JP2004143249A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性、加工性、低発熱性及びウェット性を改良したタイヤトレッド用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ゴム成分にカーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤を配合してなるタイヤトレッド用ゴム組成物である。該無機化合物は、表面処理前にアルコキシシラン及びポリシロキサンの何れかで被覆されているのが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】ゴム成分にカーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤を配合してなるタイヤトレッド用ゴム組成物である。該無機化合物は、表面処理前にアルコキシシラン及びポリシロキサンの何れかで被覆されているのが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物に関し、より詳しくは、特定のゴム補強用充填剤を配合してなるタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、充填剤としてシリカを含むタイヤトレッド用ゴム組成物は、充填剤としてカーボンブラックを含むタイヤトレッド用ゴム組成物よりも発熱性が低く且つウェット性能が高いが、耐摩耗性が大きく劣り、更にシリカが自己凝集するため加工性が大きく劣るという問題がある。
【0003】
また、充填剤として水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムを配合したタイヤトレッド用ゴム組成物は、カーボンブラックを配合したタイヤトレッド用ゴム組成物よりもウェット性能が高いが、耐摩耗性が劣るため、配合量に制限がある(特許文献1〜2参照)。
【0004】
一方、カーボンブラックをコアとし、該コアにシリカを付着させた充填剤をゴム組成物に用いることにより、発熱性(60℃でのtanδ)を下げ、更にウェット特性(0℃でのtanδ)を向上させた技術があるが、加工性(ムーニー粘度)での改良効果は見られない(特許文献3〜6参照)。
【0005】
また、酸化アルミニウムで被覆したカーボンブラックが開発されているが、該酸化アルミニウム被覆カーボンブラックを含んでなるゴム組成物は、耐摩耗性に依然として改善の余地がある(特許文献7及び8参照)。
【0006】
また、ウェット特性を向上させるために充填剤としてカーボンブラックと他の無機化合物、即ち、シリカ、酸化アルミニウム等とをゴム成分等との混練時に別々に配合した技術があるが、耐摩耗性の低下が問題である(特許文献9及び10参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−155166号公報
【特許文献2】
特開2002−69239号公報
【特許文献3】
特開2001−31796号公報
【特許文献4】
特開平11−100525号公報
【特許文献5】
特開平11−49895号公報
【特許文献6】
特開平10−152582号公報
【特許文献7】
特表2001−525436号公報
【特許文献8】
特表2001−525441号公報
【特許文献9】
特開平7−149950号公報
【特許文献10】
特開平8−59894号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、耐摩耗性、加工性、低発熱性及びウェット性を改良したタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、充填剤としてカーボンブラックで表面処理した無機化合物を用いることにより、耐摩耗性、加工性、低発熱性及びウェット性を改良できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
即ち、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分にカーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤を配合してなることを特徴とする。
【0011】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の好適例においては、前記無機化合物はシリカである。
【0012】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の他の好適例においては、前記無機化合物はアルミニウム化合物である。該アルミニウム化合物は、水酸化アルミニウム及び酸化アルミニウムの何れかであるのがより好ましい。
【0013】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の他の好適例においては、前記無機化合物は、表面処理前にアルコキシシラン及びポリシロキサンの何れかで被覆されている。
【0014】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の他の好適例においては、前記ゴム成分は、ジエン系ゴムである。該ジエン系ゴムは、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(E−SBR)及び/又は溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(S−SBR)を10質量%以上含むのが好ましい。該E−SBR及びS−SBRは、スチレン含有量が15〜45質量%であるのが好ましく、20〜45質量%であるのが更に好ましい。また、該ジエン系ゴムは、少なくとも一方の分子末端がスズ化合物、アミン化合物及びケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物で変性されていてもよい。
【0015】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の他の好適例においては、前記ゴム補強用充填剤の配合量は、前記ゴム成分100質量部に対し10〜200質量部である。
【0016】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の他の好適例においては、前記ゴム補強用充填剤を他の充填剤と併用し、これら充填剤の総配合量が前記ゴム成分100質量部に対し20〜200質量部である。
【0017】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、更にシランカップリング剤、加硫促進剤及び軟化剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の配合剤を配合してなるのが好ましい。ここで、該加硫促進剤は、チウラム系であるのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分にカーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤を配合してなる。ここで、カーボンブラックによる表面処理とは、無機化合物の表面にカーボンブラックを付着させる処理をさす。該充填剤は、表面にカーボンブラックが存在するため、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、従来のゴム成分にカーボンブラックと無機化合物を別々に配合してなるゴム組成物よりも耐摩耗性が良好であり、又、無機化合物同士の凝集が抑制されるため加工性も良好である。更に、カーボンブラックで被覆されていない表層の無機化合物が低発熱性及びウェット特性に有効に働くため、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、従来のゴム成分にカーボンブラックと無機化合物を別々に配合してなるゴム組成物よりも低発熱性でかつウェット特性も良好である。
【0019】
本発明にかかわるゴム補強用充填剤に用いる無機化合物としては、シリカ;水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、Al2O3・mSiO2・nH2Oで表される無機化合物{mは1〜4の整数で、nは0〜4の整数であり、クレー(Al2O3・2SiO2)の他、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)及びベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)等のアルミナ水和物を含む}等のアルミニウム化合物;亜鉛、マグネシウム、カルシウム、チタン、バナジウム、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、スズ、アンチモン、ネオジウム、鉛、テルル、バリウム、セシウム、鉄、モリブデンの酸化物、水酸化物、炭化物等が挙げられる。この中でも、製造されるトレッドゴムの物性の観点から、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムが好ましい。
【0020】
本発明にかかわるゴム補強用充填剤に用いるカーボンブラックとしては、特に限定されないが、市販のファーネスブラック、チャンネルブラックが挙げられる。該カーボンブラックの使用量は、前記無機化合物100質量部に対し1〜150質量部である。1質量部未満では、カーボンブラックによる表面処理の効果が小さく、150質量部を超えると、無機化合物の全表面をカーボンブラックで覆ってしまう為、無機化合物の低発熱性やウェット特性改良効果がうすれてしまう。
【0021】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に配合されるカーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤は、例えば、上記無機化合物の粉末とカーボンブラックとをホイール型混練機等を用いて機械的に混合・撹拌を行うことにより製造することができる。また、該ゴム補強用充填剤は、上記無機化合物及びカーボンブラックを溶媒中で超音波又はホモジナイザー等を用いて均一に微分散させ、その後必要に応じて加熱乾燥処理を施すことにより製造することもできる。
【0022】
上記無機化合物は、カーボンブラックと混合する前にアルコキシシラン又はポリシロキサンで表面を被覆するのが好ましい。即ち、無機化合物とアルコキシシラン又はポリシロキサンとを混合して、アルコキシシラン又はポリシロキサンで無機化合物の表面を被覆し、次いで、上記と同様にしてカーボンブラックと混合する。アルコキシシラン又はポリシロキサンで前処理を行うことにより、無機化合物とカーボンブラックとの結合力が強化されてくる。
【0023】
上記アルコキシシランとしては、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、上記ポリシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリエステル変性ポリシロキサン、末端カルボン酸変性ポリシロキサン、末端アルコール変性ポリシロキサン等が挙げられる。
【0024】
アルコキシシラン又はポリシロキサンによる無機化合物の被覆は、無機化合物の粉末とアルコキシシランの溶液又はポリシロキサンとを機械的に混合・撹拌したり、無機化合物の粉末にアルコキシシランの溶液又はポリシロキサンを噴霧しながら機械的に混合・撹拌することにより行うことができる。添加したアルコキシシラン又はポリシロキサンは、ほぼ全量が無機化合物の粒子表面を被覆する。
【0025】
無機化合物の粉末とアルコキシシラン又はポリシロキサンとの混合・撹拌、並びにアルコキシシラン又はポリシロキサンで被覆された無機化合物とカーボンブラックとの混合・撹拌に用いる機器としては、粉体層にせん断力を加えられる装置が好ましく、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機がより好ましい。この中でも、ホイール型混練機が特に好ましい。
【0026】
上記カーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対し10〜200質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。10質量部未満では、耐摩耗性、加工性、発熱性及びウェット性改良効果が少なく、200質量部を超えると、ゴム中での良好な分散が得にくくなる。
【0027】
また、上記カーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤は、カーボンブラック、シリカ、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の他の充填剤と併用することができ、充填剤の総配合量は、ゴム成分100質量部に対し20〜200質量部が好ましい。20質量部未満では、ゴムの補強性が低く、200質量部を超えると、ゴム中での良好な分散が得にくくなる。
【0028】
本発明のゴム組成物に用いるゴム成分としては、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(E−SBR)、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(S−SBR)、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム等のジエン系ゴムが挙げられる。これらゴム成分は、一種単独でもブレンドでもよい。これらの中でも、ドライ操安性の点から、乳化重合SBR、溶液重合SBRが好ましい。カーボンブラックで表面処理された無機化合物よりなるゴム補強用充填剤をゴム組成物に配合することにより、ゴム組成物のムーニー粘度を低下させることができるが、シュリンクが大きくなる場合がある。この場合、溶液重合SBRを用いると、該溶液重合SBRは分岐度が低いので、好適に前記シュリンクを抑制することができるので、溶液重合SBRがより好ましい。
【0029】
上記乳化重合SBR及び溶液重合SBRは、分子中のスチレン含有量が15〜45質量%であるのが好ましく、20〜45質量%であるのが更に好ましい。15質量部未満では、破壊強力が低く、45質量部を超えると、発熱性が大きくなる。
【0030】
上記ジエン系ゴムは、少なくとも一方の分子末端がスズ化合物、アミン化合物及びケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも一種で変性されていてもよい。上記スズ化合物としては、四塩化スズ、ジクロロジオクチルスズ、トリオクチルスズクロリド、ジブチルジクロロスズ等が、アミン化合物としては、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、N,N−ジエチルベンズアルデヒド、ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が、ケイ素化合物としては、トリエトキシシリルプロピルジヒドロイミダゾール、メチルブチリデントリエトキシシリルプロピルアミン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。
【0031】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、更にシランカップリング剤を配合するのが好ましい。シランカップリング剤を配合することにより、耐摩耗性がより向上し、tanδがより低下する。該シランカップリング剤の配合量は、無機化合物100質量部に対し1〜20質量部が好ましい。該シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド等が挙げられる。
【0032】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、更に軟化剤を配合するのが好ましい。軟化剤を配合することにより、上記ゴム組成物の粘度を低下させて作業性を向上させることができる。該軟化剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対し10〜100質量部が好ましい。該軟化剤としては、ナフテン系、アロマ系等のプロセスオイル、スピンドルオイル等が挙げられる。
【0033】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、上述したゴム成分、充填剤、シランカップリング剤、軟化剤の他、タイヤトレッド用ゴム組成物に通常用いられる各種配合剤を適宜配合することができる。
【0034】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0035】
(充填剤製造例1)
シリカ粒子粉末[日本シリカ工業製、ニップシールAQ]11.0kgをホイール型混練機を用い588N/cmの線荷重で40分間撹拌した後、カーボンブラック[東海カーボン社製、シースト7HM]11.0kgを加え588N/cmの線荷重で80分間混合・撹拌して、ゴム補強用充填剤を製造した。
【0036】
(充填剤製造例2)
ホイール型混練機を稼動させながら、メチルハイドロジェンポリシロキサン330gを、シリカ粒子粉末[日本シリカ工業製、ニップシールAQ]11.0kgに加え、588N/cmの線荷重で40分間混合・撹拌した。次に、ホイール型混練機を稼動させながら、カーボンブラック[東海カーボン社製、シースト7HM]11.0kgを10分間かけて添加し、588N/cmの線荷重で80分間混合・撹拌して、メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆シリカにカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用い105℃で60分間乾燥し、ゴム補強用充填剤を製造した。
【0037】
得られた充填剤のメチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量とカーボンブラックの付着量を堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型[株式会社堀場製作所製]で分析したところ、メチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量がC換算(炭素換算)で0.80質量%で、カーボンブラックの付着量がC換算で48.62質量%(シリカ粒子100質量部に対しほぼ100質量部に相当する)であった。また、電子顕微鏡写真の観察の結果、単独で存在するカーボンブラックがほとんど認められないことから、カーボンブラックのほぼ全量がメチルハイドロジェンポリシロキサン被覆シリカに付着していることが確認された。
【0038】
(充填剤製造例3)
充填剤製造例2と同様の方法で、シリカ粒子粉末:カーボンブラック=87:13(質量比)であるゴム補強用充填剤を製造した。
【0039】
(充填剤製造例4)
シリカ粒子粉末を水酸化アルミニウム(昭和電工(株)「ハイジライトH−43M」)に代える以外は充填剤製造例1と同様の方法でゴム補強用充填剤を製造した。
【0040】
(充填剤製造例5)
シリカ粒子粉末を水酸化アルミニウム(昭和電工(株)「ハイジライトH−43M」)に代える以外は充填剤製造例2と同様の方法でゴム補強用充填剤を製造した。得られた充填剤のメチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量とカーボンブラックの付着量を堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型[株式会社堀場製作所製]で分析したところ、メチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量がC換算(炭素換算)で0.80質量%であり、カーボンブラックの付着量がC換算で48.62質量%(水酸化アルミニウム100質量部に対しほぼ100質量部に相当する)であった。また、電子顕微鏡写真の観察の結果、単独で存在するカーボンブラックがほとんど認められないことから、カーボンブラックのほぼ全量がメチルハイドロジェンポリシロキサン被覆水酸化アルミニウムに付着していることが確認された。
【0041】
(充填剤製造例6)
シリカ粒子粉末を水酸化アルミニウム(昭和電工(株)「ハイジライトH−43M」)に代える以外は充填剤製造例3と同様の方法でゴム補強用充填剤を製造した。
【0042】
(実施例1〜3及び比較例1〜4)
表1に示す配合処方のゴム組成物を調製し、その物性を以下に示す方法で測定した。結果を表1に示す。
【0043】
(1)未加硫粘度
JIS K 6300に準拠し東洋精機社製RLM−01型テスターを用いてムーニー粘度ML1+4(100℃)を測定し、比較例1を100として指数表示した。指数値が小さい程、粘度が低いことを示す。
【0044】
(2)発熱性
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδ(60℃)を測定し、比較例1を100として指数表示した。指数値が小さい程、発熱性が低いことを示す。
【0045】
(3)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を使用し、スリップ率が25%での摩耗量を算出した。測定温度は25℃、摩耗量の逆数を比較例1を100として指数表示をした。指数値が大きい程、耐摩耗性は良好である。
【0046】
(4)BPST
室温でブリティッシュ・ポータブル・スキッド・テスターにて、湿潤コンクリート路面上を加硫ゴム試験片でこすって測定した際の抵抗値を測定し、比較例1を100として指数表示した。指数値は大きい程、ウェット性能が良好であることを示す。
【0047】
【表1】
【0048】
比較例1〜4から、充填剤としてのシリカをカーボンで置き換えるに従い、未加硫ゴム組成物の粘度が低下し、耐摩耗性が向上するものの、発熱性が高くなり且つウェット性能が低下することが分かる。一方、比較例3と実施例1とを比べると、カーボンブラックでシリカを表面処理した充填剤を用いることで、発熱性の上昇とウェット性能の低下を抑制できることが分かる。更に、比較例3と実施例3、並びに比較例2と実施例2を比較することにより、ポリシロキサンでシリカを被覆した後、カーボンブラックで表面処理した充填剤を用いることにより、発熱性の上昇とウェット性能の低下をより効果的に抑制でき、加えて未加硫ゴム組成物の粘度を更に低下させ且つ耐摩耗性を更に向上させ得ることが分かる。
【0049】
(実施例4〜6及び比較例5〜7)
表2に示す配合処方のゴム組成物を調製し、その物性を上記の方法で測定した。但し、ここでは、比較例5のゴム組成物の物性を100として指数表示し、結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
比較例6と実施例4とを比べると、カーボンブラックで水酸化アルミニウムを表面処理した充填剤を用いることで、発熱性が低下し、ウェット性能が向上する。更に、比較例6と実施例5、並びに比較例7と実施例6を比較することにより、ポリシロキサンで水酸化アルミニウムを被覆した後、カーボンブラックで表面処理した充填剤を用いることにより、発熱性が更に低下し、ウェット性能が更に向上し、加えて耐摩耗性を大幅に向上させ得ることが分かる。
【0052】
(ポリマーAの合成例)
乾燥し窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン 300g、1,3−ブタジエン単量体 40g、スチレン単量体 10g及びビステトラヒドロフリルプロパン 0.35mmolを仕込み、更にn−ブチルリチウム(BuLi) 0.42mmolを加え、50℃で2時間重合させた。重合開始から終了まで重合系に全く沈殿は見られず、均一且つ透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。重合溶液の一部をサンプリングし、イソプロピルアルコールを加え、固形物を乾燥し、ゴム状共重合体を得た。この共重合体をゲルパーミエイションクロマトグラフィ[GPC;東ソー製HLC−8020、カラム;東ソー製GMH−XL(2本直列)]で示差屈折率(RI)検出器を用いて分析したところ、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で数平均分子量(Mn) 195000、重量平均分子量(Mw) 225000であった。また、赤外法(モレロ法)でミクロ構造を分析したところ、ビニル量が57%であり、1H−NMRでスペクルの積分比より算出した結合スチレン含有量が20%であった。
【0053】
次に、上記重合溶液に末端変性剤として四塩化スズ 0.12mmolを加え、50℃で30分間変性させた。その後、BHTのイソプロパノール5%溶液0.5mLを加えて反応を停止させ、更に常法に従って乾燥し、ポリマーAを得た。パーキンエルマー社製示差熱分析機(DSC)7型装置を用い、ポリマーAを−100℃まで冷却した後、10℃/分の昇温速度で昇温してガラス転移点(Tg)を測定したところ、ポリマーAのTgは−39℃であった。また、ポリマーAの分子末端のうち72%が四塩化スズで変性されていた。
【0054】
(実施例7及び比較例8)
上記のようにして合成したポリマーAをゴム成分として用い、表3に示す配合のゴム組成物を調製し、上記の方法でゴム組成物の物性を評価した。但し、ここでは、比較例8のゴム組成物の物性を100として指数表示し、結果を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】
比較例8と実施例7を比較することにより、末端変性ポリマーをゴム成分として用いたゴム組成物においても、配合時にゴム成分及び他の配合剤と共にシリカ及びカーボンブラックを単純に混合するよりも、シリカをポリシロキサンで被覆した後、該被覆物の表面をカーボンブラックで処理した充填剤を適用することで、未加硫時の粘度を低下させ加工性を向上させることができ、耐摩耗性及びウェット特性を向上させ、より低発熱性にできることが分かる。
【0057】
(実施例8及び比較例9)
上記ポリマーAをゴム成分として用い、表4に示す配合のゴム組成物を調製し、上記の方法でゴム組成物の物性を評価した。但し、ここでは、比較例9のゴム組成物の物性を100として指数表示し、結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】
比較例9と実施例8を比較することにより、末端変性ポリマーをゴム成分として用いたゴム組成物においても、配合時にゴム成分及び他の配合剤と共に水酸化アルミニウム及びカーボンブラックを単純に混合するよりも、水酸化アルミニウムをポリシロキサンで被覆した後、該被覆物の表面をカーボンブラックで処理した充填剤を適用することで、ウェット特性を向上させ且つ発熱性を下げることができると共に、耐摩耗性を大幅に改善できることが分かる。
【0060】
(タイヤでのウェットスキッド性能評価1)
上記実施例3及び比較例3のタイヤトレッド用ゴム組成物を夫々トレッドゴムに適用し、サイズ185/70R14のタイヤを試作した。該試作タイヤの湿潤アスファルト路面での制動距離を測定したところ、比較例3のゴム組成物を用いたタイヤの制動距離は、実施例3のゴム組成物を用いたタイヤの制動距離の1.14倍であり、ポリシロキサンでシリカを被覆した後、カーボンブラックで表面処理した充填剤を用いることにより、ウェットスキッド性能が向上することが確認された。
【0061】
(タイヤでのウェットスキッド性能評価2)
上記実施例5及び比較例6のゴム組成物を夫々トレッドゴムに適用して、上記と同様にしてタイヤを試作しその制動距離を測定したところ、比較例6のゴム組成物を用いたタイヤの制動距離は、実施例5のゴム組成物を用いたタイヤの制動距離の1.15倍であり、ポリシロキサンで水酸化アルミニウムを被覆した後、カーボンブラックで表面処理した充填剤を用いることにより、ウェットスキッド性能が向上することが確認された。
【0062】
【発明の効果】
上記に説明したように、カーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤の表面にはカーボンブラックが存在するため、該充填剤を配合してなる本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、従来のゴム成分にカーボンブラックと無機化合物を別々に配合してなるゴム組成物よりも耐摩耗性が良好であり、又、無機化合物同士の凝集が抑制されるため加工性も良好である。更に、カーボンブラックで被覆されていない表層の無機化合物が低発熱性及びウェット特性に有効に働くため、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、従来のゴム成分にカーボンブラックと無機化合物を別々に配合してなるゴム組成物よりも低発熱性でかつウェット特性も良好である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物に関し、より詳しくは、特定のゴム補強用充填剤を配合してなるタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、充填剤としてシリカを含むタイヤトレッド用ゴム組成物は、充填剤としてカーボンブラックを含むタイヤトレッド用ゴム組成物よりも発熱性が低く且つウェット性能が高いが、耐摩耗性が大きく劣り、更にシリカが自己凝集するため加工性が大きく劣るという問題がある。
【0003】
また、充填剤として水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムを配合したタイヤトレッド用ゴム組成物は、カーボンブラックを配合したタイヤトレッド用ゴム組成物よりもウェット性能が高いが、耐摩耗性が劣るため、配合量に制限がある(特許文献1〜2参照)。
【0004】
一方、カーボンブラックをコアとし、該コアにシリカを付着させた充填剤をゴム組成物に用いることにより、発熱性(60℃でのtanδ)を下げ、更にウェット特性(0℃でのtanδ)を向上させた技術があるが、加工性(ムーニー粘度)での改良効果は見られない(特許文献3〜6参照)。
【0005】
また、酸化アルミニウムで被覆したカーボンブラックが開発されているが、該酸化アルミニウム被覆カーボンブラックを含んでなるゴム組成物は、耐摩耗性に依然として改善の余地がある(特許文献7及び8参照)。
【0006】
また、ウェット特性を向上させるために充填剤としてカーボンブラックと他の無機化合物、即ち、シリカ、酸化アルミニウム等とをゴム成分等との混練時に別々に配合した技術があるが、耐摩耗性の低下が問題である(特許文献9及び10参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−155166号公報
【特許文献2】
特開2002−69239号公報
【特許文献3】
特開2001−31796号公報
【特許文献4】
特開平11−100525号公報
【特許文献5】
特開平11−49895号公報
【特許文献6】
特開平10−152582号公報
【特許文献7】
特表2001−525436号公報
【特許文献8】
特表2001−525441号公報
【特許文献9】
特開平7−149950号公報
【特許文献10】
特開平8−59894号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、耐摩耗性、加工性、低発熱性及びウェット性を改良したタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、充填剤としてカーボンブラックで表面処理した無機化合物を用いることにより、耐摩耗性、加工性、低発熱性及びウェット性を改良できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
即ち、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分にカーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤を配合してなることを特徴とする。
【0011】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の好適例においては、前記無機化合物はシリカである。
【0012】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の他の好適例においては、前記無機化合物はアルミニウム化合物である。該アルミニウム化合物は、水酸化アルミニウム及び酸化アルミニウムの何れかであるのがより好ましい。
【0013】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の他の好適例においては、前記無機化合物は、表面処理前にアルコキシシラン及びポリシロキサンの何れかで被覆されている。
【0014】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の他の好適例においては、前記ゴム成分は、ジエン系ゴムである。該ジエン系ゴムは、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(E−SBR)及び/又は溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(S−SBR)を10質量%以上含むのが好ましい。該E−SBR及びS−SBRは、スチレン含有量が15〜45質量%であるのが好ましく、20〜45質量%であるのが更に好ましい。また、該ジエン系ゴムは、少なくとも一方の分子末端がスズ化合物、アミン化合物及びケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物で変性されていてもよい。
【0015】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の他の好適例においては、前記ゴム補強用充填剤の配合量は、前記ゴム成分100質量部に対し10〜200質量部である。
【0016】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の他の好適例においては、前記ゴム補強用充填剤を他の充填剤と併用し、これら充填剤の総配合量が前記ゴム成分100質量部に対し20〜200質量部である。
【0017】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、更にシランカップリング剤、加硫促進剤及び軟化剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の配合剤を配合してなるのが好ましい。ここで、該加硫促進剤は、チウラム系であるのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分にカーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤を配合してなる。ここで、カーボンブラックによる表面処理とは、無機化合物の表面にカーボンブラックを付着させる処理をさす。該充填剤は、表面にカーボンブラックが存在するため、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、従来のゴム成分にカーボンブラックと無機化合物を別々に配合してなるゴム組成物よりも耐摩耗性が良好であり、又、無機化合物同士の凝集が抑制されるため加工性も良好である。更に、カーボンブラックで被覆されていない表層の無機化合物が低発熱性及びウェット特性に有効に働くため、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、従来のゴム成分にカーボンブラックと無機化合物を別々に配合してなるゴム組成物よりも低発熱性でかつウェット特性も良好である。
【0019】
本発明にかかわるゴム補強用充填剤に用いる無機化合物としては、シリカ;水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、Al2O3・mSiO2・nH2Oで表される無機化合物{mは1〜4の整数で、nは0〜4の整数であり、クレー(Al2O3・2SiO2)の他、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)及びベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)等のアルミナ水和物を含む}等のアルミニウム化合物;亜鉛、マグネシウム、カルシウム、チタン、バナジウム、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、スズ、アンチモン、ネオジウム、鉛、テルル、バリウム、セシウム、鉄、モリブデンの酸化物、水酸化物、炭化物等が挙げられる。この中でも、製造されるトレッドゴムの物性の観点から、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムが好ましい。
【0020】
本発明にかかわるゴム補強用充填剤に用いるカーボンブラックとしては、特に限定されないが、市販のファーネスブラック、チャンネルブラックが挙げられる。該カーボンブラックの使用量は、前記無機化合物100質量部に対し1〜150質量部である。1質量部未満では、カーボンブラックによる表面処理の効果が小さく、150質量部を超えると、無機化合物の全表面をカーボンブラックで覆ってしまう為、無機化合物の低発熱性やウェット特性改良効果がうすれてしまう。
【0021】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に配合されるカーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤は、例えば、上記無機化合物の粉末とカーボンブラックとをホイール型混練機等を用いて機械的に混合・撹拌を行うことにより製造することができる。また、該ゴム補強用充填剤は、上記無機化合物及びカーボンブラックを溶媒中で超音波又はホモジナイザー等を用いて均一に微分散させ、その後必要に応じて加熱乾燥処理を施すことにより製造することもできる。
【0022】
上記無機化合物は、カーボンブラックと混合する前にアルコキシシラン又はポリシロキサンで表面を被覆するのが好ましい。即ち、無機化合物とアルコキシシラン又はポリシロキサンとを混合して、アルコキシシラン又はポリシロキサンで無機化合物の表面を被覆し、次いで、上記と同様にしてカーボンブラックと混合する。アルコキシシラン又はポリシロキサンで前処理を行うことにより、無機化合物とカーボンブラックとの結合力が強化されてくる。
【0023】
上記アルコキシシランとしては、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、上記ポリシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリエステル変性ポリシロキサン、末端カルボン酸変性ポリシロキサン、末端アルコール変性ポリシロキサン等が挙げられる。
【0024】
アルコキシシラン又はポリシロキサンによる無機化合物の被覆は、無機化合物の粉末とアルコキシシランの溶液又はポリシロキサンとを機械的に混合・撹拌したり、無機化合物の粉末にアルコキシシランの溶液又はポリシロキサンを噴霧しながら機械的に混合・撹拌することにより行うことができる。添加したアルコキシシラン又はポリシロキサンは、ほぼ全量が無機化合物の粒子表面を被覆する。
【0025】
無機化合物の粉末とアルコキシシラン又はポリシロキサンとの混合・撹拌、並びにアルコキシシラン又はポリシロキサンで被覆された無機化合物とカーボンブラックとの混合・撹拌に用いる機器としては、粉体層にせん断力を加えられる装置が好ましく、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機がより好ましい。この中でも、ホイール型混練機が特に好ましい。
【0026】
上記カーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対し10〜200質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。10質量部未満では、耐摩耗性、加工性、発熱性及びウェット性改良効果が少なく、200質量部を超えると、ゴム中での良好な分散が得にくくなる。
【0027】
また、上記カーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤は、カーボンブラック、シリカ、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の他の充填剤と併用することができ、充填剤の総配合量は、ゴム成分100質量部に対し20〜200質量部が好ましい。20質量部未満では、ゴムの補強性が低く、200質量部を超えると、ゴム中での良好な分散が得にくくなる。
【0028】
本発明のゴム組成物に用いるゴム成分としては、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(E−SBR)、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(S−SBR)、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム等のジエン系ゴムが挙げられる。これらゴム成分は、一種単独でもブレンドでもよい。これらの中でも、ドライ操安性の点から、乳化重合SBR、溶液重合SBRが好ましい。カーボンブラックで表面処理された無機化合物よりなるゴム補強用充填剤をゴム組成物に配合することにより、ゴム組成物のムーニー粘度を低下させることができるが、シュリンクが大きくなる場合がある。この場合、溶液重合SBRを用いると、該溶液重合SBRは分岐度が低いので、好適に前記シュリンクを抑制することができるので、溶液重合SBRがより好ましい。
【0029】
上記乳化重合SBR及び溶液重合SBRは、分子中のスチレン含有量が15〜45質量%であるのが好ましく、20〜45質量%であるのが更に好ましい。15質量部未満では、破壊強力が低く、45質量部を超えると、発熱性が大きくなる。
【0030】
上記ジエン系ゴムは、少なくとも一方の分子末端がスズ化合物、アミン化合物及びケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも一種で変性されていてもよい。上記スズ化合物としては、四塩化スズ、ジクロロジオクチルスズ、トリオクチルスズクロリド、ジブチルジクロロスズ等が、アミン化合物としては、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、N,N−ジエチルベンズアルデヒド、ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が、ケイ素化合物としては、トリエトキシシリルプロピルジヒドロイミダゾール、メチルブチリデントリエトキシシリルプロピルアミン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。
【0031】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、更にシランカップリング剤を配合するのが好ましい。シランカップリング剤を配合することにより、耐摩耗性がより向上し、tanδがより低下する。該シランカップリング剤の配合量は、無機化合物100質量部に対し1〜20質量部が好ましい。該シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド等が挙げられる。
【0032】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、更に軟化剤を配合するのが好ましい。軟化剤を配合することにより、上記ゴム組成物の粘度を低下させて作業性を向上させることができる。該軟化剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対し10〜100質量部が好ましい。該軟化剤としては、ナフテン系、アロマ系等のプロセスオイル、スピンドルオイル等が挙げられる。
【0033】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、上述したゴム成分、充填剤、シランカップリング剤、軟化剤の他、タイヤトレッド用ゴム組成物に通常用いられる各種配合剤を適宜配合することができる。
【0034】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0035】
(充填剤製造例1)
シリカ粒子粉末[日本シリカ工業製、ニップシールAQ]11.0kgをホイール型混練機を用い588N/cmの線荷重で40分間撹拌した後、カーボンブラック[東海カーボン社製、シースト7HM]11.0kgを加え588N/cmの線荷重で80分間混合・撹拌して、ゴム補強用充填剤を製造した。
【0036】
(充填剤製造例2)
ホイール型混練機を稼動させながら、メチルハイドロジェンポリシロキサン330gを、シリカ粒子粉末[日本シリカ工業製、ニップシールAQ]11.0kgに加え、588N/cmの線荷重で40分間混合・撹拌した。次に、ホイール型混練機を稼動させながら、カーボンブラック[東海カーボン社製、シースト7HM]11.0kgを10分間かけて添加し、588N/cmの線荷重で80分間混合・撹拌して、メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆シリカにカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用い105℃で60分間乾燥し、ゴム補強用充填剤を製造した。
【0037】
得られた充填剤のメチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量とカーボンブラックの付着量を堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型[株式会社堀場製作所製]で分析したところ、メチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量がC換算(炭素換算)で0.80質量%で、カーボンブラックの付着量がC換算で48.62質量%(シリカ粒子100質量部に対しほぼ100質量部に相当する)であった。また、電子顕微鏡写真の観察の結果、単独で存在するカーボンブラックがほとんど認められないことから、カーボンブラックのほぼ全量がメチルハイドロジェンポリシロキサン被覆シリカに付着していることが確認された。
【0038】
(充填剤製造例3)
充填剤製造例2と同様の方法で、シリカ粒子粉末:カーボンブラック=87:13(質量比)であるゴム補強用充填剤を製造した。
【0039】
(充填剤製造例4)
シリカ粒子粉末を水酸化アルミニウム(昭和電工(株)「ハイジライトH−43M」)に代える以外は充填剤製造例1と同様の方法でゴム補強用充填剤を製造した。
【0040】
(充填剤製造例5)
シリカ粒子粉末を水酸化アルミニウム(昭和電工(株)「ハイジライトH−43M」)に代える以外は充填剤製造例2と同様の方法でゴム補強用充填剤を製造した。得られた充填剤のメチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量とカーボンブラックの付着量を堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型[株式会社堀場製作所製]で分析したところ、メチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量がC換算(炭素換算)で0.80質量%であり、カーボンブラックの付着量がC換算で48.62質量%(水酸化アルミニウム100質量部に対しほぼ100質量部に相当する)であった。また、電子顕微鏡写真の観察の結果、単独で存在するカーボンブラックがほとんど認められないことから、カーボンブラックのほぼ全量がメチルハイドロジェンポリシロキサン被覆水酸化アルミニウムに付着していることが確認された。
【0041】
(充填剤製造例6)
シリカ粒子粉末を水酸化アルミニウム(昭和電工(株)「ハイジライトH−43M」)に代える以外は充填剤製造例3と同様の方法でゴム補強用充填剤を製造した。
【0042】
(実施例1〜3及び比較例1〜4)
表1に示す配合処方のゴム組成物を調製し、その物性を以下に示す方法で測定した。結果を表1に示す。
【0043】
(1)未加硫粘度
JIS K 6300に準拠し東洋精機社製RLM−01型テスターを用いてムーニー粘度ML1+4(100℃)を測定し、比較例1を100として指数表示した。指数値が小さい程、粘度が低いことを示す。
【0044】
(2)発熱性
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδ(60℃)を測定し、比較例1を100として指数表示した。指数値が小さい程、発熱性が低いことを示す。
【0045】
(3)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を使用し、スリップ率が25%での摩耗量を算出した。測定温度は25℃、摩耗量の逆数を比較例1を100として指数表示をした。指数値が大きい程、耐摩耗性は良好である。
【0046】
(4)BPST
室温でブリティッシュ・ポータブル・スキッド・テスターにて、湿潤コンクリート路面上を加硫ゴム試験片でこすって測定した際の抵抗値を測定し、比較例1を100として指数表示した。指数値は大きい程、ウェット性能が良好であることを示す。
【0047】
【表1】
【0048】
比較例1〜4から、充填剤としてのシリカをカーボンで置き換えるに従い、未加硫ゴム組成物の粘度が低下し、耐摩耗性が向上するものの、発熱性が高くなり且つウェット性能が低下することが分かる。一方、比較例3と実施例1とを比べると、カーボンブラックでシリカを表面処理した充填剤を用いることで、発熱性の上昇とウェット性能の低下を抑制できることが分かる。更に、比較例3と実施例3、並びに比較例2と実施例2を比較することにより、ポリシロキサンでシリカを被覆した後、カーボンブラックで表面処理した充填剤を用いることにより、発熱性の上昇とウェット性能の低下をより効果的に抑制でき、加えて未加硫ゴム組成物の粘度を更に低下させ且つ耐摩耗性を更に向上させ得ることが分かる。
【0049】
(実施例4〜6及び比較例5〜7)
表2に示す配合処方のゴム組成物を調製し、その物性を上記の方法で測定した。但し、ここでは、比較例5のゴム組成物の物性を100として指数表示し、結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
比較例6と実施例4とを比べると、カーボンブラックで水酸化アルミニウムを表面処理した充填剤を用いることで、発熱性が低下し、ウェット性能が向上する。更に、比較例6と実施例5、並びに比較例7と実施例6を比較することにより、ポリシロキサンで水酸化アルミニウムを被覆した後、カーボンブラックで表面処理した充填剤を用いることにより、発熱性が更に低下し、ウェット性能が更に向上し、加えて耐摩耗性を大幅に向上させ得ることが分かる。
【0052】
(ポリマーAの合成例)
乾燥し窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン 300g、1,3−ブタジエン単量体 40g、スチレン単量体 10g及びビステトラヒドロフリルプロパン 0.35mmolを仕込み、更にn−ブチルリチウム(BuLi) 0.42mmolを加え、50℃で2時間重合させた。重合開始から終了まで重合系に全く沈殿は見られず、均一且つ透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。重合溶液の一部をサンプリングし、イソプロピルアルコールを加え、固形物を乾燥し、ゴム状共重合体を得た。この共重合体をゲルパーミエイションクロマトグラフィ[GPC;東ソー製HLC−8020、カラム;東ソー製GMH−XL(2本直列)]で示差屈折率(RI)検出器を用いて分析したところ、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で数平均分子量(Mn) 195000、重量平均分子量(Mw) 225000であった。また、赤外法(モレロ法)でミクロ構造を分析したところ、ビニル量が57%であり、1H−NMRでスペクルの積分比より算出した結合スチレン含有量が20%であった。
【0053】
次に、上記重合溶液に末端変性剤として四塩化スズ 0.12mmolを加え、50℃で30分間変性させた。その後、BHTのイソプロパノール5%溶液0.5mLを加えて反応を停止させ、更に常法に従って乾燥し、ポリマーAを得た。パーキンエルマー社製示差熱分析機(DSC)7型装置を用い、ポリマーAを−100℃まで冷却した後、10℃/分の昇温速度で昇温してガラス転移点(Tg)を測定したところ、ポリマーAのTgは−39℃であった。また、ポリマーAの分子末端のうち72%が四塩化スズで変性されていた。
【0054】
(実施例7及び比較例8)
上記のようにして合成したポリマーAをゴム成分として用い、表3に示す配合のゴム組成物を調製し、上記の方法でゴム組成物の物性を評価した。但し、ここでは、比較例8のゴム組成物の物性を100として指数表示し、結果を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】
比較例8と実施例7を比較することにより、末端変性ポリマーをゴム成分として用いたゴム組成物においても、配合時にゴム成分及び他の配合剤と共にシリカ及びカーボンブラックを単純に混合するよりも、シリカをポリシロキサンで被覆した後、該被覆物の表面をカーボンブラックで処理した充填剤を適用することで、未加硫時の粘度を低下させ加工性を向上させることができ、耐摩耗性及びウェット特性を向上させ、より低発熱性にできることが分かる。
【0057】
(実施例8及び比較例9)
上記ポリマーAをゴム成分として用い、表4に示す配合のゴム組成物を調製し、上記の方法でゴム組成物の物性を評価した。但し、ここでは、比較例9のゴム組成物の物性を100として指数表示し、結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】
比較例9と実施例8を比較することにより、末端変性ポリマーをゴム成分として用いたゴム組成物においても、配合時にゴム成分及び他の配合剤と共に水酸化アルミニウム及びカーボンブラックを単純に混合するよりも、水酸化アルミニウムをポリシロキサンで被覆した後、該被覆物の表面をカーボンブラックで処理した充填剤を適用することで、ウェット特性を向上させ且つ発熱性を下げることができると共に、耐摩耗性を大幅に改善できることが分かる。
【0060】
(タイヤでのウェットスキッド性能評価1)
上記実施例3及び比較例3のタイヤトレッド用ゴム組成物を夫々トレッドゴムに適用し、サイズ185/70R14のタイヤを試作した。該試作タイヤの湿潤アスファルト路面での制動距離を測定したところ、比較例3のゴム組成物を用いたタイヤの制動距離は、実施例3のゴム組成物を用いたタイヤの制動距離の1.14倍であり、ポリシロキサンでシリカを被覆した後、カーボンブラックで表面処理した充填剤を用いることにより、ウェットスキッド性能が向上することが確認された。
【0061】
(タイヤでのウェットスキッド性能評価2)
上記実施例5及び比較例6のゴム組成物を夫々トレッドゴムに適用して、上記と同様にしてタイヤを試作しその制動距離を測定したところ、比較例6のゴム組成物を用いたタイヤの制動距離は、実施例5のゴム組成物を用いたタイヤの制動距離の1.15倍であり、ポリシロキサンで水酸化アルミニウムを被覆した後、カーボンブラックで表面処理した充填剤を用いることにより、ウェットスキッド性能が向上することが確認された。
【0062】
【発明の効果】
上記に説明したように、カーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤の表面にはカーボンブラックが存在するため、該充填剤を配合してなる本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、従来のゴム成分にカーボンブラックと無機化合物を別々に配合してなるゴム組成物よりも耐摩耗性が良好であり、又、無機化合物同士の凝集が抑制されるため加工性も良好である。更に、カーボンブラックで被覆されていない表層の無機化合物が低発熱性及びウェット特性に有効に働くため、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、従来のゴム成分にカーボンブラックと無機化合物を別々に配合してなるゴム組成物よりも低発熱性でかつウェット特性も良好である。
Claims (14)
- ゴム成分にカーボンブラックで表面処理した無機化合物よりなるゴム補強用充填剤を配合してなるタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記無機化合物がシリカであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記無機化合物がアルミニウム化合物であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記アルミニウム化合物が水酸化アルミニウム及び酸化アルミニウムの何れかであることを特徴とする請求項3に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記無機化合物は、表面処理前にアルコキシシラン及びポリシロキサンの何れかで被覆されていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記ゴム成分がジエン系ゴムであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴムが乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム及び/又は溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを10質量%以上含むゴムであることを特徴とする請求項6に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴムは、スチレン含有量が15〜45質量%であることを特徴とする請求項7に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴムは、少なくとも一方の分子末端がスズ化合物、アミン化合物及びケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物で変性されていることを特徴とする請求項7に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記ゴム補強用充填剤の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対し10〜200質量部であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記ゴム補強用充填剤を他の充填剤と併用し、これら充填剤の総配合量が前記ゴム成分100質量部に対し20〜200質量部であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 更にシランカップリング剤を配合してなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 更に3級アミンを配合してなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 更に軟化剤を配合してなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
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