JP2004139306A - リニアアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷質量に最適な制御パラメータで制御を行うことが可能なリニアアクチュエータを実現する。
【解決手段】空気軸受けと位置センサを用い摺動摩擦が無く絶対位置決めが可能なリニアアクチュエータにおいて、位置センサから位置信号を取り込みスライダーの位置速度制御を行う位置速度制御手段と、推定重力外乱値をアナログ信号に変換するD/A変換手段と、位置速度制御手段の出力からD/A変換手段の出力を減算して駆動信号としてスライダーを移動させるリニアモータに供給する減算器と、この減算器の出力をディジタル信号に変換するA/D変換手段と、スライダーの位置速度制御に先立ち前回の推定重力外乱値を出力しながらスライダーの質量変動の有無を判断し、質量変動があった場合には、外乱オブザーバを用いてA/D変換手段の出力に基づき得られた推定重力外乱値から負荷質量を算出して制御パラメータを求めて設定すると共に得られた推定重力外乱値を出力する制御手段とを設ける。
【選択図】          図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気軸受けと位置センサを用い摺動摩擦が無く絶対位置決めが可能なリニアアクチュエータに関し、特に負荷質量に最適な制御パラメータで制御を行うことが可能なリニアアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気軸受けと位置センサを用い摺動摩擦が無く絶対位置決めが可能なリニアアクチュエータに関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−245193号公報
【特許文献2】
特開2002−058271号公報
【0004】
図7はこのような従来のリニアアクチュエータの一例を示す斜視図である。但し、図7において制御回路等の記載は省略されている。図7において1は空気軸受けによって空気浮上している可動部であるスライダーをリニアモータで駆動し、磁歪ポテンショセンサ等の絶対位置検出が可能な位置センサが内蔵されているモータ部、2はモータ部1に内蔵されている位置センサからの信号を処理する位置センサ信号処理回路、3は電磁弁である。
【0005】
ここで、図7に示す従来例を簡単に説明する。電磁弁3からは図7中”AR01”に示すように加圧された空気がモータ部1に供給され、可動部であるスライダーを空気浮上させる。
【0006】
一方、図7中”DS01”に示すように図示しない制御回路からのリニアモータの駆動信号がモータ部1に印加され、モータ部1は当該駆動信号に基づきリニアモータでスライダーの位置を直接移動させ、位置センサ信号処理回路2で処理されたスライダーの絶対位置の位置信号が図7中”PS01”に示すように図示しない制御回路に帰還されスライダーの位置制御がなされる。
【0007】
この結果、磁歪ポテンショセンサ等によりスライダーの絶対位置が検出可能で、可動部であるスライダーが空気軸受けによって空気浮上しているので摺動摩擦が無く高寿命、コンタミレス及び高制御性が得られることになる。
【0008】
ここで、図7に示す従来例の動作を図8、図9及び図10を用いて詳細に説明する。図8は従来の制御回路の一例を示す構成ブロック図、図9はシミュレーションで用いた位置指令値の一例を示す特性曲線図、図10は速度指令値の一例を示す特性曲線図である。
【0009】
図8において4はCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の制御手段、5,6及び7はD/A変換手段、8はA/D変換手段、9は速度指令信号発生手段、10は速度/電圧変換手段、11はモータ部、12は位置センサ、13及び14は減算器である。また、4,5,6,7,8,9,10,13及び14は制御回路50を、5,6,7,8,9,10,13及び14は位置速度制御手段51をそれぞれ構成している。
【0010】
制御手段4からの複数の出力はD/A変換手段5,6及び7にそれぞれ接続され、D/A変換手段5の出力は減算器14の第1の加算入力端子に接続される。また、D/A変換手段6及び7の出力はそれぞれ減算器13の加算入力端子及び減算器14の減算入力端子に接続される。
【0011】
減算器13の出力は速度指令信号発生手段9に接続され、速度指令信号発生手段9の出力は減算器14の第2の加算入力端子に接続される。また、減算器14の出力は速度/電圧変換手段10に接続され、速度/電圧変換手段10の出力である駆動信号はモータ部11に印加される。
【0012】
一方、位置センサ12の出力はA/D変換手段8に接続されると共に減算器13の減算入力端子に接続され、A/D変換手段8の出力は制御手段4に接続される。
【0013】
ここで、図8に示す従来例の動作を簡単に説明する。制御手段4は図8中”CP11”に示すような位置指令値を出力し、減算器13で図8中”PS11”に示す位置センサ12からの位置信号との差分を演算して速度指令信号発生手段9に印加する。
【0014】
例えば、位置指令値とは図9中”CH21”に示すような時間に対する位置を示す台形状の特性曲線であり、図9中”CH21”に示す位置指示値では絶対位置”0m”から絶対位置”0.02m”に”約0.5秒”で移動し、絶対位置”0.02m”の位置で”約0.5秒”停止し、再び、絶対位置”0.02m”から絶対位置”0m”に”約0.5秒”で移動することを示している。
【0015】
速度指令信号発生手段9は印加された差分に基づき図8中”SS11”に示すような速度指令信号を発生させる。
【0016】
一方、制御手段4は図8中”CS11”に示すような速度指令値を出力し、減算器14で速度指令値と図8中”SS12”に示す位置センサ12からの位置信号に基づき演算した速度信号との差分を図8中”SS11”に示す速度指令信号に加算する。
【0017】
例えば、速度指令値とは図10中”CH31””に示すような時間に対する速度を示す台形状の特性曲線であり、図10中”CH31”に示す速度指示値ではでは”0.2〜0.7秒”の間に”0.05m/s”の速度で移動し、”0.7〜1.1秒”の間に”0.0m/s”の速度で移動し(停止)、”1.1〜1.6秒”の間に”−0.05m/s”の速度で移動することを示している。また、加減速度は”0.1G”である。
【0018】
最後に、速度/電圧変換手段10は印加された速度指令信号に基づき図8中”DS11”に示すような駆動信号を発生させてモータ部11に供給してリニアモータを駆動する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図8に示すような従来のリニアアクチュエータでは、可動部であるスライダーをリニアモータにより直接駆動する構成であり、位置速度制御手段51で用いられるPID(Proportion Integration Differential)制御パラメータを決定するためには、特性が既知の伝達特性になるよう制御系の伝達特性の係数を合わせ込み制御パラメータを決定するモデルマッチング法が用いられている。
【0020】
このような制御パラメータの決定に関しては無負荷時のスライダーの質量に基づき算出されているが、実際の搬送モードではスライダーにICチップや液晶パネル等の搬送品を負荷として装着して搬送動作を行うため質量が変動してしまい、先に決定した制御パラメータは最適な値ではなく整定時間が長くなってしまうと言った問題点があった。
【0021】
また、一般にICチップや液晶パネル等の搬送品は1種類ではなく、それぞれの搬送品の同一質量ではないので、先に決定した制御パラメータは最適な値ではなくなってしまうと言った問題点があった。
【0022】
従来では、このような問題点を解決するためには、現場にサービス員が赴き、実際に搬送する搬送品の質量に応じて制御パラメータを調整する等の作業を行うことによって対応していた。
従って本発明が解決しようとする課題は、負荷質量に最適な制御パラメータで制御を行うことが可能なリニアアクチュエータを実現することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
空気軸受けと位置センサを用い摺動摩擦が無く絶対位置決めが可能なリニアアクチュエータにおいて、
前記位置センサから位置信号を取り込みスライダーの位置速度制御を行う位置速度制御手段と、推定重力外乱値をアナログ信号に変換するD/A変換手段と、前記位置速度制御手段の出力から前記D/A変換手段の出力を減算して駆動信号として前記スライダーを移動させるリニアモータに供給する減算器と、この減算器の出力をディジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記スライダーの位置速度制御に先立ち前回の推定重力外乱値を出力しながらスライダーの質量変動の有無を判断し、質量変動があった場合には、外乱オブザーバを用いて前記A/D変換手段の出力に基づき得られた推定重力外乱値から負荷質量を算出して制御パラメータを求めて設定すると共に得られた前記推定重力外乱値を出力する制御手段とを備えたことにより、負荷質量に最適な制御パラメータで制御を行うことが可能になる。
【0024】
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の発明であるリニアアクチュエータにおいて、
前記制御手段が、
前記前回の推定重力外乱値を出力した場合の特定点における駆動信号が前回の搬送動作で得られた駆動信号の値と同じであるか否かによりスライダーの質量変動の有無を判断することにより、負荷質量に最適な制御パラメータで制御を行うことが可能になる。
【0025】
請求項3記載の発明は、
請求項1記載の発明であるリニアアクチュエータにおいて、
前記制御手段が、
前記外乱オブザーバを用いて前記A/D変換手段の出力に基づきコギング数周期分の推定外乱値を求めると共にこの推定外乱値の平均値を求めておき、この平均値を得られた前記推定重力外乱値として出力することにより、負荷質量に最適な制御パラメータで制御を行うことが可能になる。
【0026】
請求項4記載の発明は、
請求項1記載の発明であるリニアアクチュエータにおいて、
前記位置速度制御手段が、
前記位置信号をディジタル信号に変換する第2のA/D変換手段と、前記制御手段で演算された速度信号をアナログ信号に変換する第2のD/A変換手段と、前記制御手段からの位置指令値をアナログ信号に変換する第3のD/A変換手段と、前記制御手段からの速度指令値をアナログ信号に変換する第4のD/A変換手段と、前記第3のD/A変換手段の出力から前記位置信号を減算する第2の減算器と、この第2の減算器の出力から速度指令信号を発生させる速度指令信号発生手段と、この速度指令信号発生手段の出力と前記第4のD/A変換手段の出力を加算し、前記第2のD/A変換手段の出力を減算する第3の減算器と、この第3の減算器の出力を電圧信号に変換して出力する速度/電圧変換手段とから構成されたことにより、負荷質量に最適な制御パラメータで制御を行うことが可能になる。
【0027】
請求項5記載の発明は、
請求項1記載の発明であるリニアアクチュエータにおいて、
前記位置速度制御手段が、
前記位置信号をディジタル信号に変換する第2のA/D変換手段と、位置指令値から前記位置信号を減算して差分から速度指令信号を発生させ、速度指令値と前記速度指令信号の和から速度信号を減算し電圧信号に変換して出力する前記制御手段と、前記制御手段の出力をアナログ信号に変換する第2のD/A変換手段とから構成されたことにより、負荷質量に最適な制御パラメータで制御を行うことが可能になる。
【0028】
請求項6記載の発明は、
請求項1記載の発明であるリニアアクチュエータにおいて、
前記制御手段が、
前記スライダーの運動方向と鉛直方向がなす角度が直角の場合に得られた前記推定重力外乱値を重力加速度で除算することにより前記負荷質量を算出することにより、負荷質量に最適な制御パラメータで制御を行うことが可能になる。
【0029】
請求項7記載の発明は、
請求項1記載の発明であるリニアアクチュエータにおいて、
前記制御手段が、
前記スライダーの運動方向と鉛直方向がなす角度が”θ”、得られた前記推定重力外乱値が”F”及び重力加速度が”g”の場合に、
/(g・sinθ)
で前記負荷質量を算出することことにより、負荷質量に最適な制御パラメータで制御を行うことが可能になる。
【0030】
請求項8記載の発明は、
請求項1記載の発明であるリニアアクチュエータにおいて、
前記位置速度制御手段が、
位置ループから構成される制御系であることにより、負荷質量に最適な制御パラメータで制御を行うことが可能になる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係るリニアアクチュエータの制御回路の一実施例を示す構成ブロック図である。
【0032】
図1において5,6,7,8,9,10,11,12,13,14及び51は図8と同一符号を付してあり、4aはCPUやMPU等の制御手段、15はA/D変換手段、16はD/A変換手段、17は減算器である。また、4a,5,6,7,8,9,10,13,14,15,16及び17は制御回路50aを構成している。
【0033】
制御手段4aからの複数の出力はD/A変換手段5,6,7及び16にそれぞれ接続され、D/A変換手段5の出力は減算器14の第1の加算入力端子に接続される。また、D/A変換手段6及び7の出力はそれぞれ減算器13の加算入力端子及び減算器14の減算入力端子に接続される。さらに、D/A変換手段16の出力は減算器17の減算入力端子に接続される。
【0034】
減算器13の出力は速度指令信号発生手段9に接続され、速度指令信号発生手段9の出力は減算器14の第2の加算入力端子に接続される。また、減算器14の出力は速度/電圧変換手段10に接続される。
【0035】
そして、速度/電圧変換手段10の出力である駆動信号は減算器17の加算入力端子に接続され、減算器17の出力である外乱補償が施された駆動信号がモータ部11に印加される。
【0036】
また、減算器17の出力はA/D変換手段15に接続され、A/D変換手段15の出力は制御手段4aに接続される
【0037】
一方、位置センサ12の出力はA/D変換手段8に接続されると共に減算器13の減算入力端子に接続され、A/D変換手段8の出力は制御手段4aに接続される。
【0038】
ここで、図1に示す実施例の動作を図2、図3、図4、図5及び図6を用いて説明する。但し、図8に示す従来例と同様の部分に関する説明は省略する。
【0039】
図2及び図3は制御回路50aの動作を説明するフロー図、図4は整定シミュレーション結果を示す特性曲線図、図5は図4の立ち上がりのエッジ部分を拡大した状態を示す特性曲線図である。
【0040】
図2中”S001”において制御回路50aは外乱オブザーバから前回の搬送動作で推定した推定重力外乱値”F”を出力すると共に図2中”S002”においてスライダーを特定点に移動させ当該特定点における駆動信号”F1”を取得し記録する。
【0041】
例えば、制御回路50aは図1中”OB41”に示す外乱オブザーバを用いて、前回の搬送動作で推定した推定重力外乱値をD/A変換手段16により図1中”CM41”に示すようなアナログ信号に変換し、減算器17において駆動信号から減算させて図1中”DS41”に示すような外乱補償された駆動信号をモータ部11に供給する。
【0042】
そして、例えば、制御回路50aは当該特定点における図1中”DS41”に示す駆動信号をA/D変換手段15で取り込み記録する。
【0043】
図2中”S003”において制御回路50aは当該特定点における駆動信号”F1”が、前回の搬送動作の図2中”S002”のステップで得られた駆動信号”F2”の値と同じであるか否かを判断する。
【0044】
もし、図2中”S003”において”F1=F2”であれば、スライダーの質量変動がないと考えられるので図2中”S007”に示すステップに進む。
【0045】
一方、もし、図2中”S003”において”F1≠F2”であれば、スライダーの質量に変動があったと考えられるので、図2中”S004”において図3に示すフロー図に従って推定重力外乱値を取得する。
【0046】
すなわち、図3中”S101”において制御回路50aはスライダーを低速且つ等速で移動させて駆動信号を順次取り込むと共に図3中”S102”において外乱オブザーバを用いて取り込んだ駆動信号に基づき外乱を推定して推定外乱値を求める。
【0047】
図3中”S103”において制御回路50aはコギングの数周期分移動、言い換えれば、コギングの数周期分の推定外乱値を取り込んだか否かを判断し、もし、取り込みが未了であれば図3中”S102”に示すステップに戻る。
【0048】
もし、図3中”S103”においてコギングの数周期分の推定外乱値の取り込みを完了した場合には、図3中”S104”において制御回路50aは取り込んだ推定外乱値の平均値を算出する。
【0049】
ここで、コギング力は周期的な力であるためその平均値は”0”であり、取り込んだ推定外乱値の平均値は推定重力外乱値となる。
【0050】
最後に、図3中”S105”において制御回路50aは求めた平均値(推定重力外乱値)を駆動信号から減算して外乱補償をしながら通常の位置速度制御を行う。
【0051】
例えば、図1中”OB41”に示す外乱オブザーバは求めた平均値である推定重力外乱値をD/A変換手段16により図1中”CM41”に示すようなアナログ信号に変換し、減算器17において駆動信号から減算させて図1中”DS41”に示すような外乱補償された駆動信号をモータ部11に供給する。
【0052】
そして、図2中”S005”において制御回路50aは求めた推定重力外乱値”F”から質量”M’”を求める。
【0053】
例えば、重力加速度を”g”とした場合、
M’=F/g     (1)
により質量”M’”を求める。ここで、質量”M’”はスライダーと装着された負荷の合計の質量である。
【0054】
また、図2中”S006”において制御回路50aは求めた質量”M’”から制御系である位置速度制御手段51の速度/電圧変換手段10の制御パラメータ”Kv”を求めると共に新たな制御パラメータとして設定する。
【0055】
例えば、下記の式により制御パラメータ”Kv”が演算される。
Kv=A’・α/{M’・(α+α)・σ}     (2)
但し、式(2)において”α”及び”α”は波形定数、”σ”は事前に設定される立ち上がり時間である。
【0056】
また、”K”を電圧/力変換定数、”KMS”を位置/電圧変換定数とした場合、”A’”は、
A’=K・KMS     (3)
で表される定数である。
【0057】
ちなみに、制御系である位置速度制御手段51の速度指令信号発生手段9の制御パラメータは質量”M’”には依存しない。
【0058】
最後に、図2中”S007”において制御回路50aは制御系である位置速度制御手段51の速度/電圧変換手段10に設定された前回の搬送動作で用いられた制御パラメータ、若しくは、新たに設定された制御パラメータに基づき位置速度制御を行う。
【0059】
すなわち、ある特定点における駆動信号が前回の搬送動作で得られた駆動信号の値と同じであるか否かにより、スライダーの質量変動の有無を判断し、質量変動があった場合には、外乱オブザーバにより推定重力外乱値を求め、この推定重量外乱値から負荷質量を算出して負荷に最適な制御パラメータを確定して制御を行うことになる。
【0060】
例えば、図4中”CH51”はスライダー質量を”0.15kg”、搬送品質量を”0.3kg”としてシミュレーションを行った場合の”位置指令値”及びこの”位置指令値”で搬送した場合の従来例と本願発明のスライダーの位置変動を示している。
【0061】
そして、例えば、図5は図4中”A”に示す立ち上がりのエッジ部分を拡大した状態を示すものであり、図5中”CH61”に示す特性曲線は”位置指令値”、図5中”CH62”及び”CH63”に示す特性曲線は従来例及び本願発明のスライダーの位置変動を示している。
【0062】
図5中”CH63”に示す特性曲線から明らかなように、図5中”CH62”に示す従来例と比較して整定時間が短くなっていることが分かる。
【0063】
この結果、制御回路50aがある特定点における駆動信号が前回の搬送動作で得られた駆動信号の値と同じであるか否かにより、スライダーの質量変動の有無を判断し、質量変動があった場合には、外乱オブザーバを用いて得られた推定重力外乱値から負荷質量を算出して制御パラメータを求めて設定することにより、負荷質量に最適な制御パラメータで制御を行うことが可能になる。
【0064】
また、図1に示す実施例では図2に示すフロー図から明らかなように、質量の変動が無い場合には、外乱オブザーバを動作させることはないので、実際の搬送動作が開始されるまでの時間が短縮されることになる。
【0065】
なお、図1に示す実施例では制御系である位置速度制御手段52ではアナログ信号処理を行っているが、勿論、ディジタル信号処理をする構成であっても構わない。すなわち、制御手段4a内で外乱補償された駆動信号を生成して、最終的にアナログ信号に変換してモータ部11に供給しても構わない。
【0066】
この場合には、D/A変換手段の一部が削除可能になるため回路規模を小さくすることが可能になる。
【0067】
また、式(1)に示す質量”M’”の算出式はリニアアクチュエータが垂直設置された(スライダーの運動方向と鉛直方向がなす角度が90度)場合の算出式であり、リニアアクチュエータが斜めに設置された場合、スライダーの運動方向と鉛直方向がなす角度を”θ”とすれば、質量”M’”は、
M’=F/(g・sinθ)     (4)
と算出することができる。
【0068】
また、図1に示す実施例では制御系として位置ループ(速度指定信号発生手段9を含むループ)及び速度ループ(速度/電圧変換手段10を含むループ)の2つの制御ループを有する制御系を例示しているが、速度ループを有しない制御系、言い換えれば、位置ループのみから構成される制御系であっても構わない。
【0069】
例えば、図6は位置ループにみから構成される制御系の一例を示す構成ブロック図であり、各制御ブロックの制御パラメータ”Kp”、”Ki”及び”Kd”は、前述の定数等を用いることにより、
Kp=M’/{K・KMS・(α+α)・σ}     (5)
Ki=M’/{K・KMS・(α+α)・σ}     (6)
Kd=α・σ     (7)
として求めることができる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果がある。
請求項1,2、3,4,5,6,7及び請求項8の発明によれば、ある特定点における駆動信号が前回の搬送動作で得られた駆動信号の値と同じであるか否かにより、スライダーの質量変動の有無を判断し、質量変動があった場合には、外乱オブザーバを用いて得られた推定重力外乱値から負荷質量を算出して制御パラメータを求めて設定することにより、負荷質量に最適な制御パラメータで制御を行うことが可能になる。
【0071】
また、質量の変動が無い場合には、外乱オブザーバを動作させることはないので、実際の搬送動作が開始されるまでの時間が短縮されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリニアアクチュエータの制御回路の一実施例を示す構成ブロック図である。
【図2】制御回路の動作を説明するフロー図である。
【図3】制御回路の動作を説明するフロー図である。
【図4】整定シミュレーション結果を示す特性曲線図である。
【図5】立ち上がりのエッジ部分を拡大した状態を示す特性曲線図である。
【図6】速度ループを有しない制御系の一例を示す構成ブロック図である。
【図7】従来のリニアアクチュエータの一例を示す斜視図である。
【図8】従来の制御回路の一例を示す構成ブロック図である。
【図9】シミュレーションで用いた位置指令値の一例を示す特性曲線図である。
【図10】速度指令値の一例を示す特性曲線図である。
【符号の説明】
1 モータ部
2 位置センサ信号処理回路
3 電磁弁
4,4a 制御手段
5,6,7,16 D/A変換手段
8,15 A/D変換手段
9 速度指令信号発生手段
10 速度/電圧変換手段
11 モータ部
12 位置センサ
13,14,17 減算器
50,50a 制御回路
51 位置速度制御手段

Claims (8)

  1. 空気軸受けと位置センサを用い摺動摩擦が無く絶対位置決めが可能なリニアアクチュエータにおいて、
    前記位置センサから位置信号を取り込みスライダーの位置速度制御を行う位置速度制御手段と、
    推定重力外乱値をアナログ信号に変換するD/A変換手段と、
    前記位置速度制御手段の出力から前記D/A変換手段の出力を減算して駆動信号として前記スライダーを移動させるリニアモータに供給する減算器と、
    この減算器の出力をディジタル信号に変換するA/D変換手段と、
    前記スライダーの位置速度制御に先立ち前回の推定重力外乱値を出力しながらスライダーの質量変動の有無を判断し、質量変動があった場合には、外乱オブザーバを用いて前記A/D変換手段の出力に基づき得られた推定重力外乱値から負荷質量を算出して制御パラメータを求めて設定すると共に得られた前記推定重力外乱値を出力する制御手段と
    を備えたことを特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. 前記制御手段が、
    前記前回の推定重力外乱値を出力した場合の特定点における駆動信号が前回の搬送動作で得られた駆動信号の値と同じであるか否かによりスライダーの質量変動の有無を判断することを特徴とする
    請求項1記載のリニアアクチュエータ。
  3. 前記制御手段が、
    前記外乱オブザーバを用いて前記A/D変換手段の出力に基づきコギング数周期分の推定外乱値を求めると共にこの推定外乱値の平均値を求めておき、この平均値を得られた前記推定重力外乱値として出力することを特徴とする
    請求項1記載のリニアアクチュエータ。
  4. 前記位置速度制御手段が、
    前記位置信号をディジタル信号に変換する第2のA/D変換手段と、
    前記制御手段で演算された速度信号をアナログ信号に変換する第2のD/A変換手段と、
    前記制御手段からの位置指令値をアナログ信号に変換する第3のD/A変換手段と、
    前記制御手段からの速度指令値をアナログ信号に変換する第4のD/A変換手段と、
    前記第3のD/A変換手段の出力から前記位置信号を減算する第2の減算器と、
    この第2の減算器の出力から速度指令信号を発生させる速度指令信号発生手段と、
    この速度指令信号発生手段の出力と前記第4のD/A変換手段の出力を加算し、前記第2のD/A変換手段の出力を減算する第3の減算器と、
    この第3の減算器の出力を電圧信号に変換して出力する速度/電圧変換手段とから構成されたことを特徴とする
    請求項1記載のリニアアクチュエータ。
  5. 前記位置速度制御手段が、
    前記位置信号をディジタル信号に変換する第2のA/D変換手段と、
    位置指令値から前記位置信号を減算して差分から速度指令信号を発生させ、速度指令値と前記速度指令信号の和から速度信号を減算し電圧信号に変換して出力する前記制御手段と、
    前記制御手段の出力をアナログ信号に変換する第2のD/A変換手段とから構成されたことを特徴とする
    請求項1記載のリニアアクチュエータ。
  6. 前記制御手段が、
    前記スライダーの運動方向と鉛直方向がなす角度が直角の場合に得られた前記推定重力外乱値を重力加速度で除算することにより前記負荷質量を算出することを特徴とする
    請求項1記載のリニアアクチュエータ。
  7. 前記制御手段が、
    前記スライダーの運動方向と鉛直方向がなす角度が”θ”、得られた前記推定重力外乱値が”F”及び重力加速度が”g”の場合に、
    /(g・sinθ)
    で前記負荷質量を算出することを特徴とする
    請求項1記載のリニアアクチュエータ。
  8. 前記位置速度制御手段が、
    位置ループから構成される制御系であることを特徴とする
    請求項1記載のリニアアクチュエータ。
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