタイムチャートには、2周波励磁のタイミングを表す波形図が示されている。この図2では、流量信号(es)(e)、高周波の微分ノイズ(D)(f)、低周波の微分ノイズ(g)はそれぞれ独立して記載しているが、実際には、これら(e)〜(g)が重ね合わされた波形が出力信号となる。
【0035】
このため、高周波のサンプリングタイミング1,2(i),(j)で得られた値には、流量信号の他に、高周波の微分ノイズ(D)(f)、低周波の微分ノイズ(g)、(f)も含まれている。
【0036】
以下、本発明の特徴である微分ノイズの補正をする部分のみ説明する。
まず、図2のタイムチャートにあって、低周波の微分ノイズ(g)がないとみなせる期間に対応する11、12番目のタイミングに着目する。
【0037】
12番目のサンプリング値=e12−d12…(2)(e12≠0)
【0038】
ここで、(2)式において、e12は流量信号(e)の成分であり、−d12は微分ノイズ(D)(f)の成分である。
【0039】
値d12を使用して高周波のゼロ点補正をするのは従来例と同じである。異なるのは、値e12を別の方法で求め、(2)式を用いて値d12を求めることである。
【0040】
低周波のサンプリングタイミング(h)でサンプリングして得られる値eLは下記の(3)式のようになる。
【0041】
eL=e11+e12+d11+d12+d11’+d12’…(3)
【0042】
ここで、値d11’、値d12’は低周波の微分ノイズであり、図2に示す波形により、値d11’、d12’は低周波の微分ノイズ(g)がないとみなせる期間内の成分であるためゼロとなる。
【0043】
ここで、電磁流量計では直流成分を除くため、ハイパスフィルターを通すので、高周波の微分ノイズの一周期の積分値(d11+d12)は0となる(図2の微分ノイズ(D)(f)参照)。
【0044】
つまり、高周波の微分ノイズは、例えば値d11、d12は面積が等しく符号は逆であるため、加算するとゼロになる。従って、低周波のサンプリングで得られた値には流量信号の成分のみが含まれ、(4)式が下記のように導かれる。
【0045】
eL=e11+e12…(4)
【0046】
一方、実流量をQr、低周波成分に対する流量計固有の定数(メータファクタ)をkLとすると下記のようになる。
【0047】
Qr=kL×eL=kL×(e11+e12)…(5)
【0048】
ここで、kLは低周波に対する流量信号を実流量に換算するために実流校正によって予め求めることができる。
【0049】
次に、高周波のサンプリングタイミングで得られる値eHは下記の(6)式のようになる。ここでは、高周波の励磁電流(i)(c)がONのタイミングでサンプリングした流量信号の成分と高周波の微分ノイズの成分から、高周波の励磁電流(i)(c)がOFFするタイミングでサンプリングした流量信号の成分と高周波の微分ノイズの成分を減算する。
【0050】
【0051】
また、実流量をQr、高周波成分に対する流量計固有の定数(メータファクタ)をkHとすると下記の(7)式のようになる。図2に示す低周波の微分ノイズ(g)の波形からd11’、d12’は低周波の微分ノイズがないとみなせる期間内の成分であるため、(3)式と同様にゼロとなる。
【0052】
Qr=kH{(e11−e12)+(d11+d12)}…(7)
【0053】
ここでkHは高周波に対する流量信号を実流量に換算するために実流校正によって予め求めることができる。そして、流体が静止している時に求めた、高周波の励磁電流(c)がONするタイミングでサンプリングした高周波の微分ノイズの成分と、高周波の励磁電流(c)がOFFするタイミングでサンプリングした高周波の微分ノイズの成分とを補正する。
【0054】
つまり、d11、d12の高周波の微分ノイズ成分の値は環境変動の影響を受け徐々に変化するが、実流校正のような短時間の間は、流体が静止しているとみなすことができるため一定であり、ゼロ調整によりd11+d12の値を補正しゼロにすることができる。その結果、(8)式が導かれる。
【0055】
Qr=kH×(e11−e12)…(8)
【0056】
ただし、d11+d12の値は環境変動等によって変化する。これをオンラインで補正することが本発明の目的である。そして、(5)、(8)式より以下の(9)式を導くことができる。
【0057】
Qr=kL×(e11+e12)=kH×(e11−e12)…(9)
【0058】
(4)式、(9)式はe11、e12に関する連立方程式であるからこのふたつの式より流量信号e12を求めることができ、実流量Qrと高周波サンプリングタイミングで得られた流量信号e12と低周波サンプリングタイミングで得られた流量信号には以下の関係を示す(10)式を導ける。
【0059】
ここで、kL、kHは実流量の校正であり予め求めておく必要がある。これにより、高周波の流量信号のみ(微分ノイズを含まない)を求めることが可能になる。
【0060】
e12=(kL−kH)×eL/2kH…(10)
【0061】
ここでeLは、実使用状態で毎回の低周波のサンプリングタイミングで得られる流量信号の値である。従って、その時々の流量に応じて、高周波の励磁電流(c)がOFFするタイミングでの流量信号であるe12のみを求めることが可能である。
【0062】
次に、12番目の高周波サンプリングタイミングで得られた値(eH12)を(11)式で示す。
【0063】
eH12=e12+d12…(11)
【0064】
この高周波サンプリングタイミングで得られた値であるeH12からe12を減算することによりd12(微分ノイズ)の値を求めることができる。具体的には、(11)に(10)式を代入することを(12)式を導くことができる。
【0065】
d12=eH12−e12=eH12−(kL―kH)×eL/2kH…(12)
【0066】
そして、この高周波のサンプリングタイミングで得られた値eH12から(12)式より得られた微分ノイズを減算することにより流量信号を求めることができる。
【0067】
同様にタイミング20、28、36…と次々と同様な補正値(微分ノイズ)が得られるとともに、流量信号も得ることができる。
【0068】
以上は説明を簡略化するため、原理的な説明をしたが、実際には微分ノイズ以外のノイズの影響を小さくするため、各種平均化のための演算を実施する。このように平均化された値を使用し、高周波の微分ノイズを補正する。
【0069】
元々、高周波の微分ノイズは比較的ゆっくりと変化するため実用上はこのような平均化処理をしても十分に高い精度でゼロ点の補正が可能である。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、励磁OFF(低周波の微分ノイズがないとみなせる期間)のタイミング時に発生する微分ノイズを使用しているため、流量変動があった場合にも正しくゼロ点の補正量を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における2周波励磁波形のタイミングチャートを示す波形図である。
【図2】従来における2周波励磁波形のタイミングチャートを示す波形図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波成分のゼロ点の補正演算を行う電磁流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に、電磁流量計における、一般的な2周波励磁方式のタイミングチャートを示す。2周波励磁方式では低周波(a)と高周波(b)とが合成された励磁電流波形(c)が使用される。
【0003】
電磁流量計内の励磁コイルに印加される励磁電流波形(i)(c)と相似な磁束密度(B)(d)が流体中に発生し、これにより管内の平均流速に比例した流量信号(es)(e)が発生する。
【0004】
電磁流量計にはこの他に、磁束密度(B)(d)の時間変化に比例した高周波の微分ノイズ(D)(f)、低周波の微分ノイズ(g)が発生する。低周波の微分ノイズ(g)は低周波(a)成分に基づくもので、高周波の微分ノイズ(f)は高周波(b)成分に基づくものである。
【0005】
また、流量信号(es)(e)の信号のサンプリングでは、流量信号(es)(e)の低周波成分は(h)のタイミングで、高周波成分は半周期毎のサンプリングタイミング1,2(i),(j)でサンプリングされる。
【0006】
さて、次に、このような電磁流量計の信号処理にあって、2周波励磁方式の演算に関しての詳しい説明は省略し、高周波成分のゼロ点の補正に関してのみ説明する。
【0007】
2周波励磁方式では、実際の微分ノイズは、低周波の微分ノイズ(g)と高周波の微分ノイズ(f)が合成された複雑な波形となる。また、流量信号(es)(e)の高周波成分の信号は、高周波の半周期の間サンプリングタイミング1(i)またはサンプリングタイミング2(j)でサンプリングされるため、サンプリングされた値には、微分ノイズ(f)、(g)も含まれる。
【0008】
2周波励磁方式では、このような微分ノイズの変動の影響を小さくするため、高周波成分はハイパスフィルターの演算が施される。しかし、高周波の微分ノイズ(D)(f)は特に大きいので、ハイパスフィルターの演算を実施しても環境要因等で微分ノイズの信号成分が変動した場合はゼロ点がドリフトする。このため、従来例では更に高周波の微分ノイズを補正しゼロ点の安定を図っている。
【0009】
この補正値として、低周波の微分ノイズ(g)が十分小さくなったタイミング(図1のタイムチャートでは、4、12、20、28、36)でサンプリングした高周波の微分ノイズ値の平均値(dhave)をもとめ使用する。
【0010】
また、電磁流量計には図1に示した各種の信号成分以外に、電極の電位変動によるランプ状ノイズ、スパイク状ノイズ等が含まれるので、平均化処理する必要がある。微分ノイズの補正値をdcomp、diを高周波の微分ノイズとすると(1)式のようになる。
【0011】
dcomp=di±dhave≒0…(1) (±はdiの符号による)
【0012】
このような演算を実施することにより、高周波成分の微分ノイズの値はほぼゼロにすることができ、流体の流れを止めることなくオンラインでゼロ点の補正値を求めることができる。これが従来のゼロ点補正であり、環境変動等で微分ノイズが変化しても、ゼロ点はドリフトしない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では、励磁OFFのタイミング、つまり図1のタイムチャートで偶数番号のタイミングにあって、微分ノイズのみが存在するとという前提で微分ノイズ除去演算を行っていた。
【0014】
しかし、図2に示す励磁電流(i)(c)のように、実際には励磁OFFのタイミングでも励磁電流は直ちにゼロとはならない(図2励磁電流波形(c))。このため、励磁OFFのタイミングでも流量信号(es)(e)(図2で偶数番号e2n、n=整数)が発生し、微分ノイズ(f)のみを抽出することは実際上は困難であった。したがって、微分ノイズの補正値が流量によっても変化し、正確なゼロ点の補正ができなかった。
【0015】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、微分ノイズの大きさdnのみを抽出し、流量が変化しても、正しくゼロ点が補正できる電磁流量計を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、励磁OFFのタイミングで発生する流量信号の大きさ(e2n)を求め、このタイミングで得られた数値データ(dn+e2n)からe2nを差し引くものであり、その構成は次の通りである。
【0017】
請求項1に記載の発明は、第1周波数とこれより低い第2周波数の2つの異なった周波数を有する磁場を供給して磁束密度を測定流体中に発生させることで、前記測定流体が流れる測定管内に発生する前記測定流体の平均流速に比例した流量信号を抽出し、前記磁束密度の時間変化に対応して、前記第1周波数の成分に基づいて発生する第1周波数の微分ノイズを抽出する手段を備えた電磁流量計において、前記第2周波数の微分ノイズがないとみなせる期間に対応する前記流量信号の成分と前記第1周波数の微分ノイズの成分とを所定の前記第2周波数のサンプリングタイミングでサンプリングすることを特徴とする電磁流量計である。
【0018】
従って、請求項1に記載の発明によれば、第2周波数(低周波)の微分ノイズがないとみなせる期間に対応する第2周波数(低周波)のサンプリングタイミングで流量信号の成分と第1周波数(高周波)の微分ノイズの成分をサンプリングすることが可能になる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明は、第1周波数とこれより低い第2周波数の2つの異なった周波数を有する磁場を供給して磁束密度を測定流体中に発生させることで、前記測定流体が流れる測定管内に発生する前記測定流体の平均流速に比例した流量信号を抽出し、前記磁束密度の時間変化に対応して、前記第1周波数の成分に基づいて発生する第1周波数の微分ノイズを抽出する手段を備えた電磁流量計において、前記第2周波数の微分ノイズがないとみなせる期間に対応する前記流量信号の成分と前記第1周波数の微分ノイズの成分とを所定の前記第1周波数のサンプリングタイミングでサンプリングすることを特徴とする電磁流量計である。
【0020】
従って、請求項2に記載の発明によれば、第2周波数(低周波)の微分ノイズがないとみなせる期間に対応する第1周波数(高周波)のサンプリングタイミングで流量信号の成分と第1周波数(高周波)の微分ノイズの成分をサンプリングすることが可能になる。
【0021】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記第2周波数に対する流量信号を実流校正によって予め求めた前記第2周波数に対する所定の定数、前記第2周波数のサンプリングタイミングでサンプリングした前記流量信号の成分及び前記第1周波数の微分ノイズの成分を積分することにより前記測定流体の流量を求めることを特徴とする請求項1に記載の電磁流量計である。
【0022】
従って、請求項3に記載の発明によれば、高周波の微分ノイズの一周期の積分値を求めることになり、その積分値はゼロになり、低周波のサンプリングタイミングで得られた値としては、流量信号の成分のみになり、その流量信号の成分と、第2周波数(低周波)に対する流量信号を実流量に換算するために実流校正によって予め求めた定数と、から測定流体の流量を求めることが可能になる。
【0023】
また、請求項4に記載の発明は、前記第1周波数の前記励磁電流がONのタイミングでサンプリングした前記流量信号の成分と前記第1周波数の微分ノイズの成分から、前記第1周波数の前記励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした前記流量信号の成分と前記第1周波数の微分ノイズの成分を減算するとともに、流体が静止している時求めた、前記第1周波数の前記励磁電流がONするタイミングでサンプリングした前記第1周波数の微分ノイズの成分と、前記第1周波数の前記励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした前記第1周波数の微分ノイズの成分とを補正することを特徴とする請求項2に記載の電磁流量計である。
【0024】
従って、請求項4に記載の発明によれば、流体が静止している時求めた、つまり、実流校正のような短時間の間で求めた、第1周波数(高周波)の励磁電流がONするタイミングでサンプリングした第1周波数(高周波)の微分ノイズの成分と、第1周波数(高周波)の励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした第1周波数(高周波)の微分ノイズの成分と、は一定であるためゼロ調整により補正することでゼロにすることが可能になり、第1周波数(高周波)の励磁電流がONのタイミングでサンプリングした流量信号の成分から、第1周波数(高周波)の励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした流量信号の成分を減算することが可能になる。
【0025】
さらに、請求項5に記載の発明は、前記第1周波数に対する流量信号を実流校正によって予め求めた前記第1周波数に対する所定の定数と、前記第2の演算手段によって得られた値とから前記測定流体の流量を求めることを特徴とする請求項2に記載の電磁流量計である。
【0026】
従って、請求項5に記載の発明によれば、第1周波数(高周波)に対する流量信号を実流量に換算するために実流校正によって予め求めた第1周波数(高周波)に対する定数と、第2の演算手段によって得られた第1周波数(高周波)の励磁電流がONのタイミングでサンプリングした流量信号の成分から、第1周波数(高周波)の励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした流量信号の成分を減算することによって得られる値とを乗算することで測定流体の流量を求めることが可能になる。
【0027】
また、請求項6に記載の発明は、前記第2周波数の所定のサンプリングタイミングでサンプリングした前記流量信号の成分に、前記実流校正によって予め求めた前記第2周波数に対する所定の定数から前記実流校正によって予め求めた前記第1周波数に対する所定の定数を減算して得られた値を乗算するとともに、該乗算して得られた値に2倍の前記実流校正によって予め求めた前記第1周波数に対する所定の定数で除算することにより、前記第1周波数の前記励磁電流がOFFするタイミングでの流量信号を求めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁流量計である。
【0028】
従って、請求項6に記載の発明によれば、第2周波数(低周波)のサンプリングタイミングでサンプリングした流量信号の成分に、実流校正によって予め求めた第2周波数(低周波)に対する定数から実流校正によって予め求めた第1周波数(高周波)に対する所定の定数を減算して得られた値を乗算するとともに、その乗算して得られた値に2倍の実流校正によって予め求めた第1周波数(高周波)に対する所定の定数で除算することで、第1周波数(高周波)の励磁電流がOFFするタイミングでの流量信号のみを求めることが可能になる。
【0029】
さらに、請求項7に記載の発明は、前記第1周波数の前記励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした前記第1周波数の流量信号と微分ノイズの成分とから前記流量信号を求める手段により得られる流量信号を減算することにより、微分ノイズ成分を取り出すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁流量計である。
【0030】
従って、請求項7に記載の発明によれば、第1周波数(高周波)の励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした第1周波数(高周波)の流量信号と微分ノイズの成分から流量信号のみを求める手段により得られる流量信号を減算することにより、微分ノイズ成分のみを取り出すことが可能になる。
【0031】
また、請求項8に記載の発明は、前記第1周波数の前記励磁電流がONまたはOFFしているタイミングでサンプリングにより得られる、流量信号と微分ノイズから前記微分ノイズ成分を取り出す手段により得られる微分ノイズ成分を減算し、流量信号の成分を求める手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁流量計である。
【0032】
従って、請求項8に記載の発明によれば、第1周波数(高周波)の励磁電流がONまたはOFFしているタイミングでサンプリングにより得られる、流量信号と微分ノイズから微分ノイズ成分のみを取り出す手段により得られる微分ノイズ成分を減算し、流量信号の成分のみを求めることが可能になる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
図2のタイムチャートには、2周波励磁のタイミングを表す波形図が示されている。この図2では、流量信号(es)(e)、高周波の微分ノイズ(D)(f)、低周波の微分ノイズ(g)はそれぞれ独立して記載しているが、実際には、これら(e)〜(g)が重ね合わされた波形が出力信号となる。
【0035】
このため、高周波のサンプリングタイミング1,2(i),(j)で得られた値には、流量信号の他に、高周波の微分ノイズ(D)(f)、低周波の微分ノイズ(g)、(f)も含まれている。
【0036】
以下、本発明の特徴である微分ノイズの補正をする部分のみ説明する。
まず、図2のタイムチャートにあって、低周波の微分ノイズ(g)がないとみなせる期間に対応する11、12番目のタイミングに着目する。
【0037】
12番目のサンプリング値=e12−d12…(2)(e12≠0)
【0038】
ここで、(2)式において、e12は流量信号(e)の成分であり、−d12は微分ノイズ(D)(f)の成分である。
【0039】
値d12を使用して高周波のゼロ点補正をするのは従来例と同じである。異なるのは、値e12を別の方法で求め、(2)式を用いて値d12を求めることである。
【0040】
低周波のサンプリングタイミング(h)でサンプリングして得られる値eLは下記の(3)式のようになる。
【0041】
eL=e11+e12+d11+d12+d11’+d12’…(3)
【0042】
ここで、値d11’、値d12’は低周波の微分ノイズであり、図2に示す波形により、値d11’、d12’は低周波の微分ノイズ(g)がないとみなせる期間内の成分であるためゼロとなる。
【0043】
ここで、電磁流量計では直流成分を除くため、ハイパスフィルターを通すので、高周波の微分ノイズの一周期の積分値(d11+d12)は0となる(図2の微分ノイズ(D)(f)参照)。
【0044】
つまり、高周波の微分ノイズは、例えば値d11、d12は面積が等しく符号は逆であるため、加算するとゼロになる。従って、低周波のサンプリングで得られた値には流量信号の成分のみが含まれ、(4)式が下記のように導かれる。
【0045】
eL=e11+e12…(4)
【0046】
一方、実流量をQr、低周波成分に対する流量計固有の定数(メータファクタ)をkLとすると下記のようになる。
【0047】
Qr=kL×eL=kL×(e11+e12)…(5)
【0048】
ここで、kLは低周波に対する流量信号を実流量に換算するために実流校正によって予め求めることができる。
【0049】
次に、高周波のサンプリングタイミングで得られる値eHは下記の(6)式のようになる。ここでは、高周波の励磁電流(i)(c)がONのタイミングでサンプリングした流量信号の成分と高周波の微分ノイズの成分から、高周波の励磁電流(i)(c)がOFFするタイミングでサンプリングした流量信号の成分と高周波の微分ノイズの成分を減算する。
【0050】
【0051】
また、実流量をQr、高周波成分に対する流量計固有の定数(メータファクタ)をkHとすると下記の(7)式のようになる。図2に示す低周波の微分ノイズ(g)の波形からd11’、d12’は低周波の微分ノイズがないとみなせる期間内の成分であるため、(3)式と同様にゼロとなる。
【0052】
Qr=kH{(e11−e12)+(d11+d12)}…(7)
【0053】
ここでkHは高周波に対する流量信号を実流量に換算するために実流校正によって予め求めることができる。そして、流体が静止している時に求めた、高周波の励磁電流(c)がONするタイミングでサンプリングした高周波の微分ノイズの成分と、高周波の励磁電流(c)がOFFするタイミングでサンプリングした高周波の微分ノイズの成分とを補正する。
【0054】
つまり、d11、d12の高周波の微分ノイズ成分の値は環境変動の影響を受け徐々に変化するが、実流校正のような短時間の間は、流体が静止しているとみなすことができるため一定であり、ゼロ調整によりd11+d12の値を補正しゼロにすることができる。その結果、(8)式が導かれる。
【0055】
Qr=kH×(e11−e12)…(8)
【0056】
ただし、d11+d12の値は環境変動等によって変化する。これをオンラインで補正することが本発明の目的である。そして、(5)、(8)式より以下の(9)式を導くことができる。
【0057】
Qr=kL×(e11+e12)=kH×(e11−e12)…(9)
【0058】
(4)式、(9)式はe11、e12に関する連立方程式であるからこのふたつの式より流量信号e12を求めることができ、実流量Qrと高周波サンプリングタイミングで得られた流量信号e12と低周波サンプリングタイミングで得られた流量信号には以下の関係を示す(10)式を導ける。
【0059】
ここで、kL、kHは実流量の校正であり予め求めておく必要がある。これにより、高周波の流量信号のみ(微分ノイズを含まない)を求めることが可能になる。
【0060】
e12=(kL−kH)×eL/2kH…(10)
【0061】
ここでeLは、実使用状態で毎回の低周波のサンプリングタイミングで得られる流量信号の値である。従って、その時々の流量に応じて、高周波の励磁電流(c)がOFFするタイミングでの流量信号であるe12のみを求めることが可能である。
【0062】
次に、12番目の高周波サンプリングタイミングで得られた値(eH12)を(11)式で示す。
【0063】
eH12=e12+d12…(11)
【0064】
この高周波サンプリングタイミングで得られた値であるeH12からe12を減算することによりd12(微分ノイズ)の値を求めることができる。具体的には、(11)に(10)式を代入することを(12)式を導くことができる。
【0065】
d12=eH12−e12=eH12−(kL―kH)×eL/2kH…(12)
【0066】
そして、この高周波のサンプリングタイミングで得られた値eH12から(12)式より得られた微分ノイズを減算することにより流量信号を求めることができる。
【0067】
同様にタイミング20、28、36…と次々と同様な補正値(微分ノイズ)が得られるとともに、流量信号も得ることができる。
【0068】
以上は説明を簡略化するため、原理的な説明をしたが、実際には微分ノイズ以外のノイズの影響を小さくするため、各種平均化のための演算を実施する。このように平均化された値を使用し、高周波の微分ノイズを補正する。
【0069】
元々、高周波の微分ノイズは比較的ゆっくりと変化するため実用上はこのような平均化処理をしても十分に高い精度でゼロ点の補正が可能である。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、励磁OFF(低周波の微分ノイズがないとみなせる期間)のタイミング時に発生する微分ノイズを使用しているため、流量変動があった場合にも正しくゼロ点の補正量を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における2周波励磁波形のタイミングチャートを示す波形図である。
【図2】従来における2周波励磁波形のタイミングチャートを示す波形図である。
Claims (8)
- 第1周波数とこれより低い第2周波数の2つの異なった周波数を有する磁場を供給して磁束密度を測定流体中に発生させることで、前記測定流体が流れる測定管内に発生する前記測定流体の平均流速に比例した流量信号を抽出し、前記磁束密度の時間変化に対応して、前記第1周波数の成分に基づいて発生する第1周波数の微分ノイズを抽出する手段を備えた電磁流量計において、前記第2周波数の微分ノイズがないとみなせる期間に対応する前記流量信号の成分と前記第1周波数の微分ノイズの成分とを所定の前記第2周波数のサンプリングタイミングでサンプリングすることを特徴とする電磁流量計。
- 第1周波数とこれより低い第2周波数の2つの異なった周波数を有する磁場を供給して磁束密度を測定流体中に発生させることで、前記測定流体が流れる測定管内に発生する前記測定流体の平均流速に比例した流量信号を抽出し、前記磁束密度の時間変化に対応して、前記第1周波数の成分に基づいて発生する第1周波数の微分ノイズを抽出する手段を備えた電磁流量計において、前記第2周波数の微分ノイズがないとみなせる期間に対応する前記流量信号の成分と前記第1周波数の微分ノイズの成分とを所定の前記第1周波数のサンプリングタイミングでサンプリングすることを特徴とする電磁流量計。
- 前記第2周波数に対する流量信号を実流校正によって予め求めた前記第2周波数に対する所定の定数、前記第2周波数のサンプリングタイミングでサンプリングした前記流量信号の成分及び前記第1周波数の微分ノイズの成分を積分することにより前記測定流体の流量を求めることを特徴とする請求項1に記載の電磁流量計。
- 前記第1周波数の前記励磁電流がONのタイミングでサンプリングした前記流量信号の成分と前記第1周波数の微分ノイズの成分から、前記第1周波数の前記励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした前記流量信号の成分と前記第1周波数の微分ノイズの成分を減算するとともに、流体が静止している時求めた、前記第1周波数の前記励磁電流がONするタイミングでサンプリングした前記第1周波数の微分ノイズの成分と、前記第1周波数の前記励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした前記第1周波数の微分ノイズの成分とを補正することを特徴とする請求項2に記載の電磁流量計。
- 前記第1周波数に対する流量信号を実流校正によって予め求めた前記第1周波数に対する所定の定数と、前記第2の演算手段によって得られた値とから前記測定流体の流量を求めることを特徴とする請求項2に記載の電磁流量計。
- 前記第2周波数の所定のサンプリングタイミングでサンプリングした前記流量信号の成分に、前記実流校正によって予め求めた前記第2周波数に対する所定の定数から前記実流校正によって予め求めた前記第1周波数に対する所定の定数を減算して得られた値を乗算するとともに、該乗算して得られた値に2倍の前記実流校正によって予め求めた前記第1周波数に対する所定の定数で除算することにより、前記第1周波数の前記励磁電流がOFFするタイミングでの流量信号を求めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁流量計。
- 前記第1周波数の前記励磁電流がOFFするタイミングでサンプリングした前記第1周波数の流量信号と微分ノイズの成分とから前記流量信号を求める手段により得られる流量信号を減算することにより、微分ノイズ成分を取り出すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁流量計。
- 前記第1周波数の前記励磁電流がONまたはOFFしているタイミングでサンプリングにより得られる、流量信号と微分ノイズから前記微分ノイズ成分を取り出す手段により得られる微分ノイズ成分を減算し、流量信号の成分を求める手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁流量計。
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JP2011033491A (ja) * | 2009-08-03 | 2011-02-17 | Yokogawa Electric Corp | 電磁流量計 |
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