JP2011017291A - 吸気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも小型化され、高い汎用性と、高い設計の自由度および高い周波数の選択の自由度を有する吸気装置を提供すること。
【解決手段】空気を吸入する吸入口23と、吸入口23と連通し吸入された空気をエンジン10に導入する吸気通路24とを有する吸気ダクト21と、吸気ダクト21から分岐して形成され、吸気通路24と連通する分岐通路26を有する分岐ダクト22とを備え、分岐ダクト22が、先端で閉塞される閉塞部29と、基端で吸気ダクト21から分岐する分岐部27とを有し、閉塞部29から分岐部27までの間の周側面部に、分岐通路26を大気に開放する開放口28が設けられ、分岐通路26と吸気通路24との連通部分から分岐通路26の閉塞部分までの長さが、吸気通路24内で発生する吸気音に対して所定周波数帯(Hz)の音圧(Pa)を付加するよう設定されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸気装置に関し、特に、エンジンの吸入ダクトに設けられ吸気音を共鳴させる共鳴ダクトを備えた吸気装置に関する。
一般に、エンジンに空気を供給する吸気ダクトで発生する吸気音は、騒音の原因になるので、吸気音の低減対策が講じられることが多い。しかしながら、このような吸気音を、運転者が心地よいと感じる周波数帯域の音質、すなわち好ましい音色や音圧にすることにより音質を向上させて運転者に伝達し、迫力のあるスポーティな心地よいサウンドを演出する吸気装置が知られている。
従来、この種の吸気装置として、例えば、図28に示すように、内燃機関に吸気を導入する第1外気ダクト1と、第1外気ダクト1から分岐する第2外気ダクト2とを有し、この第2外気ダクト2の通路長さLが、吸気音に対して所定周波数帯の音圧を付加できる長さに設定された吸気装置3が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この吸気装置3においては、第1外気ダクト1から第2外気ダクト2に吸気音の一部を洩らすことで吸気音の音圧を低減することができるとともに、第2外気ダクト2内に導かれた吸気音を第2外気ダクト2内で共鳴させることで、第2外気ダクト2の一端から吸気音の音質向上に必要な周波数成分の音圧を放出することができるようになっている。
特開2006−83787号公報
しかしながら、従来の吸気装置においては、特許文献1には、記載されていないものの、吸気音の音質向上に必要とされる吸気音の周波数(Hz)は、一般的に50Hzないし600Hzとされているので、例えば、好ましい周波数の340Hzにしようとする場合、以下の計算で求められる第2外気ダクト2の長さLが、不必要に長くなってしまうという問題があった。
すなわち、共鳴周波数をf(Hz)、音速をc(340m/s)、吸気音の波長をλ(m)、共鳴の次数をn(自然数)、第2外気ダクト2の長さをLo(m)、第2外気ダクト2の端部の形状に基づく開口端補正による補正長さを(ΔL+ΔL)(m)、開口端補正による補正長さ(ΔL+ΔL)(m)を含む第2外気ダクト2の長さ、すなわち、(Lo+ΔL+ΔL)をL(m)とすると、共鳴周波数fは次式で表される。共鳴の次数nは、第2外気ダクト2内における吸気音の共鳴モードの次数で、図28の曲線4で表される空気の粒子速度(m/s)の分布、すなわち第2外気ダクト2の中央部分に定在波の節ができ、両開放端では定在波の腹ができる共鳴モードの場合は、共鳴の次数nは1となっている。
Figure 2011017291

この式(1)から、次式(2)が導き出され、
Figure 2011017291

この式(2)に、周波数f=340Hz、共鳴の次数n=1、音速をc=340m/sをそれぞれ代入すると、第2外気ダクト2の長さLは、0.5mとなる。
このような長い第2外気ダクト2を有する吸気装置3をエンジンに搭載するには、周辺の部品との干渉を避けるため、エンジンルーム内に余分なスペースを確保する必要がある。この場合、エンジンルームの小型化の要請に沿わなくなってしまうという問題があった。
また、吸気装置3が大きくなると、他のエンジンに搭載し難くなり、吸気装置3の汎用性が低くなってしまうとともに、設計の自由度や好ましい周波数の選択の自由度が低下してしまういう問題があった。
本発明は、前述の従来の問題を解決するためになされたもので、従来よりも小型化され、高い汎用性と、高い設計の自由度および高い周波数の選択の自由度を有する吸気装置を提供することを課題とする。
本発明に係る吸気装置は、上記の課題を解決するため、(1)空気を吸入する吸入口と、前記吸入口と連通し吸入された空気を内燃機関に導入する吸気通路とを有する吸気ダクトと、前記吸気ダクトから分岐して形成され、前記吸気通路と連通する分岐通路を有する分岐ダクトと、を備えた吸気装置において、前記分岐ダクトの先端部が閉塞されるとともに、
前記分岐ダクトが、先端で閉塞される閉塞部と、基端で前記吸気ダクトから分岐する分岐部とを有し、前記閉塞部から前記分岐部までの間の周側面部に、前記分岐通路を大気に開放する開放口が設けられ、前記分岐通路と前記吸気通路との連通部分から前記分岐通路の閉塞部分までの長さが、前記吸気通路内で発生する吸気音に対して所定周波数帯の音圧を付加するよう設定されていることを特徴とする。
この構成により、分岐ダクトの先端部が閉塞されているので、従来の分岐ダクトが開放された吸気装置よりも、分岐ダクトを約半分の長さで形成することができる。分岐ダクトの長さが短くなるので、吸気装置の全体を小型化することができ、他の車種への搭載がし易くなり高い汎用性が得られる。
また、分岐ダクトの長さが短くなるので、選択可能な周波数の幅を広くすることができ、高い設計の自由度および高い周波数の選択の自由度が得られる。
また、吸気ダクトに分岐ダクトを形成し、閉塞部から分岐部までの間の周側面部に開放口が設けられるという簡単な構造で、所定の周波数帯(Hz)の音圧(Pa)を放出することができるという効果が得られる。
本発明に係る吸気装置は、上記の課題を解決するため、(2)空気を吸入する吸入口と、前記吸入口と連通し吸入された空気を内燃機関に導入する吸気通路を有する吸気ダクトと、
前記吸気ダクトから分岐して形成され、前記吸気通路と連通する分岐通路を有する分岐ダクトと、を備えた吸気装置において、前記分岐ダクトが、先端部で前記分岐通路を大気に開放する第1の開放口を有する開放ダクトと、前記開放ダクトを囲むよう形成され、先端部が閉塞された閉塞ダクトとを有し、前記閉塞ダクトの分岐部が前記分岐通路を大気に開放する第2の開放口を有し、前記開放ダクトの前記分岐通路と前記吸気通路との連通部分から前記分岐通路の開放部分までの長さ、および前記閉塞ダクトの前記分岐通路と前記吸気通路との連通部分から前記分岐通路の閉塞部分までの長さが、それぞれ前記吸気通路内で発生する吸気音に対して所定周波数帯の音圧を付加するよう設定されていることを特徴とする。
この構成により、開放ダクトの開放口から複数の周波数からなる偶数次倍音の音圧(Pa)で吸気音が放出されるとともに、閉塞ダクトの開放口から複数の周波数からなる奇数次倍音の音圧(Pa)で吸気音が放出されるので、濁りのないより豊潤な音を放出することができ、より心地のよいサウンドを演出することができる。
また、吸気ダクトに開放ダクトおよび閉塞ダクトからなる分岐ダクトを形成し分岐部に開放口を形成するという簡単な構造で、複数の周波数(Hz)の音圧(Pa)を放出することができ、心地のよいサウンドを運転者に伝達することができる。
本発明に係る吸気装置は、上記の課題を解決するため、(3)空気を吸入する吸入口と、前記吸入口と連通し吸入された空気を内燃機関に導入する吸気通路を有する吸気ダクトと、
前記吸気ダクトから分岐して形成され、前記吸気通路と連通する分岐通路を有する分岐ダクトと、を備えた吸気装置において、前記分岐ダクトが、先端部で前記分岐通路を大気に開放する第1の開放口を有する開放ダクトと、前記開放ダクトに隣接して形成され、先端部が閉塞された閉塞ダクトとを有し、前記閉塞ダクトの分岐部が前記分岐通路を大気に開放する第2の開放口を有し、前記開放ダクトの前記分岐通路と前記吸気通路との連通部分から前記分岐通路の開放部分までの長さ、および前記閉塞ダクトの前記分岐通路と前記吸気通路との連通部分から前記分岐通路の閉塞部分までの長さが、それぞれ前記吸気通路内で発生する吸気音に対して所定周波数帯の音圧を付加するよう設定されていることを特徴とする。
この構成により、開放ダクトの開放口から複数の周波数からなる偶数次倍音の音圧(Pa)で吸気音が放出されるとともに、閉塞ダクトの開放口から複数の周波数からなる奇数次倍音の音圧(Pa)で吸気音が放出されるので、濁りのないより豊潤な音を放出することができ、より心地のよいサウンドを演出することができる。
また、吸気ダクトに開放ダクトおよび閉塞ダクトからなる分岐ダクトを形成し分岐部に開放口を形成するという簡単な構造で、複数の周波数(Hz)の音圧(Pa)を放出することができ、心地のよいサウンドを運転者に伝達することができる。
本発明に係る吸気装置は、上記の課題を解決するため、(4)空気を吸入する吸入口と、前記吸入口と連通し吸入された空気を内燃機関に導入する吸気通路を有する吸気ダクトと、
前記吸気ダクトから分岐して形成され、前記吸気通路と連通する分岐通路を有する分岐ダクトと、を備えた吸気装置において、前記分岐ダクトが、前記分岐通路を閉塞するとともに前記分岐通路内で往復運動するよう前記分岐通路内に収容されたピストンを有し、かつ分岐部に前記分岐通路を大気に開放するよう形成された開放口を有し、前記ピストンに連結され前記ピストンを往復運動させるアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御ユニットと、を備え、前記制御ユニットが、前記内燃機関の回転数に応じて前記アクチュエータを制御することにより、前記分岐ダクトの前記分岐通路と前記吸気通路との連通部分から前記分岐通路の閉塞部分までの長さを調節可能にし、前記長さが、前記吸気通路内で発生する吸気音に対して所定周波数帯の音圧を付加する長さに調節されることを特徴とする。
この構成により、エンジン回転数(rpm)に応じて、好ましいサウンドを運転者に伝達することができ、特に、内燃機関の爆発一次成分といわれる迫力のある音を放出させることができる。
また、分岐ダクトの先端部が閉塞されているので、従来の分岐ダクトが開放された吸気装置よりも、分岐ダクトの長さを短く形成することができる。分岐ダクトの長さが従来と比べ短くなるので、吸気装置の全体を小型化することができ、他の車種への搭載がし易くなり高い汎用性が得られる。
また、分岐ダクトの長さが短くなるとともに、任意の周波数に調節することができ、高い設計の自由度および高い周波数の選択の自由度が得られる。
なお、内燃機関の回転数に限らず、車速や、出力軸回転数、エンジントルクなどに応じてアクチュエータを制御するようにしてもよい。
本発明に係る吸気装置は、上記の課題を解決するため、(5)空気を吸入する吸入口と、前記吸入口と連通し吸入された空気を内燃機関に導入する吸気通路を有する吸気ダクトと、
前記吸気ダクトから分岐して形成され、前記吸気通路と連通する分岐通路を有する分岐ダクトと、を備えた吸気装置において、前記分岐ダクトの先端部が閉塞されるとともに、前記先端部が、前記分岐通路をその軸線方向に開口する貫通孔と、前記貫通孔の近傍で大気に開放する開放口を有し、前記分岐通路と前記吸気通路との連通部分から前記分岐通路の閉塞部分までの長さが、前記吸気通路内で発生する吸気音に対して所定周波数帯の音圧を付加するよう設定されていることを特徴とする。
この構成により、分岐ダクトの先端部が閉塞されているので、従来の分岐ダクトが開放された吸気装置よりも、分岐ダクトを約半分の長さで形成することができる。分岐ダクトの長さが短くなるので、吸気装置の全体を小型化することができ、他の車種への搭載がし易くなり高い汎用性が得られる。
また、分岐ダクトの長さが短くなるので、選択可能な周波数の幅が拡大され、高い設計の自由度および高い周波数の選択の自由度が得られる。
また、吸気ダクトに分岐ダクトを形成し分岐ダクトに貫通孔および開放口を形成するという簡単な構造で、所定の周波数帯(Hz)の音圧(Pa)を放出することができる。
本発明によれば、従来よりも小型化され、高い汎用性と、高い設計の自由度および高い周波数の選択の自由度を有する吸気装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る吸気装置が適用されるエンジンおよびエンジンが搭載された車両の一部を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る吸気装置の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る吸気装置の斜視図である。 (a)は、本発明の第1実施形態に係る吸気装置の斜視図であり、(b)ないし(d)は、(a)のA方向に見た部分正面図である。 (a)は、本発明の第1実施形態に係る吸気装置の断面図であり、(b)および(c)は、(a)の破線の円で示すB部分の拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る吸気装置の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る吸気装置の斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る吸気装置の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る吸気装置の斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る吸気装置の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る吸気装置の斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る吸気装置の断面図であり、共鳴ダクトが最大長になった状態を示す。 本発明の第5実施形態に係る吸気装置の断面図である。 本発明の第5実施形態に係る吸気装置の斜視図である。 本発明の第6実施形態に係る吸気装置の断面図である。 本発明の第6実施形態に係る吸気装置の斜視図である。 本発明の第7実施形態に係る吸気装置の断面図である。 本発明の第7実施形態に係る吸気装置の斜視図である。 本発明の第8実施形態に係る吸気装置の断面図である。 本発明の第8実施形態に係る吸気装置の横断面図である。 本発明の第8実施形態に係る吸気装置の斜視図である。 本発明の第9実施形態に係る吸気装置の断面図であり、開閉バルブが閉じた状態を示す。 本発明の第9実施形態に係る吸気装置の断面図であり、開閉バルブが開いた状態を示す。 本発明に係る吸気装置をエアクリーナに適用した第1変形例の断面図を示す。 本発明に係る吸気装置をエアクリーナに適用した第2変形例の断面図を示す。 本発明に係る吸気装置を適用した排気装置の構成図を示す。 本発明に係る吸気装置を適用した空調装置の構成図を示す。 従来の吸気装置の断面図である。
以下、本発明の第1実施形態ないし第9実施形態に係る吸気装置および吸気装置が適用されるエンジンについて、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、構成について説明する。
本発明の第1実施形態に係る吸気装置20は、車両に搭載されエンジン10に適用されており、エンジン10の説明を通じて吸気装置20を説明する。
このエンジン10は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどのエンジンの種類に制限はなく、また、適宜選択された単気筒または複数気筒を有するV型もしくは直列のエンジンでもよい。
具体的には、図1に示すように、エンジン10は、エンジン本体11と、エンジン本体11の各気筒に吸入空気を供給するインテークマニホールド12と、インテークマニホールド12に連結され吸入空気を浄化してインテークマニホールド12に供給するエアクリーナ13と、エンジン本体から排出される排気ガスを流通させるとともに、排気ガスの有害物質を低減するよう三元触媒と一体化されたエキゾーストマニホールド14と、エアクリーナ13に連結され、空気を吸入する吸気装置20とを含んで構成されている。
吸気装置20は、図2および図3に示すように、吸気ダクト21と、吸気ダクト21から分岐して形成された分岐ダクト22とを含んで構成されている。
吸気ダクト21は、例えば、円筒形に形成されており、空気を吸入するよう一方端部に形成された吸入口23と、この吸入口23と連通するとともにエアクリーナ13の図示しないクリーナ室に連通し、吸入された空気を流通させる吸気通路24とを有している。
また、吸気ダクト21には、吸入口23から所定の距離だけ離隔した位置に、貫通孔25が形成されている。
分岐ダクト22は、例えば、円筒形に形成されており、一方端部を閉塞する閉塞部29を有している。この分岐ダクト22の内部には、吸気通路24と連通するとともに吸気通路24から分岐した分岐通路26が形成されており、吸気通路24内の吸入空気が貫通孔25から流入するようになっている。
また、この分岐ダクト22の分岐部27には、分岐通路26を大気に開放する開放口28が形成されている。
なお、この分岐ダクト22を吸入口23から所定の距離だけ離隔した位置に形成した場合について説明したが、吸入口23から所定の距離だけ離隔した位置以外の吸気ダクト21に設けるようにしてもよい。例えば、エアクリーナ13とエンジン本体11のインテークマニホールド12との間の吸気ダクト21に設けるようにしてもよい。
この場合、貫通孔25は、エアクリーナ13とインテークマニホールド12との間に形成され、この貫通孔25から分岐ダクト22内に形成された分岐通路26内に吸入空気が流入することになる。また、分岐ダクト22の分岐部27には、分岐通路26を大気に開放する開放口28が形成されることになる。
このように吸気ダクト21および分岐ダクト22を構成することにより、吸気通路24内で発生する吸気音に対して所定周波数帯(Hz)の音圧(Pa)が付加されるようになっている。すなわち、吸気通路24内で発生し、分岐通路26内に入射する吸気音と、入射したのち閉塞部29で反射した吸気音とが共鳴して音圧(Pa)が増大し、好ましい吸気音として開放口28から放出されるようになっている。
好ましい吸気音として、例えば、50Hzないし600Hzの周波数帯の吸気音が挙げられる。この50Hzないし600Hzの周波数帯のうち、例えば、周波数340Hzの場合、次式(3)を使用して、分岐通路26の長さを算出することができる。
すなわち、共鳴周波数をf(Hz)、音速をc(340m/s)、吸気音の波長をλ(m)、共鳴の次数をn(自然数)、分岐通路26の端部の形状に基づく開口端補正による補正長さをΔL(m)、開口端補正による補正長さΔL(m)を含む分岐通路26の長さをL(m)とすると、共鳴周波数をfは次式(3)で表される。共鳴の次数nは、分岐通路26内の吸気音の共鳴モードの次数で、図2の曲線aで表される空気の粒子速度(m/s)の分布、すなわち分岐通路26内の閉塞部分に定在波の節ができ、分岐部分に定在波の腹ができる共鳴モードの場合は、共鳴の次数nは1となっている。
なお、分岐通路26の端部の形状に基づく開口端補正による補正長さΔL(m)は、エンジン10の諸元に基づいて適宜選択された所定の計算式を使用して算出されたもので、分岐通路26の実際の長さに付加されることにより、より正確な数値が得られるよう分岐通路26の長さが補正される。
Figure 2011017291

この式(3)から、次式(4)が導き出され、
Figure 2011017291

この式(4)に、周波数f=340Hz、共鳴の次数n=1、音速c=340m/sをそれぞれ代入すると、分岐通路26の長さLは、0.25mとなる。
ここで分岐通路26の長さLは、本発明に係る吸気装置における分岐通路と吸気通路との連通部分から分岐通路の閉塞部分までの長さを構成している。
吸入口23から貫通孔25の中心までの所定の距離(mm)、吸入口23および吸気通路24の内径(mm)、分岐通路26の内径(mm)、開放口28の幅(mm)、開放口28の円周方向の両端と分岐通路26の中心とを結ぶ各線のなす角(度)、開放口28の向き、吸気ダクト21および分岐ダクト22の厚み(mm)は、それぞれエンジン10の諸元に基づいて適宜選択された所定の寸法で形成されている。
なお、吸入口23から貫通孔25の中心までの所定の距離は、吸気ダクト21の吸気通路24内で発生する吸気音の音圧分布に基づいて決定される。例えば、分岐通路26内で共鳴する周波数(Hz)が、前述の340Hzに設定されている場合、吸気通路24内の吸気系が持っている固有の音圧分布で、340Hzの音圧(Pa)の腹の部分、すなわち音圧(Pa)が最も低い部分に、分岐通路26が連通するように分岐ダクト22を設けるのが最も効率のよい音の出し方となる。そのため、吸入口23から貫通孔25の中心までの所定の距離は、このような位置関係になるよう設定されることが好ましい。
また、吸気通路24の内径は、エンジン10への搭載制約からその大きさには制限があるものの、吸気通路24の内径が大きくなる程、吸気圧力損失が低くなるため、吸気音は大きくなり、分岐ダクト22の開放口28から放出される吸気音も大きくなる。
また、分岐通路26の内径(mm)は、大きいほど開放口28から放出される音も大きくなるが、分岐通路26の長さLよりも大きくなると、分岐通路26内の他の共鳴が支配的になり、本来目的とする周波数340Hzの音が聞こえにくくなる可能性がある。そのため、分岐通路26の内径(mm)は、分岐通路26の長さLよりも小さいことが好ましい。
また、開放口28の幅(mm)は、大きいほど、この開放口28から放出される音が大きくなるが、大きすぎると、分岐通路26内に共鳴による定在波の形成がされ難くなり、すなわち共鳴がたち難くなり、目的とする周波数(Hz)がずれてきたり、倍音が出難くなったりするなどの弊害が起きることがあり、適度な大きさであることが好ましい。例えば、(1/7)L以下であることが好ましい。
開放口28の円周方向の両端と分岐通路26の中心とを結ぶ各線のなす角(度)は、大きいほど、この開放口28から放出される音が大きくなるが、大きすぎると、例えば、180度を超えると、分岐ダクト22の分岐部27の機械的強度が低下するおそれがあり耐久性が低下するおそれがある。そのため、開放口28の円周方向の両端と分岐通路26の中心とを結ぶ各線のなす角(度)は、例えば、135度程度であることが好ましい。
開放口28の向きは、特に制約はないが、開放口28が車室内に向いていることが好ましい。開放口28が車室内に向いていると、開放口28から放出された音が運転者に伝播し易くなる。なお、開放口28と車室内との間に他の部品が介在し、他の部品との干渉が起きることがあるので、この場合には、開放口28の向きは、車室内で感ずる音圧レベル(dB)が最も高くなる方向であることが好ましい。
吸気ダクト21および分岐ダクト22の厚み(mm)は、できるだけ大きいことが好ましい。吸気ダクト21および分岐ダクト22の厚み(mm)が極端に小さいと、吸気ダクト21および分岐ダクト22の壁面部の振動などの、開放口28から放出される周波数340Hz以外の音が吸気ダクト21および分岐ダクト22から放射され、目的の心地よいサウンドが得られないおそれがある。他方、吸気ダクト21および分岐ダクト22の厚み(mm)が極端に大きいと、吸気ダクト21および分岐ダクト22が大きくなり吸気装置20が大型になってしまうおそれがある。また、吸気ダクト21および分岐ダクト22の重量が増大するおそれもある。吸気ダクト21および分岐ダクト22の厚みは、例えば、樹脂で成形されたものの場合は、エンジン10の種類や諸元によるが、2mm〜3mm程度であることが好ましい。
また、吸気ダクト21および分岐ダクト22の材質は、特に制約はなく、樹脂であってもよく金属であってもよい。
第1実施形態に係る吸気装置20は、前述のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、吸気装置20は、吸入口23と、吸入口23と連通し吸入された空気をエンジン10に導入する吸気通路24とを有する吸気ダクト21と、吸気ダクト21から分岐して形成され、吸気通路24と連通する分岐通路26を有する分岐ダクト22とを備え、分岐ダクト22の先端部が閉塞されるとともに、分岐ダクト22の分岐部27が分岐通路26を大気に開放する開放口28を有し、分岐通路26と吸気通路24との連通部分から分岐通路26の閉塞部分までの長さLが、吸気通路24内で発生する吸気音に対して周波数340Hzの音圧(Pa)を付加するよう設定されている。
その結果、吸気装置20においては、分岐ダクト22の先端部が閉塞されているので、従来の分岐ダクトが開放された吸気装置よりも、分岐ダクト22を約半分の長さLで形成することができるという効果が得られる。このため、分岐ダクト22の長さLが短くなるので、吸気装置20の全体を小型化することができ、他の車種への搭載がし易くなり高い汎用性が得られる。
また、分岐ダクト22の長さLが短くなるので、周波数340Hz以外の周波数で形成することができ、高い設計の自由度および高い周波数の選択の自由度が得られるという効果がある。例えば、図28に示す従来の吸気装置で周波数255Hzの音を放出させようとする場合には、式(2)から0.666mの長さの分岐ダクトが必要であったが、第1実施形態に係る吸気装置20の分岐ダクト22の場合には、式(4)から0.333mの長さの分岐ダクトで足りることになり、従来、選択し難かった周波数でも選択可能となり、周波数の選択の自由度が高められる。
また、吸気ダクト21に分岐ダクト22を形成し分岐部27に開放口28を形成するという簡単な構造で、所定の周波数帯(Hz)の音圧(Pa)を放出することができるという効果が得られる。
第1実施形態に係る吸気装置20においては、吸気ダクト21および分岐ダクト22を円筒形で形成した場合について説明したが、円筒形以外の他の形状で形成するようにしてもよい。例えば、吸気ダクトおよび分岐ダクトの少なくともいずれか一方を、四角形などの多角形で形成するようにしてもよい。
第1実施形態に係る吸気装置20においては、分岐ダクト22の分岐通路26を大気に開放するよう開放口28を分岐部27に形成した場合について説明したが、開放口28を分岐部27以外の、分岐ダクト22の周側面部に形成するようにしてもよい。例えば、分岐部27と閉塞部29との中間部に形成してもよく、閉塞部29の近傍に形成してもよい。
なお、より高次の奇数倍音を得るようにするためには、開放口28は、分岐部27に形成されることが好ましい。第1実施形態に係る吸気装置20においては、高次倍音の周波数では、音圧の腹が周側面部に多く存在しているため、中間部に開放口を設けると、モードが立ちにくくなるからである。
また、この開放口28は、周側面部を分岐通路26と大気との間を1つの貫通孔で形成した場合について説明したが、複数の貫通孔で形成するようにしてもよい。
例えば、図4(b)に示すように、開放口28内に貝柱状の支柱28a、28bを形成し、開放口28を3分割するようにしてもよい。
また、図4(c)に示すように、開放口28内に格子状の支柱28c、28d、28eを形成し、開放口28を9分割するようにしてもよい。
また、図4(d)に示すように、開放口28を複数の円形の貫通孔28gで、円周方向の列が千鳥状になるよう形成するようにしてもよい。
このように開放口28を、3分割、9分割、複数の円形の貫通孔の場合、開放口28を1つの貫通孔で形成した場合と比較して、機械的強度が増大するので、開放口28を円周方向に大きく形成し開放口28の開口面積を大きくすることができ、開口面積の大きな開放口28により、大きな音圧(Pa)を放出することができる。
なお、開放口28の開口面積が同一であれば、開口形状に係りなく、ほぼ同じ発音量が得られる。
第1実施形態に係る吸気装置20においては、吸気ダクト21に貫通孔25を形成するとともに、分岐ダクト22に開放口28を形成した場合について説明したが、貫通孔25および開放口28を他の構造で形成するようにしてもよい。
例えば、図5(b)に示すように、貫通孔25内に、音の伝播し易い薄膜やごみなどの異物をろ過するフィルタ25aを装着するようにしてもよい。
また、図5(c)に示すように、開放口28内にも、音の伝播し易い薄膜やダストなどの異物をろ過するフィルタ28hを装着するようにしてもよい。
これらの場合、目的とする音の伝播が許容されるとともに、ダストなどの異物が内側に吸い込まれないようにして、吸入空気を清浄に保つことができる。
したがって、図1に示すエアクリーナ13の下流側、すなわちエアクリーナ13とインテークマニホールド12との間のいわゆるクリーンサイドの吸気ダクト21に用いることも可能になり、搭載の幅が広がる。
(第2実施形態)
次いで、第2実施形態に係る吸気装置220について図面を参照して説明する。
第2実施形態に係る吸気装置220は、第1実施形態に係る吸気装置20と異なっているが、エンジン10の他の構成要素は同様に構成されている。したがって、同一の構成要素については、図1ないし図3に示した第1実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点のみ詳述する。
第2実施形態に係る吸気装置220は、図1に示すように、第1実施形態と同様、車両に搭載されたエンジン10に適用されている。
吸気装置220は、図6および図7に示すように、吸気ダクト221と、吸気ダクト221から分岐して形成された分岐ダクト222とを含んで構成されている。
吸気ダクト221は、第1実施形態と同様、円筒形に形成されており、空気を吸入するよう一方端部に形成された吸入口223と、この吸入口223と連通するとともにエアクリーナ13の図示しないクリーナ室に連通し、吸入された空気を流通させる吸気通路224とを有している。また、吸気ダクト221には、第1実施形態と同様、吸入口223から所定の距離だけ離隔した位置に、貫通孔225が形成されている。
分岐ダクト222は、開放ダクト231と、この開放ダクト231の周囲に形成された閉塞ダクト232とを含んで構成されている。
開放ダクト231は、円筒形に形成されており、この開放ダクト231の内部には、吸気通路224と連通するとともに吸気通路224から分岐した分岐通路226が形成されている。この開放ダクト231の先端部は第1の開放口としての開放口237が形成されており、吸気通路224内の吸入空気が分岐通路226を通って開放口237から排出され、場合によっては、開放口237から空気が流入し、分岐通路226を通って吸気通路224内に流入するようになっている。
なお、この分岐ダクト222を吸入口223から所定の距離だけ離隔した位置に形成した場合について説明したが、吸入口223から所定の距離だけ離隔した位置以外の吸気ダクト221に設けるようにしてもよい。例えば、エアクリーナ13とエンジン本体11のインテークマニホールド12との間の吸気ダクト221に設けるようにしてもよい。
この場合、貫通孔225は、エアクリーナ13とインテークマニホールド12との間に形成され、この貫通孔225から分岐ダクト222内に形成された分岐通路226および後述する分岐通路236内に吸入空気が流入することになる。また、分岐ダクト222の分岐部227には、分岐通路226および分岐通路236を大気に開放する開放口228が形成されることになる。
この開放ダクト231の分岐通路226と吸気通路224との連通部分から分岐通路226の開放部分までの長さLは、第1実施形態と同様、開口端補正による補正長さΔLを含めて、L=1.0mで形成されている。この開放ダクト231の分岐通路226は、いわゆる倍音構造となっており、図6に示すように、基音周波数(Hz)を85Hzとすると、2次倍音が170Hz、4次倍音が340Hz、6次倍音が510Hzというように、偶数次倍音で共鳴がたつように構成されている。
なお、開放ダクト231の分岐通路226と吸気通路224との連通部分から分岐通路226の開放部分までの長さLを、1.0mで形成した場合について説明したが、長さLを1.0m以外の長さで形成することにより、85Hz以外の基音周波数(Hz)として、2次倍音、4次倍音、6次倍音のように異なった周波数の偶数次倍音で共鳴させることができる。
閉塞ダクト232は、その軸心と開放ダクト231の軸心が一致するよう、開放ダクト231を囲んで円筒形に形成されており、その先端部がドーナツ状の閉塞部229により閉塞されている。
この閉塞ダクト232の内部には、吸気通路224と連通するとともに吸気通路224から分岐した分岐通路236が形成されている。この閉塞ダクト232の分岐通路236には、吸気通路224内の吸入空気が貫通孔225から流入するようになっている。
この閉塞ダクト232の分岐通路236と吸気通路224との連通部分から分岐通路236の閉塞部分までの長さLは、開放ダクト231と同様、開口端補正による補正長さΔLを含めて、L=1.0mで形成されている。
また、閉塞ダクト232の分岐部227には、分岐通路236を大気に開放する第2の開放口としての開放口228が形成されており、分岐通路236内で共鳴した吸気音が開放口228から放出されるようになっている。
この閉塞ダクト232の分岐通路236は、開放ダクト231と同様、いわゆる倍音構造となっており、図6に示すように、基音周波数(Hz)を85Hzとすると、3次倍音が255Hz、5次倍音が425Hzというように、奇数次倍音で共鳴がたつように構成されている。
なお、閉塞ダクト232の分岐通路236と吸気通路224との連通部分から分岐通路236の閉塞部分までの長さLを、1.0mで形成した場合について説明したが、開放ダクト231と同様、長さLを1.0m以外の長さで形成することにより、85Hz以外の周波数(Hz)を基音周波数(Hz)として、3次倍音、5次倍音のように異なった周波数の奇数次倍音で共鳴させることができる。
このように吸気ダクト221および分岐ダクト222を構成することにより、吸気通路224内で発生する吸気音に対して数種の周波数(Hz)の音圧(Pa)が付加されるようになっている。すなわち、吸気通路224内で発生し、分岐通路226内に入射する吸気音が開放ダクト231の分岐通路226内で共鳴し、開放口237から数種の周波数(Hz)の音圧(Pa)が付加され、好ましい吸気音として放出されるようになっている。
また、吸気通路224内で発生し、分岐通路236に入射したのち閉塞部229で反射した吸気音とが共鳴して数種の周波数(Hz)の音圧(Pa)が付加され、好ましい吸気音として開放口228から放出されるようになっている。
吸入口223から貫通孔225の中心までの所定の距離(mm)、吸入口223および吸気通路224の内径(mm)、分岐通路226、236の内径(mm)、開放口237の内径(mm)、開放口228の幅(mm)、開放口228の円周方向の両端と分岐通路236の中心とを結ぶ各線のなす角(度)、開放口228の向き、吸気ダクト221および分岐ダクト222の厚み(mm)は、第1実施形態と同様、それぞれエンジン10の諸元に基づいて適宜選択された所定の寸法で形成されている。
第2実施形態に係る吸気装置220は、前述のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、吸気装置220は、吸入口223と、吸入口223と連通し吸入された空気をエンジン10に導入する吸気通路224とを有する吸気ダクト221と、吸気ダクト221から分岐して形成され、吸気通路224と連通する分岐通路226、236を有する分岐ダクト222とを備えている。この分岐ダクト222は、先端部の開放口237で開放された開放ダクト231および開放ダクト231を囲むよう形成され、先端部が閉塞された閉塞ダクト232とを有し、閉塞ダクト232の分岐部227が分岐通路236を大気に開放する開放口228を備えている。
そして、開放ダクト231の分岐通路226と吸気通路224との連通部分から分岐通路226の開放口237までの長さLが、吸気通路224内で発生する吸気音に対して2次倍音の170Hz、4次倍音の340Hz、6次倍音の510Hzというように偶数次倍音の音圧(Pa)を付加するよう設定されている。また、閉塞ダクト232の分岐通路236と吸気通路224との連通部分から分岐通路236の閉塞部分までの長さLが、吸気通路224内で発生する吸気音に対して3次倍音の255Hz、5次倍音の510Hzというように奇数次倍音の音圧(Pa)を付加するよう設定されている。
その結果、吸気装置220においては、開放ダクト231の開放口237から複数の周波数からなる偶数次倍音の音圧(Pa)で吸気音が放出されるとともに、閉塞ダクト232の開放口228から複数の周波数からなる奇数次倍音の音圧(Pa)で吸気音が放出されるので、濁りのないより豊潤な音を放出することができ、より心地のよいサウンドを演出することができるという効果が得られる。
また、吸気ダクト221に開放ダクト231および閉塞ダクト232からなる分岐ダクト222を形成し分岐部227に開放口228を形成するという簡単な構造で、複数の周波数(Hz)の音圧(Pa)を放出することができ、心地のよいサウンドを運転者に伝達することができるという効果が得られる。
第2実施形態に係る吸気装置220においては、単に吸気ダクト221と、吸気ダクト221に開放ダクト231および閉塞ダクト232からなる分岐ダクト222とを形成した場合について説明した。
しかしながら、第2実施形態に係る吸気装置220に他の構造を付加することにより、さらに効果的な心地のよいサウンドを運転者に伝達するようにしてもよい。
例えば、開放ダクト231および閉塞ダクト232のいずれか一方をエンジン回転数(rpm)に応じて選択するようにして、所定の周波数帯(Hz)の音圧(Pa)を放出するようにしてもよい。この場合には、例えば、吸気ダクト221と分岐ダクト222との分岐部227に、開放ダクト231および閉塞ダクト232を開閉する開閉弁および開閉弁駆動ユニットを設け、エンジン回転数に応じて、開閉弁を切り替えるようにしてもよい。例えば、エンジン回転数が低回転領域にあるときは、開放ダクト231側のみを開き、偶数次倍音の周波数の音圧を開放ダクト231から放出するようにし、エンジン回転数が高回転領域にあるときは、開放ダクト231および閉塞ダクト232の双方を開き、偶数次倍音の周波数の音圧を開放ダクト231から放出するとともに、奇数次倍音の周波数の音圧を閉塞ダクト232から放出するようにしてもよい。
この場合には、エンジン回転数に応じて偶数次倍音や奇数次倍音などの周波数の異なった種々の音が運転者に伝達され、より心地よいサウンドが得られる。
(第3実施形態)
次いで、第3実施形態に係る吸気装置320について図面を参照して説明する。
第3実施形態に係る吸気装置320は、第1実施形態に係る吸気装置20と異なっているが、エンジン10の他の構成要素は同様に構成されている。したがって、同一の構成要素については、図1ないし図3に示した第1実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点のみ詳述する。
第3実施形態に係る吸気装置320は、図1に示すように、第1実施形態と同様、車両に搭載されたエンジン10に適用されている。
吸気装置320は、図8および図9に示すように、吸気ダクト321と、吸気ダクト321から分岐して形成された分岐ダクト322とを含んで構成されている。
吸気ダクト321は、第1実施形態と同様、円筒形に形成されており、空気を吸入するよう一方端部に形成された吸入口323と、この吸入口323と連通するとともにエアクリーナ13の図示しないクリーナ室に連通し、吸入された空気を流通させる吸気通路324とを有している。また、吸気ダクト321には、第1実施形態と同様、吸入口323から所定の距離だけ離隔した位置に、貫通孔325が形成されている。
分岐ダクト322は、開放ダクト331と、この開放ダクト331に隣接して形成された閉塞ダクト332とを含んで構成されている。
開放ダクト331は、角柱状に形成されており、この開放ダクト331の内部には、吸気通路324と連通するとともに吸気通路324から分岐した分岐通路326が形成されている。この開放ダクト331の先端部は第1の開放口としての開放口337が形成されており、吸気通路324内の吸入空気が分岐通路326を通って開放口337から排出され、場合によっては、開放口337から空気が流入し、分岐通路326を通って吸気通路324内に流入するようになっている。
この開放ダクト331の分岐通路326と吸気通路324との連通部分から分岐通路326の開放部分までの長さLは、第1実施形態と同様、開口端補正による補正長さΔLを含めて、L=1.0mで形成されている。
この開放ダクト331の分岐通路326は、第2実施形態と同様、いわゆる倍音構造となっており、図8に示すように、基音周波数(Hz)を85Hzとすると、2次倍音が170Hz、4次倍音が340Hz、6次倍音が510Hzというように、偶数次倍音で共鳴がたつように構成されている。
なお、開放ダクト331の分岐通路326と吸気通路324との連通部分から分岐通路326の開放部分までの長さLを、1.0mで形成した場合について説明したが、長さLを1.0m以外の長さで形成することにより、85Hz以外の基音周波数(Hz)として、2次倍音、4次倍音、6次倍音のように異なった周波数の偶数次倍音で共鳴させることができる。
閉塞ダクト332は、開放ダクト331と同様、角柱状に形成されており、開放ダクト331の吸入口323側の側面に隣接して形成されており、その先端部が四角形の閉塞部329により閉塞されている。
この閉塞ダクト332の内部には、吸気通路324と連通するとともに吸気通路324から分岐した分岐通路336が形成されている。この閉塞ダクト332の分岐通路336には、吸気通路324内の吸入空気が貫通孔325から流入するようになっている。
この閉塞ダクト332の分岐通路336と吸気通路324との連通部分から分岐通路336の閉塞部分までの長さLは、開放ダクト331と同様、開口端補正による補正長さΔLを含めて、L=1.0mで形成されている。
また、閉塞ダクト332の分岐部327には、分岐通路336を大気に開放する第2の開放口としての開放口328が形成されており、分岐通路336内で共鳴した吸気音が開放口328から放出されるようになっている。
この閉塞ダクト332の分岐通路336は、開放ダクト331と同様、いわゆる倍音構造となっており、図8に示すように、基音周波数(Hz)を85Hzとすると、3次倍音が255Hz、5次倍音が425Hzというように、奇数次倍音で共鳴がたつように構成されている。
なお、閉塞ダクト332の分岐通路336と吸気通路324との連通部分から分岐通路336の閉塞部分までの長さLを、1.0mで形成した場合について説明したが、開放ダクト331と同様、長さLを1.0m以外の長さで形成することにより、85Hz以外の周波数(Hz)を基本周波数(Hz)として、3次倍音、5次倍音のように異なった周波数の奇数次倍音で共鳴させることができる。
このように吸気ダクト321および分岐ダクト322を構成することにより、第2実施形態と同様、吸気通路324内で発生する吸気音に対して数種の周波数(Hz)の音圧(Pa)が付加されるようになっている。すなわち、吸気通路324内で発生し、分岐通路326内に入射する吸気音が開放ダクト331の分岐通路326内で共鳴し、開放口337から数種の周波数(Hz)の音圧(Pa)が付加され、好ましい吸気音として放出されるようになっている。
また、吸気通路324内で発生し、分岐通路336に入射したのち閉塞部329で反射した吸気音とが共鳴して数種の周波数(Hz)の音圧(Pa)が付加され、好ましい吸気音として開放口328から放出されるようになっている。
吸入口323から貫通孔325の中心までの所定の距離(mm)、吸入口323および吸気通路324の内径(mm)、分岐通路326、336の断面積(mm)、開放口328、337の幅(mm)、開放口328の断面積(mm)、開放口228の向き、吸気ダクト321および分岐ダクト322の厚み(mm)は、第1実施形態と同様、それぞれエンジン10の諸元に基づいて適宜選択された所定の寸法で形成されている。
第3実施形態に係る吸気装置320は、前述のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、吸気装置320は、吸入口323と、吸入口323と連通し吸入された空気をエンジン10に導入する吸気通路324とを有する吸気ダクト321と、吸気ダクト321から分岐して形成され、吸気通路324と連通する分岐通路326、336を有する分岐ダクト322とを備えている。この分岐ダクト322は、先端部の開放口337で開放された開放ダクト331および開放ダクト331に隣接して形成され、先端部が閉塞された閉塞ダクト332とを有し、閉塞ダクト332の分岐部327が分岐通路336を大気に開放する開放口328を備えている。
そして、開放ダクト331の分岐通路326と吸気通路324との連通部分から分岐通路326の開放口337までの長さLが、吸気通路324内で発生する吸気音に対して2次倍音の170Hz、4次倍音の340Hz、6次倍音の510Hzというように偶数次倍音の音圧(Pa)を付加するよう設定されている。また、閉塞ダクト332の分岐通路336と吸気通路324との連通部分から分岐通路336の閉塞部分までの長さLが、吸気通路324内で発生する吸気音に対して3次倍音の255Hz、5次倍音の510Hzというように奇数次倍音の音圧(Pa)を付加するよう設定されている。
その結果、吸気装置320においては、開放ダクト331の開放口337から複数の周波数からなる偶数次倍音の音圧(Pa)で吸気音が放出されるとともに、閉塞ダクト332の開放口328から複数の周波数からなる奇数次倍音の音圧(Pa)で吸気音が放出されるので、濁りのないより豊潤な音を放出することができ、より心地のよいサウンドを演出することができるという効果が得られる。
また、吸気ダクト321に開放ダクト331および閉塞ダクト332からなる分岐ダクト322を形成し分岐部327に開放口328を形成するという簡単な構造で、複数の周波数(Hz)の音圧(Pa)を放出することができ、心地のよいサウンドを運転者に伝達することができるという効果が得られる。
第3実施形態に係る吸気装置320においては、単に吸気ダクト321と、吸気ダクト321に開放ダクト331および閉塞ダクト332からなる分岐ダクト322とを形成した場合について説明した。
しかしながら、第2実施形態と同様、第3実施形態に係る吸気装置320に他の構造を付加することにより、さらに効果的な心地のよいサウンドを運転者に伝達するようにしてもよい。
例えば、開放ダクト331および閉塞ダクト332のいずれか一方をエンジン回転数(rpm)に応じて選択するようにして、所定の周波数帯(Hz)の音圧(Pa)を放出するようにしてもよい。この場合には、例えば、吸気ダクト321と分岐ダクト322との分岐部327に、開放ダクト331および閉塞ダクト332を開閉する開閉弁および開閉弁駆動ユニットを設け、エンジン回転数に応じて、開閉弁を切り替えるようにしてもよい。
この場合、エンジン回転数が低回転領域にあるときは、開放ダクト331側のみを開き、偶数次倍音の周波数の音圧を開放ダクト331から放出するようにし、エンジン回転数が高回転領域にあるときは、開放ダクト331および閉塞ダクト332の双方を開き、偶数次倍音の周波数の音圧を開放ダクト331から放出するとともに、奇数次倍音の周波数の音圧を閉塞ダクト332から放出するようにしてもよい。
(第4実施形態)
次いで、第4実施形態に係る吸気装置420について図面を参照して説明する。
第4実施形態に係る吸気装置420は、第1実施形態に係る吸気装置20と異なっているが、エンジン10の他の構成要素は同様に構成されている。したがって、同一の構成要素については、図1ないし図3に示した第1実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点のみ詳述する。
第4実施形態に係る吸気装置420は、図1に示すように、第1実施形態と同様、車両に搭載されたエンジン10に適用されている。
吸気装置420は、図10および図11に示すように、吸気ダクト421と、吸気ダクト421から分岐して形成された分岐ダクト422とを含んで構成されている。
吸気ダクト421は、第1実施形態と同様、円筒形に形成されており、空気を吸入するよう一方端部に形成された吸入口423と、この吸入口423と連通するとともにエアクリーナ13の図示しないクリーナ室に連通し、吸入された空気を流通させる吸気通路424とを有している。また、吸気ダクト421には、吸入口423から所定の距離だけ離隔した位置に、貫通孔425が形成されている。
分岐ダクト422は、例えば、ハウジング441と、ハウジング441内に往復運動可能に収容されたピストン442と、ピストン442と連結しピストン442を往復運動させるアクチュエータ443と、アクチュエータ443を制御する制御ユニット444とを含んで構成されている。
ハウジング441は、例えば、第1実施形態の分岐ダクト22と同様、円筒形に形成されており、その内部には、吸気通路424と連通するとともに吸気通路424から分岐した分岐通路426が形成されており、吸気通路424内の吸入空気が貫通孔425から流入するようになっている。また、ハウジング441の分岐部427には、分岐通路426を大気に開放する開放口428が形成されている。
分岐通路426は、第1実施形態と同様、式(3)および式(4)から導かれる分岐通路426の長さLを有している。すなわち、分岐通路426と吸気通路424との連通部分から分岐通路426のピストン442により閉塞された閉塞部分までの長さLが、例えば、好ましい吸気音とされる50Hzないし600Hzの周波数帯の吸気音の範囲で、式(3)および式(4)に基づいて算出される。図10に示す分岐通路426の長さL=0.25mは、周波数340Hzで算出された長さLを示している。
この分岐通路426は、図12に示すように、ピストン442が最もアクチュエータ443側に位置するとき、その長さLが最大となり、開放口428から放出される音の周波数(Hz)が最も小さくなる。
ピストン442は、ハウジング441内の分岐通路426を閉塞するよう、円盤状に形成されており、ハウジング441内を滑らに往復運動するよう構成されている。また、ピストン442の分岐通路426と反対側の表面部にはアクチュエータ443が連結されている。
アクチュエータ443は、図10に示すように、ラックピニオン機構451と、ラックピニオン機構451を収容するケース452と、ラックピニオン機構451と制御ユニット444とを接続する端子453およびリード線454とを含んで構成されている。
ラックピニオン機構451は、ピストン442と連結されるラック461と、ピニオン462と、ピニオン462を駆動する図示しない駆動モータとを備えており、駆動モータが回転するとピニオン462が回転し、ラック461がピストン442とともに往復運動するようになっている。
制御ユニット444は、例えば、エンジン10を制御する公知の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)の一部によって構成されている。
具体的には、制御ユニット444は、CPU(Central Processing Unit)と、処理プログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)と、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)と、電気的に書換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)と、A/D変換器やバッファなどを含む入力ポート、出力ポートと、エンジン10の回転数(rpm)を検出するクランクポジションセンサ445とを含んで構成されている。
また、制御ユニット444は、例えば、エンジン回転数(rpm)とピストン442の移動量(mm)との関係を表すエンジン回転数・移動量マップに基づいてラックピニオン機構451を制御する制御手段と、クランクポジションセンサ445の出力信号に基づいてエンジン回転数(rpm)を算出するエンジン回転数算出手段と、エンジン回転数・移動量マップを記憶する記憶手段とを含んで構成されている。
制御ユニット444の制御手段は、エンジン回転数算出手段により算出されたエンジン回転数とエンジン回転数・移動量マップとによりラックピニオン機構451を制御するよう構成されている。なお、エンジン回転数・移動量マップにおいては、第1実施形態における式(1)および式(2)に基づいて算出された所定の分岐通路426の長さL(mm)になるよう、すなわち、心地よいサウンドが得られるようその移動量(mm)が定められている。
なお、制御ユニット444の制御手段は、エンジン回転数・移動量マップを使用せずに、エンジン回転数算出手段により算出されたエンジン回転数とピストン442の移動量とを同期させ、一定のデューティ比により、ラックピニオン機構451を制御するようにしてもよい。
吸入口423から貫通孔425の中心までの所定の距離(mm)、吸入口423および吸気通路424の内径(mm)、分岐通路426の内径(mm)、開放口428の幅(mm)、開放口428の円周方向の両端と分岐通路426の中心とを結ぶ各線のなす角(度)、開放口428の向き、吸気ダクト421および分岐ダクト422の厚み(mm)は、第1実施形態と同様、それぞれエンジン10の諸元に基づいて適宜選択された所定の寸法で形成されている。
第4実施形態に係る吸気装置420は、前述のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、吸気装置420は、吸入口423と、吸入口423と連通し吸入された空気をエンジン10に導入する吸気通路424とを有する吸気ダクト421と、吸気ダクト421から分岐して形成され、吸気通路424と連通する分岐通路426を有する分岐ダクト422とを備えている。さらに、分岐ダクト422が、分岐通路426を閉塞するとともに分岐通路426内で往復運動するよう分岐通路426内に収容されたピストン442を有し、かつ分岐部427に分岐通路426を大気に開放するよう形成された開放口428を有し、ピストン442に連結されピストン442を往復運動させるアクチュエータ443と、アクチュエータ443を制御する制御ユニット444とを備えている。そして、制御ユニット444が、例えば、エンジン10の回転数(rpm)に応じてアクチュエータ443を制御することにより、分岐ダクト422の分岐通路426と吸気通路424との連通部分から分岐通路426の閉塞部分までの長さLを調節可能にし、長さLが、吸気通路424内で発生する吸気音に対して変更可能な周波数の音圧を付加するよう設定されている。
なお、エンジン10の回転数(rpm)に限らず、車速(Km/h)や、出力軸回転数(rpm)、エンジントルク(N・m)などに応じてアクチュエータ443を制御するようにしてもよい。
その結果、吸気装置420においては、エンジン回転数(rpm)に応じて、好ましいサウンドを運転者に伝達することができるという効果が得られる。
例えば、エンジン10が、4気筒4サイクルエンジンである場合、エンジン回転数(rpm)をNeとし、吸気音の周波数をf(Hz)とすると、次式(5)で得られる周波数fの音が開放口428から放出されるよう、長さLを設定することができる。
Figure 2011017291

この場合には、エンジン10の爆発一次成分といわれる迫力のある音を放出させることができるという効果が得られる。
また、吸気装置420においては、分岐ダクト422の先端部が閉塞されているので、従来の分岐ダクトが開放された吸気装置よりも、分岐ダクト422の長さを短く形成することができるという効果が得られる。分岐ダクト422の長さが従来と比べ短くなるので、吸気装置420の全体を小型化することができ、他の車種への搭載がし易くなり高い汎用性が得られる。
また、分岐ダクト422の長さが短くなるとともに、周波数340Hz以外の任意の周波数に調節することができ、高い設計の自由度および高い周波数の選択の自由度が得られるという効果がある。
(第5実施形態)
次いで、第5実施形態に係る吸気装置520について図面を参照して説明する。
第5実施形態に係る吸気装置520は、第1実施形態に係る吸気装置20と異なっているが、エンジン10の他の構成要素は同様に構成されている。したがって、同一の構成要素については、図1ないし図3に示した第1実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点のみ詳述する。
吸気装置520は、図13および図14に示すように、吸気ダクト521と、吸気ダクト521から分岐して形成された分岐ダクト522とを含んで構成されている。
吸気ダクト521は、第1実施形態と同様、円筒形に形成されており、空気を吸入するよう一方端部に形成された吸入口523と、この吸入口523と連通するとともにエアクリーナ13の図示しないクリーナ室に連通し、吸入された空気を流通させる吸気通路524とを有している。また、吸気ダクト521には、吸入口523から所定の距離だけ離隔した位置に、貫通孔525が形成されている。
分岐ダクト522は、第1実施形態と同様、円筒形に形成されており、一方端部を閉塞する閉塞部529を有している。この分岐ダクト522の内部には、吸気通路524と連通するとともに吸気通路524から分岐した分岐通路526が形成されており、吸気通路524内の吸入空気が貫通孔525から流入するようになっている。
また、この分岐ダクト522の閉塞部529には、分岐ダクト522の軸線方向に貫通する貫通孔531が形成されており、エンジン10が空気を吸入する際、この貫通孔531から空気が入り込むようになっている。
また、図11に示すように、分岐ダクト522における閉塞部529の近傍には、貫通孔531と近接して分岐通路526を大気に開放する開放口528が形成されている。この開放口528は、分岐通路526側から放射外方に向かって徐々に幅が大きくなるよう形成されており、分岐通路526側が尖ったエッジ536になっている。
この分岐ダクト522の分岐通路526と吸気通路524との連通部分から分岐通路526の閉塞部分までの長さLは、第1実施形態と同様、開口端補正による補正長さΔLを含めて、L=0.25mで形成されている。
このように吸気ダクト521および分岐ダクト522を構成することにより、吸気通路524内で発生する吸気音に対して所定周波数帯(Hz)の音圧(Pa)が付加されるようになっている。すなわち、エンジン10が空気を吸入する際、閉塞部529の貫通孔531から分岐通路526内に空気が流入し、その流通が、エッジ536の近傍で変動するようになっており、このような空気の流通の変動により、開放口528から放出される音を、好ましい周波数(Hz)にすることができる。
吸入口523から貫通孔525の中心までの所定の距離(mm)、吸入口523および吸気通路524の内径(mm)、分岐通路526の内径(mm)、開放口528の幅(mm)、開放口528の円周方向の両端と分岐通路526の中心とを結ぶ各線のなす角(度)、開放口528の向き、貫通孔531の位置、大きさおよび形状、吸気ダクト521および分岐ダクト522の厚み(mm)は、第1実施形態と同様、それぞれエンジン10の諸元に基づいて適宜選択された所定の寸法で形成されている。
第5実施形態に係る吸気装置520は、前述のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、吸気装置520は、吸入口523と、吸入口523と連通し吸入された空気をエンジン10に導入する吸気通路524とを有する吸気ダクト521と、吸気ダクト521から分岐して形成され、吸気通路524と連通する分岐通路526を有する分岐ダクト522とを備え、分岐ダクト522の先端部が閉塞されるとともに、分岐ダクト522が貫通孔531および開放口528を有し、分岐通路526と吸気通路524との連通部分から分岐通路526の閉塞部分までの長さLが、吸気通路524内で発生する吸気音に対して周波数340Hzの音圧(Pa)を付加するよう設定されている。
その結果、吸気装置520においては、分岐ダクト522の先端部が閉塞されているので、従来の分岐ダクトが開放された吸気装置よりも、分岐ダクト522を約半分の長さLで形成することができるという効果が得られる。分岐ダクト522の長さLが短くなるので、吸気装置520の全体を小型化することができ、他の車種への搭載がし易くなり高い汎用性が得られる。
また、分岐ダクト522の長さLが短くなるので、第1実施形態と同様に、周波数340Hz以外の周波数で形成することができ、高い設計の自由度および高い周波数の選択の自由度が得られるという効果がある。例えば、従来の吸気装置で周波数255Hzの音を放出させようとする場合には、式(2)から0.666mの長さの分岐ダクトが必要であったが、第5実施形態に係る吸気装置520の分岐ダクト522の場合には、式(4)から0.333mの長さの分岐ダクトで足りることになり、従来、選択し難かった周波数でも選択可能となり、周波数の選択の自由度が高められる。
また、吸気ダクト521に分岐ダクト522を形成し分岐ダクト522に貫通孔531および開放口528を形成するという簡単な構造で、所定の周波数帯(Hz)の音圧(Pa)を放出することができるという効果が得られる。
(第6実施形態)
次いで、第6実施形態に係る吸気装置620について図面を参照して説明する。
第6実施形態に係る吸気装置620は、第1実施形態に係る吸気装置20と異なっているが、エンジン10の他の構成要素は同様に構成されている。したがって、同一の構成要素については、図1ないし図3に示した第1実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点のみ詳述する。
吸気装置620は、図15および図16に示すように、吸気ダクト621と、吸気ダクト621から分岐して形成された分岐ダクト622とを含んで構成されている。
吸気ダクト621は、第1実施形態と同様、円筒形に形成されており、空気を吸入するよう一方端部に形成された吸入口623と、この吸入口623と連通するとともにエアクリーナ13の図示しないクリーナ室に連通し、吸入された空気を流通させる吸気通路624とを有している。また、吸気ダクト621には、吸入口623から所定の距離だけ離隔した位置に、貫通孔625が形成されている。
分岐ダクト622は、内部に吸気ダクト621を収容するよう、円筒形に形成されており、一方端部を閉塞する閉塞部629を有している。この分岐ダクト622の内部には、吸気通路624と連通するとともに吸気通路624から分岐した分岐通路626が円環状に形成されており、吸気通路624内の吸入空気が貫通孔625から流入するようになっている。
このように吸気ダクト621および分岐ダクト622を構成することにより、吸気通路624内で発生する吸気音に対して所定周波数帯(Hz)の音圧(Pa)が付加されるようになっている。すなわち、エンジン10が空気を吸入する際、貫通孔625から分岐通路626内に空気が流入し、開放口628から好ましい周波数(Hz)の音を、放出することができる。
吸入口623から貫通孔625の中心までの所定の距離(mm)、大きさおよび形状、吸入口623および吸気通路624の内径(mm)、分岐通路626の長さ(mm)および内径(mm)、閉塞部629および開放口628の向き、吸気ダクト621および分岐ダクト622の厚み(mm)は、第1実施形態と同様、それぞれエンジン10の諸元に基づいて適宜選択された所定の寸法で形成されている。
第6実施形態に係る吸気装置620は、前述のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、吸気装置620は、吸入口623と、吸入口623と連通し吸入された空気をエンジン10に導入する吸気通路624とを有する吸気ダクト621と、吸気ダクト621から分岐して形成され、吸気通路624と貫通孔625を介して連通する分岐通路626を有する分岐ダクト622とを備え、分岐ダクト622の先端部が閉塞されるとともに、分岐ダクト622が、円環状に開放された開放口628を有し、分岐通路626と吸気通路624との連通部分から分岐通路626の閉塞部分までの長さLが、吸気通路624内で発生する吸気音に対して所定の周波数(Hz)の音圧(Pa)を付加するよう設定されている。
その結果、吸気装置620においては、分岐ダクト622の先端部が閉塞されているので、従来の分岐ダクトが開放された吸気装置よりも、分岐ダクト622を約半分の長さLで形成することができるという効果が得られる。特に、分岐ダクト622が吸気ダクト621を収容するよう、同軸状に配置されているので、吸気装置620の全体を小型化することができ、他の車種への搭載がし易くなり高い汎用性が得られる。
また、開放口628が円環状に開放されているので、開口面積を大きくすることが可能となる。この開口面積を大きくすることにより、開放口628から放出される音を大きくすることができる。なお、この開放口628を円周全体に亘って開口せず、この開放口628の近傍で、吸気ダクト621の外周面と、分岐ダクト622の内周面との間に、吸気ダクト621と分岐ダクト622を連結する貝柱状の支持柱を、円周上等間隔に複数箇所設けることにより、吸気装置620の剛性を高めるようにしてもよい。また、開放口628の円周の半分、すなわち半周を開口するような構造にしてもよい。
(第7実施形態)
次いで、第7実施形態に係る吸気装置720について図面を参照して説明する。
第7実施形態に係る吸気装置720は、第1実施形態に係る吸気装置20と異なっているが、エンジン10の他の構成要素は同様に構成されている。したがって、同一の構成要素については、図1ないし図3に示した第1実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点のみ詳述する。
吸気装置720は、図17および図18に示すように、吸気ダクト721と、吸気ダクト721から分岐して形成された分岐ダクト722と、を含んで構成されている。
吸気ダクト721は、第1実施形態と同様、円筒形に形成されており、空気を吸入するよう一方端部に形成された吸入口723と、この吸入口723と連通するとともにエアクリーナ13の図示しないクリーナ室に連通し、吸入された空気を流通させる吸気通路724とを有している。また、吸気ダクト721には、吸入口723から所定の距離だけ離隔した位置に、貫通孔725が形成されている。
分岐ダクト722は、第3実施形態と同様に、断面が方形の筒状に形成されており、一方端部を閉塞する閉塞部729と、通路形成壁731、732、733とを有している。
通路形成壁731は、一方端部が吸気ダクト721に連結され、他方端部が、分岐ダクト722の内壁面722aと隙間を開けて対向するよう構成されている。
通路形成壁732は一方端部が閉塞部729に連結され、他方端部が、吸気ダクト721の外周面と隙間を開けて対向するよう構成されている。通路形成壁733は、通路形成壁731と同様、一方端部が吸気ダクト721に連結され、他方端部が、分岐ダクト722の内壁面722aと隙間を開けて対向するよう構成されている。
この通路形成壁731と内壁面722bとの間隔、通路形成壁731と通路形成壁732との間隔、通路形成壁732と通路形成壁733との間隔、通路形成壁733と内壁面722cとの間隔は、ほぼ等間隔になるよう、通路形成壁731、732、733が、配置されている。
この分岐ダクト722の内部には、吸気通路724と連通するとともに吸気通路724から分岐した分岐通路726が通路形成壁731、732、733に画成されて形成されており、いわゆるラビリンス構造を形成している。吸気通路724内の吸入空気が貫通孔725から流入するようになっている。このラビリンス構造により、前述の通路形成壁731と内壁面722bとの間隔、通路形成壁731と通路形成壁732との間隔、通路形成壁732と通路形成壁733との間隔、通路形成壁733と内壁面722cとの間隔は、分岐通路726として画成されることになり、分岐通路726が、そのスペースに比して長くなっている。
また、分岐ダクト722と吸気ダクト721との分岐部727には、開放口728が形成されており、分岐通路726が大気に開放されている。
このように吸気ダクト721および分岐ダクト722を構成することにより、吸気通路724内で発生する吸気音に対して所定周波数帯(Hz)の音圧(Pa)が付加されるようになっている。すなわち、エンジン10が空気を吸入する際、貫通孔725から分岐通路726内に空気が流入し、開放口728から好ましい周波数(Hz)の音を、放出することができる。
吸入口723から貫通孔725の中心までの所定の距離(mm)、大きさおよび形状、吸入口723および吸気通路724の内径(mm)、通路形成壁731と内壁面722bとの間隔(mm)、通路形成壁731と通路形成壁732との間隔(mm)、通路形成壁732と通路形成壁733との間隔(mm)、通路形成壁733と内壁面722cとの間隔(mm)、すなわち分岐通路726の長さ(mm)、開放口728の向き、吸気ダクト721および分岐ダクト722の厚み(mm)は、第1実施形態と同様、それぞれエンジン10の諸元に基づいて適宜選択された所定の寸法で形成されている。
第7実施形態に係る吸気装置720は、前述のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、吸気装置720は、吸入口723と、吸入口723と連通し吸入された空気をエンジン10に導入する吸気通路724とを有する吸気ダクト721と、吸気ダクト721から分岐して形成され、吸気通路724と貫通孔725を介して連通する分岐通路726を有する分岐ダクト722とを備え、分岐ダクト722の先端部が閉塞されるとともに、分岐ダクト722が、通路形成壁731、732、733と、開放口728を有し、分岐通路726と吸気通路724との連通部分から分岐通路726の閉塞部分までの長さLが、吸気通路724内で発生する吸気音に対して所定の周波数(Hz)の音圧(Pa)を付加するよう設定されている。
その結果、吸気装置720においては、分岐ダクト722の先端部が閉塞されているとともに、分岐ダクト722がいわゆるラビリンス構造で形成されているので、従来の分岐ダクトが開放された吸気装置よりも、分岐ダクト722を小型にすることができるという効果が得られる。特に、分岐ダクト722がラビリンス構造で形成されているので、吸気装置720の全体を小型化することができ、他の車種への搭載がし易くなり高い汎用性が得られる。
(第8実施形態)
次いで、第8実施形態に係る吸気装置820について図面を参照して説明する。
第8実施形態に係る吸気装置820は、第1実施形態に係る吸気装置20と異なっているが、エンジン10の他の構成要素は同様に構成されている。したがって、同一の構成要素については、図1ないし図3に示した第1実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点のみ詳述する。
吸気装置820は、図19ないし図21に示すように、吸気ダクト821と、吸気ダクト821から分岐して形成された分岐ダクト822とを含んで構成されている。
吸気ダクト821は、第1実施形態と同様、円筒形に形成されており、空気を吸入するよう一方端部に形成された吸入口823と、この吸入口823と連通するとともにエアクリーナ13の図示しないクリーナ室に連通し、吸入された空気を流通させる吸気通路824とを有している。また、吸気ダクト821には、吸入口823から所定の距離だけ離隔した位置に、貫通孔825が形成されている。
分岐ダクト822は、内部に吸気ダクト821を収容するよう、円環状に形成されており、図20および図21に示すように、一方端部を閉塞する閉塞部829を有している。この分岐ダクト822の内部には、吸気通路824と連通するとともに吸気通路824から分岐した分岐通路826が円環状に形成されており、吸気通路824内の吸入空気が貫通孔825から流入するようになっている。
このように吸気ダクト821および分岐ダクト822を構成することにより、吸気通路824内で発生する吸気音に対して所定周波数帯(Hz)の音圧(Pa)が付加されるようになっている。すなわち、エンジン10が空気を吸入する際、貫通孔825から分岐通路826内に空気が流入し、開放口828から好ましい周波数(Hz)の音を、放出することができる。
吸入口823から貫通孔825の中心までの所定の距離(mm)、大きさおよび形状、吸入口823および吸気通路824の内径(mm)、分岐通路826の長さ(mm)および断面形状、閉塞部829および開放口828の位置、吸気ダクト821および分岐ダクト822の厚み(mm)は、第1実施形態と同様、それぞれエンジン10の諸元に基づいて適宜選択された所定の寸法で形成されている。
第8実施形態に係る吸気装置820は、前述のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、吸気装置820は、吸入口823と、吸入口823と連通し吸入された空気をエンジン10に導入する吸気通路824とを有する吸気ダクト821と、吸気ダクト821から分岐し、吸気ダクト821を囲んで円環状に形成され、吸気通路824と貫通孔825を介して連通する分岐通路826を有する分岐ダクト822とを備え、分岐ダクト822の先端部が閉塞されるとともに、分岐ダクト822が、開放口828を有し、分岐通路826と吸気通路824との連通部分から分岐通路826の閉塞部分までの円環状の長さLが、吸気通路824内で発生する吸気音に対して所定の周波数(Hz)の音圧(Pa)を付加するよう設定されている。
その結果、吸気装置820においては、分岐ダクト822の先端部が閉塞されているので、従来の分岐ダクトが開放された吸気装置よりも、分岐ダクト822をコンパクトに形成することができるという効果が得られる。特に、分岐ダクト822が吸気ダクト821を囲んで、円環状に配置されているので、吸気装置820の全体を小型化することができ、他の車種への搭載がし易くなり高い汎用性が得られる。
(第9実施形態)
次いで、第9実施形態に係る吸気装置920について図面を参照して説明する。
第9実施形態に係る吸気装置920は、第1実施形態に係る吸気装置20と異なっているが、エンジン10の他の構成要素は同様に構成されている。したがって、同一の構成要素については、図1ないし図3に示した第1実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点のみ詳述する。
吸気装置920は、図22および図23に示すように、吸気ダクト921と、吸気ダクト921から分岐して形成された分岐ダクト922と、を含んで構成されている。
吸気ダクト921は、第1実施形態と同様、円筒形に形成されており、空気を吸入するよう一方端部に形成された吸入口923と、この吸入口923と連通するとともにエアクリーナ13の図示しないクリーナ室に連通し、吸入された空気を流通させる吸気通路924とを有している。また、吸気ダクト921には、吸入口923から所定の距離だけ離隔した位置に、貫通孔925が形成されている。
分岐ダクト922は、第3実施形態と同様に、断面が方形の筒状に形成されており、一方端部を閉塞する閉塞部929と、この分岐ダクト922と吸気ダクト921との分岐部927に形成された開放口928を開閉する開閉バルブ930とを有している。
開閉バルブ930は、開放口928を開閉する弁体931と、弁体931を支持する回動軸932と、回動軸932を回動可能に支持する軸支持部材933と、一端が弁体931に連結され弁体931を開状態にする方向に付勢された引張コイルばね934と、引張コイルばね934の他端を支持するよう分岐ダクト922に設けられたばね支持部材935と、軸支持部材933に設けられ弁体931の開度を規制するストッパ936とを備えている。
この構成により、開閉バルブ930は、エンジン10が低回転領域のときには、図22の矢印Cで示すように、引張コイルばね934の付勢力により、弁体931がストッパ936の位置まで開き、吸気ダクト921の外周面921aと弁体931の下端部931aとの間に隙間が画成され、開放口928aが画成された状態となる。
他方、エンジン10が高回転領域のときには、図23の矢印Dで示すように、エンジン10の吸気管の負圧が増大するので、負圧により、弁体931が、引張コイルばね934の付勢力に抗して、開放口928を閉じる方向に回動し、弁体931が閉状態となる。
このように吸気ダクト921および分岐ダクト922を構成することにより、エンジン10が低回転領域のときには、吸気通路924内で発生する吸気音に対して所定周波数帯(Hz)の音圧(Pa)が付加されるようになっている。すなわち、エンジン10が空気を吸入する際、貫通孔925から分岐通路926内に空気が流入し、開放口928aから好ましい周波数(Hz)の音を、放出することができる。
吸入口923から貫通孔925の中心までの所定の距離(mm)、大きさおよび形状、吸入口923および吸気通路924の内径(mm)、弁体931の大きさ、形状、開放口928の向き、吸気ダクト921および分岐ダクト922の厚み(mm)は、引張コイルばね934の付勢力(N)は、第1実施形態と同様、それぞれエンジン10の諸元に基づいて適宜選択された所定の寸法で形成されている。
第9実施形態に係る吸気装置920は、前述のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、吸気装置920は、吸入口923と、吸入口923と連通し吸入された空気をエンジン10に導入する吸気通路924とを有する吸気ダクト921と、吸気ダクト921から分岐して形成され、吸気通路924と貫通孔925を介して連通する分岐通路926を有する分岐ダクト922とを備え、分岐ダクト922の先端部が閉塞されるとともに、分岐ダクト922が、開放口928および開閉バルブ930を有し、分岐通路926と吸気通路924との連通部分から分岐通路926の閉塞部分までの長さLが、吸気通路924内で発生する吸気音に対して所定の周波数(Hz)の音圧(Pa)を付加するよう設定されている。
その結果、吸気装置920においては、エンジン10が低回転領域のときには、引張コイルばね934の付勢力により、弁体931がストッパ936の位置まで開き、吸気ダクト921の外周面921aと弁体931の下端部931aとの間に隙間が画成され、開放口928aが画成された状態となる。この状態で、分岐ダクト922の先端部が閉塞されて分岐ダクト922が形成されているので、分岐ダクト922を小型にすることができるとともに、エンジン10の回転数に応じた好みの音作りの幅が広がるという効果が得られる。
他方、エンジン10が高回転領域のときには、エンジン10の吸気管の負圧により、弁体931が、開放口928を閉じるので、分岐ダクト922が、いわゆるサイドブランチとして機能し、吸気騒音の高周波音(Hz)を減衰させることができるという効果が得られる。
第9実施形態に係る吸気装置920においては、開閉バルブ930をエンジン10の吸気の際に生ずる負圧を利用して、エンジン10の運転状態に応じて自動的に開閉する場合について説明した。しかし、開閉バルブ930を他の動力により開閉するよう構成してもよい。
例えば、開閉バルブ930の弁体931に図示しないアクチュエータを連結し、このアクチュエータをモータなどの駆動源により動作させ、電子制御ユニット(ECU)でエンジン10の運転状態に応じてこの駆動源を制御するよう構成してもよい。
第1実施形態ないし第9実施形態に係る吸気装置20、220、320、420、520、620、720、820、920においては、各吸気装置の分岐ダクトを吸気ダクトに設けた場合について説明したが、本発明の吸気装置の分岐ダクトを、吸入空気を流通させる他の部材に設けるようにしてもよい。
以下、本発明の吸気装置の分岐ダクトを、他の部材に設けるようにした第1変形例および第2変形例に係るものについて説明する。
例えば、本発明の第1変形例に係る吸気装置120の分岐ダクト122を、図24に示すように、エアクリーナ13に設けるようにしてもよい。
吸気装置120においては、エアクリーナ13に形成されたクリーナ室121の底面121aと、分岐ダクト122の内壁面122aと、分岐ダクト122を閉塞する閉塞部129の内壁面129aとにより、分岐通路126が形成されている。
分岐通路126内には、クリーナ室121から、貫通孔125を通って吸入空気が流入するようになっている。また、クリーナ室121の底面121aには、クリーナ室121を大気に開放する開放口128が、貫通孔125の近傍に形成されており、吸気音がこの開放口128から放出されるようになっている。
このように吸気ダクトとしてのクリーナ室121および分岐ダクト122を構成することにより、クリーナ室121や図示しない吸気ダクト内で発生する吸気音に対して所定周波数帯(Hz)の音圧(Pa)が付加されるようになっている。すなわち、エンジン10が空気を吸入する際、貫通孔125から分岐通路126内に空気が流入し、開放口128から好ましい周波数(Hz)の音を、放出することができる。
この吸気装置120においては、分岐ダクト122をエアクリーナ13の内部に設けることができ、小型化が図られるとともに、開放口128は、クリーナ室121内に溜まった水を外部に排出する水抜き孔としても機能するので、構造が簡単になるという利点がある。
また、本発明の第2変形例に係る吸気装置130の分岐ダクト132を、図25に示すように、エアクリーナ13に設けるようにしてもよい。
吸気装置130においては、エアクリーナ13に形成されたクリーナ室131の底面131aと、分岐ダクト132の内壁面132aと、分岐ダクト132を閉塞する閉塞部139の内壁面139aと、隔壁137の両側面137aとにより、分岐通路136が形成されている。
分岐通路136内には、クリーナ室131から、貫通孔135を通って吸入空気が流入するようになっている。また、クリーナ室131の底面131aには、クリーナ室131を大気に開放する開放口138が、貫通孔135の近傍に形成されており、吸気音がこの開放口138から放出されるようになっている。
このように吸気ダクトとしてのクリーナ室131および分岐ダクト132を構成することにより、クリーナ室131や図示しない吸気ダクト内で発生する吸気音に対して所定周波数帯(Hz)の音圧(Pa)が付加されるようになっている。すなわち、エンジン10が空気を吸入する際、貫通孔135から分岐通路136内に空気が流入し、開放口138から好ましい周波数(Hz)の音を、放出することができる。
この吸気装置130においては、開放口138は、クリーナ室131内に溜まった水を外部に排出する水抜き孔としても機能するので、構造が簡単になるという利点がある。
第1実施形態ないし第9実施形態に係る吸気装置20、220、320、420、520、620、720、820、920においては、各吸気装置の分岐ダクトを吸気ダクトに設けた場合について説明したが、本発明の吸気装置の分岐ダクトを、吸入空気を流通させる以外の他の部材に設けるようにしてもよい。
例えば、本発明の第1実施形態に係る吸気装置20の分岐ダクト22を、図26に示すように、排気装置40に設けるようにしてもよい。
この排気装置40は、図1に示すエキゾーストマニホールド14に連結された排気管41と、排気管41に連結されエンジン10から排出される排気ガスを浄化する三元触媒装置42と、排気管43を介して三元触媒装置42に連結され、排気音を抑制するマフラ44と、このマフラ44に連結され排気ガスを大気に排出させるテールパイプ45を備えている。
第1実施形態に係る吸気装置20と同様に構成された装置を、このテールパイプ45に装着し、排気装置40内の排気音を好ましい音にして、車室内に伝達するようにしてもよい。
なお、第1実施形態に係る吸気装置20をテールパイプ45以外のものに装着するようにしてもよい。例えば、マフラ44と三元触媒装置42との間の排気管43に装着するようにしてもよく、サブマフラが設けられている場合には、三元触媒装置42よりも下流側であって、サブマフラの上流側の排気管またはサブマフラの下流側の排気管に装着するようにしてもよい。この場合、三元触媒装置42よりも下流側に装着されるので、吸気装置20から未浄化の排気ガスが排出されることはない。
また、本発明の第1実施形態に係る吸気装置20の分岐ダクト22を、図27に示すように、エアコンなどの空調装置50に設けるようにしてもよい。
この空調装置50は、例えば、図示しないバッテリの電力によって駆動されるコンプレッサなどからなるエアコン本体51と、エアコン本体51に連結され、空調された空気を車室内に送る送風ダクト52と、エアコン本体51を制御する電子制御ユニット(ECU)53とを備えている。この空調装置50においては、車両の駐車中または走行中に車室内を空調して、乗員の乗車時などの必要なときに車室内を所望の空調状態とするよう構成されている。
第1実施形態に係る吸気装置20を、この送風ダクト52に装着し、空調装置50内の送風音の特定の周波数を強調するようにして、好ましい音に調節し、車室内で響かせるようにしてもよい。
以上のように、本発明によれば、従来よりも小型化され、高い汎用性と、高い設計の自由度および高い周波数の選択の自由度を有する吸気装置を提供することができるという効果を奏し、内燃機関の吸気装置全般に有用である。
1 第1外気ダクト
2 第2外気ダクト
3 吸気装置
10 エンジン
11 エンジン本体
12 インテークマニホールド
13 エアクリーナ
14 エキゾーストマニホールド
20、220、320、420、520、620、720、820、920 吸気装置
21、221、321、421、521、621、721、821、921 吸気ダクト
22、222、322、422、522、622、722、822、922 分岐ダクト
23、223、323、423、523、623、723、823、923 吸入口
24、224、324、424、524、624、724、824、924 吸気通路
25、225、325、425、525、625、725、825、925 貫通孔
26、226、236、326、336、426、526、626、726、826、926 分岐通路
27、227、327、427、527、627、727、827、927 分岐部
28、228、237、328、337、428、528、628、728、828、928、928a 開放口
29、229、329、529、629、729、829、929 閉塞部
331 開放ダクト
332 閉塞ダクト
441 ハウジング
442 ピストン
443 アクチュエータ
444 制御ユニット
451 ラックピニオン機構

Claims (1)

  1. 空気を吸入する吸入口と、前記吸入口と連通し吸入された空気を内燃機関に導入する吸気通路とを有する吸気ダクトと、
    前記吸気ダクトから分岐して形成され、前記吸気通路と連通する分岐通路を有する分岐ダクトと、を備えた吸気装置において、
    前記分岐ダクトが、先端で閉塞される閉塞部と、基端で前記吸気ダクトから分岐する分岐部とを有し、前記閉塞部から前記分岐部までの間の周側面部に、前記分岐通路を大気に開放する開放口が設けられ、
    前記分岐通路と前記吸気通路との連通部分から前記分岐通路の閉塞部分までの長さが、前記吸気通路内で発生する吸気音に対して所定周波数帯の音圧を付加するよう設定されていることを特徴とする吸気装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013224644A (ja) * 2012-04-23 2013-10-31 Tigers Polymer Corp 消音器付き吸気ダクト
JP2014105666A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Mahle Filter Systems Japan Corp 内燃機関の吸気音発生装置
JP2019051820A (ja) * 2017-09-15 2019-04-04 スズキ株式会社 車両用吸気装置の吸気構造

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