JP2004137281A - 重合性液晶化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液晶の配向状態が均一で、且つ高いプレチルト角を持った液晶表示素子に有用な重合性液晶化合物を提供する。
【解決手段】 配向処理を施した透明電極を有する少なくとも一方が透明な2枚の基板であって、2枚の基板上の配向方向が180〜270゜の範囲にある基板間に、液晶/高分子複合体を有し、該液晶/高分子複合体が、ネマチック液晶およびカイラル物質と液晶性骨格を有するジアクリレート化合物との重合体を含有し、該液晶/高分子複合体中に、該重合体と液晶との界面に沿って配向する液晶分子を含有し、かつ、基板面に対し2〜50゜の範囲で傾斜している液晶分子を含有することを特徴とする液晶表示素子に用いる以下の重合性液晶化合物。
【化1】
Figure 2004137281

【選択図】    なし

Description

 本発明は、液晶表示素子とその製造方法に関し、さらに詳しくは、配向制御方法を改良した液晶表示素子とその製造方法に関する。
 現在、工業的に製造されているツイステッドネマチック(TN)型液晶表示装置、スーパーツイステッドネマチック(STN)型液晶表示装置、アクティブマトリックス(AM)型液晶表示装置の配向膜としては、基板上に被覆したポリイミドの薄膜を一方向にラビングしたものが広く用いられている。
 しかし、この方法で作製したポリイミド配向膜のプレチルト角は、配向膜の作製条件、膜厚、ラビング布、ラビングの強さ、さらには液晶材料の種類によって大きく影響を受けるという欠点があった。この傾向は4度以上の高いプレチルト角を得ようとしたとき顕著になり、特に高いプレチルト角が必要なSTN型液晶表示装置を製造する際、大きな問題となっていた。
 これを解決する手段としては、光重合性材料と液晶材料からなる組成物を、配向処理を施した2枚の電極間に封入し、前記組成物に電圧を印加しながら紫外線を照射して光重合性材料を重合硬化させることにより、高いプレチルト角を持った液晶表示素子と同様の特性を有する液晶表示素子の製造方法が報告されている(非特許文献1参照)。
 しかし、上記製造方法に用いられた光重合性材料は、液晶材料との相溶性が悪く、紫外線を照射した際に誘起される液晶材料と光重合性材料との相分離過程において形成されるポリマーのネットワークが液晶材料の配向を乱してしまい、均一な配向状態が得られないという欠点があった。
フィリップ・ジェー・ボス(Phillip J. Bos),1993年度エス・アイ・ディー・ダイジェスト(SID Digest '93)877頁
 本発明が解決しようとする課題は、液晶材料の配向状態を均一で、且つ高いプレチルト角を有する液晶表示素子及びその製造方法を提供することにある。
 本願発明は、一般式(a)
Figure 2004137281
(式中、Z及びZはそれぞれ独立的に、水素原子またはメチル基を表す。)で表される化合物、一般式(b)
Figure 2004137281
(式中、Z及びZはそれぞれ独立的に、水素原子またはメチル基を表す。)で表される化合物及び一般式(c)
Figure 2004137281
(式中、Z及びZはそれぞれ独立的に、水素原子またはメチル基を表す。)で表される化合物を提供する。
 本発明の重合性液晶化合物は、液晶の配向状態が均一で、かつ高いプレチルト角を有する液晶表示素子と同等の特性を有する表示素子であり、TN型、STN型表示素子への応用が可能である。
 本発明の液晶表示素子は、例えば、次の製造方法に従って製造することができる。
 すなわち、配向処理を施した透明電極を有する少なくとも一方が透明な2枚の基板であって、2枚の基板上の配向方向が180〜270゜の範囲にある基板間に、ネマチック液晶およびカイラル物質と液晶性骨格を有するジアクリレート化合物とを含有する液晶/高分子複合体形成材料を挟持し、該ネマチック液晶およびカイラル物質を配向させた後、該液晶/高分子複合体形成材料に電圧を印加させながら、活性光線を照射し、液晶性骨格を有するジアクリレート化合物を重合させる方法。
 本発明で使用するネマチック液晶はネマチック液晶以外の物質も含んでいてもよく、通常この技術分野で液晶材料と認識されるものであればよく、そのうち正の誘電率異方性を有するものが好ましい。
 本発明で使用するネマチック液晶は、以下に示した液晶化合物群から選ばれた1種以上の化合物からなる配合組成物が好ましく、液晶材料の特性、すなわち、等方性液体と液晶の相転移温度、融点、粘度、Δε(誘電率異方性)、Δn(屈折率異方性)を改善することを目的として適宜選択、配合して用いることができる。
 上記液晶化合物としては、例えば、4−置換安息香酸フェニルエステル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4’−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)安息香酸4−置換フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4’−置換シクロヘキシルエステル、4−置換4’−置換ビフェニル、4−置換4’−置換シクロヘキサン、4−置換4”−置換ターフェニル、4−置換ビフェニル4’−置換シクロヘキサン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリジン等を挙げることができる。特に好ましいのは、これらの化合物の中でも、少なくとも分子の一方の末端にシアノ基を有する化合物である。
 本発明で使用するカイラル物質としては、例えば、光学活性基としてコレステリル基を有するペラルゴン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール、光学活性基として2−メチルブチル基を有する「CB−15」、「C−15」(以上、ビー・ディー・エイチ(BDH)社製)、「S1082」(メルク社製)、
「CM−19」、「CM−20」、「CM」(チッソ社製)、光学活性基として1−メチルヘプチル基を有する「S811」(メルク社製)、「CM−21」、「CM−22」(以上、チッソ社製)を挙げることができる。
 本発明で用いる液晶性骨格を有するジアクリレート化合物は、必ずしも単体として液晶性を発現しなくてもよく、
Figure 2004137281
(式中、
Figure 2004137281
は各々独立的に、
Figure 2004137281
を表し、XまたはYは各々独立的に、単結合、−CHCH−、−OCO−、−COO−、−CHO−、−OCH−または−C≡C−を表し、DまたはEは各々独立的に単結合、エステル結合、エーテル結合を表し、Zは水素原子またはメチル基を表し、mまたはnは各々独立的に0〜6の整数を表し、pは0または1の整数を表し、qは0、1または2の整数を表し、シクロヘキサン環はトランス−シクロヘキサン環を表す。)
で表される化合物を用いることができる。
 また、これらの液晶性骨格を有するジアクリレート化合物は、上記一般式において、Zが互いに同一であっても、異なっていてもよい。
 さらに、好ましいものとしては、下記に示す化合物が挙げられる。
Figure 2004137281
(上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表し、シクロヘキサン環はトランス−シクロヘキサン環を表す。)
Figure 2004137281
Figure 2004137281
Figure 2004137281
(上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表し、mまたはnは各々独立的に2、4または6を表し、シクロヘキサン環はトランス−シクロヘキサン環を表す。)
Figure 2004137281
Figure 2004137281
(上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表し、mまたはnは各々独立的に1、3または5を表し、シクロヘキサン環はトランス−シクロヘキサン環を表す。)
Figure 2004137281
(上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表し、mは2、4または6を表し、nは1、3または5を表し、シクロヘキサン環はトランス−シクロヘキサン環を表す。)
Figure 2004137281
(上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表し、mは1、3または5を表し、nは2、4または6を表し、シクロヘキサン環はトランス−シクロヘキサン環を表す。)
Figure 2004137281
(上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表し、mは2、4または6を表し、nは1、3または5を表し、シクロヘキサン環はトランス−シクロヘキサン環を表す。)
Figure 2004137281
(上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表し、mは1、3または5を表し、nは2、4または6を表し、シクロヘキサン環はトランス−シクロヘキサン環を表す。)
Figure 2004137281
(上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表し、シクロヘキサン環はトランス−シクロヘキサン環を表す。)
Figure 2004137281
(上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表し、mまたはnは各々独立的に1、3または5を表し、シクロヘキサン環はトランス−シクロヘキサン環を表す。)
Figure 2004137281
(上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表し、mまたはnは各々独立的に2、4または6を表し、シクロヘキサン環はトランス−シクロヘキサン環を表す。)
Figure 2004137281
(上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表し、mは1、3または5を表し、nは2、4または6を表し、シクロヘキサン環はトランス−シクロヘキサン環を表す。)
Figure 2004137281
(上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表し、mは2、4または6を表し、nは1、3または5を表し、シクロヘキサン環はトランス−シクロヘキサン環を表す。)
 これらのジアクリレートの中でも、一般式(a)〜(c)
Figure 2004137281
(式中、Z及びZはそれぞれ独立的に、水素原子またはメチル基を表す。)
で表される化合物は新規化合物であり、本発明はこれらの化合物も提供する。
 本発明で使用する液晶性骨格を有するジアクリレートは、ネマチック液晶およびカイラル物質中に、1〜20重量%の割合で溶解するのが好ましく、さらに好ましくは1〜3重量%の割合で溶解するのが好ましい。
 また、ネマチック液晶およびカイラル物質と、液晶性骨格を有するジアクリレート化合物との重合体に、紫外線照射による該液晶性骨格を有するジアクリレート化合物の重合硬化を促進する目的で、光重合開始剤を溶解させてもよく、その濃度は、液晶性骨格を有するジアクリレート化合物に対して、1〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは2〜10重量%である。
 上記重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギー社製「イルガキュア184」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、ベンジルジメチルケタール(チバ・ガイギー社製「イルガキュア651」)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1(チバ・ガイギー社製「イルガキュア907」)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワードプレキンソップ社製「カンタキュアITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物等が挙げられる。
 本発明で使用する基板は、堅固な材料、例えば、ガラス、金属等であってもよく、柔軟性を有する材料、例えば、プラスチックフィルムの如きものであってもよい。そして、その少なくとも一方は透明性を有し、それらの2枚の間に挟持される液晶/高分子複合体を外界から視覚させるものでなければならない。ただし、完全な透明性を必須とするものではない。
 2枚の電極間の間隔は、2〜20μmが好ましく、4〜8μmが特に好ましい。電極間に電圧を印加する手段としては、通常の液晶表示素子に使用される駆動手段が使用でき、印加電圧は0.5〜50Vの交流電圧が好ましく、0.5〜10Vがさらに好ましい。
 本発明で用いる基板に施す配向処理としては、例えば、透明電極に被覆したポリイミド等の有機薄膜のラビング処理、またはSiOの斜方蒸着等、この技術分野における通常の知識を有するものにとって既知である配向処理法が挙げられる。
 以下、本発明の実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の合成例、実施例、調製例、比較例において「%」は「重量%」を表す。
(実施例1) ジアクリレート(1)の合成
Figure 2004137281
(第1段階) 中間体(1)の合成
Figure 2004137281
 2−(ヒドロキシフェニル)エチルアルコール10.0g、アクリル酸20.75g、およびp−トルエンスルホン酸3gを、ベンゼン150ml中に溶解し、ディーンスターク水分離器を用いて生成する水分を分離しながら10時間加熱還流した。室温まで冷却後、反応液を水洗し、ベンゼンを減圧留去して12.6gの粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1、Rf=0.53)を用いて精製し、10.3gの中間体(1)を得た。
(第2段階) 中間体(2)の合成
Figure 2004137281
 4−ヒドロキシメチル安息香酸5.0g、アクリル酸7.4g、p−トルエンスルホン酸3.8g、ヒドロキノン1.1gを、ベンゼン100mlに溶解し、ディーンスターク水分離器を用いて生成する水分を分離しながら5時間加熱還流した。室温まで冷却後、反応液を水洗し、ベンゼンを減圧留去して10.4gの粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1、Rf=0.45)およびn−ヘキサン50mlと酢酸エチル18mlの混合溶媒からの再結晶により精製して2.7gの中間体(2)を得た。
(第3段階) ジアクリレート(1)の合成
 中間体(2)1.0g、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール 0.01gに塩化チオニル4ml、さらにジメチルホルムアミド0.01gを加えて、室温で10分間攪拌した後、未反応の塩化チオニルを減圧留去してテトラヒドロフランを15ml加えた。この溶液に、中間体(1)0.93gとトリエチルアミン1.06gをテトラヒドラフラン20mlに溶解させた溶液を5分間かけて滴下して後、さらに4時間攪拌した。この反応液を塩化メチレンを用いて抽出し、有機層を水洗後、有機溶媒を減圧留去して1.7gの粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:5、Rf=0.21)およびエタノール10mlからの再結晶により精製して0.7gのジアクリレート(1)を得た。融点を測定したところ、79℃であった。
(合成例) ジアクリレート(2)の合成
Figure 2004137281
 アクリル酸2−ヒドロキシエチル2.8g、トリエチルアミン4.9gをテトラヒドロフラン15mlに溶解後、この溶液に4,4’−ビフェニルジカルボニルクロリド3.0gを溶解させた10mlのTHF溶液を5分間かけて滴下した。さらに、3時間攪拌後、塩化メチレンを用いて抽出し、有機層を水洗後、有機溶媒を減圧留去して、4.1gの粗生成物を得た。これをエタノール20mlからの再結晶により精製して2.2gのジアクリレート(2)を得た。融点を測定したところ、72℃であった。
(実施例2) ジアクリレート(3)の合成
Figure 2004137281
 トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸0.5gに、塩化チオニル4ml、さらにジメチルホルムアミド0.01gを加えて、室温で30分間攪拌した後、未反応の塩化チオニルを減圧留去してテトラヒドロフランを10ml加えた。この溶液に、中間体(1)1.11gとトリエチルアミン1.40gをテトラヒドロフラン20mlに溶解させた溶液を5分間かけて滴下して後、さらに4時間攪拌した。この反応液を塩化メチレンを用いて抽出し、有機層を水洗後、有機溶媒を減圧留去して1.6gの粗生成物を得た。これをエタノール18mlからの再結晶により精製して1.0gのジアクリレート(3)を得た。この化合物はモノトロピックなネマチック液晶相を有し、等方性液体相からネマチック相に126℃で転移し、結晶相から等方性液体相に132℃で転移した。
(実施例3) ジアクリレート(4)の合成
Figure 2004137281
(第1段階) 中間体(3)の合成
Figure 2004137281
 4−ヒドロキシ安息香酸20.0gにエタノール60ml、及び55mlの水に溶解した水酸化ナトリウムを加えて撹拌した。これにヨウ化カリウム1.8gと6−クロロ−1−ヘキサノール14.4gを加えて20時間加熱還流した。加熱還流後、反応溶液に200mlの水を加えてから、反応溶液を希塩酸水溶液を用いて中和した。反応溶液中に生成した沈澱物を濾取し、これを55mlのエタノールから再結晶して19.9gの中間体(3)を得た。
(第2段階) 中間体(4)の合成
Figure 2004137281
 中間体(3)16.0g、アクリル酸15.0g、p−トルエンスルホン酸8.0g、ヒドロキノン0.5gを、ベンゼン210mlに溶解し、ディーンスターク水分離器を用いて生成する水分を分離しながら12時間加熱還流した。室温まで冷却後、反応液を水洗し、ベンゼンを減圧留去して34.6gの粗生成物を得た。これをヘキサン150mlとジクロロメタン50mlの混合溶媒からの再結晶により精製して13.6gの中間体(4)を得た。
(第3段階) ジアクリレート(4)の合成
 中間体(4)0.75g、1,2−ジ−tert−ブチルフェノール0.01gに塩化チオニル2.2ml、更にジメチルホルムアミド0.01gを加えて、室温で10分間撹拌した後、未反応の塩化チオニルを減圧留去してトルエン10mlを加えた。この溶液を、中間体(1)0.49gとピリジン0.8gを溶解させた20mlのトルエン溶液に5分間かけて滴下した。更に2時間撹拌後、有機層を水洗、更に有機層を減圧留去して1.10gの粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2、Rf=0.47)及びエタノール5mlからの再結晶により精製して、0.22gのジアクリレート(4)を得た。融点を測定したところ42℃であった。
(調製例) ネマチック液晶組成物(A)の調製
Figure 2004137281
からなるネマチック液晶組成物(A)を調製した。
 この液晶組成物の物性は、以下に示すとおりであった。
転移温度 68.7℃(N−I)
     n =1.702
     n =1.513
     Δn=0.189
     Δε=7.17
 以下、参考例1〜4において、本発明で使用する液晶性骨格を有するジアクリレート化合物を用いた場合の液晶表示素子の傾斜配向角を測定した。また、参考例5において、液晶性骨格を有していないジアクリレート化合物を用いた場合の液晶表示素子の傾斜配向角を測定した。測定した結果は、表1に示した。
(参考例1)
 液晶組成物(A)97%と合成例1で合成したジアクリレート(1)3%のネマチック液晶組成物を作製し、ネマチック−等方性液体転移温度を測定したところ62.4℃であった。このネマチック液晶組成物に、ジアクリレート(1)の量に対して8%に当たる量の重合開始剤「イルガキュア651」(チバ・ガイギー社製ベンジルジメチルケタール)を加えて混合物を作製し、ポリイミド配向膜を形成したセルギャップ10μmのアンチパラレルセルに注入した。そして、この混合物が、前記セル中でラビング方向に配向しているのを偏光顕微鏡観察により確認した。
 前記セルに周波数1KHz、電圧1Vの正弦波を印加しながら、28℃の温度で紫外線を照射してジアクリレート化合物を重合させて液晶表示素子を作製した。重合はメタルハライドランプ(120W/cm)の下を4m/分の速度で2回通過させ、1500mJ/cmに相当するエネルギーを照射することによって行った。
 得られた液晶表示素子を偏光顕微鏡で観察した結果、液晶分子の配向は均一で紫外線照射後も乱れていないことを確認した。
 また、この液晶表示素子の傾斜配向角を、プレチルト角を測定するのに用いられているクリスタルローテーション法を適用して測定した。3mmずつ間隔をおいて3ケ所の測定をした結果、その値はそれぞれ、2.8°、2.9°、2.9°であった。この結果から、液晶表示素子内での液晶の配向が乱れていないことは明らかである。
(参考例2)
 参考例1においてジアクリレート(2)を使用した以外は参考例1と同様にして、液晶表示素子を得た。液晶組成物(A)97%とジアクリレート(2)3%のネマチック液晶組成物のネマチック−等方性液体転移温度は、62.4℃であった。
 また、この液晶表示素子を偏光顕微鏡で観察した結果、液晶分子の配向は均一で紫外線照射後も乱れていないことを確認した。3mmずつ間隔をおいて3ケ所の測定をした傾斜配向角の値は、それぞれ3.1°、3.2°、3.2°であった。
(参考例3)
 参考例1においてジアクリレート(3)を使用した以外は参考例1と同様にして液晶表示素子を得た。液晶組成物(A)97%とジアクリレート(3)3%のネマチック液晶組成物のネマチック−等方性液体転移温度は、66.7℃であった。
 また、この液晶表示素子を偏光顕微鏡で観察した結果、液晶分子の配向は均一で紫外線照射後も乱れていないことを確認した。3mmずつ間隔をおいて3ケ所の測定をした傾斜配向角の値は、それぞれ3.1°、3.1°、3.1°であった。
(参考例4)
 参考例1において、特開昭63−64029号公報に記載の液晶性ジアクリレート(5)
Figure 2004137281
を使用した以外は参考例1と同様にして、液晶表示素子を得た。
 液晶組成物(A)97%とジアクリレート(4)3%のネマチック液晶組成物のネマチック−等方性液体転移温度は、69.0℃であった。また、この液晶表示素子を偏光顕微鏡で観察した結果、液晶分子の配向は均一で、紫外線照射後も乱れていないことを確認した。3mmずつ間隔をおいて3ケ所の測定をした傾斜配向角の値は、それぞれ5.0°、5.0°、5.0°であった。
(参考例5)
 参考例1においてジアクリレートとして液晶性骨格を有していないジアクリレート(6)
Figure 2004137281
を使用した以外は参考例1と同様にして液晶表示素子を得た。
 液晶組成物(A)97%とジアクリレート(5)3%のネマチック液晶組成物のネマチック−等方性液体転移温度は、59.3℃であった。この液晶表示素子を偏光顕微鏡で観察した結果、液晶分子の配向が乱れている場所があることを確認した。また、3mmずつ間隔をおいて3ケ所の測定をした傾斜配向角の値は、それぞれ1.2°、5.0°、4.4°であった。
Figure 2004137281
 表1に示した液晶表示素子の傾斜配向角から明らかなように、液晶性骨格を有するジアクリレート化合物(ジアクリレート(1)〜(5))は、液晶性骨格を有していないジアクリレート化合物(ジアクリレート(6))に比較して、液晶分子の配向の均一性が優れている。
(実施例4)
 液晶組成物(A)にペラルゴン酸コレステロールを2.4%加えてカイラル混合物を作製し、ピッチを測定したところ8.53μmであった。このカイラル混合物98%と合成例1で合成したジアクリレート(1)2%のネマチック液晶組成物を作製した。このネマチック液晶組成物に、ジアクリレート(1)の量に対して8%にあたる量の重合開始剤「イルガキュア651」(チバ・ガイギー社製ベンジルジメチルケタール)を加えて混合物を作製し、2枚の基板上の配向方向が270゜であるポリイミド配向膜を形成したセルギャップ4.9μmのTNセルに注入した。このセルに周波数1KHz、電圧8Vの正弦波を印加しながら、28℃の温度で紫外線を照射してジアクリレート化合物を重合させて液晶表示素子を作製した。重合はメタルハライドランプ(120W/cm)の下を4m/分の速度で2回通過させ、1500mJ/cmに相当するエネルギーを照射することによって行なった。直交する2枚の偏光板の間に得られた液晶表示素子を置き、これに電圧を印加したところ、動作するのが確認できた。また、偏光顕微鏡観察下、得られた液晶表示素子に電圧を印加しても、ストライプドメインの発生は確認されなかった。
(比較例1)
 液晶組成物(A)にペラルゴン酸コレステロールを2.4%加えてカイラル混合物を作製し、ピッチを測定したところ8.53μmであった。この混合物をポリイミド配向膜を形成したセルギャップ4.9μmのTNセルに注入して液晶表示素子を得た。直交する2枚の偏光板の間に得られた液晶表示素子を置き、これに電圧を印加したところ、動作するのが確認できた。しかし、偏光顕微鏡観察下、得られた液晶表示素子に電圧を印加すると、ストライプドメインが発生した。
(実施例5)
 実施例4においてジアクリレートとして実施例3で合成したジアクリレート(4)を使用した以外は実施例4と同様にして液晶表示素子を得た。直交する2枚の偏光板の間に得られた液晶表示素子を置き、これに電圧を印加したところ動作するのが確認出来た。また偏光顕微鏡観察下、得られた液晶表示素子に電圧を印加しても、ストライプドメインの発生は確認されなかった。
 以上の結果から、本発明の液晶表示素子は、高いプレチルト角を有する液晶表示素子と同様にストライプドメインが発生せず、また配向の均一性も優れていることは明らかである。

Claims (3)

  1. 一般式(a)
    Figure 2004137281
    (式中、Z及びZはそれぞれ独立的に、水素原子またはメチル基を表す。)で表される化合物。
  2. 一般式(b)
    Figure 2004137281
    (式中、Z及びZはそれぞれ独立的に、水素原子またはメチル基を表す。)で表される化合物。
  3. 一般式(c)
    Figure 2004137281
    (式中、Z及びZはそれぞれ独立的に、水素原子またはメチル基を表す。)で表される化合物。
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