JP2004142766A - 生分解性袋状物 - Google Patents

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Atsushi Matsunaga
松永 篤
Norihisa Yoshida
吉田 典古
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Abstract

【課題】自然界で分解することが可能な生分解性を有する袋状物であって、安定してヒートシール加工を行うことが可能で、優れたヒートシール強力を得ることができる袋状物を提供する。
【解決手段】ポリ乳酸系重合体(A成分)と、ポリ乳酸系重合体と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとのブレンド体(B成分)とからなる複合繊維を構成繊維とする不織布からなり、ヒートシール部を有することにより袋状となっており、複合繊維を構成する重合体は、下(1)、(2)の溶融特性を満足するものであり、複合繊維の繊維表面の少なくとも一部をB成分が形成し、ヒートシール部においては、B成分が溶融または軟化することにより接着している生分解性袋状物。(1)A成分およびB成分に用いるポリ乳酸系重合体の融点が共に150℃以上であること。(2)生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの融点がA成分の融点よりも50℃以上低いこと。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合繊維を構成繊維とする不織布からなる生分解性袋状物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、一般生活関連資材としてプラスチック包装材は使用されてきたが、使用後すぐに棄却されることが多く、その処理問題が指摘されている。一般包装用プラスチックにおける代表的なものとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられるが、これら材料は燃焼時の発熱量が多く、燃焼処理中に燃焼炉を傷める恐れがある。
【0003】
このような状況下、廃棄処理が容易でしかも生活・自然環境を保護できる、生分解性を有する包装材の利用が求められている。
【0004】
自然環境下で分解が可能である袋の素材として、例えば、ポリ乳酸系重合体からなる水切り袋用不織布(特許文献1)が提案されている。
【0005】
特許文献1では、単一の重合体から構成される単相繊維からなる不織布および芯鞘型複合繊維からなる不織布が開示され、これらの不織布は機械的強力に優れている。しかし、製袋時にヒートシール加工を採用した場合、単相繊維からなる不織布では、繊維が溶融する温度に加工温度を設定すると、加工時に不織布が収縮したり、溶融してヒートシーラーに融着したりする。また、複合繊維からなる不織布では、芯部と鞘部の融点差が小さいため、加工温度範囲が狭く、加工性に劣るという欠点がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−34657号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するものであって、自然界で分解することが可能な生分解性を有する袋状物であって、安定してヒートシール加工を行うことが可能で、優れたヒートシール強力を得ることができる袋状物を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、生分解性複合繊維からなる不織布において、特定の重合体をブレンドして接着成分とすることにより、上記課題を達成することができるという知見を得、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、ポリ乳酸系重合体(A成分)と、ポリ乳酸系重合体と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとのブレンド体(B成分)とからなる複合繊維を構成繊維とする不織布からなり、ヒートシール部を有することにより袋状となっており、複合繊維を構成する重合体は、下記(1)、(2)の溶融特性を満足するものであり、複合繊維の繊維表面の少なくとも一部をB成分が形成し、ヒートシール部においては、B成分が溶融または軟化することにより接着していることを特徴とする生分解性袋状物を要旨とするものである。
(1)A成分およびB成分に用いるポリ乳酸系重合体の融点が共に150℃以上であること。
(2)生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの融点がA成分の融点よりも50℃以上低いこと。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の袋状物は、ポリ乳酸系重合体(A成分)と、ポリ乳酸系重合体と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとのブレンド体(B成分)とからなる複合繊維を構成繊維とする不織布からなる。
【0011】
まず、A成分、B成分に用いるポリ乳酸系重合体について説明する。
【0012】
本発明に用いるポリ乳酸系重合体としては、ポリ−D−乳酸と、ポリ−L−乳酸と、D−乳酸とL−乳酸との共重合体と、D−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体と、L−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体と、D−乳酸とL−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体との群から選ばれる重合体、あるいはこれらのブレンド体が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸を共重合体する場合のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸等が挙げられる。これらの中でも特に、ヒドロキシカプロン酸またはグリコール酸が、微生物分解性能および低コストの点から好ましい。
【0013】
本発明においては、上記ポリ乳酸重合体であって、融点が150℃以上の重合体あるいは融点が150℃以上の重合体同士のブレンド体を用いる。ポリ乳酸系重合体の融点が150℃以上であると、高い結晶性を有しているため、熱処理加工やヒートシール加工時の収縮が発生しにくく、また、これらの加工を安定して行うことができ、さらには、得られる不織布は耐熱性に優れる。
【0014】
ポリ乳酸のホモポリマーであるポリ−L−乳酸やポリ−D−乳酸の融点は約180℃である。ポリ乳酸系重合体として、ホモポリマーでなく、共重合体を用いる場合には、共重合体の融点が150℃以上となるようにモノマー成分の共重合量比を決定する。L−乳酸とD−乳酸との共重合体の場合であると、L−乳酸とD−乳酸との共重合量比が、モル比で、(L−乳酸)/(D−乳酸)=5/95〜0/100、あるいは(L−乳酸)/(D 乳酸)=95/5〜100/0のものを用いる。共重合比が、前記範囲を外れると、重合体の融点が150℃未満となり、また、重合体の非晶性が高くなり、本発明の目的を達成し得ないこととなる。
【0015】
なお、A成分に用いるポリ乳酸系重合体と、B成分に用いるポリ乳酸系重合体とは、同一のものであっても、異なるものであってもよい。
【0016】
B成分に用いる生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとしては、脂肪族ジオールと芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られるものを使用できる。脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸等が挙げられる。これらを1種類以上選択して、重縮合することにより、目的とする生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルが得られ、必要に応じて多官能のイソシアネート化合物により架橋することもできる。
【0017】
生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの融点は、A成分の融点よりも50℃以上低いことが必要であり、この融点差を満足するように生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルおよびA成分として用いるポリ乳酸系重合体を選択する。両者の融点差が50℃未満であると、熱処理加工やヒートシール加工を安定して容易に行うことができず、本発明の目的を達成することができない。
【0018】
B成分において、ポリ乳酸系重合体/生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルのブレンド比率(質量比)は、95/5〜70/30であることが好ましい。生分解性−芳香族共重合ポリエステルのブレンド比率が5質量%未満であると、熱接着性成分として寄与する成分が減少するため、接着性に劣る傾向となり、ヒートシール部における優れた接着強力を得にくい。一方、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルのブレンド比率が30質量%を超えると、繊維を製造する際の製糸工程での冷却性に劣るため、例えば、不織布の製法としてスパンボンド法を採用しようとした場合に、紡糸・延伸した糸状同士が密着し、開繊できない傾向となる。この現象は、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルのガラス転移温度(Tg)が極めて低いことに起因している。
【0019】
A成分およびB成分に用いる重合体には、各々必要に応じて、艶消し剤、顔料、結晶核剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。とりわけ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の結晶核剤を添加することは、紡出・冷却工程での糸状間の融着(ブロッキング)を防止するために、0.1〜3質量%の範囲で用いると有用である。
【0020】
本発明に用いる複合繊維は、B成分が繊維表面の少なくとも一部を形成している。例えば、A成分とB成分とが貼り合わされたサイドバイサイド型複合断面、A成分とB成分とが繊維表面に交互に存在する分割型複合断面や多葉型複合断面等が挙げられる。中でもB成分の熱接着成分としての役割を考慮すると、芯鞘型複合断面であることが好ましい。なお、芯鞘型複合断面を採用する場合は、A成分とB成分の粘度は、A成分の方が高いもの(溶融粘度の値が小さいもの)を採用すると、製造工程において良好に溶融紡糸を行うことができる。
【0021】
複合繊維が、芯鞘型複合断面である場合、芯部と鞘部の複合比(質量比)は、芯部/鞘部=5/1〜1/1であることが好ましい。芯部の比率が5/1を超えると、鞘部の比率が少なくなりすぎるため、熱接着性能に劣る傾向となり、袋状物を形成する際に優れたヒートシール強力を得にくい。
【0022】
本発明における複合繊維の繊度は、1〜11デシテックスであることが好ましい。単糸繊度が1デシテックス未満であると、その不織布からなる袋状物において、目付によっては、袋内の収納物の隠蔽性に劣る傾向となり、また、例えば、水切り袋に使用した際には、水切れ性が悪くなる傾向にあり、袋状物の用途が制限される。一方、単糸繊度が11デシテックスを超えると、紡糸糸状の冷却性に劣り、糸状同士が密着しやすくなる。また、袋状物において、不織布を構成する繊維の構成本数が相対的に減るため、優れたヒートシール強力を得にくい。
【0023】
本発明における複合繊維の形態は、いわゆるエンドレスである長繊維であっても、ステープルファイバーやショートカットファイバーである短繊維であってもよく、用途等に応じて適宜選択すればよい。この複合繊維を構成繊維とする不織布の形態としては、エンボス加工や熱風処理等により繊維同士が接着してなる熱接着不織布、繊維同士が機械的に交絡してなる不織布、抄造法により得られる不織布等のいずれであってもよい。また、本発明の効果を奏する範囲において、不織布には、上述の複合繊維以外の他の生分解性繊維を混合してもよい。
【0024】
本発明においては、繊維端が少なく、機械的強力に優れ、生産性に優れることからスパンボンド法による熱接着不織布を用いることが好ましいが、袋状物の用途に応じて適宜選択すればよい。
【0025】
本発明における不織布の目付は、15〜70g/mの範囲にあることが好ましい。目付が15g/m未満であると、不織布の構成する繊維の構成本数が相対的に減るため、ヒートシール部の強力が劣る傾向となる。一方、目付が70g/mを超えると、不織布の厚みが大きくなり、ヒートシール部における内層において、ヒートシール加工の際に熱が十分に伝わらず優れたヒートシール強力を得にくい。
【0026】
本発明の生分解性袋状物は、前述した不織布からなり、不織布を適宜の大きさに裁断し、ヒートシール部を形成することにより袋状の形態とする。ヒートシール部においては、B成分が溶融または軟化することにより接着し、芯成分であるA成分は熱の影響を受けずに繊維の形態を維持した状態となっている。ヒートシール部を形成して袋状物とするには、公知のヒートシーラーによる製袋加工によって行うことができる。このときのヒートシーラーの処理条件(設定温度、線圧、処理速度)は、B成分を溶融または軟化させ、A成分は熱の影響を受けない条件を設定するとよい。
【0027】
本発明の生分解性袋状物は、ヒートシールを有することにより袋形態となり、一辺に取り出し口を有する、いわゆる袋であってもよい。また、発熱剤、冷却剤、防虫剤等の各種収納物が収納され、ヒートシールにより閉じられて口を有しない袋状物であってもよい。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。下記の実施例および比較例において、各物性値は以下により求めた。
(1)MFR(g/10分);ASTM−D−1238に記載の方法に準じて温度210℃で測定した。
(2)重合体の融点(℃);パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DSC−7型を用い、試料重量を5mg、昇温速度を10℃/分として測定して得られた融解吸熱曲線の吸熱ピークの極値を与える温度を融点(℃)とした。
(3)糸切れ性;紡出糸条をエアーサッカーにて引き取る際に、10分あたりに糸切れが発生しなかったものを糸切れ性が良好であると判定して○で表した。また10分あたりに糸切れが発生したものを糸切れ性が不良であると判定して×で表した。
(4)目付(g/m);標準状態の試料から縦10cm×横10cmの試料片各10点を作製し、平衡水分に至らしめた後、各試料片の重量(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算して、不織布の目付(g/m)とした。
【0029】
実施例1
A成分として、融点168℃、MFR50g/10分であるL−乳酸/D−乳酸=98.6/1.4モル%のL−乳酸/D−乳酸共重合体(以下、P1と略記する)を用意した。一方、B成分として融点155℃、MFR70g/10分であるL−乳酸/D−乳酸=95.5/4.5モル%のL−乳酸/D−乳酸共重合体(以下、P2と略記する)と融点110℃、MFR50g/10分であるポリブチレンサクシネートテレフタレート重合体(イーストマンケミカル社製 商品名:イースターバイオGB;以下、P3と略記する)とを、P2/P3=80/20となるようにブレンドしてなるブレンド体(以下、P4と略記する)を用意した。
【0030】
前記2種類のポリマーを、P1を芯成分、P4を鞘成分とし、芯/鞘=3/1(質量比)となるように個別に計量した後、個別のエクストスーダー型押し出し機を用いて紡糸温度210℃で溶融し、芯鞘型の繊維断面となるように単孔吐出量2.9/分の条件下で溶融紡糸して、スパンボンド法により不織布を製造した。
【0031】
溶融紡糸による紡出糸条は、公知の冷却装置にて冷却した後、引き続いて紡糸口金の下方に設けたエア−サッカーにて牽引速度4700m/分で牽引細化し、公知の開繊器具を用いて開繊し、移動するスクリーンコンベア上にウエブとして捕集堆積させた。なお、堆積させた複合長繊維の単糸繊度は6.1デシテックスであった。糸切れ性は、○であった。
【0032】
次いで、このウエブをロール温度90℃としたエンボスロールからなる部分熱圧接装置に通して部分的に熱圧接し、目付が20g/mである長繊維不織布を得た。
【0033】
次いで、この不織布を用いて水切り袋を作製した。不織布を筒状にしながら両サイドにガゼット(マチ)を作製し、不織布の端部同士で1.5cmの重なり部を形成させ、その重なり部に幅0.5cmのヒートシール部を形成して、水切り袋の背開きシールとし、次いで、水切り袋の底部をヒートシールにより幅0.5cmのヒートシール部を形成し、高さ25cm、幅11cmの水切り袋を得た。
【0034】
得られた水切り袋を台所の排水口に設置して使用したところ、生ゴミ等を良好に捕集し、かつ、背開き、底部のヒートシール部は強固にシールされていた。
【0035】
実施例2
実施例1において、単孔吐出量を1.4g/分として単糸繊度を2.9デシテックス、目付を50g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸系長繊維不織布を得た。製造に際する糸切れ性は、○であった。
【0036】
次いで、得られた不織布を用いて袋を作製した。まず、不織布(50cm×15cm)の長辺の中央より二つ折りにして、両サイドをヒートシールにより幅0.5cmのヒートシール部を形成して袋とした。袋は、高さ25cm、幅15cmであった。なお、ヒートシールの処理条件は、温度145℃、面圧98N/cm、処理時間1秒とした。
【0037】
得られた袋のヒートシール部のヒートシール強力を測定したところ、16.4N/3cm幅であった、ヒートシール強力の測定方法は、以下のとおりである。すなわち、袋のヒートシール部を幅3cm、長さ5cmに裁断し、これを10点作製する。各試料毎に、定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUTM−4−1−100)を用い、ヒートシール部を中央に設定して、つかみ間隔5cm、引張速度20cm/分で伸張し、T字剥離強力を測定する。得られたT字剥離時の荷重の最大値と最小値をそれぞれ読みとり、その平均値を求め、試料10点測定した平均値をヒートシール強力(N/3cm幅)とした。
【0038】
比較例1
融点が168℃、MFRが70g/10分であるL−乳酸/D−乳酸=98.6/1.4モル%のL−乳酸/D−乳酸共重合体(P1)を計量した後、個別のエクストスーダー型押し出し機を用いて紡糸温度210℃で溶融し、単層型の繊維断面となるように単孔吐出量1.7g/分の条件下でスパンボンド法により溶融紡糸して不織布を製造した。
【0039】
溶融紡糸した紡出糸条を公知の冷却装置にて冷却した後、引き続いて紡糸口金の下方に設けたエア−サッカーにて牽引速度5000m/分で牽引細化し、公知の開繊器具を用いて開繊し、移動するスクリーンコンベア上にウエブとして捕集堆積させた。なお、堆積させた複合長繊維の単糸繊度は3.3デシテックスであった。糸切れ性は、○であった。
【0040】
次いで、このウエブをロール温度90℃としたエンボスロールからなる部分熱圧接装置に通して部分的に熱圧接し、目付が20g/mである長繊維不織布を得た。
【0041】
次いで、この不織布を用いて実施例1と同様の水切り袋を作成しようとし、ヒートシールの処理温度を150℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にしてヒートシール処理を行おうとしたが、不織布同士は接着せずにヒートシール部を形成することはできなかった。また、温度をさらに上げて、160℃と設定すると、不織布が収縮し、ヒートシール処理ができなかった。
【0042】
得られた実施例1、2の袋を形成する不織布について、下記の方法により生分解性能の評価を行ったところ、コンポスト中では3ヶ月後には不織布の形態が保持していない程度に分解が進行しており、生分解性能は良好であった。
(生分解性能)
約58℃に維持された熟成コンポスト中に不織布を埋設し、3ヶ月後に取り出し、不織布がその形態を保持していない場合、あるいは、その形態を保持していても引張強力が埋設前の強力初期値に対して50%以下に低下している場合に、生分解性能が良好であると評価した。これに対し、強力が埋設前の強力初期値に対して50%を超える場合に、生分解性能が不良であると評価した。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、ポリ乳酸系重合体(A成分)と、ポリ乳酸系重合体と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとのブレンド体(B成分)とからなる複合繊維を構成繊維とする不織布からなり、ヒートシール部を有することにより袋状となっている袋状物である。そして、ヒートシール部においては、B成分が溶融または軟化することにより接着されている。
【0044】
B成分には、A成分の融点よりも50℃以上低い融点を有する生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルがブレンドされており、これが主たる接着成分として寄与し、A成分との融点差が大きいため、ヒートシールにおいて、加工温度範囲を大きくとることができ、安定した加工を容易に行うことが可能となる。また、ヒートシール部においては、A成分は熱による影響を受けることなく、繊維形態を維持しているために、ヒートシール強力が向上し、優れたヒートシール性を有する袋状物を得ることができる。
【0045】
また、A成分およびB成分に用いるポリ乳酸系重合体の融点が、共に150℃以上であることから、結晶性が高く、熱的安定性を有するため、ヒートシール加工時に収縮が発生しにくくなる。
【0046】
本発明の生分解性袋状物は、調理場等の三角コーナー、排水口等に設置する水切り袋、発熱剤を収納して用いるカイロ用袋、冷却剤を収納して用いる保冷剤袋、各種液体の吸収材料を収納して用いる液体吸収袋、また、防虫剤を収納する防虫剤袋等の各種収納袋、また、酒や各種商品を包装するラッピング袋等の各種袋状物に用いることができ、一般生活資材として好適に用いることができる。また、一般生活資材用のみでなく、優れたヒートシール強力を奏するために、農業用や産業用等で用いる袋状物としても用いることができる。

Claims (6)

  1. ポリ乳酸系重合体(A成分)と、ポリ乳酸系重合体と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとのブレンド体(B成分)とからなる複合繊維を構成繊維とする不織布からなり、ヒートシール部を有することにより袋状となっており、複合繊維を構成する重合体は、下記(1)、(2)の溶融特性を満足するものであり、複合繊維の繊維表面の少なくとも一部をB成分が形成し、ヒートシール部においては、B成分が溶融または軟化することにより接着していることを特徴とする生分解性袋状物。
    (1)A成分およびB成分に用いるポリ乳酸系重合体の融点が共に150℃以上であること。
    (2)生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの融点がA成分の融点よりも50℃以上低いこと。
  2. 不織布は、B成分の溶融または軟化により繊維同士が熱接着して形態保持していることを特徴とする請求項1記載の生分解性袋状物。
  3. B成分のブレンド比率(質量比)が、ポリ乳酸系重合体/生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル=95/5〜70/30であることを特徴とする請求項1または2記載の生分解性袋状物。
  4. 複合繊維が、A成分が芯部を形成し、B成分が鞘部を形成してなる芯鞘型複合繊維であって、芯部と鞘部の複合比(質量比)が、芯部/鞘部=5/1〜1/1であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の生分解性袋状物。
  5. 生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルが、ポリブチレンサクシネートテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の生分解性袋状物。
  6. 不織布の目付が15〜70g/mであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の生分解性袋状物。
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