JP2004143963A - エアーポンプ - Google Patents
エアーポンプ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004143963A JP2004143963A JP2002307361A JP2002307361A JP2004143963A JP 2004143963 A JP2004143963 A JP 2004143963A JP 2002307361 A JP2002307361 A JP 2002307361A JP 2002307361 A JP2002307361 A JP 2002307361A JP 2004143963 A JP2004143963 A JP 2004143963A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shielding wall
- wall
- suction
- discharge
- air
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Compressor (AREA)
Abstract
【課題】エアーポンプにおいて、簡単な構成で消音効果を高めること。
【解決手段】各吐出消音室18L,18Rにおいて、上ケース3Aにおける内上壁からは第1遮蔽壁22が立設されている。また、下ケース3Bにおける内底壁からは第2遮蔽壁23が立設されている。第1遮蔽壁22と第2遮蔽壁23とによって、吐出消音室18L,18R内で空気の流れ方向に対しラビリンスが構成されている。各吸込消音室19L,19Rにおいて、上ケース3Aにおける内上壁からは第1遮蔽壁22が立設されている。また、下ケース3Aにおける内底壁からは第2遮蔽壁23が立設されている。第1遮蔽壁22と第2遮蔽壁23とによって、吸入消音室19L,19R内で空気の流れ方向に対しラビリンスが構成されている。
【選択図】 図8
【解決手段】各吐出消音室18L,18Rにおいて、上ケース3Aにおける内上壁からは第1遮蔽壁22が立設されている。また、下ケース3Bにおける内底壁からは第2遮蔽壁23が立設されている。第1遮蔽壁22と第2遮蔽壁23とによって、吐出消音室18L,18R内で空気の流れ方向に対しラビリンスが構成されている。各吸込消音室19L,19Rにおいて、上ケース3Aにおける内上壁からは第1遮蔽壁22が立設されている。また、下ケース3Aにおける内底壁からは第2遮蔽壁23が立設されている。第1遮蔽壁22と第2遮蔽壁23とによって、吸入消音室19L,19R内で空気の流れ方向に対しラビリンスが構成されている。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアーポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的なエアーポンプとして、電磁石の電磁作用による振動でダイヤフラムを収縮・膨張させることにより、吸入した空気を圧送する構成のものがある。このようなエアーポンプにおいては、ダイヤフラムの収縮・膨張動作により発生した騒音が外部に漏れるのを防止すべく、吸入側及び吐出側にそれぞれ消音室を設けている。そして、これら消音室での消音効果を高めるべく、消音室の内部に空気の流路となる通気管を突設し、この通気管の外側に、一端のみが開口された有底の被覆管を空気通路を介し遊嵌状態に配置することで、二重管構造の空気流路を設けるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−247764号公報(第3頁〜5頁、図3及び図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記エアーポンプにおいては、消音室は樹脂材料を用いて成形製造されるが、消音室に円筒状の管を形成するので、その金型が複雑になってしまう。また、消音室は一面が開口する二つのケース(消音本体、消音基台)を一体化することにより形成され、通気管は一方のケースに、被覆管は他方のケースにそれぞれ形成されることになるが、ケースを結合したときに管同士が同心円状になるように位置決めが必要であり、その分構造が複雑になってしまう。さらに、消音効果をより高めようとすれば、被覆管の外側にさらに管を設けなければならず、大きなスペースを要してしまい、消音室が大きくなり、ひいてはポンプ本体が大きくなってしまう。
【0005】
本発明は、このような課題を解消するものであり、エアーポンプにおいて、簡単な構成で消音効果を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
上記課題を解決する本発明は、吸入した空気を圧送するポンプ部と、ポンプ部に吸入される空気を通過させる吸入消音室と、ポンプ部から吐出された空気を通過させる吐出消音室とを備えたエアーポンプにおいて、前記吸入消音室及び前記吐出消音室の少なくとも一方の消音室内において、対向する2つの内壁における一方の内壁から空気の流れ方向と交差するように立設された第1遮蔽壁と、他方の内壁から空気の流れ方向と交差するように立設された第2遮蔽壁とを、互いに隣接するように且つ互いの先端部がオーバーラップするように設けて、ラビリンスを構成したことを特徴とするものである。
【0007】
この構成では、ポンプ部で発生した騒音は、ラビリンス部分を通過する間に減衰される。よって、エアーポンプの運転時に外部に漏れる騒音を低減することができる。しかも、ラビリンスを構成する消音室を樹脂成形する場合でも、遮蔽壁という板状のものを形成すればよく、その金型が複雑にならない。また、管を同心円状にするような精度がいらないため、位置決めの必要がなく、構造が複雑にならない。さらに消音効果をより高めるには、消音室内において空気の流路に沿って遮蔽壁を増やせばよく、外側に管を増やす場合に比べてスペースを必要とせず、消音室が大きくならない。
【0008】
上記構成においては、さらに、ラビリンスを構成した前記消音室を、一面が開口する二つケースを互いの開口面を合わせるように一体化して形成するとともに、前記第1遮蔽壁を一方のケースの開口面と対向する内壁から立設し、前記第2遮蔽壁を他方のケースの開口面と対向する内壁から立設するよう構成することが好ましい。
【0009】
この構成では、2つのケースを一体化するだけで、第1遮蔽壁と第2遮蔽壁とにより容易にラビリンスが構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態のエアーポンプについて、図1〜図8を参照して説明する。なお、左右方向は、エアーポンプの正面視によるものとする。
【0011】
本実施形態のエアーポンプは、上ケーシング1Aと下ケーシング1Bとからなるケーシング1内に、ポンプ部2及び消音室部3が配置されている。ケーシング1の前面中央部には、チューブなどが接続される2本の接続口4A,4Bが上下に並んで設けられている。また、ケーシング1の底面には、ケーシング1内への吸気口(図示せず)が設けられている。
【0012】
ポンプ部2は、消音室部3の上面の後部中央部に設けられ、前側の左右に吐出通路5L,5R、後側の左右に吸入通路6L,6Rがそれぞれ形成された通路体7と、通路体7の左右側面にそれぞれ取り付けられたダイヤフラム8L,8Rと、各ダイヤフラム8L,8Rにそれぞれ取り付けられ、前端部が回転自在に保持されるとともに後端部に磁石9を備える駆動レバー10L,10Rと、駆動レバー10L,10Rの後方に配置され、電磁作用により駆動レバー10L,10Rを振動させる電磁石11とで構成される。
【0013】
吐出通路5L,5Rは、上下方向に延び、その下面に消音室部3(後述する吐出消音室)への空気の吐出口12が形成され、その上部側面にダイヤフラム8L,8R内からの空気の導出口13が形成されている。導出口13には、吐出方向への開放のみを許す吐出逆止弁14が設けられている。吸入通路6L,6Rは、同じく上下方向に延び、その下面に消音室部3(後述する吸入消音室)からの空気の吸入口15が形成され、その上部側面にダイヤフラム8L,8R内への空気の導入口16が形成されている。導入口16には、吸入方向への開放のみを許す吸入逆止弁17が設けられている。
【0014】
消音室部3は、その内部を仕切壁300によって、前部左右に設けられる吐出消音室18L,18Rと後部左右に設けられる吸入消音室19L,19Rの4室に区画されている。消音室部3は、下方が開口する樹脂製の上ケース3Aと上方が開口する樹脂製の下ケース3Bとを、熱溶着などに接着手法により一体化して形成されている。消音室部3の上面の前部中央部には前後の並んで2本の吐出管20A,20Bが設けられている。これら吐出管20A,20Bは、消音室部3(上ケース3A)と一体形成されるとともに、上方に延びたのち直角に折れ曲がり前方へ延びる、略逆L字状をしている。こうして、前側の吐出管20Bの先端部が下側の接続口4Bとなり、後側の吐出管20Aの先端部が上側の接続口4Aとなる。
【0015】
左側の吐出消音室18Lは、左側の吐出通路5Lの吐出口12から一旦左側方へ延び、直角に曲がって前方へ延び、さらに前端部から中央へ延びて前側の吐出管20Bにつながっている。右側の吐出消音室18Rは、右側の吐出通路5Rの吐出口12から一旦左側方へ延び、直角に曲がって前方へ延び、さらに前方へ延びる通路の途中から中央へ延びて後側の吐出管20Aにつながっている。
【0016】
左側の吸入消音室19Lは、左側の吸入通路6Lの吸入口15から消音室部3の左側部まで延びており、右側の吸入消音室19Rは、右側の吸入通路6Rの吸入口15から消音室部3の右側部まで延びている。これら吸入消音室19L,19Rの左右側部の上面には、ケーシング1内に取り込んだ空気を吸入消音室19L,19Rへと取り込むための取込口21が設けられている。
【0017】
各吐出消音室18L,18Rにおいて、上ケース3Aにおける内上壁からは、吐出口12近くの位置に所定の間隔をおいて2本の第1遮蔽壁22が、曲がった後の位置に1本の第1遮蔽壁22が立設されている(図5参照)。また、下ケース3Bにおける内底壁からは、吐出口12近くの位置であって2本の第1遮蔽壁22の中間位置に1本の第2遮蔽壁23が、曲がった後の位置であって1本の第1遮蔽壁22の前後の位置には、この遮蔽壁22と所定の間隔をおいて2本の第2遮蔽壁23が立設されている(図6参照)。これら第1遮蔽壁22及び第2遮蔽壁23は、吐出口12から吐出管20A,20Bへ向かう空気の流路に交差(直交)するように設けられている。第1遮蔽壁22の先端部は、第2遮蔽壁23の先端部よりも下方に延び(第2遮蔽壁23の先端部は、第1遮蔽壁22の先端部よりも上方に延び)、即ち、互いの遮蔽壁の先端部がオーバーラップしており、第1遮蔽壁22と第2遮蔽壁23とによって、吐出消音室18L,18R内で空気の流れ方向に対しラビリンスが構成されている(図7参照)。
【0018】
各吸込消音室19L,19Rにおいて、上ケース3Aにおける内上壁からは3本の第1遮蔽壁22が立設されている(図5参照)。また、下ケース3Aにおける内底壁からは、1本目と2本目の第1遮蔽壁22の中間位置と2本目と3本目の第1遮蔽壁22の中間位置とに計2本の第2遮蔽壁23が立設されている(図6参照)。これら第1遮蔽壁22及び第2遮蔽壁23は、取込口21から吸入口14へ向かう空気の流路に交差(直交)するように設けられている。互いの遮蔽壁の先端部がオーバーラップしており、第1遮蔽壁22と第2遮蔽壁23とによって、吸入消音室19L,19R内で空気の流れ方向に対しラビリンスが構成されている(図8参照)。
【0019】
以上の構成において、電磁石11に交流電流が通電されると、磁石9が図2の矢印方向に往復運動し、駆動レバー10L,10Rが振動してダイヤフラム8L,8Rが膨張と収縮とを繰り返す。ダイヤフラム8L,8Rの膨張によって、吸入逆止弁17のみが開放して外部空気が吸気口、取込口21、吸気消音室19L,19R、吸気通路6L,6Rを通ってダイヤフラム8L,8R内に送り込まれる。そして、次の収縮によって、吐出逆止弁14のみが開放してダイヤフラム8L,8R内の空気は圧送され、吐出通路5L,5R、吐出消音室18L,18R、吐出管20A,20Bを通って外部に吐出される。
【0020】
この時、ダイヤフラム8L,8Rの膨張・収縮動作に伴って、ダイヤフラム8L,8R内で騒音が発生する。本実施形態のエアーポンプでは、ポンプ部2で発生した騒音は、吐出消音室18L,18Rや吸気消音室19L,19Rに至り、これら消音室内においてラビリンス部分を通過する間に減衰される。したがって、エアーポンプの運転時の外部への騒音を低減することができる。
【0021】
しかも、吐出消音室18L,18Rや吸入消音室19L,19Rが樹脂成形により形成される場合でも、遮蔽壁という板状のものを形成すればよく、その金型が複雑にならない。また、管を同心円状にするような精度がいらないため、位置決めが必要なく、構造が複雑にならない。さらに消音効果をさらに高めるには、これら消音室内において空気の流路に沿って遮蔽壁を増やしていけばよく、外側に管を増やしていく場合に比べてスペースを必要とせず、消音室が大きくならない。
【0022】
さらに、ラビリンスを構成した吐出消音室18L,18Rや吸入消音室19L,19Rを、一面が開口する二つケース(上ケース3Aと下ケース3B)を互いの開口面を合わせるように一体化して形成するとともに、第1遮蔽壁22を上ケース3Aの内上壁から立設し、第2遮蔽壁23を下ケース3Bの内底壁から立設するように構成し、消音室の分割方向と遮蔽壁の立設方向を同じにしたので、上下ケースを一体化するだけで、第1遮蔽壁22と第2遮蔽壁23とにより容易にラビリンスが構成される。
【0023】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更や修正を行える。例えば、吸入消音室及び吐出消音室の双方にラビリンスを構成することが最も望ましいが、最低限どちらかの消音室に設けられていればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のエアーポンプの外観を示す斜視図である。
【図2】エアーポンプの構成を示す、上ケーシングを外した平面図である。
【図3】エアーポンプの構成を示す、要部の横断面図である。
【図4】エアーポンプの構成を示す、上ケーシングを外した側面縦断面図である。
【図5】消音室部の構成を示す、上ケースを下方から見た平面図である。
【図6】消音室部の構成を示す、下ケースを上方から見た平面図である。
【図7】吐出消音室内のラビリンス構成を示す、要部の縦断面図である。
【図8】吸入消音室内のラビリンス構成を示す、要部の縦断面図である。
【符号の説明】
2 ポンプ部
3 消音室部
3A 上ケース
3B 下ケース
18L 吐出消音室
18R 吐出消音室
19L 吸入消音室
19R 吸入消音室
22 第1遮蔽壁
23 第2遮蔽壁
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアーポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的なエアーポンプとして、電磁石の電磁作用による振動でダイヤフラムを収縮・膨張させることにより、吸入した空気を圧送する構成のものがある。このようなエアーポンプにおいては、ダイヤフラムの収縮・膨張動作により発生した騒音が外部に漏れるのを防止すべく、吸入側及び吐出側にそれぞれ消音室を設けている。そして、これら消音室での消音効果を高めるべく、消音室の内部に空気の流路となる通気管を突設し、この通気管の外側に、一端のみが開口された有底の被覆管を空気通路を介し遊嵌状態に配置することで、二重管構造の空気流路を設けるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−247764号公報(第3頁〜5頁、図3及び図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記エアーポンプにおいては、消音室は樹脂材料を用いて成形製造されるが、消音室に円筒状の管を形成するので、その金型が複雑になってしまう。また、消音室は一面が開口する二つのケース(消音本体、消音基台)を一体化することにより形成され、通気管は一方のケースに、被覆管は他方のケースにそれぞれ形成されることになるが、ケースを結合したときに管同士が同心円状になるように位置決めが必要であり、その分構造が複雑になってしまう。さらに、消音効果をより高めようとすれば、被覆管の外側にさらに管を設けなければならず、大きなスペースを要してしまい、消音室が大きくなり、ひいてはポンプ本体が大きくなってしまう。
【0005】
本発明は、このような課題を解消するものであり、エアーポンプにおいて、簡単な構成で消音効果を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
上記課題を解決する本発明は、吸入した空気を圧送するポンプ部と、ポンプ部に吸入される空気を通過させる吸入消音室と、ポンプ部から吐出された空気を通過させる吐出消音室とを備えたエアーポンプにおいて、前記吸入消音室及び前記吐出消音室の少なくとも一方の消音室内において、対向する2つの内壁における一方の内壁から空気の流れ方向と交差するように立設された第1遮蔽壁と、他方の内壁から空気の流れ方向と交差するように立設された第2遮蔽壁とを、互いに隣接するように且つ互いの先端部がオーバーラップするように設けて、ラビリンスを構成したことを特徴とするものである。
【0007】
この構成では、ポンプ部で発生した騒音は、ラビリンス部分を通過する間に減衰される。よって、エアーポンプの運転時に外部に漏れる騒音を低減することができる。しかも、ラビリンスを構成する消音室を樹脂成形する場合でも、遮蔽壁という板状のものを形成すればよく、その金型が複雑にならない。また、管を同心円状にするような精度がいらないため、位置決めの必要がなく、構造が複雑にならない。さらに消音効果をより高めるには、消音室内において空気の流路に沿って遮蔽壁を増やせばよく、外側に管を増やす場合に比べてスペースを必要とせず、消音室が大きくならない。
【0008】
上記構成においては、さらに、ラビリンスを構成した前記消音室を、一面が開口する二つケースを互いの開口面を合わせるように一体化して形成するとともに、前記第1遮蔽壁を一方のケースの開口面と対向する内壁から立設し、前記第2遮蔽壁を他方のケースの開口面と対向する内壁から立設するよう構成することが好ましい。
【0009】
この構成では、2つのケースを一体化するだけで、第1遮蔽壁と第2遮蔽壁とにより容易にラビリンスが構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態のエアーポンプについて、図1〜図8を参照して説明する。なお、左右方向は、エアーポンプの正面視によるものとする。
【0011】
本実施形態のエアーポンプは、上ケーシング1Aと下ケーシング1Bとからなるケーシング1内に、ポンプ部2及び消音室部3が配置されている。ケーシング1の前面中央部には、チューブなどが接続される2本の接続口4A,4Bが上下に並んで設けられている。また、ケーシング1の底面には、ケーシング1内への吸気口(図示せず)が設けられている。
【0012】
ポンプ部2は、消音室部3の上面の後部中央部に設けられ、前側の左右に吐出通路5L,5R、後側の左右に吸入通路6L,6Rがそれぞれ形成された通路体7と、通路体7の左右側面にそれぞれ取り付けられたダイヤフラム8L,8Rと、各ダイヤフラム8L,8Rにそれぞれ取り付けられ、前端部が回転自在に保持されるとともに後端部に磁石9を備える駆動レバー10L,10Rと、駆動レバー10L,10Rの後方に配置され、電磁作用により駆動レバー10L,10Rを振動させる電磁石11とで構成される。
【0013】
吐出通路5L,5Rは、上下方向に延び、その下面に消音室部3(後述する吐出消音室)への空気の吐出口12が形成され、その上部側面にダイヤフラム8L,8R内からの空気の導出口13が形成されている。導出口13には、吐出方向への開放のみを許す吐出逆止弁14が設けられている。吸入通路6L,6Rは、同じく上下方向に延び、その下面に消音室部3(後述する吸入消音室)からの空気の吸入口15が形成され、その上部側面にダイヤフラム8L,8R内への空気の導入口16が形成されている。導入口16には、吸入方向への開放のみを許す吸入逆止弁17が設けられている。
【0014】
消音室部3は、その内部を仕切壁300によって、前部左右に設けられる吐出消音室18L,18Rと後部左右に設けられる吸入消音室19L,19Rの4室に区画されている。消音室部3は、下方が開口する樹脂製の上ケース3Aと上方が開口する樹脂製の下ケース3Bとを、熱溶着などに接着手法により一体化して形成されている。消音室部3の上面の前部中央部には前後の並んで2本の吐出管20A,20Bが設けられている。これら吐出管20A,20Bは、消音室部3(上ケース3A)と一体形成されるとともに、上方に延びたのち直角に折れ曲がり前方へ延びる、略逆L字状をしている。こうして、前側の吐出管20Bの先端部が下側の接続口4Bとなり、後側の吐出管20Aの先端部が上側の接続口4Aとなる。
【0015】
左側の吐出消音室18Lは、左側の吐出通路5Lの吐出口12から一旦左側方へ延び、直角に曲がって前方へ延び、さらに前端部から中央へ延びて前側の吐出管20Bにつながっている。右側の吐出消音室18Rは、右側の吐出通路5Rの吐出口12から一旦左側方へ延び、直角に曲がって前方へ延び、さらに前方へ延びる通路の途中から中央へ延びて後側の吐出管20Aにつながっている。
【0016】
左側の吸入消音室19Lは、左側の吸入通路6Lの吸入口15から消音室部3の左側部まで延びており、右側の吸入消音室19Rは、右側の吸入通路6Rの吸入口15から消音室部3の右側部まで延びている。これら吸入消音室19L,19Rの左右側部の上面には、ケーシング1内に取り込んだ空気を吸入消音室19L,19Rへと取り込むための取込口21が設けられている。
【0017】
各吐出消音室18L,18Rにおいて、上ケース3Aにおける内上壁からは、吐出口12近くの位置に所定の間隔をおいて2本の第1遮蔽壁22が、曲がった後の位置に1本の第1遮蔽壁22が立設されている(図5参照)。また、下ケース3Bにおける内底壁からは、吐出口12近くの位置であって2本の第1遮蔽壁22の中間位置に1本の第2遮蔽壁23が、曲がった後の位置であって1本の第1遮蔽壁22の前後の位置には、この遮蔽壁22と所定の間隔をおいて2本の第2遮蔽壁23が立設されている(図6参照)。これら第1遮蔽壁22及び第2遮蔽壁23は、吐出口12から吐出管20A,20Bへ向かう空気の流路に交差(直交)するように設けられている。第1遮蔽壁22の先端部は、第2遮蔽壁23の先端部よりも下方に延び(第2遮蔽壁23の先端部は、第1遮蔽壁22の先端部よりも上方に延び)、即ち、互いの遮蔽壁の先端部がオーバーラップしており、第1遮蔽壁22と第2遮蔽壁23とによって、吐出消音室18L,18R内で空気の流れ方向に対しラビリンスが構成されている(図7参照)。
【0018】
各吸込消音室19L,19Rにおいて、上ケース3Aにおける内上壁からは3本の第1遮蔽壁22が立設されている(図5参照)。また、下ケース3Aにおける内底壁からは、1本目と2本目の第1遮蔽壁22の中間位置と2本目と3本目の第1遮蔽壁22の中間位置とに計2本の第2遮蔽壁23が立設されている(図6参照)。これら第1遮蔽壁22及び第2遮蔽壁23は、取込口21から吸入口14へ向かう空気の流路に交差(直交)するように設けられている。互いの遮蔽壁の先端部がオーバーラップしており、第1遮蔽壁22と第2遮蔽壁23とによって、吸入消音室19L,19R内で空気の流れ方向に対しラビリンスが構成されている(図8参照)。
【0019】
以上の構成において、電磁石11に交流電流が通電されると、磁石9が図2の矢印方向に往復運動し、駆動レバー10L,10Rが振動してダイヤフラム8L,8Rが膨張と収縮とを繰り返す。ダイヤフラム8L,8Rの膨張によって、吸入逆止弁17のみが開放して外部空気が吸気口、取込口21、吸気消音室19L,19R、吸気通路6L,6Rを通ってダイヤフラム8L,8R内に送り込まれる。そして、次の収縮によって、吐出逆止弁14のみが開放してダイヤフラム8L,8R内の空気は圧送され、吐出通路5L,5R、吐出消音室18L,18R、吐出管20A,20Bを通って外部に吐出される。
【0020】
この時、ダイヤフラム8L,8Rの膨張・収縮動作に伴って、ダイヤフラム8L,8R内で騒音が発生する。本実施形態のエアーポンプでは、ポンプ部2で発生した騒音は、吐出消音室18L,18Rや吸気消音室19L,19Rに至り、これら消音室内においてラビリンス部分を通過する間に減衰される。したがって、エアーポンプの運転時の外部への騒音を低減することができる。
【0021】
しかも、吐出消音室18L,18Rや吸入消音室19L,19Rが樹脂成形により形成される場合でも、遮蔽壁という板状のものを形成すればよく、その金型が複雑にならない。また、管を同心円状にするような精度がいらないため、位置決めが必要なく、構造が複雑にならない。さらに消音効果をさらに高めるには、これら消音室内において空気の流路に沿って遮蔽壁を増やしていけばよく、外側に管を増やしていく場合に比べてスペースを必要とせず、消音室が大きくならない。
【0022】
さらに、ラビリンスを構成した吐出消音室18L,18Rや吸入消音室19L,19Rを、一面が開口する二つケース(上ケース3Aと下ケース3B)を互いの開口面を合わせるように一体化して形成するとともに、第1遮蔽壁22を上ケース3Aの内上壁から立設し、第2遮蔽壁23を下ケース3Bの内底壁から立設するように構成し、消音室の分割方向と遮蔽壁の立設方向を同じにしたので、上下ケースを一体化するだけで、第1遮蔽壁22と第2遮蔽壁23とにより容易にラビリンスが構成される。
【0023】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更や修正を行える。例えば、吸入消音室及び吐出消音室の双方にラビリンスを構成することが最も望ましいが、最低限どちらかの消音室に設けられていればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のエアーポンプの外観を示す斜視図である。
【図2】エアーポンプの構成を示す、上ケーシングを外した平面図である。
【図3】エアーポンプの構成を示す、要部の横断面図である。
【図4】エアーポンプの構成を示す、上ケーシングを外した側面縦断面図である。
【図5】消音室部の構成を示す、上ケースを下方から見た平面図である。
【図6】消音室部の構成を示す、下ケースを上方から見た平面図である。
【図7】吐出消音室内のラビリンス構成を示す、要部の縦断面図である。
【図8】吸入消音室内のラビリンス構成を示す、要部の縦断面図である。
【符号の説明】
2 ポンプ部
3 消音室部
3A 上ケース
3B 下ケース
18L 吐出消音室
18R 吐出消音室
19L 吸入消音室
19R 吸入消音室
22 第1遮蔽壁
23 第2遮蔽壁
Claims (2)
- 吸入した空気を圧送するポンプ部と、ポンプ部に吸入される空気を通過させる吸入消音室と、ポンプ部から吐出された空気を通過させる吐出消音室とを備えたエアーポンプにおいて、
前記吸入消音室及び前記吐出消音室の少なくとも一方の消音室内において、
対向する2つの内壁における一方の内壁から空気の流れ方向と交差するように立設された第1遮蔽壁と、他方の内壁から空気の流れ方向と交差するように立設された第2遮蔽壁とを、互いに隣接するように且つ互いの先端部がオーバーラップするように設けて、ラビリンスを構成したことを特徴とするエアーポンプ。 - ラビリンスを構成した前記消音室を、一面が開口する二つケースを互いの開口面を合わせるように一体化して形成するとともに、前記第1遮蔽壁を一方のケースの開口面と対向する内壁から立設し、前記第2遮蔽壁を他方のケースの開口面と対向する内壁から立設するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のエアーポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002307361A JP2004143963A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | エアーポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002307361A JP2004143963A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | エアーポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004143963A true JP2004143963A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32453845
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002307361A Pending JP2004143963A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | エアーポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004143963A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012117381A (ja) * | 2010-11-29 | 2012-06-21 | Denso Corp | 燃料蒸気漏れ検出装置 |
JP2014529015A (ja) * | 2011-09-09 | 2014-10-30 | エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトOerlikon Textile GmbH & Co. KG | 糸を処理する装置 |
CN108757389A (zh) * | 2018-06-08 | 2018-11-06 | 新昌县长城空调部件股份有限公司 | 一种高性能低噪音压缩机管路总成及其制造方法 |
WO2023191265A1 (ko) * | 2022-03-30 | 2023-10-05 | 엘지전자 주식회사 | 왕복동식 압축기 |
-
2002
- 2002-10-22 JP JP2002307361A patent/JP2004143963A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012117381A (ja) * | 2010-11-29 | 2012-06-21 | Denso Corp | 燃料蒸気漏れ検出装置 |
JP2014529015A (ja) * | 2011-09-09 | 2014-10-30 | エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトOerlikon Textile GmbH & Co. KG | 糸を処理する装置 |
US9422645B2 (en) | 2011-09-09 | 2016-08-23 | Oerlikon Textile Gmbh & Co. Kg | Device for treating a thread |
CN108757389A (zh) * | 2018-06-08 | 2018-11-06 | 新昌县长城空调部件股份有限公司 | 一种高性能低噪音压缩机管路总成及其制造方法 |
CN108757389B (zh) * | 2018-06-08 | 2020-03-31 | 新昌县长城空调部件股份有限公司 | 一种高性能低噪音压缩机管路总成及其制造方法 |
WO2023191265A1 (ko) * | 2022-03-30 | 2023-10-05 | 엘지전자 주식회사 | 왕복동식 압축기 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006046327A (ja) | 吸気騒音減衰器 | |
JPS5815708A (ja) | 消音器 | |
JP2000120497A (ja) | 自動車用吸気消音装置 | |
JP2019510166A (ja) | 消音器を備えた真空ポンプ | |
JP5351280B2 (ja) | 真空掃除機 | |
KR100774483B1 (ko) | 압축기용 흡입머플러 구조 | |
JP2009062948A (ja) | 内燃機関のエアクリーナ装置 | |
JPH11294279A (ja) | エンジンの吸気ダクト | |
JP2008014222A (ja) | インテークマニホールド | |
JP2004143963A (ja) | エアーポンプ | |
JP2004529289A5 (ja) | ||
JP4476130B2 (ja) | 車両用の吸気管 | |
JPH1162743A (ja) | 吸気消音装置 | |
JP2007231931A (ja) | 吸気音伝達装置及び吸気音伝達方法 | |
JP2006291810A (ja) | 吸気サイレンサ | |
JP2001304057A (ja) | 内燃機関の吸気装置 | |
JP2000303818A (ja) | 船外機の排気装置 | |
JPS60108786U (ja) | エア−ポンプ | |
JP6634596B2 (ja) | 送風装置 | |
JP2001132567A (ja) | 吸気装置 | |
JP6610872B2 (ja) | 内燃機関の吸気装置 | |
JP3685893B2 (ja) | 電磁往復動式エアポンプ | |
CN215566325U (zh) | 具有消声结构的进气弯头总成 | |
CN107095616A (zh) | 吸尘器的内罩和吸尘器 | |
JP6806749B2 (ja) | 内燃機関の吸気装置 |