JP2004137955A - 内燃機関用ピストン - Google Patents

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low friction
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Ken Yamamoto
山本 憲
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Abstract

【課題】内燃機関におけるピストンの摺動時の摩擦抵抗を低減させることである。
【解決手段】スカート部3の表面に低摩擦皮膜層5を設け、その低摩擦皮膜層5の表面に動圧発生溝6を形成する。ピストン1の摺動時に、動圧発生溝6のポンプ作用によりスカート部3とシリンダ12のピストン摺動面13間に油膜を形成して摩擦抵抗の低減化を図る。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は自動車あるいは船舶のレシプロエンジンに適用されるピストンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のピストンにおけるスカート部は燃焼工程においてシリンダのピストン摺動面に対し高速で摺動し、上死点および下死点ではストローク方向が逆転する。この逆転時、スカート部とピストン摺動面の摺動部は境界潤滑領域にさらされる。特に、この領域において、上死点側では爆発工程による気筒内圧力をスカート部のスラスト側および反スラスト側で受けるため、スカート部は、シリンダのピストン摺動面の性状に併せて耐焼付き性、耐スカッフィング等に対して考慮した設計がなされている。
【0003】
従来のピストンでは、スカート部の表面を旋削あるいはローラ転造により加工して、スカート部表面を、+点平均粗さRzが20μm以上となるようにしている。この場合、スカート部の摩耗が進行しても油溜りとしての谷部が残されることになる。
【0004】
しかしながら、かかる摺動面の場合、初期摩耗が著しく、摩耗低減策に至っていないばかりか、逆にフリクションを悪化させていた。
【0005】
かかる問題点を解決するため、スカート部の表面を+点平均粗さRzが10μm以下となるように加工し、その表面に溝幅が30乃至100μmの溝を加工したピストンが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、耐久信頼性を確保するため、スカート部に耐摩耗性、耐焼付き性に優れた摩擦係数の小さい低摩擦樹脂皮膜層を施したピストンが提案されている(特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−88101号公報(第2頁、図1および2)
【特許文献2】
特開平4−175442号公報(第5頁、図1および2)
【0008】
これらは、いずれもシリンダとピストン間の摩擦係数を小さくし、摺動抵抗を減らし、燃費の向上に寄与している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1および特許文献2に記載されたいずれのピストンもシリンダのピストン摺動面に対して面接触する構成であるため、摩擦係数の低減化および低フリクション化に限界があった。
【0010】
この発明の課題は、内燃機関におけるピストンの摩擦抵抗の低減化を図り、ピストンスカート部の焼付きやスカッフィングの発生を防止することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、シリンダのピストン摺動面に対向するスカート部の表面に動圧発生溝を設けた構成を採用したのである。
【0012】
上記のように、スカート部の表面に動圧発生溝を設けることによって、ピストンの摺動時、動圧発生溝のポンプ作用により、スカート部の表面とシリンダのピストン摺動面間に油膜が形成され、その油膜によってスカート部はピストン摺動面に対して非接触状態で移動することになり、低フリクション化と耐摩耗性の向上を図り、スカート部の焼付きおよびスカッフィングの発生を防止することができる。
【0013】
ここで、ピストンはスカート部の表面に溶射によって低摩擦皮膜層が形成されたものであってもよい。低摩擦皮膜層を有するピストンにおいては、その低摩擦皮膜層の表面に動圧発生溝を形成する。
【0014】
この場合、動圧発生溝の形成用突条を有する型を用い、その型をスカート部の表面に対向して低摩擦皮膜層の形成用材料を溶射することにより、低摩擦皮膜層の形成と同時に動圧発生溝を型成形することができ、動圧発生溝をきわめて簡単に形成することができると共に量産が可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図示のようにピストン1は、リング装着部2およびスカート部3を有し、前記リング装着部2にはコンプレッションリングおよびオイルリングが装着される複数のリング溝4が軸方向に間隔をおいて設けられている。
【0016】
図2に示すように、ピストン1はシリンダブロック11に形成されたシリンダ12内に組込まれ、そのシリンダ12のピストン摺動面13に沿って摺動可能とされている。
【0017】
前記ピストン1のスカート部3の表面には低摩擦皮膜層5が形成されている。
【0018】
ここで、低摩擦皮膜層5の形成用材料として、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、グラファイトの固体潤滑材とポリアミドイミド樹脂バインダから成るものを採用することができる。この低摩擦皮膜層5は溶射によって形成され、その厚みは5〜30μmとされており、その表面には複数の動圧発生溝6がピストン軸方向に間隔をおいて設けられている。また、低摩擦皮膜層5として、自己潤滑性塗膜を採用することができる。
【0019】
動圧発生溝6として、ここでは、V字溝部が周方向に連続する鋸歯状のものを示したが、形状はこれに限定されるものではない。例えば、スカート部3に周方向にほぼ等間隔に並ぶ傾斜溝をピストン軸方向に複列に設け、ピストン軸方向で隣接する傾斜溝を逆向きに傾斜させたものであってもよい。
【0020】
上記動圧発生溝6の形成にはエッチングする方法、フライス加工する方法あるいは型成形する方法を採用することができる。型成形する場合は、その成形型に動圧発生溝6と対応する形状の突出部を設けておき、上記成形型をスカート部3の表面に対向させて低摩擦皮膜層5を溶射によって形成する。
【0021】
上記のように、低摩擦皮膜層5の表面に動圧発生溝6を形成することにより、ピストン1の摺動時に、動圧発生溝6のポンプ作用によって低摩擦皮膜層5の表面とシリンダ12のピストン摺動面13間に油の薄膜が形成され、スカート部3は、ピストン摺動面13に対して非接触状態で摺動することになる。
【0022】
このため、スカート部3とピストン摺動面13間の摩擦抵抗はきわめて小さく、ピストン摺動部の低フリクション化と耐摩耗性の向上を図り、スカート部3の焼付きおよびスカッフィングの発生を防止することができる。
【0023】
実施の形態では、スカート部3に低摩擦皮膜層5が形成されたピストン1を示したが、低摩擦皮膜層5を有しないピストンであってもよい。この場合、スカート部3の表面に動圧発生溝6を直接形成する。
【0024】
実施の形態で示すように、スカート部3に低摩擦皮膜層を形成すると、ピストン1の移動初期における摩擦抵抗の低減化を図ることができると共に、動圧発生溝6を型成形によって簡単に形成することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、この発明においてスカート部の表面に動圧発生溝を形成し、ピストン摺動時に、動圧発生溝のポンプ作用によってスカート部の表面とピストン摺動面間に油膜を形成するようにしたので、低フリクション化と耐摩耗性の向上を図り、スカート部の焼付きおよびスカッフィングの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るピストンの実施形態を示す正面図
【図2】図1のピストンをシリンダ内に組込んだ状態の断面図
【図3】図2の一部を拡大して示す断面図
【符号の説明】
3 スカート部
5 低摩擦皮膜層
6 動圧発生溝
12 シリンダ
13 ピストン摺動面

Claims (2)

  1. シリンダのピストン摺動面に対向するスカート部の表面に動圧発生溝を設けた内燃機関用ピストン。
  2. 前記スカート部が、低摩擦皮膜層を外周に有し、その低摩擦皮膜層の表面に動圧発生溝を設けた請求項1に記載の内燃機関用ピストン。
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