JP2004142560A - 方向指示器制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリング機構が一方側に操舵された後に舵角中点へ戻されるのに合わせて、方向指示器による方向指示動作を確実に自動終了させる。
【解決手段】方向指示器1に付設された方向指示器制御装置2は、マイクロコンピュータを含む構成のコントローラ21と、ステアリングホイールの操舵角度を検出するための舵角センサ22と、車速を検出する車速センサ23と、操作レバー11に関連して設けられて、操作レバー11を左折操作位置および右折操作位置から中立位置に戻すための電気式リターン機構24とを備えている。コントローラ21は、舵角センサ22によって検出される操舵角度が、車速に応じた電気式リターン動作角度以上になった後に舵角中点を含む所定角度範囲内に下がると、通電回路243を制御して、通電回路243から電磁部材242に通電させることにより、電気式リターン機構24を作動させる。
【選択図】 図1
【解決手段】方向指示器1に付設された方向指示器制御装置2は、マイクロコンピュータを含む構成のコントローラ21と、ステアリングホイールの操舵角度を検出するための舵角センサ22と、車速を検出する車速センサ23と、操作レバー11に関連して設けられて、操作レバー11を左折操作位置および右折操作位置から中立位置に戻すための電気式リターン機構24とを備えている。コントローラ21は、舵角センサ22によって検出される操舵角度が、車速に応じた電気式リターン動作角度以上になった後に舵角中点を含む所定角度範囲内に下がると、通電回路243を制御して、通電回路243から電磁部材242に通電させることにより、電気式リターン機構24を作動させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の方向指示器を制御する方向指示器制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、四輪自動車などの車両には、自車両の進行方向を他車両の運転者や歩行者などに知らせるための方向指示器が備えられている(たとえば、特許文献1参照)。
方向指示器は、車体に配設された左右ターンランプと、ステアリングホイールの近傍に設けられた操作レバーと、この操作レバーに関連して設けられた左右ターンスイッチとを有している。操作レバーは、中立位置から左折操作位置および右折操作位置に変位させることができ、左折操作位置または右折操作位置に変位させると、その左折操作位置または右折操作位置で保持されるようになっている。操作レバーが左折操作位置に変位されて、その左折操作位置で保持されている間、左ターンスイッチがオンになり、左ターンランプが一定の周期で点滅する。また、操作レバーが右折操作位置に変位されて、その右折操作位置で保持されている間、右ターンスイッチがオンになり、右ターンランプが一定の周期で点滅する。
【0003】
方向指示器にはさらに、ステアリングホイールの操作に合わせて、左折操作位置または右折操作位置に保持された操作レバーを中立位置へ自動的に戻すための機械式のリターン機構が設けられている。操作レバーを左折操作位置または右折操作位置に変位させた後、ステアリングホイールを左側または右側に一定角度以上切り込んでから舵角中点(車両直進時の操舵角度)に戻すといった操作を行うと、リターン機構の働きにより、ステアリングホイールの舵角中点への戻しに合わせて、左折操作位置または右折操作位置に保持された操作レバーが中立位置に自動的に戻される。操作レバーが中立位置に戻ると、それまで点滅していた左ターンランプまたは右ターンランプは消灯する。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−301509号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、高速走行中のレーンチェンジ時は、ステアリングホイールの切り込み角度(操舵角度)が小さいので、ステアリングホイールを舵角中点に戻しても、左折操作位置または右折操作位置に保持された操作レバーが中立位置に戻されず、左ターンランプまたは右ターンランプが点滅し続ける場合がある。この場合、運転者が操作レバーを手動で中立位置に戻して、左ターンランプまたは右ターンランプを消灯させなければならず、車両の運転(ステアリングホイールの操作)に支障を来すおそれがある。
【0006】
そこで、この発明の目的は、ステアリング機構が一方側に操舵された後に舵角中点へ戻されるのに合わせて、方向指示器による方向指示動作を確実に自動終了させることができる方向指示器制御装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、車速を検出する車速検出手段(23;35)と、ステアリング機構の操舵角度を検出する操舵角度検出手段(22;34)と、(予め定める関係に基づいて、)上記車速検出手段によって検出される車速に応じた動作終了角度を設定する動作終了角度設定手段(21;31)と、上記操舵角度検出手段によって検出される操舵角度が、上記動作終了角度設定手段によって設定された動作終了角度に達した後に舵角中点を含む所定角度範囲内になったことに応答して、方向指示器(1;3)による方向指示動作を終了させる方向指示動作終了制御手段(21;31)とを含むことを特徴とする方向指示器制御装置(2;31,34,35)である。
【0008】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の構成によれば、操舵角度が車速に応じて設定された動作終了角度に達した後に舵角中点を含む所定角度範囲内になると、方向指示器による方向指示動作が終了される。
これにより、車速が大きいほど動作終了角度を小さな角度に定めるようにすれば、高速走行中のレーンチェンジ時のように、ステアリング機構の操舵角度が小さい場合でも、方向指示器による方向指示動作を確実に自動終了させることができる。また、低速走行時には動作終了角度が大きな角度に定められるので、方向指示器による方向指示動作が開始されてから、交差点で左折または右折を開始するまでの間に、方向指示器による方向指示動作が終了されるといった不都合が生じることもない。
【0009】
なお、請求項2に記載のように、上記方向指示器が、中立位置、左折操作位置および右折操作位置に変位させることができる操作部材(11)と、この操作部材が左折操作位置に変位された状態で点滅動作する左ターンランプと、上記操作部材が右折操作位置に変位された状態で点滅動作する右ターンランプとを備えたものである場合、上記方向指示器制御装置は、上記左折操作位置または右折操作位置に変位されている上記操作部材を上記中立位置に戻すためのリターン機構(24)をさらに含み、上記方向指示動作終了制御手段(21)は、上記操舵角度検出手段によって検出される操舵角度が、上記動作終了角度設定手段によって設定された動作終了角度に達した後に舵角中点を含む所定角度範囲内になったことに応答して、上記リターン機構を作動させて、上記操作部材を上記中立位置に戻すことにより、上記方向指示器による方向指示動作を終了させるものであることが好ましい。この構成によれば、ステアリング機構が左側または右側へ操舵された後に舵角中点へ戻されるのに合わせて、方向指示器による方向指示動作の終了とともに、操作部材を左折操作位置または右折操作位置から中立位置に戻すことができる。よって、運転者が操作部材を手動で中立位置に戻す必要がないから、車両運転の安全性を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る方向指示器制御装置が付設された方向指示器の構成を概念的に示すブロック図である。方向指示器1は、四輪自動車などの車両(車体)のフロント部およびリア部にそれぞれ配設された左右一対のターンランプ(図示せず)を点滅動作させて、自車両の進行方向を他車両の運転者や歩行者などに知らせる方向指示動作を行うものであり、ステアリングホイールの近傍に設けられた操作レバー11(操作部材)と、この操作レバー11に関連して設けられた左右ターンスイッチ12L,12Rとを備えている。
【0011】
操作レバー11は、車両の運転席から見て、たとえば、ステアリング軸Sを挿通するコラムカバーから右側に突出して設けられている。方向指示動作を行わない状態では、操作レバー11は中立位置に保持されて左右方向に延びており、この状態から、操作レバー11を上方に傾動させて左折操作位置に変位させることができ、下方に傾動させて右折操作位置に変位させることができるようになっている。
【0012】
操作レバー11を左折操作位置に変位させると、その左折操作位置で操作レバー11が保持され、この操作レバー11が左折操作位置で保持されている間、左ターンスイッチ12Lがオンになって、左ターンランプが一定の周期で点滅する。これにより、車両外に向けて左折または左レーンへのレーンチェンジの意図を周知させるための方向指示動作が達成される。また、操作レバー11を右折操作位置に変位させると、その右折操作位置で操作レバー11が保持され、この操作レバー11が右折操作位置で保持されている間、右ターンスイッチ12Rがオンになって、右ターンランプが一定の周期で点滅する。これにより、車両が右折または右レーンへのレーンチェンジをしようとしていることを周知させるための方向指示動作が達成される。
【0013】
方向指示器1はさらに、ステアリングホイールを左側または右側へ切った後の舵角中点(車両直進時の操舵角度)への戻しに合わせて、左折操作位置または右折操作位置に保持された操作レバー11を中立位置へ自動的に復帰させるための機械式リターン機構13を備えている。操作レバー11を左折操作位置または右折操作位置に変位させた後、ステアリングホイールを左側または右側に一定の機械式リターン動作角度以上切り込んでから舵角中点に戻すといった操作を行うと、機械式リターン機構13の働きにより、ステアリングホイールが舵角中点へ戻るのに合わせて、左折操作位置または右折操作位置に保持された操作レバー11が中立位置に自動的に戻される。操作レバー11が中立位置に戻ると、それまで点滅していた左ターンランプまたは右ターンランプは消灯し、方向指示動作が終了する。
【0014】
機械式リターン動作角度を小さな角度に設定すれば、ステアリングホイールの切り込み角度(操舵角度)が小さな高速走行中のレーンチェンジ時であっても、機械式リターン機構13によって操作レバー11を中立位置に自動的に戻すことができる。ところが、機械式リターン動作角度が小さいと、ステアリングホイールを少し操作しただけで操作レバー11が中立位置に戻されてしまうので、たとえば、操作レバー11を左折操作位置または右折操作位置に変位させてから左折または右折を開始するまでの間に方向指示動作が終了されるといったことが生じうる。したがって、機械式リターン動作角度は、ある程度大きな角度(たとえば、60度)に設定されている。そのため、ステアリングホイールの切り込み角度が小さな高速走行中のレーンチェンジ時などには、機械式リターン機構13による操作レバー11の中立位置への自動復帰は行われない。
【0015】
そこで、この方向指示器1には、ステアリングホイールの切り込み角度が小さなレーンチェンジ時などに、ステアリングホイールを左側または右側へ切った後の舵角中点への戻しに合わせて、方向指示器1による方向指示動作を終了させるための方向指示器制御装置2が付設されている。
方向指示器制御装置2は、マイクロコンピュータを含む構成のコントローラ21と、ステアリングホイールの操舵角度を検出するための舵角センサ22と、車速を検出する車速センサ23と、操作レバー11に関連して設けられて、操作レバー11を左折操作位置および右折操作位置から中立位置に戻すための電気式リターン機構24とを備えている。
【0016】
コントローラ21には、舵角センサ22および車速センサ23からの出力信号が与えられるようになっている。舵角センサ22は、ステアリングホイールの操作によるステアリング軸Sの回転位置の変化(舵角変位)を検出し、その検出した舵角変位に応じた検出信号を出力する相対舵角センサであってもよいし、ステアリングホイール(ステアリング軸S)の操舵角度(絶対舵角)に応じた信号を出力する絶対舵角センサであってもよい。舵角センサ22が相対舵角センサである場合、コントローラ21は、たとえば、舵角中点と舵角センサ22から入力される検出信号とに基づいて操舵角度を演算する。また、車速センサ23は、車速を直接的に検出するものでもよいし、車輪に関連して設けられた車輪速センサの出力パルスに基づいて車速を計算により求めるものであってもよい。
【0017】
コントローラ21は、舵角センサ22および車速センサ23の出力信号に基づいて、電気式リターン機構24の動作を制御する。
図2は、電気式リターン機構24の構成を説明するための図解図である。電気式リターン機構24は、ステアリング軸Sを挿通するコラムカバー内に設けられていて、車両の運転席から見て、操作レバー11の途中部から奥側(図2では右方向)へ延びた金属製の棒状部材241と、操作レバー11が中立位置にあるときに棒状部材241と当接し合う電磁部材242と、この電磁部材242への通電のための通電回路243とを含む。
【0018】
電磁部材242は、たとえば、鉄芯にコイルを巻回した電磁石の構成を有しており、操作レバー11が中立位置にあるときに、鉄芯の一方端が棒状部材241の先端に当接するように配置されている。また、その互いに当接し合う棒状部材241の先端および鉄芯の一方端は、棒状部材241の移動の妨げとならないように、それぞれ先細り形状に形成されている。
操作レバー11が中立位置から左折操作位置に傾動されると、その操作レバー11の傾動に伴って棒状部材241が上方に移動し、棒状部材241の先端が電磁部材242(鉄芯)の一方端から離れる。この状態で通電回路243から電磁部材242のコイルへの通電が行われると、電磁部材242の鉄芯が磁化して、棒状部材241が電磁部材242に引きつけられる方向の磁力を受け、その磁力により操作レバー11が左折操作位置から中立位置に戻される。また、操作レバー11が中立位置から右折操作位置に傾動されると、その操作レバー11の傾動に伴って棒状部材241が下方に移動し、棒状部材241の先端が電磁部材242の一方端から離れる。そして、その状態で通電回路243から電磁部材242のコイルへの通電が行われると、電磁部材242の鉄芯が磁化して、棒状部材241が電磁部材242に引きつけられる方向の磁力を受け、その磁力により操作レバー11が右折操作位置から中立位置に戻される。
【0019】
図3は、車速センサ23によって検出される車速と電気式リターン動作角度(動作終了角度)との関係を示す特性図である。コントローラ21は、舵角センサ22によって検出される操舵角度が、車速に応じた電気式リターン動作角度以上になった後に舵角中点を含む所定角度範囲内に下がると、通電回路243を制御して、通電回路243から電磁部材242に通電させることにより、電気式リターン機構24を作動させる。
【0020】
電気式リターン動作角度は、車速0km/hに対して機械式リターン動作角度よりも大きな角度αに定められ、車速が0km/hから大きくなるほど、角度αから車速にほぼ反比例して減少するように定められる。これにより、車速0〜V1(たとえば、V1=10km/h)の範囲では、電気式リターン動作角度が機械式リターン動作角度を上回り、所定車速V1以上の範囲では、電気式リターン動作角度が機械式リターン動作角度を下回る。
【0021】
したがって、車速に応じて設定される電気式リターン動作角度が機械式リターン動作角度を上回る車速0〜V1の範囲では、操作レバー11を左折操作位置または右折操作位置に変位させた後、ステアリングホイールを左側または右側に機械式リターン動作角度以上切り込んでから舵角中点に戻すといった操作を行うと、機械式リターン機構13の働きにより、左折操作位置または右折操作位置に保持された操作レバー11が中立位置に戻される。
【0022】
また、車速に応じて設定される電気式リターン動作角度が機械式リターン動作角度を下回る車速V1以上の範囲では、操作レバー11を左折操作位置または右折操作位置に変位させた後、ステアリングホイールを左側または右側に電気式リターン動作角度以上切り込んでから舵角中点に戻すといった操作を行うと、コントローラ21によって電気式リターン機構24が作動されて、この電気式リターン機構24の働きにより、左折操作位置または右折操作位置にある操作レバー11が中立位置に戻されることになる。
【0023】
このようにして、車速V1以上で走行している時には、電気式リターン動作角度が車速に応じた小さな角度に設定され、その角度以上にステアリングホイールを左側または右側に切り込んでから舵角中点に戻すと、電気式リターン機構24が作動されて、左折操作位置または右折操作位置にある操作レバー11が中立位置に戻される。したがって、高速走行中のレーンチェンジ時であっても、レーンチェンジの完了に合わせて、操作レバー11が左折操作位置または右折操作位置から中立位置に戻され、方向指示器1による方向指示動作が確実に終了される。よって、運転者が操作レバー11を手動で中立位置に戻す必要がないから、車両運転の安全性を向上させることができる。
【0024】
また、車速V1未満の低速走行時には、電気式リターン機構24は作動されず、左折操作位置または右折操作位置にある操作レバー11は、機械式リターン機構13の働きにより中立位置に戻される。したがって、車速を下げて行う交差点の右左折時には、ステアリングホイールを機械式リターン動作角度以上に切り込まないと、左折操作位置または右折操作位置にある操作レバー11は中立位置に戻されないから、操作レバー11を左折操作位置または右折操作位置に変位させてから左折または右折を開始するまでの間に、方向指示器1による方向指示動作が終了されるといったことはない。
【0025】
図4は、この発明の他の実施形態に係る方向指示器制御装置が組み込まれた方向指示器の構成を示すブロック図である。この実施形態に係る方向指示器制御装置が組み込まれた方向指示器3は、マイクロコンピュータを含む構成のコントローラ31と、左ターンランプの点滅/消灯を切り換える左ターンリレー32Lと、右ターンランプの点滅/消灯を切り換える右ターンリレー32Rと、ステアリングホイールの近傍に配置された操作レバー(図示せず)の左折操作位置への変位を検出する左操作センサ33Lと、操作レバーの右折操作位置への変位を検出する右操作センサ33Rと、ステアリングホイールの操舵角度を検出するための舵角センサ34と、この方向指示器3が搭載された車両の車速を検出する車速センサ35とを備えている。
【0026】
舵角センサ34および車速センサ35は、それぞれ上記第1の実施形態における舵角センサ22および車速センサ23と同様な構成を有している。また、操作レバーは、左折操作位置または右折操作位置に変位させて手を放すと、その左折操作位置または右折操作位置から直ちに中立位置に戻されるようになっている。なお、この方向指示器3には、上記第1の実施形態に係る方向指示器1が有している機械式リターン機構13は備えられていない。
【0027】
コントローラ31には、左操作センサ33L、右操作センサ33R、舵角センサ34および車速センサ35の出力信号が与えられるようになっていて、コントローラ31は、これらのセンサからの出力信号に基づいて、左ターンリレー32Lおよび右ターンリレー32Rのオン/オフを制御する。
すなわち、操作レバーの左折操作位置への変位が左操作センサ33Lによって検出されると、コントローラ31は、左ターンリレー32Lをオンにして、左ターンランプを一定の周期で点滅させる。これにより、車両が左折または左レーンへのレーンチェンジを周知させるための方向指示動作が達成される。一方、操作レバーの右折操作位置への変位が右操作センサ33Rによって検出されると、コントローラ31は、右ターンリレー32Rをオンにして、右ターンランプを一定の周期で点滅させる。これにより、車両が右折または右レーンへのレーンチェンジを周知させるための方向指示動作が達成される。
【0028】
また、コントローラ31は、左ターンリレー32Lまたは右ターンリレー32Rをオンにした後、ステアリングホイールを左側または右側に動作終了角度以上切り込んでから舵角中点に戻すといったステアリング操作が行われたかどうかを繰り返し判断する。動作終了角度は、上記の第1の実施形態における電気式リターン動作角度の場合と同様に、車速センサ35によって検出される車速に応じて設定される。つまり、動作終了角度は、たとえば、車速が0km/hから大きくなるほど、角度αから車速にほぼ反比例して減少するように定められる。舵角センサ34によって検出される操舵角度が、車速に応じた動作終了角度以上になった後に舵角中点を含む所定角度範囲内に下がると、コントローラ31は、ステアリングホイールを左側または右側に動作終了角度以上切り込んでから舵角中点に戻すといったステアリング操作が行われたと判断し、左ターンリレー32Lまたは右ターンリレー32Rをオフにして、それまで点滅していた左ターンランプまたは右ターンランプを消灯させる。これにより、この方向指示器3による方向指示動作が終了となる。
【0029】
動作終了角度は、車速が大きいほど小さな角度に設定されるので、この実施形態の構成によっても、高速走行中のレーンチェンジの完了に合わせて、方向指示器3による方向指示動作を確実に終了させることができ、車両運転の安全性を向上させることができる。また、低速走行時には、動作終了角度が大きな角度に設定されるので、操作レバーを左折操作位置または右折操作位置に変位させてから左折または右折を開始するまでの間に、方向指示器3による方向指示動作が終了されるといったことはない。
【0030】
なお、この実施形態において、方向指示器制御装置は、コントローラ31、舵角センサ34および車速センサ35によって構成されている。
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、電気式リターン動作角度および動作終了角度は、車速が0km/hから大きくなるほど、角度αから車速にほぼ反比例して減少するように定められるとしたが、車速が0km/hから大きくなるほど、角度αから、車速に対してリニアに減少するように定められてもよい。また、一定速度以上の車速に対しては、電気式リターン動作角度および動作終了角度が固定値に定められてもよい。さらには、零を含む一定の範囲の車速に対して、電気式リターン動作角度および動作終了角度が角度αに定められてもよい。
【0031】
また、上記の各実施形態では、操作部材として操作レバーを採用した場合を例にとったが、この操作レバーに代えて、操作ボタンが操作部材として採用されてもよい。
さらに、上記の各実施形態に係る方向指示器制御装置の一部は、ステアリングホイールの操舵速度および車速に基づいて電動モータを制御し、この電動モータにより駆動されるポンプの発生油圧によって操舵補助力を発生させるパワーステアリング装置や、電動モータの駆動力を操舵機構に伝達して操舵補助を達成する電動式のパワーステアリング装置と共用されてもよい。すなわち、それらのようなパワーステアリング装置には、マイクロコンピュータを含む構成のコントローラ、ステアリングホイールの操舵角度を検出する舵角センサおよび車速を検出する車速センサが備えられているから、これらを利用して、上記各実施形態に係る方向指示器制御装置を構成することができる。
【0032】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る方向指示器の構成を概念的に示すブロック図である。
【図2】電気式リターン機構の構成を説明するための図解図である。
【図3】車速と電気式リターン動作角度(動作終了角度)との関係を示す特性図である。
【図4】この発明の他の実施形態に係る方向指示器の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 方向指示器
11 操作レバー
12L 左ターンスイッチ
12R 右ターンスイッチ
13 機械式リターン機構
2 方向指示器制御装置
21 コントローラ
22 舵角センサ
23 車速センサ
24 電気式リターン機構
3 方向指示器
31 コントローラ
32L 左ターンリレー
32R 右ターンリレー
34 舵角センサ
35 車速センサ
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の方向指示器を制御する方向指示器制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、四輪自動車などの車両には、自車両の進行方向を他車両の運転者や歩行者などに知らせるための方向指示器が備えられている(たとえば、特許文献1参照)。
方向指示器は、車体に配設された左右ターンランプと、ステアリングホイールの近傍に設けられた操作レバーと、この操作レバーに関連して設けられた左右ターンスイッチとを有している。操作レバーは、中立位置から左折操作位置および右折操作位置に変位させることができ、左折操作位置または右折操作位置に変位させると、その左折操作位置または右折操作位置で保持されるようになっている。操作レバーが左折操作位置に変位されて、その左折操作位置で保持されている間、左ターンスイッチがオンになり、左ターンランプが一定の周期で点滅する。また、操作レバーが右折操作位置に変位されて、その右折操作位置で保持されている間、右ターンスイッチがオンになり、右ターンランプが一定の周期で点滅する。
【0003】
方向指示器にはさらに、ステアリングホイールの操作に合わせて、左折操作位置または右折操作位置に保持された操作レバーを中立位置へ自動的に戻すための機械式のリターン機構が設けられている。操作レバーを左折操作位置または右折操作位置に変位させた後、ステアリングホイールを左側または右側に一定角度以上切り込んでから舵角中点(車両直進時の操舵角度)に戻すといった操作を行うと、リターン機構の働きにより、ステアリングホイールの舵角中点への戻しに合わせて、左折操作位置または右折操作位置に保持された操作レバーが中立位置に自動的に戻される。操作レバーが中立位置に戻ると、それまで点滅していた左ターンランプまたは右ターンランプは消灯する。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−301509号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、高速走行中のレーンチェンジ時は、ステアリングホイールの切り込み角度(操舵角度)が小さいので、ステアリングホイールを舵角中点に戻しても、左折操作位置または右折操作位置に保持された操作レバーが中立位置に戻されず、左ターンランプまたは右ターンランプが点滅し続ける場合がある。この場合、運転者が操作レバーを手動で中立位置に戻して、左ターンランプまたは右ターンランプを消灯させなければならず、車両の運転(ステアリングホイールの操作)に支障を来すおそれがある。
【0006】
そこで、この発明の目的は、ステアリング機構が一方側に操舵された後に舵角中点へ戻されるのに合わせて、方向指示器による方向指示動作を確実に自動終了させることができる方向指示器制御装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、車速を検出する車速検出手段(23;35)と、ステアリング機構の操舵角度を検出する操舵角度検出手段(22;34)と、(予め定める関係に基づいて、)上記車速検出手段によって検出される車速に応じた動作終了角度を設定する動作終了角度設定手段(21;31)と、上記操舵角度検出手段によって検出される操舵角度が、上記動作終了角度設定手段によって設定された動作終了角度に達した後に舵角中点を含む所定角度範囲内になったことに応答して、方向指示器(1;3)による方向指示動作を終了させる方向指示動作終了制御手段(21;31)とを含むことを特徴とする方向指示器制御装置(2;31,34,35)である。
【0008】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の構成によれば、操舵角度が車速に応じて設定された動作終了角度に達した後に舵角中点を含む所定角度範囲内になると、方向指示器による方向指示動作が終了される。
これにより、車速が大きいほど動作終了角度を小さな角度に定めるようにすれば、高速走行中のレーンチェンジ時のように、ステアリング機構の操舵角度が小さい場合でも、方向指示器による方向指示動作を確実に自動終了させることができる。また、低速走行時には動作終了角度が大きな角度に定められるので、方向指示器による方向指示動作が開始されてから、交差点で左折または右折を開始するまでの間に、方向指示器による方向指示動作が終了されるといった不都合が生じることもない。
【0009】
なお、請求項2に記載のように、上記方向指示器が、中立位置、左折操作位置および右折操作位置に変位させることができる操作部材(11)と、この操作部材が左折操作位置に変位された状態で点滅動作する左ターンランプと、上記操作部材が右折操作位置に変位された状態で点滅動作する右ターンランプとを備えたものである場合、上記方向指示器制御装置は、上記左折操作位置または右折操作位置に変位されている上記操作部材を上記中立位置に戻すためのリターン機構(24)をさらに含み、上記方向指示動作終了制御手段(21)は、上記操舵角度検出手段によって検出される操舵角度が、上記動作終了角度設定手段によって設定された動作終了角度に達した後に舵角中点を含む所定角度範囲内になったことに応答して、上記リターン機構を作動させて、上記操作部材を上記中立位置に戻すことにより、上記方向指示器による方向指示動作を終了させるものであることが好ましい。この構成によれば、ステアリング機構が左側または右側へ操舵された後に舵角中点へ戻されるのに合わせて、方向指示器による方向指示動作の終了とともに、操作部材を左折操作位置または右折操作位置から中立位置に戻すことができる。よって、運転者が操作部材を手動で中立位置に戻す必要がないから、車両運転の安全性を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る方向指示器制御装置が付設された方向指示器の構成を概念的に示すブロック図である。方向指示器1は、四輪自動車などの車両(車体)のフロント部およびリア部にそれぞれ配設された左右一対のターンランプ(図示せず)を点滅動作させて、自車両の進行方向を他車両の運転者や歩行者などに知らせる方向指示動作を行うものであり、ステアリングホイールの近傍に設けられた操作レバー11(操作部材)と、この操作レバー11に関連して設けられた左右ターンスイッチ12L,12Rとを備えている。
【0011】
操作レバー11は、車両の運転席から見て、たとえば、ステアリング軸Sを挿通するコラムカバーから右側に突出して設けられている。方向指示動作を行わない状態では、操作レバー11は中立位置に保持されて左右方向に延びており、この状態から、操作レバー11を上方に傾動させて左折操作位置に変位させることができ、下方に傾動させて右折操作位置に変位させることができるようになっている。
【0012】
操作レバー11を左折操作位置に変位させると、その左折操作位置で操作レバー11が保持され、この操作レバー11が左折操作位置で保持されている間、左ターンスイッチ12Lがオンになって、左ターンランプが一定の周期で点滅する。これにより、車両外に向けて左折または左レーンへのレーンチェンジの意図を周知させるための方向指示動作が達成される。また、操作レバー11を右折操作位置に変位させると、その右折操作位置で操作レバー11が保持され、この操作レバー11が右折操作位置で保持されている間、右ターンスイッチ12Rがオンになって、右ターンランプが一定の周期で点滅する。これにより、車両が右折または右レーンへのレーンチェンジをしようとしていることを周知させるための方向指示動作が達成される。
【0013】
方向指示器1はさらに、ステアリングホイールを左側または右側へ切った後の舵角中点(車両直進時の操舵角度)への戻しに合わせて、左折操作位置または右折操作位置に保持された操作レバー11を中立位置へ自動的に復帰させるための機械式リターン機構13を備えている。操作レバー11を左折操作位置または右折操作位置に変位させた後、ステアリングホイールを左側または右側に一定の機械式リターン動作角度以上切り込んでから舵角中点に戻すといった操作を行うと、機械式リターン機構13の働きにより、ステアリングホイールが舵角中点へ戻るのに合わせて、左折操作位置または右折操作位置に保持された操作レバー11が中立位置に自動的に戻される。操作レバー11が中立位置に戻ると、それまで点滅していた左ターンランプまたは右ターンランプは消灯し、方向指示動作が終了する。
【0014】
機械式リターン動作角度を小さな角度に設定すれば、ステアリングホイールの切り込み角度(操舵角度)が小さな高速走行中のレーンチェンジ時であっても、機械式リターン機構13によって操作レバー11を中立位置に自動的に戻すことができる。ところが、機械式リターン動作角度が小さいと、ステアリングホイールを少し操作しただけで操作レバー11が中立位置に戻されてしまうので、たとえば、操作レバー11を左折操作位置または右折操作位置に変位させてから左折または右折を開始するまでの間に方向指示動作が終了されるといったことが生じうる。したがって、機械式リターン動作角度は、ある程度大きな角度(たとえば、60度)に設定されている。そのため、ステアリングホイールの切り込み角度が小さな高速走行中のレーンチェンジ時などには、機械式リターン機構13による操作レバー11の中立位置への自動復帰は行われない。
【0015】
そこで、この方向指示器1には、ステアリングホイールの切り込み角度が小さなレーンチェンジ時などに、ステアリングホイールを左側または右側へ切った後の舵角中点への戻しに合わせて、方向指示器1による方向指示動作を終了させるための方向指示器制御装置2が付設されている。
方向指示器制御装置2は、マイクロコンピュータを含む構成のコントローラ21と、ステアリングホイールの操舵角度を検出するための舵角センサ22と、車速を検出する車速センサ23と、操作レバー11に関連して設けられて、操作レバー11を左折操作位置および右折操作位置から中立位置に戻すための電気式リターン機構24とを備えている。
【0016】
コントローラ21には、舵角センサ22および車速センサ23からの出力信号が与えられるようになっている。舵角センサ22は、ステアリングホイールの操作によるステアリング軸Sの回転位置の変化(舵角変位)を検出し、その検出した舵角変位に応じた検出信号を出力する相対舵角センサであってもよいし、ステアリングホイール(ステアリング軸S)の操舵角度(絶対舵角)に応じた信号を出力する絶対舵角センサであってもよい。舵角センサ22が相対舵角センサである場合、コントローラ21は、たとえば、舵角中点と舵角センサ22から入力される検出信号とに基づいて操舵角度を演算する。また、車速センサ23は、車速を直接的に検出するものでもよいし、車輪に関連して設けられた車輪速センサの出力パルスに基づいて車速を計算により求めるものであってもよい。
【0017】
コントローラ21は、舵角センサ22および車速センサ23の出力信号に基づいて、電気式リターン機構24の動作を制御する。
図2は、電気式リターン機構24の構成を説明するための図解図である。電気式リターン機構24は、ステアリング軸Sを挿通するコラムカバー内に設けられていて、車両の運転席から見て、操作レバー11の途中部から奥側(図2では右方向)へ延びた金属製の棒状部材241と、操作レバー11が中立位置にあるときに棒状部材241と当接し合う電磁部材242と、この電磁部材242への通電のための通電回路243とを含む。
【0018】
電磁部材242は、たとえば、鉄芯にコイルを巻回した電磁石の構成を有しており、操作レバー11が中立位置にあるときに、鉄芯の一方端が棒状部材241の先端に当接するように配置されている。また、その互いに当接し合う棒状部材241の先端および鉄芯の一方端は、棒状部材241の移動の妨げとならないように、それぞれ先細り形状に形成されている。
操作レバー11が中立位置から左折操作位置に傾動されると、その操作レバー11の傾動に伴って棒状部材241が上方に移動し、棒状部材241の先端が電磁部材242(鉄芯)の一方端から離れる。この状態で通電回路243から電磁部材242のコイルへの通電が行われると、電磁部材242の鉄芯が磁化して、棒状部材241が電磁部材242に引きつけられる方向の磁力を受け、その磁力により操作レバー11が左折操作位置から中立位置に戻される。また、操作レバー11が中立位置から右折操作位置に傾動されると、その操作レバー11の傾動に伴って棒状部材241が下方に移動し、棒状部材241の先端が電磁部材242の一方端から離れる。そして、その状態で通電回路243から電磁部材242のコイルへの通電が行われると、電磁部材242の鉄芯が磁化して、棒状部材241が電磁部材242に引きつけられる方向の磁力を受け、その磁力により操作レバー11が右折操作位置から中立位置に戻される。
【0019】
図3は、車速センサ23によって検出される車速と電気式リターン動作角度(動作終了角度)との関係を示す特性図である。コントローラ21は、舵角センサ22によって検出される操舵角度が、車速に応じた電気式リターン動作角度以上になった後に舵角中点を含む所定角度範囲内に下がると、通電回路243を制御して、通電回路243から電磁部材242に通電させることにより、電気式リターン機構24を作動させる。
【0020】
電気式リターン動作角度は、車速0km/hに対して機械式リターン動作角度よりも大きな角度αに定められ、車速が0km/hから大きくなるほど、角度αから車速にほぼ反比例して減少するように定められる。これにより、車速0〜V1(たとえば、V1=10km/h)の範囲では、電気式リターン動作角度が機械式リターン動作角度を上回り、所定車速V1以上の範囲では、電気式リターン動作角度が機械式リターン動作角度を下回る。
【0021】
したがって、車速に応じて設定される電気式リターン動作角度が機械式リターン動作角度を上回る車速0〜V1の範囲では、操作レバー11を左折操作位置または右折操作位置に変位させた後、ステアリングホイールを左側または右側に機械式リターン動作角度以上切り込んでから舵角中点に戻すといった操作を行うと、機械式リターン機構13の働きにより、左折操作位置または右折操作位置に保持された操作レバー11が中立位置に戻される。
【0022】
また、車速に応じて設定される電気式リターン動作角度が機械式リターン動作角度を下回る車速V1以上の範囲では、操作レバー11を左折操作位置または右折操作位置に変位させた後、ステアリングホイールを左側または右側に電気式リターン動作角度以上切り込んでから舵角中点に戻すといった操作を行うと、コントローラ21によって電気式リターン機構24が作動されて、この電気式リターン機構24の働きにより、左折操作位置または右折操作位置にある操作レバー11が中立位置に戻されることになる。
【0023】
このようにして、車速V1以上で走行している時には、電気式リターン動作角度が車速に応じた小さな角度に設定され、その角度以上にステアリングホイールを左側または右側に切り込んでから舵角中点に戻すと、電気式リターン機構24が作動されて、左折操作位置または右折操作位置にある操作レバー11が中立位置に戻される。したがって、高速走行中のレーンチェンジ時であっても、レーンチェンジの完了に合わせて、操作レバー11が左折操作位置または右折操作位置から中立位置に戻され、方向指示器1による方向指示動作が確実に終了される。よって、運転者が操作レバー11を手動で中立位置に戻す必要がないから、車両運転の安全性を向上させることができる。
【0024】
また、車速V1未満の低速走行時には、電気式リターン機構24は作動されず、左折操作位置または右折操作位置にある操作レバー11は、機械式リターン機構13の働きにより中立位置に戻される。したがって、車速を下げて行う交差点の右左折時には、ステアリングホイールを機械式リターン動作角度以上に切り込まないと、左折操作位置または右折操作位置にある操作レバー11は中立位置に戻されないから、操作レバー11を左折操作位置または右折操作位置に変位させてから左折または右折を開始するまでの間に、方向指示器1による方向指示動作が終了されるといったことはない。
【0025】
図4は、この発明の他の実施形態に係る方向指示器制御装置が組み込まれた方向指示器の構成を示すブロック図である。この実施形態に係る方向指示器制御装置が組み込まれた方向指示器3は、マイクロコンピュータを含む構成のコントローラ31と、左ターンランプの点滅/消灯を切り換える左ターンリレー32Lと、右ターンランプの点滅/消灯を切り換える右ターンリレー32Rと、ステアリングホイールの近傍に配置された操作レバー(図示せず)の左折操作位置への変位を検出する左操作センサ33Lと、操作レバーの右折操作位置への変位を検出する右操作センサ33Rと、ステアリングホイールの操舵角度を検出するための舵角センサ34と、この方向指示器3が搭載された車両の車速を検出する車速センサ35とを備えている。
【0026】
舵角センサ34および車速センサ35は、それぞれ上記第1の実施形態における舵角センサ22および車速センサ23と同様な構成を有している。また、操作レバーは、左折操作位置または右折操作位置に変位させて手を放すと、その左折操作位置または右折操作位置から直ちに中立位置に戻されるようになっている。なお、この方向指示器3には、上記第1の実施形態に係る方向指示器1が有している機械式リターン機構13は備えられていない。
【0027】
コントローラ31には、左操作センサ33L、右操作センサ33R、舵角センサ34および車速センサ35の出力信号が与えられるようになっていて、コントローラ31は、これらのセンサからの出力信号に基づいて、左ターンリレー32Lおよび右ターンリレー32Rのオン/オフを制御する。
すなわち、操作レバーの左折操作位置への変位が左操作センサ33Lによって検出されると、コントローラ31は、左ターンリレー32Lをオンにして、左ターンランプを一定の周期で点滅させる。これにより、車両が左折または左レーンへのレーンチェンジを周知させるための方向指示動作が達成される。一方、操作レバーの右折操作位置への変位が右操作センサ33Rによって検出されると、コントローラ31は、右ターンリレー32Rをオンにして、右ターンランプを一定の周期で点滅させる。これにより、車両が右折または右レーンへのレーンチェンジを周知させるための方向指示動作が達成される。
【0028】
また、コントローラ31は、左ターンリレー32Lまたは右ターンリレー32Rをオンにした後、ステアリングホイールを左側または右側に動作終了角度以上切り込んでから舵角中点に戻すといったステアリング操作が行われたかどうかを繰り返し判断する。動作終了角度は、上記の第1の実施形態における電気式リターン動作角度の場合と同様に、車速センサ35によって検出される車速に応じて設定される。つまり、動作終了角度は、たとえば、車速が0km/hから大きくなるほど、角度αから車速にほぼ反比例して減少するように定められる。舵角センサ34によって検出される操舵角度が、車速に応じた動作終了角度以上になった後に舵角中点を含む所定角度範囲内に下がると、コントローラ31は、ステアリングホイールを左側または右側に動作終了角度以上切り込んでから舵角中点に戻すといったステアリング操作が行われたと判断し、左ターンリレー32Lまたは右ターンリレー32Rをオフにして、それまで点滅していた左ターンランプまたは右ターンランプを消灯させる。これにより、この方向指示器3による方向指示動作が終了となる。
【0029】
動作終了角度は、車速が大きいほど小さな角度に設定されるので、この実施形態の構成によっても、高速走行中のレーンチェンジの完了に合わせて、方向指示器3による方向指示動作を確実に終了させることができ、車両運転の安全性を向上させることができる。また、低速走行時には、動作終了角度が大きな角度に設定されるので、操作レバーを左折操作位置または右折操作位置に変位させてから左折または右折を開始するまでの間に、方向指示器3による方向指示動作が終了されるといったことはない。
【0030】
なお、この実施形態において、方向指示器制御装置は、コントローラ31、舵角センサ34および車速センサ35によって構成されている。
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、電気式リターン動作角度および動作終了角度は、車速が0km/hから大きくなるほど、角度αから車速にほぼ反比例して減少するように定められるとしたが、車速が0km/hから大きくなるほど、角度αから、車速に対してリニアに減少するように定められてもよい。また、一定速度以上の車速に対しては、電気式リターン動作角度および動作終了角度が固定値に定められてもよい。さらには、零を含む一定の範囲の車速に対して、電気式リターン動作角度および動作終了角度が角度αに定められてもよい。
【0031】
また、上記の各実施形態では、操作部材として操作レバーを採用した場合を例にとったが、この操作レバーに代えて、操作ボタンが操作部材として採用されてもよい。
さらに、上記の各実施形態に係る方向指示器制御装置の一部は、ステアリングホイールの操舵速度および車速に基づいて電動モータを制御し、この電動モータにより駆動されるポンプの発生油圧によって操舵補助力を発生させるパワーステアリング装置や、電動モータの駆動力を操舵機構に伝達して操舵補助を達成する電動式のパワーステアリング装置と共用されてもよい。すなわち、それらのようなパワーステアリング装置には、マイクロコンピュータを含む構成のコントローラ、ステアリングホイールの操舵角度を検出する舵角センサおよび車速を検出する車速センサが備えられているから、これらを利用して、上記各実施形態に係る方向指示器制御装置を構成することができる。
【0032】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る方向指示器の構成を概念的に示すブロック図である。
【図2】電気式リターン機構の構成を説明するための図解図である。
【図3】車速と電気式リターン動作角度(動作終了角度)との関係を示す特性図である。
【図4】この発明の他の実施形態に係る方向指示器の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 方向指示器
11 操作レバー
12L 左ターンスイッチ
12R 右ターンスイッチ
13 機械式リターン機構
2 方向指示器制御装置
21 コントローラ
22 舵角センサ
23 車速センサ
24 電気式リターン機構
3 方向指示器
31 コントローラ
32L 左ターンリレー
32R 右ターンリレー
34 舵角センサ
35 車速センサ
Claims (2)
- 車速を検出する車速検出手段と、
ステアリング機構の操舵角度を検出する操舵角度検出手段と、
上記車速検出手段によって検出される車速に応じた動作終了角度を設定する動作終了角度設定手段と、
上記操舵角度検出手段によって検出される操舵角度が、上記動作終了角度設定手段によって設定された動作終了角度に達した後に舵角中点を含む所定角度範囲内になったことに応答して、方向指示器による方向指示動作を終了させる方向指示動作終了制御手段と
を含むことを特徴とする方向指示器制御装置。 - 上記方向指示器は、中立位置、左折操作位置および右折操作位置に変位させることができる操作部材と、この操作部材が左折操作位置に変位された状態で点滅動作する左ターンランプと、上記操作部材が右折操作位置に変位された状態で点滅動作する右ターンランプとを備えたものであり、
上記方向指示器制御装置は、上記左折操作位置または右折操作位置に変位されている上記操作部材を上記中立位置に戻すためのリターン機構をさらに含み、
上記方向指示動作終了制御手段は、上記操舵角度検出手段によって検出される操舵角度が、上記動作終了角度設定手段によって設定された動作終了角度に達した後に舵角中点を含む所定角度範囲内になったことに応答して、上記リターン機構を作動させて、上記操作部材を上記中立位置に戻すことにより、上記方向指示器による方向指示動作を終了させるものであることを特徴とする請求項1記載の方向指示器制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002308709A JP2004142560A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 方向指示器制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002308709A JP2004142560A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 方向指示器制御装置 |
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ID=32454778
Family Applications (1)
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JP2002308709A Pending JP2004142560A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 方向指示器制御装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004142560A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009149123A (ja) * | 2007-12-18 | 2009-07-09 | Tokai Rika Co Ltd | ターンシグナル制御装置 |
JP2010018185A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Tokai Rika Co Ltd | 方向指示器制御装置 |
CN104648234A (zh) * | 2015-03-09 | 2015-05-27 | 山东交通学院 | 一种兼具手控功能的车灯转向机构 |
WO2016098436A1 (ja) * | 2014-12-18 | 2016-06-23 | アルプス電気株式会社 | ターンシグナル操作装置 |
-
2002
- 2002-10-23 JP JP2002308709A patent/JP2004142560A/ja active Pending
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