JP4476130B2 - 車両用の吸気管 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のエンジンへの吸入空気通路となる車両用の吸気管に関する。
近年、車両走行時における車室内の静粛性向上の要求が高まっており、エンジンの吸気音に対しても、その要求が高まっている。一方で、車両を運転する楽しみとして、特に、車両を加速させたときの心地よい音、例えば、吸気系によってエンジンの回転数の上昇に伴い発生するスポーツサウンドなどを、車室内に伝播させることも要求されている。したがって、車室内における静粛性の向上と心地よい音の伝播という背反する要求を良好に満足する必要がある。
これに対し、従来から、例えば、下記特許文献1に示すような自動車用内燃機関の吸気装置は知られている。この従来の吸気装置は、吸気口から吸入した空気をエアークリーナーに導入する吸気ダクトを複数備えており、これら複数の吸気ダクトは互いに異なる共鳴周波数を有するようになっている。そして、これら複数の吸気ダクトは、エンジンの高負荷時にそれぞれ吸気音を発生するようになっているため、運転者は、通常走行時には静粛性を知覚し、加速走行時には迫力感のあるスポーツサウンドを知覚できるようになっている。
特開2000−303925号公報
しかしながら、上記従来の吸気装置においては、複数の吸気ダクト自体の形状およびそれぞれの吸気ダクトに組み付けられるレゾネータ(消音器)の大きさによって、所望の周波数を有する心地よい音、言い換えればスポーツサウンドを発生するようになっている。このため、通常走行時における吸気系の静粛性と加速走行時におけるスポーツサウンドの発生とが両立できない場合がある。すなわち、スポーツサウンドを優先的に発生させるように、吸気ダクト自体の形状(例えば、ダクト径、ダクト長など)や消音器の容積を決定すると、通常走行時における吸気音が大きくなる可能性があり、通常走行時の静粛性が良好に確保できない場合がある。また、逆に、通常走行時における静粛性を優先的に確保するように、吸気ダクトの形状や消音器の容積を決定すると、車両を加速させたときに良好なスポーツサウンドを発生できない場合がある。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両の吸気系における静粛性を良好に確保するとともに、運転者にとって心地よい音を発生することができる車両用の吸気管を提供することにある。
本発明の特徴は、外気を導入するための吸気ダクトと、同吸気ダクトによって導入された外気を濾過するエアークリーナーと、同エアークリーナーによって濾過された外気を車両のエンジンに導通するエアークリーナーホースとからなる車両用の吸気管において、前記吸気ダクトに前記車両のエンジンの作動によって外気が導入されるときに発生する吸気音を低減する手段を設けるとともに、前記車両のエンジンの作動によって外気が導入されるときに発生する吸気音の有する周波数帯域のうち、特定の周波数を有する吸気音を増幅する吸気音増幅機構を、一端部が前記エアークリーナーホースと連通可能に接続されて、前記特定の周波数と一致する周波数によって気柱共鳴を発生する共鳴パイプと、前記共鳴パイプの他端部を気密的に塞ぐとともに、前記発生した気柱共鳴と共鳴して振動する振動膜とで構成し、前記共鳴パイプの他端部を、車両のエンジンルームを区画するフェンダーエプロンの外方と車両前部の外郭を形成するフロントフェンダーパネルの内方とによって形成される空間内または車両のエンジンルームと車室とを隔離するダッシュパネルに近接する位置に配置したことにある。この場合、例えば、前記吸気ダクトに対して、前記車両のエンジンの作動により発生する吸気音を低減させるための消音器を設けるとよい。また、この場合、例えば、前記吸気ダクトは、前記車両のエンジンの作動により発生する吸気音を低減させるために管壁の一部または全部が通気性を有する多孔質材料によって形成されるとよい。
これらによれば、吸気ダクトに消音器(レゾネータ)が組み付けられることによって、または、吸気ダクトが多孔質材料(例えば、織布や不織布など)から形成されることによって、外気が導入されるときに発生する吸気音が良好に減衰される。すなわち、消音器(レゾネータ)や多孔質材料によって、吸気ダクト内で発生する気柱共鳴が大幅に減衰されるため、吸気音の有する周波数帯域の全域にわたり吸気音の音圧レベルを低減することができる。これにより、車両の静粛性より詳しくは車室内における静粛性が良好に確保することができる。
一方、吸気音増幅機構を設けることにより、特定の周波数を有する吸気音が選択的に増幅されるため、例えば、スポーツサウンドが有する周波数を特定の周波数とすれば、加速走行時において運転者が心地よいと知覚する音を増幅して車室内に伝播させることができる。ここで、運転者が心地よい音として知覚できる特定の周波数を有する吸気音としては、例えば、400Hz近傍の周波数を有する吸気音とするとよい。さらに、吸気音増幅機構を吸気管に対して追加して設けることができるため、上述した車室内の静粛性を良好に確保するとともに心地よい音を車室内に伝播させることができる。したがって、車室内における静粛性の確保と心地よい音の伝播という背反する要求を良好に満足することができる。
また、前記吸気音増幅機構、一端部が前記エアークリーナーホースと連通可能に接続されて、前記特定の周波数と一致する周波数によって気柱共鳴を発生する共鳴パイプと、前記共鳴パイプの他端部を気密的に塞ぐとともに、前記発生した気柱共鳴と共鳴して振動する振動膜と構成することができる。これによれば、共鳴パイプが特定の周波数と一致する周波数によって気柱共鳴し、この気柱共鳴に共鳴して振動膜が振動するため、特定の周波数を有する吸気音のみを選択して増幅することができる。したがって、簡便な構成によってより的確に心地よい音を発生させることができる。また、振動膜によって共鳴パイプの他端部が気密的に塞がれるため、特定の周波数以外の周波数を有する音が共鳴パイプの他端部から放射されることを防止することができ、これによっても、車室内の静粛性を確保することができる。
また、前記共鳴パイプの他端部を、車両のエンジンルームを区画するフェンダーエプロンの外方と車両前部の外郭を形成するフロントフェンダーパネルの内方とによって形成される空間内または車両のエンジンルームと車室とを隔離するダッシュパネルに近接する位置に配置することができる。ここで、フェンダーエプロンの外方と、フロントフェンダーパネルの内方とによって形成される空間またはダッシュパネルは、車両において、車室外で発生する音を車室内に伝播しやすい部位となる。したがって、これらの部位に共鳴パイプの他端部(詳しくは振動膜)を配置することにより、特定の周波数を有する吸気音を確実に車室内に伝播させることができる。特に、ダッシュパネルに近接する位置に共鳴パイプの他端部を配置する際には、この他端部をダッシュパネルに向けて配置することにより、より確実に特定の周波数を有する吸気音を車室内に伝播させることができる。
以下に、本発明に係る第1実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る車両用の吸気管10がエンジンルーム20内にてエンジン30に組み付けられた状態を概略的に示したものである。吸気管10は、吸気ダクト11、レゾネータ12、エアークリーナー13およびエアークリーナーホース14を備えている。
吸気ダクト11は、その吸入口11aが車両前部に向けて配置されていて、外気をエアークリーナー13の上流側に導入するものである。ここで、吸入口11aは、吸入空気の流動抵抗を少なくするために、吸気ダクト11の一般部分の外径寸法よりも拡管されて形成されている。レゾネータ12は、所定の容積を有するとともに吸気ダクト11の管壁にて連通可能に接続されていて、エンジン30による外気吸入工程に伴って吸気ダクト11内部に発生する管内脈動を減衰するものである。これにより、吸気ダクト11の管内脈動に伴って発生する気柱共鳴を減衰させて、不快な吸気音の音圧レベルを低減することができる。エアークリーナー13は、内部にエアークリーナーエレメント13aを内包していて、吸気ダクト11によって導入された外気を濾過するものである。エアークリーナーホース14は、エアークリーナー13の下流側に接続されていて、エアークリーナーエレメント13aによって濾過された外気をエンジン30のスロットルボデー31に供給するものである。
また、吸気管10には、吸気音増幅機構としての共鳴パイプ15と振動膜16とが設けられている。共鳴パイプ15は、予め設定された特定の周波数(例えば、400Hz近傍)で気柱共鳴を発生させるように所定の管長および所定の内径に設定されていて、その一端部がエアークリーナーホース14の管壁にて連通可能に接続されている。ここで、共鳴パイプ15の形状寸法としては、例えば、300mm〜1000mmの管長および20mm〜100mmの内径を有するとよい。特定の周波数で気柱共鳴を発生させるために、より好ましくは、共鳴パイプ15の形状寸法が、350mm〜700mmの管長および50mm〜70mmの内径を有するとよい。また、共鳴パイプ15の他端部は、エンジンルーム20を区画するフェンダーエプロン21の外方と車両前部の外郭を形成するフロントフェンダーパネルFPの内方とによって形成される空間部分(以下、この空間部分を吸気音伝播空間という)に配置されている。この吸気音伝播空間は、同空間内にて発生した吸気音を良好に車室内に伝播させる空間である。ここで、共鳴パイプ15の他端部を吸気音伝播空間内に配置するため、フェンダーエプロン21には、共鳴パイプ15の外径に比して僅かに大きな貫通孔が形成されている。
振動膜16は、共鳴パイプ15の他端部を気密的に塞ぐとともに、共鳴パイプ15の管内にて発生する特定の周波数での気柱共鳴に共鳴して振動するものである。ここで、共鳴パイプ15の他端部が振動膜16によって気密的に塞がれることにより、共鳴パイプ15の管内にて前記特定の周波数以外の周波数で気柱共鳴が発生した場合であっても、同気柱共鳴による吸気音の放射が防止される。また、共鳴パイプ15の他端部が振動膜16によって気密的に塞がれることにより、塵埃等が共鳴パイプ15およびエアークリーナーホース14を介してエンジン30に流入することが防止される。
次に、上記のように構成した車両用の吸気管10の作動について説明する。図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、エンジン30は、スロットルボデー31の開度に応じて、吸気管10を介して外気を吸入し、作動を開始する。このとき、エンジン30は、各作動工程(吸入、圧縮、爆発、排出)を順次繰り返すため、吸気管10内の全体に空気の振動すなわち脈動が発生する。したがって、発生する脈動の振動周波数は、エンジン30の回転数に応じて変化する。このように発生した脈動が吸気ダクト11に達した場合には、レゾネータ12によって脈動が減衰されるため、吸気ダクト11から放射される吸気音の音圧レベルが低減される。
すなわち、吸気ダクト11に達した脈動は、吸気ダクト11の管壁に対して連通可能に接続されたレゾネータ12内に進入し、同レゾネータ12内の空気を振動させることにより次第に減衰する。このとき、エンジン30の回転数に応じて発生する脈動を減衰させるように、レゾネータ12の容積を適宜設定することにより、車両の通常走行時または加速走行時に吸気ダクト11において発生する吸気音の音圧レベルを効果的に低減することができる。なお、以下の説明においては、運転者にとって心地よい吸気音と区別するために、吸気ダクト11から放射される吸気音を吸気騒音という。
一方、上述したように発生した脈動が共鳴パイプ15に達すると、共鳴パイプ15の管壁の内側および共振膜16によって形成される空間内の空気も脈動する。そして、エンジン30の回転数の増加に応じて脈動の振動周波数も増加していき、共鳴パイプ15の管長および内径によって予め設定された特定の周波数すなわち400Hz近傍の周波数に達すると、共鳴パイプ15の管内で400Hz近傍の周波数での気柱共鳴が発生する。このように共鳴パイプ15内に気柱共鳴が発生すると、振動膜16は、発生した気柱共鳴に共鳴して振動することにより、400Hz近傍の周波数を有する吸気音を放射する。これにより、予め設定された特定の周波数すなわち400Hz近傍の周波数を有する吸気音が増幅される。ここで、予め設定された400Hz近傍の吸気音は、車両が加速しているときに運転者が知覚すると心地よい音として感じられる吸気音である。
ところで、振動膜16は、吸気音伝播空間内に配置されるものであるので、上述したように振動膜16の振動によって放射された吸気音は、車室内に容易に伝播する。これにより、運転者は、車両が加速しているとき、言い換えれば、エンジン30の回転数が上昇しているときには、増幅された心地よい吸気音(所謂、心地よいスポーツサウンド)を知覚することができる。このとき、吸気ダクト11から放射される吸気騒音はレゾネータ12によって効果的に低減されるため、車室内に伝播した心地よい吸気音はより強調されて知覚される。このことを、図2を用いて説明する。
図2は、車両走行時における車室内で知覚される吸気音および吸気騒音の音圧レベルを測定した結果である。ここで、図2において、吸気音増幅機構としての共鳴パイプ15および振動膜16を備えた吸気管10(以下、開発品という)の音圧レベルを実線で示す。また、吸気ダクト11、レゾネータ12、エアークリーナー13およびエアークリーナーホース14から構成される吸気管、すなわち、吸気音増幅機構を備えない吸気管(以下、比較品という)の音圧レベルを破線で示す。比較品においては、図2に示すように、吸気騒音の音圧レベルが100Hz近傍にてピークとなるものの、全体的に車室内にて要求される静粛性を確保している。なお、100Hz近傍の低周波数を有する吸気騒音は、車室内の運転者が不快感を覚える吸気騒音ではない。一方、開発品においても、比較品と同様に、吸気騒音の音圧レベルが100Hz近傍にピークを有するが、100Hzよりも大きな周波数を有する吸気騒音の音圧レベルは低く抑えられている。
ところで、開発品においては、上述したように共鳴パイプ15および振動膜16によって400Hz近傍の周波数を有する吸気音が増幅される。また、増幅された吸気音は吸気音伝播空間を介して車室内に伝播される。このため、図2から明らかなように、車室内においては、400Hz近傍の周波数を有する吸気音の音圧レベルが大きくなっており、運転者は静粛性を確保した車室内で増幅された(強調された)心地よい吸気音を知覚することになる。
上記説明からも理解できるように、この第1実施形態によれば、レゾネータ12によって、吸気ダクト11内で発生する気柱共鳴が大幅に減衰されるため、車室内で知覚される吸気騒音の音圧レベルを低減することができる。これにより、車室内の静粛性が良好に確保される。また、共鳴パイプ15が特定の周波数(例えば、400Hz近傍)と一致する周波数によって気柱共鳴し、この気柱共鳴に共鳴して振動膜16が振動する。これにより、400Hz近傍の周波数を有する吸気音のみを選択して増幅することができる。したがって、より的確に心地よい音を発生させることができる。また、振動膜16を吸気音伝播空間内に配置するようにしたため、400Hz近傍の周波数を有する吸気音を確実に車室内に伝播させることができる。さらに、吸気音増幅機構としての共鳴パイプ15および振動膜16をエアークリーナーホース14に対して追加して設けることにより、上述した車室内の静粛性を良好に確保した状態で、心地よい吸気音を車室内に伝播させることができる。したがって、車室内における静粛性の確保と心地よい吸気音の伝播という背反する要求を良好に満足することができる。
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係る車両用の吸気管10がエンジンルーム20内にてエンジン30に組み付けられた状態を概略的に示したものである。なお、この第2実施形態における構成に関し、上記第1実施形態と同一部分については、図3において同一符号を付してその詳細な説明を省略する。この第2実施形態においても、吸気管10は、上記第1実施形態と同様に、吸気ダクト11、レゾネータ12、エアークリーナー13およびエアークリーナーホース14を備えている。
そして、この第2実施形態における吸気管10には、吸気音増幅機構としての延長パイプ17と2つのレゾネータ18,19とが設けられている。延長パイプ17は、エンジン30の外気吸入工程に伴って発生してエアークリーナー13まで達した脈動を伝播するものである。このため、延長パイプ17は、その一端部がエアークリーナー13に、より具体的には、エアークリーナーエレメント13aよりも上流側に連通可能に接続され、他端部がエンジンルーム20と車室とを隔離するダッシュパネル22に近接(または接触)するように配置されている。このとき、延長パイプ17は、その他端部における開口端がダッシュパネル22に対向するように配置される。なお、延長パイプ17がエアークリーナーエレメント13aの上流側に接続されることによって、例えば、エンジンルーム20内に浮遊する塵埃等を延長パイプ17が吸入しても濾過される。このため、エンジン30に塵埃等が流入することを防止できる。また、延長パイプ17の内径寸法に関しては、エンジン性能への影響を考慮して、上述した第1実施形態の共鳴パイプ15の内径寸法よりも小さく設定されるとよい。
ここで、延長パイプ17の他端部の開口端とダッシュパネル22との間の距離としては、例えば、0mm〜300mmの間に設定するとよく、より好ましくは、10mm〜100mmの間に設定するとよい。なお、この第2実施形態においては、エアークリーナー13と延長パイプ17とを別体として構成した。しかし、エアークリーナー13の筐体と延長パイプ17とを一体的に成形(例えば、ブロー成形など)することにより、例えば、車両の組み立て時における作業を容易とすることができる。
レゾネータ18,19は、延長パイプ17の管壁に対して連通可能に組み付けられており、それぞれ異なる容積を有するものである。レゾネータ18は、容積が大きく設定されており、延長パイプ17内部に発生する管内脈動のうち、特定の周波数(例えば、400Hz近傍)よりも低周波数側の脈動を減衰するものである。レゾネータ19は、レゾネータ18の容積に比して小さく設定されており、延長パイプ17内部に発生する管内脈動のうち、例えば、特定の周波数よりも高周波側の脈動を減衰するものである。そして、これらレゾネータ18,19の容積を適宜設定することにより、エアークリーナー13を介して延長パイプ17内を伝播した脈動について、特定の周波数(400Hz近傍)以外の周波数を有する脈動を排除することができる。これにより、延長パイプ17は、他端部側の開口端から特定の周波数を有する吸気音を放射することができる。なお、この第2実施形態においては、延長パイプ17とレゾネータ18,19とを別体として構成した。しかし、延長パイプ17とレゾネータ18,19とを一体的に成形(例えば、ブロー成形など)することにより、例えば、車両の組み立て時における作業を容易とすることができる。
次に、このように構成された第2実施形態の作動について説明する。この第2実施形態においても、図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、エンジン30は、スロットルボデー31の開度に応じて、吸気管10を介して外気を吸入し、作動を開始する。そして、エンジン30の作動に伴って発生した脈動が吸気ダクト11に達した場合には、レゾネータ12によって脈動が減衰されるため、吸気ダクト11から放射される吸気騒音の音圧レベルが低減される。
一方、エンジン30の作動に伴って発生した脈動が、エアークリーナー13を介して延長パイプ17に達すると、延長パイプ17の管内にて空気が脈動する。そして、この脈動の周波数が特定の周波数よりも低い場合には、レゾネータ18により延長パイプの管内における脈動が減衰されるため、延長パイプ17の開口端から放射される吸気騒音は大幅に低減される。また、エンジン30の回転数の増加に応じて脈動の周波数が増加すると、レゾネータ18およびレゾネータ19によって、延長パイプ17の管内における脈動のうち、特定の周波数よりも低い周波数を有する脈動と特定の周波数よりも高い周波数を有する脈動が減衰される。これにより、延長パイプ17の管内では、特定の周波数(400Hz近傍)を有する脈動による気柱共鳴が発生し、この気柱共鳴に伴う吸気音、言い換えれば、400Hz近傍の周波数を有する吸気音が優先的に延長パイプ17の開口端から放射される。したがって、エンジンルーム20内においては、400Hz近傍の周波数を有する吸気音が、延長パイプ17およびレゾネータ18,19によって増幅されて放射されている状態となる。
ところで、延長パイプ17は、その開口端が所定の距離を有してダッシュパネル22に対向するように配置されている。このため、延長パイプ17の開口端から放射された吸気音、より詳しくは、延長パイプ17およびレゾネータ18,19によって増幅された吸気音は、車室内に容易に伝播する。これにより、運転者は、車両が加速しているとき、言い換えれば、エンジンの回転数が上昇しているときには、増幅された心地よい吸気音(所謂、心地よいスポーツサウンド)を知覚することができる。このとき、吸気ダクト11から放射される吸気騒音はレゾネータ12によって効果的に低減されるため、車室内に伝播した心地よい吸気音はより強調されて知覚される。
また、この第2実施形態においても、車両走行時における車室内で知覚される吸気音および吸気騒音の音圧レベルを測定した。その結果、吸気音増幅機構としての延長パイプ17およびレゾネータ18,19を備えた吸気管10は、上記第1実施形態において示した図2の結果と同様に、400Hz近傍の周波数を有する吸気音の音圧レベルを大きくする結果が得られた。したがって、この第2実施形態においても、運転者は静粛性を確保した車室内で増幅された(強調された)心地よい吸気音を知覚することになる。
上記説明からも理解できるように、この第2実施形態によっても、レゾネータ12によって、吸気ダクト11内で発生する気柱共鳴が大幅に減衰されるため、車室内で知覚される吸気騒音の音圧レベルを低減することができる。これにより、車室内の静粛性が良好に確保される。また、外気の導入に伴ってエアークリーナー13から延長パイプ17に伝播する脈動のうち、特定の周波数(例えば、400Hz近傍)以外の周波数を有する脈動がレゾネータ18,19によって効果的に減衰される。これにより、延長パイプ17から400Hz近傍の周波数を有する吸気音が優先的に放射されるため、的確に心地よい音を発生させることができる。また、400Hz近傍以外の周波数を有する吸気音が効果的に低減されるため、車室内の静粛性を損なうことがない。
また、レゾネータ18,19の容積を低減させたい吸気音の周波数に応じて適宜設定することができるため、より的確に心地よい音を発生させることができる。また、延長パイプ17の開口端をダッシュパネル22に対向させることにより、400Hz近傍の吸気音を確実に車室内に伝播させることができる。さらに、吸気音増幅機構としての延長パイプ17およびレゾネータ18,19をエアークリーナー13に対して追加して設けることにより、上述した車室内の静粛性を良好に確保した状態で、心地よい吸気音を車室内に伝播させることができる。したがって、車室内における静粛性の確保と心地よい吸気音の伝播という背反する要求を良好に満足することができる。
本発明は、上記第1または第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限り、種々の変形が可能であることはいうまでもない。例えば、上記第1および第2実施形態においては、吸気ダクト11にレゾネータ12を連通可能に組み付けて、レゾネータ12が吸気ダクト11内の脈動を減衰するようにした。これにより、吸気ダクト11から放射される吸気騒音を大幅に低減するようにした。これに対し、吸気ダクトの管壁の一部または全部を通気性を有する多孔質材料によって形成することにより、吸気ダクトから放射される吸気騒音を大幅に低減することも可能である。
すなわち、吸気ダクトの管壁が通気性を有する多孔質材料で形成されることにより、吸気ダクト内で脈動している空気が多孔質材料の管壁を通過することができる。このとき、脈動している空気は、管壁の通過に伴って減衰されるため、吸気ダクト内における気柱共鳴の発生を効果的に抑制することができる。これにより、レゾネータを組み付けることなく、吸気ダクトから放射される吸気騒音を低減することができる。したがって、車室内の静粛性を良好に確保することができる。
また、上記第1および第2実施形態においては、運転者が知覚する心地よい吸気音として特定の周波数を400Hz近傍に設定して実施した。しかし、車両のエンジンの特性や車両の遮音特性に応じて、特定の周波数が変更可能であることはいうまでもない。さらに、この場合、心地よい吸気音として特定の周波数を複数設定することも可能である。この場合には、それぞれの特定の周波数に応じて吸気音増幅機構を複数設定することによって、簡便な構成で極めて容易に実現することができる。
さらに、上記第1実施形態においては、振動膜16を吸気音伝播空間内に配置し、上記第2実施形態においては、延長パイプ17の開口端をダッシュパネル22の近傍に配置して実施した。しかしながら、上記第1実施形態に係る振動膜16をダッシュパネル22の近傍に配置して実施することも可能であり、上記第2実施形態に係る延長パイプ17の開口端を吸気音伝播空間内に配置して実施することも可能である。この場合であっても、増幅された特定の周波数を有する吸気音が確実に車室内に伝播されるため、上記第1および第2実施形態と同様の効果が期待できる。
本発明の第1実施形態に係る車両用の吸気管がエンジンルーム内で組み付けられた状態を示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係り、車室内に伝播する吸気音および吸気騒音の周波数に対する音圧レベルを説明するためのグラフである。 本発明の第2実施形態に係る車両用の吸気管がエンジンルーム内で組み付けられた状態を示す概略図である。
符号の説明
10…吸気管、11…吸気ダクト、12…レゾネータ、13…エアークリーナー、14…エアークリーナーホース、15…共鳴パイプ、16…振動膜、17…延長パイプ、18…レゾネータ、19…レゾネータ、20…エンジンルーム、21…フロントエプロン、22…ダッシュパネル、30…エンジン、31…スロットルボデー、FP…フロントフェンダーパネル

Claims (3)

  1. 外気を導入するための吸気ダクトと、同吸気ダクトによって導入された外気を濾過するエアークリーナーと、同エアークリーナーによって濾過された外気を車両のエンジンに導通するエアークリーナーホースとからなる車両用の吸気管において、
    前記吸気ダクトに前記車両のエンジンの作動によって外気が導入されるときに発生する吸気音を低減する手段を設けるとともに、
    前記車両のエンジンの作動によって外気が導入されるときに発生する吸気音の有する周波数帯域のうち、特定の周波数を有する吸気音を増幅する吸気音増幅機構を
    一端部が前記エアークリーナーホースと連通可能に接続されて、前記特定の周波数と一致する周波数によって気柱共鳴を発生する共鳴パイプと、
    前記共鳴パイプの他端部を気密的に塞ぐとともに、前記発生した気柱共鳴と共鳴して振動する振動膜とで構成し、
    前記共鳴パイプの他端部を、
    車両のエンジンルームを区画するフェンダーエプロンの外方と車両前部の外郭を形成するフロントフェンダーパネルの内方とによって形成される空間内または車両のエンジンルームと車室とを隔離するダッシュパネルに近接する位置に配置したことを特徴とする車両用の吸気管。
  2. 請求項1に記載した車両用の吸気管において、
    前記吸気ダクトに対して、前記車両のエンジンの作動により発生する吸気音を低減させるための消音器を設けたことを特徴とする車両用の吸気管。
  3. 請求項1に記載した車両用の吸気管において、
    前記吸気ダクトは、前記車両のエンジンの作動により発生する吸気音を低減させるために管壁の一部または全部が通気性を有する多孔質材料によって形成されることを特徴とする車両用の吸気管。
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