JP2004137281A - 重合性液晶化合物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 配向処理を施した透明電極を有する少なくとも一方が透明な2枚の基板であって、2枚の基板上の配向方向が180〜270゜の範囲にある基板間に、液晶/高分子複合体を有し、該液晶/高分子複合体が、ネマチック液晶およびカイラル物質と液晶性骨格を有するジアクリレート化合物との重合体を含有し、該液晶/高分子複合体中に、該重合体と液晶との界面に沿って配向する液晶分子を含有し、かつ、基板面に対し2〜50゜の範囲で傾斜している液晶分子を含有することを特徴とする液晶表示素子に用いる以下の重合性液晶化合物。
【化1】
【選択図】 なし
Description
すなわち、配向処理を施した透明電極を有する少なくとも一方が透明な2枚の基板であって、2枚の基板上の配向方向が180〜270゜の範囲にある基板間に、ネマチック液晶およびカイラル物質と液晶性骨格を有するジアクリレート化合物とを含有する液晶/高分子複合体形成材料を挟持し、該ネマチック液晶およびカイラル物質を配向させた後、該液晶/高分子複合体形成材料に電圧を印加させながら、活性光線を照射し、液晶性骨格を有するジアクリレート化合物を重合させる方法。
「CM−19」、「CM−20」、「CM」(チッソ社製)、光学活性基として1−メチルヘプチル基を有する「S811」(メルク社製)、「CM−21」、「CM−22」(以上、チッソ社製)を挙げることができる。
で表される化合物を用いることができる。
また、これらの液晶性骨格を有するジアクリレート化合物は、上記一般式において、Zが互いに同一であっても、異なっていてもよい。
さらに、好ましいものとしては、下記に示す化合物が挙げられる。
これらのジアクリレートの中でも、一般式(a)〜(c)
(第2段階) 中間体(2)の合成
中間体(2)1.0g、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール 0.01gに塩化チオニル4ml、さらにジメチルホルムアミド0.01gを加えて、室温で10分間攪拌した後、未反応の塩化チオニルを減圧留去してテトラヒドロフランを15ml加えた。この溶液に、中間体(1)0.93gとトリエチルアミン1.06gをテトラヒドラフラン20mlに溶解させた溶液を5分間かけて滴下して後、さらに4時間攪拌した。この反応液を塩化メチレンを用いて抽出し、有機層を水洗後、有機溶媒を減圧留去して1.7gの粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:5、Rf=0.21)およびエタノール10mlからの再結晶により精製して0.7gのジアクリレート(1)を得た。融点を測定したところ、79℃であった。
(合成例) ジアクリレート(2)の合成
(実施例2) ジアクリレート(3)の合成
(実施例3) ジアクリレート(4)の合成
(第2段階) 中間体(4)の合成
(第3段階) ジアクリレート(4)の合成
中間体(4)0.75g、1,2−ジ−tert−ブチルフェノール0.01gに塩化チオニル2.2ml、更にジメチルホルムアミド0.01gを加えて、室温で10分間撹拌した後、未反応の塩化チオニルを減圧留去してトルエン10mlを加えた。この溶液を、中間体(1)0.49gとピリジン0.8gを溶解させた20mlのトルエン溶液に5分間かけて滴下した。更に2時間撹拌後、有機層を水洗、更に有機層を減圧留去して1.10gの粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2、Rf=0.47)及びエタノール5mlからの再結晶により精製して、0.22gのジアクリレート(4)を得た。融点を測定したところ42℃であった。
(調製例) ネマチック液晶組成物(A)の調製
転移温度 68.7℃(N−I)
ne =1.702
no =1.513
Δn=0.189
Δε=7.17
以下、参考例1〜4において、本発明で使用する液晶性骨格を有するジアクリレート化合物を用いた場合の液晶表示素子の傾斜配向角を測定した。また、参考例5において、液晶性骨格を有していないジアクリレート化合物を用いた場合の液晶表示素子の傾斜配向角を測定した。測定した結果は、表1に示した。
(参考例1)
液晶組成物(A)97%と合成例1で合成したジアクリレート(1)3%のネマチック液晶組成物を作製し、ネマチック−等方性液体転移温度を測定したところ62.4℃であった。このネマチック液晶組成物に、ジアクリレート(1)の量に対して8%に当たる量の重合開始剤「イルガキュア651」(チバ・ガイギー社製ベンジルジメチルケタール)を加えて混合物を作製し、ポリイミド配向膜を形成したセルギャップ10μmのアンチパラレルセルに注入した。そして、この混合物が、前記セル中でラビング方向に配向しているのを偏光顕微鏡観察により確認した。
得られた液晶表示素子を偏光顕微鏡で観察した結果、液晶分子の配向は均一で紫外線照射後も乱れていないことを確認した。
参考例1においてジアクリレート(2)を使用した以外は参考例1と同様にして、液晶表示素子を得た。液晶組成物(A)97%とジアクリレート(2)3%のネマチック液晶組成物のネマチック−等方性液体転移温度は、62.4℃であった。
また、この液晶表示素子を偏光顕微鏡で観察した結果、液晶分子の配向は均一で紫外線照射後も乱れていないことを確認した。3mmずつ間隔をおいて3ケ所の測定をした傾斜配向角の値は、それぞれ3.1°、3.2°、3.2°であった。
参考例1においてジアクリレート(3)を使用した以外は参考例1と同様にして液晶表示素子を得た。液晶組成物(A)97%とジアクリレート(3)3%のネマチック液晶組成物のネマチック−等方性液体転移温度は、66.7℃であった。
(参考例4)
参考例1において、特開昭63−64029号公報に記載の液晶性ジアクリレート(5)
液晶組成物(A)97%とジアクリレート(4)3%のネマチック液晶組成物のネマチック−等方性液体転移温度は、69.0℃であった。また、この液晶表示素子を偏光顕微鏡で観察した結果、液晶分子の配向は均一で、紫外線照射後も乱れていないことを確認した。3mmずつ間隔をおいて3ケ所の測定をした傾斜配向角の値は、それぞれ5.0°、5.0°、5.0°であった。
参考例1においてジアクリレートとして液晶性骨格を有していないジアクリレート(6)
(実施例4)
液晶組成物(A)にペラルゴン酸コレステロールを2.4%加えてカイラル混合物を作製し、ピッチを測定したところ8.53μmであった。このカイラル混合物98%と合成例1で合成したジアクリレート(1)2%のネマチック液晶組成物を作製した。このネマチック液晶組成物に、ジアクリレート(1)の量に対して8%にあたる量の重合開始剤「イルガキュア651」(チバ・ガイギー社製ベンジルジメチルケタール)を加えて混合物を作製し、2枚の基板上の配向方向が270゜であるポリイミド配向膜を形成したセルギャップ4.9μmのTNセルに注入した。このセルに周波数1KHz、電圧8Vの正弦波を印加しながら、28℃の温度で紫外線を照射してジアクリレート化合物を重合させて液晶表示素子を作製した。重合はメタルハライドランプ(120W/cm2)の下を4m/分の速度で2回通過させ、1500mJ/cm2に相当するエネルギーを照射することによって行なった。直交する2枚の偏光板の間に得られた液晶表示素子を置き、これに電圧を印加したところ、動作するのが確認できた。また、偏光顕微鏡観察下、得られた液晶表示素子に電圧を印加しても、ストライプドメインの発生は確認されなかった。
液晶組成物(A)にペラルゴン酸コレステロールを2.4%加えてカイラル混合物を作製し、ピッチを測定したところ8.53μmであった。この混合物をポリイミド配向膜を形成したセルギャップ4.9μmのTNセルに注入して液晶表示素子を得た。直交する2枚の偏光板の間に得られた液晶表示素子を置き、これに電圧を印加したところ、動作するのが確認できた。しかし、偏光顕微鏡観察下、得られた液晶表示素子に電圧を印加すると、ストライプドメインが発生した。
実施例4においてジアクリレートとして実施例3で合成したジアクリレート(4)を使用した以外は実施例4と同様にして液晶表示素子を得た。直交する2枚の偏光板の間に得られた液晶表示素子を置き、これに電圧を印加したところ動作するのが確認出来た。また偏光顕微鏡観察下、得られた液晶表示素子に電圧を印加しても、ストライプドメインの発生は確認されなかった。
以上の結果から、本発明の液晶表示素子は、高いプレチルト角を有する液晶表示素子と同様にストライプドメインが発生せず、また配向の均一性も優れていることは明らかである。
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