JP2004137897A - 走行距離改ざん防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディーラーの係員がメータ又はECUの交換作業を簡単に行うことができ、しかも不正ユーザが走行距離値を小さい値に改ざんできないような装置を提供する。
【解決手段】エンジン始動のためにイグニッションスイッチがオフからオンに切り替わったときには、ステップS230でECUに格納されている走行距離データ(D1)とメータから受信した走行距離データ(D2)とを比較する。ECUに格納されていた走行距離データ(D1)がメータから受信した走行距離データ(D2)よりも大きい場合には、メータの走行距離が小さい値に改ざんされたか改ざんされた可能性があると判断して、ステップS250において、メータの走行距離をECUに記憶されている走行距離に書き換える処理が行われる。
【選択図】図2
【解決手段】エンジン始動のためにイグニッションスイッチがオフからオンに切り替わったときには、ステップS230でECUに格納されている走行距離データ(D1)とメータから受信した走行距離データ(D2)とを比較する。ECUに格納されていた走行距離データ(D1)がメータから受信した走行距離データ(D2)よりも大きい場合には、メータの走行距離が小さい値に改ざんされたか改ざんされた可能性があると判断して、ステップS250において、メータの走行距離をECUに記憶されている走行距離に書き換える処理が行われる。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の走行距離メータ及び車両の制御装置に記憶された走行距離が改ざんされるのを防止する走行距離改ざん防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の積算走行距離を記憶しておく記憶手段として、コンビネーションメータとは別に、走行距離を記憶する外部装置を車両に備えることが知られていて、ユーザの嗜好に合わせたコンビネーションメータに交換した場合でも、外部装置で走行距離を記憶しているため、正確な走行距離を表示することができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、走行距離が不正に改ざんされてしまうことを防ぐために、走行距離値をメータ(走行距離カウンタ)とECU(制御装置)に記憶しておき、エンジン始動時にメータとECUの走行距離を比較し、メータの走行距離がECUの走行距離よりも小さいとき走行距離が改ざんされたと判定し、所定手段(警告、エンジン停止など)を作動させるようにする技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−109566号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2001−249027号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、不正なユーザによる走行距離の改ざん防止についての記述はされておらず、例えば、走行距離値を記憶している外部装置が不正なユーザによって交換されてしまうと、実際の走行距離より少なく表示してしまう可能性がある。
【0007】
また、特許文献2では、走行距離の改ざんは防止することができるが、メータやECUをディーラーにおいて交換する際の作業性についてはなんら説明がない。例えば、ディーラーでメータを交換するときは、新しいメータの走行距離値を予め書き換えておかなければならない。具体的には、ディーラーの係員が所定のツールを用いてECUの走行距離値を読みだし、その走行距離値を新しいメータに書き込んだあとに、新しいメータと古いメータとを交換するというような煩雑な作業が必要である。
【0008】
そこで、本発明は、ディーラー等の係員がメータ又はECUの交換作業を簡単に行うことができ、しかも不正ユーザが走行距離値を小さい値に改ざんできないような装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
請求項1記載の発明にかかる走行距離改ざん防止装置では、走行距離メータに車両の走行距離を記憶し、この走行距離メータとは別に車両の制御装置に設けた走行距離記憶手段にも車両の走行距離を記憶する。そして、走行距離メータの走行距離値と走行距離記憶手段に記憶された走行距離値とを判別手段により比較判別し、走行距離メータの走行距離値が走行距離記憶手段に記憶された走行距離値よりも小さい場合は、書換制御手段により走行距離メータの走行距離値を走行距離記憶手段に記憶された走行距離値に書き換える。
【0010】
車両の制御装置の走行距離記憶手段に走行距離値を記憶するタイミング及び走行距離値を比較するタイミングは、任意の時点とすることができるが、走行距離記憶手段に走行距離値を記憶するタイミングは、例えば、エンジン停止を検出した時点とし、また、走行距離値を比較するタイミングは、例えば、エンジン始動時点とすればよい。
【0011】
この発明によれば、車両の走行距離が走行距離メータと車両の制御装置とに記憶され、走行距離メータの走行距離値が改ざんされ、あるいは走行距離メータが不正に交換されて、走行距離値が小さい値に変更された場合にも、走行距離メータの走行距離値が車両の制御装置に記憶されている走行距離値に書き換えられるので、結果として走行距離の改ざんは成功せず、改ざん防止が図られる。
【0012】
メータの走行距離の改ざんが行われた場合には、車両の走行ができなくすることが考えられる。このために、請求項2に記載するように、判別手段により、走行距離メータの走行距離値が車両の制御装置の走行距離記憶手段に記憶された走行距離値よりも小さいことが判別された場合には、走行制限手段により車両の走行を制限するとよい。
【0013】
車両の制御装置には、エンジンの制御を行うエンジンECUやエンジン以外の機構部を制御するボディーECUなど各種のECUがある。車両の制御装置としてこれらのうちの1つを使用してもよいが、この制御装置が新品のものあるいは比較的新しいものに交換されてしまうと、メータの走行距離値と対比すべき制御装置の走行距離値が正しい走行距離値ではなくなってしまう。そこで、請求項3に記載するように、複数の走行距離記憶手段を設け、それらのうちから最大の走行距離値を読み出し、この最大の走行距離値をメータの走行距離値と比較するようにすればよい。
【0014】
ところで、走行距離値を改ざんする目的ではなく単にメータあるいはECUの交換を行うために走行距離値を書き換えなくてはならない場合がある。このような場合には、請求項4に記載したように、車両の機器の設定操作をするための操作部から予め定めるコードが入力されることを条件として、走行距離メータ及び車両の制御装置の走行距離値を書き換えることが許可されるようにするとよい。
【0015】
このようなことを可能にする装置としてディーラーに設置されているスキャンツールを用いることができる。係員(チェッカー)の所定の操作により例えばECUのメモリの記憶内容を読み出し、読み出した走行距離データを交換したメータに書き込むことができる。
【0016】
このようにすれば、所定のコードを知っている例えばディーラーの係員のみが走行距離の必要な調整を行うことができ、不正なユーザによる走行距離の改ざんを防止することができる。
また、請求項5記載の発明に係る走行距離改ざん防止装置では、走行距離メータに車両の走行距離を記憶し、前記走行距離メータとは別に車両の制御装置に設けられた走行距離記憶手段にも走行距離を記憶する。そして、走行距離メータの走行距離値と前記走行距離記憶手段に記憶された走行距離値とを判別手段により比較判別し、2つの走行距離値の差が予め定める値よりも大きい場合には、走行距離メータ及び走行距離記憶手段のうち、値が小さい一方の走行距離値を値が大きい他方の走行距離値に書換制御手段により書き換える。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、車両の走行距離が走行距離メータと車両の制御装置とに記憶され、走行距離メータまたは制御装置の走行距離記憶手段の走行距離値が改ざんされ、又は走行距離メータあるいは制御装置の走行距離記憶手段が不正に交換されて、走行距離値が小さい値に変更された場合には、小さい方の走行距離値は大きい方の走行距離値に書き換えられる。結果として走行距離の改ざんは成功せず、改ざん防止が図られる。
【0018】
請求項6に記載したように、請求項5に記載の発明においても、必要に応じて車両の走行を制限するとよい。また、請求項7に記載したように、請求項5記載の発明においても、走行距離記憶手段を複数個設け、最大の走行距離値をメータの走行距離値と比較するようにするとよい。更に、請求項8記載の発明のように、請求項5記載の発明においても、必要に応じて走行距離値を書き換えることができるようにするとよい。
【0019】
請求項9記載の発明に係る走行距離改ざん防止装置では、走行距離メータにより車両の走行距離を記憶し、この走行距離メータとは別に車両の制御装置に設けられた走行距離記憶手段により、車両の走行距離を記憶する。そして、車両の機器を設定操作するための操作部から、予め定めるコードが入力され、判別手段により、走行距離メータ及び車両の制御装置の少なくとも一方が、未使用であることが判別されることを条件として、予め定める状態に設定されている走行距離メータ又は車両の制御装置に走行距離の書き込みが許可される。
【0020】
この発明によれば、走行距離メータと制御装置の走行距離記憶手段との両方が交換された場合であっても、ディーラーの係員などの予め定めるコードを知っている者しか走行距離の書き込みを行うことができず、しかも初期値としては未使用であることを示すデータが記憶されているため、走行距離値を小さくするような不正な改ざんを防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
この実施形態では、イグニッションキーがオフからオンに切り替えられたときに、走行距離メータ(以下、メータと称する)の走行距離値とECUの走行距離値とが比較され、メータの走行距離値が小さい場合は、メータの走行距離値がECUの走行距離値に書き換えられる。
【0022】
図1は、この実施形態の走行距離改ざん防止装置の電気的構成を示す説明図である。メータ10には、走行距離を表示する表示部12と走行距離を演算する演算部14と走行距離を記憶する記憶部16とが設けられる。また、ECU20には、走行距離を記憶する記憶部22とメータ10の記憶部16に記憶された走行距離とECU20の記憶部22に記憶された走行距離とを比較する比較部24とが設けられる。
【0023】
なお、メータ10の記憶部16及びECU20の記憶部22として、例えばE2 PROMが用いられる。図1において、点線矢印はイグニッションスイッチがオン状態のときのメータ10内のデータの流れを示し、一点鎖線矢印はイグニッションスイッチがオンからオフに切り替えられたときのメータ10からECU20へのデータ(D1)の流れを示し、実線矢印はイグニッションスイッチがオフからオンに切り替えられたときに行われるECU20内のデータ(D1)の流れ及びメータ10からECU20へのデータ(D2)の流れを示す。
【0024】
図2はこの実施形態の走行距離改ざん防止装置の動作を説明するためのフロー図であり、(a)はデータ読み出し処理を示し、(b)はメータ巻き戻し防止処理を示す。
次に、図1及び図2を参照して、この実施形態の走行距離改ざん防止装置の動作について説明する。
【0025】
車両が走行中は、メータ10の演算部14にてその都度求められた走行距離は表示部12に表示されると共に、記憶部16に記憶される。
図2(a)に示す処理はイグニッションスイッチがオンされている間は予め定めるサイクルタイムで繰り返し行われるが、オン状態が継続しているときは、ステップS110でイグニッションスイッチがオフされたのではないことが判別される(ステップS110:NO)ため、ステップS120の処理はスキップされる。
【0026】
エンジン停止のためにイグニッションスイッチがオンからオフに切り替えられると、ステップS110で肯定判定がされ(ステップS110:YES)、ステップS120に進む。ステップS120において、ECU20は、メータ10の記憶部16に記憶された走行距離データを受信し、ECU20の記憶部22にその読み出されたデータ(D1)を格納する。
【0027】
図2(b)に示す処理も予め定めるサイクルタイムで繰り返し行われるが、イグニッションスイッチがオン状態であるときは、ステップS210においてイグニッションスイッチがオフからオンに切り替わったのではないことが判別される(ステップS210:NO)ため、以下のステップS220〜ステップS280の処理はスキップされる。
【0028】
エンジン始動のためにイグニッションスイッチがオフからオンに切り替わったときには、ステップS210で肯定判定がされ(ステップS210:YES)、ステップS220に進む。ステップS220において、ECU20は、メータ10から走行距離データ(D2)を受信する。次に、ステップS230で、ECU20の記憶部22に記憶されている走行距離データ(D1)とメータ10から受信した走行距離データ(D2)とを比較部24により比較する。
【0029】
ECU20に記憶されていた走行距離データ(D1)がメータ10から受信した走行距離データ(D2)よりも小さい場合は、メータ10の走行距離が正しいとして、ステップS240において、ECU20の記憶部22にメータ10から受信した走行距離データを格納する。
【0030】
一方、ECU20に記憶されていた走行距離データ(D1)がメータ10から受信した走行距離データ(D2)よりも大きい場合には、メータの走行距離が小さい値に改ざんされたか改ざんされた可能性があると判断して、ステップS250において、メータ10の走行距離をECU20に記憶されている走行距離に書き換える。
【0031】
このようなメータの走行距離の改ざんが行われたかその可能性がある場合は、次に正常な走行を制限するための処理が行われる。まず、ステップS260で燃料噴射・点火カットの処理が行われ、次にステップS270で警告灯の点灯処理が行われる。更に、ステップS280で燃料噴射・点火カット解除要求フラグを「0」にリセットする処理が行われる。これは、ディーラーなどで後述のスキャンツールを用いて走行制限を解く処理を行うと再び正常に走行することができるようにするための予備的な処理である。
【0032】
図3は、スキャンツールの説明図であり、(a)はスキャンツールの斜視図であり、(b)は使用状態を示す。
図3(a)に示すスキャンツール50は、ECUからシステムの状態を読み取ったり、ECUがどのような制御を行っているのかモニターしたり、ECUに記憶されているデータの書き込み・消去を行うためのものである。スキャンツール50には、主たる構成として操作部52と表示部54と図示しない制御部とが設けられる。操作部52は、係員(チェッカー)が各種の操作指示を入力するためのものである。表示部54は、操作部52から入力された操作内容を表示すると共に、ECUから読み取ったコード情報等を表示するものである。制御部はスキャンツール50の動作を制御するものである。後述するが、スキャンツール50は、操作部52から予め定めるコードが入力されることを条件にECU等のデータの書き込み等ができるようになっている。
【0033】
図3(b)に示すように、スキャンツール50は、データリンクケーブル56を介して車両のデータリンクコネクタ58に接続される。
図4は、上述の燃料噴射・点火カットの解除処理を説明するためのフロー図である。次に図4を参照して燃料噴射・点火カットの解除処理について説明する。
【0034】
ステップS310では、解除要求フラグが「0」か否かが判別され、次にステップS320では、解除要求があったか否かが判別される。ここで、解除要求は上述のスキャンツール50の操作部52を操作することにより行われる。解除要求フラグが「0」でない場合及び解除要求フラグが「0」であっても解除要求がない場合には、ステップS330以降の処理をスキップする。
【0035】
解除要求フラグが「0」であり、且つ解除要求があった場合には、ステップS330へ進む。
ステップS330では、燃料噴射・点火カットを中止し元の状態に復帰する処理が行われ、次にステップ340では、警告灯を消灯する処理が行われる。
【0036】
次にステップS350において、スキャンツール50から走行距離の書き込み要求があるか否かが判別される。ここで、書き込み要求があるか否かは、スキャンツール50から所定の書き込み要求コードが送られたかどうかをECU20が確認することにより行われる。
【0037】
走行距離距離の書き込み要求があれば、ステップS360において、スキャンツール50から与えられた走行距離データをECU20の記憶部22に格納し、次にステップS370において、解除要求フラグを「1」に設定し、動作を終了する。
【0038】
スキャンツール50から走行距離の書き込み要求がない場合には、ステップS350からステップS370に進み、解除要求フラグを「1」に設定して動作を終了する。
なお、スキャンツール50から書き込み要求があったかどうかを車両側のCPU20で判断しているが、車両側にデータを送信する前にスキャンツールの制御部で正しい操作コードが入力されたことを判断し、所定の操作コードが操作部52から入力されたときに車両側に送信するようにしている。
【0039】
[第2実施形態]
この実施形態では、予め定めるタイミング毎に、メータの走行距離とECUの走行距離とを比較し、大きい方の走行距離値を採用し、走行距離値が小さい方のメータ又はECUの走行距離値を大きい方の走行距離値に書き換える。
【0040】
図5は、この実施形態の走行距離改ざん防止装置の電気的構成を示す説明図である。メータ30には、走行距離を表示する表示部32と走行距離を記憶する記憶部34とが設けられる。また、ECU40には、走行距離を演算する演算部42と、走行距離を記憶する記憶部44と、メータ30の記憶部34に記憶された走行距離とECU40の記憶部44に記憶された走行距離とを比較する比較部46とが設けられる。演算部42は車速センサ信号に基づき走行距離を演算する。
【0041】
なお、メータ30の記憶部34及びECU40の記憶部44として、例えばE2 PROMが用いられるのは第1実施形態と同様である。図5において、点線矢印はイグニッションスイッチがオン状態のときのECU40からメータ30へのデータ(P1)の流れを示し、実線矢印は設定されたタイミング毎に行われるメータ30内のデータ(P1)の流れ及びメータ30からECU40へのデータ(P2)の流れを示す。
【0042】
図6はこの実施形態の走行距離改ざん防止装置の動作を説明するためのフロー図であり、(a)は積算走行距離演算処理を示し、(b)はメータ巻き戻し防止処理を示す。
次に、図5及び図6を参照して、この実施形態の走行距離改ざん防止装置の動作について説明する。
【0043】
イグニッションスイッチがオンされている間は、図6(a)に示す処理が予め定めるサイクルタイムで繰り返し行われる。各サイクルタイムにおいて、ステップS410では、ECU40は演算部42にて走行距離を演算し、演算により得られた走行距離データ(P2)をECU40の記憶部44に記憶する。次にステップS420において、ECU40は、走行距離データ(P1)をメータ30へ送信する。メータ30に送信された走行距離データ(P1)は表示部32により表示され、記憶部34に記憶される。
【0044】
図6(b)に示すメータ巻き戻し処理も、図6(a)に示す積算走行距離演算処理と同様、イグニッションスイッチがオンされている間において予め定めるサイクルタイムで繰り返し行われる。
まず、ステップS510において、所定のタイミングか否かが判別される。所定のタイミングでなければ、以降のステップS520〜ステップS580の処理はスキップされる。
【0045】
所定のタイミングであるときは、ステップS510で肯定判定がされ(ステップS510:YES)、ステップS520に進んでメータ30から積算走行距離を受信する。次に、ステップS530において、ECU40の記憶部44に記憶されている走行距離データ(P1)とメータ30から受信した走行距離データ(P2)とを比較部46により比較する。
【0046】
ECU20に記憶されていた走行距離データ(P1)とメータ10から受信した走行距離データ(P2)との差が所定値よりも小さい場合は、ステップS540に進み、走行距離データ(P1)と走行距離データ(P2)のうち大きい方をECU40の記憶部44に格納する。ここで、所定値としては、得られる走行距離値として誤差程度を越える値が採用される。
【0047】
一方、ECU40に記憶されていた走行距離データ(P1)とメータ30から受信した走行距離(P2)との差が所定値よりも大きい場合には、メータの走行距離が小さい値に改ざんされたか改ざんされた可能性があると判断して、ステップS550において、メータ30の走行距離をECU40に記憶されている走行距離に書き換える処理が行われる。
【0048】
このようなメータの走行距離の改ざんが行われたかその可能性がある場合は、次に正常な走行を制限するための処理が行われる。まず、ステップS560で燃料噴射・点火カットの処理が行われ、次にステップS570で警告灯の点灯処理が行われる。更に、ステップS580で燃料噴射・点火カット解除要求フラグを「0」にリセットする処理が行われる。これは、ディーラーなどでスキャンツールを用いて走行制限を解く処理をすると再び正常に走行することができるようにするための予備的な処理である。
【0049】
なお、第1実施形態において図4を用いて説明した燃料噴射・点火カットの解除処理はこの第2実施形態でも同様であるので、説明は省略する。
[第3実施形態]
この実施形態では、ECUとメータとの双方に初期値として実際の車ではあり得ない値α(例えば100万キロメートル)を格納しておき、同時に両方が取り替えられた場合には、ディーラーにてスキャンツールを用いて走行距離を設定する。
【0050】
この実施形態の電気的構成は図5に示す構成と同様であるので、説明を省略する。図7はこの実施形態の動作を説明するためのフロー図である。次に図5及び図7を参照してこの実施形態の動作を説明する。
図7に示すメータ巻き戻し処理はイグニッションスイッチがオンされている間において予め定めるサイクルタイムで繰り返し行われる。
【0051】
まず、ステップS610において、所定のタイミングか否かが判別される。所定のタイミングでなければ、以降のステップS620〜ステップS700の処理はスキップされる。
所定のタイミングであるときは、ステップS610で肯定判定がされ(ステップS610:YES)、ステップS620に進んでメータ30から積算走行距離を受信する。次に、ステップS630においてECU40の記憶部44に記憶されている走行距離データ(P1)が上記αに等しいか否かが判別され、次にステップS640においてメータ30から受信した走行距離データ(P2)が上記αに等しいか否かが判別される。
【0052】
ステップS630にて肯定判定が行われるか(ステップS630:YES)、ステップS640にて肯定判定が行われた場合(ステップS640:YES)には、ステップS650、S660及びS670の処理をスキップして、ステップS680に進み、ステップS680で燃料噴射・点火カットの処理が行われ、次にステップS690で警告灯の点灯処理が行われる。更に、ステップS700で燃料噴射・点火カット解除要求フラグを「0」にリセットする処理が行われる。
【0053】
なお、ステップS630及びステップS640の両方で肯定判定がされた場合も、ステップS650、S660及びS670の処理をスキップして、ステップS680に進む。
一方、これらのステップでいずれも否定判定がされると(ステップS630:NO及びステップS640:NO)、ステップS650に進む。ステップS650では、ECU40の記憶部44に記憶されている走行距離データ(P1)とメータ30から受信した走行距離データ(P2)とを比較する。
【0054】
ECU20に記憶されていた走行距離(P1)とメータ10から受信した走行距離(P2)との差が所定値よりも小さい場合は、ステップS660に進み、走行距離データ(P1)と走行距離データ(P2)のうち大きい方をECU40の記憶部44に格納する。
【0055】
一方、ECU40に記憶されていた走行距離データ(P1)とメータ30から受信した走行距離データ(P2)との差が所定値よりも大きい場合には、メータの走行距離が小さい値に改ざんされたか改ざんされた可能性があると判断して、ステップS670において、メータ30の走行距離をECU40に記憶されている走行距離に書き換える処理が行われる。
【0056】
次に、ステップS680で燃料噴射・点火カットの処理が行われ、次にステップS690で警告灯の点灯処理が行われる。更に、ステップS700で燃料噴射・点火カット解除要求フラグを「0」にリセットする処理が行われる。
なお、第1実施形態において説明した燃料噴射・点火カットの解除処理(図4)はこの第3実施形態でも同様であるので、具体的な説明は省略するが、図4に示すステップ360は、この実施形態では、走行距離をECU40に書き込む場合だけでなく、メータ30に書き込む場合もあり、また、メータ30とECU40の双方に書き込み場合もある。要は、交換されたパーツに対してスキャンツール50を用いて走行距離の書き込みが容易にできるのである。
【0057】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態以外の態様でも実施することが可能である。例えば、上記実施形態ではECUとしてエンジンECUを用いたが、エンジンECU以外のECUを用いてもよい。更に、車両内の複数のECUに走行距離データを記憶するようにし、走行距離値が最大のものをメータの走行距離値と比較するようにしてもよい。このようにすれば、複数のECUのいずれかが新品のものあるいは比較的新しいものに交換された場合でも、常に正しい走行距離値が保持され、改ざんされる可能性をより低減することができる。
【0058】
なお、図2(b)に示すステップS230の処理が、請求項1における判別手段の処理に対応する。図2(b)に示すステップS250の処理が、請求項1における書き換え制御手段の処理に対応する。図2(b)に示すステップS260の処理が、請求項2における走行制限手段の処理に対応する。図4に示すステップS350の処理が、請求項4及び請求項8における書き換え許可手段の処理及び請求項9における書き込み許可手段に対応する。図6(b)に示すステップS530の処理が、請求項5における判別手段の処理に対応する。図6(b)に示すステップS550の処理が、請求項5における書き換え制御手段に対応する。図6(b)に示すステップS560の処理が、請求項6における走行制限手段の処理に対応する。図7に示すステップS630及びステップS640の処理が、請求項9における判別手段の処理に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の走行距離改ざん防止装置が適用されるメータ系統の電気的構成を示す説明図である。
【図2】第1実施形態の走行距離改ざん防止装置の動作を説明するためのフロー図であり、(a)はデータ読み出し処理を示し、(b)はメータ巻き戻し防止処理を示す。
【図3】スキャンツールの説明図であり、(a)はスキャンツールの斜視図であり、(b)は使用状態を示す。
【図4】燃料噴射・点火カットの解除処理を説明するためのフロー図である。
【図5】本発明の第2実施形態の走行距離改ざん防止装置が適用されるメータ系統の電気的構成を示す説明図である。
【図6】第2実施形態の走行距離改ざん防止装置の動作を説明するためのフロー図であり、(a)は積算走行距離演算処理を示し、(b)はメータ巻き戻し防止処理を示す。
【図7】本発明の第3実施形態の動作を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
10−−−メータ
16−−−記憶部
20−−−ECU
22−−−記憶部
24−−−比較部
30−−−メータ
34−−−記憶部
40−−−ECU
44−−−記憶部
46−−−比較部
50−−−スキャンツール
52−−−操作部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の走行距離メータ及び車両の制御装置に記憶された走行距離が改ざんされるのを防止する走行距離改ざん防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の積算走行距離を記憶しておく記憶手段として、コンビネーションメータとは別に、走行距離を記憶する外部装置を車両に備えることが知られていて、ユーザの嗜好に合わせたコンビネーションメータに交換した場合でも、外部装置で走行距離を記憶しているため、正確な走行距離を表示することができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、走行距離が不正に改ざんされてしまうことを防ぐために、走行距離値をメータ(走行距離カウンタ)とECU(制御装置)に記憶しておき、エンジン始動時にメータとECUの走行距離を比較し、メータの走行距離がECUの走行距離よりも小さいとき走行距離が改ざんされたと判定し、所定手段(警告、エンジン停止など)を作動させるようにする技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−109566号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2001−249027号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、不正なユーザによる走行距離の改ざん防止についての記述はされておらず、例えば、走行距離値を記憶している外部装置が不正なユーザによって交換されてしまうと、実際の走行距離より少なく表示してしまう可能性がある。
【0007】
また、特許文献2では、走行距離の改ざんは防止することができるが、メータやECUをディーラーにおいて交換する際の作業性についてはなんら説明がない。例えば、ディーラーでメータを交換するときは、新しいメータの走行距離値を予め書き換えておかなければならない。具体的には、ディーラーの係員が所定のツールを用いてECUの走行距離値を読みだし、その走行距離値を新しいメータに書き込んだあとに、新しいメータと古いメータとを交換するというような煩雑な作業が必要である。
【0008】
そこで、本発明は、ディーラー等の係員がメータ又はECUの交換作業を簡単に行うことができ、しかも不正ユーザが走行距離値を小さい値に改ざんできないような装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
請求項1記載の発明にかかる走行距離改ざん防止装置では、走行距離メータに車両の走行距離を記憶し、この走行距離メータとは別に車両の制御装置に設けた走行距離記憶手段にも車両の走行距離を記憶する。そして、走行距離メータの走行距離値と走行距離記憶手段に記憶された走行距離値とを判別手段により比較判別し、走行距離メータの走行距離値が走行距離記憶手段に記憶された走行距離値よりも小さい場合は、書換制御手段により走行距離メータの走行距離値を走行距離記憶手段に記憶された走行距離値に書き換える。
【0010】
車両の制御装置の走行距離記憶手段に走行距離値を記憶するタイミング及び走行距離値を比較するタイミングは、任意の時点とすることができるが、走行距離記憶手段に走行距離値を記憶するタイミングは、例えば、エンジン停止を検出した時点とし、また、走行距離値を比較するタイミングは、例えば、エンジン始動時点とすればよい。
【0011】
この発明によれば、車両の走行距離が走行距離メータと車両の制御装置とに記憶され、走行距離メータの走行距離値が改ざんされ、あるいは走行距離メータが不正に交換されて、走行距離値が小さい値に変更された場合にも、走行距離メータの走行距離値が車両の制御装置に記憶されている走行距離値に書き換えられるので、結果として走行距離の改ざんは成功せず、改ざん防止が図られる。
【0012】
メータの走行距離の改ざんが行われた場合には、車両の走行ができなくすることが考えられる。このために、請求項2に記載するように、判別手段により、走行距離メータの走行距離値が車両の制御装置の走行距離記憶手段に記憶された走行距離値よりも小さいことが判別された場合には、走行制限手段により車両の走行を制限するとよい。
【0013】
車両の制御装置には、エンジンの制御を行うエンジンECUやエンジン以外の機構部を制御するボディーECUなど各種のECUがある。車両の制御装置としてこれらのうちの1つを使用してもよいが、この制御装置が新品のものあるいは比較的新しいものに交換されてしまうと、メータの走行距離値と対比すべき制御装置の走行距離値が正しい走行距離値ではなくなってしまう。そこで、請求項3に記載するように、複数の走行距離記憶手段を設け、それらのうちから最大の走行距離値を読み出し、この最大の走行距離値をメータの走行距離値と比較するようにすればよい。
【0014】
ところで、走行距離値を改ざんする目的ではなく単にメータあるいはECUの交換を行うために走行距離値を書き換えなくてはならない場合がある。このような場合には、請求項4に記載したように、車両の機器の設定操作をするための操作部から予め定めるコードが入力されることを条件として、走行距離メータ及び車両の制御装置の走行距離値を書き換えることが許可されるようにするとよい。
【0015】
このようなことを可能にする装置としてディーラーに設置されているスキャンツールを用いることができる。係員(チェッカー)の所定の操作により例えばECUのメモリの記憶内容を読み出し、読み出した走行距離データを交換したメータに書き込むことができる。
【0016】
このようにすれば、所定のコードを知っている例えばディーラーの係員のみが走行距離の必要な調整を行うことができ、不正なユーザによる走行距離の改ざんを防止することができる。
また、請求項5記載の発明に係る走行距離改ざん防止装置では、走行距離メータに車両の走行距離を記憶し、前記走行距離メータとは別に車両の制御装置に設けられた走行距離記憶手段にも走行距離を記憶する。そして、走行距離メータの走行距離値と前記走行距離記憶手段に記憶された走行距離値とを判別手段により比較判別し、2つの走行距離値の差が予め定める値よりも大きい場合には、走行距離メータ及び走行距離記憶手段のうち、値が小さい一方の走行距離値を値が大きい他方の走行距離値に書換制御手段により書き換える。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、車両の走行距離が走行距離メータと車両の制御装置とに記憶され、走行距離メータまたは制御装置の走行距離記憶手段の走行距離値が改ざんされ、又は走行距離メータあるいは制御装置の走行距離記憶手段が不正に交換されて、走行距離値が小さい値に変更された場合には、小さい方の走行距離値は大きい方の走行距離値に書き換えられる。結果として走行距離の改ざんは成功せず、改ざん防止が図られる。
【0018】
請求項6に記載したように、請求項5に記載の発明においても、必要に応じて車両の走行を制限するとよい。また、請求項7に記載したように、請求項5記載の発明においても、走行距離記憶手段を複数個設け、最大の走行距離値をメータの走行距離値と比較するようにするとよい。更に、請求項8記載の発明のように、請求項5記載の発明においても、必要に応じて走行距離値を書き換えることができるようにするとよい。
【0019】
請求項9記載の発明に係る走行距離改ざん防止装置では、走行距離メータにより車両の走行距離を記憶し、この走行距離メータとは別に車両の制御装置に設けられた走行距離記憶手段により、車両の走行距離を記憶する。そして、車両の機器を設定操作するための操作部から、予め定めるコードが入力され、判別手段により、走行距離メータ及び車両の制御装置の少なくとも一方が、未使用であることが判別されることを条件として、予め定める状態に設定されている走行距離メータ又は車両の制御装置に走行距離の書き込みが許可される。
【0020】
この発明によれば、走行距離メータと制御装置の走行距離記憶手段との両方が交換された場合であっても、ディーラーの係員などの予め定めるコードを知っている者しか走行距離の書き込みを行うことができず、しかも初期値としては未使用であることを示すデータが記憶されているため、走行距離値を小さくするような不正な改ざんを防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
この実施形態では、イグニッションキーがオフからオンに切り替えられたときに、走行距離メータ(以下、メータと称する)の走行距離値とECUの走行距離値とが比較され、メータの走行距離値が小さい場合は、メータの走行距離値がECUの走行距離値に書き換えられる。
【0022】
図1は、この実施形態の走行距離改ざん防止装置の電気的構成を示す説明図である。メータ10には、走行距離を表示する表示部12と走行距離を演算する演算部14と走行距離を記憶する記憶部16とが設けられる。また、ECU20には、走行距離を記憶する記憶部22とメータ10の記憶部16に記憶された走行距離とECU20の記憶部22に記憶された走行距離とを比較する比較部24とが設けられる。
【0023】
なお、メータ10の記憶部16及びECU20の記憶部22として、例えばE2 PROMが用いられる。図1において、点線矢印はイグニッションスイッチがオン状態のときのメータ10内のデータの流れを示し、一点鎖線矢印はイグニッションスイッチがオンからオフに切り替えられたときのメータ10からECU20へのデータ(D1)の流れを示し、実線矢印はイグニッションスイッチがオフからオンに切り替えられたときに行われるECU20内のデータ(D1)の流れ及びメータ10からECU20へのデータ(D2)の流れを示す。
【0024】
図2はこの実施形態の走行距離改ざん防止装置の動作を説明するためのフロー図であり、(a)はデータ読み出し処理を示し、(b)はメータ巻き戻し防止処理を示す。
次に、図1及び図2を参照して、この実施形態の走行距離改ざん防止装置の動作について説明する。
【0025】
車両が走行中は、メータ10の演算部14にてその都度求められた走行距離は表示部12に表示されると共に、記憶部16に記憶される。
図2(a)に示す処理はイグニッションスイッチがオンされている間は予め定めるサイクルタイムで繰り返し行われるが、オン状態が継続しているときは、ステップS110でイグニッションスイッチがオフされたのではないことが判別される(ステップS110:NO)ため、ステップS120の処理はスキップされる。
【0026】
エンジン停止のためにイグニッションスイッチがオンからオフに切り替えられると、ステップS110で肯定判定がされ(ステップS110:YES)、ステップS120に進む。ステップS120において、ECU20は、メータ10の記憶部16に記憶された走行距離データを受信し、ECU20の記憶部22にその読み出されたデータ(D1)を格納する。
【0027】
図2(b)に示す処理も予め定めるサイクルタイムで繰り返し行われるが、イグニッションスイッチがオン状態であるときは、ステップS210においてイグニッションスイッチがオフからオンに切り替わったのではないことが判別される(ステップS210:NO)ため、以下のステップS220〜ステップS280の処理はスキップされる。
【0028】
エンジン始動のためにイグニッションスイッチがオフからオンに切り替わったときには、ステップS210で肯定判定がされ(ステップS210:YES)、ステップS220に進む。ステップS220において、ECU20は、メータ10から走行距離データ(D2)を受信する。次に、ステップS230で、ECU20の記憶部22に記憶されている走行距離データ(D1)とメータ10から受信した走行距離データ(D2)とを比較部24により比較する。
【0029】
ECU20に記憶されていた走行距離データ(D1)がメータ10から受信した走行距離データ(D2)よりも小さい場合は、メータ10の走行距離が正しいとして、ステップS240において、ECU20の記憶部22にメータ10から受信した走行距離データを格納する。
【0030】
一方、ECU20に記憶されていた走行距離データ(D1)がメータ10から受信した走行距離データ(D2)よりも大きい場合には、メータの走行距離が小さい値に改ざんされたか改ざんされた可能性があると判断して、ステップS250において、メータ10の走行距離をECU20に記憶されている走行距離に書き換える。
【0031】
このようなメータの走行距離の改ざんが行われたかその可能性がある場合は、次に正常な走行を制限するための処理が行われる。まず、ステップS260で燃料噴射・点火カットの処理が行われ、次にステップS270で警告灯の点灯処理が行われる。更に、ステップS280で燃料噴射・点火カット解除要求フラグを「0」にリセットする処理が行われる。これは、ディーラーなどで後述のスキャンツールを用いて走行制限を解く処理を行うと再び正常に走行することができるようにするための予備的な処理である。
【0032】
図3は、スキャンツールの説明図であり、(a)はスキャンツールの斜視図であり、(b)は使用状態を示す。
図3(a)に示すスキャンツール50は、ECUからシステムの状態を読み取ったり、ECUがどのような制御を行っているのかモニターしたり、ECUに記憶されているデータの書き込み・消去を行うためのものである。スキャンツール50には、主たる構成として操作部52と表示部54と図示しない制御部とが設けられる。操作部52は、係員(チェッカー)が各種の操作指示を入力するためのものである。表示部54は、操作部52から入力された操作内容を表示すると共に、ECUから読み取ったコード情報等を表示するものである。制御部はスキャンツール50の動作を制御するものである。後述するが、スキャンツール50は、操作部52から予め定めるコードが入力されることを条件にECU等のデータの書き込み等ができるようになっている。
【0033】
図3(b)に示すように、スキャンツール50は、データリンクケーブル56を介して車両のデータリンクコネクタ58に接続される。
図4は、上述の燃料噴射・点火カットの解除処理を説明するためのフロー図である。次に図4を参照して燃料噴射・点火カットの解除処理について説明する。
【0034】
ステップS310では、解除要求フラグが「0」か否かが判別され、次にステップS320では、解除要求があったか否かが判別される。ここで、解除要求は上述のスキャンツール50の操作部52を操作することにより行われる。解除要求フラグが「0」でない場合及び解除要求フラグが「0」であっても解除要求がない場合には、ステップS330以降の処理をスキップする。
【0035】
解除要求フラグが「0」であり、且つ解除要求があった場合には、ステップS330へ進む。
ステップS330では、燃料噴射・点火カットを中止し元の状態に復帰する処理が行われ、次にステップ340では、警告灯を消灯する処理が行われる。
【0036】
次にステップS350において、スキャンツール50から走行距離の書き込み要求があるか否かが判別される。ここで、書き込み要求があるか否かは、スキャンツール50から所定の書き込み要求コードが送られたかどうかをECU20が確認することにより行われる。
【0037】
走行距離距離の書き込み要求があれば、ステップS360において、スキャンツール50から与えられた走行距離データをECU20の記憶部22に格納し、次にステップS370において、解除要求フラグを「1」に設定し、動作を終了する。
【0038】
スキャンツール50から走行距離の書き込み要求がない場合には、ステップS350からステップS370に進み、解除要求フラグを「1」に設定して動作を終了する。
なお、スキャンツール50から書き込み要求があったかどうかを車両側のCPU20で判断しているが、車両側にデータを送信する前にスキャンツールの制御部で正しい操作コードが入力されたことを判断し、所定の操作コードが操作部52から入力されたときに車両側に送信するようにしている。
【0039】
[第2実施形態]
この実施形態では、予め定めるタイミング毎に、メータの走行距離とECUの走行距離とを比較し、大きい方の走行距離値を採用し、走行距離値が小さい方のメータ又はECUの走行距離値を大きい方の走行距離値に書き換える。
【0040】
図5は、この実施形態の走行距離改ざん防止装置の電気的構成を示す説明図である。メータ30には、走行距離を表示する表示部32と走行距離を記憶する記憶部34とが設けられる。また、ECU40には、走行距離を演算する演算部42と、走行距離を記憶する記憶部44と、メータ30の記憶部34に記憶された走行距離とECU40の記憶部44に記憶された走行距離とを比較する比較部46とが設けられる。演算部42は車速センサ信号に基づき走行距離を演算する。
【0041】
なお、メータ30の記憶部34及びECU40の記憶部44として、例えばE2 PROMが用いられるのは第1実施形態と同様である。図5において、点線矢印はイグニッションスイッチがオン状態のときのECU40からメータ30へのデータ(P1)の流れを示し、実線矢印は設定されたタイミング毎に行われるメータ30内のデータ(P1)の流れ及びメータ30からECU40へのデータ(P2)の流れを示す。
【0042】
図6はこの実施形態の走行距離改ざん防止装置の動作を説明するためのフロー図であり、(a)は積算走行距離演算処理を示し、(b)はメータ巻き戻し防止処理を示す。
次に、図5及び図6を参照して、この実施形態の走行距離改ざん防止装置の動作について説明する。
【0043】
イグニッションスイッチがオンされている間は、図6(a)に示す処理が予め定めるサイクルタイムで繰り返し行われる。各サイクルタイムにおいて、ステップS410では、ECU40は演算部42にて走行距離を演算し、演算により得られた走行距離データ(P2)をECU40の記憶部44に記憶する。次にステップS420において、ECU40は、走行距離データ(P1)をメータ30へ送信する。メータ30に送信された走行距離データ(P1)は表示部32により表示され、記憶部34に記憶される。
【0044】
図6(b)に示すメータ巻き戻し処理も、図6(a)に示す積算走行距離演算処理と同様、イグニッションスイッチがオンされている間において予め定めるサイクルタイムで繰り返し行われる。
まず、ステップS510において、所定のタイミングか否かが判別される。所定のタイミングでなければ、以降のステップS520〜ステップS580の処理はスキップされる。
【0045】
所定のタイミングであるときは、ステップS510で肯定判定がされ(ステップS510:YES)、ステップS520に進んでメータ30から積算走行距離を受信する。次に、ステップS530において、ECU40の記憶部44に記憶されている走行距離データ(P1)とメータ30から受信した走行距離データ(P2)とを比較部46により比較する。
【0046】
ECU20に記憶されていた走行距離データ(P1)とメータ10から受信した走行距離データ(P2)との差が所定値よりも小さい場合は、ステップS540に進み、走行距離データ(P1)と走行距離データ(P2)のうち大きい方をECU40の記憶部44に格納する。ここで、所定値としては、得られる走行距離値として誤差程度を越える値が採用される。
【0047】
一方、ECU40に記憶されていた走行距離データ(P1)とメータ30から受信した走行距離(P2)との差が所定値よりも大きい場合には、メータの走行距離が小さい値に改ざんされたか改ざんされた可能性があると判断して、ステップS550において、メータ30の走行距離をECU40に記憶されている走行距離に書き換える処理が行われる。
【0048】
このようなメータの走行距離の改ざんが行われたかその可能性がある場合は、次に正常な走行を制限するための処理が行われる。まず、ステップS560で燃料噴射・点火カットの処理が行われ、次にステップS570で警告灯の点灯処理が行われる。更に、ステップS580で燃料噴射・点火カット解除要求フラグを「0」にリセットする処理が行われる。これは、ディーラーなどでスキャンツールを用いて走行制限を解く処理をすると再び正常に走行することができるようにするための予備的な処理である。
【0049】
なお、第1実施形態において図4を用いて説明した燃料噴射・点火カットの解除処理はこの第2実施形態でも同様であるので、説明は省略する。
[第3実施形態]
この実施形態では、ECUとメータとの双方に初期値として実際の車ではあり得ない値α(例えば100万キロメートル)を格納しておき、同時に両方が取り替えられた場合には、ディーラーにてスキャンツールを用いて走行距離を設定する。
【0050】
この実施形態の電気的構成は図5に示す構成と同様であるので、説明を省略する。図7はこの実施形態の動作を説明するためのフロー図である。次に図5及び図7を参照してこの実施形態の動作を説明する。
図7に示すメータ巻き戻し処理はイグニッションスイッチがオンされている間において予め定めるサイクルタイムで繰り返し行われる。
【0051】
まず、ステップS610において、所定のタイミングか否かが判別される。所定のタイミングでなければ、以降のステップS620〜ステップS700の処理はスキップされる。
所定のタイミングであるときは、ステップS610で肯定判定がされ(ステップS610:YES)、ステップS620に進んでメータ30から積算走行距離を受信する。次に、ステップS630においてECU40の記憶部44に記憶されている走行距離データ(P1)が上記αに等しいか否かが判別され、次にステップS640においてメータ30から受信した走行距離データ(P2)が上記αに等しいか否かが判別される。
【0052】
ステップS630にて肯定判定が行われるか(ステップS630:YES)、ステップS640にて肯定判定が行われた場合(ステップS640:YES)には、ステップS650、S660及びS670の処理をスキップして、ステップS680に進み、ステップS680で燃料噴射・点火カットの処理が行われ、次にステップS690で警告灯の点灯処理が行われる。更に、ステップS700で燃料噴射・点火カット解除要求フラグを「0」にリセットする処理が行われる。
【0053】
なお、ステップS630及びステップS640の両方で肯定判定がされた場合も、ステップS650、S660及びS670の処理をスキップして、ステップS680に進む。
一方、これらのステップでいずれも否定判定がされると(ステップS630:NO及びステップS640:NO)、ステップS650に進む。ステップS650では、ECU40の記憶部44に記憶されている走行距離データ(P1)とメータ30から受信した走行距離データ(P2)とを比較する。
【0054】
ECU20に記憶されていた走行距離(P1)とメータ10から受信した走行距離(P2)との差が所定値よりも小さい場合は、ステップS660に進み、走行距離データ(P1)と走行距離データ(P2)のうち大きい方をECU40の記憶部44に格納する。
【0055】
一方、ECU40に記憶されていた走行距離データ(P1)とメータ30から受信した走行距離データ(P2)との差が所定値よりも大きい場合には、メータの走行距離が小さい値に改ざんされたか改ざんされた可能性があると判断して、ステップS670において、メータ30の走行距離をECU40に記憶されている走行距離に書き換える処理が行われる。
【0056】
次に、ステップS680で燃料噴射・点火カットの処理が行われ、次にステップS690で警告灯の点灯処理が行われる。更に、ステップS700で燃料噴射・点火カット解除要求フラグを「0」にリセットする処理が行われる。
なお、第1実施形態において説明した燃料噴射・点火カットの解除処理(図4)はこの第3実施形態でも同様であるので、具体的な説明は省略するが、図4に示すステップ360は、この実施形態では、走行距離をECU40に書き込む場合だけでなく、メータ30に書き込む場合もあり、また、メータ30とECU40の双方に書き込み場合もある。要は、交換されたパーツに対してスキャンツール50を用いて走行距離の書き込みが容易にできるのである。
【0057】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態以外の態様でも実施することが可能である。例えば、上記実施形態ではECUとしてエンジンECUを用いたが、エンジンECU以外のECUを用いてもよい。更に、車両内の複数のECUに走行距離データを記憶するようにし、走行距離値が最大のものをメータの走行距離値と比較するようにしてもよい。このようにすれば、複数のECUのいずれかが新品のものあるいは比較的新しいものに交換された場合でも、常に正しい走行距離値が保持され、改ざんされる可能性をより低減することができる。
【0058】
なお、図2(b)に示すステップS230の処理が、請求項1における判別手段の処理に対応する。図2(b)に示すステップS250の処理が、請求項1における書き換え制御手段の処理に対応する。図2(b)に示すステップS260の処理が、請求項2における走行制限手段の処理に対応する。図4に示すステップS350の処理が、請求項4及び請求項8における書き換え許可手段の処理及び請求項9における書き込み許可手段に対応する。図6(b)に示すステップS530の処理が、請求項5における判別手段の処理に対応する。図6(b)に示すステップS550の処理が、請求項5における書き換え制御手段に対応する。図6(b)に示すステップS560の処理が、請求項6における走行制限手段の処理に対応する。図7に示すステップS630及びステップS640の処理が、請求項9における判別手段の処理に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の走行距離改ざん防止装置が適用されるメータ系統の電気的構成を示す説明図である。
【図2】第1実施形態の走行距離改ざん防止装置の動作を説明するためのフロー図であり、(a)はデータ読み出し処理を示し、(b)はメータ巻き戻し防止処理を示す。
【図3】スキャンツールの説明図であり、(a)はスキャンツールの斜視図であり、(b)は使用状態を示す。
【図4】燃料噴射・点火カットの解除処理を説明するためのフロー図である。
【図5】本発明の第2実施形態の走行距離改ざん防止装置が適用されるメータ系統の電気的構成を示す説明図である。
【図6】第2実施形態の走行距離改ざん防止装置の動作を説明するためのフロー図であり、(a)は積算走行距離演算処理を示し、(b)はメータ巻き戻し防止処理を示す。
【図7】本発明の第3実施形態の動作を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
10−−−メータ
16−−−記憶部
20−−−ECU
22−−−記憶部
24−−−比較部
30−−−メータ
34−−−記憶部
40−−−ECU
44−−−記憶部
46−−−比較部
50−−−スキャンツール
52−−−操作部
Claims (9)
- 車両の走行距離の改ざんを防止する装置であって、
車両の走行距離を記憶する機能を有する走行距離メータと、
車両の制御装置に設けられ、前記走行距離メータとは別に車両の走行距離を記憶する走行距離記憶手段と、
前記走行距離メータの走行距離値と前記走行距離記憶手段に記憶された走行距離値とを比較し、前記走行距離メータの走行距離値が前記走行距離記憶手段に記憶された走行距離値よりも小さいか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により、前記走行距離メータの走行距離値が前記走行距離記憶手段に記憶された走行距離値よりも小さいことが判別されたことに応じて、前記走行距離メータの走行距離値を前記走行距離記憶手段に記憶された走行距離値に書き換える書き換え制御手段と、
を備えた走行距離改ざん防止装置。 - 前記判別手段により、前記走行距離メータの走行距離値が前記走行距離記憶手段に記憶された走行距離値よりも小さいことが判別されたことに応じて、車両の走行を制限する走行制限手段を更に備えた、請求項1記載の走行距離改ざん防止装置。
- 前記走行距離記憶手段は車両に複数個設けられ、
前記判別手段は、前記複数の走行距離記憶手段のうちから最大の走行距離値を読み出し、前記メータの走行距離値と比較するようにしたことを特徴とする請求項1記載の走行距離改ざん防止装置。 - 車両の機器を設定操作するための操作部と、
前記操作部から予め定めるコードが入力されたことに応じて、前記走行距離メータ及び前記走行距離記憶手段の走行距離値を書き換えることを許可する書換許可手段と、を更に備えた請求項1ないし3のいずれかに記載の走行距離改ざん防止装置。 - 車両の走行距離の改ざんを防止する装置であって、
車両の走行距離を記憶する機能を有する走行距離メータと、
車両の制御装置に設けられ、前記走行距離メータとは別に車両の走行距離を記憶する走行距離記憶手段と、
前記走行距離メータの走行距離値と前記走行距離記憶手段に記憶された走行距離値とを比較し、2つの走行距離値の差が予め定める値よりも大きいか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により、2つの走行距離値の差が予め定める値よりも大きいことが判別されたとき、前記走行距離メータの走行距離値及び前記走行距離記憶手段の走行距離値のうち、値が小さい一方の走行距離値を値が大きい他方の走行距離値に書き換える書き換え制御手段と、
を備えた走行距離改ざん防止装置。 - 前記判別手段により、2つの走行距離値の差が予め定める値よりも大きいことが判別されたことに応じて、車両の走行を制限する走行制限手段を更に備えた、請求項5記載の走行距離改ざん防止装置。
- 前記走行距離記憶手段は車両に複数個設けられ、
前記判別手段は、前記複数の走行距離記憶手段のうちから最大の走行距離値を読み出し、前記メータの走行距離値と比較するようにしたことを特徴とする請求項5記載の走行距離改ざん防止装置。 - 車両の機器を設定操作するための操作部と、
前記操作部から予め定めるコードが入力されたことに応じて、前記走行距離メータ及び車両の制御装置の走行距離値を書き換えることを許可する書換許可手段と、を更に備えた請求項5ないし7のいずれかに記載の走行距離改ざん防止装置。 - 車両の走行距離の改ざんを防止する装置であって、
車両の走行距離を記憶する機能を有する走行距離メータと、
車両の制御装置に設けられ、前記走行距離メータとは別に車両の走行距離を記憶する走行距離記憶手段と、
車両の機器を設定操作するための操作部と、
走行距離メータ及び車両の制御装置の少なくとも一方が、未使用であることを示す予め定める状態に設定されているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により、前記走行距離メータ及び車両の制御装置の少なくとも一方が、前記予め定める状態に設定されていることが判別され、且つ前記操作部から予め定めるコードが入力されたことに応じて、前記予め定める状態に設定されている前記走行距離メータ又は車両の制御装置に走行距離値の書き込みを許可する書き込み許可手段と、
を備えた走行距離改ざん防止装置。
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