JP2008184992A - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの吸気装置において、簡単な構成で複数の周波数の共鳴音を創出できるようにする。
【解決手段】エアクリーナとスロットルバルブと間の吸気通路に一端が連通し、他端が開口された音伝達管路201と、その音伝達管路201の内部に配設された振動板202とを設けるとともに、振動板202の下流側管路220を管長さが異なる複数の共鳴管221,222,223によって構成する。このように振動板202の下流側管路220を複数の共鳴管221,222,223で構成すると、各共鳴管はそれぞれの長さに応じた周波数の共鳴音f1,f2,f3を出すので、1台の吸気音制御装置200で複数の周波数の共鳴音を創り出すことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載される内燃機関の吸気装置に関する。
車両に搭載される内燃機関(以下、エンジンともいう)は、複数のピストンが往復移動可能に設けられたシリンダブロックと、シリンダブロックの上端に取り付けられたシリンダヘッドとを備えている。また、各ピストンの上端とシリンダヘッドとの間にはそれぞれ燃焼室が設けられ、その燃焼室には吸気通路及び排気通路が接続されている。シリンダヘッドには吸気バルブ及び排気バルブが設けられている。この吸気バルブを開閉駆動することにより吸気通路と燃焼室とが連通・遮断され、排気バルブを開閉駆動することにより排気通路と燃焼室とが連通・遮断されるようになっている。
このようなエンジンの吸気行程においては、吸気バルブが開き、吸気通路内の空気が脈動しながら燃焼室内に吸入される。また、吸気通路には、吸気バルブが開いたときに燃料を噴射する燃料噴射弁が設けられており、その燃料噴射弁から噴射される燃料と吸気通路から燃焼室内に吸入される空気とが混じり合って混合気が形成され、その混合気が燃焼室に導入される。燃焼室に導入された混合気は点火プラグにて点火されて燃焼・爆発する。この混合気の燃焼室内での燃焼・爆発によりピストンが往復運動して出力軸であるクランクシャフトが回転する。
エンジンが搭載された車両では、ユーザの嗜好にあった音質が求められている。特に、SUV(Sport Utility Vehicles)などの車両においては、車両の加速に応じた迫力感のあるスポーツサウンドが求められている。このようなスポーツサウンドを発生するものとして下記の特許文献1に記載の吸気音増幅機構がある。
特許文献1に記載の吸気音増幅機構は、エアクリーナホース(吸気通路)に一端が接続され、他端が車室内に導かれる共鳴パイプと、この共鳴パイプの他端を塞ぐ振動膜とを備え、前記共鳴パイプが、吸気音の有する周波数帯域のうち、特定の周波数と一致する周波数によって気柱共鳴し、この気柱共鳴に共鳴して振動膜が振動することにより、特定の周波数を有する吸気音(心地よい音)を増幅している。
また、他の吸気音制御装置として、図8に示すように、エンジンの吸気通路501に一端が連通し、他端が車室内に導かれるダクト502と、このダクト502内に配置された振動膜503とを備え、その振動膜503に吸気通路501内の脈動圧力をダクト502を通じて導入し、振動膜503を振動させることにより、特定周波数の吸気音を増大させるサウンドジェネレータが知られている。
特開2006−207515号公報
ところで、SUV等の車両において吸気音を制御する場合、吸気音に含まれる周波数帯域のうち、複数の特定周波数の共鳴による音色創りが要求される場合がある。しかし、図8に示す構造のサウンドジェネレータでは、振動膜の前後(上流側・下流側)の管共鳴を利用して共鳴周波数を調整することは可能であるものの、単一の周波数の共鳴しか行うことができない。このため、1台のサウンドジェネレータで上記した音色創りに対応することはできない。
なお、特許文献1には、心地よい吸気音として特定の周波数を複数設定することが記載されているが、その具体的手段として、複数の特定周波数に応じて複数の吸気音増幅機構を設定することが示されているだけであり、異なる周波数の共鳴音を創出する吸気音増幅機構については何ら示唆されていない。従って、特許文献1に記載の技術を利用しても、複数の周波数の共鳴による音色創りを簡単な構成のもとに実現することはできない。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、簡単な構成で複数の周波数の共鳴音を創出することが可能な内燃機関の吸気装置を提供することを目的とする。
本発明は、内燃機関の燃焼室内に連通する吸気通路と、前記内燃機関の燃焼室内に前記吸気通路を通じて供給する空気を浄化するエアクリーナとを有する内燃機関の吸気装置において、前記エアクリーナの下流側の吸気通路に一端が連通し、他端が開口された音伝達管路と、前記音伝達管路の内部に配設された振動板とを備えている。そして、前記音伝達管路の前記振動板上流側の上流側管路または下流側の下流側管路のいずれか一方または双方の管路を、管長さが異なる複数の共鳴管で構成していること特徴としている。
以上の構成において、吸気通路内の脈動圧力が音伝達管路の上流側管路を通じて振動板に作用して振動板が振動する。この振動板の振動によって発生する音が下流側管路の管端(開口端)から放出されるが、その下流側管路を、管長さが異なる複数の共鳴管で構成しておくと、その各共鳴管のそれぞれの長さの応じた周波数の共鳴音が各共鳴管の開口端から放出されて車室内に伝播される。
このように、本発明によれば、振動板の下流側管路を複数の共鳴管によって構成するという簡単な構成で、複数の周波数の共鳴音を創り出すことができる。
なお、振動板の下流側管路に限られることなく、振動板の上流側管路を管長さが異なる複数の共鳴管で構成しても、複数の周波数の共鳴音を創り出すことは可能である。
本発明において、振動板の上流側管路または下流側管路のいずれか一方または双方の管路を、管長さ及び管径が異なる複数の共鳴管が同心状に配置された多重管構造としてもよい。このような構造、つまり、1つの共鳴管の内部に、管長さの異なる複数の共鳴管を配置する構造を採用すると、共鳴管の設置スペースの増大をまねくことなく、複数の周波数の共鳴音を創り出すことができる。
本発明の内燃機関の吸気装置によれば、エアクリーナの下流側の吸気通路に一端が連通し、他端が開口された音伝達管路と、この音伝達管路の内部に配設された振動板とを設けるとともに、その振動板の上流側管路または下流側管路のいずれか一方または双方の管路を、管長さが異なる複数の共鳴管で構成しているので、簡単な構成のもとに、複数の周波数の共鳴音を創出することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明を適用するエンジン(内燃機関)について説明する。
−エンジン−
図1は本発明を適用するエンジンの概略構成を示す図である。なお、図1にはエンジンの1気筒の構成のみを示している。
エンジン1は、車両に搭載されるポート噴射型多気筒ガソリンエンジンであって、その各気筒を構成するシリンダブロック1a内には上下方向に往復動するピストン1cが設けられている。ピストン1cはコネクティングロッド18を介してクランクシャフト17に連結されており、ピストン1cの往復運動がコネクティングロッド18によってクランクシャフト17の回転へと変換される。
クランクシャフト17にはシグナルロータ19が取り付けられている。シグナルロータ19の外周面には複数の突起(歯)19aが等角度ごとに設けられている。シグナルロータ19の側方近傍にはクランクポジションセンサ(エンジン回転数センサ)21が配置されている。クランクポジションセンサ21は、例えば電磁ピックアップであって、クランクシャフト17が回転する際にシグナルロータ19の突起19aに対応するパルス状の信号(出力パルス)を発生する。
エンジン1のシリンダブロック1aには冷却水温を検出する水温センサ22が配置されている。また、シリンダブロック1aの上端にはシリンダヘッド1bが設けられており、このシリンダヘッド1bとピストン1cとの間に燃焼室1dが形成されている。エンジン1の燃焼室1dには点火プラグ3が配置されている。
エンジン1の燃焼室1dには吸気通路11と排気通路12とが接続されている。吸気通路11の上流側にはエアクリーナ6が設けられている。エアクリーナ6は、エンジン1の燃焼室1dに供給する空気を浄化するものであって、吸気通路11に接続されるエアクリーナホース61、エアクリーナケース62、吸気口63aを有するクールエアダクト(吸気ダクト)63、及び、エアクリーナケース62内に収容されるエアクリーナエレメント64などによって構成されている。
エンジン1の吸気通路11には、熱線式のエアフロメータ23、吸気温センサ24(エアフロメータ23に内蔵)、及び、エンジン1の吸入空気量を調整するための電子制御式のスロットルバルブ4などが配置されている。スロットルバルブ4はスロットルモータ5によって駆動される。スロットルバルブ4の開度はスロットルポジションセンサ25によって検出される。エンジン1の排気通路12には、排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサ26及び三元触媒7などが配置されている。
吸気通路11と燃焼室1dとの間に吸気バルブ13が設けられており、この吸気バルブ13を開閉駆動することにより、吸気通路11と燃焼室1dとが連通または遮断される。また、排気通路12と燃焼室1dとの間に排気バルブ14が設けられており、この排気バルブ14を開閉駆動することにより、排気通路12と燃焼室1dとが連通または遮断される。これら吸気バルブ13及び排気バルブ14の開閉駆動は、クランクシャフト17の回転がタイミングベルト等を介して伝達される吸気カムシャフト15及び排気カムシャフト16の各回転によって行われる。
以上のエンジン1では、吸気行程において吸気バルブ13が開き、吸気通路11内の空気が脈動しながら燃焼室1d内に吸入される。また、吸気通路11には燃料噴射用のインジェクタ(燃料噴射弁)2が配置されており、このインジェクタ2に燃料タンクから燃料ポンプによって所定圧力の燃料を供給することによって、吸気通路11内に燃料が噴射される。この噴射燃料は吸入空気と混合されて混合気となってエンジン1の燃焼室1dに導入される。燃焼室1dに導入された混合気(燃料+空気)は点火プラグ3にて点火されて燃焼・爆発する。この混合気の燃焼室1d内での燃焼・爆発によりピストン1cが往復運動してクランクシャフト17が回転する。
以上の吸気通路11、エアクリーナ6、及び、スロットルバルブ4などによってエンジン1の吸気装置100が構成されている。そして、この例では、吸気装置100に吸気音制御装置200を設けている点に特徴がある。
−吸気音制御装置−
吸気音制御装置200は、図1及び図2に示すように、エアクリーナケース62とスロットルバルブ4との間の吸気通路11(エアクリーナ6の下流側の吸気通路11)に一端が連通し、他端が開口された音伝達管路201と、振動板202とを備えている。音伝達管路201及び振動板202は樹脂によって成形されている。なお、振動板202は金属製であってもよい。
音伝達管路201の途中にはチャンバ201aが設けられており、このチャンバ201a内に振動板202が配置されている。音伝達管路201の内部は振動板202に閉鎖されており、吸気通路11内の空気が音伝達管路201の他端から外部に放出されることはない。
音伝達管路201は、振動板202の上流側(吸気通路11側)の上流側管路210と、振動板202の下流側の下流側管路220によって構成されている。そして、音伝達管路201の下流側管路220は、互いに直径が異なる第1共鳴管221、第2共鳴管222及び第3共鳴管223の3つの断面円形の共鳴管によって構成されている。
これら第1共鳴管221、第2共鳴管222及び第3共鳴管223は、図3に示すように、同心円状に配置されており、第1共鳴管221がチャンバ201a及び上流側管路210と一体形成されている。また、第2共鳴管222は支持部材224を介して第1共鳴管221に支持されており、第3共鳴管223は第2共鳴管222に支持部材225を介して支持されている。なお、第1共鳴管221、第2共鳴管222及び第3共鳴管223は、各支持部材224,225を含めて一体成形が可能である。
第1共鳴管221の管長さ(気柱長さ)L1(振動板202からの距離)、第2共鳴管222の管長さL2、及び、第3共鳴管223の管長さL3は、L1>L2>L3の関係にある。従って、第1共鳴管221の共鳴周波数f1、第2共鳴管222の共鳴周波数f2、及び、第3共鳴管223の共鳴周波数f3の関係は、図4に示すように、f1<f2<f3の関係となる。
なお、音伝達管路201の他端(第1共鳴管221の管端)は、エンジンルーム内に開放しておいてもよいし、車室内に導いておいてもよい。
以上の構造において、エンジン1が起動すると、吸気通路11内の脈動圧力が音伝達管路201の上流側管路210を通じて振動板202に作用し、振動板202が振動して音が発生する。この例では、振動板202の下流側管路220が第1共鳴管221、第2共鳴管222及び第3共鳴管223の3本の共鳴管で構成されているので、その第1共鳴管221で共鳴した共鳴音(周波数f1)、第2共鳴管222で共鳴した共鳴音(周波数f2)、及び、第3共鳴管223で共鳴した共鳴音(周波数F3)が、各共鳴管221,222,223の管端(開口端)から放出され、3種の周波数の共鳴音が車室内に伝播される。
ここで、共鳴管の共鳴周波数fと管長さ(気柱長さ)Lとは、
f=c/(2L) ・・・(1) c:音速
の関係があるので、第1共鳴管221、第2共鳴管222、第3共鳴管223の各管長さL1,L2,L3を、上記(1)式に基づいてチューニングすることにより、吸気音が有する周波数帯域のうち、心地よい周波数の3種の共鳴音を創り出すことができる。
また、第1共鳴管221、第2共鳴管222、第3共鳴管223の各管長さL1,L2,L3を適宜に選定することにより、例えば、V型6気筒エンジンの起動において発生する爆発1次成分(回転3次成分)、爆発2次成分(回転6次成分)、爆発3次成分(回転9次成分)を強調した加速時に迫力感のあるスポーツサウンドを得ることができる。
以上のように、この例では、吸気音制御装置200を複数設置することなく、振動板202の下流側管路220を3本の共鳴管221,222,223によって構成するという簡単な構成によって、複数の周波数f1,f2,f3の共鳴音を創出することができる。このように、1台の吸気音制御装置200で複数の周波数の共鳴音を創出することが可能になることにより、例えば、スポーツサウンドの音色創りのバリエーションが広がる。
−他の実施形態−
以上の例では、管長さ及び管径の異なる3本の共鳴管221,222,223を同心円状に配置して振動板202の下流側管路220を構成しているが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図5及び図6に示すように、管長さがL1の共鳴管321、L2の共鳴管322及びL3の共鳴管管323の3つの長さの異なる共鳴管を並列に配置して振動板202の下流側管路320を構成して、異なる周波数f1,f2,f3の共鳴音を創り出すようにしてもよい。なお、この図5及び上記した図2に示す構造において、共鳴管の数は2つまたは4つ以上としてもよい。また、図5及び図2に示す構造において、共鳴管の断面形状は矩形であってもよい。
さらに、図7に示すように、振動板202の下流側管路420を、円形直管の第1共鳴管421と、この第1共鳴管421とは長さの異なる第2共鳴管422によって構成し、第2共鳴管422を第1共鳴管421の外周面に螺旋状に巻き付けた構造としてもよい。
以上の例では、振動板の下流側管路を複数の共鳴管で構成しているが、振動板の上流側管路を複数の共鳴管で構成してもよい。また、振動板の上流側管路及び下流側管路の双方の管路を複数の共鳴管で構成してもよい。
以上の例では、ポート噴射型多気筒ガソリンエンジンの吸気装置に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、筒内直噴型多気筒ガソリンエンジンの吸気装置にも適用できる。また、多気筒ガソリンエンジンに限られることなく、多気筒ディーゼルエンジンの吸気装置にも本発明を適用することができる。
本発明の吸気装置を備えたエンジンの概略構成図である。 図1のA部詳細図である。 図2のX矢視図である。 共鳴周波数f1,f2,f3を示す図である。 吸気音制御装置の他の例の概略構成図である。 図5のY矢視図である。 吸気装置の別の例の概略構成図である。 サウンドジェネレータの一例を示す図である。
符号の説明
1 エンジン
11 吸気通路
12 排気通路
13 吸気バルブ
14 排気バルブ
4 スロットルバルブ
6 エアクリーナ
62 エアクリーナケース
64 エアクリーナエレメント
100 吸気装置
200 吸気音制御装置
201 音伝達管路
201a チャンバ
210 上流側管路
220 下流側管路
221 第1共鳴管
222 第2共鳴管
223 第3共鳴管
202 振動板

Claims (2)

  1. 内燃機関の燃焼室内に連通する吸気通路と、前記内燃機関の燃焼室内に前記吸気通路を通じて供給する空気を浄化するエアクリーナとを有する内燃機関の吸気装置において、
    前記エアクリーナの下流側の吸気通路に一端が連通し、他端が開口された音伝達管路と、前記音伝達管路の内部に配設された振動板とを備え、前記音伝達管路の前記振動板上流側の上流側管路または下流側の下流側管路のいずれか一方または双方の管路が、管長さが異なる複数の共鳴管で構成されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の吸気装置において、
    前記上流側管路または下流側管路のいずれか一方または双方の管路が、管長さ及び管径が異なる複数の共鳴管が同心状に配置された構造であることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
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