JP2004138221A - 摩擦部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】大きな動摩擦係数を広い速度域に渡って確保しつつ、相手側部材への攻撃性を小さいものとする。
【解決手段】Ni−Cr合金繊維の焼結体21のうち、相手側部材との摩擦部位に皮膜22が形成される。この皮膜22中には、平均粒径が5μm〜20μmで、かつ5質量%〜12質量%のCr酸化物粒子23が分散して含有される。上記皮膜22の厚さは15μm〜150μmするのが好ましく、焼結体21の気孔率は50%〜80%とするのが好ましい。本発明による摩擦部材は、例えば、変速機のシンクロナイザリング用等、動力伝達経路用として用いることができる。
【選択図】 図3
【解決手段】Ni−Cr合金繊維の焼結体21のうち、相手側部材との摩擦部位に皮膜22が形成される。この皮膜22中には、平均粒径が5μm〜20μmで、かつ5質量%〜12質量%のCr酸化物粒子23が分散して含有される。上記皮膜22の厚さは15μm〜150μmするのが好ましく、焼結体21の気孔率は50%〜80%とするのが好ましい。本発明による摩擦部材は、例えば、変速機のシンクロナイザリング用等、動力伝達経路用として用いることができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は変速機のシンクロナイザリング用等に用いられる摩擦部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば車両においては、例えば動力伝達用のために摩擦部材が用いられる。この場合、動力の伝達が行われる2つの部材の接触部位間に大きな摩擦係数を確保するために摩擦部材を介在させて、動力伝達が効果的に行われるようにすることが行われる。このような摩擦部材としては、従来もっとも多く用いられているのは、黄銅あるいはカーボンの内面(摩擦係合面)にねじ溝(スパイラル溝)を形成した形式のものであり、相手側部材としては浸炭された鉄系部材であるときに、上記形式の摩擦部材が多く用いられる。黄銅あるいはカーボンを用いるのは、相手側部材に対するなじみ性であり、またねじ溝を形成するのは、摩擦係合面での油膜切りと摩擦係合面からの油排出のためである。このような摩擦部材にあっては、より大きな動摩擦係数を確保しようとすれば、ねじ溝の凸部の面積(相手側部材に接触される側の面積)をより小さくする必要があるが、この場合は相手側部材への攻撃性が大きくなってしまうばかりでなく、摩擦部材そのものが摩耗し易くなってしまい、耐久性の点で問題が残る。
【0003】
一方、最近では、黄銅あるいはカーボンに代わる材料を用いた摩擦部材を開示するものとして、特許文献1がある。この特許文献1は、例えば変速機のシンクロナイザリング用として好適な摩擦部材を提供するもので、耐久性をも十分に満足させるものとなっている。すなわち、特許文献1には、気孔率が50%〜80%とされたNi−Cr合金繊維の焼結体の表面のうち相手側部材との摩擦係合面に、Ni−Cr合金の皮膜を形成し、この皮膜中に炭化物系あるいは酸化物系の少なくとも一方の硬質粒子を分散して含有させたものが開示されている。この特許文献1のものは、特に焼結体のたわみ性を利用して、相手側部材への良好な密着性を確保しつつ(相手側部材に対して片当たりしないようにする)、大きな動摩擦係数の確保と耐へたり性との両方の性能を共に満足させるものとなっている。特許文献1には、さらに、皮膜中の硬質粒子としてCr酸化物を用いることや、その含有量を3〜55重量%にすることが好ましいということも開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、金属繊維部品の表面に、0.1〜1.0μmのCr酸化物を主成分とする被覆層を形成したものが開示されているが、この特許文献2に開示の技術は、本発明とは逆に低μ化を狙ったものであり、また平滑性の確保を狙ったものとなっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−97250号公報
【特許文献2】
特開平11−29876号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば回転しつつ摩擦係合されることにより大きな動力を効果的に伝達しようとする場合、低回転域のみならず高回転域までの広い回転域に渡って、つまり広い速度域に渡って大きな動摩擦係数を確保することが望まれる(良好なμ−V特性の確保)。その一方、摩擦係合される相手側部材への攻撃性(相手側部材の摩耗)をいかに小さくするかが耐久性確保の観点から重要となる。すなわち、単に動摩擦係数を大きくしただけでは、相手側部材の摩耗も大きくなってしまうことにつながり、良好なμ−V特性と相手側部材の摩耗低減との両方の要求をいかに満足させるかが重要となる。
【0007】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、大きな動摩擦係数を広い速度域に渡って確保することができ、しかも相手側部材の摩耗も小さくなるようにした摩擦部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
Ni−Cr合金繊維の焼結体の表面のうち相手側部材との摩擦部位に皮膜が形成されており、
前記皮膜中には、平均粒径が5μm〜20μmでかつ5質量%〜12質量%のCr酸化物粒子が分散して含有されている、
ようにしてある。
これにより、後に詳述するように、広い速度域に渡って大きな動摩擦係数を確保することができ、しかも相手側部材への攻撃性も小さいものが得られる。
【0009】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記皮膜の厚さが、15μm〜150μmとされている、ようにすることができる(請求項2対応)。
また、前記焼結体の気孔率が、50%〜80%とされている、ようにすることができる(請求項3対応)。
上記各場合共に、後に詳述するように請求項1に記載の効果をより十分に得る上で好ましいものとなる。
【0010】
前記皮膜中に、前記Cr酸化物粒子以外に、さらに他の酸化物系および/または炭化物系の非金属硬質粒子が分散して含有されている、ようにすることができる(請求項4対応)。この場合、後述するように添加材としての非鉄硬質金属粒子の硬さおよび添加量を適切に設定することにより、動摩擦係数をより一層高める上で好ましいものとなる。
【0011】
前記相手側部材に対して相対回転されつつ摩擦係合される動力伝達用の部材とされている、ようにすることができる(請求項5対応)。
また、変速機のシンクロナイザリング用、湿式多板クラッチ用、ロックアップクラッチ用のいずれかとされている、ようにすることができる(請求項6対応)。 上記各場合共に、回転されつつ摩擦係合されることによって動力伝達が行われる場合の摩擦部材として好適なものとなる。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、広い速度域に渡って大きな動摩擦係数を得つつ、相手側部材の摩耗を抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1において、1は変速機のシンクロナイザリングであり、このシンクロナイザリングは、略リング状の本体構造部11と、本発明による摩擦部材12とからなる。本体構造部11は、既知のように例えば黄銅によって形成されて、その内面11aは傾斜面(テーパ面)とされている。また、摩擦部材12は、略リング状とされて、本体構造部11の内面11aに接合されている。そして、摩擦部材12の厚さは略均一とされていて、その内面12aは本体構造部11の内面11aに対応した傾斜面(テーパ面)とされている。この摩擦部材12の内面12aは、側面が傾斜面(テーパ面)とされた相手側部材に対して圧接されて、摩擦係合されるものである。
【0014】
摩擦部材12は、図2、図3に模式的に示すように、Ni−Cr合金繊維を焼結することにより形成された焼結体21と、この焼結体21の表面、特に相手側部材に対する摩擦係合面に形成された皮膜(被覆層)22とからなる。焼結体21を構成するNi−Cr合金繊維は、例えば、繊維径が0.8mm程度で、繊維長が50mm〜100mm程度のものを用いることができ、このようなNi−Cr合金繊維を絡ませた状態のものを焼結させることによって焼結体21が形成される。
【0015】
焼結体21は、その気孔率が50%〜80%の範囲とされている。気孔率が50%以上と大きいために、相手側部材に対して摩擦係合されたときに、油膜切りが十分に行われて動摩擦係数が向上され、また、その気孔内を油が通過し易くなることにより温度上昇が抑制されて、高温でも大きな動摩擦係数を確保する上で好ましいものとなる。さらに、相手側部材に対する摩擦接合のときの大きな荷重を受けたときに、焼結体21が適度に撓み変形(圧縮変形)されて、相手側部材に対して広い面積に渡って密着することになり、いわゆる相手側部材に対する片当たりを防止して、大きな動摩擦係数の確保と相手側部材への攻撃性を小さくする上でも好ましいものとなる。気孔率が50%よりも小さくなると、上述の油膜切り機能が不十分となったり気孔内を流れる油量の減少となり、また荷重に対する撓み量が小さ過ぎてしまうことになる。一方、気孔率が80%よりも大きくなると、荷重に対する撓みが大きくなり過ぎ、へたりの問題が大きくなってしまうことになる。なお、気孔率を50%〜80%の範囲に設定すれば、荷重に対する撓み量(圧縮量)は、摩擦部材を従来の一般的な黄銅(内面にねじ溝有り)で構成した場合とほぼ同じ程度になる。
【0016】
上記皮膜22は、焼結体21の表面に例えばメッキ(例えばニッケルメッキ)よって接合されて、この皮膜22中には、図2、図3に示すように、Cr酸化物の粒子23が分散して含有されている。このCr酸化物粒子23は、粒径が5μm〜20μmとされ、皮膜22に占める質量割合が5%〜12%とされている。なお、図2では、皮膜22のうちCr酸化物粒子23以外のメッキ層については図示を略してある。また、図3において、皮膜22のうちCr酸化物粒子23以外のメッキ層を符号22aで示してある。
【0017】
図4には、Cr酸化物粒子23と、Cr酸化物23に代えてこれよりも硬質物質となる比較例としての酸化アルミニウム粒子および炭化珪素粒子とのそれぞれについて、その動摩擦係数と相手側部材への攻撃性(相手側部材の摩耗量)との関係を示してある。この図3から明らかなように、より硬質の物質である酸化アルミニウム粒子や炭化珪素粒子を用いる方が、Cr酸化物粒子23を用いるよりもより大きな動摩擦係数を確保することができるが、相手側部材への攻撃性がCr酸化物粒子23を用いた場合よりも著しく大きくなってしまうことになる。つまり、図3から、大きな動摩擦係数の確保と相手側部材への攻撃性を小さくするという両方の観点から、Cr酸化物粒子23を用いることが好ましいということが理解される。
【0018】
次にCr酸化物23の粒径を5μm〜20μmに設定することについて、図5を参照しつつ説明する。この図5から明らかなように、粒径が5μmよりも小さくなると、相手側部材への攻撃性は小さくなるものの、動摩擦係数を十分に大きくすることが困難となる。このため、粒径は、5μm以上とする必要がある。
【0019】
また、Cr酸化物粒子23の粒径を20μmよりも大きくすることは、動摩擦係数の向上に限界がくる一方、相手側部材への攻撃性が大きくなってくるので、粒径は20μm以下に設定する必要がある。これに加えて、粒径が大きくなってくると、皮膜22からCr酸化物粒子23が欠落するのを防止するためには皮膜22の厚さを不必要に大きくしてしまうことになり、このことは焼結体21の気孔率(特に皮膜22付近の気孔率)を大きく低下させる原因となって、油膜切りの機能低下や油排出機能の低下となり、この点からも粒径を20μm以下にする必要がある。
【0020】
次に、Cr酸化物粒子23の含有割合を5質量%〜12質量%に設定することについて、図6を参照しつつ説明する。まず、Cr酸化物粒子23の含有割合が5質量%よりも小さいと、大きな動摩擦係数を確保することが難しくなり、この点から、5質量%以上にする必要がある。また、Cr酸化物粒子23の含有割合を大きくしていくほど、大きな動摩擦係数を得られることになるが、相手側部材への攻撃性も含有割合の増大に応じて大きくなり、そのバランスを考慮したときに、12質量%以下に設定する必要がある。これに加えて、通常のメッキによる皮膜22の形成の方法では、12質量%を越えるような大きな含有割合となるようにCr酸化物粒子23を析出させることが難しいということもあり、この点からも12質量%以下に設定する必要がある。なお、上述の質量%は、皮膜22の表面積に対するCr酸化物粒子23の占める表面積の割合と同じであり、この意味からすれば、5質量%〜12質量%は、皮膜22中のCr酸化物粒子23が占める表面積割合が5%〜12%としても表現し得る。
【0021】
上述のような皮膜22の厚さ(Cr酸化物粒子23以外のメッキ層22aの厚さ)は、15μm〜150μmに設定するのが好ましい。すなわち、厚さが15μmよりも小さいと、粒径が20μmのCr酸化物粒子23を含有させる場合に、Cr酸化物粒子23の埋め込み深さが浅くなりすぎて、Cr酸化物粒子23が欠落しやすくなってしまう。逆に、厚さが150μmよりも大きくなると、焼結体21の気孔率を大きく低下させてしまうことになる(焼結体21の摩擦係合される側の面の開口率の大幅な低下で、油膜切り機能の低下と油排出機能の低下となる)。
【0022】
次に、前述した本発明による摩擦部材12を用いた効果を実験的に確かめることについて、図7、図8を参照しつつ説明する。実験は、図1に示すようなシンクロナイザリング1に相当するシンクロナイザリングXとして、摩擦部材のみを相違させた3種類を用意した。すなわち、本体構造部(11相当)を共通仕様とし、その内面(11a相当)に、前述した本発明実施形態による摩擦部材(11相当)を用いたものと(図1の本発明実施形態に対応したもの)、内面にねじ溝が形成された黄銅製のものを用いたものと、内面にねじ溝が形成されたカーボン製のものを用いたものとの3種類用意した。また、このようなシンクロナイザリングXに摩擦係合される相手側部材として、浸炭された鉄系部材(例えばクロム鋼の浸炭材で、例えばSCR420等)51を用いた。
【0023】
シンクロナイザリングXを1200rpmで回転させている状態(イナーシャは1.20kgf・cm・s2)で、相手側部材51を70kgfの押圧力でもってシンクロナイザリングX(の摩擦部材)に押しつけて、シンクロナイザリングXが停止されるまでを1サイクル(1回のテスト)とし、このサイクルを多数回繰り返し行って、動摩擦係数の変化を測定した。なお、テスト時に摩擦係合面に供給される油の温度はほぼ80度Cに維持した。
【0024】
上述の実験結果が、図8にまとめて示される。この図8から明らかなように、摩擦部材12として本発明実施形態によるものを用いた場合は、テストサイクル数(テスト回数)が多くなっても、大きな動摩擦係数が確保されていることが理解される。これに対して、摩擦部材として黄銅製のものあるいはカーボンを用いたものは、それぞれ、初期時は大きな動摩擦係数が確保されるが、テスト回数が多くなると急激に動摩擦係数が低下してしまうことが理解される。
【0025】
ここで、Cr酸化物粒子23を分散して含有する皮膜22(あるいは皮膜22を有する焼結体21)は、適宜の手法によって形成することができる。例えば、Cr酸化物粒子23を分散して含有する皮膜22を有する焼結体21をシート状としてあらかじめ形成しておき、このシートを本体構造部11に対して焼結体21をろう付けする等することができる。また、あらかじめ、焼結体21を本体構造部11に接合しておいて(焼結体21の焼結時に同時に焼結体21を本体構造部11に接合するようにしてもよく、あらかじめ別途形成された焼結体21を本体構造部11にろう付けする等)、その後にCr酸化物粒子23を分散して含有する皮膜22をメッキ層として形成したり、溶射層として形成することもできる。
【0026】
次に、皮膜22中には、Cr酸化物粒子23の他に、他の酸化物系あるいは炭化物系の硬質粒子を含有させるようにすることもできる。特に、より大きな動摩擦係数を確保するために、Cr酸化物粒子23よりも硬質粒子を添加させるようにすることができる。ただし、このような他の酸化物系あるいは炭化物系の皮膜22中に占める含有割合は、あまり少なすぎると動摩擦係数向上の効果が期待できず、また、多すぎると相手側部材の攻撃性が大きくなりすぎるので、皮膜22(のうちCr酸化物粒子23を含まないメッキ層22a)に対して3質量%〜55質量%程度の範囲にするのが好ましい。勿論、添加材としての硬質粒子の粒径は、Cr酸化物粒子23の粒径と同じ範囲に設定しておくのが好ましい。
【0027】
以上実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず例えば次のような場合をも含むものである。本発明による摩擦部材12が用いられる部位としては、シンクロナイザリングの他に、変速機の湿式多板クラッチ、ロックアップクラッチ、自動変速機の変速用のバンドブレーキ、LSD(リミテッドスリップデフ)等適宜のものとすることができる。また、回転されつつ動力伝達される部位に限らず、スライドしつつ力を伝達する部位等、その適用範囲は特に限定されないものである。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をシンクロナイザリング用として用いた場合の一例を示す側面断面図。
【図2】図1の要部拡大模式図。
【図3】焼結体の表面に形成されたCr酸化物粒子を分散して含有する皮膜を示す拡大断面図。
【図4】摩擦部材の皮膜中に分散して含有される材質の硬さと摩擦係数と相手側部材の摩耗量との関係を示す図。
【図5】Cr酸化物粒子の粒径と摩擦係数と相手側部材の摩耗量との関係を示す図。
【図6】Cr酸化物粒子の質量%と摩擦係数と相手側部材の摩耗量との関係を示す図。
【図7】実施形態による効果を比較例と比較するときに行った実験例を説明するための側面断面図。
【図8】実験結果をまとめて示す図。
【符号の説明】
1;シンクロナイザリング
1a:内面
11:本体構造部
12:摩擦部材
21:焼結体
22:皮膜
22a:メッキ層(皮膜のうちCr酸化物粒子以外の部分)
23:Cr酸化物粒子
【発明の属する技術分野】
本発明は変速機のシンクロナイザリング用等に用いられる摩擦部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば車両においては、例えば動力伝達用のために摩擦部材が用いられる。この場合、動力の伝達が行われる2つの部材の接触部位間に大きな摩擦係数を確保するために摩擦部材を介在させて、動力伝達が効果的に行われるようにすることが行われる。このような摩擦部材としては、従来もっとも多く用いられているのは、黄銅あるいはカーボンの内面(摩擦係合面)にねじ溝(スパイラル溝)を形成した形式のものであり、相手側部材としては浸炭された鉄系部材であるときに、上記形式の摩擦部材が多く用いられる。黄銅あるいはカーボンを用いるのは、相手側部材に対するなじみ性であり、またねじ溝を形成するのは、摩擦係合面での油膜切りと摩擦係合面からの油排出のためである。このような摩擦部材にあっては、より大きな動摩擦係数を確保しようとすれば、ねじ溝の凸部の面積(相手側部材に接触される側の面積)をより小さくする必要があるが、この場合は相手側部材への攻撃性が大きくなってしまうばかりでなく、摩擦部材そのものが摩耗し易くなってしまい、耐久性の点で問題が残る。
【0003】
一方、最近では、黄銅あるいはカーボンに代わる材料を用いた摩擦部材を開示するものとして、特許文献1がある。この特許文献1は、例えば変速機のシンクロナイザリング用として好適な摩擦部材を提供するもので、耐久性をも十分に満足させるものとなっている。すなわち、特許文献1には、気孔率が50%〜80%とされたNi−Cr合金繊維の焼結体の表面のうち相手側部材との摩擦係合面に、Ni−Cr合金の皮膜を形成し、この皮膜中に炭化物系あるいは酸化物系の少なくとも一方の硬質粒子を分散して含有させたものが開示されている。この特許文献1のものは、特に焼結体のたわみ性を利用して、相手側部材への良好な密着性を確保しつつ(相手側部材に対して片当たりしないようにする)、大きな動摩擦係数の確保と耐へたり性との両方の性能を共に満足させるものとなっている。特許文献1には、さらに、皮膜中の硬質粒子としてCr酸化物を用いることや、その含有量を3〜55重量%にすることが好ましいということも開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、金属繊維部品の表面に、0.1〜1.0μmのCr酸化物を主成分とする被覆層を形成したものが開示されているが、この特許文献2に開示の技術は、本発明とは逆に低μ化を狙ったものであり、また平滑性の確保を狙ったものとなっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−97250号公報
【特許文献2】
特開平11−29876号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば回転しつつ摩擦係合されることにより大きな動力を効果的に伝達しようとする場合、低回転域のみならず高回転域までの広い回転域に渡って、つまり広い速度域に渡って大きな動摩擦係数を確保することが望まれる(良好なμ−V特性の確保)。その一方、摩擦係合される相手側部材への攻撃性(相手側部材の摩耗)をいかに小さくするかが耐久性確保の観点から重要となる。すなわち、単に動摩擦係数を大きくしただけでは、相手側部材の摩耗も大きくなってしまうことにつながり、良好なμ−V特性と相手側部材の摩耗低減との両方の要求をいかに満足させるかが重要となる。
【0007】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、大きな動摩擦係数を広い速度域に渡って確保することができ、しかも相手側部材の摩耗も小さくなるようにした摩擦部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
Ni−Cr合金繊維の焼結体の表面のうち相手側部材との摩擦部位に皮膜が形成されており、
前記皮膜中には、平均粒径が5μm〜20μmでかつ5質量%〜12質量%のCr酸化物粒子が分散して含有されている、
ようにしてある。
これにより、後に詳述するように、広い速度域に渡って大きな動摩擦係数を確保することができ、しかも相手側部材への攻撃性も小さいものが得られる。
【0009】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記皮膜の厚さが、15μm〜150μmとされている、ようにすることができる(請求項2対応)。
また、前記焼結体の気孔率が、50%〜80%とされている、ようにすることができる(請求項3対応)。
上記各場合共に、後に詳述するように請求項1に記載の効果をより十分に得る上で好ましいものとなる。
【0010】
前記皮膜中に、前記Cr酸化物粒子以外に、さらに他の酸化物系および/または炭化物系の非金属硬質粒子が分散して含有されている、ようにすることができる(請求項4対応)。この場合、後述するように添加材としての非鉄硬質金属粒子の硬さおよび添加量を適切に設定することにより、動摩擦係数をより一層高める上で好ましいものとなる。
【0011】
前記相手側部材に対して相対回転されつつ摩擦係合される動力伝達用の部材とされている、ようにすることができる(請求項5対応)。
また、変速機のシンクロナイザリング用、湿式多板クラッチ用、ロックアップクラッチ用のいずれかとされている、ようにすることができる(請求項6対応)。 上記各場合共に、回転されつつ摩擦係合されることによって動力伝達が行われる場合の摩擦部材として好適なものとなる。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、広い速度域に渡って大きな動摩擦係数を得つつ、相手側部材の摩耗を抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1において、1は変速機のシンクロナイザリングであり、このシンクロナイザリングは、略リング状の本体構造部11と、本発明による摩擦部材12とからなる。本体構造部11は、既知のように例えば黄銅によって形成されて、その内面11aは傾斜面(テーパ面)とされている。また、摩擦部材12は、略リング状とされて、本体構造部11の内面11aに接合されている。そして、摩擦部材12の厚さは略均一とされていて、その内面12aは本体構造部11の内面11aに対応した傾斜面(テーパ面)とされている。この摩擦部材12の内面12aは、側面が傾斜面(テーパ面)とされた相手側部材に対して圧接されて、摩擦係合されるものである。
【0014】
摩擦部材12は、図2、図3に模式的に示すように、Ni−Cr合金繊維を焼結することにより形成された焼結体21と、この焼結体21の表面、特に相手側部材に対する摩擦係合面に形成された皮膜(被覆層)22とからなる。焼結体21を構成するNi−Cr合金繊維は、例えば、繊維径が0.8mm程度で、繊維長が50mm〜100mm程度のものを用いることができ、このようなNi−Cr合金繊維を絡ませた状態のものを焼結させることによって焼結体21が形成される。
【0015】
焼結体21は、その気孔率が50%〜80%の範囲とされている。気孔率が50%以上と大きいために、相手側部材に対して摩擦係合されたときに、油膜切りが十分に行われて動摩擦係数が向上され、また、その気孔内を油が通過し易くなることにより温度上昇が抑制されて、高温でも大きな動摩擦係数を確保する上で好ましいものとなる。さらに、相手側部材に対する摩擦接合のときの大きな荷重を受けたときに、焼結体21が適度に撓み変形(圧縮変形)されて、相手側部材に対して広い面積に渡って密着することになり、いわゆる相手側部材に対する片当たりを防止して、大きな動摩擦係数の確保と相手側部材への攻撃性を小さくする上でも好ましいものとなる。気孔率が50%よりも小さくなると、上述の油膜切り機能が不十分となったり気孔内を流れる油量の減少となり、また荷重に対する撓み量が小さ過ぎてしまうことになる。一方、気孔率が80%よりも大きくなると、荷重に対する撓みが大きくなり過ぎ、へたりの問題が大きくなってしまうことになる。なお、気孔率を50%〜80%の範囲に設定すれば、荷重に対する撓み量(圧縮量)は、摩擦部材を従来の一般的な黄銅(内面にねじ溝有り)で構成した場合とほぼ同じ程度になる。
【0016】
上記皮膜22は、焼結体21の表面に例えばメッキ(例えばニッケルメッキ)よって接合されて、この皮膜22中には、図2、図3に示すように、Cr酸化物の粒子23が分散して含有されている。このCr酸化物粒子23は、粒径が5μm〜20μmとされ、皮膜22に占める質量割合が5%〜12%とされている。なお、図2では、皮膜22のうちCr酸化物粒子23以外のメッキ層については図示を略してある。また、図3において、皮膜22のうちCr酸化物粒子23以外のメッキ層を符号22aで示してある。
【0017】
図4には、Cr酸化物粒子23と、Cr酸化物23に代えてこれよりも硬質物質となる比較例としての酸化アルミニウム粒子および炭化珪素粒子とのそれぞれについて、その動摩擦係数と相手側部材への攻撃性(相手側部材の摩耗量)との関係を示してある。この図3から明らかなように、より硬質の物質である酸化アルミニウム粒子や炭化珪素粒子を用いる方が、Cr酸化物粒子23を用いるよりもより大きな動摩擦係数を確保することができるが、相手側部材への攻撃性がCr酸化物粒子23を用いた場合よりも著しく大きくなってしまうことになる。つまり、図3から、大きな動摩擦係数の確保と相手側部材への攻撃性を小さくするという両方の観点から、Cr酸化物粒子23を用いることが好ましいということが理解される。
【0018】
次にCr酸化物23の粒径を5μm〜20μmに設定することについて、図5を参照しつつ説明する。この図5から明らかなように、粒径が5μmよりも小さくなると、相手側部材への攻撃性は小さくなるものの、動摩擦係数を十分に大きくすることが困難となる。このため、粒径は、5μm以上とする必要がある。
【0019】
また、Cr酸化物粒子23の粒径を20μmよりも大きくすることは、動摩擦係数の向上に限界がくる一方、相手側部材への攻撃性が大きくなってくるので、粒径は20μm以下に設定する必要がある。これに加えて、粒径が大きくなってくると、皮膜22からCr酸化物粒子23が欠落するのを防止するためには皮膜22の厚さを不必要に大きくしてしまうことになり、このことは焼結体21の気孔率(特に皮膜22付近の気孔率)を大きく低下させる原因となって、油膜切りの機能低下や油排出機能の低下となり、この点からも粒径を20μm以下にする必要がある。
【0020】
次に、Cr酸化物粒子23の含有割合を5質量%〜12質量%に設定することについて、図6を参照しつつ説明する。まず、Cr酸化物粒子23の含有割合が5質量%よりも小さいと、大きな動摩擦係数を確保することが難しくなり、この点から、5質量%以上にする必要がある。また、Cr酸化物粒子23の含有割合を大きくしていくほど、大きな動摩擦係数を得られることになるが、相手側部材への攻撃性も含有割合の増大に応じて大きくなり、そのバランスを考慮したときに、12質量%以下に設定する必要がある。これに加えて、通常のメッキによる皮膜22の形成の方法では、12質量%を越えるような大きな含有割合となるようにCr酸化物粒子23を析出させることが難しいということもあり、この点からも12質量%以下に設定する必要がある。なお、上述の質量%は、皮膜22の表面積に対するCr酸化物粒子23の占める表面積の割合と同じであり、この意味からすれば、5質量%〜12質量%は、皮膜22中のCr酸化物粒子23が占める表面積割合が5%〜12%としても表現し得る。
【0021】
上述のような皮膜22の厚さ(Cr酸化物粒子23以外のメッキ層22aの厚さ)は、15μm〜150μmに設定するのが好ましい。すなわち、厚さが15μmよりも小さいと、粒径が20μmのCr酸化物粒子23を含有させる場合に、Cr酸化物粒子23の埋め込み深さが浅くなりすぎて、Cr酸化物粒子23が欠落しやすくなってしまう。逆に、厚さが150μmよりも大きくなると、焼結体21の気孔率を大きく低下させてしまうことになる(焼結体21の摩擦係合される側の面の開口率の大幅な低下で、油膜切り機能の低下と油排出機能の低下となる)。
【0022】
次に、前述した本発明による摩擦部材12を用いた効果を実験的に確かめることについて、図7、図8を参照しつつ説明する。実験は、図1に示すようなシンクロナイザリング1に相当するシンクロナイザリングXとして、摩擦部材のみを相違させた3種類を用意した。すなわち、本体構造部(11相当)を共通仕様とし、その内面(11a相当)に、前述した本発明実施形態による摩擦部材(11相当)を用いたものと(図1の本発明実施形態に対応したもの)、内面にねじ溝が形成された黄銅製のものを用いたものと、内面にねじ溝が形成されたカーボン製のものを用いたものとの3種類用意した。また、このようなシンクロナイザリングXに摩擦係合される相手側部材として、浸炭された鉄系部材(例えばクロム鋼の浸炭材で、例えばSCR420等)51を用いた。
【0023】
シンクロナイザリングXを1200rpmで回転させている状態(イナーシャは1.20kgf・cm・s2)で、相手側部材51を70kgfの押圧力でもってシンクロナイザリングX(の摩擦部材)に押しつけて、シンクロナイザリングXが停止されるまでを1サイクル(1回のテスト)とし、このサイクルを多数回繰り返し行って、動摩擦係数の変化を測定した。なお、テスト時に摩擦係合面に供給される油の温度はほぼ80度Cに維持した。
【0024】
上述の実験結果が、図8にまとめて示される。この図8から明らかなように、摩擦部材12として本発明実施形態によるものを用いた場合は、テストサイクル数(テスト回数)が多くなっても、大きな動摩擦係数が確保されていることが理解される。これに対して、摩擦部材として黄銅製のものあるいはカーボンを用いたものは、それぞれ、初期時は大きな動摩擦係数が確保されるが、テスト回数が多くなると急激に動摩擦係数が低下してしまうことが理解される。
【0025】
ここで、Cr酸化物粒子23を分散して含有する皮膜22(あるいは皮膜22を有する焼結体21)は、適宜の手法によって形成することができる。例えば、Cr酸化物粒子23を分散して含有する皮膜22を有する焼結体21をシート状としてあらかじめ形成しておき、このシートを本体構造部11に対して焼結体21をろう付けする等することができる。また、あらかじめ、焼結体21を本体構造部11に接合しておいて(焼結体21の焼結時に同時に焼結体21を本体構造部11に接合するようにしてもよく、あらかじめ別途形成された焼結体21を本体構造部11にろう付けする等)、その後にCr酸化物粒子23を分散して含有する皮膜22をメッキ層として形成したり、溶射層として形成することもできる。
【0026】
次に、皮膜22中には、Cr酸化物粒子23の他に、他の酸化物系あるいは炭化物系の硬質粒子を含有させるようにすることもできる。特に、より大きな動摩擦係数を確保するために、Cr酸化物粒子23よりも硬質粒子を添加させるようにすることができる。ただし、このような他の酸化物系あるいは炭化物系の皮膜22中に占める含有割合は、あまり少なすぎると動摩擦係数向上の効果が期待できず、また、多すぎると相手側部材の攻撃性が大きくなりすぎるので、皮膜22(のうちCr酸化物粒子23を含まないメッキ層22a)に対して3質量%〜55質量%程度の範囲にするのが好ましい。勿論、添加材としての硬質粒子の粒径は、Cr酸化物粒子23の粒径と同じ範囲に設定しておくのが好ましい。
【0027】
以上実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず例えば次のような場合をも含むものである。本発明による摩擦部材12が用いられる部位としては、シンクロナイザリングの他に、変速機の湿式多板クラッチ、ロックアップクラッチ、自動変速機の変速用のバンドブレーキ、LSD(リミテッドスリップデフ)等適宜のものとすることができる。また、回転されつつ動力伝達される部位に限らず、スライドしつつ力を伝達する部位等、その適用範囲は特に限定されないものである。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をシンクロナイザリング用として用いた場合の一例を示す側面断面図。
【図2】図1の要部拡大模式図。
【図3】焼結体の表面に形成されたCr酸化物粒子を分散して含有する皮膜を示す拡大断面図。
【図4】摩擦部材の皮膜中に分散して含有される材質の硬さと摩擦係数と相手側部材の摩耗量との関係を示す図。
【図5】Cr酸化物粒子の粒径と摩擦係数と相手側部材の摩耗量との関係を示す図。
【図6】Cr酸化物粒子の質量%と摩擦係数と相手側部材の摩耗量との関係を示す図。
【図7】実施形態による効果を比較例と比較するときに行った実験例を説明するための側面断面図。
【図8】実験結果をまとめて示す図。
【符号の説明】
1;シンクロナイザリング
1a:内面
11:本体構造部
12:摩擦部材
21:焼結体
22:皮膜
22a:メッキ層(皮膜のうちCr酸化物粒子以外の部分)
23:Cr酸化物粒子
Claims (6)
- Ni−Cr合金繊維の焼結体の表面のうち相手側部材との摩擦部位に皮膜が形成されており、
前記皮膜中には、平均粒径が5μm〜20μmでかつ5質量%〜12質量%のCr酸化物粒子が分散して含有されている、
ことを特徴とする摩擦部材。 - 請求項1において、
前記皮膜の厚さが、15μm〜150μmとされている、ことを特徴とする摩擦部材。 - 請求項1または請求項2において、
前記焼結体の気孔率が、50%〜80%とされている、ことを特徴とする摩擦部材。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記皮膜中に、前記Cr酸化物粒子以外に、さらに他の酸化物系および/または炭化物系の非金属硬質粒子が分散して含有されている、ことを特徴とする摩擦部材。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項において、
前記相手側部材に対して相対回転されつつ摩擦係合される動力伝達用の部材とされている、ことを特徴とする摩擦部材。 - 請求項5において、
変速機のシンクロナイザリング用、湿式多板クラッチ用、ロックアップクラッチ用のいずれかとされている、ことを特徴とする摩擦部材。
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-
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- 2002-10-21 JP JP2002305702A patent/JP2004138221A/ja active Pending
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