JP2004142985A - 水素放出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水素ガスの導入口1aと、水素ガスの排出口1bとを有し、水素分子化合物2を内蔵する水素貯槽1と、水素貯槽1内の水素分子化合物2を加熱する手段3とを有する水素放出装置。更に、水素分子化合物2の撹拌手段5と冷却手段4を有する。水素分子化合物2としては、ホスト分子と水素分子との接触反応により水素分子を包接した水素分子包接化合物が用いられる。水素貯槽1内の水素分子化合物2を加熱することにより水素を放出させることができる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素を水素分子化合物として貯蔵し、貯蔵した水素を燃料電池の水素燃料等として放出する水素放出装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び先行技術】
近年、CO2排出に伴う地球環境問題に対処する方策として、水素をエネルギー媒体とする新しいクリーンエネルギーシステムが提案されている。中でも燃料電池は、燃料が有するエネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置であり、電解質を挟んで設けられた一対の電極のうちの陽極に水素を含有する燃料ガスを供給すると共に、他方の陰極に酸素を含有する燃料ガスを供給し、これら一対の電極の電解質側の表面で生じる下記の化学反応エネルギーを電気エネルギーとして取り出すエネルギー変換技術であり、自動車のガソリンエンジンに替わる動力源、家庭用オンサイト発電、IT用の直流給電設備等として、次世代の最も重要な技術の1つとして注目されている。
【0003】
陽極反応:H2→2H++2e−
陰極反応:2H++2e−+(1/2)O2→H2O
【0004】
燃料電池には、使用する電解質の種類によってリン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子型がある。リン酸型はすでに実用化レベルにあり、工場、病院、オフィス、集合住宅、ホテルなど業務自家発電機として導入が進んでおり、小型の発電所用として1000kW級のものも開発されている。一方、固体高分子型は、電気自動車用電源として注目されており、自動車メーカーを中心に燃料電池自動車の開発が進められている。
【0005】
燃料の酸素源としては、空気が用いられている。一方、水素源としては、天然ガス、メタノール等と水蒸気との反応で得られる水素含有ガス(改質ガス)を用いるものと、水素ガスを直接用いるものとがあるが、メタノール等を水蒸気で改質して用いる燃料電池では、水素と共に二酸化炭素が発生するという問題がある。これに対して、水素ガスを直接用いる燃料電池であれば、二酸化炭素の発生の問題はなく、環境維持に有効である。
【0006】
しかしながら、水素燃料の最大の問題は、その貯蔵法と運搬法にある。即ち、従来、水素の貯蔵法としては、様々な方法が提案され、その一つとして、高圧ガスボンベに水素を気体として貯蔵する方法がある。しかし、このような高圧貯蔵は、単純ではあるが、厚肉の容器が必要であり、そのため容器の重量が重く、貯蔵・運搬効率が低いために、例えば軽量化が重視される自動車等への適用は困難である。一方、水素を液体として貯蔵する場合には、気体水素に比較して貯蔵・運搬効率は向上するが、液体水素の製造には高純度の水素が必要であること、また液化温度が−252.6℃という低温であり、このような超低温用の特殊な容器が必要であることなど、経済的に問題がある。また、水素貯蔵合金を用いることも提案されているが、合金自体の重量が重く、しかもMg系の軽量な水素貯蔵合金では水素を放出させる使用温度が300℃近い高温であるなどの問題がある。更には、カーボンナノチューブなどの多孔性炭素素材などを用いることも提案されているが、水素貯蔵の再現性が低く、高圧条件での貯蔵となるなど多くの問題がある。
【0007】
従来、上述のような水素貯蔵技術を利用した水素貯蔵タンクも既に提案されているが(特開昭62−127598号公報,特開平8−119601号公報,特開2002−122294号公報など)、いずれも水素の貯蔵・運搬効率において問題が残されている。
【0008】
ところで、分子化合物は、2種類以上の化合物が水素結合やファンデルワールス力などに代表される、共有結合以外の比較的弱い相互作用によって結合した化合物であり、簡単な操作によってもとの各成分化合物に解離する性質を有するため、選択的分離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化などの技術に応用することができる。そして、分子化合物の一つである包接化合物の技術により、複数成分からなるガス状流体から特定成分を分離回収する方法も報告されている(特開平4−150917号公報)。また、包接化合物の技術により、比較的軽量にしかも常温常圧に近い状態で水素を貯蔵できることについても提案もなされている(特願2002−178755)。
【0009】
【特許文献1】
特開昭62−127598号公報
【特許文献2】
特開平8−119601号公報
【特許文献3】
特開2002−122294号公報
【特許文献4】
特開平4−150917号公報
【特許文献5】
特願2002−178755
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、水素の貯蔵・運搬・放出効率に優れた水素放出装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の水素放出装置は、水素ガスの導入口及び排出口を備えた、水素分子化合物を内蔵するための水素貯槽と、該水素貯槽内の水素分子化合物を加熱する加熱手段とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の水素放出装置では、水素を比較的軽量で常温に近い条件で安定に保持し得る水素分子化合物として貯蔵するため、貯蔵・運搬効率に優れる。しかも、水素分子化合物は、水素と水素分子化合物を形成する化合物(以下「成分化合物」と称す場合がある。)に水素を接触させるのみで容易に得ることができ、この水素分子化合物からは加熱手段による比較的低温の加熱で水素を効率的に放出させることができる。
【0013】
本発明の水素放出装置は、水素貯槽内の水素分子化合物を撹拌する撹拌手段を備えることが好ましく、撹拌手段で水素分子化合物を撹拌しながら加熱手段で加熱することにより、水素をより一層効率的に放出させることができる。また、水素を放出した成分化合物に水素を接触させて水素分子化合物を形成させる際においても、この撹拌手段で成分化合物を撹拌しながら水素を接触させることにより、効率的に水素分子化合物を形成させて、水素を貯蔵することが可能となる。
【0014】
本発明の水素放出装置は、更に、水素貯槽内の水素分子化合物を冷却する冷却手段を有することが好ましく、加熱手段により加熱して水素分子化合物から水素を放出させた後、この冷却手段で冷却して水素分子化合物からの水素の放出を直ちに停止させることができる。
【0015】
本発明に係る水素分子化合物としては、ホスト分子と水素分子との接触反応により水素分子を包接した水素分子包接化合物が挙げられ、この場合の好ましいホスト分子としては、多分子系ホスト化合物が挙げられる。
【0016】
本発明の水素放出装置は、特に、燃料電池、具体的には固体高分子型、アルカリ水溶液電解質型、リン酸塩水溶液型、溶融炭酸塩電解質型、固体酸化物電解質型など各種の燃料電池、とりわけ自動車搭載用としての固体高分子型燃料電池の水素燃料電池用の水素放出装置として工業的に極めて有用であるが、何らこれに限定されず、各種反応装置の水素供給源としても有効に利用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の水素放出装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1〜6は本発明の水素放出装置の実施の形態を示す系統図である。
【0019】
図1の水素放出装置において、1は、水素分子化合物2を内蔵する水素貯槽であり、水素ガスの導入口と水素ガスの排出口を有し、各々、水素ガスの導入ライン1a及び排出ライン1bが接続されている。また、水素分子化合物2を加熱するための加熱手段3が設けられている。この加熱手段3は、温水等の加熱媒体が流通する熱交換用のコイル状配管より構成される。
【0020】
この水素放出装置であれば、水素貯槽1内の水素分子化合物2を加熱手段3で加熱することにより、水素分子化合物2から水素ガスを放出させ、放出させた水素ガスを排出ライン1bから取り出すことができる。また、水素ガスの放出後は、導入ライン1aから水素ガス又は水素含有ガスを導入して水素貯槽1内に残留する成分化合物を水素と接触させて再び水素分子化合物を形成させることができ、これにより、水素分子化合物の形成、水素分子化合物からの水素ガスの放出を繰り返し行うことができる。
【0021】
水素貯槽1としては水素分子化合物を収納することができる容器であれば良く、特に制限はないが、素材としては水素分子化合物から水素を放出させるために加熱をするため、100℃、好ましくは200℃までの加熱に耐えられる材質が好ましい。また、熱効率を良くするために、断熱材等を設けた容器であっても良い。また、この容器は水素が常圧条件で貯蔵できるように設定することが、容器重量を軽量化できるのでより好ましいが、耐圧性の容器であっても良い。
【0022】
また、加熱手段3としては、水素貯槽1内の水素分子化合物を加熱できるものであれば特に制限はない。例えば、図1に示すような加熱媒体を循環させるものの他、電気炉などを用いることができる。
【0023】
なお、本発明の水素放出装置を、燃料電池の水素燃料供給用の水素放出装置として適用する場合には、燃料電池より発生する排熱を、加熱媒体に吸収させて(好ましくは水を使用し温水化して)、水素貯槽に循環させて加熱することにより、エネルギーを効率良く利用することができ、好ましい。また、水の電気分解で得られた水素を貯蔵して放出する水素放出装置として適用する場合には、水電気分解装置から発生する排熱を、上記と同様にして加熱源として利用することにより、また、メタンやLPG等の炭化水素系燃料を改質して水素を得、得られた水素を貯蔵して放出する水素放出装置として適用する場合には、炭化水素燃料改質装置から発生する排熱を、上記と同様にして加熱源として利用することにより、エネルギーを効率良く利用することができ、水素放出のためのエネルギーコストを低減することができ、好ましい。
【0024】
図2に示す水素放出装置は、水素ガスの導入ライン1a及び排出ライン1bに各々制御弁Va,Vbを設け、弁Va,Vbの開閉ないし開度により、水素ガスの導入又は排出ないしはその流量を制御可能とした点が図1に示す水素放出装置と異なり、その他は同様の構成とされている。
【0025】
なお、制御弁Va,Vbとしては、開閉又は開度によりガスの流れや流量を制御することができるものであれば良く、特に制限はないが、水素貯槽1を加圧条件で使用する場合には耐圧性の弁を使用するのが好ましい。
【0026】
図3に示す水素放出装置は、水素貯槽1内の水素分子化合物2を冷却する冷却手段4を有し、水素分子化合物2を加熱後、冷却手段4により冷却して、水素ガスの放出を直ちに停止することができるように構成されている点が図2に示す水素放出装置と異なり、その他は同様の構成とされている。
【0027】
即ち、水素貯槽1内の水素分子化合物2を加熱して水素ガスを放出させた後、水素ガスの放出を停止させる際に、水素貯槽1内の水素分子化合物2を常温に戻す際、水素貯槽1の素材が非断熱性のものであれば、自然放冷で比較的早期に冷却することが可能であるが、水素貯槽1の素材が断熱性である場合、或いは急速冷却が必要な場合には、図3に示す如く、水素貯槽1内の水素分子化合物2を冷却する冷却手段4を設けることが好ましい。
【0028】
この冷却手段4としては特に制限はなく、図3では、冷却水等の冷却媒体が流通する熱交換用のコイル状配管を用いているが、何らこれに限定されるものではない。
【0029】
図4に示す水素放出装置は、水素貯槽1内の水素分子化合物2を撹拌する撹拌手段5と、ポンプPを備える水素ガスの循環ライン6を有する点が図3に示す水素放出装置と異なり、その他は同様の構成とされている。
【0030】
即ち、一般に、水素分子化合物2、及び水素ガスを放出した後の成分化合物は、後述の如く粉体であるため、水素分子化合物2からの水素ガスの放出、水素ガスを放出した後の成分化合物と水素ガスとの接触による水素分子化合物の形成(水素の貯蔵)に際しては、撹拌手段5により、撹拌を行うことが水素ガスの放出効率又は水素ガスと成分化合物との接触効率を高める上で好ましい。
【0031】
また、水素ガスと成分化合物とを接触させて水素分子化合物を形成させる際には、導入ラインから水素貯槽1内に水素ガス又は水素含有ガスを導入し、排出ライン1bから排出される排ガスをポンプPにより循環ライン6で導入口側へ循環することが、水素ガスの回収効率、水素分子化合物の形成効率を高める上で好ましい。
【0032】
水素分子化合物2を内蔵し、加熱手段3、更には冷却手段4及び/又は撹拌手段5を備える水素貯槽は図5に示す如く、複数個(図5では3個の水素貯槽1A,1B,1C)直列に接続して配置しても良く(図5において、Va,Vb,Vc,Vdは開閉弁である。)、図6に示す如く、複数個(図6では3個の水素貯槽1A,1B,1C)並列に配置しても良い。特に、図6に示す如く、複数の水素貯槽を並列に配置してこれらを多方弁(図6では四方弁VA,VB)で連結した場合には、弁の流路切り換えにより、水素ガスを放出させる水素貯槽と、水素ガスを貯蔵させる水素貯槽とを切り換えることにより、連続稼動を行うことも可能である。
【0033】
なお、図1〜6に示す水素放出装置は本発明の水素放出装置の実施の形態の一例を示すものであって、何ら本発明を制限するものではない。例えば、図2の水素放出装置に更に撹拌手段及び/又は循環ラインを設けたものであっても良い。
【0034】
また、本発明の水素放出装置には、更に、水素の放出及び水素の貯蔵をより効率的に行うために、水素分子化合物又は成分化合物を水素貯槽内に保持するための棚部を設けたり、水素ガスを水素貯槽内に分散供給するための通気機構等を設けても良い。
【0035】
なお、本発明の水素放出装置に水素ガス又は水素含有ガスを供給する水素供給源としては特に制限はないが、水の電気分解、炭化水素系燃料(メタン、LPG、都市ガスなど)の水蒸気改質等による水素発生装置等を用いることができる。
【0036】
次に、本発明で用いる水素分子化合物について説明する。
【0037】
本発明でいう分子化合物とは、単独で安定に存在することのできる化合物の2種類以上の化合物が水素結合やファンデルワールス力などに代表される、共有結合以外の比較的弱い相互作用によって結合した化合物であり、水化物、溶媒化物、付加化合物、包接化合物などが含まれる。このような水素分子化合物は、水素分子化合物を形成する成分化合物と水素との接触反応により形成することができ、比較的軽量で常温常圧に近い状態で水素を貯蔵することができ、かつ簡単な加熱等で水素を放出することが可能である。
【0038】
水素分子化合物のうち、水素分子をホスト分子で包接した水素分子包接化合物を形成するホスト分子については、水素を包接できるものであれば良く、特に限定はされない。
【0039】
ホスト分子としては、単分子系、多分子系、高分子系、無機系ホスト化合物などが知られている。
【0040】
単分子系ホスト化合物としては、シクロデキストリン類、クラウンエーテル類、クリプタンド類、シクロファン類、アザシクロファン類、カリックスアレン類、シクロトリべラトリレン類、スフェランド類、環状オリゴペプチド類などが挙げられる。また多分子系ホスト化合物としては、尿素類、チオ尿素類、デオキシコール酸類、ペルヒドロトリフェニレン類、トリ−o−チモチド類、ビアンスリル類、スピロビフルオレン類、シクロフォスファゼン類、モノアルコール類、ジオール類、アセチレンアルコール類、ヒドロキシベンゾフェノン類、フェノール類、ビスフェノール類、トリスフェノール類、テトラキスフェノール類、ポリフェノール類、ナフトール類、ビスナフトール類、ジフェニルメタノール類、カルボン酸アミド類、チオアミド類、ビキサンテン類、カルボン酸類、イミダゾール類、ヒドロキノン類などが挙げられる。また、高分子系ホスト化合物としては、セルロース類、デンプン類、キチン類、キトサン類、ポリビニルアルコール類、1,1,2,2−テトラキスフェニルエタンをコアとするポリエチレングリコールアーム型ポリマー類、α,α,α’,α’−テトラキスフェニルキシレンをコアとするポリエチレングリコールアーム型ポリマー類などが挙げられる。さらに、無機系ホスト化合物としては、粘土鉱物類、モンモリロナイト類、ゼオライト類などが挙げられる。
【0041】
これらのホスト化合物のうち、包接能力がゲスト化合物の分子の大きさに左右されにくい多分子系ホスト化合物が好適である。
【0042】
多分子系ホスト化合物としては、具体的には、1,1,6,6−テトラフェニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、1,1−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−2−プロピン−1−オール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、1,1,6,6−テトラキス(2,4−ジメチルフェニル)−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、9,10−ジフェニル−9,10−ジヒドロアントラセン−9,10−ジオール、9,10−ビス(4−メチルフェニル)−9,10−ジヒドロアントラセン−9,10−ジオール、1,1,2,2−テトラフェニルエタン−1,2−ジオール、4−メトキシフェノール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−スルホニルビスフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−エチリデンビスフェノール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、3,6,3’,6’−テトラメトキシ−9,9’−ビ−9H−キサンテン、3,6,3’,6’−テトラアセトキシ−9,9’−ビ−9H−キサンテン、3,6,3’,6’−テトラヒドロキシ−9,9’−ビ−9H−キサンテン、没食子酸、没食子酸メチル、カテキン、ビス−β−ナフトール、α,α,α’,α’−テトラフェニル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジメタノール、ジフェン酸ビスジシクロヘキシルアミド、フマル酸ビスジシクロヘキシルアミド、コール酸、デオキシコール酸、1,1,2,2−テトラキス(4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−カルボキシフェニル)エタン、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、1,2,4,5−テトラフェニルイミダゾール、2−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ヒドロキノン、などが挙げられるが、中でも1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなフェノール系のホスト化合物が包接能力、及び工業的な入手の面で有利である。
【0043】
このようなホスト化合物に水素を包接させて水素分子包接化合物を製造する方法としては、水素とホスト化合物を直接接触させる方法、水素雰囲気の状態でホスト化合物を粉砕しながら直接反応させる方法、ホスト化合物を溶媒に溶解して再結晶する際に水素と接触反応させる方法などがあるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0044】
このようにして得られる水素分子包接化合物は、用いたホスト化合物の種類、水素との接触条件等によっても異なるが、通常ホスト化合物1モルに対して水素分子0.2〜20モルを包接した水素分子包接化合物である。
【0045】
この水素分子包接化合物は、常温常圧において、長期に亘り水素を安定に包接する。しかも、この水素分子包接化合物は、水素貯蔵合金と比べ、軽量で取り扱い性にも優れ、この水素分子包接化合物はガラス、金属、プラスチック等の容器に入れて容易に貯蔵・運搬することができる。
【0046】
このような水素分子包接化合物は、固体状であるため、粒径0.01〜1mm程度の粉体として、本発明に係る水素貯槽に貯蔵して用いることができる。
【0047】
そして、この水素分子包接化合物から水素を放出させるには、ホスト化合物の種類にもよるが、30〜200℃、特に40〜100℃程度に加熱すれば良く、これにより容易に水素分子包接化合物中から水素を放出させることができる。
【0048】
水素分子包接化合物から水素を放出した後のホスト化合物は、水素の選択的包接能を有し、再度水素と接触させることにより、水素分子包接化合物として有効に再利用可能である。
【0049】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0050】
実施例1
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン1モルに水素10モルを包接させた水素分子包接化合物50gを、図4に示す水素貯槽に入れ、水素貯槽内の水素分子包接化合物を撹拌下、50℃に加熱したところ、水素ガスを0.17mg/minの割合で放出させることができた。その後、20℃に冷却したところ、水素分子包接化合物からの水素の放出は停止した。
【0051】
【発明の効果】
本発明の水素放出装置は、水素供給源として水素分子化合物を利用するものであり、
▲1▼ 水素を比較的簡単に軽量に、常温、常圧に近い条件で貯蔵することができる。
▲2▼ 水素分子化合物として貯蔵した水素を、比較的低い温度の加熱により放出させて、供給することができる。
▲3▼ 混合ガス中の水素分子を選択的に取り込ませることもでき、水素分子化合物への水素補給も容易に行える。
▲4▼ 水素が放出した後の化合物は、水素と反応させることにより再度水素分子化合物を得ることができ、再利用可能である。
といった優れた効果を有し、特に軽量化が重視される自動車等の燃料電池発電システムの水素燃料供給源として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素放出装置の実施の形態を示す系統図である。
【図2】本発明の水素放出装置の別の実施の形態を示す系統図である。
【図3】本発明の水素放出装置の別の実施の形態を示す系統図である。
【図4】本発明の水素放出装置の別の実施の形態を示す系統図である。
【図5】本発明の水素放出装置の別の実施の形態を示す系統図である。
【図6】本発明の水素放出装置の別の実施の形態を示す系統図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C 水素貯槽
2 水素分子化合物
3 加熱手段
4 冷却手段
5 撹拌手段
6 循環ライン
Claims (5)
- 水素ガスの導入口及び排出口を備えた、水素分子化合物を内蔵するための水素貯槽と、
該水素貯槽内の水素分子化合物を加熱する加熱手段と
を有することを特徴とする水素放出装置。 - 請求項1において、更に、該水素貯槽内の水素分子化合物を撹拌する撹拌手段を有することを特徴とする水素放出装置。
- 請求項1又は2において、更に、該水素貯槽内の水素分子化合物を冷却する冷却手段を有することを特徴とする水素放出装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、該水素分子化合物は、ホスト分子と水素分子との接触反応により水素分子を包接した水素分子包接化合物であることを特徴とする水素放出装置。
- 請求項4において、該ホスト分子は、多分子系ホスト化合物であることを特徴とする水素放出装置。
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JP (1) | JP2004142985A (ja) |
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