JP2004142562A - ターンシグナルスイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な機構を廃してコストを低減でき、機械式のターンシグナルスイッチと同等の操作性を確保することができるターンシグナルスイッチを提供すること。
【解決手段】ステアリングの操舵角を検出する舵角センサ35を設け、スイッチ操作部51の所定の可動範囲内に1段目接点41と2段目接点42の対を設け、1段目接点41の位置でON状態にした後でスイッチ操作部51から手を離すとスイッチ操作部51が中立位置に戻るようにし、かつ中立位置にするとターンシグナルをOFF状態にし、2段目接点42の位置でON状態にした後で舵角センサ35によって検出する操舵角が所定方向の所定角度になるとOFF状態にする制御回路部31を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】ステアリングの操舵角を検出する舵角センサ35を設け、スイッチ操作部51の所定の可動範囲内に1段目接点41と2段目接点42の対を設け、1段目接点41の位置でON状態にした後でスイッチ操作部51から手を離すとスイッチ操作部51が中立位置に戻るようにし、かつ中立位置にするとターンシグナルをOFF状態にし、2段目接点42の位置でON状態にした後で舵角センサ35によって検出する操舵角が所定方向の所定角度になるとOFF状態にする制御回路部31を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車のターンする方向を表示するためのターンシグナルスイッチの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来のターンシグナルスイッチでは、ON状態にしたターンシグナルを舵角センサより得られる舵角が所定の量に達するとキャンセルするとともに、手動のリセットスイッチによりターンシグナルをキャンセルしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−24904号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のターンシグナルスイッチにあっては、ON状態からOFF状態にするには、所定量の操舵角が得られるか、リセットスイッチを操作しなければならなかった。よって、従来の機械式のものでは車線変更時の際にターンシグナルを使用し、手を操作部から離すとターンシグナルがOFF状態になるのに比較して、リセットスイッチを操作する手間が増えるため、操作性が低くなってしまっていた。
【0005】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、複雑な機構を廃してコストを低減でき、機械式のターンシグナルスイッチと同等の操作性を確保することができるターンシグナルスイッチを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、車のターンする方向を表示するためのターンシグナルスイッチにおいて、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサを設け、スイッチ操作部の所定の可動範囲内に、スイッチ操作部の中立位置に近い第1接点と第1接点より遠い第2接点の対をスイッチの中立位置の両側にそれぞれ設け、中立位置から第1接点位置までスイッチ操作部が移動するとターンシグナルをON状態にし、第1接点位置でON状態にした後でスイッチ操作部から手を離すとスイッチ操作部が中立位置に戻るようにし、かつターンシグナルをOFF状態にし、中立位置から第1接点位置を通り第2接点位置までスイッチ操作部が移動するとターンシグナルをON状態にし、スイッチ操作部から手を離すとスイッチ操作部が中立位置に戻るようにし、かつターンシグナルをON状態に保持し、舵角センサによって検出する操舵角がスイッチ操作部に関連づけされる操舵方向と逆方向の所定角度まで戻るとOFF状態にするスイッチ制御手段を設けたことを特徴とする手段とした。
【0007】
請求項2記載の発明では、スイッチ制御手段が、スイッチ操作部が第2接点位置まで移動しターンシグナルをON状態に保持した後に、中立位置まで戻ったスイッチ操作部が逆側の第1接点位置まで移動するとターンシグナルをOFF状態にすることを特徴とする手段とした。
【0008】
請求項3記載の発明では、ターンシグナルレバーの途中を回転軸で固定し所定の範囲で回転自在に設けて一方をスイッチ操作部とし、他方をスイッチ部とし、スイッチ部の先端から突出する方向に進退自在な可動片を設け、可動片を突出する方向に付勢するスプリングを設け、スイッチ部が中立位置で可動片を最も進出させ、かつスイッチ部が中立位置から離れると除々に可動片を退行させるように可動片と傾斜して当接する溝部を設け、スプリングの付勢力によって手を離すと中立位置にターンシグナルレバーが戻るようにしたことを特徴とする手段とした。
【0009】
請求項4記載の発明では、中立位置から第1接点位置までの溝部と、第1接点位置から第2接点位置までの溝部との接続部分に段差を設け、スイッチ操作部の操作トルクが大きく必要な操作トルクの山部分を設けたことを特徴とする手段とした。
【0010】
【発明の作用と効果】
請求項1記載の発明では、通常の方向指示としてターンシグナルをON状態にするには、車両が進行方向を変更する方向に関連づけされたスイッチ操作部の方向に向かって、スイッチ操作部をその方向の第2接点位置まで移動させる。スイッチ操作部は中立位置まで戻るが、ターンシグナルはON状態に保持され、この第2接点位置でON状態にしたターンシグナルスイッチは、車両が進行方向を変更するようにステアリングが回転変位し、戻る操舵角の動きを舵角センサで検出し、スイッチ操作部に関連づけされる操舵方向と逆方向の所定角度に達するとスイッチ制御手段でOFF状態にする。
【0011】
さらに、車線変更を行う際には、車両が車線を変更する方向に関連づけされたスイッチ操作部の方向に向かって、スイッチ操作部をその方向の第1接点位置まで移動させる。このスイッチ操作部の状態を保ちながら、充分に方向指示を行い、車線変更を行って手をスイッチ操作部から離すとスイッチ操作部が中立位置に戻るとともに、スイッチ制御手段でターンシグナルOFF状態にする。
【0012】
このように、複雑な機構を用いずに機械式のターンシグナルスイッチと同等の操作性を確保することができるため、コストを低減でき使いやすいターンシグナルスイッチにできる。
【0013】
請求項2記載の発明では、スイッチ操作部を操作して、第2接点位置まで移動させターンシグナルをON状態に保持した後に、状況に応じて手動でスイッチ操作部を逆側の第1接点位置まで移動するとターンシグナルをOFF状態にする。このように手動によっても第2接点位置でON状態にしたターンシグナルをOFF状態にできるようにすれば、さらに使い勝手よく使用できるターンシグナルスイッチにできる。
【0014】
請求項3記載の発明では、ターンシグナルレバーのスイッチ操作部を所定の角度に回転させることで、ターンシグナルレバーの他方側であるスイッチ部を所定の角度に回転させ、中立位置から第1接点位置、第2接点位置へと移動させるようにする。このように簡単な機構で操作性のよいスイッチ操作部にできる。
【0015】
さらに、スイッチ部が中立位置から移動すると、スイッチ部の先端から突出するようスプリングで付勢された可動片が傾斜した溝との係合によって、スプリングの付勢力を中立位置から離れるに従って強くするようにする。よって、スプリングの付勢力で可動片が傾斜した溝にすべるようにして突出しようとするため、スイッチ部が中立位置に戻ろうとする。そのため、スイッチ操作部を中立位置から移動させて手を離すとスイッチ操作部が中立位置に戻る。このように、スイッチ操作部が手を離すと中立位置に戻ることは操作をさらに簡単にし、操作性をよくすることができる。
【0016】
請求項4記載の発明では、スイッチ操作部を第1接点位置からさらに第2接点位置へ動かす際に、ターンシグナルレバーのスイッチ部の可動片が溝の段差を通過するようにし、スイッチ操作部の操作トルクが大きく必要な操作トルクの山部分を設ける。よって、スイッチ操作部を操作する際には、その感触が操作する人に伝わるようにし、感触でスイッチ操作部の操作位置が変わったことをわかるように適度な節度感を持たせることができる。また、この操作トルクの山部分がもたらす節度感は、第2接点位置への移動に対する抵抗感をもたらすため、第2接点位置まで行かずに第1接点位置でとどめておくことも容易にできる。このため、
さらに感じよく使用でき、使いやすいターンシグナルスイッチにできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のターンシグナルスイッチを実現する実施の形態を、請求項1,2,3,4に係る発明に対応する実施例に基づいて説明する。
【0018】
(実施例)
【0019】
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例のターンシグナルスイッチを示す説明図である。図1における主要符号を説明すると、1はターンシグナルスイッチ、2は接触子、3は基板、4は基板パターン、41は1段目接点(第1接点)、42は2段目接点(第2接点)、43はグランド、5はターンシグナルレバー(スイッチ操作部)、51はターンシグナルレバーのスイッチ操作部、52はターンシグナルレバーのスイッチ部、6はバネ、7は可動片、8はケース、9は溝、10は溝の段差、11は回転軸、31は制御回路部(スイッチ制御手段)、32はフラッシャユニット、33はリレー、34はターンシグナルランプ、35は舵角センサである。
【0020】
本実施例では、図1に示すように、ターンシグナルレバー5の途中を回転軸11で回転自在に固定し、手で操作する部分をスイッチ操作部51とし、他方をケース8で覆ってスイッチ部52とする。ケース8で覆ったスイッチ部52には、3本が一体的に形成された接触子2を設ける。
【0021】
スイッチ部52の接触子2と対向した位置には基板3を設け、その基板3には図2に示すように基板パターン4として、スイッチ部52の可動範囲内で1本目の接触子2と常に接触するグランド43を設け、スイッチ部52の可動範囲の中央位置から両側に所定角度離れた位置から所定の角度範囲までで2本目の接触子2と接触する1段目接点41を設け、スイッチ部52の可動範囲の中央位置から両側の1段目接点41の外側からさらに外側の位置までの所定の角度範囲で3本目の接触子2と接触する2段目接点42を設ける。
【0022】
ターンシグナルレバー5のスイッチ部52先端には、所定の深さまでの穴部を設け、その穴に進退自在な可動片7を嵌入し、バネ6で可動片7を穴部から突出する方向に付勢する。
【0023】
ケース8内には、所定の角度でターンシグナルレバー5のスイッチ部52に当接してスイッチ部52の可動範囲を制限する部分を設ける。この所定範囲内でのスイッチ部52の動きにともなって所定の角度範囲を動くことになる可動片7に係合する溝9をケース8内部に設ける。溝9は、中立位置で最もスイッチ部52先端から離れるようにし、そこから徐々に1段目接点41に近づくにつれてスイッチ部52先端に近づくように傾斜させて設け、1段目接点41からさらに外側に向かう溝9部分には段差10を設け、そこからさらに外側に向かうにつれてスイッチ部52先端に近づくように傾斜させて溝9を設ける。
【0024】
このケース8内部に設けた溝9にスイッチ部52から突出する可動片7がバネ6の付勢力で先端部分を押し当てられるように係合させる。
【0025】
このターンシグナルスイッチ1は、図5に示すように基板3の基板パターン4と制御回路部31が接続される。また、舵角センサ35からのステアリングの操舵角の検出信号が制御回路部31に入力されるようにする。さらに、左右のターンシグナルランプ34を点滅させるフラッシャユニット32とターンシグナルランプ34の配線の途中にリレー33を設け、リレー33を制御回路部31で作動させるようにし、フラッシャユニット32はリレー33がONの時にターンシグナルランプ34を点滅させる。
【0026】
次に、作用を説明する。
【0027】
[制御回路部での制御]
図4は制御回路での処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0028】
ステップS1では、ターンシグナルランプ34を消灯(OFF状態)させる。
【0029】
ステップS2では、スイッチ操作部51が中立位置両側の1段目接点41の位置にあるかどうかを判断し、スイッチ操作部51が両側の1段目接点41の位置にあることを接点の導通で検知したならばステップS3に移行し、スイッチ操作部51が両側の1段目接点41の位置にないことを接点の導通がないことで判断したならばステップS5に移行する。
【0030】
ステップS3では、ターンシグナルランプ34を点滅(ON状態)させる。
【0031】
ステップS4では、スイッチ操作部51から手を離して中立位置に向かって移動し1段目接点が不導通になるのと、スイッチ操作部51を1段目接点41の位置を通過して2段目接点42に向かって移動し2段目接点が不導通になるのに対して、1段目接点での導通が維持されているかどうかを判断し、1段目接点41が不導通になったならばステップS5に移行し、1段目接点41が導通を維持しているならばステップS4に移行する。
【0032】
ステップS5では、スイッチ操作部51が両側の2段目接点42の位置にあるかどうか2段目接点の導通で判断し、スイッチ操作部51が両側の2段目接点42の位置にあるならばステップS6に移行し、スイッチ操作部51が両側の2段目接点42の位置にないならばステップS1に移行する。
【0033】
ステップS6では、スイッチ操作部が中立位置に戻ったかどうかを、1段目接点41が不導通でかつ2段目接点42が不導通となっているかどうかで判断し、不導通によりスイッチ操作部が中立位置に戻ったと判断したならばステップS7に移行し、導通によりスイッチ操作部が中立位置に戻っていないと判断したならばステップS6に移行する。
【0034】
ステップS7では、ターンシグナルランプ34を点滅(ON状態)させた状態で、舵角センサ35から得られるステアリングを戻す操作による戻す方向への操舵角の角度がθに達したかどうかを判断し、戻す方向への操舵角の角度がθに達したならばステップS1に移行し、戻す方向への操舵角の角度がθに達しないならばステップS8に移行する。
【0035】
ステップS8では、ターンシグナルランプ34を点滅(ON状態)させた状態で、スイッチ操作部51を2段目接点42の位置に移動させた方向と逆方向の1段目接点41の位置にスイッチ操作部51を移動させたかどうかを判断し、逆方向の1段目接点41の位置にスイッチ操作部51を移動させたならばステップS9に移行し、逆方向の1段目接点41の位置にスイッチ操作部51を移動させないならばステップS7に移行する。
【0036】
ステップS9では、ターンシグナルランプ34を消灯(OFF状態)させる。
【0037】
ステップS10では、スイッチ操作部51から手を離して中立位置に向かって移動し1段目接点が不導通になったか、1段目接点での導通が維持されているかどうかを判断し、1段目接点41が不導通になったならばステップS1に移行し、1段目接点41が導通を維持しているならばステップS10に移行する。
【0038】
[車両の進行方向の変更の際の方向指示作用と自動キャンセル作用]
車両が進行方向を変更する際には、ターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を変更する方向と同じ回転変位方向に移動させる。この移動量がθ1に達すると、ターンシグナルレバー5のスイッチ部52に設けた接触子2の2本目部分が基板パターン4の1段目接点41に接触し、制御回路部31がリレー33を作動させてその方向側のターンシグナルランプ34を点滅させる(図4のステップS1→S2→S3)。
さらにターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を変更する方向と同じ回転変位方向に移動させ、移動量がθ2に達すると、スイッチ部52に設けた接触子2の2本目部分が基板パターン4の1段目接点41に接触しない状態になるとともに、接触子2の3本目部分が基板パターン4の2段目接点42に接触する。この2段目接点42に接触に切り替わったことは制御回路部31に入力されるとともにターンシグナルランプ34の点滅状態が保持される(図4のステップS3→S4→S5)。
【0039】
このように2段目接点42の位置までターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を移動させた状態で、手を離すと、バネ6で付勢された可動片7が傾斜した溝9を押すため、溝9をすべるようにして中立位置に戻るため、ターンシグナルレバー5が中立位置に戻る。この際には、接触子2は1段目接点41、2段目接点42と接触しない状態となるが制御回路部31の制御によりターンシグナルランプ34のON状態を維持する(ステップS6)。
【0040】
θ2まで達してターンシグナルランプ34がON状態になったことは、ステップS5で判断される。この状態で、車両の進行方向の変更が終わり、ステアリングの回転変位が戻されると、逆方向へのステアリングの回転変位が所定のθに達したことをステップS7で判断し、ステップS1に移行してターンシグナルランプ34を消灯するOFF状態にする。
【0041】
[手動でのキャンセル作用]
このように2段目接点42の位置までターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を移動させ、ターンシグナルランプ34を点滅させるON状態にした後で、手動でキャンセルしてターンシグナルランプ34を消灯させるには、ON状態にしたのと逆方向の1段目接点41までターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を移動させるよう操作する。このことは、ステップS8で判断され制御回路部31がターンシグナルランプ34を消灯させる(ステップS9)。
また、ステップS10において、手動で消灯させるターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51の移動でさらにターンシグナルランプ34が点灯しないようにしている。
【0042】
[車線変更の際の方向指示作用]
車両の車線を変更するレーンチェンジの際には、ターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を1段目接点41の位置であるθ1まで移動させる。すると、スイッチ部52の1本目の接触子2が基板パターン4の1段目接点41と接触し、そのことがステップS2で判断されて制御回路部31が車線変更方向に対応したリレー33を作動させターンシグナルランプ34を点滅させる。この状態で車線変更を行って手をターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51から離すと、バネ6で付勢された可動片7が傾斜した溝9をすべるようにして中立位置にもどるため、ターンシグナルレバー5が中立位置に戻る。
このことはステップS4で判断され、ステップS5で2段目接点との導通がないことが確認されてからステップS1へ移行して制御回路部31がターンシグナルランプ34を消灯させる。
【0043】
[可動片による節度感]
【0044】
1段目接点41から、さらに2段目接点42にターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を移動させる際には、段差10を可動片7が乗り越えることが操作トルクのカーブに山部分を作ることとなる。この操作トルクの大きくなる山部分を超える際の軽い抵抗が適度な節度感となって、操作する人に感触でスイッチ操作部51の位置を知ることができるため、使用しやすくなるとともに、気持ちよく操作が行える。
また、ターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を1段目接点から変更する際に適度な抵抗感が得られるため、1段目接点での保持が容易に行えるようになる。
【0045】
次に、効果を説明する。
【0046】
第1実施例のターンシグナルスイッチ1にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0047】
(1)車のターンする方向を表示するためのターンシグナルスイッチ1において、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサ35を設け、スイッチ操作部51の所定の可動範囲内に、スイッチ操作部51の中立位置に近い1段目接点41と1段目接点41より遠い2段目接点42の対をスイッチの中立位置の両側にそれぞれ設け、中立位置から1段目接点41の位置までターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51が移動するとターンシグナルをON状態にし、1段目接点41の位置でON状態にした後でスイッチ操作部51から手を離すとスイッチ操作部51が中立位置に戻るようにし、かつ中立位置にするとターンシグナルをOFF状態にし、中立位置から1段目接点41の位置を通り2段目接点の位置までターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51が移動するとターンシグナルをON状態にし、スイッチ操作部51から手を離すとスイッチ操作部51が中立位置に戻るようにし、かつターンシグナルをON状態に保持し、舵角センサ35によって検出する操舵角がスイッチ操作部51に関連づけされる操舵方向と逆方向の所定角度まで戻るとOFF状態にする制御回路部31を設けたため、複雑な機構を用いずに機械式のターンシグナルスイッチ1と同等の操作性を確保することができるため、コストを低減でき使いやすいターンシグナルスイッチ1にできる。
【0048】
(2)制御回路部31が、スイッチ操作部51が2段目接点42まで移動しターンシグナルをON状態に保持した後に、中立位置まで戻ったスイッチ操作部51が逆側の1段目接点41まで移動するとターンシグナルをOFF状態にするため、手動によっても第2接点位置でON状態にしたターンシグナルをOFF状態にできるようにし、さらに使い勝手よく使用できるターンシグナルスイッチにできる。
【0049】
(3)ターンシグナルレバー5の途中を回転軸11で固定し所定の範囲で回転自在に設けて一方をスイッチ操作部51とし、他方をスイッチ部52とし、スイッチ部52の先端から突出する方向に進退自在な可動片7を設け、可動片7を突出する方向に付勢するバネ6を設け、スイッチ部52が中立位置で可動片7を最も進出させ、かつスイッチ部52が中立位置から離れると除々に可動片7を退行させるように可動片7と傾斜して当接する溝9を設け、バネ6の付勢力によって手を離すと中立位置にターンシグナルレバー5が戻るようにしたため、スイッチ操作部51が手を離すと中立位置に戻ることは操作をさらに簡単にし、操作性をよくすることができる。
【0050】
(4)中立位置から1段目接点41の位置までの溝9部と、1段目接点41の位置から2段目接点42の位置までの溝9部との接続部分に段差10を設け、スイッチ操作部51の操作トルクが大きく必要な操作トルクの山部分を設けたため、感触でスイッチ操作部51の操作位置が変わったことをわかるようにし、1段目接点41の位置でとどめておくことも容易にでき、さらに感じよく使用でき、使いやすいターンシグナルスイッチにできる。
【0051】
以上、本発明のターンシグナルスイッチ1を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0052】
例えば、溝は全体として円錐形状の溝でも、幅を持った帯状の溝でもよい。
【0053】
ターンシグナルレバーの取り付け位置は、ターンシグナルレバーの中立位置からの移動方向が車両の変更方向とわかりやすく関連づけされるものであれば、他の取り付けであってもよい。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のターンシグナルスイッチを示す説明図である。
【図2】第1実施例のターンシグナルスイッチの基板を示す説明図である。
【図3】第1実施例のターンシグナルスイッチの一部を拡大した部分断面図である。
【図4】第1実施例のターンシグナルスイッチにおける制御回路部の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図5】第2実施例のターンシグナルスイッチにブロック図である。
【図6】第3実施例のターンシグナルスイッチにおけるステアリング角度の説明図である。
【符号の説明】
1 ターンシグナルスイッチ
2 接触子
3 基板
4 基板パターン
41 1段目接点
42 2段目接点
43 グランド
5 ターンシグナルレバー
51 (ターンシグナルレバーの)スイッチ操作部
52 (ターンシグナルレバーの)スイッチ部
6 バネ
7 可動片
8 ケース
9 溝
10 段差
11 回転軸
31 制御回路部
32 フラッシャユニット
33 リレー
34 ターンシグナルランプ
35 舵角センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、車のターンする方向を表示するためのターンシグナルスイッチの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来のターンシグナルスイッチでは、ON状態にしたターンシグナルを舵角センサより得られる舵角が所定の量に達するとキャンセルするとともに、手動のリセットスイッチによりターンシグナルをキャンセルしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−24904号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のターンシグナルスイッチにあっては、ON状態からOFF状態にするには、所定量の操舵角が得られるか、リセットスイッチを操作しなければならなかった。よって、従来の機械式のものでは車線変更時の際にターンシグナルを使用し、手を操作部から離すとターンシグナルがOFF状態になるのに比較して、リセットスイッチを操作する手間が増えるため、操作性が低くなってしまっていた。
【0005】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、複雑な機構を廃してコストを低減でき、機械式のターンシグナルスイッチと同等の操作性を確保することができるターンシグナルスイッチを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、車のターンする方向を表示するためのターンシグナルスイッチにおいて、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサを設け、スイッチ操作部の所定の可動範囲内に、スイッチ操作部の中立位置に近い第1接点と第1接点より遠い第2接点の対をスイッチの中立位置の両側にそれぞれ設け、中立位置から第1接点位置までスイッチ操作部が移動するとターンシグナルをON状態にし、第1接点位置でON状態にした後でスイッチ操作部から手を離すとスイッチ操作部が中立位置に戻るようにし、かつターンシグナルをOFF状態にし、中立位置から第1接点位置を通り第2接点位置までスイッチ操作部が移動するとターンシグナルをON状態にし、スイッチ操作部から手を離すとスイッチ操作部が中立位置に戻るようにし、かつターンシグナルをON状態に保持し、舵角センサによって検出する操舵角がスイッチ操作部に関連づけされる操舵方向と逆方向の所定角度まで戻るとOFF状態にするスイッチ制御手段を設けたことを特徴とする手段とした。
【0007】
請求項2記載の発明では、スイッチ制御手段が、スイッチ操作部が第2接点位置まで移動しターンシグナルをON状態に保持した後に、中立位置まで戻ったスイッチ操作部が逆側の第1接点位置まで移動するとターンシグナルをOFF状態にすることを特徴とする手段とした。
【0008】
請求項3記載の発明では、ターンシグナルレバーの途中を回転軸で固定し所定の範囲で回転自在に設けて一方をスイッチ操作部とし、他方をスイッチ部とし、スイッチ部の先端から突出する方向に進退自在な可動片を設け、可動片を突出する方向に付勢するスプリングを設け、スイッチ部が中立位置で可動片を最も進出させ、かつスイッチ部が中立位置から離れると除々に可動片を退行させるように可動片と傾斜して当接する溝部を設け、スプリングの付勢力によって手を離すと中立位置にターンシグナルレバーが戻るようにしたことを特徴とする手段とした。
【0009】
請求項4記載の発明では、中立位置から第1接点位置までの溝部と、第1接点位置から第2接点位置までの溝部との接続部分に段差を設け、スイッチ操作部の操作トルクが大きく必要な操作トルクの山部分を設けたことを特徴とする手段とした。
【0010】
【発明の作用と効果】
請求項1記載の発明では、通常の方向指示としてターンシグナルをON状態にするには、車両が進行方向を変更する方向に関連づけされたスイッチ操作部の方向に向かって、スイッチ操作部をその方向の第2接点位置まで移動させる。スイッチ操作部は中立位置まで戻るが、ターンシグナルはON状態に保持され、この第2接点位置でON状態にしたターンシグナルスイッチは、車両が進行方向を変更するようにステアリングが回転変位し、戻る操舵角の動きを舵角センサで検出し、スイッチ操作部に関連づけされる操舵方向と逆方向の所定角度に達するとスイッチ制御手段でOFF状態にする。
【0011】
さらに、車線変更を行う際には、車両が車線を変更する方向に関連づけされたスイッチ操作部の方向に向かって、スイッチ操作部をその方向の第1接点位置まで移動させる。このスイッチ操作部の状態を保ちながら、充分に方向指示を行い、車線変更を行って手をスイッチ操作部から離すとスイッチ操作部が中立位置に戻るとともに、スイッチ制御手段でターンシグナルOFF状態にする。
【0012】
このように、複雑な機構を用いずに機械式のターンシグナルスイッチと同等の操作性を確保することができるため、コストを低減でき使いやすいターンシグナルスイッチにできる。
【0013】
請求項2記載の発明では、スイッチ操作部を操作して、第2接点位置まで移動させターンシグナルをON状態に保持した後に、状況に応じて手動でスイッチ操作部を逆側の第1接点位置まで移動するとターンシグナルをOFF状態にする。このように手動によっても第2接点位置でON状態にしたターンシグナルをOFF状態にできるようにすれば、さらに使い勝手よく使用できるターンシグナルスイッチにできる。
【0014】
請求項3記載の発明では、ターンシグナルレバーのスイッチ操作部を所定の角度に回転させることで、ターンシグナルレバーの他方側であるスイッチ部を所定の角度に回転させ、中立位置から第1接点位置、第2接点位置へと移動させるようにする。このように簡単な機構で操作性のよいスイッチ操作部にできる。
【0015】
さらに、スイッチ部が中立位置から移動すると、スイッチ部の先端から突出するようスプリングで付勢された可動片が傾斜した溝との係合によって、スプリングの付勢力を中立位置から離れるに従って強くするようにする。よって、スプリングの付勢力で可動片が傾斜した溝にすべるようにして突出しようとするため、スイッチ部が中立位置に戻ろうとする。そのため、スイッチ操作部を中立位置から移動させて手を離すとスイッチ操作部が中立位置に戻る。このように、スイッチ操作部が手を離すと中立位置に戻ることは操作をさらに簡単にし、操作性をよくすることができる。
【0016】
請求項4記載の発明では、スイッチ操作部を第1接点位置からさらに第2接点位置へ動かす際に、ターンシグナルレバーのスイッチ部の可動片が溝の段差を通過するようにし、スイッチ操作部の操作トルクが大きく必要な操作トルクの山部分を設ける。よって、スイッチ操作部を操作する際には、その感触が操作する人に伝わるようにし、感触でスイッチ操作部の操作位置が変わったことをわかるように適度な節度感を持たせることができる。また、この操作トルクの山部分がもたらす節度感は、第2接点位置への移動に対する抵抗感をもたらすため、第2接点位置まで行かずに第1接点位置でとどめておくことも容易にできる。このため、
さらに感じよく使用でき、使いやすいターンシグナルスイッチにできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のターンシグナルスイッチを実現する実施の形態を、請求項1,2,3,4に係る発明に対応する実施例に基づいて説明する。
【0018】
(実施例)
【0019】
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例のターンシグナルスイッチを示す説明図である。図1における主要符号を説明すると、1はターンシグナルスイッチ、2は接触子、3は基板、4は基板パターン、41は1段目接点(第1接点)、42は2段目接点(第2接点)、43はグランド、5はターンシグナルレバー(スイッチ操作部)、51はターンシグナルレバーのスイッチ操作部、52はターンシグナルレバーのスイッチ部、6はバネ、7は可動片、8はケース、9は溝、10は溝の段差、11は回転軸、31は制御回路部(スイッチ制御手段)、32はフラッシャユニット、33はリレー、34はターンシグナルランプ、35は舵角センサである。
【0020】
本実施例では、図1に示すように、ターンシグナルレバー5の途中を回転軸11で回転自在に固定し、手で操作する部分をスイッチ操作部51とし、他方をケース8で覆ってスイッチ部52とする。ケース8で覆ったスイッチ部52には、3本が一体的に形成された接触子2を設ける。
【0021】
スイッチ部52の接触子2と対向した位置には基板3を設け、その基板3には図2に示すように基板パターン4として、スイッチ部52の可動範囲内で1本目の接触子2と常に接触するグランド43を設け、スイッチ部52の可動範囲の中央位置から両側に所定角度離れた位置から所定の角度範囲までで2本目の接触子2と接触する1段目接点41を設け、スイッチ部52の可動範囲の中央位置から両側の1段目接点41の外側からさらに外側の位置までの所定の角度範囲で3本目の接触子2と接触する2段目接点42を設ける。
【0022】
ターンシグナルレバー5のスイッチ部52先端には、所定の深さまでの穴部を設け、その穴に進退自在な可動片7を嵌入し、バネ6で可動片7を穴部から突出する方向に付勢する。
【0023】
ケース8内には、所定の角度でターンシグナルレバー5のスイッチ部52に当接してスイッチ部52の可動範囲を制限する部分を設ける。この所定範囲内でのスイッチ部52の動きにともなって所定の角度範囲を動くことになる可動片7に係合する溝9をケース8内部に設ける。溝9は、中立位置で最もスイッチ部52先端から離れるようにし、そこから徐々に1段目接点41に近づくにつれてスイッチ部52先端に近づくように傾斜させて設け、1段目接点41からさらに外側に向かう溝9部分には段差10を設け、そこからさらに外側に向かうにつれてスイッチ部52先端に近づくように傾斜させて溝9を設ける。
【0024】
このケース8内部に設けた溝9にスイッチ部52から突出する可動片7がバネ6の付勢力で先端部分を押し当てられるように係合させる。
【0025】
このターンシグナルスイッチ1は、図5に示すように基板3の基板パターン4と制御回路部31が接続される。また、舵角センサ35からのステアリングの操舵角の検出信号が制御回路部31に入力されるようにする。さらに、左右のターンシグナルランプ34を点滅させるフラッシャユニット32とターンシグナルランプ34の配線の途中にリレー33を設け、リレー33を制御回路部31で作動させるようにし、フラッシャユニット32はリレー33がONの時にターンシグナルランプ34を点滅させる。
【0026】
次に、作用を説明する。
【0027】
[制御回路部での制御]
図4は制御回路での処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0028】
ステップS1では、ターンシグナルランプ34を消灯(OFF状態)させる。
【0029】
ステップS2では、スイッチ操作部51が中立位置両側の1段目接点41の位置にあるかどうかを判断し、スイッチ操作部51が両側の1段目接点41の位置にあることを接点の導通で検知したならばステップS3に移行し、スイッチ操作部51が両側の1段目接点41の位置にないことを接点の導通がないことで判断したならばステップS5に移行する。
【0030】
ステップS3では、ターンシグナルランプ34を点滅(ON状態)させる。
【0031】
ステップS4では、スイッチ操作部51から手を離して中立位置に向かって移動し1段目接点が不導通になるのと、スイッチ操作部51を1段目接点41の位置を通過して2段目接点42に向かって移動し2段目接点が不導通になるのに対して、1段目接点での導通が維持されているかどうかを判断し、1段目接点41が不導通になったならばステップS5に移行し、1段目接点41が導通を維持しているならばステップS4に移行する。
【0032】
ステップS5では、スイッチ操作部51が両側の2段目接点42の位置にあるかどうか2段目接点の導通で判断し、スイッチ操作部51が両側の2段目接点42の位置にあるならばステップS6に移行し、スイッチ操作部51が両側の2段目接点42の位置にないならばステップS1に移行する。
【0033】
ステップS6では、スイッチ操作部が中立位置に戻ったかどうかを、1段目接点41が不導通でかつ2段目接点42が不導通となっているかどうかで判断し、不導通によりスイッチ操作部が中立位置に戻ったと判断したならばステップS7に移行し、導通によりスイッチ操作部が中立位置に戻っていないと判断したならばステップS6に移行する。
【0034】
ステップS7では、ターンシグナルランプ34を点滅(ON状態)させた状態で、舵角センサ35から得られるステアリングを戻す操作による戻す方向への操舵角の角度がθに達したかどうかを判断し、戻す方向への操舵角の角度がθに達したならばステップS1に移行し、戻す方向への操舵角の角度がθに達しないならばステップS8に移行する。
【0035】
ステップS8では、ターンシグナルランプ34を点滅(ON状態)させた状態で、スイッチ操作部51を2段目接点42の位置に移動させた方向と逆方向の1段目接点41の位置にスイッチ操作部51を移動させたかどうかを判断し、逆方向の1段目接点41の位置にスイッチ操作部51を移動させたならばステップS9に移行し、逆方向の1段目接点41の位置にスイッチ操作部51を移動させないならばステップS7に移行する。
【0036】
ステップS9では、ターンシグナルランプ34を消灯(OFF状態)させる。
【0037】
ステップS10では、スイッチ操作部51から手を離して中立位置に向かって移動し1段目接点が不導通になったか、1段目接点での導通が維持されているかどうかを判断し、1段目接点41が不導通になったならばステップS1に移行し、1段目接点41が導通を維持しているならばステップS10に移行する。
【0038】
[車両の進行方向の変更の際の方向指示作用と自動キャンセル作用]
車両が進行方向を変更する際には、ターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を変更する方向と同じ回転変位方向に移動させる。この移動量がθ1に達すると、ターンシグナルレバー5のスイッチ部52に設けた接触子2の2本目部分が基板パターン4の1段目接点41に接触し、制御回路部31がリレー33を作動させてその方向側のターンシグナルランプ34を点滅させる(図4のステップS1→S2→S3)。
さらにターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を変更する方向と同じ回転変位方向に移動させ、移動量がθ2に達すると、スイッチ部52に設けた接触子2の2本目部分が基板パターン4の1段目接点41に接触しない状態になるとともに、接触子2の3本目部分が基板パターン4の2段目接点42に接触する。この2段目接点42に接触に切り替わったことは制御回路部31に入力されるとともにターンシグナルランプ34の点滅状態が保持される(図4のステップS3→S4→S5)。
【0039】
このように2段目接点42の位置までターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を移動させた状態で、手を離すと、バネ6で付勢された可動片7が傾斜した溝9を押すため、溝9をすべるようにして中立位置に戻るため、ターンシグナルレバー5が中立位置に戻る。この際には、接触子2は1段目接点41、2段目接点42と接触しない状態となるが制御回路部31の制御によりターンシグナルランプ34のON状態を維持する(ステップS6)。
【0040】
θ2まで達してターンシグナルランプ34がON状態になったことは、ステップS5で判断される。この状態で、車両の進行方向の変更が終わり、ステアリングの回転変位が戻されると、逆方向へのステアリングの回転変位が所定のθに達したことをステップS7で判断し、ステップS1に移行してターンシグナルランプ34を消灯するOFF状態にする。
【0041】
[手動でのキャンセル作用]
このように2段目接点42の位置までターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を移動させ、ターンシグナルランプ34を点滅させるON状態にした後で、手動でキャンセルしてターンシグナルランプ34を消灯させるには、ON状態にしたのと逆方向の1段目接点41までターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を移動させるよう操作する。このことは、ステップS8で判断され制御回路部31がターンシグナルランプ34を消灯させる(ステップS9)。
また、ステップS10において、手動で消灯させるターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51の移動でさらにターンシグナルランプ34が点灯しないようにしている。
【0042】
[車線変更の際の方向指示作用]
車両の車線を変更するレーンチェンジの際には、ターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を1段目接点41の位置であるθ1まで移動させる。すると、スイッチ部52の1本目の接触子2が基板パターン4の1段目接点41と接触し、そのことがステップS2で判断されて制御回路部31が車線変更方向に対応したリレー33を作動させターンシグナルランプ34を点滅させる。この状態で車線変更を行って手をターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51から離すと、バネ6で付勢された可動片7が傾斜した溝9をすべるようにして中立位置にもどるため、ターンシグナルレバー5が中立位置に戻る。
このことはステップS4で判断され、ステップS5で2段目接点との導通がないことが確認されてからステップS1へ移行して制御回路部31がターンシグナルランプ34を消灯させる。
【0043】
[可動片による節度感]
【0044】
1段目接点41から、さらに2段目接点42にターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を移動させる際には、段差10を可動片7が乗り越えることが操作トルクのカーブに山部分を作ることとなる。この操作トルクの大きくなる山部分を超える際の軽い抵抗が適度な節度感となって、操作する人に感触でスイッチ操作部51の位置を知ることができるため、使用しやすくなるとともに、気持ちよく操作が行える。
また、ターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51を1段目接点から変更する際に適度な抵抗感が得られるため、1段目接点での保持が容易に行えるようになる。
【0045】
次に、効果を説明する。
【0046】
第1実施例のターンシグナルスイッチ1にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0047】
(1)車のターンする方向を表示するためのターンシグナルスイッチ1において、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサ35を設け、スイッチ操作部51の所定の可動範囲内に、スイッチ操作部51の中立位置に近い1段目接点41と1段目接点41より遠い2段目接点42の対をスイッチの中立位置の両側にそれぞれ設け、中立位置から1段目接点41の位置までターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51が移動するとターンシグナルをON状態にし、1段目接点41の位置でON状態にした後でスイッチ操作部51から手を離すとスイッチ操作部51が中立位置に戻るようにし、かつ中立位置にするとターンシグナルをOFF状態にし、中立位置から1段目接点41の位置を通り2段目接点の位置までターンシグナルレバー5のスイッチ操作部51が移動するとターンシグナルをON状態にし、スイッチ操作部51から手を離すとスイッチ操作部51が中立位置に戻るようにし、かつターンシグナルをON状態に保持し、舵角センサ35によって検出する操舵角がスイッチ操作部51に関連づけされる操舵方向と逆方向の所定角度まで戻るとOFF状態にする制御回路部31を設けたため、複雑な機構を用いずに機械式のターンシグナルスイッチ1と同等の操作性を確保することができるため、コストを低減でき使いやすいターンシグナルスイッチ1にできる。
【0048】
(2)制御回路部31が、スイッチ操作部51が2段目接点42まで移動しターンシグナルをON状態に保持した後に、中立位置まで戻ったスイッチ操作部51が逆側の1段目接点41まで移動するとターンシグナルをOFF状態にするため、手動によっても第2接点位置でON状態にしたターンシグナルをOFF状態にできるようにし、さらに使い勝手よく使用できるターンシグナルスイッチにできる。
【0049】
(3)ターンシグナルレバー5の途中を回転軸11で固定し所定の範囲で回転自在に設けて一方をスイッチ操作部51とし、他方をスイッチ部52とし、スイッチ部52の先端から突出する方向に進退自在な可動片7を設け、可動片7を突出する方向に付勢するバネ6を設け、スイッチ部52が中立位置で可動片7を最も進出させ、かつスイッチ部52が中立位置から離れると除々に可動片7を退行させるように可動片7と傾斜して当接する溝9を設け、バネ6の付勢力によって手を離すと中立位置にターンシグナルレバー5が戻るようにしたため、スイッチ操作部51が手を離すと中立位置に戻ることは操作をさらに簡単にし、操作性をよくすることができる。
【0050】
(4)中立位置から1段目接点41の位置までの溝9部と、1段目接点41の位置から2段目接点42の位置までの溝9部との接続部分に段差10を設け、スイッチ操作部51の操作トルクが大きく必要な操作トルクの山部分を設けたため、感触でスイッチ操作部51の操作位置が変わったことをわかるようにし、1段目接点41の位置でとどめておくことも容易にでき、さらに感じよく使用でき、使いやすいターンシグナルスイッチにできる。
【0051】
以上、本発明のターンシグナルスイッチ1を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0052】
例えば、溝は全体として円錐形状の溝でも、幅を持った帯状の溝でもよい。
【0053】
ターンシグナルレバーの取り付け位置は、ターンシグナルレバーの中立位置からの移動方向が車両の変更方向とわかりやすく関連づけされるものであれば、他の取り付けであってもよい。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のターンシグナルスイッチを示す説明図である。
【図2】第1実施例のターンシグナルスイッチの基板を示す説明図である。
【図3】第1実施例のターンシグナルスイッチの一部を拡大した部分断面図である。
【図4】第1実施例のターンシグナルスイッチにおける制御回路部の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図5】第2実施例のターンシグナルスイッチにブロック図である。
【図6】第3実施例のターンシグナルスイッチにおけるステアリング角度の説明図である。
【符号の説明】
1 ターンシグナルスイッチ
2 接触子
3 基板
4 基板パターン
41 1段目接点
42 2段目接点
43 グランド
5 ターンシグナルレバー
51 (ターンシグナルレバーの)スイッチ操作部
52 (ターンシグナルレバーの)スイッチ部
6 バネ
7 可動片
8 ケース
9 溝
10 段差
11 回転軸
31 制御回路部
32 フラッシャユニット
33 リレー
34 ターンシグナルランプ
35 舵角センサ
Claims (4)
- 車のターンする方向を表示するためのターンシグナルスイッチにおいて、
ステアリングの操舵角を検出する舵角センサを設け、スイッチ操作部の所定の可動範囲内に、同スイッチ操作部の中立位置に近い第1接点と第1接点より遠い第2接点の対をスイッチの中立位置の両側にそれぞれ設け、
中立位置から第1接点位置まで前記スイッチ操作部が移動するとターンシグナルをON状態にし、前記第1接点位置でON状態にした後で前記スイッチ操作部から手を離すと前記スイッチ操作部が中立位置に戻るようにし、かつ前記ターンシグナルをOFF状態にし、
中立位置から第1接点位置を通り第2接点位置まで前記スイッチ操作部が移動するとターンシグナルをON状態にし、前記スイッチ操作部から手を離すと前記スイッチ操作部が中立位置に戻るようにし、かつターンシグナルをON状態に保持し、前記舵角センサによって検出する操舵角がスイッチ操作部に関連づけされる操舵方向と逆方向の所定角度まで戻るとOFF状態にするスイッチ制御手段を設けたことを特徴とするターンシグナルスイッチ。 - 請求項1に記載されたターンシグナルスイッチにおいて、
スイッチ制御手段が、スイッチ操作部が第2接点位置まで移動しターンシグナルをON状態に保持した後に、中立位置まで戻ったスイッチ操作部が逆側の第1接点位置まで移動するとターンシグナルをOFF状態にすることを特徴とするターンシグナルスイッチ。 - 請求項1または請求項2に記載されたターンシグナルスイッチにおいて、
ターンシグナルレバーの途中を回転軸で固定し所定の範囲で回転自在に設けて一方をスイッチ操作部とし、他方をスイッチ部とし、同スイッチ部の先端から突出する方向に進退自在な可動片を設け、同可動片を突出する方向に付勢するスプリングを設け、前記スイッチ部が中立位置で可動片を最も進出させ、かつ前記スイッチ部が中立位置から離れると除々に可動片を退行させるように可動片と傾斜して当接する溝部を設け、スプリングの付勢力によって手を離すと中立位置に前記ターンシグナルレバーが戻るようにしたことを特徴とするターンシグナルスイッチ。 - 請求項3に記載されたターンシグナルスイッチにおいて、中立位置から第1接点位置までの溝部と、第1接点位置から第2接点位置までの溝部との接続部分に段差を設け、スイッチ操作部の操作トルクが大きく必要な操作トルクの山部分を設けたことを特徴とするターンシグナルスイッチ。
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-
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