JP2004137174A - 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents

2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004137174A
JP2004137174A JP2002301977A JP2002301977A JP2004137174A JP 2004137174 A JP2004137174 A JP 2004137174A JP 2002301977 A JP2002301977 A JP 2002301977A JP 2002301977 A JP2002301977 A JP 2002301977A JP 2004137174 A JP2004137174 A JP 2004137174A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adamantyl
acrylate
alkyl
meth
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002301977A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4171635B2 (ja
Inventor
Masao Yamaguchi
山口 真男
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP2002301977A priority Critical patent/JP4171635B2/ja
Publication of JP2004137174A publication Critical patent/JP2004137174A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4171635B2 publication Critical patent/JP4171635B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】半導体のレジスト材料等として有用な2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを、高回収率、高純度で、且つ厳密な温度管理等の煩雑な操作を要さずに得る。
【解決手段】
イソプロピルアルコールやテトラヒドロフラン等の25℃での誘電率が5.0〜25.0の溶媒と、メタノールやアセトニトリル等の25℃での誘電率が30.0〜40.0の溶媒とを3:97〜35:65の重量比で混合した混合溶媒を用いて再結晶する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法に関する。より詳しくは、半導体の製造工程に使用するレジスト等の材料の用途として有用な、純度の高い2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体製造プロセスにおいては半導体パターンのピッチが極めて微細化しており、そのため、半導体用レジスト材料も該微細化に適応したものを用いることが必要となっている。このような微細化に適応した半導体用レジスト材料としては、種々の化合物が提案されているが、半導体製造プロセスにおけるドライエッチング耐性が高いことからアルキルアダマンチルエステルポリマーに対する期待が高まっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
アルキルアダマンチルエステルポリマーとしては、置換基の位置及び種類の異なる種々のものが知られているが、解像度、ドライエッチング耐性等の点から、当該半導体用レジスト材料としては2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを重合させたものが特に優れている(例えば、非特許文献1、非特許文献2)。通常、このような2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートは、対応する2−アルキル−2−アダマンタノールやその金属塩と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により合成される。
【0004】
一般に、なんらかの合成方法で製造された有機化合物は、その使用目的に応じた純度とするために、洗浄、蒸留、再結晶(昌析)、各種吸着剤やイオン交換樹脂を用いたカラムクロマト等により精製される。
【0005】
これは2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートにおいても同様であり、たとえば、エステル化により製造した2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する精製方法、水と有機溶媒を用いた洗浄による精製方法、蒸留による精製方法が知られている。(例えば、非特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
【0006】
さらに、再結晶による精製方法も知られており、例えば、(i)芳香族炭化水素を含む溶媒、(ii)脂肪族炭化水素とエステルとの混合溶媒、(iii)水と水混和性溶媒との混合溶媒等が2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの再結晶溶媒として知られている(例えば、特許文献6、特許文献7)。
【0007】
上記各種精製方法のなかでも、目的物が2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートのように室温程度で固体である場合には、その操作や必要設備が簡単で、回収率がよく、さらには、高純度のものとしやすいという点で、工業的に可能であれば再結晶による精製を採用するのが一般的である。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−265212号公報
【特許文献2】
特開2001−166463号公報
【特許文献3】
国際公開第02/10112号パンフレット
【特許文献4】
特開2001−328967号公報
【特許文献5】
国際公開第02/12163号パンフレット
【特許文献6】
特開2001−192355号公報
【特許文献7】
特開2002−80408号公報
【非特許文献1】
タケチ他、「193nm 単層レジストのために2−メチル−2−アダマンチル グループを用いる影響(Impact of 2−methyl−2−Adamantyl Group Used for 193−nm Single−Layer Resist)」、ジャーナル オブ フォトポリマー サイエンス アンド テクノロジー(Journal of Photopolymer Science and Technology)、ザ テクニカル アソシエーション オブ フォトポリマー ジャパン(The Technical Association of Photopolymers JAPAN)、1996年、第9巻、第3号、p.475−488
【非特許文献2】
ハシモト他、「化学増幅レジスト中でのリソグラフ性能に対する光酸発生剤の構造依存性に関する研究(A Study of Photoacid Structure Dependence on Lightographic Performance in Chemically Amplified Resists)」、ジャーナルオブ フォトポリマー サイエンス アンド テクノロジー(Journal of Photopolymer Science and Technology)、ザ テクニカル アソシエーション オブフォトポリマー ジャパン(The Technical Association of Photopolymers JAPAN)、1996年、第9巻、第4号、p.591−600
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの再結晶による精製は、(i)少なくとも芳香族炭化水素を含む溶媒、(ii)脂肪族炭化水素とエステルとの混合溶媒、及び(iii)水と水混和性溶媒との混合溶媒から選択された溶媒が知られている。
【0010】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートについては、前記(i)または(ii)の方法では、再結晶の際の回収率が低いという問題点がある。
【0011】
すなわち、再結晶溶媒として各種の炭化水素系の有機溶媒またはエステル類を単独または混合して用いた場合には、このような溶媒に対する2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの溶解度が高すぎ、高い回収率で結晶を得ることが困難である。
【0012】
一方、前記(iii)のような水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用いると高い回収率で再結晶ができ、またガスクロマトグラフィーにて測定される純度も極めて高い。ところが本発明者等がさらに検討を進めた結果、この(iii)の溶媒系を用いた再結晶方法においても、以下のような問題点があることがわかった。
【0013】
即ち、水とアセトニトリル等の水混和性溶媒を用いて再結晶を行った場合、その純度を液体クロマトグラフィーで測定すると、ガスクロマトグラフィーでは検出されない不純物が存在することがわかった。これはガスクロマトグラフィーを用いた分析ではガス化しないため検出できない不純物が存在し、この不純物が(iii)の溶媒系を用いた再結晶では充分に除去しきれないためであると推測される。
【0014】
このような不純物の存在は、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを前述したような半導体製造用の材料として用いようとした場合に、近年の半導体製造工程における極めて低い不純物濃度に対する要求に照らして、十分なものとは言えないレベルであることがわかった。
【0015】
さらに、イソプロピルアルコールや、テトラヒドロフラン等の水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用いた場合には、満足のいく回収率で再結晶ができるが、反面、その再結晶時の温度及び溶媒量の管理が難しいことが明らかとなった。すなわち、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートはその融点が−10〜50℃程度であるが、再結晶時に粗原料と該混合溶媒を加熱して溶解させ均一溶液とする際の溶解温度が、通常はこの融点以上になってしまう。そして、該溶液を冷却して結晶を析出させる際、溶媒量が少なかったり、冷却速度が速すぎたりすると、上記融点より高い温度で2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの析出が始まってしまう。融点以上で析出した2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートは当然のごとく液状のものとして析出するため、これをさらに低温にした場合、その結晶中に多量の不純物を取り込んだまま結晶化してしまう。
【0016】
これは再結晶における冷却の温度管理を十分に注意深く行えば避け得るが、他面、工業的にはこのような温度管理は、再結晶の操作が煩雑になり、またその装置の点でもコストを上昇させる要因となる。
【0017】
また、温度管理を厳密にせずとも良くするために、融点以上の温度において2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの析出が起きないように使用する溶媒量を多くすると、今度は回収率が低下してしまうため、やはり工業的には問題がある。
【0018】
従って、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの再結晶用溶媒として、純度、回収率がともに高く、さらにはその再結晶時に必要以上の操作の煩雑さのない再結晶方法が求められている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、メタノールとIPAの混合溶媒を再結晶溶媒として用いることにより、純度、回収率がともに高く、さらに、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートが液状で析出してくることもないことを見出し、さらに検討をした結果本発明を完成した。
【0020】
即ち本発明は、2位に炭素数1〜5のアルキル基が置換した2−アダマンチル(メタ)アクリレートを、25℃における誘電率が5.0〜25.0である有機溶媒と、25℃における誘電率が30.0〜40.0である有機溶媒とが3:97〜35:65の重量比で混合されてなる混合溶媒を用いて再結晶を行うことを特徴とする2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、2位に炭素数1〜5のアルキル基が置換した2−アダマンチル(メタ)アクリレート、即ち、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに対して適用される。
【0022】
当該2位に置換している炭素数1〜5のアルキル基としては、直鎖状でも、分枝状でもよく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基等が例示される。
【0023】
このようなアルキル基を有す2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを具体的に例示すると、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルアクリレート、2−(1−メチルエチル)−2−アダマンチルアクリレート、2−ブチル−2−アダマンチルアクリレート、2−(2−メチルプロピル)−2−アダマンチルアクリレート、2−ペンチル−2−アダマンチルアクリレート、2−(3−メチルブチル)−2−アダマンチルアクリレート、2−(2−メチルブチル)−2−アダマンチルアクリレート等のアクリレート類及びこれらに対応するメタクリレート類が例示される。
【0024】
上記2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートのなかでも、半導体用レジスト材料としての有用性が高く、また、融点が低く、他の再結晶用溶媒を用いた際に液状で析出しやすい点で、2位に置換しているアルキル基が、メチル基またはエチル基のものである2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート又は2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートに対し本発明の製造方法を適用することが好ましい。さらに、室温で固体である2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートが特に好ましい。
【0025】
本発明の製造方法においては、再結晶溶媒として、25℃における誘電率が5.0〜25.0である有機溶媒と、25℃における誘電率が30.0〜40.0である有機溶媒との混合溶媒を用いる。これら有機溶媒は、誘電率が上記範囲内であれば特に制限されず公知の有機溶媒を用いれば良い。
【0026】
このような25℃における誘電率が5.0〜25.0である有機溶媒(以下、低誘電率溶媒)としては、酢酸エチル(6.0)、ジメチルホルムアミド(6.4)、ジメトキシエタン(7.2)、テトラヒドロフラン(7.6)、ジクロロメタン(8.9)、tert−ブタノール(12.5)、ヘキサノール(13.3)、シクロヘキサノール(15.0)、2−ブタノール(16.6)、メチルエチルケトン(18.5)、イソプロピルアルコール(19.9)、アセトン(20.6)、エタノール(24.6)等が例示される(かっこ内は25℃における誘電率。以下、溶媒名のあとにかっこのある場合はすべて同じ)。これらの溶媒のなかでも、25℃における誘電率が7.0〜20.0である有機溶媒を用いることが好ましく、毒性やコスト、得られた結晶の乾燥しやすさ等の点からテトラヒドロフラン又はイソプロピルアルコールが特に好ましい。
【0027】
また25℃における誘電率が30.0〜40.0である有機溶媒(以下、高誘電率溶媒)としては、1,4−ブタンジオール(30.2)、メタノール(32.7)、1,3−プロパンジオール(35.0)、アセトニトリル(35.9)、1,2−エタンジオール(37.7)等が例示され、これらのなかでも25℃における誘電率が31.0〜37.0である有機溶媒を用いることが好ましく、毒性やコスト、得られた結晶の乾燥しやすさ等の点からメタノール又はアセトニトリルが特に好ましい。また、これら溶媒を混合して用いても良い。
【0028】
本発明においては、上記低誘電率溶媒と、高誘電率溶媒とは、3:97〜35:65の重量比で混合して用いる。低誘電率溶媒がこれよりも少ないと、再結晶の際に2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートが液状のまま析出してくる場合がある。逆に、低誘電率溶媒が多すぎると、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの溶解度が高くなりすぎ、回収率が落ちる傾向がある。好ましくは、低誘電率溶媒と高誘電率溶媒が重量比で5:95〜15:85の範囲の混合溶媒の使用である。また、これら溶媒を混合して用いても良い。
【0029】
本発明の製造方法においては、上記の誘電率範囲外の溶媒(その他の溶媒)を、本発明の効果に影響のない範囲であれば少量併用してもよいが、再結晶溶媒の組成が複雑になり製造上好ましくない上、一般には、純度や回収率に悪影響を及ぼすため、その他の溶媒が含まれない再結晶溶媒を用いるほうが好ましい。
【0030】
本発明の製造方法において、純度及び回収率の点で特に好ましい再結晶溶媒としては、イソプロピルアルコールとメタノールと、イソプロピルアルコールとアセトニトリルと、又はテトラヒドロフランとアセトニトリルとが重量比5:95〜15:58の混合溶媒である。入手のし易さやコスト、使用時の臭気等を考慮すると、イソプロピルアルコールとメタノールとの重量比5:95〜15:58の混合溶媒が最も好ましい。
【0031】
本発明の製造方法においては、再結晶溶媒として上記した特定のものを用いる以外は、再結晶の操作は公知の方法を採用すればよい。具体的には、再結晶を目的とする2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを、室温程度で上記再結晶用の混合溶媒と混合し、該混合物を加熱して2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを溶解させ均一溶液とする。この場合の加熱温度は再結晶溶媒の沸点以下であり、通常は30〜70℃である。また再結晶用溶媒の使用量は、該加熱温度において2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートが完全に溶解する範囲で少ない方が好ましいが、少なすぎると析出した結晶と溶媒とが流動性の低いスラリー状になり、再結晶を行った容器からの取り出しが困難になる場合があるため、一般には、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートが1kgに対して0.3〜3L程度使用する。混入している不純物等によっては、用いる再結晶用溶媒に不溶なものがあるため、均一溶液とした後に一旦ろ過して該不純物を取り除いても良い。また、得られた均一溶液を活性炭等の吸着剤にて処理することも可能である。
【0032】
均一な加熱溶液を得た後、該均一溶液は冷却される。当該冷却は各種冷却装置を用いて強制冷却を行っても良いし、単に放置することによる自然放冷によっても良い。好ましくは、冷却速度が5℃/時間から0.1℃/時間になるよう調整しながら、強制冷却することである。当該冷却温度は結晶が析出していれば室温程度まででも良いが、回収率を考慮すると、−20〜10℃程度まで冷却することが好ましい。
【0033】
このようにして得られた2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの結晶は用いた再結晶用の溶媒と、ろ過等により分離した後、必要に応じて冷却したメタノール等の該2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの溶解度が低い溶媒で洗浄し、ついで乾燥させればよい。
【0034】
また必要に応じて、再結晶に先立ち、前記したような洗浄、蒸留等の他の精製方法を併用することも可能である。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
【0036】
合成例
攪拌翼、温度計、冷却管、滴下漏斗を取りつけた3Lの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下、2−アダマンタノン300g(2.0mol)をテトラヒドロフラン900mlに溶解し、臭化エチル262g(2.4mol)を加えた。この溶液に、窒素雰囲気下、金属リチウム27.8g(4.0mol)をこの時の反応温度が40℃前後になるようにコントロールしながら少量ずつ加えた。全量加え終わった後45℃に加温し、1時間反応熟成を行い、リチウム2−エチル−2−アダマンチルアルコラートの溶液を作成した。この時の2−アダマンタノンの転化率は98%であった。
【0037】
撹拌翼、温度計、冷却管を取りつけた5Lの4つ口フラスコを窒素置換し、これにメタクリル酸クロライド220g(2.1mol)と、重合禁止剤としてフェノチアジン0.8g(4mmol)を加え、前段で調製したリチウム2−エチル−2−アダマンチルアルコラートの溶液を窒素雰囲気下、反応温度が10℃以下となるように2時間かけて滴下した。滴下終了後10℃以下で4時間撹拌し反応を熟成した。
【0038】
反応熟成後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液500gを10℃以下で加えて1時間撹拌し、有機層を分離した。有機層をさらに10質量%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣にメタノール1.5Lを加えて撹拌し、不溶分をろ過して取り除いた。得られたろ液を減圧留去して溶媒を除去した後、残渣をヘプタン1.5Lに溶解させ、これに活性炭100gを入れて撹拌し、セライトろ過して活性炭を取り除き、ヘプタンを減圧留去して2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートの粗体453gを得た。この粗体の純度は液体クロマトグラフィー(GLサイエンス社製ODS−2カラム、アセトニトリル/水=9:1から6:4まで20分間で線形グラジエント、1mL/min、検出波長245nm)から82.2%であった。
【0039】
実施例1〜8及び比較例1〜13
合成例で合成した2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートの粗体10gをサンプル瓶に秤量し、表1に示す低誘電率溶媒と高誘電率溶媒の混合溶媒を、表に示す重量倍(1倍ならば10g、2倍ならば20g)だけサンプル瓶に仕込んだ。マグネチックスターラーで攪拌しながら水浴上で40℃まで加熱し、均一溶液とした。これを水浴に氷を少しずつ加えることで冷却していった。水浴の温度が0℃に達した後、1時間熟成し、吸引ろ過して固体を取り出した。固体は減圧乾燥し、その重量から回収率を、液体クロマトグラフィーから純度をそれぞれ算出した。
【0040】
なお、以下の表中、IPAはイソプロピルアルコールを、THFはテトラヒドロフランを示す。「他の溶媒」として用いた溶媒の誘電率は、水が78、トルエンが2.4、ヘプタンが1.9である。また、使用した溶媒に含まれる水分量はいずれも1%未満である。
【0041】
【表1】
Figure 2004137174
【0042】
比較例14
酢酸エチルとヘプタンとの混合溶媒を用い、表1に示す条件で、実施例1の方法に準じて再結晶を行おうとしたが、0℃まで冷却しても結晶が析出してこなかった。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明の方法を用いて2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造を行うことにより、高純度、高回収率で製造することができ、さらには、再結晶時の温度管理を特に気にせずに行うことが可能となる。従って、本発明の製造方法は、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法として特に有用である。

Claims (3)

  1. 2位に炭素数1〜5のアルキル基が置換した2−アダマンチル(メタ)アクリレートを、25℃における誘電率が5.0〜25.0である有機溶媒と、25℃における誘電率が30.0〜40.0である有機溶媒とが、3:97〜35:65の重量比で混合されてなる混合溶媒を用いて再結晶を行うことを特徴とする2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
  2. 25℃における誘電率が5.0〜25.0である有機溶媒が、テトラヒドロフラン及び/又はイソプロピルアルコールである、請求項1記載の製造方法。
  3. 25℃における誘電率が30.0〜40.0である有機溶媒が、メタノール及び/又はアセトニトリルである、請求項1又は2記載の製造方法。
JP2002301977A 2002-10-16 2002-10-16 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 Expired - Fee Related JP4171635B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002301977A JP4171635B2 (ja) 2002-10-16 2002-10-16 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002301977A JP4171635B2 (ja) 2002-10-16 2002-10-16 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004137174A true JP2004137174A (ja) 2004-05-13
JP4171635B2 JP4171635B2 (ja) 2008-10-22

Family

ID=32450183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002301977A Expired - Fee Related JP4171635B2 (ja) 2002-10-16 2002-10-16 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4171635B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006018902A1 (ja) * 2004-08-19 2006-02-23 Mitsubishi Chemical Corporation 2−メチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートの製造方法および2−メチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート
JP2007015962A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート類の製造方法
JP2014198698A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 大阪有機化学工業株式会社 アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法
CN104628561A (zh) * 2013-11-11 2015-05-20 傅志伟 一种2-乙基-2-金刚烷醇甲基丙烯酸酯的制备方法
CN110256251A (zh) * 2019-06-28 2019-09-20 宁波南大光电材料有限公司 一种高纯2-乙基-2-金刚烷醇甲基丙烯酸酯的提纯方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006018902A1 (ja) * 2004-08-19 2006-02-23 Mitsubishi Chemical Corporation 2−メチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートの製造方法および2−メチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート
JP2007015962A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート類の製造方法
JP2014198698A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 大阪有機化学工業株式会社 アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法
CN104628561A (zh) * 2013-11-11 2015-05-20 傅志伟 一种2-乙基-2-金刚烷醇甲基丙烯酸酯的制备方法
CN104628561B (zh) * 2013-11-11 2017-04-12 上海博康精细化工有限公司 一种2‑乙基‑2‑金刚烷醇甲基丙烯酸酯的制备方法
CN110256251A (zh) * 2019-06-28 2019-09-20 宁波南大光电材料有限公司 一种高纯2-乙基-2-金刚烷醇甲基丙烯酸酯的提纯方法
CN110256251B (zh) * 2019-06-28 2022-06-03 宁波南大光电材料有限公司 一种高纯2-乙基-2-金刚烷醇甲基丙烯酸酯的提纯方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4171635B2 (ja) 2008-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2005111097A1 (ja) アダマンタン誘導体、その製造方法及びフォトレジスト用感光材料
WO2006033359A1 (ja) アダマンタン誘導体、その製造方法及びフォトレジスト用感光材料
JP2000229911A (ja) 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法
JP4021199B2 (ja) 2−アルキル−2−アダマンチルエステルの製造方法
JP4171635B2 (ja) 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法
JP4456939B2 (ja) アダマンチルエステル類の精製方法
JP6478447B2 (ja) アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法
JP5124915B2 (ja) 2−アルキル−2−アダマンチルアクリレート類の製造方法
JP4442845B2 (ja) レジスト用モノマーおよびその精製方法
WO2005108343A1 (ja) アダマンタン誘導体、その製造方法及びフォトレジスト用感光材料
JP2003146979A (ja) ラクトン類の製造方法
JP4118653B2 (ja) 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法
JP2005002001A (ja) 高純度アダマンチル系化合物の製造方法
JP5993171B2 (ja) アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法
JP2021109857A (ja) アルコール化合物の製造方法及び(メタ)アクリレート化合物の製造方法
JP6685367B2 (ja) アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法
JP2008231064A (ja) カルバゾイルアルキル(メタ)アクリレートの製造方法
US7067692B2 (en) Production method of adamantyl acrylate compounds
JP4080723B2 (ja) レジスト用モノマーの製造方法
JP2004091402A (ja) アダマンチルアクリレート類の製造方法
JP2004210745A (ja) (メタ)アクリル酸エステルの製造方法
JP2010018566A (ja) アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法
JP4810111B2 (ja) アルコラート化合物の製造方法
JP2008094783A (ja) エーテルダイマー及びその精製方法
WO2011145354A1 (ja) 2-アルキル-2-アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080421

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080714

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080811

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140815

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees