JP2004137176A - 新規油中水型乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は経時安定性が高く、使用性、耐水性に優れた化粧膜が持続する油中水型乳化組成物を提供する。
【解決手段】a)アミノ変性シリコーンを、全組成物中0.05〜5重量%、b) 炭素数10〜20を有する高級脂肪酸、炭素数が2以上のカルボキシル基を有する有機酸および塩酸からなる群から選ばれる1種以上を、a)のアミノ変性シリコーンに含まれるアミノ基1モルにつき0.2〜3モル、およびc)a)およびb)から構成される塩以外の塩を全組成物中0.1〜5重量%含有することを特徴とする油中水型乳化組成物を提供する。
【選択図】 なし
【解決手段】a)アミノ変性シリコーンを、全組成物中0.05〜5重量%、b) 炭素数10〜20を有する高級脂肪酸、炭素数が2以上のカルボキシル基を有する有機酸および塩酸からなる群から選ばれる1種以上を、a)のアミノ変性シリコーンに含まれるアミノ基1モルにつき0.2〜3モル、およびc)a)およびb)から構成される塩以外の塩を全組成物中0.1〜5重量%含有することを特徴とする油中水型乳化組成物を提供する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多量の水相成分を含む油中水型乳化組成物に関する。さらに詳しくは経時安定性が高く、皮膚へ適用する際の使用性が良く、耐水性に優れた皮膜が持続する油中水型乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
乳化組成物は、一般に水中油型と油中水型に大別され、このうち油中水型乳化組成物は、水中油型乳化組成物と比べ、肌への親和性がよく、肌表面を油膜で被覆して水分の蒸散を防ぎ、肌を乾燥から保護するなどの性質により基礎化粧料や、優れた撥水性を示すことから化粧崩れ防止や耐水性を訴求したメイクアップ化粧料などに広く用いられている。近年、油中水型乳化組成物においては、さっぱりとしてべたつきが少なく、撥水性の良いものを得るために、油剤としてシリコーン油が多量に使用され、乳化剤としてはシリコーン油との相溶性が良い親油性のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン系界面活性剤が汎用されている。
【0003】
しかしながら、これら界面活性剤だけではシリコーン油を大量に含んだ乳化物の経時安定性について十分満足いくものが得られなかった。特に、水相成分の配合量が50重量%以上になると長期間安定なものを得ることが困難であった。その為、ワックス、有機変性ベントナイト、架橋型メチルポリシロキサン等を配合して粘稠性を高める方法が知られているが、使用時のべたつきや、伸びの重さ、硬さなどの使用性が悪くなり、使用性の点において必ずしも十分満足いくものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は経時安定性が高く、使用性、耐水性に優れた化粧膜が持続する油中水型乳化組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意研究を行った結果、次の油中水型乳化組成物が上記の目的を達成することを確認し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は
a)式(1)
【化3】
[式中、R1〜R3は同一でも異なっていても良いC1〜C22のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はポリオキシアルキレン基を示し、R4〜R6の少なくとも一つは式(2):
【化4】
(式中、R7、R8はC1〜C6のアルキレン基、Sは0または1を示す)
を示し、残りは同一でも異なっていても良いC1〜C22のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はポリオキシアルキレン基を示し、m及びnは1以上の数を示す]
で示されるアミノ変性シリコーンを、全組成物中0.05〜5重量%、
b) 炭素数10〜20を有する高級脂肪酸、炭素数2以上のカルボキシル基を有する有機酸および塩酸からなる群から選ばれる1種以上を、a)のアミノ変性シリコーンに含まれるアミノ基1モルに対し0.2〜3モル、および
c) a)とb)から構成される塩以外の塩を全組成物中0.1〜5重量%
含有することを特徴とする油中水型組成物を提供する。
【0006】
なお本明細書において「アミノ変性シリコーンに含まれるアミノ基」とは、式(1)記載の化合物に含まれる1級アミノ基及び2級アミノ基の両方を含むものとする。
【0007】
本発明の乳化組成物は、水相成分を多量に配合できる。好ましくは本発明の油中水型乳化組成物中、水相成分は全組成物中の50重量%以上である。多量の水相成分を配合できると同時に、本発明の組成物は経時安定性、使用性、耐水性に優れた化粧膜が持続する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるa)成分である特定の構造からなるアミノ変性シリコーンは、シリコーンの片末端、両末端及び/又は側鎖にアミノ基を有するものであり、一般式(1)で表わされる:
【0009】
【化5】
[式中、R1〜R3は同一でも異なっていても良いC1〜C22のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はポリオキシアルキレン基を示し、R4〜R6の少なくとも一つは式(2):
【化6】
(式中、R7、R8はC1〜C6のアルキレン基、Sは0または1を示す)
を示し、残りは同一でも異なっていても良いC1〜C22のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はポリオキシアルキレン基を示し、m及びnは1以上の数を示す)]
上記式において、R1〜6のいずれかがポリオキシアルキレンの場合、アルキレン基の炭素数は2〜4、平均重合度は好ましくは1〜50である。
【0010】
このようなアミノ変性シリコーンのうちR5およびR6が式(2)で示される基である両末端アミノ変性シリコーンとしては、SM87022C、BY16−853B(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、X−22−161A(信越化学工業(株)製)およびF0−204−60(日本ユニカー(株)製)が例示される。また、R4が式(2)で示される基である側鎖アミノ変性シリコーンとしては、SF8451C、SF8452C、SF8457C、BY16−872(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、KF393、KF864(信越化学工業(株)製)、SS−3551、SS−3552、FZ−3705(日本ユニカー(株)製)等の市販のものがいずれも好適に用いられる。
【0011】
充分な水相成分を乳化するためには、本発明において用いられるアミノ変性シリコーンは、アミノ当量(分子量/1分子あたり1級および2級アミノ基の合計数)が300〜30,000g/mol、特に1,000〜20,000g/molであるものが好ましい。
【0012】
アミノ変性シリコーンは、そのアミノ当量にもよるが本発明の油中水型乳化組成物の全体の0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%含有される。すなわち、アミノ当量が300g/mol以下で、かつ配合量が0.05重量%未満では、内相50.0重量%以上の水相成分を乳化できない。またアミノ当量が40,000g/mol以上であるものを5重量%を越えて配合すると、厚い皮膜を形成し、伸びが悪く、使用感が重くなることから好ましくない。
【0013】
本発明においてb)成分として用いられる炭素数10〜20を有する高級脂肪酸は、具体的にはカプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。これらの中でも常温で液状のものが好ましい。
【0014】
本発明のb)成分として用いられる炭素数が2以上のカルボキシル基を有する有機酸としては、酢酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、オキサル酢酸、グリセリン酸、ニコチン酸等が挙げられる。中でも、クエン酸、リンゴ酸などが好ましく用いられる。
【0015】
本発明のb)成分、即ち炭素数が10〜20の高級脂肪酸、炭素数が2以上のカルボキシル基を有する有機酸および塩酸から選ばれる成分の合計含有量は、a)成分のアミノ変性シリコーンに含まれるアミノ基1モルにつき0.2〜3モル、より好ましくは0.5〜2モルとなる量である。
【0016】
アミノ基1モルにつき0.2モル以下であると上記アミノ変性シリコーンとの間の塩の形成が不十分で油中水型乳化組成物の経時安定性に優れない。一方、3モルを超える量を配合しても効果を増強するものではなく、却って使用時におけるベタツキ感がもたらされるため好ましくない。
【0017】
成分a)のアミノ変性シリコーンと、b)成分は好ましくは塩を形成する。塩の生成は処方上で行っても良いし、a)b)成分を混合して先に塩を形成させ、次いで該処方へ配合しても良い。いずれの方法でも同様の効果が期待できる。
【0018】
本発明に用いられるc)成分である塩としては、有機塩および無機塩がいずれも用いられる。有機塩としてはアルギン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。無機塩としては、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、又はアンモニウム塩等が挙げられ、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化アンモニウム等の塩化物、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸アンモニウム等の硫酸塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸アルミニウム、硝酸亜鉛、硝酸アンモニウム等の硝酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸塩が挙げられる。
【0019】
これらの中でも特に、無機塩が好適に用いられ、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムおよび硫酸アルミニウムが好ましい。c)成分の配合量は、本発明の組成物中0.1〜5.0重量%、好ましくは0.2〜3.0重量である。0.1重量%未満では乳化物の安定性を向上させることができず、また、5.0重量%を越えて配合しても効果を増強するものではなく、使用感においてもベタツキ感を感じる。
【0020】
本発明の油中水型乳化組成物に配合される油相成分としては、通常化粧料に使用される油相成分を使用することができる。具体的にはスクワラン、流動パラフィン、ワセリン、固形パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンなどの炭化水素、オリーブ油、アーモンド油、カカオ脂、マカデミアナッツ油、アボガド油、(硬化)パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、月見草油、合成トリグリセライドなどの油脂、ミツロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油などのロウ、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸などの脂肪酸、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデシルアルコール、コレステロールなどの高級アルコール、IPM、グリセリントリエステル、ペンタエリスリトールテトラエステル、コレステリルエステルなどのエステル、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルテトラペンタシロキサンなどのシリコーン油、ポリエーテル変性、フッ素変性等の各種変性シリコーン剤等が挙げられる。
【0021】
本発明の乳化組成物においては、前記油相成分は組成物中に組成物全量に対して好ましくは10〜50重量%の範囲で配合される。10重量%未満では、組成物を油中水型にすることが困難である。また、50重量%以上配合すると内相の水が少なくなり、皮膚外用剤として使用する際の使用感の面で潤い感に欠け好ましくない。
【0022】
本発明の油中水型乳化組成物に油相成分と共に配合される水相成分としては、通常化粧料や皮膚外用剤に配合されるものがいずれも好適に用いることができる。かかる水相成分の例としては、水、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、アラビアガム、キサンタンガム、デキストリン、カードラン、デンプン、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ベントナイト、ラポナイト、コロイダルシリカなどの水溶性高分子および水膨潤性粘土鉱物、クエン酸、乳酸などの有機酸、アミノ酸、パラベン類、ソルビン酸、イソプロピルメチルフェノール、フェノキシエタノールなどの防腐剤、EDTAなどのキレート剤等の水溶性化合物が例示される。上記成分は単独で、あるいは水溶液として、さらには1種以上を混合して用いることができる。なお、上記成分c)として配合される塩は水相成分に含まれる。
【0023】
本発明の組成物においては、水相成分を組成物全量に対して50重量%以上、好ましくは50〜90重量%未満の範囲で配合するものである。水相成分が水である場合には60重量%以上がよく、このようにすることにより潤い感を付与でき好ましい。水相成分が50重量%未満の配合量では、塗布時ののびが悪く、油っぽく、潤い感に欠ける。逆に90重量%以上配合すると油中水型にすることが困難となる。
【0024】
本発明の油中水型乳化組成物には、上記構成成分に加え、目的に応じて本発明を損なわない範囲で、着色顔料、光輝性顔料、有機粉体、無機粉体、表面処理粉体、タール色素、油剤、樹脂、界面活性剤、紫外線吸収剤、香料、保香剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、保湿剤、美容成分、粘剤、生理活性成分および溶剤等、通常皮膚外用剤、特に化粧品に配合される他成分を配合することが可能である。
【0025】
本発明の油中水型乳化組成物は、従来から油中水型乳化組成物を製造する際に用いられるいかなる方法によって調製されてもよい。
例えば、本発明のa)、b)成分およびその他の油相成分を必要に応じて加熱しながら均一に分散させる。別途本発明のc)成分およびその他の成分を水相成分中へ必要に応じて加熱しながら溶解ないし分散させる。得られた油相成分に水相成分を加え、常套の方法によって乳化組成物を得ることができる。
【0026】
本発明の組成物は皮膚外用剤として、医薬品や化粧料等、特に化粧料に好適に用いられ、例えば乳液、スキンクリーム、ヘアクリーム、リキッドファンデーション、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ等に処方することができる。剤型は、乳液状、ペースト状、ゲル状等の形態を適宜選択することができる。
【0027】
[実施例1〜6、比較例1〜7]
表1に示す組成の保湿クリームを調製し、経時安定性、使用性、耐水性の評価を行った。
【0028】
【表1】
保湿クリーム処方
【0029】
(製法)
(1)〜(4)を加熱し均一に分散する。別の容器に(5)〜(10)を加熱溶解させた。(1)〜(4)に(5)〜(8)を加え乳化を行い室温まで冷却した。
【0030】
この性能試験における評価基準は以下のとおりである。
[安定性の評価基準]
得られた保湿クリームを40℃、25℃、5℃の恒温槽に保管し、1ヵ月後の状態を観察し下記基準により評価した。
〇:状態変化が見られない。
△:僅かに分離。
×:明らかに分離。
【0031】
[使用性の評価基準]
得られた保湿クリームを女性パネラー(10〜15人)が通常の使用方法にて用い、塗布時の「のびの良さ」、「油っぽさのなさ」について、塗布後の「べたつきのなさ」について、5:非常に良い、4:良い、3:普通、2:やや悪い、1:悪いの5段階で評価した。平均点を評価として表2の判定符号を付した。
【0032】
[耐水性の評価基準]
得られた保湿クリームを1辺7cmの石英版に塗布し室温にて1時間乾燥させた後、一定の水流下にさらし、状態を観察し下記基準により評価した。
〇:状態変化が見られない。
△:僅かに剥離している。
×:完全に剥離している。
【0033】
使用性テストにおける評価点と判定符号
【表2】
【0034】
【表3】
安定性および、使用性テストの結果
【0035】
表3から明らかなごとく、本発明の油中水型乳化組成物は、いずれの場合においても状態変化が認められず、良好な性能を示した。
本発明の油中水型乳化組成物は、塗布時ののびが良く、油っぽさやべたつきがなくさっぱりしており、使用感に優れると共に、塗布後の膜においても耐水性が高く、化粧の持続性に優れたものであった。
【0036】
[実施例7]
【表4】
【0037】
<製法及び製品の性能>
(1)〜(5)に(11)〜(13)を加え、撹拌機にて均一に分散した。別の容器に(6)〜(10)を加熱溶解した。(1)〜(5)及び(11)〜(13)に(6)〜(10)を加え乳化後、室温まで冷却し、目的のW/O乳化型ファンデーションを得た。得られたW/O乳化型ファンデーションは、皮膚に塗布した場合、潤いを与え、しっとりとした感触を有し、べたつかず、のびが軽く、化粧持ちが良いものであった。また、安定性も良好なものであった。
【0038】
[実施例8]
【表5】
【0039】
<製法及び製品の性能>
(1)〜(9)を加熱し均一に分散した。別の容器に(10)〜(14)を加熱溶解した。(1)〜(9)に(10)〜(14)を加え乳化後、室温まで冷却し、目的のサンスクリーンクリームを得た。得られたサンスクリーンは、皮膚に塗布した場合、潤いを与え、しっとりとした感触を有し、べたつかず、のびが軽く、化粧持ちが良く、安定性も良好なものであった。
【0040】
[実施例9]
【表6】
【0041】
<製法及び製品の性能>
(1)〜(6)を加熱し均一に分散した。別の容器に(7)〜(12)を加熱溶解した。(1)〜(6)に(7)〜(12)を加え乳化後、室温まで冷却し、目的のヘアスタイリングクリームを得た。得られたヘアスタイリングクリームは、毛髪に塗布した場合、しっとりとした感触を有し、べたつかず、のびが軽く、安定性も良好なものであった。
【0042】
[実施例10]
【表7】
【0043】
<製法及び製品の性能>
(1)〜(5)を加熱し均一に分散した。別の容器に(6)〜(10)を加熱溶解した。(1)〜(5)に(6)〜(10)を加え乳化後、室温まで冷却し、目的のスキンクリームを得た。得られたクリームは、皮膚に塗布した場合、潤いを与え、しっとりとした感触を有し、べたつかなく、しかものびが軽く、安定性も良好なものであった。
【0044】
【発明の効果】
以上の実施例及び実施の形態等の記載から明らかように、本発明は、乳化剤もしくは乳化助剤として、特定の構造からなるアミノ変性シリコーンと炭素数10〜20の範囲である高級脂肪酸、炭素数が2以上のカルボキシル基を有する有機酸、塩酸の中から選ばれる1種または2種以上、塩を含有した油中水型乳化組成物は、水相成分を多量に配合でき、べたつかず、経時安定性、使用性に優れた特性を有する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、多量の水相成分を含む油中水型乳化組成物に関する。さらに詳しくは経時安定性が高く、皮膚へ適用する際の使用性が良く、耐水性に優れた皮膜が持続する油中水型乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
乳化組成物は、一般に水中油型と油中水型に大別され、このうち油中水型乳化組成物は、水中油型乳化組成物と比べ、肌への親和性がよく、肌表面を油膜で被覆して水分の蒸散を防ぎ、肌を乾燥から保護するなどの性質により基礎化粧料や、優れた撥水性を示すことから化粧崩れ防止や耐水性を訴求したメイクアップ化粧料などに広く用いられている。近年、油中水型乳化組成物においては、さっぱりとしてべたつきが少なく、撥水性の良いものを得るために、油剤としてシリコーン油が多量に使用され、乳化剤としてはシリコーン油との相溶性が良い親油性のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン系界面活性剤が汎用されている。
【0003】
しかしながら、これら界面活性剤だけではシリコーン油を大量に含んだ乳化物の経時安定性について十分満足いくものが得られなかった。特に、水相成分の配合量が50重量%以上になると長期間安定なものを得ることが困難であった。その為、ワックス、有機変性ベントナイト、架橋型メチルポリシロキサン等を配合して粘稠性を高める方法が知られているが、使用時のべたつきや、伸びの重さ、硬さなどの使用性が悪くなり、使用性の点において必ずしも十分満足いくものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は経時安定性が高く、使用性、耐水性に優れた化粧膜が持続する油中水型乳化組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意研究を行った結果、次の油中水型乳化組成物が上記の目的を達成することを確認し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は
a)式(1)
【化3】
[式中、R1〜R3は同一でも異なっていても良いC1〜C22のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はポリオキシアルキレン基を示し、R4〜R6の少なくとも一つは式(2):
【化4】
(式中、R7、R8はC1〜C6のアルキレン基、Sは0または1を示す)
を示し、残りは同一でも異なっていても良いC1〜C22のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はポリオキシアルキレン基を示し、m及びnは1以上の数を示す]
で示されるアミノ変性シリコーンを、全組成物中0.05〜5重量%、
b) 炭素数10〜20を有する高級脂肪酸、炭素数2以上のカルボキシル基を有する有機酸および塩酸からなる群から選ばれる1種以上を、a)のアミノ変性シリコーンに含まれるアミノ基1モルに対し0.2〜3モル、および
c) a)とb)から構成される塩以外の塩を全組成物中0.1〜5重量%
含有することを特徴とする油中水型組成物を提供する。
【0006】
なお本明細書において「アミノ変性シリコーンに含まれるアミノ基」とは、式(1)記載の化合物に含まれる1級アミノ基及び2級アミノ基の両方を含むものとする。
【0007】
本発明の乳化組成物は、水相成分を多量に配合できる。好ましくは本発明の油中水型乳化組成物中、水相成分は全組成物中の50重量%以上である。多量の水相成分を配合できると同時に、本発明の組成物は経時安定性、使用性、耐水性に優れた化粧膜が持続する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるa)成分である特定の構造からなるアミノ変性シリコーンは、シリコーンの片末端、両末端及び/又は側鎖にアミノ基を有するものであり、一般式(1)で表わされる:
【0009】
【化5】
[式中、R1〜R3は同一でも異なっていても良いC1〜C22のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はポリオキシアルキレン基を示し、R4〜R6の少なくとも一つは式(2):
【化6】
(式中、R7、R8はC1〜C6のアルキレン基、Sは0または1を示す)
を示し、残りは同一でも異なっていても良いC1〜C22のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はポリオキシアルキレン基を示し、m及びnは1以上の数を示す)]
上記式において、R1〜6のいずれかがポリオキシアルキレンの場合、アルキレン基の炭素数は2〜4、平均重合度は好ましくは1〜50である。
【0010】
このようなアミノ変性シリコーンのうちR5およびR6が式(2)で示される基である両末端アミノ変性シリコーンとしては、SM87022C、BY16−853B(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、X−22−161A(信越化学工業(株)製)およびF0−204−60(日本ユニカー(株)製)が例示される。また、R4が式(2)で示される基である側鎖アミノ変性シリコーンとしては、SF8451C、SF8452C、SF8457C、BY16−872(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、KF393、KF864(信越化学工業(株)製)、SS−3551、SS−3552、FZ−3705(日本ユニカー(株)製)等の市販のものがいずれも好適に用いられる。
【0011】
充分な水相成分を乳化するためには、本発明において用いられるアミノ変性シリコーンは、アミノ当量(分子量/1分子あたり1級および2級アミノ基の合計数)が300〜30,000g/mol、特に1,000〜20,000g/molであるものが好ましい。
【0012】
アミノ変性シリコーンは、そのアミノ当量にもよるが本発明の油中水型乳化組成物の全体の0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%含有される。すなわち、アミノ当量が300g/mol以下で、かつ配合量が0.05重量%未満では、内相50.0重量%以上の水相成分を乳化できない。またアミノ当量が40,000g/mol以上であるものを5重量%を越えて配合すると、厚い皮膜を形成し、伸びが悪く、使用感が重くなることから好ましくない。
【0013】
本発明においてb)成分として用いられる炭素数10〜20を有する高級脂肪酸は、具体的にはカプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。これらの中でも常温で液状のものが好ましい。
【0014】
本発明のb)成分として用いられる炭素数が2以上のカルボキシル基を有する有機酸としては、酢酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、オキサル酢酸、グリセリン酸、ニコチン酸等が挙げられる。中でも、クエン酸、リンゴ酸などが好ましく用いられる。
【0015】
本発明のb)成分、即ち炭素数が10〜20の高級脂肪酸、炭素数が2以上のカルボキシル基を有する有機酸および塩酸から選ばれる成分の合計含有量は、a)成分のアミノ変性シリコーンに含まれるアミノ基1モルにつき0.2〜3モル、より好ましくは0.5〜2モルとなる量である。
【0016】
アミノ基1モルにつき0.2モル以下であると上記アミノ変性シリコーンとの間の塩の形成が不十分で油中水型乳化組成物の経時安定性に優れない。一方、3モルを超える量を配合しても効果を増強するものではなく、却って使用時におけるベタツキ感がもたらされるため好ましくない。
【0017】
成分a)のアミノ変性シリコーンと、b)成分は好ましくは塩を形成する。塩の生成は処方上で行っても良いし、a)b)成分を混合して先に塩を形成させ、次いで該処方へ配合しても良い。いずれの方法でも同様の効果が期待できる。
【0018】
本発明に用いられるc)成分である塩としては、有機塩および無機塩がいずれも用いられる。有機塩としてはアルギン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。無機塩としては、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、又はアンモニウム塩等が挙げられ、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化アンモニウム等の塩化物、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸アンモニウム等の硫酸塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸アルミニウム、硝酸亜鉛、硝酸アンモニウム等の硝酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸塩が挙げられる。
【0019】
これらの中でも特に、無機塩が好適に用いられ、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムおよび硫酸アルミニウムが好ましい。c)成分の配合量は、本発明の組成物中0.1〜5.0重量%、好ましくは0.2〜3.0重量である。0.1重量%未満では乳化物の安定性を向上させることができず、また、5.0重量%を越えて配合しても効果を増強するものではなく、使用感においてもベタツキ感を感じる。
【0020】
本発明の油中水型乳化組成物に配合される油相成分としては、通常化粧料に使用される油相成分を使用することができる。具体的にはスクワラン、流動パラフィン、ワセリン、固形パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンなどの炭化水素、オリーブ油、アーモンド油、カカオ脂、マカデミアナッツ油、アボガド油、(硬化)パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、月見草油、合成トリグリセライドなどの油脂、ミツロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油などのロウ、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸などの脂肪酸、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデシルアルコール、コレステロールなどの高級アルコール、IPM、グリセリントリエステル、ペンタエリスリトールテトラエステル、コレステリルエステルなどのエステル、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルテトラペンタシロキサンなどのシリコーン油、ポリエーテル変性、フッ素変性等の各種変性シリコーン剤等が挙げられる。
【0021】
本発明の乳化組成物においては、前記油相成分は組成物中に組成物全量に対して好ましくは10〜50重量%の範囲で配合される。10重量%未満では、組成物を油中水型にすることが困難である。また、50重量%以上配合すると内相の水が少なくなり、皮膚外用剤として使用する際の使用感の面で潤い感に欠け好ましくない。
【0022】
本発明の油中水型乳化組成物に油相成分と共に配合される水相成分としては、通常化粧料や皮膚外用剤に配合されるものがいずれも好適に用いることができる。かかる水相成分の例としては、水、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、アラビアガム、キサンタンガム、デキストリン、カードラン、デンプン、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ベントナイト、ラポナイト、コロイダルシリカなどの水溶性高分子および水膨潤性粘土鉱物、クエン酸、乳酸などの有機酸、アミノ酸、パラベン類、ソルビン酸、イソプロピルメチルフェノール、フェノキシエタノールなどの防腐剤、EDTAなどのキレート剤等の水溶性化合物が例示される。上記成分は単独で、あるいは水溶液として、さらには1種以上を混合して用いることができる。なお、上記成分c)として配合される塩は水相成分に含まれる。
【0023】
本発明の組成物においては、水相成分を組成物全量に対して50重量%以上、好ましくは50〜90重量%未満の範囲で配合するものである。水相成分が水である場合には60重量%以上がよく、このようにすることにより潤い感を付与でき好ましい。水相成分が50重量%未満の配合量では、塗布時ののびが悪く、油っぽく、潤い感に欠ける。逆に90重量%以上配合すると油中水型にすることが困難となる。
【0024】
本発明の油中水型乳化組成物には、上記構成成分に加え、目的に応じて本発明を損なわない範囲で、着色顔料、光輝性顔料、有機粉体、無機粉体、表面処理粉体、タール色素、油剤、樹脂、界面活性剤、紫外線吸収剤、香料、保香剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、保湿剤、美容成分、粘剤、生理活性成分および溶剤等、通常皮膚外用剤、特に化粧品に配合される他成分を配合することが可能である。
【0025】
本発明の油中水型乳化組成物は、従来から油中水型乳化組成物を製造する際に用いられるいかなる方法によって調製されてもよい。
例えば、本発明のa)、b)成分およびその他の油相成分を必要に応じて加熱しながら均一に分散させる。別途本発明のc)成分およびその他の成分を水相成分中へ必要に応じて加熱しながら溶解ないし分散させる。得られた油相成分に水相成分を加え、常套の方法によって乳化組成物を得ることができる。
【0026】
本発明の組成物は皮膚外用剤として、医薬品や化粧料等、特に化粧料に好適に用いられ、例えば乳液、スキンクリーム、ヘアクリーム、リキッドファンデーション、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ等に処方することができる。剤型は、乳液状、ペースト状、ゲル状等の形態を適宜選択することができる。
【0027】
[実施例1〜6、比較例1〜7]
表1に示す組成の保湿クリームを調製し、経時安定性、使用性、耐水性の評価を行った。
【0028】
【表1】
保湿クリーム処方
【0029】
(製法)
(1)〜(4)を加熱し均一に分散する。別の容器に(5)〜(10)を加熱溶解させた。(1)〜(4)に(5)〜(8)を加え乳化を行い室温まで冷却した。
【0030】
この性能試験における評価基準は以下のとおりである。
[安定性の評価基準]
得られた保湿クリームを40℃、25℃、5℃の恒温槽に保管し、1ヵ月後の状態を観察し下記基準により評価した。
〇:状態変化が見られない。
△:僅かに分離。
×:明らかに分離。
【0031】
[使用性の評価基準]
得られた保湿クリームを女性パネラー(10〜15人)が通常の使用方法にて用い、塗布時の「のびの良さ」、「油っぽさのなさ」について、塗布後の「べたつきのなさ」について、5:非常に良い、4:良い、3:普通、2:やや悪い、1:悪いの5段階で評価した。平均点を評価として表2の判定符号を付した。
【0032】
[耐水性の評価基準]
得られた保湿クリームを1辺7cmの石英版に塗布し室温にて1時間乾燥させた後、一定の水流下にさらし、状態を観察し下記基準により評価した。
〇:状態変化が見られない。
△:僅かに剥離している。
×:完全に剥離している。
【0033】
使用性テストにおける評価点と判定符号
【表2】
【0034】
【表3】
安定性および、使用性テストの結果
【0035】
表3から明らかなごとく、本発明の油中水型乳化組成物は、いずれの場合においても状態変化が認められず、良好な性能を示した。
本発明の油中水型乳化組成物は、塗布時ののびが良く、油っぽさやべたつきがなくさっぱりしており、使用感に優れると共に、塗布後の膜においても耐水性が高く、化粧の持続性に優れたものであった。
【0036】
[実施例7]
【表4】
【0037】
<製法及び製品の性能>
(1)〜(5)に(11)〜(13)を加え、撹拌機にて均一に分散した。別の容器に(6)〜(10)を加熱溶解した。(1)〜(5)及び(11)〜(13)に(6)〜(10)を加え乳化後、室温まで冷却し、目的のW/O乳化型ファンデーションを得た。得られたW/O乳化型ファンデーションは、皮膚に塗布した場合、潤いを与え、しっとりとした感触を有し、べたつかず、のびが軽く、化粧持ちが良いものであった。また、安定性も良好なものであった。
【0038】
[実施例8]
【表5】
【0039】
<製法及び製品の性能>
(1)〜(9)を加熱し均一に分散した。別の容器に(10)〜(14)を加熱溶解した。(1)〜(9)に(10)〜(14)を加え乳化後、室温まで冷却し、目的のサンスクリーンクリームを得た。得られたサンスクリーンは、皮膚に塗布した場合、潤いを与え、しっとりとした感触を有し、べたつかず、のびが軽く、化粧持ちが良く、安定性も良好なものであった。
【0040】
[実施例9]
【表6】
【0041】
<製法及び製品の性能>
(1)〜(6)を加熱し均一に分散した。別の容器に(7)〜(12)を加熱溶解した。(1)〜(6)に(7)〜(12)を加え乳化後、室温まで冷却し、目的のヘアスタイリングクリームを得た。得られたヘアスタイリングクリームは、毛髪に塗布した場合、しっとりとした感触を有し、べたつかず、のびが軽く、安定性も良好なものであった。
【0042】
[実施例10]
【表7】
【0043】
<製法及び製品の性能>
(1)〜(5)を加熱し均一に分散した。別の容器に(6)〜(10)を加熱溶解した。(1)〜(5)に(6)〜(10)を加え乳化後、室温まで冷却し、目的のスキンクリームを得た。得られたクリームは、皮膚に塗布した場合、潤いを与え、しっとりとした感触を有し、べたつかなく、しかものびが軽く、安定性も良好なものであった。
【0044】
【発明の効果】
以上の実施例及び実施の形態等の記載から明らかように、本発明は、乳化剤もしくは乳化助剤として、特定の構造からなるアミノ変性シリコーンと炭素数10〜20の範囲である高級脂肪酸、炭素数が2以上のカルボキシル基を有する有機酸、塩酸の中から選ばれる1種または2種以上、塩を含有した油中水型乳化組成物は、水相成分を多量に配合でき、べたつかず、経時安定性、使用性に優れた特性を有する。
Claims (5)
- a)式(1)
を示し、残りは同一でも異なっていても良いC1〜C22のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はポリオキシアルキレン基を示し、m及びnは1以上の数を示す)
で示されるアミノ変性シリコーンを、全組成物中0.05〜5重量%、
b) 炭素数10〜20を有する高級脂肪酸、炭素数が2以上のカルボキシル基を有する有機酸および塩酸からなる群から選ばれる1種以上を、a)のアミノ変性シリコーンに含まれるアミノ基1モルにつき0.2〜3モル、および
c) a)およびb)から構成される塩以外の塩を全組成物中0.1〜5重量%含有することを特徴とする油中水型乳化組成物。 - 水相成分が、全組成物の50重量%以上である、請求項1記載の組成物。
- 水相成分が、全組成物の90重量%未満である、請求項1または2記載の組成物。
- b)成分の有機酸が酢酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、オキサル酢酸、グリセリン酸およびニコチン酸からなる群から選択される、請求項1〜3いずれかに記載の組成物。
- c)成分として用いられる塩がアルギン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム;および塩酸、硫酸、硝酸、炭酸またはリン酸の、アルカリ金属、アルカリ土金属、アルミニウム、亜鉛およびアンモニウム塩からなる群から選択される、請求項1〜4いずれかに記載の組成物。
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-
2002
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