JP2004140094A - パワー素子の温度保護装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】MOSトランジスタ21、31の検出温度が、コンパレータ400a、400bでそれぞれの闘値と比較され、いずれかのコンパレータがMOSトランジスタの異常発熱を判定すると、そのコンパレータの出力がラッチ回路にラッチされ、異常発熱したMOSトランジスタの通電が停止される。また、その判定を行ったコンパレータの出力により、他方のコンパレータの闘値が高い温度の闘値に切り替えられ、正常動作しているMOSトランジスタの異常発熱の判定が行われないようにする。この闘値の切り替えは、タイマ回路によって一定時間だけ行われる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワー素子の温度保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、同一パッケージ内に、負荷への通電を行うためのパワー素子(例えば、MOSトランジスタ)を複数個収納してなる多チャネルパワーICが実現化されている。
【0003】
このような多チャネルパワーICにおいて、各パワー素子の温度をそれぞれ検出し、各パワー素子のうちいずれかの検出温度が所定の閾値以上であることを判定すると、温度異常(すなわち異常発熱)であるとして、全てのパワー素子の通電を停止させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−313364号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したパワーICでは、いずれかパワー素子の検出温度が所定の閾値以上であることを判定したとき、当該パワー素子による通電を停止させるだけでなく、全てのパワー素子の通電を停止させるため、正常なパワー素子による通電までも停止させてしまうことになる。
【0006】
このような問題に対し、パワー素子毎に検出温度が所定の閾値まで上昇したか否かを判定して、検出温度が所定の閾値まで上昇したパワー素子について通電を個別に停止させることが考えられるが、この場合、負荷ショートにより1つのパワー素子が異常発熱すると、このパワー素子からの熱が、それに隣接する他のパワー素子に伝達し、当該パワー素子が正常動作しているにも関わらず、その温度が所定の閾値より高くなるため、このパワー素子についても通電を停止させてしまうことになる。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みたもので、異常発熱したパワー素子からの熱の影響を受けて正常動作中のパワー素子の通電が停止されないようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、温度検出手段によって検出された複数のパワー素子のそれぞれの温度を判定手段において闘値と比較し、いずれかのパワー素子の温度が闘値まで上昇したことを判定すると、その温度上昇したパワー素子の通電を停止させるとともに、その温度上昇したパワー素子から熱的に影響を受ける位置に配設された他のパワー素子の温度に対して前記判定手段で用いられる闘値をそれまでよりも高い温度の闘値に切り替えるようにしている。
【0009】
本発明によれば、異常発熱したパワー素子からの熱の影響を受けて正常動作中のパワー素子の温度が上昇しても、そのパワー素子の温度に対する閾値を高い温度の闘値に切り替えているため、正常動作中のパワー素子による通電が停止されないようにすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に、本発明に係るパワー素子の温度保護装置が適用された車載用パワーICの構成を示し、図2に車載用パワーICの回路構成を示す。
【0011】
車載用パワーICは、一枚のチップ10が樹脂モールドされて1つのパッケージとして生成されたもので、図1に示すように、当該チップ10には、第1および第2のMOS部20、30、制御回路部40が設けられている。第1および第2のMOS部20、30は、制御回路部40を挟むように配列されており、それらは、互いに熱的に影響を受ける位置に配置されている。
【0012】
ここで、第1および第2のMOS部20、30は、図2に示すように、駆動回路50a、50bによって制御され、負荷をなすランプ(例えば、車両のヘッドランプ)60a、60bへの通電、あるいはその通電の停止を行う。また、制御回路部40は、第1および第2の20、30の異常発熱時に、MOS部20、30に対する通電を強制的に停止させる。
【0013】
第1のMOS部20は、半導体スイッチ素子として構成されたパワー素子であるn型のMOSトランジスタ21を備えている。MOSトランジスタ21は、電源Vssおよびランプ60aの間に接続され、電源Vssからヘッドランプ60aへの通電、あるいはその通電の停止を行う。
【0014】
また、第1のMOS部20は、MOSトランジスタ21の温度を検出するために、温度検出部22および定電流回路23を備えている。温度検出部22は、直列接続された複数のダイオードから構成されており、各ダイオードは、MOSトランジスタ21の近くに配置されている。各ダイオードのそれぞれの順方向電圧は、MOSトランジスタ21の温度上昇に伴って低下する。したがって、定電流回路23から定電流を温度検出部22に供給することにより、各ダイオードと定電流回路23との共通接続端子200から、MOSトランジスタ21の温度に応じた温度検出信号が出力される。この温度検出信号は、MOSトランジスタ21の温度が上昇するほど、その電圧レベルが低下する信号である。この温度検出信号は、コンパレータ400aの反転入力端子(−)に入力される。
【0015】
第2のMOS部30は、MOSトランジスタ31、温度検出部32および定電流回路33を備えている。MOSトランジスタ31、温度検出部32および定電流回路33は、それぞれ上記したMOSトランジスタ21、温度検出部22および定電流回路22と同一の構成のものである。
【0016】
制御回路部40は、比較/闘値切替回路41a、41b、ラッチ回路42a、42bおよびタイマ回路43a、43bから構成されている。
【0017】
比較/闘値切替回路41aは、コンパレータ400a、トランジスタ401aおよび抵抗402a、403a、抵抗404aを備えている。
【0018】
トランジスタ401aおよび抵抗402a、403a、抵抗404aは、闘値電圧を設定する回路を構成しており、そのうちトランジスタ401aおよび抵抗404aは闘値電圧を切り替える闘値切替回路を構成している。すなわち、トランジスタ401aがオフしているときには、電源Vssを抵抗402a、403aで分圧した電圧が闘値電圧として設定され、トランジスタ401aがオンすると、抵抗404aが抵抗403aに並列接続されて、闘値電圧がそれまでより低い値に切り替えられる。闘値電圧は、共通接続端子405aからコンパレータ400aの非反転入力端子(+)に入力される。
【0019】
コンパレータ400aは、反転入力端子に入力される温度検出信号と非反転入力端子に入力される闘値電圧とを比較し、温度検出信号が闘値電圧より低いとき、ハイレベルの異常発熱検出信号を出力する。すなわち、MOSトランジスタ21の温度が上記した闘値電圧に対応する温度より高くなると、コンパレータ400aは、ハイレベルの異常発熱検出信号を出力する。
【0020】
ラッチ回路42aは、コンパレータ400aからハイレベルの異常発熱検出信号が出力されると、それをラッチして駆動回路50aに出力し、MOSトランジスタ21の通電を停止させるようにする。
【0021】
タイマ回路43aは、比較/闘値切替回路41bからハイレベルの異常発熱検出信号が出力されると、異常発熱検出信号をトランジスタ401aに出力するとともにカウント動作を開始し、一定時間の計数を終了すると、トランジスタ401aにローレベル信号を出力してトランジスタ401aをオフさせる。
【0022】
また、比較/闘値切替回路41b、ラッチ回路42bおよびタイマ回路43bは、それぞれ比較/闘値切替回路41a、ラッチ回路回路42aおよびタイマ回路43aと同一構成のものである。
【0023】
上記した構成において、その作動を図3(a)〜(c)を参照して説明する。図3(a)は、MOSトランジスタ21、31の温度変化、コンパレータ400a、400bで用いられる温度の閾値(闘値電圧に対応)の変化を示し、図3(b)は駆動回路50bの出力信号、図3(c)は駆動回路50aの出力信号を示す。
【0024】
まず、駆動回路50bが、図3(b)に示すように、MOSトランジスタ31のゲート端子にハイレベル信号を出力すると、MOSトランジスタ31がオンしてランプ60bに通電を行う。ここで、MOSトランジスタ31は、電源Vssからの通電に基づき、発熱するため、MOSトランジスタ31の温度が、図3(a)中の符号100bに示すように上昇する。
【0025】
また、駆動回路50aが、図3(c)に示すように、MOSトランジスタ21のゲート端子にハイレベル信号を出力すると、MOSトランジスタ21がオンしてランプ60aに通電を行う。ここで、MOSトランジスタ21は、電源Vssからの通電に基づき、発熱するため、MOSトランジスタ21の温度が、図3(a)中の符号100aに示すように上昇する。
【0026】
その後、負荷ショート、例えばランプ60aの正極側端子がグランドに短絡したような場合には、電源VssからMOSトランジスタ21に過電流が流れるため、MOSトランジスタ21の温度が、急激に上昇する。これに伴い、共通接続端子200からコンパレータ400aの反転入力端子に入力される温度検出信号のレベルが急激に低下する。
【0027】
そして、MOSトランジスタ21の温度がT1まで上昇すると、温度検出信号が、コンパレータ400aの非反転入力端子に入力されている闘値電圧より小さくなる。その結果、コンパレータ400aの出力がハイレベルになり、ラッチ回路42aは、そのハイレベル信号をラッチして駆動回路50aに出力する。このことにより、駆動回路50aは、ローレベル信号をMOSトランジスタ21のゲート端子に出力し、MOSトランジスタ21をオフさせてランプ60aへの通電を停止する。
【0028】
なお、本実施形態において、コンパレータ400a等において温度検出時間、マスク時間、回路作動遅れ時間等が生じるため、駆動回路50aの出力のOFFが若干遅れている。すなわち、MOSトランジスタ21の温度がT1まで上昇してから若干遅れて駆動回路50aの出力がローレベルになる。また、MOSトランジスタ21は、駆動回路50aがOFFしてからターンOFF時間後に完全OFFする。加えて、ターンOFF時間中のMOSトランジスタ21は、熱損失が大きい。したがって、MOSトランジスタ21の温度(図3中100a参照)が、T1を超えた後にも、MOSトランジスタ21は若干発熱する。
【0029】
また、コンパレータ400aの出力がローレベルからハイレベルに変化すると、タイマ回路43bは、一定時間のカウントを開始するとともに、比較/闘値切替回路41bのトランジスタ401bにハイレベルの信号を出力する。このことにより、トランジスタ401bがオンし、抵抗404bが抵抗403bに対して並列接続されるため、コンパレータ400bの非反転入力端子に入力される闘値電圧が低下する。すなわち、MOSトランジスタ31の温度に対する異常発熱の闘値としては、それまでよりも高くなり、図3(a)に示すように、それまでの闘値T1より高い温度の闘値T2に切り替えられる。
【0030】
ここで、上述のごとく、MOSトランジスタ21の温度が、過電流に基づき上昇すると、MOSトランジスタ21からの熱エネルギーが第2のMOS部30に伝達され、第2のMOS部30のMOSトランジスタ31の温度が上昇してT1を超えることになる。しかし、コンパレータ400bにおいて、MOSトランジスタ31の温度に対する異常発熱の闘値がT2(>T1)に変化しているため、コンパレータ400bの出力がハイレベルに変化することはない。したがって、MOSトランジスタ31は、それまでと同様の正常動作を行うことができる。
【0031】
また、MOSトランジスタ21の通電停止により、MOSトランジスタ21の温度が低下し、これに伴って第2のMOS部30への熱エネルギーの伝達が止まる。このため、MOSトランジスタ31の温度は、図3中の符号100bのごとく、温度T1を超えた後、タイマ回路43bが計数する一定時間が経過する前にT1以下の温度に低下する。
【0032】
その後、タイマ回路43bが、一定時間のカウントを終了すると、トランジスタ401bをオフさせるため、MOSトランジスタ31の温度に対する異常発熱の闘値はT2からT1に戻ることなる。
【0033】
以上説明したように本実施形態によれば、第1、第2のパワー素子であるMOSトランジスタ21、31のうちいずれ一方が異常発熱すると、そのMOSトランジスタの通電を停止させ、他方のMOSトランジスタの異常発熱に対する温度の闘値をT1からT2に高くしている。このため、一方のMOSトランジスタの異常発熱による熱エネルギーの伝達により他方のMOSトランジスタの温度が上昇しても、そのMOSトランジスタの異常発熱の検出を行うことはなく、その正常動作を維持させることができる。
【0034】
また、一方のMOSトランジスタが異常発熱したときにその通電を停止させているため、一方のMOSトランジスタの温度が低下し、それに伴って他方のMOSトランジスタの温度も低下する。そして、一方のMOSトランジスタの異常発熱を検出してから、一定時間経過後に、他方のMOSトランジスタの異常発熱に対する温度の闘値をT2からT1に戻すようにしている。このことにより、当該一定時間の経過後には、一定時間の期間中に比べて、他方のMOSトランジスタについての破壊に対する余裕度を向上させることができる。
【0035】
(第2の実施形態)
上記した第1実施形態では、タイマ回路を用いて闘値を一定時間後に元に戻すものを示したが、この実施形態では、異常発熱しているMOSトランジスタの温度に基づいて闘値を元に戻すようにしている。
【0036】
この場合の車載用パワーICの回路構成を図4に示す。本実施形態の車載用パワーICは、図2で示した構成のものに対し、タイマ回路43a、43bをなくすとともに、比較/闘値切替回路41a、41bにおいて抵抗453a、453bを追加した構成となっている。抵抗453aは、比較/闘値切替回路41aのコンパレータ400aの出力端子と非反転入力端子との間に接続され、抵抗453bは、比較/闘値切替回路41bのコンパレータ400bの出力端子と非反転入力端子との間に接続されている。また、トランジスタ401bは、コンパレータ400aの出力信号によって直接的に制御され、トランジスタ401aは、コンパレータ400bの出力信号によって直接的に制御されるようになっている。
【0037】
この実施形態では、MOSトランジスタ21が異常発熱していない通常動作時において、コンパレータ400aの出力がローレベルであるため、抵抗453aが抵抗403aに並列接続される。そして、抵抗402a、403aおよび453aによって、通常動作時の闘値電圧(第1実施形態と同じ闘値電圧)が設定される。同様に、コンパレータ400bに対しても、抵抗402b、403bおよび453bによって、通常動作時の闘値電圧が設定される。
【0038】
そして、MOSトランジスタ21、31のいずれか、例えばMOSトランジスタ21が異常発熱した場合には、コンパレータ400aの出力がハイレベルに変化し、その出力をラッチ回路42aが保持して駆動回路50aに出力し、MOSトランジスタ21の通電を停止させる。
【0039】
このとき、コンパレータ400aのハイレベル出力によってトランジスタ401bがオンするため、コンパレータ400bにおける異常発熱に対する闘値はT1からT2に変化する。また、コンパレータ400aの出力がハイレベルに変化したことによって、抵抗453aが、グランドでなく電源Vssと接続されることになるため、抵抗453aが抵抗402aと並列接続されることになる。このため、コンパレータ400aの非反転入力端子に入力される闘値電圧が上昇する。すなわち、MOSトランジスタ21の温度に対する闘値としては、それまでよりも低くなり、図5(a)に示すように、それまでの闘値T1より低い温度の闘値T3に切り替えられる。
【0040】
その後、MOSトランジスタ21への通電停止によってその温度が低下し、T3まで低下すると、コンパレータ400aの出力がハイレベルからローレベルに変化する。このことにより、トランジスタ401bがオフし、MOSトランジスタ31の温度に対する異常発熱の闘値はT2からT1に戻ることになる。
【0041】
(その他の実施形態)
(1)上記した第2実施形態では、コンパレータ400a、400bにおいて出力端子と正極入力端子との間に抵抗453a、453bをそれぞれ接続し、異常発熱の判定を行ったコンパレータの温度に対する闘値をT3に低下させるようにして、異常発熱したMOSトランジスタの温度がT3まで低下すると他方のMOSトランジスタの温度に対する闘値をT2からT1に戻すものを示したが、これ以外に、例えば、異常発熱したMOSトランジスタの温度を闘値T3と比較する別のコンパレータを設け、異常発熱したMOSトランジスタの温度がT3まで低下したときに他方のMOSトランジスタの温度に対する闘値をT2からT1に戻すようにしてもよい。
【0042】
(2)上記した各実施形態では、車載用パワーICとしては、1つのパッケージ内に一枚のチップ10が樹脂モールドされたものを示したが、一個のパッケージ内に複数のチップが樹脂モールドされ、かつ、チップ毎にMOS部を設けるようにしたものであってもよい。
【0043】
(3)上記した各実施形態では、1つのチップ10において第1および第2のMOS部20、30が制御回路部40を挟むように配設されたものを示したが、図6に示すように、制御回路部40を囲むようにMOS部30a、30b、30c、30dが配設されたものであってもよい。また、図7に示すように、MOS部30a、30b、30c、30dが並列に並べられたものであってもよい。この場合、いずれか1つのMOS部が異常発熱したとき、他の全てのMOS部に対して異常発熱に対する闘値を切り替えるようにしてもよく、また他のMOS部のうち異常発熱したMOS部に隣接した、あるいは異常発熱したMOS部から熱的に影響を受ける位置に配設されたMOS部に対してのみ異常発熱に対する闘値を切り替えるようにしてもよい。
【0044】
(4)上記した各実施形態では、タイマ回路43a、43bにおいて一定時間の計数を行うものを示したが、その計数する時間は、異常発熱したMOSトランジスタの通電停止により熱エネルギーの伝達が止まって温度が闘値T1以下になるのに十分な時間が確保されていればよく、他の要因、例えば異常発熱したMOSトランジスタの温度勾配などによって可変となる値としてもよい。
【0045】
(5)上記した各実施形態では、パワー素子として、MOSトランジスタを示したが、バイポーラトランジスタ、IGPTなどの素子であってもよい。
【0046】
(6)上記した各実施形態では、同一パッケージ内に収納された複数のパワー素子の温度を個々に検出する温度検出手段として、各ダイオードからなる温度検出部22、23を示したが、サーミスタ等の各種の温度検出素子を用いるようにしてもよい。
【0047】
(7)上記した各実施形態において、コンパレータ400a、400bにおいて設定される通常動作時の温度の闘値をそれぞれ第1、第2の闘値として、両闘値が同じ値のものであるとしたが、適用対象によっては、両闘値が異なる値のものであってもよい。
【0048】
(8)上記した各実施形態では、制御回路部40とMOS部20、30とが同一パッケージ内に収納されたものを示したが、制御回路部40とMOS部20、30とが異なるパッケージ内に収納されるようにしてもよい。
【0049】
(9)上記した各実施形態では、制御回路部40をハードウェアで構成したものを示したが、コンピュータプログラムを用いたソフトウェアで構成するようにしてもよい。
【0050】
(10)上記した各実施形態では、MOS部20、30、制御回路部40が備えられるICとしては、車載用パワーICを用いた例を示したが、車両以外の各種の機器に搭載されるICに対して、MOS部20、30、制御回路部40が備えられたものであってもよい。
【0051】
なお、上記した各実施形態において、比較回路を構成するコンパレータ400a、400bは、MOSトランジスタ21、31の温度を闘値と比較し、MOSトランジスタ21、31の温度が闘値まで上昇したか否かを判定する判定手段をそれぞれ構成している。また、ラッチ回路42a、42b、闘値切替回路および第1実施形態で示したタイマ回路43a、43bまたは第2実施形態で示した抵抗453a、453b等は、いずれかのパワー素子の温度が闘値まで上昇したとき、その温度上昇したパワー素子の通電を停止させるとともに、他のパワー素子の温度に対して判定手段で用いられる闘値をそれまでよりも高い温度の闘値に切り替える異常発熱対応手段を構成している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における車載用パワーICの構成を示す図である。
【図2】図1に示す車載用パワーICの回路構成を示す図である。
【図3】図1に示す車載用パワーICの作動を説明するための図である。
【図4】本発明の第2実施形態における車載用パワーICの回路構成を示す図である。
【図5】図に示す車載用パワーICの作動を説明するための図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る車載用パワーICの構成を示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る車載用パワーICの構成を示す図である。
【符号の説明】
20、30…MOS部、21、31…MOSトランジスタ、
22、32…温度検出部、23、33…定電流回路、
40…制御回路部、41a、41b…比較/闘値切替回路、
42a、42b…ラッチ回路、43a、43b…タイマ回路、
400a、400b…コンパレータ、401a、401b…トランジスタ、
402a〜404a、402b〜404b…抵抗。
Claims (8)
- 同一パッケージ内に収納された複数のパワー素子の温度保護装置であって、
前記複数のパワー素子のそれぞれの温度を検出する温度検出手段と、
この温度検出手段によって検出された前記複数のパワー素子のそれぞれの温度を闘値と比較し、いずれかのパワー素子の温度が前記闘値まで上昇したか否かを判定する判定手段と、
この判定手段により、いずれかのパワー素子の温度が前記闘値まで上昇したことが判定されたとき、その温度上昇したパワー素子の通電を停止させるとともに、前記複数のパワー素子のうち前記温度上昇したパワー素子から熱的に影響を受ける位置に配設されたパワー素子の温度に対して前記判定手段で用いられる闘値をそれまでよりも高い温度の闘値に切り替える異常発熱対応手段と、を有することを特徴とするパワー素子の温度保護装置。 - 前記異常発熱対応手段は、前記闘値の切り替えを行った後、所定時間が経過したことを検出して、前記切り替えた閾値を元の閾値に戻す手段を有することを特徴とする請求項1に記載のパワー素子の温度保護装置。
- 前記異常発熱対応手段は、前記闘値の切り替えを行った後、前記温度上昇したパワー素子の温度が前記闘値の温度よりも低い所定温度まで低下したことによって前記切り替えた閾値を元の閾値に戻す手段を有することを特徴とする請求項1に記載のパワー素子の温度保護装置。
- 前記温度検出手段および前記異常発熱対応手段は、前記複数のパワー素子とともに前記同一パッケージ内に収納されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のパワー素子の温度保護装置。
- 同一パッケージ内に収納され互いに熱的に影響を受ける位置に配設された第1、第2のパワー素子の温度をそれぞれ検出する第1、第2の温度検出手段と、
前記第1の温度検出手段によって検出された温度を第1の闘値と比較し、前記第1のパワー素子の温度が前記第1の闘値まで上昇したか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第2の温度検出手段によって検出された温度を第2の闘値と比較し、前記第2のパワー素子の温度が前記第2の闘値まで上昇したか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第1の判定手段により、前記第1のパワー素子の温度が前記第1の闘値まで上昇したことが判定されたとき、前記第1のパワー素子の通電を停止させるとともに、前記第2の闘値をそれまでよりも高い温度の闘値に切り替える第1の異常発熱対応手段と、
前記第2の判定手段により、前記第2のパワー素子の温度が前記第2の闘値まで上昇したことが判定されたとき、前記第2のパワー素子の通電を停止させるとともに、前記第1の闘値をそれまでよりも高い温度の闘値に切り替える第2の異常発熱対応手段と、を備えたことを特徴とするパワー素子の温度保護装置。 - 同一パッケージ内に収納され互いに熱的に影響を受ける位置に配設された第1、第2のパワー素子の温度をそれぞれ検出する第1、第2の温度検出素子と、
前記第1の温度検出素子によって検出された温度を第1の闘値と比較し、前記第1のパワー素子の温度が前記第1の闘値まで上昇したときに第1の異常発熱検出信号を出力する第1の比較回路と、
前記第2の温度検出素子によって検出された温度を第2の闘値と比較し、前記第2のパワー素子の温度が前記第2の闘値まで上昇したときに第2の異常発熱検出信号を出力する第2の比較回路と、
前記第1の比較回路から出力された前記第1の異常発熱検出信号をラッチし、前記第1のパワー素子の通電を停止させるために、ラッチした前記第1の異常発熱検出信号を、前記第1のパワー素子を駆動する駆動回路に出力する第1のラッチ回路と、
前記第1の比較回路から出力された前記第1の異常発熱検出信号により、前記第2の闘値をそれまでよりも高い温度の闘値に切り替える第1の闘値切替回路と、
前記第2の比較回路から出力された前記第2の異常発熱検出信号をラッチし、前記第2のパワー素子の通電を停止させるために、ラッチした前記第2の異常発熱検出信号を、前記第2のパワー素子を駆動する駆動回路に出力する第2のラッチ回路と、
前記第2の比較回路から出力された前記第2の異常発熱検出信号により、前記第1の闘値をそれまでよりも高い温度の闘値に切り替える第2の闘値切替回路と、を備えたことを特徴とするパワー素子の温度保護装置。 - 前記第1の異常発熱検出信号が出力されてから所定時間が経過したことを検出して、前記第1の闘値切替により切り替えた閾値を元の閾値に戻す第1のタイマ回路と、前記第2の異常発熱検出信号が出力されてから所定時間が経過したことを検出して、前記第2の闘値切替により切り替えた閾値を元の閾値に戻す第2のタイマ回路と、を備えたことを特徴とする請求項6に記載のパワー素子の温度保護装置。
- 前記第1の比較回路から出力された前記第1の異常発熱検出信号により、前記第1の闘値をそれまでよりも低い温度の闘値に切り替える回路を備え、前記第1の比較回路から出力された前記第1の異常発熱検出信号の消滅により前記第1の闘値切替によって切り替えた閾値を元の閾値に戻すように構成されており、前記第2の比較回路から出力された前記第2の異常発熱検出信号により、前記第2の闘値をそれまでよりも低い温度の闘値に切り替える回路を備え、前記第2の比較回路から出力された前記第2の異常発熱検出信号の消滅により前記第2の闘値切替によって切り替えた閾値を元の閾値に戻すように構成されていることを特徴とする請求項6に記載のパワー素子の温度保護装置。
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