JP5811063B2 - 内燃機関の吸気系構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等に搭載される内燃機関の吸気系構造に係る。特に、本発明は、吸気音発生装置および消音装置を備えた吸気系の構成の改良に関する。
従来より、例えば自動車用エンジンの吸気系で発生する様々な周波数の吸気音のうち、特定周波数帯の吸気音を低減したり、特定周波数帯の吸気音を増大させたりする吸気系構造が知られている。
特許文献1および特許文献2には、特定周波数帯の吸気音を低減するレゾネータを吸気系に設けることが開示されている。このレゾネータは、一般に、ヘルムホルツの共鳴原理を利用して特定周波数帯の吸気音の音圧を低減する。
一方、特許文献3には、特定周波数帯の吸気音を増大させる吸気音発生装置を吸気系に設けることが開示されている。この吸気音発生装置では、吸気通路に連通する導入管の内部での吸気脈動によって振動体が振動し、特定周波数帯の吸気音の音圧が共鳴管での気柱共鳴によって増大する。そして、この音圧が増大された特定周波数帯の吸気音が共鳴管から放出される。これにより、車両加速時等における吸気音による演出(所謂スポーツサウンドによる演出)が可能となる。
そして、特許文献1には、前記レゾネータと吸気音発生装置(この特許文献1では吸気音増幅機構と称している)とを併用することが開示されている。
特開2006−207515号公報 特開2003−148261号公報 特開2009−222011号公報
しかしながら、従来の吸気系構造にあっては以下に述べる課題があった。
まず、特許文献1に開示されているようなレゾネータと吸気音発生装置とを併用した吸気系構造では、吸気音発生装置を構成する共鳴パイプがエアクリーナホースから分岐された構成となっており、共鳴パイプおよびエアクリーナホースそれぞれにレゾネータが配設されている。つまり、共鳴パイプにおける特定周波数帯の吸気音を低減するためのレゾネータと、エアクリーナホースにおける特定周波数帯の吸気音を低減するためのレゾネータとを個別に配設している。これは、共鳴パイプとエアクリーナホースとが、それぞれ独立した共鳴管として機能しているため、それぞれに対して個別に吸気音低減効果を得る必要があることに鑑みられた構成である。このようにレゾネータと吸気音発生装置とを併用する場合の従来の吸気系構造にあっては、複数のレゾネータを配設していたため、吸気系における部品点数の増大を招いていた。
また、特許文献3に開示されている吸気系構造では、前記振動体の振動による共振周波数、この振動体よりも吸気通路側であるクリーンサイドの共鳴周波数、振動体よりも共鳴管側であるダーティサイドの共鳴周波数それぞれにおいて音圧を増大させて、車室内に伝播される吸気音を調整している。このため、特に、吸気脈動が比較的大きい場合には、高周波数帯および低周波数帯における前記共鳴周波数の2次成分や3次成分が大きくなりやすく、不要な周波数帯の音が雑音として車室内に伝播されてしまう可能性があった。その結果、吸気音による演出(前述したスポーツサウンドによる演出等)が阻害されてしまう可能性があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、レゾネータ等の消音装置と吸気音発生装置とを併用した場合における吸気音の調整を効果的に行うことができる内燃機関の吸気系構造を提供することにある。
−課題の解決原理−
前記の目的を達成するために講じられた本発明の課題解決原理は、内燃機関の吸気系におけるスロットルボディから吸気音発生装置の接続位置までの範囲を消音装置による消音対象範囲として設定することにより、吸気通路の上流端の開口部から放射される吸気音の特定周波数帯の音圧、および、吸気音発生装置から放射される吸気音の特定周波数帯の音圧を共に低減できるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、吸気通路に吸気音発生装置および消音装置が設けられた内燃機関の吸気系構造を前提とする。この吸気系構造に対し、前記吸気通路にスロットルボディを配置し、前記スロットルボディの吸気流れ方向上流側で吸気通路から分岐する分岐通路に吸気音発生装置を配置し、前記吸気通路と前記分岐通路の接続位置に、前記消音装置としてのサイドブランチを備えさせ、前記吸気音発生装置が、吸気通路の吸気脈動を導入する導入管を備え、前記サイドブランチが、前記導入管の外周面との間で有底環状の空間を形成する管体を備えて、前記吸気音発生装置の導入管の外周囲に形成された構成としている。
この特定事項により、吸気通路の吸気流れ方向上流端の開口部から放射される吸気音の特定周波数帯の音圧、および、吸気音発生装置から放射される吸気音の特定周波数帯の音圧それぞれが一つの消音装置によって共に低減されることになる。このため、吸気系の部品点数の削減を図ることができる。また、特定周波数帯の吸気音が効果的に低減されることで、不要な周波数帯の音が雑音として残ってしまうといったことが防止され、例えば車両に適用した場合には、吸気音による演出(スポーツサウンドによる演出)が効果的に行える。
また、サイドブランチを吸気音発生装置に一体的に組み込むことが可能になり、これらサイドブランチおよび吸気音発生装置を吸気管に取り付ける場合には、予め、これらサイドブランチおよび吸気音発生装置を一体的に形成した状態で吸気管に取り付けることができるため、吸気管への組み付け作業の簡素化を図ることができる。
また、前記吸気通路に、内燃機関内部で発生したブローバイガスを導入するためのPCV配管が接続されている場合に、前記サイドブランチを、前記吸気通路に対するPCV配管の接続位置よりも、吸気流れ方向の下流側に配設する。
これによれば、PCV配管を経て吸気通路に導入されるブローバイガス中にオイルや凝縮水が存在している場合、これらオイルや凝縮水が吸気音発生装置の導入管へ流れ込む可能性があるが、この導入管の外周囲に有底環状の空間が形成されているため、前記オイルや凝縮水は、この空間に流れ込むことになり、導入管に流れ込むことが防止される。仮に、オイルや凝縮水が導入管に流れ込んだ場合、これらオイルや凝縮水が吸気音発生装置の吸気音増幅作用に悪影響を与える可能性があるが、本解決手段では、有底円環状の空間に前記オイルや凝縮水が回収されることで、この吸気音発生装置への悪影響が防止され、安定的に吸気音増幅作用を得ることが可能である。
本発明では、吸気通路の吸気流れ方向上流端の開口部から放射される吸気音の特定周波数帯の音圧、および、吸気音発生装置から放射される吸気音の特定周波数帯の音圧それぞれを一つの消音装置によって共に低減することができる。このため、吸気系の部品点数の削減を図ることができる。
参考例に係るエンジンの概略構成図である。 参考例に係るエンジンの吸気系におけるレゾネータおよび吸気音発生装置の配設箇所周辺の構成を示す断面図である。 車室内に伝播される吸気音の各周波数帯の音圧分布を示す図である。 実施形態に係るエンジンの吸気系におけるサイドブランチおよび吸気音発生装置の配設箇所周辺の構成を示す断面図である。
参考例
まず、参考例について説明する。
−エンジンの概略構成−
参考例に係る吸気系について説明する前に、エンジンの概略構成について説明する。
図1は多気筒ガソリンエンジン1(以下、単にエンジンという)の概略構成図であって、1気筒の構成のみを示している。このエンジン1は、シリンダ2の内部に収容されたピストン3がコネクティングロッド31を介してクランクシャフト(図示省略)に連結されており、ピストン3の往復運動がコネクティングロッド31によってクランクシャフトの回転運動へ変換されるようになっている。
前記シリンダ2とピストン3とによって形成される燃焼室11には点火プラグ12が配置されている。この点火プラグ12には、点火コイル12aおよびイグナイタ12bが接続されている。イグナイタ12bは、図示しないエンジンECUからの点火信号に応じて点火コイル12aを駆動して点火プラグ12を点火する。
前記燃焼室11には吸気通路4および排気通路5が接続されている。
前記吸気通路4と燃焼室11との間には吸気弁41が設けられており、この吸気弁41を開閉駆動することにより、吸気通路4と燃焼室11とが連通または遮断される。また、排気通路5と燃焼室11との間には排気弁51が設けられており、この排気弁51を開閉駆動することにより、排気通路5と燃焼室11とが連通または遮断される。これら吸気弁41および排気弁51の開閉駆動は、前記クランクシャフトの回転が伝達される吸気カムシャフトおよび排気カムシャフト(いずれも図示省略)の各回転によって行われる。
吸気通路4には、エアクリーナ42、熱線式のエアフローメータ43、吸気温センサ44(エアフローメータ43に内蔵)、および、エンジン1の吸入空気量を調整するための電子制御式のスロットルバルブ45が配置されている。このスロットルバルブ45はスロットルモータ46によって駆動される。これらスロットルバルブ45およびスロットルモータ46によってスロットルボディ47が構成されている。前記スロットルバルブ45の開度はスロットルポジションセンサ48によって検出される。
エンジン1の排気通路5には、排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサ52、および、排気ガスを浄化するための三元触媒53が配置されている。
また、吸気通路4におけるスロットルボディ47の下流側(吸気流れ方向の下流側)には、燃料噴射用のインジェクタ(燃料噴射弁)49が配置されている。このインジェクタ49は、燃料タンクから燃料ポンプ(いずれも図示省略)によって所定圧力の燃料が供給され、所定タイミング(例えば吸気弁41が開放される吸気行程)で吸気通路4に燃料を噴射する。この噴射燃料は吸入空気と混合されて混合気となって燃焼室11に導入される。燃焼室11に導入された混合気(燃料+空気)は、所定タイミングで点火される点火プラグ12の点火に伴って燃焼する。この混合気の燃焼室11内での燃焼によりピストン3が往復運動してクランクシャフトが回転し、エンジン出力が得られるようになっている。なお、排気行程において燃焼室11から排出された排気ガスは前記三元触媒53によって浄化される。
そして、前記吸気通路4におけるスロットルボディ47の吸気流れ方向上流側には、レゾネータ6および吸気音発生装置7が配設されており、レゾネータ6による吸気音の消音機能および吸気音発生装置7による吸気音の増幅機能によって、車室内に伝播される吸気音がチューニングされる。これらレゾネータ6および吸気音発生装置7の詳細については後述する。
以上が、エンジン1の概略構成である。
−吸気系の構成−
次に、本参考例の吸気系の構成について説明する。
図2は、本参考例に係るエンジン1の吸気系におけるレゾネータ6および吸気音発生装置7の配設箇所周辺の構成を示す断面図である。
この図2に示すように、吸気音発生装置7は、スロットルボディ47の上流側(吸気流れ方向の上流側)において、吸気通路4を構成する吸気管(インテークダクト)4Aから分岐した分岐管4Bに接続されている。この分岐管4Bの内部が分岐通路を構成している。一方、レゾネータ6は、前記スロットルボディ47と、吸気管4Aに対する分岐管4Bの分岐位置(本発明でいう分岐通路の接続位置)との間に配設されている。言い換えると、レゾネータ6は、スロットルボディ47の吸気流れ方向上流側であって、かつ分岐管4Bの分岐位置(吸気音発生装置7の配設位置)の吸気流れ方向下流側に配設されている。このように、吸気通路4におけるスロットルボディ47の配設位置から、吸気流れ方向の上流側に向かって、前記レゾネータ6および吸気音発生装置7が順に配設されている。
以下、レゾネータ6および吸気音発生装置7の構成について説明する。
<レゾネータ>
レゾネータ6は、ヘルムホルツの共鳴原理を利用して特定周波数の吸気音を低減させる共鳴型の消音装置である。
具体的に、レゾネータ6は、比較的容量の大きなレゾネータ室61を有するレゾネータ本体62と、このレゾネータ本体62と吸気管4Aとを接続することによりレゾネータ室61と吸気通路4とを連通させる連通管63とを備えている。上述した如くレゾネータ6は、スロットルボディ47と分岐管4Bの分岐位置との間に配設されているため、前記連通管63の吸気管4Aに対する接続位置も、スロットルボディ47と分岐管4Bの分岐位置との間に設定されている。
そして、このレゾネータ6では、連通管63の長さL、連通管63の内部の通路面積(連通管63の延長方向に対して直交する方向の通路面積)S、レゾネータ室61の容積Vを適宜設定することによって特定の周波数帯の吸気音を消音または低減することができる。具体的には、音速をcとした場合、下記の(1)式で表される周波数fの騒音を低減することができる。
f=(c/2π)×(S/(L×V))1/2 …(1)
つまり、この(1)式の前記L,S,Vを適宜設計すれば、対象とする周波数fの1次成分の吸気音およびその整数倍の成分(2次成分や3次成分等)の吸気音を低減することができる。本参考例では、例えば、周波数が200Hz〜300Hzの周波数帯の吸気音を低減するように前記L,S,Vが設計されている。この低減対象とする周波数帯はこれに限定されるものではなく適宜設定される。
<吸気音発生装置>
吸気音発生装置7は、エンジン1の運転に伴って発生する吸気通路4内での吸気脈動を利用して特定の周波数帯の吸気音を増大させる機能を発揮する。
図2に示すように、吸気音発生装置7は、吸気通路4内の吸気脈動を導入する導入管71と、この導入管71から導入された吸気脈動により振動する振動体75を有する振動部72と、特定周波数帯の吸気音の音圧を増大させる共鳴管73とを備えている。前記導入管71および共鳴管73は共に樹脂製の配管で成っている。
前記導入管71は、その一端側(図2における上端側)が、前記吸気管4Aから分岐した前記分岐管4Bに接続されている。一方、この導入管71の他端側(図2における下端側)にはフランジ部71aが形成されている。このフランジ部71aは、後述する振動部72のチャンバ74および振動体75の取り付け部となる。
振動部72は、チャンバ74の内部に振動体75が収容された構成となっている。前記チャンバ74は、樹脂製であって、円筒形状のチャンバ本体74aを備えている。このチャンバ本体74aの内径寸法は、前記導入管71および共鳴管73の各内径寸法よりも大きく(例えば約2倍に)設定されている。また、導入管71と共鳴管73との軸心は同一直線上に位置しているのに対し、チャンバ74の軸心は、導入管71および共鳴管73の軸心に対してスロットルボディ47側に所定寸法だけオフセットされている。
また、前記チャンバ本体74aの一端側(図2における上端側)にはフランジ部74bが形成されている。このフランジ部74bの外径寸法は前記導入管71のフランジ部71aの外径寸法に略一致している。
さらに、このチャンバ本体74aの他端側(図2における下端側)には開口74cが形成されており、この開口74cの縁部に前記共鳴管73が連続して形成されている。
また、前記チャンバ74の内部に収容されている振動体75は、導入管71の他端側(図2における下端側)を覆うように配設されている。具体的に、この振動体75は、樹脂材料により一端が閉塞された有底円筒状またはカップ状に形成されており、その底部が所定肉厚の平板形状で成る振動板75aとなっている。また、振動板75aの外周縁には略円筒形状のベローズ部75bが連続して形成されており、さらに、このベローズ部75bの上端縁にはフランジ部75cが連続して形成されている。このフランジ部75cの外径寸法は、前記導入管71のフランジ部71aの外径寸法およびチャンバ本体74aのフランジ部74bの外径寸法よりも僅かに小さく設定されている。
前記振動板75aは、導入管71の中心(軸心)に対して直交する方向に延びており、吸気通路4内で発生して導入管71に導入される吸気脈動を加振源として振動する。また、ベローズ部75bは前記振動板75aの振動を助長するために蛇腹状に形成されている。
この振動体75の支持構造としては、前記導入管71のフランジ部71aとチャンバ74のフランジ部74bとの間に振動体75のフランジ部75cを挟み込んだ上でこれらを溶着することにより、これら三者が一体化されている。これにより、チャンバ74の内部に振動体75が非接触状態(振動板75aおよびベローズ部75bがチャンバ本体74aの内面に対して非接触状態)で収容されている。
なお、前記共鳴管73は、目的とする周波数帯の吸気音(スポーツサウンドによる演出等を行うための周波数帯の吸気音)の音圧を増大させるように、その長さおよび内径が設計されている。本参考例では、例えば、周波数が400Hz〜600Hzの周波数帯の吸気音の音圧を増大させるように設計されている。この増大対象とする周波数帯はこれに限定されるものではなく適宜設定される。
このように構成された吸気音発生装置7では、導入管71内の吸気脈動による圧力変動によって振動体75の振動板75aが振動し、この振動板75aの振動に起因した所定の音質が付加された特定周波数帯の吸気音が共鳴管73の内部に発生することになる。そして、共鳴管73は特定の周波数帯の吸気音の音圧をいわゆる気柱共鳴によって増大させて放出する機能を有する。この共鳴管73は、その一端に開口73aを有し、増大された吸気音が、この開口73aから放出されることになる。そして、この共鳴管73は例えばエンジンルームを隔離形成しているダッシュパネル(図示省略)に向けて配置され、前記増大された吸気音が車室内に伝播されるようになっている。
このように、吸気音発生装置7は、吸気系の吸気脈動を利用して振動体75を積極的に振動させて、振動部72あるいはチャンバ74の気柱共鳴効果との相互作用により音質を付加した特徴ある吸気音を発生させ、さらにその吸気音の音圧を共鳴管73での気柱共鳴にて増大させる。このため、車室内においてスポーツ感あるいは迫力感のある吸気音を効果音として得ることができる。
そして、本参考例では、前述した如く、前記スロットルボディ47と、吸気管4Aに対する分岐管4Bの分岐位置(吸気音発生装置7の配設位置)との間にレゾネータ6が配設されており、このスロットルボディ47から吸気音発生装置7の配設位置までの範囲をレゾネータ6による消音対象範囲として設定している。このため、吸気通路4の上流端の開口部(エアクリーナ42側の開口部)から放射される吸気音の特定周波数帯の音圧、および、吸気音発生装置7から放射される吸気音の特定周波数帯の音圧それぞれが一つのレゾネータ6によって共に低減されることになる。これにより、吸気系の部品点数の削減を図ることができる。そして、本参考例の場合には、前述した如く200Hz〜300Hzの周波数帯の吸気音がレゾネータ6によって低減されると共に、400Hz〜600Hzの周波数帯の吸気音が吸気音発生装置7によって増幅されることになる。つまり、特定の周波数帯の吸気音が効果的に低減されることで、不要な周波数帯の音が雑音として車室内に伝播されることがなくなるため、例えば車両の加速時などにおける吸気音による演出(スポーツサウンドによる演出)が効果的に発揮されることになる。
より具体的に、例えば前記200Hz〜300Hzの周波数帯の吸気音と400Hz〜600Hzの周波数帯の吸気音とを比較した場合、同じ音圧であっても、車室内にあっては低周波数帯の吸気音の方が強調されて聞こえてしまう。このため、400Hz〜600Hzの周波数帯の吸気音の音圧が、200Hz〜300Hzの周波数帯の吸気音の音圧よりも5〜10dB以上高くなるように、前記レゾネータ6および吸気音発生装置7を設計しておくことが好ましい。
図3は、車室内に伝播される吸気音の各周波数帯の音圧分布を示す図であって、一点鎖線は、吸気系に前記吸気音発生装置7を配設し且つレゾネータ6を配設しない場合であり、実線は、本参考例の如く、スロットルボディ47の上流側において、吸気管4Aに対する分岐管4Bの接続位置と、スロットルボディ47との間にレゾネータ6を配置した場合である。
この図3に示すように、レゾネータ6を配設しない場合には、比較的低周波数帯(図中のα未満の周波数帯;例えば200Hz〜300Hz)の吸気音の音圧が高く、不要な周波数帯の音が雑音として車室内に伝播される状況となっている。これに対し、本参考例の場合には、前記周波数帯α未満(200Hz〜300Hz)の吸気音が効果的に低減されることで、不要な周波数帯の音が雑音として残ってしまうといったことが解消され、吸気音発生装置7で増大された周波数帯(図中のα〜β;例えば400Hz〜600Hz)の吸気音が車室内に良好に伝播されることになり、吸気音による演出(スポーツサウンドによる演出)が効果的に発揮されることになる。
実施形態
次に、本発明の実施形態について説明する。
参考例では、消音装置としてレゾネータ6を適用し、このレゾネータ6と吸気音発生装置7とを個別に配置していた。
本実施形態では、消音装置としてサイドブランチ(干渉型の消音装置)を適用し、このサイドブランチと吸気音発生装置7とを一体的に組み合わせた構成としている。以下、具体的に説明する。
図4は、本実施形態に係るエンジン1の吸気系におけるサイドブランチ8(本発明でいう消音装置)および吸気音発生装置7の配設箇所周辺の構成を示す断面図である。
この図4に示すように、サイドブランチ8は、吸気音発生装置7の導入管71の上端部分に一体的に形成されている。
具体的に、本実施形態における吸気音発生装置7の導入管71は、前記吸気通路4を構成する吸気管4Aから分岐した分岐管4Bの内部に挿入されることで、この分岐管4Bに接続されており、この挿入部分が二重管構造で構成されている。そして、この二重管構造の内側管である導入管71が図中の下方に延びている。
一方、二重管構造の外側管であるブランチパイプ81は、前記導入管71の外周面に対して所定間隔を存した外周側に配置されている。そして、このブランチパイプ81の下端と前記導入管71の外周面とは環状の底板82によって連結されている。このため、これら導入管71とブランチパイプ81と底板82とにより、有底円環状の空間83が形成されており、これによってサイドブランチ8が構成されている。
また、前記有底円環状の空間83の軸心方向の長さ寸法(空間83の深さ寸法)は、消音対象とする周波数帯の吸気音の約1/4波長に設定されている。これにより、消音対象とする吸気音の音波がサイドブランチ8の空間83の内部で往復することで、吸気通路4における消音対象とする吸気音の音波に対して1/2波長だけ位相が遅れて吸気通路4に戻ることになる。これにより、この空間83から戻された吸気音は、吸気通路4での消音対象とする吸気音の音波と逆位相で合成されることにより、この吸気音の音圧が低減されるようになっている。
なお、前記導入管71の下端には、前述した参考例のものと同様の振動部72および共鳴管73が取り付けられており、前述した吸気脈動を利用した特定の周波数帯の吸気音の増大が図れる吸気音発生装置7が設けられている。本実施形態における吸気音発生装置7の構成および吸気音増幅動作は、参考例のものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、本実施形態における吸気管4Aには、エンジン1の内部で発生したブローバイガスを導入するためのPCV(Positive Crankcase Ventilation)配管9が接続されている。そして、前記吸気管4Aに対する吸気音発生装置7の取り付け位置(分岐管4Bの位置)は、このPCV配管9の接続位置よりも、吸気流れ方向の下流側に設定されている。
なお、このPCV配管9からは、ブローバイガス中に含まれるオイル(エンジンオイル)や、ブローバイガス中の水分が結露することによって生じる凝縮水が吸気管4Aの内部に流れ込んでいる。このように、ブローバイガス中のオイルや凝縮水が吸気管4Aの内部に流れ込んだ場合、これらオイルや凝縮水は、吸気管4Aの内壁面を経て導入管71へ流れ込む可能性があるが、この導入管71の上端部の外周囲には有底円環状の空間83が形成されているため、前記オイルや凝縮水は、この有底円環状の空間83に流れ込むことになり、導入管71に流れ込むことが防止される。
仮に、オイルや凝縮水が導入管71に流れ込んだ場合、これらオイルや凝縮水が振動部72の振動体75の内部に達し、この振動体75の振動に悪影響を与えて、所望の吸気音増幅作用が得られなくなる可能性がある。特に、振動体75が吸油性や吸水性を有する材料で形成されている場合は顕著である。
本実施形態では、有底円環状の空間83に前記オイルや凝縮水が回収されるため、この振動体75の振動への悪影響が防止され、吸気音発生装置7に、安定的に吸気音増幅作用を得ることが可能である。つまり、前記サイドブランチ8に、オイルや凝縮水の回収機能を兼ね備えさせることにより、吸気音発生装置7の信頼性を確保できるようにしている。
このように本実施形態では、サイドブランチ8と吸気音発生装置7とが一体的に組み合わされており、吸気通路4におけるスロットルボディ47の配設位置から、吸気音の伝播方向の下流側に向かって(スロットルボディ47から吸気音発生装置7に向かって流れる吸気音の伝播方向に沿って)、サイドブランチ8および吸気音発生装置7が順に配設されている。言い換えると、サイドブランチ8が、前記吸気通路4に対する分岐通路の接続位置に備えられている。これにより、吸気通路4の上流端の開口部から放射される吸気音の特定の周波数帯、および、吸気音発生装置7から放射される吸気音の特定の周波数帯それぞれが一つのサイドブランチ8によって共に低減されることになる。これにより、吸気系の部品点数の削減を図ることができる。また、本実施形態の場合も、200Hz〜300Hzの周波数帯の吸気音がサイドブランチ8によって低減されると共に、400Hz〜600Hzの周波数帯の吸気音が吸気音発生装置7によって増幅されることになる。つまり、特定の周波数帯の吸気音が効果的に低減されることで、不要な周波数帯の音が雑音として車室内に伝播されることがなくなるため、例えば車両の加速時などにおける吸気音による演出(スポーツサウンドによる演出)が効果的に発揮されることになる。
図3における二点鎖線は、吸気系に前記吸気音発生装置7を配設し且つサイドブランチ8を配設しない場合に、車室内に伝播される吸気音の各周波数帯の音圧分布を示している。また、図3における実線は、本実施形態の構成において車室内に伝播される吸気音の各周波数帯の音圧分布を示している。
この図3に示すように、サイドブランチ8を配設しない場合には、比較的高周波数帯の吸気音の音圧が高く、不要な周波数帯の音が雑音として車室内に伝播される状況となっている。これに対し、サイドブランチ8と吸気音発生装置7とを併用した本実施形態の場合には、特定の周波数帯の吸気音が効果的に低減されることで、不要な周波数帯の音が雑音として残ってしまうといったことが解消され、吸気音による演出(スポーツサウンドによる演出)が効果的に発揮されることになる。
また、本実施形態では、サイドブランチ8が吸気音発生装置7に一体的に組み込まれているため、予め、これらサイドブランチ8および吸気音発生装置7を一体的に形成した状態で吸気管4Aに取り付けることができる。このため、吸気管4Aへの組み付け作業の簡素化を図ることができる。また、サイドブランチ8は、吸気通路4内に突出するものではないため、吸気流れを阻害することがなく吸気の圧力損失を招くことはない。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、車両に搭載されたガソリンエンジン1の吸気系に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、車両以外に適用されるエンジンに対しても適用することが可能である。また、ディーゼルエンジンの吸気系に対しても本発明は適用が可能である。
本発明は、エンジンの吸気系における吸気音のチューニングを行う消音装置および吸気音発生装置の配設構造に適用可能である。
1 エンジン(内燃機関)
4 吸気通路
4A 吸気管
4B 分岐管
45 スロットルバルブ
46 スロットルモータ
47 スロットルボディ
6 レゾネータ(消音装置)
7 吸気音発生装置
71 導入管
8 サイドブランチ(消音装置)
81 ブランチパイプ(管体)
83 空間
9 PCV配管

Claims (2)

  1. 吸気通路に吸気音発生装置および消音装置が設けられた内燃機関の吸気系構造において、
    前記吸気通路にスロットルボディを配置し、前記スロットルボディの吸気流れ方向上流側で吸気通路から分岐する分岐通路に吸気音発生装置を配置し、前記吸気通路と前記分岐通路の接続位置に、前記消音装置としてのサイドブランチが備えられており、
    前記吸気音発生装置は、吸気通路の吸気脈動を導入する導入管を備えている一方、
    前記サイドブランチは、前記導入管の外周面との間で有底環状の空間を形成する管体を備えて、前記吸気音発生装置の導入管の外周囲に形成されていることを特徴とする内燃機関の吸気系構造。
  2. 請求項1記載の内燃機関の吸気系構造において、
    前記吸気通路には、内燃機関内部で発生したブローバイガスを導入するためのPCV配管が接続されており、
    前記サイドブランチは、前記吸気通路に対するPCV配管の接続位置よりも、吸気流れ方向の下流側に配設されていることを特徴とする内燃機関の吸気系構造。
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