JP2004139979A - エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外部への発光取り出し効率が高められたエレクトロルミネッセンス(EL)素子を提供すること。
【解決手段】 背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなる発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱反射性を持ち、かつ発光層が光散乱性を示すエレクトロルミネッセンス素子。
【選択図】 図3



Description

 本発明は、電気エネルギーの印加により発光を示すエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)に関するものである。
 近年、小型かつ軽量の表示素子(ディスプレイ)として、液晶表示素子が広範囲に用いられてきたが、液晶自体は自己発光をしないため、液晶表示素子では、液晶層の背面側に光源(バックライト)を配置して、その光源から発せられる光の透過を液晶層で制御して、透過画像を得る構成が一般的である。カラー画像を得るためには、液晶層の表面にカラーフィルターを付設する。そして、そのカラーフィルターを透過する色光の組合せによりカラー画像が得られる。
 液晶表示素子では、上記のように、別に光源を付設することが必要となり、消費する電気エネルギーも多いことから、電気エネルギーを付与するための小型電池が開発されている(例えば、リチウム電池)。しかしながら、そのような技術的発展にも拘らず、その小型化と軽量化には限界がある。液晶表示素子として、バックライトを用いない反射型のタイプの開発も進んでいるが、特にカラー画像を表示すると、その表示コントラストが低く、また表示画像の質が外光の条件によって大きく左右されるため、利用可能な範囲には限界がある。
 従って、僅かな電気エネルギーの付与により自己発光を示し、別に光源を用意しなくても、画像表示が可能な表示材料として、エレクトロルミネッセンス素子(一般にEL素子とよばれる)が注目を浴びている。添付図面の図1と図2のそれぞれに、現在利用されているエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)の代表的な構造例を示す。
 図1に示したEL素子は、分散型交流EL素子とよばれるエレクトロルミネッセンス素子であって、発光を取り出す側に設けられる透明なガラス基板(あるいは透明プラスチック材料基板)11aの上に、透明電極(ITO電極)12aが形成され、その透明電極12aの上に、蛍光体粒子が誘電体材料によって分散支持されている発光層(厚さは通常50〜100μm)13が配置される。発光層13の上には絶縁体層14bと背面電極(アルミニウム電極)12bがこの順に配置されており、前面側(図における下側)に配置された透明電極12aと背面電極12bとの間に交流電圧を印加することによって、発光層13の内部の蛍光体粒子が電場発光を示す。この発光は、透明電極12aと透明基板11aとを通して素子の前面側から取り出される。一般的に用いられる蛍光体粒子は、ZnS:Cu,Cl、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Mn,Clなどの粒子であって、Cu2S針状結晶がZnS粒子(粒径:5〜30μm)の格子欠陥に沿って析出し、その部分が電子源になっていると考えられている。EL素子の表面には、通常、保護膜が設けられている。そして、各種の補助層が任意に各層の間に設けられることがある。
 次に、図2に示したEL素子は、薄膜型交流EL素子とよばれるエレクトロルミネッセンス素子であって、発光を取り出す側に設けられる透明なガラス基板(あるいは透明プラスチック材料基板)21aの上に、透明電極(ITO電極)22aが形成され、その透明電極22aの上に、前面側絶縁体層(厚みが0.3〜0.5μmの光透過性の絶縁体層であって、第一絶縁体層とも呼ばれる)24aが形成される。該前面側の絶縁体層24aの上には、薄膜蛍光体層からなる発光層(厚さは通常1μm以下)23が配置される。発光層23の上には背面絶縁体層(第二絶縁体層)24bと背面電極(アルミニウム電極)22bがこの順に配置されており、前面側(図における下側)に配置された透明電極22aと背面電極22bとの間に交流電圧を印加することによって、発光層23が電場発光を示す。この発光は、前面側の絶縁体層24a、透明電極22aそして透明基板21aを通して前面側から取り出される。薄膜の蛍光体層である発光層は、各種の蒸着法や塗布法(ゾルゲル法などを利用)などにより形成される。なお、蛍光体層と前後の絶縁体層との間には、バッファ層などの補助層が付設されることもある。また、EL素子の表面には、通常、保護層が設けられている。そして、バッファ層以外の各種の補助層が任意に各層の間に設けられることがある。
 なお、エレクトロルミネッセンス素子の一般的な構造や構成材料などについては、非特許文献1に詳しい記載がある。
 また、これまでは、単一のエレクトロルミネッセンス発光層を二以上の領域に分け、各領域に互いに異なる発光色を示す蛍光体を分離して配置することによって多色画像を表示させるエレクトロルミネッセンス素子が考えられてきたが、最近では、エレクトロルミネッセンス素子に、互いに発色色の異なる発光層を含む発光性積層体を複数個、積層配置して、それぞれの発光層から発光させることにより、任意に多色画像を表示させることも提案されている。そのような複数の発光性積層体から構成される多色画像表示用のエレクトロルミネッセンス素子の配置の例としては、図26に示すような構成がある。
 図26では、背面側の光遮蔽性板(黒色板)631から、前面側(発光取り出し側、すなわち表示側)の保護板(ガラス基板)632にかけて、橙色発光層633、緑色発光層634、そして青色発光層635が備えられている。そして、それぞれの発光層の両側には、絶縁層と電極層が付設されている。すなわち、橙色発光層633の両側には、絶縁層731、そして電極732a、732b(前面側の電極732aは透明電極で、背面側の電極732bが不透明のアルミニウム電極である)、緑色発光層634の両側には、絶縁層741、そして電極742a、742b(共に透明電極)、そして青色発光層635の両側には、絶縁層751、そして電極752a、752b(共に透明電極)が付設されている。このようにしてそれぞれ形成された橙色発光性積層体と緑色発光性積層体との間には、赤色フィルター636を挟んだガラス基板637が備えられ、そして緑色発光性積層体と青色発光性積層体の間には透明保護膜638が備えられている。
猪口敏夫著「エレクトロルミネッセンスディスプレイ」産業図書株式会社出版、平成3年
 エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)は、前述のように、僅かな電気エネルギーで自己発光を示すため、優れた表示材料と考えられているが、これまでに製品として開発されたELディスプレイでは、光源としての安定性が充分でないことや、発光量が充分とは言えないことなどの問題点が指摘されている。このうち、前者の安定性の問題は、多くの研究がなされた結果、ほぼ解決されているが、発光量の不足については、更に改良が望まれている。
 なかでも、分散型EL素子では、発光効率が充分でなく、従って外部に取り出される光が充分でないという問題がある。一方、薄膜型EL素子では、内部での発光のうちで外部に取り出される割合が非常に小さいことが問題とされている。このような問題点の解決のために、これまでに数多くの研究がなされ、たとえば、光取り出し側のガラス基板に光散乱膜を付設するなどの改良も発表されているが、その改良効果も充分とは言えない。
 従って、本発明は、従来と同程度の電力使用量であっても、外部に充分な発光を取り出すことのできるエレクトロルミネッセンス素子を提供することを主な目的とする。
 また、本発明は、従来と同程度のサイズであって、かつ従来と同程度の電力使用量で、高い発光効率と発光取り出し効率とを示すエレクトロルミネッセンス素子を提供することをも主な目的とする。
 本発明の発明者は、従来のエレクトロルミネッセンス素子の問題点について研究した結果、発光層の前面(光を取り出す側の面)及び/又は背面に、発光層の屈折率と同程度もしくはそれ以上の高屈折率の光散乱層を配置し、かつ発光層と該高屈折率光散乱層との間に存在する材料の屈折率を、発光層の屈折率と同程度もしくはそれ以上高いレベルに維持することによって、発光層で発光した光が外部に効率的に取り出されることを見い出し、本発明に到達した。
 さらに、分散型エレクトロルミネッセンス素子においては、背面側の基板(背面シート)に光散乱反射性を持たせ、かつ発光層中で蛍光体粒子を分散状態で保持する誘電体相が光散乱性を示すように構成することにより、蛍光体からの発光を効率良く外部に取り出すことが可能となることを見い出した。また、この蛍光体粒子の表面を、蛍光体粒子の屈折率と同等もしくはそれ以上の屈折率を有する被覆材料(たとえば、誘電体材料)で被覆した複合粒子を用いることによって、あるいは誘電体材料粒子の表面に蛍光体層および被覆層が形成された複合粒子であって、該被覆層の屈折率を蛍光体層の屈折率と同等もしくはそれ以上とすることによって、蛍光体からの発光を効率良く外部に取り出すことが可能となることを見い出した。
 本発明は第一に、背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなる発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱反射性を持ち、かつ発光層が光散乱性を示すことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子にある。
 本発明は第二に、背面シート、背面側電極、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなる発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、エレクトロルミネッセンス発光粒子が、誘電体材料粒子の周囲に蛍光体層が形成され、さらにその外側に被覆層が形成されてなる粒子であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子にある。
 本発明は第三に、背面シート、背面側電極、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなる、光散乱性もしくは非光散乱性の発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、エレクトロルミネッセンス発光粒子が、誘電体材料粒子の周囲に蛍光体層が形成されてなる粒子であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子にある。
 本発明は第四に、背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなるエレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱効果による光反射性を示し、前面側光透過性電極と前面保護膜との間に、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱層が付設されており、かつエレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子にある。
 本発明は第五に、背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなるエレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性反射シートであって、エレクトロルミネッセンス発光層から背面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該背面シートに入射されるように、該発光層と該背面シートとの間に介在する層の屈折率が調整されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子にある。
 本発明は第六に、背面シート、背面側電極、背面側絶縁体層、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなるエレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、背面側絶縁体層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性絶縁体層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から背面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該背面側絶縁体層に入射されることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子にある。
 本発明は第七に、背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなるエレクトロルミネッセンス発光層、前面側絶縁体層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱効果による光反射性を示し、前面側絶縁体層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性絶縁体層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該前面側絶縁体層に入射されるように調整されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子にある。
 本発明は第八に、背面シート、背面側電極、背面側絶縁体層、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなるエレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、該背面側絶縁体層が10μm以上の厚みを持ち、かつ拡散反射率が50%以上の高屈折率光散乱反射性絶縁体層であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子にある。
 本発明は第九に、背面シート、背面側電極、背面側絶縁体層、エレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有するエレクトロルミネッセンス素子であって、該背面側絶縁体層が10μm以上の厚みを持ち、かつ拡散反射率が50%以上の高屈折率光散乱反射性絶縁体層であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子にある。
 本発明は第十に、背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有するエレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性反射シートであって、エレクトロルミネッセンス発光層から背面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該背面シートに入射されるように、該発光層と背面シートとの間に介在する層の屈折率が調整されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子にある。
 本発明は第十一に、背面シート、光透過性背面側電極、背面側絶縁体層、エレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有するエレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱反射性であって、かつ背面側絶縁体層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性絶縁体層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から背面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該背面側絶縁体層に入射されることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子にある。
 本発明は第十二に、背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有するエレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱効果による光反射性を示し、前面側光透過性電極と前面保護膜との間に、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱層が付設されていて、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子にある。
 本発明は第十三に、背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有するエレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱効果による光反射性を示し、エレクトロルミネッセンス発光層の前面側に、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性絶縁体層が設けられていて、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該高屈折率光散乱性絶縁体層に入射されることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子にある。
 本発明は第十四に、背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有するエレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱効果による光反射性を示し、エレクトロルミネッセンス発光層の背面側に、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性絶縁体層が設けられていて、エレクトロルミネッセンス発光層から背面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該高屈折率光散乱性絶縁体層に入射されることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子にある。
 本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、従来と同程度のサイズで、かつ従来と同程度の電力使用量で、内部で発光した光を高い効率で外部に取り出すことを可能にする。また、本発明の分散型エレクトロルミネッセンス素子は、発光層からの発光効率も高めることができる。
 本発明のエレクトロルミネッセンス素子の好ましい態様は下記に示す通りである。
 本発明の第一のEL素子では下記の態様が好ましい。
(1)エレクトロルミネッセンス発光粒子が、蛍光体粒子の外側に被覆層(例えば、誘電体被覆層)が形成されてなる粒子である。
(2)エレクトロルミネッセンス発光粒子の外側被覆層が、該発光粒子中の蛍光体粒子の屈折率の65%以上の屈折率を有する。
(3)エレクトロルミネッセンス発光粒子の外側被覆層が蛍光体粒子の屈折率の75%以上の屈折率を有する。
(4)発光層の誘電体相が蛍光体粒子の屈折率の65%以上の屈折率を有する。
(5)発光層の誘電体相が、蛍光体粒子の屈折率の75%以上の屈折率を有する。
(6)前面側光透過性電極として高屈折率光透過性電極を用いる。
(7)エレクトロルミネッセンス発光粒子の粒子径が30nm〜5μmの間にある。
(8)誘電体相が有機ポリマー中に無機もしくは有機の微粒子が分散されてなる相である。
(9)エレクトロルミネッセンス発光粒子の半径と、該粒子中の被覆層の層厚が下記の関係にある:

   (r−d)/r ≦ (n2/n1)×1.2

[但し、rは発光粒子の半径、dは被覆層の層厚、n2は発光層の誘電体相の屈折率、n1は発光粒子中の蛍光体の屈折率を表わす]。
(10)エレクトロルミネッセンス発光粒子中の蛍光体が青色光を発光する蛍光体であり、かつ前面側光透過性電極と光透過性前面保護層との間に、該青色光を緑色光、赤色光もしくは白色光に変換する蛍光体層が備えられている。
(11)エレクトロルミネッセンス発光粒子中の蛍光体が紫外光を発光する蛍光体であり、かつ前面側光透過性電極と光透過性前面保護層との間に、該紫外光を青色光、緑色光、赤色光もしくは白色光に変換する蛍光体層が備えられている。
(12)前面側光透過性電極と光透過性前面保護層との間に備えられた蛍光体層が光拡散性を示す蛍光体層である。
(13)エレクトロルミネッセンス発光粒子中の蛍光体が、青色光を、緑色光、橙色光、もしくは赤色光を発光する蛍光体である。
(14)エレクトロルミネッセンス発光粒子中の蛍光体が、白色光を発光する蛍光体である。
(15)前面側光透過性電極と光透過性保護膜との間にカラーフィルター層及び/又はNDフィルター層が付設されている。
(16)エレクトロルミネッセンス発光粒子の外側被覆層が、下記工程からなる粒子表面の被覆方法により形成されたものである:
  1)25℃では固体状態をとって、加熱により融解して極性を示す液体状態となり、そして加熱をさらに続けることにより熱分解する有機材料(例、尿素および/またはカルボヒドラジド)の融液に、金属化合物の塩(例、金属硝酸塩、金属硫酸塩および金属酢酸塩)が溶解され、さらに蛍光体もしくは未付活の蛍光体粒子が分散されてなる分散液を調製する工程、
  2)該分散液を加熱する工程、および
  3)有機材料を焼失させ、金属化合物による被覆粒子を得るために焼成する工程。
(17)エレクトロルミネッセンス発光粒子の外側被覆層が、下記工程からなる粒子表面の被覆方法により形成されたものである:
  1)25℃では固体状態をとって、加熱により融解して極性を示す液体状態となり、そして加熱をさらに続けることにより熱分解する有機材料(例、尿素および/またはカルボヒドラジド)の融液に、金属化合物の塩(例、金属硝酸塩、金属硫酸塩および金属酢酸塩)が溶解されてなる融液を調製する工程、
  2)該融液を加熱して金属化合物前駆体を形成する工程、
  3)該金属化合物前駆体および蛍光体もしくは未付活の蛍光体粒子を混合する工程、および
  4)該混合物から有機材料を焼失させ、金属化合物による被覆粒子を得るために焼成する工程。
 本発明の第二のEL素子では下記の態様が好ましい。
(1)誘電体相が有機ポリマーからなるか、あるいは有機ポリマー中に無機もしくは有機の微粒子が分散されてなる層である。
(2)発光層が光散乱性を示す層である。
(3)背面側電極が光透過性電極であり、背面シートが光散乱性を示す。
(4)エレクトロルミネッセンス発光粒子中の外側誘電体層が、該発光粒子中の蛍光体層の屈折率の65%以上の屈折率を有する。
(5)エレクトロルミネッセンス発光粒子中の外側誘電体層が、該発光粒子中の蛍光体層の屈折率の75%以上の屈折率を有する。
(6)発光層の誘電体相が、発光粒子中の蛍光体層の屈折率の65%以上の屈折率を有する。
(7)発光層の誘電体相が、発光粒子中の蛍光体層の屈折率の75%以上の屈折率を有する。この場合、誘電体相の材料は、有機ポリマーに限定されず、無機素材あるいは有機、無機複合体(ナノコンポジットを含む)であってもよい。
(8)背面側電極が光透過性電極であり、背面シートが、エレクトロルミネッセンス発光粒子の蛍光体層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性反射シートであって、エレクトロルミネッセンス発光粒子から背面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該背面シートに入射されるように、該発光粒子と該背面シートとの間に介在する材料の屈折率が調整されている。
(9)背面側電極が光透過性電極であり、背面シートが光散乱反射性を示し、前面側電極と前面保護膜との間に、エレクトロルミネッセンス発光粒子の蛍光体層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱層が付設されており、かつエレクトロルミネッセンス発光粒子から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該高屈折率散乱層に入射されるように、該発光粒子と該高屈折率光散乱層との間に介在する材料の屈折率が調整されている。
(10)エレクトロルミネッセンス発光粒子の粒子径が30nm〜5μmの間にある。
(11)エレクトロルミネッセンス発光粒子の半径と、該粒子中の被覆層の層厚が下記の関係にある:

   (r−d)/r ≦ (n2/n1)×1.2

[但し、rは粒子の半径を、dは被覆層の層厚を、n2は発光層の誘電体相の屈折率、n1は発光粒子中の蛍光体の屈折率を表わす]。
(12)エレクトロルミネッセンス発光粒子の内部の誘電体材料粒子が、該発光粒子中の蛍光体層の誘電率の3倍以上の誘電率を示す。
(13)エレクトロルミネッセンス発光粒子中の蛍光体層が青色光を発光する蛍光体からなり、かつ前面側光透過性電極と光透過性前面保護層との間に該青色光を緑色光、赤色光もしくは白色光に変換する蛍光体層が備えられている。
(14)エレクトロルミネッセンス発光粒子中の蛍光体層が紫外光を発光する蛍光体からなり、かつ前面側光透過性電極と光透過性前面保護層との間に該紫外光を青色光、緑色光、赤色光もしくは白色光に変換する蛍光体層が備えられている。
(15)前面側光透過性電極と光透過性前面保護層との間に備えられた蛍光体層が光拡散性を示す蛍光体層である。
(16)エレクトロルミネッセンス発光粒子中の蛍光体層が、青色光を、緑色光、橙色光、もしくは赤色光を発光する蛍光体からなる。
(17)エレクトロルミネッセンス発光粒子中の蛍光体層が、白色光を発光する蛍光体からなる。
(18)エレクトロルミネッセンス発光粒子の蛍光体層および/または被覆層が、下記工程からなる粒子表面の被覆方法により形成されたものである:
  1)25℃では固体状態をとって、加熱により融解して極性を示す液体状態となり、そして加熱をさらに続けることにより熱分解する有機材料(例、尿素および/またはカルボヒドラジド)の融液に、金属化合物の塩(例、金属硝酸塩、金属硫酸塩および金属酢酸塩)が溶解され、さらに誘電体材料粒子或は蛍光体層が形成された誘電体材料粒子が分散されてなる分散液を調製する工程、
  2)該分散液を加熱する工程、および
  3)有機材料を焼失させ、金属化合物による被覆粒子を得るために焼成する工程。
(19)エレクトロルミネッセンス発光粒子の蛍光体層および/または被覆層が、下記工程からなる粒子表面の被覆方法により形成されたものである:
  1)25℃では固体状態をとって、加熱により融解して極性を示す液体状態となり、そして加熱をさらに続けることにより熱分解する有機材料(例、尿素および/またはカルボヒドラジド)の融液に、金属化合物の塩(例、金属硝酸塩、金属硫酸塩および金属酢酸塩)が溶解されてなる融液を調製する工程、
  2)該融液を加熱して金属化合物前駆体を形成する工程、
  3)該金属化合物前駆体および蛍光体もしくは未付活の蛍光体粒子を混合する工程、および
  4)該混合物から有機材料を焼失させ、金属化合物による被覆粒子を得るために焼成する工程。
 本発明の第三のEL素子においては、下記の態様が好ましい。
(1)背面側電極が光透過性電極であり、背面シートが光散乱性を示す。
(2)発光層の誘電体相が、発光粒子中の蛍光体層の屈折率の65%以上の屈折率を有する。
(3)エレクトロルミネッセンス発光粒子の内部の誘電体材料粒子が、該発光粒子中の蛍光体層の誘電率の3倍以上の誘電率を示す。
(4)背面側電極が光透過性電極であり、背面シートが、エレクトロルミネッセンス発光粒子の蛍光体層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性反射シートであって、エレクトロルミネッセンス発光粒子から背面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該背面シートに入射されるように、該発光粒子と該背面シートとの間に介在する材料の屈折率が調整されている。
(5)エレクトロルミネッセンス発光粒子から背面側に向けて発せられる光の70%以上の光が背面シートに入射されるように、該発光粒子と該背面シートとの間に介在する材料の屈折率が調整されている。
(6)エレクトロルミネッセンス発光粒子と背面シートとの間に介在する材料のいずれもが該発光粒子の蛍光体層の屈折率の80%以上の屈折率を有する。
(7)背面側電極が光透過性電極であり、背面シートが光散乱反射性を示し、前面側電極と前面保護膜との間に、エレクトロルミネッセンス発光粒子の蛍光体層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱層が付設されており、かつエレクトロルミネッセンス発光粒子から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光粒子と該高屈折率光散乱層との間に介在する材料の屈折率が調整されている。
(8)エレクトロルミネッセンス発光粒子から前面側に向けて発せられる光の70%以上の光が該高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光粒子と該高屈折率光散乱層との間に介在する材料の屈折率が調整されている。
(9)エレクトロルミネッセンス発光粒子の蛍光体層と高屈折率光散乱層との間に介在する層もしくは材料のいずれもが該発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する。
(10)エレクトロルミネッセンス発光粒子の蛍光体層と高屈折率光散乱層との間に介在する層もしくは材料のいずれもが該発光層の屈折率の95%以上の範囲の屈折率を有する。
(11)エレクトロルミネッセンス発光粒子中の蛍光体層が青色光を発光する蛍光体からなり、かつ前面側光透過性電極と光透過性前面保護層との間に該青色光を緑色光、赤色光もしくは白色光に変換する蛍光体層が備えられている。
(12)エレクトロルミネッセンス発光粒子中の蛍光体層が紫外光を発光する蛍光体からなり、かつ前面側光透過性電極と光透過性前面保護層との間に該紫外光を青色光、緑色光、赤色光もしくは白色光に変換する蛍光体層が備えられている。
(13)前面側光透過性電極と光透過性前面保護層との間に備えられた蛍光体層が光拡散性を示す蛍光体層である。
(14)エレクトロルミネッセンス発光粒子中の蛍光体層が青色光を、緑色光、橙色光、もしくは赤色光を発光する蛍光体からなる。
(15)エレクトロルミネッセンス発光粒子中の蛍光体層が、白色光を発光する蛍光体からなる。
(16)高屈折率光散乱反射性背面シートが、セラミック材料から形成されている。
(17)高屈折率光散乱反射性背面シートが、ガラスシートと高屈折率光散乱層との積層体である。
(18)前面側光透過性電極と光透過性保護膜との間にカラーフィルター層及び/又はNDフィルター層が付設されている。
(19)エレクトロルミネッセンス発光粒子の蛍光体層が、下記工程からなる粒子表面の被覆方法により形成されたものである:
  1)25℃では固体状態をとって、加熱により融解して極性を示す液体状態となり、そして加熱をさらに続けることにより熱分解する有機材料(例、尿素および/またはカルボヒドラジド)の融液に、金属化合物の塩(例、金属硝酸塩、金属硫酸塩および金属酢酸塩)が溶解され、さらに誘電体材料粒子が分散されてなる分散液を調製する工程、
  2)該分散液を加熱する工程、および
  3)有機材料を焼失させ、金属化合物による被覆粒子を得るために焼成する工程。
(20)エレクトロルミネッセンス発光粒子の蛍光体層が、下記工程からなる粒子表面の被覆方法により形成されたものである:
  1)25℃では固体状態をとって、加熱により融解して極性を示す液体状態となり、そして加熱をさらに続けることにより熱分解する有機材料(例、尿素および/またはカルボヒドラジド)の融液に、金属化合物の塩(例、金属硝酸塩、金属硫酸塩および金属酢酸塩)が溶解されてなる融液を調製する工程、
  2)該融液を加熱して金属化合物前駆体を形成する工程、
  3)該金属化合物前駆体および蛍光体もしくは未付活の蛍光体粒子を混合する工程、および
  4)該混合物から有機材料を焼失させ、金属化合物による被覆粒子を得るために焼成する工程。
 本発明の第四のEL素子においては、下記の態様が好ましい。
(1)エレクトロルミネッセンス発光層と前面側光透過性電極及び/又は背面側光透過性電極との間に絶縁体層が備えられている。
(2)高屈折率光散乱層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の95%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の70%以上の光が高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されている。
(3)高屈折率光散乱層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の99%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の85%以上の光が高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されている。
(4)光不透過性で、光散乱効果による光反射性を示す背面シートがセラミック材料から形成されている。
(5)光不透過性で、光散乱効果による光反射性を示す背面シートが、ガラスシートと高屈折率光散乱層との積層体である。
(6)エレクトロルミネッセンス発光層が可視光を発する蛍光体から形成されている。
(7)エレクトロルミネッセンス発光層が、互いに分離区画された領域に充填された、発色光の色相が互いに異なる二種以上の蛍光体層からなる。
(8)高屈折率光散乱層と光透過性保護膜との間にカラーフィルター層及び/又はNDフィルター層が付設されている。
(9)エレクトロルミネッセンス発光層が紫外光を発する蛍光体から形成されていて、高屈折率光散乱層の前面側に、紫外光吸収して可視光を発する蛍光体層が付設されている。
(10)エレクトロルミネッセンス発光層が紫外光を発する蛍光体から形成されており、かつ高屈折率光散乱層が、紫外光を吸収して可視光を発する高屈折率光散乱層である。
(11)エレクトロルミネッセンス発光層が、青色を発する蛍光体から形成されていて、高屈折率光散乱層の前面側に、青色光を吸収して緑色光、赤色光、もしくは白色光を発する蛍光体層が付設されている。
(12)エレクトロルミネッセンス発光層が、青色光を発する蛍光体から形成されており、かつ高屈折率光散乱層が、青色光を吸収して、緑色光、赤色光、もしくは白色光を発する高屈折率光散乱性蛍光体層である。
 本発明の第五乃至第七のEL素子においては、下記の態様が好ましい。
(1)エレクトロルミネッセンス発光層と前面側光透過性電極及び/又は背面側光透過性電極との間に絶縁体層が備えられている。
(2)さらに前面側光透過性電極と前面保護膜との間に、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱層が付設されていて、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されている。
(3)高屈折率光散乱層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の95%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の70%以上の光が高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されている。
(4)高屈折率光散乱層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の99%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の85%以上の光が高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されている。
(5)背面シートが、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の95%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性反射シートであって、エレクトロルミネッセンス発光層から背面側に向けて発せられる光の70%以上の光が該背面シートに入射されるように、該発光層と該背面シートとの間に介在する層の屈折率が調整されている。
(6)背面シートが、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の99%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性反射シートであって、エレクトロルミネッセンス発光層と該背面シートとの間に介在する層のいずれもが該発光層の屈折率の85%以上の屈折率を有する。
(7)背面シートが、セラミック材料から形成されている。
(8)背面シートが、ガラスシートと高屈折率光散乱層との積層体である。
(9)エレクトロルミネッセンス発光層が可視光を発する蛍光体から形成されている。
(10)エレクトロルミネッセンス発光層が、互いに分離区画された領域に形成された、発色光の色相が互いに異なる二種以上の蛍光体層からなる。
(11)前面側光透過性電極と光透過性保護膜との間にカラーフィルター層及び/又はNDフィルター層が付設されている。
(12)エレクトロルミネッセンス発光層が紫外光を発する蛍光体から形成されていて、光透過性保護膜の背面側に、紫外光吸収して可視光を発する蛍光体層が付設されている。
(13)エレクトロルミネッセンス発光層が紫外光を発する蛍光体から形成されており、かつ光透過性保護膜の背面側に、紫外光を吸収して可視光を発する光散乱性蛍光体層が付設されている。
(14)エレクトロルミネッセンス発光層が青色光を発する蛍光体から形成されていて、光透過性保護膜の背面側に、青色光を吸収して緑色光、赤色光、もしくは白色光を発する蛍光体層が付設されている。
(15)エレクトロルミネッセンス発光層が青色光を発する蛍光体から形成されており、光透過性保護膜の背面側に、青色光を吸収して緑色光、赤色光もしくは白色光を発する光散乱性蛍光体層が付設されている。
(16)エレクトロルミネッセンス発光層が、蛍光体粒子が該蛍光体粒子の屈折率の80%以上の屈折率を有する誘電体相に分散されてなる蛍光体粒子分散層である。
 本発明の第八のEL素子においては、下記の態様が好ましい。
(1)背面側絶縁体層の拡散反射率が70%以上である。
(2)背面側絶縁体層の拡散反射率が90%以上である。
(3)背面側絶縁体層の層厚が10〜100μmの範囲にある。
(4)エレクトロルミネッセンス発光層が可視光を発する蛍光体から形成されている。
(5)エレクトロルミネッセンス発光層が、互いに分離区画された領域に形成された、発色光の色相が互いに異なる二種以上の蛍光体層からなる。
(6)前面側光透過性電極と光透過性保護膜との間にカラーフィルター層及び/又はNDフィルター層が付設されている。
(7)エレクトロルミネッセンス発光層が紫外光を発する蛍光体から形成されていて、光透過性保護膜の背面側に、紫外光を吸収して可視光を発する蛍光体層が付設されている。
(8)エレクトロルミネッセンス発光層が紫外光を発する蛍光体から形成されており、かつ光透過性保護膜の背面側に、紫外光を吸収して可視光を発する光散乱性蛍光体層が付設されている。
(9)エレクトロルミネッセンス発光層が青色光を発する蛍光体から形成されていて、光透過性保護膜の背面側に、青色光を吸収して緑色光、赤色光、もしくは白色光を発する蛍光体層が付設されている。
(10)エレクトロルミネッセンス発光層が青色光を発する蛍光体から形成されており、かつ光透過性保護膜の背面側に、青色光を吸収して緑色光、赤色光もしくは白色光を発する光散乱性蛍光体層が付設されている。
 本発明の第九のEL素子においては、下記の態様が好ましい。
(1)背面側絶縁体層の拡散反射率が70%以上である。
(2)背面側絶縁体層の拡散反射率が90%以上である。
(3)背面側絶縁体層の層厚が10〜100μmの範囲にある。
(4)エレクトロルミネッセンス発光層が蛍光体薄膜である。
(5)エレクトロルミネッセンス発光層が、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなる発光層である。
(6)エレクトロルミネッセンス発光層が可視光を発する蛍光体から形成されている。
(7)エレクトロルミネッセンス発光層が、互いに分離区画された領域に形成された、発色光の色相が互いに異なる二種以上の蛍光体層からなる。
(8)前面側光透過性電極と光透過性保護膜との間にカラーフィルター層及び/又はNDフィルター層が付設されている。
(9)エレクトロルミネッセンス発光層が紫外光を発する蛍光体から形成されていて、光透過性保護膜の背面側に、紫外光を吸収して可視光を発する蛍光体層が付設されている。
(10)エレクトロルミネッセンス発光層が紫外光を発する蛍光体から形成されており、かつ光透過性保護膜の背面側に、紫外光を吸収して可視光を発する光散乱性蛍光体層が付設されている。
(11)エレクトロルミネッセンス発光層が青色光を発する蛍光体から形成されていて、光透過性保護膜の背面側に、青色光を吸収して緑色光、赤色光、もしくは白色光を発する蛍光体層が付設されている。
(12)エレクトロルミネッセンス発光層が青色光を発する蛍光体から形成されており、かつ光透過性保護膜の背面側に、青色光を吸収して緑色光、赤色光もしくは白色光を発する光散乱性蛍光体層が付設されている。
 本発明の第十及び第十一のEL素子においては、下記の態様が好ましい。
(1)さらに前面側光透過性電極と前面保護膜との間に、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱層が付設されていて、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されている。
(2)高屈折率光散乱層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の95%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の70%以上の光が高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されている。
(3)高屈折率光散乱層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の99%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の85%以上の光が高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されている。
(4)背面シートが、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の95%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性反射シートであって、エレクトロルミネッセンス発光層から背面側に向けて発せられる光の70%以上の光が該背面シートに入射されるように、該発光層と該背面シートとの間に介在する層の屈折率が調整されている。
(5)背面シートが、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の99%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性反射シートであって、エレクトロルミネッセンス発光層と該背面シートとの間に介在する層のいずれもが該発光層の屈折率の85%以上の屈折率を有する。
(6)背面シートが、セラミック材料から形成されている。
(7)背面シートが、ガラスシートと高屈折率光散乱層との積層体である。
(8)エレクトロルミネッセンス発光層が可視光を発する蛍光体から形成されている。
(9)エレクトロルミネッセンス発光層が、互いに分離区画された領域に形成された、発色光の色相が互いに異なる二種以上の蛍光体層からなる。
(10)前面側光透過性電極と光透過性保護膜との間にカラーフィルター層及び/又はNDフィルター層が付設されている。
(11)エレクトロルミネッセンス発光層が紫外光を発する蛍光体から形成されていて、光透過性保護膜の背面側に、紫外光を吸収して可視光を発する蛍光体層が付設されている。
(12)エレクトロルミネッセンス発光層が紫外光を発する蛍光体から形成されており、かつ光透過性保護膜の背面側に、紫外光を吸収して可視光を発する光散乱性蛍光体層が付設されている。
(13)エレクトロルミネッセンス発光層が青色光を発する蛍光体から形成されていて、光透過性保護膜の背面側に、青色光を吸収して緑色光、赤色光、もしくは白色光を発する蛍光体層が付設されている。
(14)エレクトロルミネッセンス発光層が青色光を発する蛍光体から形成されており、かつ光透過性保護膜の背面側に、青色光を吸収して緑色光、赤色光もしくは白色光を発する光散乱性蛍光体層が付設されている。
(15)エレクトロルミネッセンス発光層が、蛍光体薄膜層であるか、あるいは蛍光体粒子が該蛍光体粒子の屈折率の80%以上の屈折率を有する誘電体相に分散されてなる蛍光体粒子分散層である。
 本発明の第十二及び第十四のEL素子においては、下記の態様が好ましい。
(1)高屈折率光散乱層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の95%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の70%以上の光が高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されている。
(2)高屈折率光散乱層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の99%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の85%以上の光が高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されている。
(3)光不透過性で、光散乱効果による光反射性を示す背面シートがセラミック材料から形成されている。
(4)光不透過性で、光散乱効果による光反射性を示す背面シートが、ガラスシートと光散乱反射層との積層体である。
(5)エレクトロルミネッセンス発光層が可視光を発する蛍光体から形成されている。
(6)エレクトロルミネッセンス発光層が、互いに分離区画された領域に形成された、発色光の色相が互いに異なる二種以上の蛍光体層からなる。
(7)高屈折率光散乱層と光透過性保護膜との間にカラーフィルター層及び/又はNDフィルター層が付設されている。
(8)エレクトロルミネッセンス発光層が紫外光を発する蛍光体から形成されていて、光透過性保護膜の前面側に、紫外光を吸収して可視光を発する蛍光体層が付設されている。
(9)エレクトロルミネッセンス発光層が紫外光を発する蛍光体から形成されており、かつ高屈折率光散乱層として、紫外光を吸収して可視光を発する高屈折率光散乱層光散乱性蛍光体層が付設されている。
(10)エレクトロルミネッセンス発光層が青色光を発する蛍光体から形成されていて、高屈折率光散乱層の前面側に、青色光を吸収して緑色光、赤色光、もしくは白色光を発する蛍光体層が付設されている。
(11)エレクトロルミネッセンス発光層が、青色光を発する蛍光体から形成されており、かつ高屈折率光散乱層として、青色光を吸収して、緑色光、赤色光、もしくは白色光を発する高屈折率光散乱性蛍光体層が付設されている。
 以下に、本発明のエレクロトルミネッセンス素子の構成について、その代表的な構成例を示す添付図面を参照しながら詳しく説明する。なお、本明細書の説明において、高屈折率とは、屈折率が発光層中の誘電体相の屈折率を基準として、その80%以上(好ましくは95%以上、さらに好ましくは99%以上)であることを意味し、高屈折率が付けられた層もしくは材料は、そのような高い屈折率を示す層もしくは当該の層にそのような高い屈折率を与える材料である。
 図3は、本発明の第一の分散型EL素子の代表的な構成を示す。すなわち、EL素子は、背面側の、光不透過性であって光散乱反射性を示す基板31bの上に、背面側光透過性電極32b、発光層、前面側光透過性電極32a、光透過性保護層(あるいは波長変換蛍光層、カラーフィルター層、もしくはそれらの組合せ)37とからなる構成を有し、発光層は、蛍光体粒子33(粒子径は一般的には30nm〜5μm、好ましくは50nm〜2μm)が誘電体相35に分散された構成をとっていて、光散乱性を示す。
 前面側(図における下側)に配置された光透過性電極32aと背面側光透過性電極32bとの間に交流電圧(数十V乃至数百V、周波数30Hz〜10kHz、波形は任意であるが、正弦波が好ましい)を印加することにより、この発光層は電場発光を示す。この発光は、前面側の保護層37から取り出される。EL素子の各層の間には各種の補助層が設けられることがある。これらの変形は、以下に述べる構成のEL素子についても同様である。
 図4は、本発明の第一の分散型EL素子の別の代表的な構成を示す。即ち、EL素子は、背面側の、光不透過性であって、光反射性を示す基板31bの上に、背面側光透過性電極32b、発光層、前面側光透過性電極32a、光透過性保護層(あるいは波長変換蛍光層、カラーフィルター層、もしくはそれらの組合せ)37とからなる基本構成を有し、発光層は、蛍光体粒子33(粒子径は一般的には30nm〜5μm、好ましくは50nm〜2μm)と被覆層40(一般的な層厚:100nm〜数10μm)とからなる複合蛍光体粒子が、誘電体相(無機素材が好ましく用いられ、あるいは有機素材中に無機素材の超微粒子を添加した複合材料であってもよい)35に分散された構成をとり、光散乱性を示す。
 図5は、本発明の第二の分散型EL素子の代表的な構成を示す。すなわち、EL素子は、背面側の光反射層(もしくは光反射性基板)51bの上に、背面側光透過性電極52b、発光層、前面側光透過性電極52a、光透過性保護層57とからなる構成を有し、発光層は、誘電体材料からなる芯材(例えば、球状もしくは他の形状の芯材)60b、蛍光体層(層厚は一般的には30nm〜5μm、好ましくは50nm〜2μm)53、そして被覆層60aとからなる複合蛍光体粒子が高誘電率の有機ポリマー相55に分散された構成をとっており、光散乱性を示す。
 前面側(図における下側)に配置された光透過性電極52aと背面光透過性電極52bとの間に交流電圧を印加することにより、発光層は電場発光を示す。この発光は、前面側の保護膜57の側から取り出される。
 上記の構成において用いることのできる高誘電率有機ポリマーとしては、シアノエチル化セルロース系高誘電樹脂(シアノエチル化セルロース、シアノエチル化ヒドロキシセルロース、シアノエチル化プルランなど)を挙げることができるが、BaTiO3、SrTiO3、TiO2、Y23などの高誘電率超微粒子(直径:数nm〜数μ)をスチレン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデン樹脂などのポリマー(誘電率があまり高くないポリマー)に分散させたものであってもよい。
 図6は、本発明の第三の分散型EL素子の代表的な構成を示す。すなわち、EL素子は、背面側の高屈折率光反射層(基板を兼ねてもよい)51bの上に、高屈折率の背面側光透過性電極52b、発光層、前面側光透過性電極52a、光透過性保護層(あるいは波長変換蛍光層、カラーフィルター層、もしくはその組合せ)57とからなる基本構成を有し、発光層は、誘電体材料からなる球状芯材60bと蛍光体層(層厚は一般的には30nm〜5μm、好ましくは50nm〜2μm)53とからなる複合蛍光体粒子が高屈折率高誘電率媒体相(無機素材が好ましく用いられ、あるいは有機素材中に無機素材の超微粒子を添加した複合材料であってもよい)60cに分散されて構成をとる。
 図7は、本発明の第四の分散型EL素子の構成例を示す。図7のEL素子は、背面側(素子内で発光した光が取り出される側とは反対の側)の光散乱反射性が高いセラミック基板(光不透過性背面シート)121を配置し、その上(図7では下になる)に、順に、背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)122b、誘電体相に蛍光体粒子が分散固定されてなる発光層(厚さ:2〜50μm、好ましくは5〜20μm、層平面方向にR、G、Bなどの色相の発光を示す各種の蛍光体がそれぞれ区画され配置されている)123、高屈折率の前面側光透過性電極122a、高屈折率光散乱層(厚さ:1〜50μm)125、カラーフィルター層(R、G、B)126、そして光透過性保護膜127が配置されている。図7のEL素子において、背面側のセラミック基板121以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 なお、光不透過性背面シート121は、ガラスシートとその上に積層された光不透過性層から構成されていてもよい。
 図7の分散型EL素子の前面側(図における下側)に配置された光透過性電極122aと背面側電極122bとの間に交流電圧を印加することによって、発光層123は電場発光を示す。この発光は、前面側の光透過性保護膜127から取り出される。
 図8は、本発明の第四の分散型EL素子の別の構成例を示す。図8のEL素子は、背面側に光散乱反射性が高いセラミック基板131を配置し、その上に、順に、背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)132b、背面側絶縁体層(厚さ:0.3〜100μm)134b、誘電体相に蛍光体粒子が分散固定されてなる発光層133、前面側光透過性電極132a、高屈折率光散乱層(厚さ:0.3〜20μm)135、カラーフィルター層(R、G、B)136、そして光透過性保護膜137が配置されている。図8の分散型EL素子においても、背面側のセラミック基板131以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 図9は、本発明の第四の分散型EL素子の別の構成例を示す。図9のEL素子は、背面側に光散乱反射性が高いセラミック基板141を配置し、その上に、順に、背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)142b、誘電体相に蛍光体粒子が分散固定されてなる発光層143、高屈折率の絶縁体材料製光散乱層(厚さ:1〜50μm)145、高屈折率の前面側光透過性電極(厚さ:0.01〜20μm)142a、カラーフィルター層(R、G、B)146、そして光透過性保護膜147が配置されている。図9の分散型EL素子においても、背面側のセラミック基板141以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 図10は、本発明の第五の分散型EL素子の構成例を示す。図10の分散型EL素子は、背面側(素子内で発光した光が取り出される側とは反対の側)に、光散乱反射性が高い高屈折率セラミック基板(高屈折率光散乱反射性背面シート)221を配置し、その上に順に、高屈折率の背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)222b、誘電体相に蛍光体粒子が分散固定されてなる発光層(厚さ:2〜50μm、好ましくは5〜20μm、平面方向にR、G、Bなどの色相の発光を示す各種の蛍光体がそれぞれ区画され配置されている)223、前面側光透過性電極222a、カラーフィルター層(R、G、B)226、そして光透過性保護膜227が配置されている。図10のEL素子において、背面側の高屈折率セラミック基板221以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 なお、高屈折率光散乱反射性背面シート221は、ガラスシートとその上に積層された高屈折率光散乱層とから構成されていてもよい。
 前面側(図における下側)に配置された光透過性電極222aと背面側電極222bとの間に交流電圧を印加することによって、発光層223は電場発光を示す。この発光は、前面側の光透過性保護膜227の側から取り出される。
 図11は、本発明の第六の分散型EL素子の構成例を示す。図11の分散型EL素子は、背面側に光散乱反射性が高い高屈折率セラミック基板231を配置し、その上に、順に、高屈折率の背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)232b、高屈折率の背面側絶縁体層(厚さ:0.3〜50μm)234、誘電体相に蛍光体粒子が分散固定されてなる発光層233、前面側光透過性電極232a、カラーフィルター層(R、G、B)236、そして光透過性保護膜237が配置されている。図11のEL素子において、背面側の高屈折率セラミック基板231以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 図12は、本発明の第七の分散型EL素子の構成例を示す。図12の分散型EL素子は、背面側に光散乱反射性が高い高屈折率セラミック基板241を配置し、その上に、順に、高屈折率の背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)242b、誘電体相に蛍光体粒子が分散固定されてなる発光層243、高屈折率の前面側絶縁体層(厚さ:0.3〜1μm)244a、高屈折率の前面側光透過性電極(厚さ:0.01〜20μm)242a、カラーフィルター層(R、G、B)246、そして光透過性保護膜247が配置されている。図12のEL素子においても、背面側の高屈折率セラミック基板241以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 図13は、本発明の第五の分散型EL素子の別の構成例を示す。図13の分散型EL素子は、背面側に光散乱反射性が高い高屈折率セラミック基板251を配置し、その上に、順に、高屈折率の背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)252b、誘電体相に蛍光体粒子が分散固定されてなる発光層253、前面側光透過性電極(厚さ:0.01〜20μm)252a、高屈折率光散乱層(厚さ:1〜50μm)255、カラーフィルター層(R、G、B)256、そして光透過性保護膜257が配置されている。図13のEL素子においても、背面側のセラミック基板251以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 図14は、本発明の第八の分散型EL素子の構成例を示す。図14の分散型EL素子は、背面側(素子内で発光した光が取り出される側とは反対の側)に、ガラス、金属、あるいはセラミックなどからなる透明もしくは不透明な基板341を配置し、その上に順に、背面側電極(金属電極あるいは光透過性電極)342、拡散反射率が50%以上の高屈折率光拡散反射性絶縁体層(厚さ:10〜100μm)343、誘電体相に蛍光体粒子が分散固定されてなる発光層(厚さ:2〜50μm、好ましくは5〜20μm、層平面方向にR、G、Bなどの色相の発光を示す各種の蛍光体がそれぞれ区画され配置されている)344、前面側光透過性電極346、カラーフィルター層(R、G、B)347、そして光透過性保護膜348が配置されている。図14のEL素子において、背面側の基板341、背面側電極342、そして背面側の高屈折率光散乱反射性絶縁体層343以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 前面側(図における下側)に配置された光透過性電極346と背面側電極342との間に交流電圧を印加することによって、発光層344は電場発光を示す。この発光は、前面側の保護膜348から取り出される。
 図15は、本発明の第九の薄膜型EL素子の構成例を示す。図15のEL素子は、背面側(素子内で発光した光が取り出される側とは反対の側)にガラス、金属、あるいはセラミックなどからなる透明もしくは不透明な基板331を配置し、その上に、順に、背面側電極(金属電極あるいは光透過性電極)332、拡散反射率が50%以上の高屈折率光散乱反射性絶縁体層(厚さ:10〜100μm)333、蛍光体の薄膜からなる発光層(厚さ:0.1〜3μm、層の平面方向にR、G、Bなどの色相の発光を示す各種の蛍光体がそれぞれ区画され配置されている)334、前面側絶縁体層(厚さ:0.3〜1μm)335、前面側光透過性電極336、カラーフィルター層(R、G、B)337、そして光透過性保護膜338が配置されている。図15のEL素子において、背面側の基板331、背面側電極332、そして背面側の高屈折率光散乱反射性絶縁体層333以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 前面側(図における下側)に配置された光透過性電極336と背面側電極332との間に交流電圧を印加することによって、発光層334は電場発光を示す。
この発光は、前面側の保護膜338から取り出される。発光層334が、薄膜の蛍光体層である場合には、各種の蒸着法や塗布法(ゾルゲル法などを利用)などにより発光層が形成される。なお、発光層334と前後の絶縁体層333、335との間には、バッファ層などの補助層が付設されることもある。
 図16は、本発明の第十及び第十一の薄膜型EL素子の構成例を示す。図16のEL素子は、背面側(素子内で発光した光が取り出される側とは反対の側)に光散乱反射性が高い高屈折率セラミック基板431bを配置し、その上に順に、高屈折率の背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)432b、高屈折率の背面側絶縁体層(厚さ:0.3〜50μm)434b、蛍光体の薄膜からなる発光層(厚さ:0.1〜3μm、層の平面方向にR、G、Bなどの色相の発光を示す各種の蛍光体がそれぞれ区画され配置されている)443、前面側絶縁体層(厚さ0.3〜1μm)434a、前面側光透過性電極432a、カラーフィルター層(R、G、B)436、そして光透過性保護膜437が配置されている。図16のEL素子において、背面側の高屈折率セラミック基板431b以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 前面側(図における下側)に配置された光透過性電極432aと背面側電極432bとの間に交流電圧を印加することによって、発光層433は電場発光を示す。この発光は、前面側の保護膜437から取り出される。薄膜の蛍光体層である発光層433は、各種の蒸着法や塗布法(ゾルゲル法などを利用)などを利用して形成される。発光層433と前後の絶縁体層434a、434bとの間には、バッファ層などの補助層が付設されることもある。
 図17は、本発明の第十及び第十一の薄膜型EL素子の別の構成例を示す。図17のEL素子は、背面側に光散乱反射性が高い高屈折率セラミック基板441bを配置し、その上に、順に、高屈折率の背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)442b、高屈折率の背面側絶縁体層(厚さ:0.3〜50μm)444b、蛍光体の薄膜からなる発光層(厚さ:0.1〜3μm、層の平面方向にR、G、Bなどの色相の発光を示す各種の蛍光体がそれぞれ区画され配置されている)443、光散乱反射性の前面側絶縁体層(厚さ:0.3〜20μm)444a、前面側光透過性電極(厚さ:0.01〜20μm)442a、前面側蛍光体層(厚さ:5〜20μm、W(非発光)、又はG(緑色発光)、又はR(赤色発光))448a、カラーフィルター層(R、G、B)446、そして光透過性保護膜447が配置されている。図17のEL素子においても、背面側のセラミック基板441b以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 図18もまた、本発明の第十及び第十一の薄膜型EL素子の別の構成例を示す。図18のEL素子は、背面側に光散乱反射性が高い高屈折率セラミック基板451bを配置し、その上に、順に、高屈折率の背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)452b、高屈折率の背面側絶縁体層(厚さ:0.3〜100μm)454b、蛍光体の薄膜からなる発光層(厚さ:0.1〜3μm、層の平面方向にR、G、Bなどの色相の発光を示す各種の蛍光体がそれぞれ区画され配置されている)453、高屈折率の前面側絶縁体層(厚さ:0.3〜1μm)454a、高屈折率の前面側光透過性電極(厚さ:0.01〜20μm)452a、高屈折率光散乱層(厚さ:1〜50μm)455a、前面側蛍光体層(厚さ:5〜20μm、W(非発光)、又はG(緑色発光)、またはR(赤色発光))458a、そして光透過性保護膜457が配置されている。図18のEL素子においても、背面側のセラミック基板451b以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 図19もまた、本発明の第十及び第十一の薄膜型EL素子の別の構成例を示す。図19のEL素子は、背面側に光散乱反射性が高い高屈折率セラミック基板461bを配置し、その上に、順に、高屈折率の背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)462b、高屈折率の背面側絶縁体層(厚さ:0.3〜100μm)464b、蛍光体の薄膜からなる発光層(厚さ:0.1〜3μm、層の平面方向にR、G、Bなどの色相の発光を示す各種の蛍光体がそれぞれ区画され配置されている)463、光散乱反射性の前面側絶縁体層(厚さ:0.3〜20μm)464a、前面側光透過性電極(厚さ:0.01〜20μm)462a、カラーフィルター層(R、G、B)466、そして光透過性保護膜467が配置されている。図19のEL素子においても、背面側のセラミック基板461b以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 図20もまた、本発明の第十及び第十一の薄膜型EL素子の別の構成例を示す。図20のEL素子は、背面側にガラス基板471aと、高屈折率光散乱層(厚さ:10〜100μm)479又は475bとからなる高屈折率光散乱反射性基板を配置し、その上に、順に、高屈折率の背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)472b、高屈折率の背面側絶縁体層(厚さ:0.3〜100μm)474b、蛍光体の薄膜からなる発光層(厚さ:0.1〜3μm、層の平面方向にR、G、Bなどの色相の発光を示す各種の蛍光体がそれぞれ区画され配置されている)473、高屈折率の光散乱反射性前面側絶縁体層兼光散乱層(厚さ:0.3〜20μm)474a又は475a、前面側光透過性電極472a、カラーフィルター層(R、G、B)476、そして光透過性保護膜477が配置されている。図20のEL素子においても、背面側の高屈折率光散乱層479(475b)以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 図21もまた、本発明の第十及び第十一の薄膜型EL素子の別の構成例を示す。図21のEL素子は、背面側に光散乱反射性が高い高屈折率セラミック基板もしくはガラス基板481bを配置し、その上に、順に、背面側の光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)もしくは金属電極482b、高屈折率の背面側絶縁体層兼光散乱層(厚さ:0.3〜100μm)484b(485b)、蛍光体の薄膜からなる発光層(厚さ:0.1〜3μm、紫外(UV)発光蛍光体からなる層)483、前面側絶縁体層(厚さ:0.3〜1μm)484a、前面側光透過性電極(厚さ:0.01〜20μm)482a、カラーフィルター層(R、G、B)486、そして光透過性保護膜487が配置されている。図21のEL素子においても、背面側の高屈折率セラミック基板481b以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 図22は、本発明の第十二乃至第十四の薄膜型EL素子の構成例を示す。図22のEL素子は、背面側(素子内で発光した光が取り出される側とは反対の側)に光散乱反射性が高いセラミック基板531bを配置し、その上に、順に、背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)532b、背面側絶縁体層(厚さ:0.3〜100μm)534b、蛍光体の薄膜からなる発光層(厚さ:0.1〜3μm、層の平面方向にR、G、Bなどの色相の発光を示す各種の蛍光体がそれぞれ区画され配置されている)533、高屈折率の前面側絶縁体層(厚さ:0.3〜1μm)534a、高屈折率の前面側光透過性電極532a、高屈折率光散乱層(厚さ:1〜50μm)535a、カラーフィルター層(R、G、B)536、そして光透過性保護膜537が配置されている。図22のEL素子において、背面側のセラミック基板531b以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 前面側(図における下側)に配置された光透過性電極532aと背面電極532bとの間に交流電圧を印加することによって、発光層533は電場発光を示す。この発光は、前面側の保護膜537から取り出される。薄膜の蛍光体層である発光層533は、各種の蒸着法や塗布法(ゾルゲル法などを利用)などにより形成される。なお、発光層533と前後の絶縁体層534a、534bとの間には、バッファ層などの補助層が付設されることもある。
  図23は、本発明の第十二乃至第十四の薄膜型EL素子の別の構成例を示す。図23のEL素子は、背面側に光散乱反射性が高いセラミック基板541bを配置し、その上に、順に、背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)542b、背面側絶縁体層(厚さ:0.3〜100μm)544b、蛍光体の薄膜からなる発光層(厚さ:0.1〜3μm、層の平面方向にR、G、Bなどの色相の発光を示す各種の蛍光体がそれぞれ区画され配置されている)543、高屈折率の前面側絶縁体層(厚さ:0.3〜1μm)544a、前面側光透過性電極542a、高屈折率光散乱層(厚さ:1〜50μm)545a、前面側蛍光体層(厚さ:5〜20μm、W(非発光)、又はG(緑色発光)、またはR(赤色発光))548a、そして光透過性保護膜547が配置されている。図23のEL素子においても、背面側のセラミック基板541b以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 図24もまた、本発明の第十二乃至第十四の薄膜型EL素子の別の構成例を示す。図24のEL素子は、背面側に光散乱反射性が高いセラミック基板551bを配置し、その上に、順に、背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)552b、背面側絶縁体層(厚さ:0.3〜50μm)554b、蛍光体の薄膜からなる発光層(厚さ:0.1〜3μm、紫外(UV)発光蛍光体からなる層)553、高屈折率の前面側絶縁体層兼光散乱層(厚さ:0.3〜20μm)554a又は555a、高屈折率の前面側光透過性電極(厚さ:0.01〜20μm)552a、カラーフィルター層(R、G、B)556、そして光透過性保護膜557が配置されている。図24のEL素子においても、背面側のセラミック基板551b以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
  図25もまた、本発明の第十二乃至第十四の薄膜型EL素子の別の構成例を示す。図25のEL素子は、背面側にガラス基板561bと、光散乱反射層(厚さ:10〜150μm)569とからなる光散乱反射性基板を配置し、その上に、順に、背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)562b、背面側絶縁体層(厚さ:0.3〜50μm)564b、蛍光体の薄膜からなる発光層(厚さ:0.1〜3μm、層の平面方向にR、G、Bなどの色相の発光を示す各種の蛍光体がそれぞれ区画され配置されている)563、高屈折率の前面側絶縁体層兼光散乱層(厚さ:0.3〜20μm)564a又は565a、前面側光透過性電極562a、カラーフィルター層(R、G、B)566、そして光透過性保護膜567が配置されている。図25のEL素子においても、背面側の光散乱反射層569以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは相当量の光の透過が可能な不透明層である。
 図27は、本発明の複数の発光性積層体を有する多色画像表示用の分散型EL素子の構成例を示す。このEL素子では、背面側(素子内で発光した光が取り出される側とは反対の側)に光散乱反射性が高いセラミック基板(光不透過性背面シート)641を配置し、その上(図27では下になる)に、順に、背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)642a、誘電体相に蛍光体粒子が分散固定されてなる第一発光層(厚さ:2〜50μm、好ましくは5〜20μm、R、G、またはBなどの色相の発光を示す蛍光体が均一に配置されている)643、高屈折率の光透過性電極642b、誘電体相に蛍光体粒子が分散固定されてなる第二発光層(厚さ:2〜50μm、好ましくは5〜20μm、第一発光層の発光色とは異なる発光を示す蛍光体が均一に配置されている)644、高屈折率の前面側光透過性電極642c、絶縁体層(厚さ:0.3〜100μm)645、高屈折率の背面側光透過性電極642d、誘電体相に蛍光体粒子が分散固定されてなる第三発光層(厚さ:2〜50μm、好ましくは5〜20μm、第一発光層の発光色及び第二発光層の発光色のいずれとも異なる色相の発光を示す蛍光体が均一に配置されている)646、高屈折率の前面側光透過性電極642e、高屈折率光散乱層(厚さ:1〜50μm)647、そして光透過性保護膜648が配置されている。図27のEL素子において、背面側のセラミック基板641以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは不透明層の場合でも、相当量の光の透過が可能な層である。
 図27の分散型EL素子では、光透過性電極642aと光透過性電極642bとの間に交流電圧を印加することによって、発光層643が電場発光を示す。同様にして、光透過性電極642bと光透過性電極642cとの間に交流電圧を印加することによって発光層644が、そして光透過性電極642dと光透過性電極642eとの間に交流電圧を印加することによって発光層646が、それぞれ電場発光を示す。これらの交流電圧の印加を任意に行なうことによって、所望の発光が、高屈折率光散乱層647を通過して、前面側の保護膜648から取り出される。なお、各発光層(蛍光体層)と光透過性電極との間には、絶縁体層が付設されることもある。また、EL素子には通常、バッファ層を含めて、各種の補助層が各層の間に設けられることがある。これらの構成のバリエーションは、以下に述べる各種の構成のEL素子についても同様である。
 なお、光不透過性背面シート641は、ガラスシートとその上に積層された光不透過性層とから構成されていてもよい。
 図28は、本発明の多色画像表示用の分散型EL素子の別の構成例を示す。このEL素子では、背面側(素子内で発光した光が取り出される側とは反対の側)に、光散乱反射性が高い高屈折率セラミック基板(高屈折率光散乱反射シート)651を配置し、その上(図28では下になる)に、順に、背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)652a、誘電体相に蛍光体粒子が分散固定されてなる第一発光層(厚さ:2〜50μm、好ましくは5〜20μm、R、G、またはBなどの色相の発光を示す蛍光体が均一に配置されている)653、高屈折率の光透過性電極652b、誘電体相に蛍光体粒子が分散固定されてなる第二発光層(厚さ:2〜50μm、好ましくは5〜20μm、第一発光層の発光色とは異なる色相の発光を示す蛍光体が均一に配置されている)654、高屈折率の光透過性電極652c、絶縁体層(厚さ:0.3〜100μm)655、高屈折率の背面側光透過性電極652d、誘電体相に蛍光体粒子が分散固定された第三発光層(厚さ:2〜50μm、好ましくは5〜20μm、第一発光層の発光色及び第二発光層の発光色のいずれとも異なる色相の発光を示す蛍光体が均一に配置されている)656、高屈折率の前面側光透過性電極652e、そして光透過性保護膜658が配置されている。図28のEL素子において、背面側の高屈折率セラミック基板651以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは不透明層の場合でも、相当量の光の透過が可能な層である。
 図28の分散型EL素子では、光透過性電極652aと光透過性電極652bとの間に交流電圧を印加することによって、発光層653が電場発光を示す。同様にして、光透過性電極652bと光透過性電極652cとの間に交流電圧を印加することによって発光層654が、そして光透過性電極652dと光透過性電極652eとの間に交流電圧を印加することによって発光層656が、それぞれ電場発光を示す。これらの交流電圧の印加を任意に行なうことによって、所望の発光が、前面側の保護膜658から取り出される。なお、各発光層から背面側に発せられた光は、背面側の高屈折率セラミック基板651で散乱反射されて、その一部が前面側の保護膜658から取り出される。
 高屈折率光散乱反射シート651は、ガラスシートとその上に積層された光散乱性が高い高屈折率光散乱層とから構成されていても良い。
 図29は、本発明の多色画像表示用の薄膜型EL素子の構成例を示す。このEL素子では、背面側(素子内で発光した光が取り出される側とは反対の側)に、光散乱反射性が高いセラミック基板(光不透過性背面シート)661を配置し、その上(図29では下になる)に、順に、背面側光透過性電極(ITO、厚さ:0.01〜20μm)662a、誘電体相(厚さ:0.3〜100μm、以下同様)665a、蛍光体薄膜からなる第一発光層(厚さ:0.1〜3μm、R、G、またはBなどの色相の発光を示す蛍光体の薄膜から形成されている)663、絶縁体層665b、高屈折率光透過性電極662b、絶縁体層665c、蛍光体薄膜からなる第二発光層(厚さ:0.1〜3μm、第一発光層の発光色とは異なる色相の発光を示す蛍光体の薄膜から形成されている)664、絶縁体層665d、高屈折率光透過性電極662c、絶縁体層(厚さ:0.3〜100μm)665e、高屈折率の背面側光透過性電極662d、絶縁体層665f、蛍光体薄膜からなる第三発光層(厚さ:0.1〜3μm、第一発光層の発光色及び第二発光層の発光色のいずれとも異なる色相の発光を示す蛍光体の薄膜から形成されている)666、絶縁体層665g、高屈折率の前面側光透過性電極662e、高屈折率光散乱層(厚さ:1〜50μm)667、そして光透過性保護膜668が配置されている。図29のEL素子において、背面側のセラミック基板661以外の層は、実質的に透明であるか、あるいは不透明層の場合でも、相当量の光の透過が可能な層である。
 図29の薄型EL素子では、光透過性電極662aと光透過性電極662bとの間に交流電圧を印加することによって、発光層663が電場発光を示す。同様にして、光透過性電極662bと光透過性電極662cとの間に交流電圧を印加することによって発光層664が、そして光透過性電極662dと光透過性電極662eとの間に交流電圧を印加することによって発光層666が、それぞれ電場発光を示す。これらの交流電圧の印加を任意に行なうことによって、所望の発光が、高屈折率光散乱層667を通過して、前面側の保護膜668から取り出される。
 図30に、本発明のエレクトロルミネッセンス素子の発光効率の向上を説明するための、平行平面からの光取り出し効率を表わすグラフを示す。すなわち、屈折率n1の発光層から屈折率n2の層に光を取り出す場合において、その屈折率比(n1/n2)と光取り出し効率ηとの関係は、図30のグラフで表される。光取り出し効率ηは、屈折率差が5%で30%、10%で42%、そして20%で55%低下する。なお、このグラフは発光層の片面のみを考慮した場合であり、発光層の両面に向かった光を片面から取り出した場合には、反対側で光反射がない限り、取り出し効率はその1/2になる。
 次に、本発明のエレクトロルミネッセンス素子の構成要素となる基板および各層の材料やサイズなどの例を説明する。
[光不透過であって、光散乱反射性を示す基板]
 光不透過性かつ光散乱反射性基板の代表的な例としては、セラミック基板が挙げられる。セラミック基板の材料の例としては、Y23、Ta25、BaTa26、BaTiO3、TiO2、Sr(Zr,Ti)O3、SrTiO3、PbTiO3、Al23、Si34、ZnS、ZrO2、PbNbO3、Pb(Zr,Ti)O3 などを挙げることができる。あるいは、ガラス等の透明基板や金属基板の上に、光散乱反射層を形成してもよい。光散乱性を有するためには、その材料として、下記の絶縁体層および蛍光体の母体と同様な材料(ただし、使用波長領域に実質的な光吸収の存在しないもの)を用いることができ、その構造としては、層の内部に屈折率の異なる領域(サブミクロンレベルから数十ミクロンレベルのサイズの空隙や微粒子)を形成する。セラミック基板は、スクリーン印刷後の熱処理によって焼結体とする方法などを利用して作製することができる。
[ガラス基板]
 代表例としては、ノンアルカリガラス(バリウムボロシリケートガラス、アルミノシリケートガラス)を挙げることができる。
[光散乱反射層]
 素材的には、以下に述べる絶縁体層および蛍光体の母体と同様な材料(ただし、使用波長領域に実質的な光吸収の存在しないもの)を用いることができるが、その構造としては、層の内部に屈折率の異なる領域(サブミクロンレベルから数十ミクロンレベルのサイズの空隙や微粒子)を形成する。
[光透過性電極]
 ITO、ZnO:Al、特開平10−190028号公報に記載されている複合酸化物、特開平6−150723号公報に記載されているGaN系材料、特開平8−262225号公報や特開平8−264022号公報、同8−264023号公報に示されているZn2In25、(Zn,Cd,Mg)O−(B,Al,Ga,In,Y)23−(Si,Ge,Sn,Pb,Ti,Zr)O2、あるいは(Zn,Cd,Mg)O−(B,Al,Ba,In,Y)23−(Si,Sn,Pb)O、MgO−In23などを主成分とするもの、SnO2系材料を挙げることができる。
[発光層の蛍光体]
 UV(紫外光発光蛍光体):ZnF2:Gd
 B(青色光発光蛍光体):BaAl24:Eu、CaS:Pb、SrS:Ce、SrS:Cu、CaGa24:Ce
 G(緑色光発光蛍光体):(Zn,Mg)S:Mn、ZnS:Tb,F、Ga23:Mn
 R(赤色光発光蛍光体):(Zn,Mg)S:Mn、CaS:Eu、ZnS:Sm,F、Ga23:Cr
[蛍光体粒子を被覆するための材料]
 Y23、Ta25、BaTa26、BaTiO3、TiO2、Sr(Zr,Ti)O3、SrTiO3、PbTiO3、Al23、Si34、ZnS、ZrO2、PbNbO3、Pb(Zr,Ti)O3、などを挙げることができる。誘電率が高く、絶縁破壊しにくいもの、そして、蛍光体粒子の表面に界面準位を形成して電子供給源となりやすいものが好ましい。なお、層としての誘電率を大幅に低下させるものでなければ、焼結体などの光散乱性のものであってもよい。
[絶縁体層、および発光層の誘電体相用の材料]
(1)シアノエチル化セルロース系高誘電樹脂(シアノエチル化セルロース、シアノエチル化ヒドロキシセルロース、シアノエチル化プルラン等)などの高誘電率有機ポリマーあるいはスチレン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデン樹脂などの比較的誘電率が低い有機ポリマーに、BaTiO3、SrTiO3、TiO2、Y23、などの高誘電率超微粒子(直径:数nm〜数μm)を分散させたもの。
(2)Y23、Ta25、BaTa26、BaTiO3、TiO2、Sr(Zr,Ti)O3、SrTiO3、PbTiO3、Al23、Si34、ZnS、ZrO2、PbNbO3、Pb(Zr,Ti)O3、など。誘電率が高く、絶縁破壊しにくいものが好ましい。光散乱性を付与するためには、蛍光体粒子(あるいは誘電体被覆蛍光体粒子)とは屈折率が異なる材料を用いるか、層内部に屈折率の異なる領域(サブミクロンレベルから数十ミクロンレベルのサイズの空隙や微粒子)を形成する方法が利用できる。
[高屈折率光透過性電極]
 光透過性電極材料として前記したものの内、発光層の誘電体相に用いる材料の屈折率と略同等もしくはそれ以上の屈折率を示す材料を用いることができる。
[高屈折率光散乱層]
 光散乱反射層材料として前記したものの内、発光層や中間層の屈折率と略同等もしくはそれ以上の屈折率を示す材料が用いられる。
[絶縁体層]
 Y23、Ta25、BaTa26、BaTiO3、TiO2、Sr(Zr,Ti)O3、SrTiO3、PbTiO3、Al23、Si34、ZnS、ZrO2、PbNbO3、Pb(Zr,Ti)O3、などを挙げることができる。誘電率が高く、絶縁破壊が起こりにくい素材が好ましい。なお、層としての誘電率を大幅に低下させるものでなければ、焼結体などの光散乱性のものであってもよい。
[バッファ層]
 発光層や中間層の屈折率と略同等もしくはそれ以上の屈折率を示す材料を用いることが好ましい。
[前面側に配置する蛍光体層]
 青色(B)発光蛍光体:
  UV励起:Sr227:Eu、Sr5(PO43Cl:Eu、SrS:Ce、SrGa24:Ce、CaGa24:Ce
 緑色(G)発光蛍光体:
UV励起:BaMg2Al1627:Eu,Mn、ZnS:Tb
  青色光励起:Y3Al512:Ce
 赤色(R)発光蛍光体:
UV励起:Y(PV)O4、YVO4:Eu、ZnS:Sm、(Ca,Sr)S:Eu
  青色光励起:(Ca,Sr)S:Eu
 光散乱層(W):
  青色光励起:光散乱反射層形成用の素材と同じ
[カラーフィルター層(R、B、G)]
 ブラウン管表示用カラーフェイスプレート、複写用光変換素子プレート、単管式カラーテレブカメラ用フィルター、液晶を用いたフラットパネルディスプレイ、カラー固体撮像素子等に用いられるものと同様なもの。特開平8−20161号公報に記載のもの。
[保護膜]
 1〜50μmの光透過性の膜であり、反射防止、汚れ防止、帯電防止などの機能が付与されていてもよい。多層保護膜としてもよい。
 上記発光層の蛍光体が複合蛍光体粒子の形状を有する場合(図4〜6参照)、すなわち、蛍光体粒子の周囲に被覆層が形成されてなる粒子、誘電体材料粒子の周囲に蛍光体層が形成されてなる粒子、または誘電体材料粒子の周囲に蛍光体層が形成され、更にその外側に被覆層が形成されてなる粒子である場合には、これらの複合蛍光体粒子は、例えば尿素を溶媒とする尿素融解法などの有機材料融解法を利用する粒子表面の被覆方法により、以下のようにして製造することができる。
 この有機材料融解法(尿素融解法に代表される)を利用する第一の被覆方法は下記工程からなる:
(1)25℃では固体状態をとって、加熱により融解して極性を示す液体状態となり、そして加熱をさらに続けることにより熱分解する有機材料の融液に、金属化合物の塩が溶解され、さらに上記粒子が分散されてなる分散液を調製する工程、
(2)該分散液を加熱する工程、そして
(3)有機材料を焼失させ、金属化合物による被覆粒子を得るために焼成する工程。
 また、第二の被覆方法は下記工程からなる:
(1)25℃では固体状態をとって、加熱により融解して極性を示す液体状態となり、そして加熱をさらに続けることにより熱分解する有機材料(例、尿素および/またはカルボヒドラジド)の融液に、金属化合物の塩(例、金属硝酸塩、金属硫酸塩および金属酢酸塩)が溶解されてなる融液を調製する工程、
(2)該融液を加熱して金属化合物前駆体を形成する工程、
(3)該金属化合物前駆体および蛍光体もしくは未付活の蛍光体粒子を混合する工程、そして
(4)該混合物から有機材料を焼失させ、金属化合物による被覆粒子を得るために焼成する工程。
 次に、上記第一の有機材料融解法を、尿素融解法を例にとって説明する。
(粒子分散工程)
 尿素及び/又はカルボヒドラジドと被覆用の金属塩の融液に、表面被覆すべきコア粒子を分散させる。
 コア粒子は、上記複合蛍光体粒子の構成に応じて、蛍光体粒子または誘電体材料粒子である。蛍光体粒子としては例えば、前述した蛍光体の中から任意に選択して用いることができる。ただし、蛍光体粒子は、蛍光体が蛍光体母体化合物と付活剤とから構成される場合に、出発物質として蛍光体母体化合物からなる粒子(未付活の蛍光体粒子ともいう)を用いて、後述するように融液にドーピング剤を添加することにより、被覆過程でドーピング剤(付活剤)を蛍光体母体粒子中に含有させて、付活剤で付活された蛍光体粒子としてもよい。誘電体材料粒子としては例えば、前述した誘電率の高い無機物質(蛍光体粒子を被覆するための材料、及び誘電体相用の材料)の中から任意に選択して用いることができる。コア粒子は、一種類であってもよいが、化合物や粒径の異なる二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
 コア粒子の形状、サイズおよび粒径分布は、尿素の融液が粒子を凝集させにくいので任意に選択することができるが、好ましい粒子形状は球状である。また、粒子の平均粒径は、一般的には30nm乃至5μmの範囲にあり、好ましくは50nm乃至2μmの範囲にある。
 被覆用の金属塩を構成する金属としては、被覆層が誘電体材料からなる場合には誘電体材料を構成する金属であり、そして被覆層が蛍光体からなる場合には蛍光体(又は蛍光体母体)を構成する金属である。ただし、被覆層は、蛍光体でない場合に誘電体材料に限定されるものではなく、誘電率を大幅に低下させない限り各種の材料を用いることが可能である。よって、その構成金属としては具体的に、アルカリ金属(Li、Na、K等)、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba等)、B、Al、Si、Sc、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Ag、Cd、In、Sn、Hg、Pb、および希土類元素(Ce、Pr、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Th、U等)を挙げることができる。また、上記コア粒子と組み合わせたときに、これら金属がコア粒子を構成する無機物質と化学反応などを起こさないで、金属の酸化物等がその表面に付着可能でなければならず、被覆されるコア粒子と被覆する金属成分とは、好適に選択して組み合わせられる。
 これら金属の塩としては、硝酸塩、硫酸塩、および酢酸塩を用いることができる。好ましくは硝酸塩及び酢酸塩であり、特に好ましくは硝酸塩である。また、金属がBなどである場合にはホウ酸等の酸として用いる。金属およびその金属塩は、誘電体または蛍光体等の組成に応じて、必ずしも一種類である必要はなく、二種類以上の組合せであってもよい。
 まず、尿素及び/又はカルボヒドラジドと上記金属塩を、セパラブルフラスコ等の反応器に入れて、尿素またはカルボヒドラジドの融点(尿素:135℃、カルボヒドラジド:152℃)以上の温度に加熱して融液を調製する。このとき、上記金属塩はその融点によってそれ自体が融解するか、あるいは尿素の融液に溶解して、均一な融液を形成する。尿素と金属塩との混合比は、コア粒子の種類や量、被覆量、金属の種類(金属原子の配位数)などによって異なり、目的に応じて様々な比率で混合することができる。均一な融液を得るためには、尿素:金属塩の混合比は一般には1:1(モル比)以上である。
 この融液には更に、少量のドーピング剤などの添加剤を添加してもよい。ドーピング剤としては、Mn、Cu、Zn、Al、Cr、Tl、Pb、希土類元素(Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Er、Tm等)などの金属が挙げられ、硝酸塩、硫酸塩または酢酸塩等として添加される。これらのドーピング剤は、後述する加熱工程で上記のコア粒子または被覆物質である金属化合物中に含有されて、その物質を活性化することになる(蛍光体母体化合物に対しては付活剤として作用する)。
 また、融液にはショ糖などの有機添加剤を少量添加してもよい。これにより、融液中の被覆物質(金属化合物)に接着性を付与して、コア粒子表面への付着を容易にし、そして粒子の表面被覆性を高めることができる。
 次いで、この融液に、上記のコア粒子を加えて均一に分散させる。コア粒子と金属塩との比率は、それらの種類や所望とする被覆量などによっても異なるが、一般には106:1乃至1:10(モル比)の範囲にある。なお、始めにコア粒子を尿素および金属塩に加えておいて加熱融解させてもよいし、あるいは尿素のみを加熱融解させた後、金属塩およびコア粒子を順に加えてもよい。
 なお、本発明において溶媒(融液)として使用可能な有機材料は、上記の尿素およびカルボヒドラジドに限定されるものではなく、25℃では固体状態で、加熱により融解して極性を示す液体状態となり、更なる加熱により熱分解するものであれば、尿素誘導体をはじめとする任意の有機材料を用いることができる。
(加熱工程)
 上記のコア粒子が分散した融液を、尿素(又はカルボヒドラジド)の融点以上であって上記金属の化合物(酸化物、窒化物、及び/又は酸窒化物)が焼結する温度よりも低い温度で加熱する。加熱温度は、一般には150℃乃至450℃の範囲にある。あるいは、この加熱工程が後述する焼成工程を兼ねる場合には、150℃乃至1500℃の範囲の温度で加熱してもよい。また、加熱時間は、一般には10分乃至24時間である。融液の加熱は、その間中一定温度に維持して行ってもよいし、あるいは徐々に温度(好ましくは、20℃/分よりも遅い速度で)を上昇させて行ってもよい。また、加熱雰囲気としては、大気などの酸化性雰囲気、またはN2ガス、Arガスなどの中性雰囲気、あるいは真空雰囲気が用いられる。
 この加熱過程で、融液中の尿素および硝酸塩等の金属塩は分解し、金属成分以外の分解生成物のうちの一部もしくは全部が可燃性気体として消散して、融液は次第に凝固してくる。同時に、金属成分は、酸化物、窒化物、酸窒化物、金属硫化物、あるいは酸硫化物などの金属化合物を形成して、分散したコア粒子の表面に付着することになる。
 得られた加熱処理物(表面被覆粒子)には、必要に応じて粉砕、ほぐし処理などを施してもよい。
 このようにして、金属酸化物、金属窒化物、もしくは金属酸窒化物などで表面が被覆された粒子が得られる。コア粒子表面に被覆層として形成されたこれらの金属化合物は、加熱条件に応じて、非晶質化合物および/または結晶性化合物として存在する。なお、被覆層の金属化合物が非晶質もしくは完全に結晶化していない場合には、特に被覆粒子前駆体と称することもある。
(焼成工程)
 本発明においては更に、上記の表面被覆粒子を焼成する。
 表面被覆粒子を、石英ボート、アルミナルツボ、石英ルツボなどの耐熱性容器に充填し、電気炉の炉芯に入れて焼成を行なう。焼成温度は、表面被覆粒子(特に、被覆層を構成する金属化合物)によっても異なるが、一般には700℃乃至1500℃の範囲にあり、好ましくは700℃乃至1300℃の範囲にある。焼成時間は、表面被覆粒子の種類や量によっても異なるが、一般には、10分乃至100時間の範囲にある。焼成雰囲気は、被覆層の金属化合物などによって異なる。一般に、金属化合物が酸化物である場合には、少量の水素を含有する不活性ガス雰囲気などの還元性雰囲気(N2/H2、NH3ガス等)、不活性ガス雰囲気などの中性雰囲気(He、Ne、Ar、N2等)、少量の酸素を含有する不活性ガス雰囲気などの酸化性雰囲気(N2/O2等)、あるいは真空雰囲気を用いる。また、窒化物または酸窒化物である場合には、中性雰囲気、還元性雰囲気あるいは真空雰囲気を用いる。これらの焼成条件を変えて再焼成を行ってもよい。
 得られた焼成物(表面被覆粒子)には、必要に応じて、ほぐし、篩分け処理などを施してもよい。
 表面被覆粒子を焼成工程に掛けることにより、加熱工程で発生した分解生成物を完全に消失させ、被覆層を純粋に金属化合物のみから構成することができる。また、非晶質の金属化合物を完全に結晶化させることができる。特に、被覆層の金属化合物が蛍光体である場合には、発光特性などの点から、焼成を行うことが望ましい。
 ドーピング剤を用いた場合には、上記の加熱工程、更には焼成工程において、ドーピング剤は金属イオンなどとして、コア粒子および/または被覆層の金属化合物中に均一に分散含有させ、それらの化合物を活性化させる(蛍光体を付活する)。
 このようにして、コア粒子表面に被覆層(または蛍光体層)が形成された被覆粒子が得られる。被覆層の層厚は、一般に100nm乃至数μmの範囲にある。また、蛍光体層の層厚は、一般には30nm乃至5μmの範囲にあり、好ましくは50nm乃至2μmの範囲にある。
 第二の有機材料融解法を、尿素融解法を例にとって説明する。
(融液調製工程)
 尿素及び/又はカルボヒドラジドと被覆用の前記金属塩を、前述したように、セパラブルフラスコ等の反応器に入れて、尿素またはカルボヒドラジドの融点以上の温度に加熱して融液を調製する。この融液には更に、被覆物質を活性化する目的で、少量の前記ドーピング剤などの添加剤を添加してもよい。
(加熱工程)
 上記の融液を、尿素(又はカルボヒドラジド)の融点以上であって上記金属の化合物(酸化物、窒化物、及び/又は酸窒化物)が焼結する温度よりも低い温度で加熱する。加熱温度は、一般には150℃乃至450℃の範囲にある。また、加熱時間は、一般には10分乃至24時間である。融液の加熱は、その間中一定温度に維持して行ってもよいし、あるいは徐々に温度を上昇させて行ってもよい。また、加熱雰囲気としては、大気などの酸化性雰囲気、またはN2ガス、Arガスなどの中性雰囲気、真空雰囲気が用いられる。
 この加熱過程で、融液中の硝酸塩等の金属塩は分解し、また尿素は一部は分解するが、一部はポリマー化する。そして、金属成分以外の分解生成物のうちの一部もしくは全部が可燃性気体として消散して、融液は次第に凝固してくる。得られた凝固物を冷却して、粉砕する。これにより、ポリマー化した尿素中に金属化合物(金属化合物または金属イオン)が均一に分散した状態にある、粉末状の金属化合物前駆体が得られる。
(粒子混合工程)
 得られた金属化合物前駆体粉末に、前記のコア粒子を均一に混ぜ合わせる。コア粒子と金属化合物前駆体との比率は、それらの種類や所望とする被覆量などによっても異なるが、一般には106:1乃至1:10(モル比)の範囲にある。混合は、乾式でボールミルなど従来より公知の混合手段を用いて、10分乃至24時間かけて行う。混合の際に、コア粒子および/または被覆物質(金属化合物)を活性化する目的で、少量の前記ドーピング剤などの添加剤を添加してもよい。また、被覆物質に接着性を付与する目的で、ショ糖などの有機添加剤を少量添加してもよい。
(焼成工程)
 第二の方法においても、前述と同様にして、上記混合物を焼成することにより、コア粒子表面に金属化合物からなる被覆層が形成された表面被覆粒子が得られる。得られた焼成物(表面被覆粒子)には、必要に応じて、ほぐし、篩分け処理などを施してもよい。
 上述した第一及び第二の方法においては、尿素融液を溶媒として使用することにより、尿素が分解して融液が凝固したときに、その中の金属化合物を凝集させにくく、また水を溶媒としたときのように水和物として残ることもない。従って、コア粒子を良好な分散状態で維持したまま、その表面に均質に、厚みを厚くして、かつ高密度で金属化合物の被覆層を形成することができる。使用するコア粒子の粒径を広い範囲で選択でき、微粒子状の複合蛍光体粒子を得ることができる。また、蛍光体からなるコア粒子または蛍光体層の発光特性等の諸特性に悪影響を及ぼすこともない。
 さらに、上記方法では、蛍光体や誘電体など二種以上の金属の複合体(複酸化物等)を合成しながら、同時にコア粒子表面に被覆することができる。特に、付活剤で付活された蛍光体を、焼結するような高温処理に掛けることなく、高い効率で付活剤を含有させて合成し、粒子表面に被覆することができる。すなわち、ドーピング剤などの添加剤を金属化合物の層(またはコア粒子)に均一に分散含有させることができる。
 特に、第一の方法によれば、少ない工程数で、そしてより簡易な設備で表面被覆粒子を製造することができる。また、第二の方法によれば、コア粒子が溶媒となる有機材料融液に可溶性(例えば、尿素融液に可溶性のSiO2粒子)であっても好適に表面被覆することができる。そして、このような粒子に対して所望の粒径および粒径分布を選択することができるので、混合物中の分散性を高めて、高密度の被覆層を形成することができる。また、尿素融液の加熱中に発生するアンモニアとコア粒子(例えば、BaTiO3粒子)との反応を抑えることができる。さらに、コア粒子と被覆物質を反応させてその反応化合物の粒子を生成させる(SiO2粒子をケイ酸塩の粒子にする)ことも可能である。
 複合蛍光体粒子が、誘電体材料粒子の周囲に蛍光体層が形成され、更にその外側に被覆層が形成されてなる粒子(被覆が二層構成)である場合には、蛍光体層と被覆層のうちのどちらか一層または両層を上記方法によって形成することができる。
 上記の尿素溶融法を利用する粒子表面の被覆方法については、本出願人による特願2002−284572号の国内優先出願明細書に詳細に記載されており、その内容を参照することができる。
 なお、蛍光体粒子が複合蛍光体粒子である場合に、コア粒子の周囲に被覆層および/または蛍光体層を形成する方法は、上記の尿素溶融法を利用する被覆方法に限定されるものではなく、ゾルゲル法、化学蒸着(CVD)法、アルコキシド法、噴霧熱分解法など公知の各種の被覆方法を用いることができる。
 光不透過性であって光散乱反射性を示す基板として、厚さ350μmのBaSO4練り込み白色ポリエチレンテレフタレート(PET)シートを用意した。この基板上に、樹脂中にIn23およびSnO2等の導電性粒子を分散してなる背面側光透過性電極(厚さ:約10μm)をスクリーン印刷により形成した。
 次いで、ZnS:Mn蛍光体の球形粒子(平均粒径:1μm)を噴霧熱分解法により作製した後、その外側にBaTiO3誘電体材料からなる被覆層(平均層厚:0.2μm)を、金属アルコキシド混合物の加水分解法により(特開平6−200245号公報参照)形成して、複合蛍光体粒子を得た。この複合蛍光体粒子とBaTiO3超微粒子(平均粒径:0.3μm)をアクリル樹脂溶液に分散した後(樹脂:蛍光体粒子:BaTiO3超微粒子=2:1:1(体積比))、分散液を光透過性電極の表面に塗布し、乾燥して発光層(平均層厚:10μm)を形成した。
 次に、光透過性保護膜として厚さ10μmのPETシートを用意し、このPETシートの片面に、前面側光透過性電極として、スパッタリングによりITO電極(厚さ:0.1μm)を形成した後、これを、ITO電極を下に向けて発光層上にラミネートした。このようにして、図4に示したような本発明の分散型EL素子を製造した。
 光不透過性であって光散乱反射性を示す基板として、厚さ350μmの、BaSO4練り込み白色PETシートを用意した。この基板上に、樹脂中にIn23およびSnO2等の導電性粒子を分散してなる背面側光透過性電極(厚さ:約10μm)をスクリーン印刷により形成した。
 次いで、BaTiO3誘電体材料からなる球状芯材(平均直径:1μm)を噴霧熱分解法により作製した後、その外側にZnS:Mn蛍光体からなる層(平均層厚:0.2μm)を、MOCVD法により(WO96/09353号公報参照)形成し、更にその外側にBaTiO3からなる外側誘電体層(平均層厚:0.2μm)を、金属アルコキシド混合物の加水分解法により(特開平6−200245号公報参照)形成して、複合蛍光体粒子を得た。この複合蛍光体粒子とBaTiO3超微粒子(平均粒径:0.3μm)をアクリル樹脂溶液に分散した後(樹脂:蛍光体粒子:BaTiO3超微粒子=2:1:1(体積比))、分散液を光透過性電極の表面に塗布し乾燥して発光層(平均層厚:10μm)を形成した。
 次に、光透過性保護膜として厚さ10μmのPETシートを用意し、このPETシートの片面に、前面側光透過性電極として、スパッタリングによりITO電極(厚さ:0.1μm)を形成した後、これをITO電極を下に向けて発光層上にラミネートした。このようにして、図5に示したような本発明の分散型EL素子を製造した。
(尿素融解法)
 実施例1において、複合蛍光体粒子を下記のようにして形成したこと以外は実施例1と同様にして、図4に示したような本発明の分散型EL素子を製造した。
 1.8Mの尿素、0.004Mの硝酸イットリウム、0.002Mの酢酸マンガン、および0.046Mの硫化亜鉛粒子をセパラブルフラスコに入れ、撹拌しながら温度150℃に加熱して尿素を融解し、硫化亜鉛粒子が分散した均一な融液を調製した。次いで、この融液を5℃/分の速度で温度450℃まで加熱して、融液を凝固させた。得られた被覆粒子の凝固物(固体泡)を粉砕した後、温度900〜1000℃で、還元性雰囲気下(N2/H2)で焼成して、複合蛍光体粒子(コア粒子:ZnS:Mn蛍光体、被覆層:Y23誘電体材料)を得た。
 さらに、コア粒子としてZnS、CaS、SrS、またはBaAl24を用い、金属塩としてY(NO33、Al(NO33、Zn(NO32、Mn(CH3COO)2、Eu(NO33、および/またはCe(NO33を用いて、上記と同様にして、各種の複合蛍光体粒子(コア粒子:ZnS:Mn、CaS:Eu、SrS:Ce、又はBaAl24:Eu蛍光体、被覆層:Y23、Al23、又はZnO誘電体材料)を得た。
(尿素融解法)
 実施例1において、複合蛍光体粒子を下記のようにして形成したこと以外は実施例1と同様にして、図4に示したような本発明の分散型EL素子を製造した。
 尿素および硝酸イットリウムの溶融混合液に、マンガン付活硫化亜鉛蛍光体粒子を分散させた。この融液を更に加熱し、尿素および硝酸イットリウムの一部を熱分解して融液を凝固させ、被覆粒子前駆体を得た。この被覆粒子前駆体を還元性雰囲気下で焼成し、残留している有機物を逸散させて、複合蛍光体粒子(コア粒子:ZnS:Mn蛍光体、被覆層:Y23誘電体材料)を得た。
 さらに、コア粒子としてZnS:Mn、CaS:Eu、SrS:Ce、またはBaAl24:Eu蛍光体を用い、金属硝酸塩としてY(NO33、またはAl(NO33を用いて、上記と同様にして、各種の複合蛍光体粒子(コア粒子:ZnS:Mn、CaS:Eu、SrS:Ce、又はBaAl24:Eu蛍光体、被覆層:Y23、又はAl23誘電体材料)を得た。
(ゾルゲル法)
 実施例1において、複合蛍光体粒子を下記のようにして形成したこと以外は実施例1と同様にして、図4に示したような本発明の分散型EL素子を製造した。
 0.015Mの酢酸バリウムおよび0.2Mの酢酸をビーカーに入れ、ビーカーの上部をホイルで覆って80℃で1時間加熱した。別に、0.015Mのチタニウムテトライソプロポキシド、0.03Mの酢酸、および0.1Mのエタノールを三角フラスコに入れて混合した。この混合物に撹拌しながらビーカーの溶液を加え、更に30分間撹拌した。次いで、0.1Mのエタノールを添加して30分間撹拌し、3mLの水を加えて30分間撹拌し、0.015Mアセチルアセトンを加えて30分間撹拌し、0.25Mの酢酸を加えて30分間撹拌し、最後に総量が150mlになるようにエタノールを加えて、ゾルを作製した。
 得られたゾルをセパラブルフラスコに入れ、これにマンガン付活硫化亜鉛蛍光体粒子を分散させた。このゾルをロータリーエバポレータを用いて温度78〜80℃、低圧で脱水してゲル化した。このゲルを真空乾燥機を用いて温度80℃又は120℃で乾燥して、乾燥ゲルを得た。得られた乾燥ゲルを温度530℃に加熱し熱分解して、複合蛍光体粒子(コア粒子:BaTiO3誘電体材料、被覆層:ZnS:Mn蛍光体)を得た。
 さらに、コア粒子としてZnS:Mn、CaS:Eu、SrS:Ce、またはBaAl24:Euの蛍光体を用い、金属塩としてBa(CH3COO)2、Sr(CH3COO)2、Pb(CH3COO)2、Ti((CH32CHO)4、Ta((CH32CHO)5、Bi((CH32CHO)3、Y((CH32CHO)3、Al(CH3COO)3、および/またはSi((CH32CHO)4を用いて、上記と同様にして、各種の複合蛍光体粒子(コア粒子:ZnS:Mn、CaS:Eu、SrS:Ce、又はBaAl24:Eu蛍光体、被覆層:TiO2、BaTiO3、SrTiO3、(Sr,Ba)TiO3、PbTiO3、Ta25、BaTa26、SrTa26、(Sr,Ba)Ta26、(Sr,Ba)Bi2Ta29、Y23、Al23、又はSiO2誘電体材料)を得た。
(尿素融解法、二層構成)
 実施例2において、複合蛍光体粒子を下記のようにして形成したこと以外は実施例2と同様にして、図5に示したような本発明の分散型EL素子を製造した。
 尿素、硝酸ガリウムおよび酢酸マンガンの溶融混合液に、酸化チタンバリウム粒子を分散させた。この融液を更に加熱し、融液の一部を熱分解して融液を凝固させ、被覆粒子前駆体を得た。この被覆粒子前駆体を中性雰囲気下で焼成し、残留している有機物を逸散させて、蛍光体被覆粒子を得た。
 次に、酢酸バリウム、チタニウムテトライソプロポキシド、酢酸、アセチルアセトン、エタノール、および水を撹拌しながら混合してゾルを調製した。このゾルに上記の蛍光体被覆粒子を加えて分散させた後、ゾルを脱水してゲル化し、更に乾燥して乾燥ゲルを得た。乾燥ゲルを加熱し熱分解して、複合蛍光体粒子(コア粒子:BaTiO3誘電体材料、蛍光体層:Ga23:Mn蛍光体、被覆層:BaTiO3誘電体材料)を得た。
 さらに、コア粒子としてBaTiO3、SrTiO3、またはTiO2を用いて、上記と同様にして尿素法によりコア粒子表面に蛍光体層を形成した。次いで、金属塩としてBa(CH3COO)2、Sr(CH3COO)2、および/またはTi((CH32CHO)4を用いて、上記と同様にしてゾルゲル法により被覆層を形成し、各種の二層構成の複合蛍光体粒子(コア粒子:BaTiO3、SrTiO3、又はTiO2誘電体材料、蛍光体層:Ga23:Mn蛍光体、被覆層:BaTiO3、SrTiO3、又はTiO2誘電体材料)を得た。
(尿素融解法、二層構成)
 実施例2において、複合蛍光体粒子を下記のようにして形成したこと以外は実施例2と同様にして、図5に示したような本発明の分散型EL素子を製造した。
 尿素、硝酸ガリウムおよび酢酸マンガンの溶融混合液に、酸化イットリウム粒子を分散させた。この融液を更に加熱し、融液の一部を熱分解して融液を凝固させ、被覆粒子前駆体を得た。この被覆粒子前駆体を中性雰囲気下で焼成し、残留している有機物を逸散させて、蛍光体被覆粒子を得た。
 次に、酢酸バリウム、チタニウムテトライソプロポキシド、酢酸、アセチルアセトン、エタノール、および水を撹拌しながら混合してゾルを調製した。このゾルに上記の蛍光体被覆粒子を加えて分散させた後、ゾルを脱水してゲル化し、更に乾燥して乾燥ゲルを得た。乾燥ゲルを加熱し熱分解して、複合蛍光体粒子(コア粒子:Y23誘電体材料、蛍光体層:Ga23:Mn蛍光体、被覆層:BaTiO3誘電体材料)を得た。
 さらに、コア粒子としてY23、Al23、YAG、ALON、Si34、またはSIALONを用いて、上記と同様にして尿素法によりコア粒子表面に蛍光体層を形成した。次いで、金属塩としてBa(CH3COO)2、Sr(CH3COO)2、Ti((CH32CHO)4、Ta((CH32CHO)5、Y((CH32CHO)3、および/またはAl((CH32CHO)3を用いて、上記と同様にしてゾルゲル法により被覆層を形成し、各種の二層構成の複合蛍光体粒子(コア粒子:Y23、Al23、YAG、ALON、Si34、又はSIALON誘電体材料、蛍光体層:Ga23:Mn蛍光体、被覆層:BaTiO3、SrTiO3、TiO2、Ta25、Y23、Al23、YAG、又はALON誘電体材料)を得た。
(尿素融解法)
 実施例1において、複合蛍光体粒子を下記のようにして形成したこと以外は実施例1と同様にして、図6に示したような本発明の分散型EL素子を製造した。
 尿素、硝酸ガリウムおよび酢酸マンガンの溶融混合液に、酸化チタンバリウム粒子を分散させた。この融液を更に加熱し、融液の一部を熱分解して融液を凝固させ、被覆粒子前駆体を得た。この被覆粒子前駆体を中性雰囲気下で焼成し、残留している有機物を逸散させて、複合蛍光体粒子(コア粒子:BaTiO3誘電体材料、蛍光体層:Ga23:Mn蛍光体)を得た。
 さらに、コア粒子としてSrTiO3、またはTiO2を用いて、上記と同様にして、各種の複合蛍光体粒子(コア粒子:SrTiO3、またはTiO2誘電体材料、蛍光体層:Ga23:Mn蛍光体)を得た。
(尿素融解法)
 実施例1において、複合蛍光体粒子を下記のようにして形成したこと以外は実施例1と同様にして、図6に示したような本発明の分散型EL素子を製造した。
 尿素、硝酸ガリウムおよび酢酸マンガンの溶融混合液に、酸化イットリウム粒子を分散させた。この融液を更に加熱し、融液の一部を熱分解して融液を凝固させ、被覆粒子前駆体を得た。この被覆粒子前駆体を還元性雰囲気下で焼成し、残留している有機物を逸散させて、複合蛍光体粒子(コア粒子:Y23誘電体材料、蛍光体層:Ga23:Mn蛍光体)を得た。
 さらに、コア粒子としてAl23、YAG、ALON、Si34、またはSIALONを用いて、上記と同様にして、各種の複合蛍光体粒子(コア粒子:Al23、YAG、ALON、Si34、又はSIALON誘電体材料、蛍光体層:Ga23:Mn蛍光体)を得た。
(尿素融解法、第二の方法)
 実施例1において、複合蛍光体粒子を下記のようにして形成したこと以外は実施例1と同様にして、図4に示したような本発明の分散型EL素子を製造した。
 108.8gの尿素を、3.12gの硝酸イットリウムと混合した後、混合物を450℃まで加熱して凝固物を得た。得られた金属化合物前駆体の凝固物を冷却した後、乳鉢で粉砕した。粉末状の金属化合物前駆体に、20gのマンガン付活硫化亜鉛蛍光体粒子(ZnS:Mn、メジアン粒径:2μm)を加えて、ボールミルで6時間かけて均一に混合した。その後、混合物を石英ガラスボートに入れ、1030℃で真空雰囲気下で2時間加熱した。高発光強度のエレクトロルミネッセンスを示す複合蛍光体粒子(コア粒子:ZnS:Mn蛍光体、被覆層:Y23誘電体)が得られた。
従来の分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 従来の薄膜型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の薄膜型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の薄膜型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の薄膜型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の薄膜型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の薄膜型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の薄膜型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の薄膜型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の薄膜型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の薄膜型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の薄膜型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の薄膜型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 従来の多色画像表示用EL素子の構成の例を示す概略斜視図である。 本発明の多色画像表示用分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の多色画像表示用分散型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 本発明の多色画像表示用薄膜型EL素子の構成の例を示す概略断面図である。 平行平面からの光取り出し効率を表すグラフである。

Claims (48)

  1.  背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなる発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱反射性を持ち、かつ発光層が光散乱性を示すことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  2.  エレクトロルミネッセンス発光粒子が、蛍光体粒子の外側に被覆層が形成されてなる粒子である請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  3.  エレクトロルミネッセンス発光粒子の外側被覆層が、該発光粒子中の蛍光体粒子の屈折率の65%以上の屈折率を有する請求項2に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  4.  発光層の誘電体相が、蛍光体粒子の屈折率の65%以上の屈折率を有する請求項1乃至3のうちの何れかの項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  5.  誘電体相が、有機ポリマー中に無機もしくは有機の微粒子が分散されてなる相である請求項1乃至4のうちの何れかの項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  6.  背面シート、背面側電極、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなる発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、エレクトロルミネッセンス発光粒子が、誘電体材料粒子の周囲に蛍光体層が形成され、さらにその外側に被覆層が形成されてなる粒子であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  7.  誘電体相が有機ポリマーからなる請求項6に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  8.  誘電体相が、有機ポリマー中に無機もしくは有機の微粒子が分散されてなる相である請求項6に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  9.  発光層が光散乱性を示す層である請求項6乃至8のうちの何れかの項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  10.  背面側電極が光透過性電極であり、背面シートが光散乱反射性を示す請求項6乃至9のうちの何れかの項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  11.  エレクトロルミネッセンス発光粒子中の外側被覆層が、該発光粒子中の蛍光体層の屈折率の65%以上の屈折率を有する請求項6乃至10のうちの何れかの項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  12.  発光層の誘電体相が、発光粒子中の蛍光体層の屈折率の65%以上の屈折率を有する請求項6乃至11のうちの何れかの項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  13.  背面側電極が光透過性電極であり、背面シートが、エレクトロルミネッセンス発光粒子の蛍光体層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性反射シートであって、エレクトロルミネッセンス発光粒子から背面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該背面シートに入射されるように、該発光粒子と該背面シートとの間に介在する材料の屈折率が調整されている請求項6乃至12のうちのいずれかの項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  14.  背面側電極が光透過性電極であり、背面シートが光散乱反射性を示し、前面側電極と前面保護膜との間に、エレクトロルミネッセンス発光粒子の蛍光体層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱層が付設されており、かつエレクトロルミネッセンス発光粒子から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光粒子と該高屈折率光散乱層との間に介在する材料の屈折率が調整されている請求項6乃至13のうちのいずれかの項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  15.  背面シート、背面側電極、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなる、光散乱性もしくは非光散乱性の発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、エレクトロルミネッセンス発光粒子が、誘電体材料粒子の周囲に蛍光体層が形成されてなる粒子であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  16.  背面側電極が光透過性電極であり、背面シートが光散乱反射性を示す請求項15に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  17.  発光層の誘電体相が、発光粒子中の蛍光体層の屈折率の65%以上の屈折率を有する請求項15もしくは16に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  18.  エレクトロルミネッセンス発光粒子の内部の誘電体材料粒子が、該発光粒子中の蛍光体層の誘電率の3倍以上の誘電率を示す請求項15乃至17のうちの何れかの項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  19.  背面側電極が光透過性電極であり、背面シートが、エレクトロルミネッセンス発光粒子の蛍光体層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性反射シートであって、エレクトロルミネッセンス発光粒子から背面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該背面シートに入射されるように、該発光粒子と該背面シートとの間に介在する材料の屈折率が調整されている請求項15乃至18のうちの何れかの項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  20.  背面側電極が光透過性電極であり、背面シートが光散乱反射性を示し、前面側電極と前面保護膜との間に、エレクトロルミネッセンス発光粒子の蛍光体層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱層が付設されており、かつエレクトロルミネッセンス発光粒子から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光粒子と該高屈折率光散乱層との間に介在する材料の屈折率が調整されている請求項15乃至19のうちの何れかの項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  21.  背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなるエレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱効果による光反射性を示し、前面側光透過性電極と前面保護膜との間に、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱層が付設されており、かつエレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  22.  エレクトロルミネッセンス発光層と前面側光透過性電極及び/又は背面側光透過性電極との間に絶縁体層が備えられている請求項21に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  23.  高屈折率光散乱層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の95%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の70%以上の光が高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されている請求項21もしくは22に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  24.  背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなるエレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性反射シートであって、エレクトロルミネッセンス発光層から背面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該背面シートに入射されるように、該発光層と該背面シートとの間に介在する層の屈折率が調整されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  25.  エレクトロルミネッセンス発光層と前面側光透過性電極及び/又は背面側光透過性電極との間に絶縁体層が備えられている請求項24に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  26.  さらに前面側光透過性電極と前面保護膜との間に、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱層が付設されていて、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されている請求項24もしくは25に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  27.  背面シート、背面側電極、背面側絶縁体層、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなるエレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、背面側絶縁体層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性絶縁体層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から背面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該背面側絶縁体層に入射されることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  28.  上記背面シートが光散乱効果による光反射性を示し、かつ上記背面側電極が光透過性電極である請求項27に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  29.  背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなるエレクトロルミネッセンス発光層、前面側絶縁体層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱効果による光反射性を示し、前面側絶縁体層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性絶縁体層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該前面側絶縁体層に入射されるように調整されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  30.  背面シート、背面側電極、背面側絶縁体層、エレクトロルミネッセンス発光粒子が誘電体相に分散されてなるエレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する分散型エレクトロルミネッセンス素子であって、該背面側絶縁体層が10μm以上の厚みを持ち、かつ拡散反射率が50%以上の高屈折率光散乱反射性絶縁体層であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  31.  背面側絶縁体層の拡散反射率が70%以上である請求項30に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  32.  背面側絶縁体層の層厚が10〜100μmの範囲にある請求項30もしくは31に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  33.  背面シート、背面側電極、背面側絶縁体層、エレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有するエレクトロルミネッセンス素子であって、該背面側絶縁体層が10μm以上の厚みを持ち、かつ拡散反射率が50%以上の高屈折率光散乱反射性絶縁体層であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  34.  エレクトロルミネッセンス発光層の前面側に絶縁体層が設けられている請求項33に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  35.  背面側絶縁体層の拡散反射率が70%以上である請求項33に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  36.  背面側絶縁体層の層厚が10〜100μmの範囲にある請求項33もしくは35に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  37.  エレクトロルミネッセンス発光層が蛍光体薄膜である請求項33乃至36のうちの何れかの項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  38.  背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有する、エレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性反射シートであって、エレクトロルミネッセンス発光層から背面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該背面シートに入射されるように、該発光層と背面シートとの間に介在する層の屈折率が調整されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  39.  エレクトロルミネッセンス発光層の前面側及び/又は背面側に絶縁体層が備えられている請求項38に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  40.  さらに前面側光透過性電極と前面保護膜との間に、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱層が付設されていて、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されている請求項38に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  41.  背面シート、光透過性背面側電極、背面側絶縁体層、エレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有するエレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱反射性であって、かつ背面側絶縁体層が、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性絶縁体層であって、エレクトロルミネッセンス発光層から背面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該背面側絶縁体層に入射されることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  42.  エレクトロルミネッセンス発光層の前面側に絶縁体層が備えられている請求項41に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  43.  背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有するエレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱効果による光反射性を示し、前面側光透過性電極と前面保護膜との間に、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱層が付設されていて、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該高屈折率光散乱層に入射されるように、該発光層と該高屈折率光散乱層との間に介在する層の屈折率が調整されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  44.  エレクトロルミネッセンス発光層の前面側及び/又は背面側に絶縁体層が備えられている請求項43に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  45.  背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有するエレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱効果による光反射性を示し、エレクトロルミネッセンス発光層の前面側に、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性絶縁体層が設けられていて、エレクトロルミネッセンス発光層から前面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該高屈折率光散乱性絶縁体層に入射されることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  46.  エレクトロルミネッセンス発光層の背面側に絶縁体層が備えられている請求項45に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  47.  背面シート、背面側光透過性電極、エレクトロルミネッセンス発光層、前面側光透過性電極、そして光透過性の前面保護膜が、この順に積層された基本構成を有するエレクトロルミネッセンス素子であって、背面シートが光散乱効果による光反射性を示し、エレクトロルミネッセンス発光層の背面側に、エレクトロルミネッセンス発光層の屈折率の80%以上の屈折率を有する材料を主構成成分とする高屈折率光散乱性絶縁体層が設けられていて、エレクトロルミネッセンス発光層から背面側に向けて発せられる光の40%以上の光が該高屈折率光散乱性絶縁体層に入射されることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  48.  エレクトロルミネッセンス発光層の背面側に絶縁体層が備えられている請求項47に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
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