JP2004134455A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気化学エッチングプロセスを安定して行うことができる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板10(p型の半導体基板)表面にエピタキシャル層11(n型の半導体層)を形成し、シリコン基板10及びエピタキシャル層11の周縁部、並びにシリコン基板10の裏面にn型拡散領域17を形成する。エピタキシャル層11にp型のゲージ拡散抵抗層18を形成し、エピタキシャル層11の表面側に電気化学エッチング用の電圧を供給するためのアルミ配線26を形成する。n型拡散領域17のゲージ拡散抵抗層18に対応する所定領域を窓開けするエッチングする。アルミ配線26を介して電圧を印加して、電気化学エッチングにより、n型拡散領域17の所定領域に窓開けした部分に対応するシリコン基板10の部位をエッチングしてダイヤフラム34を形成する。
【選択図】 図14
【解決手段】シリコン基板10(p型の半導体基板)表面にエピタキシャル層11(n型の半導体層)を形成し、シリコン基板10及びエピタキシャル層11の周縁部、並びにシリコン基板10の裏面にn型拡散領域17を形成する。エピタキシャル層11にp型のゲージ拡散抵抗層18を形成し、エピタキシャル層11の表面側に電気化学エッチング用の電圧を供給するためのアルミ配線26を形成する。n型拡散領域17のゲージ拡散抵抗層18に対応する所定領域を窓開けするエッチングする。アルミ配線26を介して電圧を印加して、電気化学エッチングにより、n型拡散領域17の所定領域に窓開けした部分に対応するシリコン基板10の部位をエッチングしてダイヤフラム34を形成する。
【選択図】 図14
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は加速度センサや圧力センサ等のような半導体装置の製造工程において、特に電気化学エッチングが行われる半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図15〜図28は、従来の電気化学エッチングが行われる半導体装置の製造工程を表している。なお、この従来例では、半導体装置は歪みセンサである。
【0003】
図15に示すように、歪みセンサを製造する場合、まず、p型のシリコン基板110を用意する。シリコン基板110を構成するウエハはチッピングで異物が出ないように、周縁部のコーナーCはテーパを形成するように斜めに形成されている。
【0004】
このシリコン基板100の一方の面にn型のエピタキシャル層111を所定の厚みに成長させる。なお、以下では説明の便宜上、シリコン基板110に各種の層や領域が形成されたものも含めて単に基板という。
【0005】
続いて、図16に示すように基板の表裏面全体及び基板の側面に酸化膜等による保護膜112を形成する。
なお、基板の表面は、図中、基板の上面を指し、裏面は基板の下面を指す。
【0006】
次に、図17に示すように基板の表面側にレジストを塗布して、レジスト膜113を形成し、フォトパターニングして、開口部114となる部分をエッチング除去する。
【0007】
次に、保護膜112において、開口部114に相対する部分をドライエッチングにて除去し、図18に示すように、開口部114に対応した保護膜112に開口部115を形成する。続いて、図18に示すようにレジスト膜113を除去する。
【0008】
続いて、図19に示すように高濃度の不純物(リン)を導入して開口部115に対応した部分にn型拡散層116を膜状に形成する。
次に、図示はしないが、基板の表面側にレジストを塗布して、レジスト膜を形成し、フォトパターニングして、ゲージ拡散抵抗層形成のための開口部となる部分や基板の周縁部分をエッチング除去する。そして、ボロンを固相拡散にて、ゲージ拡散抵抗層形成のための開口部を介してゲージ拡散を行い、ゲージ拡散抵抗層であるp+拡散抵抗層118を形成する(図20参照)。
【0009】
なお、ゲージ拡散抵抗層形成のための開口部に対応した部分、開口部115及び基板の周縁部表面、及び裏面には、前記ゲージ拡散抵抗層形成を酸化雰囲気中で行うため、保護膜112が形成される(図20参照)。
【0010】
次に、図21に示すように基板の表面にレジストを塗布して、レジスト膜119を形成し、フォトパターニングして、コンタクトホールに対応する開口部120,121となる部分や基板の外周縁部分をエッチング除去する。
【0011】
次に、前記レジスト膜119をエッチングマスクとして、保護膜112を選択的にドライエッチングし、配線形成の為のコンタクトホール122,123を形成する。その後、レジスト膜119をアッシングにて除去する(図22参照)。
【0012】
次に、図23に示すように基板上(表面)にアルミ合金膜124をスパッタリング法で形成する。
次に基板上にレジストを塗布し、露光、現像により電極/配線パターンを有するレジストマスク125を形成する(図24参照)。なお、このとき、基板の周縁部表面、すなわち、周縁部のコーナーCにはレジストマスク125aが残留する。
【0013】
このレジストマスク125,125aをエッチングマスクとし、アルミ合金膜124をエッチングし、図25に示すようにn型拡散層116に接続したアルミ配線126,p+拡散抵抗層118に接続したアルミ配線127,128を形成する。このとき、レジストマスク125aにより、基板の周縁部表面、すなわち、周縁部のコーナーCにはアルミ合金膜129が残留する。
【0014】
続いて、基板上(表面)にCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって窒化膜や酸化膜からなるパッシベーション膜130を形成する。さらにその上に図示しないレジスト膜を形成し、このレジスト膜をフォトパターニングし、このレジストパターンをマスクとしてパッシベーション膜130をドライエッチングする。このエッチングにて、パッシベーション膜130にボンディングパッドとなる開口部131を形成する(図26参照)。
【0015】
次に、基板裏面にCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって窒化膜132を形成し、さらにその上に図示しないレジスト膜を形成する(図26参照)。
続いて、このレジスト膜をフォトパターニングし、このレジストパターンをマスクとして窒化膜132をドライエッチングする。このエッチングにて、窒化膜132に開口部133を形成する(図27参照)。
【0016】
さらに、KOH水溶液等で基板の所定領域、すなわち、開口部133に対応した部分を電気化学エッチングする。この際、KOH水溶液に負の電圧を印加し、アルミ配線126に正の電圧を印加して、n型拡散層116を通して、エピタキシャル層111に正の電圧が印加されるようにする。このようにすると、pn接合で逆バイアスを掛けた状態となり、n層であるエピタキシャル層111のところ、すなわち、pn接合界面付近までエッチングされた後、エッチングがストップし、ダイヤフラム134が形成される。
【0017】
前記歪みセンサは、ウエハ上に複数のセンサチップ領域が形成され、それらセンサチップ領域は、図示しないスクライブライン領域によって区切られており、スクライブライン領域をダイシングカットすることにより、個々のセンサチップに分けられる。
【0018】
このようにして、歪みセンサが製造される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したようにシリコン基板100を構成するウエハはチッピングで異物が出ないように、周縁部のコーナーCはテーパを形成するように斜めに形成されている。このコーナーC部分は、シリコン基板110とエピタキシャル層111とのpn接合部分に跨って形成されている。
【0020】
コーナーC部分はテーパーとなっているため、図21に示す工程で、基板の表面にレジストを塗布した際、レジスト膜119はコーナーC上にも形成されるが、テーパーとなったコーナーC上にレジスト膜119が良好に付着されない場合がある。
【0021】
このようにレジスト膜119が良好にコーナーC上に付着されていない状態で、ドライエッチングしてレジスト膜119を除去すると、コーナーCに対応したテーパー部分の保護膜112(酸化膜)にピンホールが形成される。
【0022】
この後、図23に示すようにアルミ合金膜124を形成すると、コーナーC部分のシリコン基板110とエピタキシャル層111とのpn接合部分が前記ピンホールを介してショートした状態となる。
【0023】
そして、図24に示すように、アルミ合金膜124を形成し、その後、図25に示すようにアルミ合金膜124の除去を行う際に、コーナーC部分のアルミ合金膜124はアルミ合金膜129として残留する。
【0024】
残留したアルミ合金膜129は、図26、図27に示す工程ではそのまま残る。そして、図28に示す電気化学エッチングを行う際に、KOH水溶液に負の電圧を印加し、アルミ配線126に正の電圧を印加して、n型拡散層116を通して、エピタキシャル層111に正の電圧が印加されるようにするが、このとき、コーナーCのpn接合部分で電流リークする。
【0025】
この電流リークにより、ウエハの全面での電界が不均一になり、電気化学エッチングが良好に進まなくなり、エッチング不良が発生し、電気化学エッチングプロセスが不安定となる問題があった。
【0026】
本発明の目的は、電気化学エッチングプロセスを安定して行うことができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、p型の半導体基板表面にn型の半導体層を形成する工程と、p型の半導体基板及びn型の半導体層の周縁部、並びにp型の半導体基板の裏面にn型拡散領域を形成する工程と、n型の半導体層にp型のゲージ拡散抵抗層を形成する工程と、n型の半導体層の表面側に電気化学エッチング用の電圧を供給するための配線を形成する工程と、前記n型拡散領域の前記ゲージ拡散抵抗層に対応する所定領域を窓開けするエッチング工程と、前記配線を介して電圧を印加して、電気化学エッチングにより、n型拡散領域の所定領域に窓開けした部分に対応する前記半導体基板の部位をエッチングしてダイヤフラムを形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法を要旨とするものである。
【0028】
請求項2の発明は、請求項1において、前記n型拡散領域の形成と同時に、前記配線に電気的に接続するためのn型拡散層をn型の半導体層に形成することを特徴とする。
【0029】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、前記エッチング工程は前記配線に対して電圧を印加しない状態で行うことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項において、前記p型の半導体基板の周縁部のコーナーは、テーパを形成するように斜めに形成されていることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図14を参照して説明する。
図1〜図14には、本発明を歪みセンサに適用した場合の製造工程が示されている。
【0031】
図1に示すように、歪みセンサを製造する場合、まず、p型のシリコン基板10を用意する。なお、図1〜図14は、シリコン基板10を構成するウエハにおいて、周縁に近い部分の断面図を示している。
【0032】
又、シリコン基板10を構成するウエハはチッピングで異物が出ないように、周縁部のコーナーCはテーパを形成するように斜めになっている。
このシリコン基板10の一方の面にn型のエピタキシャル層11を所定の厚みに成長させる。例えば、エピタキシャル層11の厚みを10μm程度とする。
【0033】
なお、以下では説明の便宜上、シリコン基板10に各種の層や領域が形成されたものも含めて単に基板という。
続いて、図2に示すように基板の表裏面全体(基板の側面を含む)に酸化膜等による保護膜12を形成する。本実施形態では、酸化膜にて保護膜12が形成されている。
【0034】
なお、本実施形態では、基板の表面は、図中、基板の上面を指し、裏面は基板の下面を指す。
次に、基板の表面側にレジストを塗布して、レジスト膜13を形成し、フォトパターニングして、レジスト膜13において開口部14となる部分や基板の周縁部分(周縁部のコーナーCのテーパ部分を含む)をエッチング除去する(図3参照)。
【0035】
次に、図3に示すように、保護膜12において、開口部14に相対する部分、基板の周縁部表面、及び裏面をウェットエッチングにて保護膜12を除去し、開口部14に対応した保護膜12に開口部15を形成する。
【0036】
すなわち、このウェットエッチングにより、基板の周縁部側面の保護膜12も除去されることになる。
続いて、図4に示すようにレジスト膜13を除去し、高濃度の不純物(リン)を導入して開口部15に対応した部分にはn型拡散層16を、基板の周縁部表面、及び裏面にはn型拡散領域17を膜状に形成する(図5参照)。
【0037】
次に、図示はしないが、基板の表面側にレジストを塗布して、レジスト膜を形成し、フォトパターニングして、ゲージ拡散抵抗層形成のための開口部となる部分や基板の周縁部分をエッチング除去する。
【0038】
そして、ボロンを固相拡散にて、ゲージ拡散抵抗層形成のための開口部を介してゲージ拡散を行い、ゲージ拡散抵抗層であるp+ゲージ拡散抵抗層18を形成する。
【0039】
なお、ゲージ拡散抵抗層形成のための開口部に対応した部分、開口部15及び基板の周縁部表面、及び裏面には、前記ゲージ拡散抵抗層形成を酸化雰囲気中で行うため、保護膜12が形成される(図6参照)。
【0040】
次に、基板の表面にレジストを塗布して、レジスト膜19を形成し、フォトパターニングして、コンタクトホールに対応する開口部20,21となる部分や基板の外周縁部分をエッチング除去する(図7参照)。
【0041】
次に、前記レジスト膜19をエッチングマスクとして、保護膜12を選択的にエッチングし、配線形成の為のコンタクトホール22,23を形成した後、レジスト膜19は除去する。このとき、図8に示すように基板の周縁部表面及び裏面の保護膜12が除去される。
【0042】
次に、図9に示すように基板上(表面)にアルミ合金膜24をスパッタリング法で形成する。
次に基板上にレジストを塗布し、露光、現像により電極/配線パターンを有するレジストマスク25を形成する(図10参照)。なお、このとき、基板の周縁部表面、すなわち、周縁部のコーナーCにはレジストマスク25aが残留する。
【0043】
このレジストマスク25,25aをエッチングマスクとし、アルミ合金膜24をエッチングし、図11に示すようにn型拡散層16に接続したアルミ配線26,p+ゲージ拡散抵抗層18に接続したアルミ配線27,28を形成する。このとき、レジストマスク25aにより、基板の周縁部表面、すなわち、周縁部のコーナーCにはアルミ合金膜29が残留する。
【0044】
続いて、基板上(表面)にCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって窒化膜や酸化膜からなるパッシベーション膜30を形成する。さらにその上に図示しないレジスト膜を形成し、このレジスト膜をフォトパターニングし、このレジストパターンをマスクとしてパッシベーション膜30をドライエッチングする。このエッチングにて、パッシベーション膜30にボンディングパッドとなる開口部31を形成する(図12参照)。
【0045】
次に、基板裏面にCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって窒化膜32を形成し、さらにその上に図示しないレジスト膜を形成する(図12参照)。
続いて、このレジスト膜をフォトパターニングし、このレジストパターンをマスクとして窒化膜32をドライエッチングする。このエッチングにて、窒化膜32に開口部33を形成する(図13参照)。
【0046】
さらに、KOH水溶液等で基板の所定領域、すなわち、開口部33に対応したn型拡散領域17の部分をエッチングする。
この場合、最初に、KOH水溶液やアルミ配線26には電圧を印加せずに、開口部33に対応した窒化膜32の部分のエッチングを行う。そして、開口部33に対応した窒化膜32の部分のエッチングが進んで、シリコン基板10が露出した時点で、電気化学エッチングを行う。
【0047】
なお、開口部33に対応したn型拡散領域17部分のエッチングが進んで、シリコン基板10を露出させる工程は、本発明の「n型拡散領域17のゲージ拡散抵抗層に対応する所定領域を窓開けするエッチング工程」に相当する。
【0048】
電気化学エッチングでは、KOH水溶液に負の電圧を印加し、アルミ配線26に正の電圧を印加して、n型拡散層16を通して、エピタキシャル層11に正の電圧が印加されるようにする。このようにすると、pn接合で逆バイアスを掛けた状態となり、n層であるエピタキシャル層11のところ、すなわち、pn接合界面付近までエッチングされた後、エッチングがストップし、ダイヤフラム34が形成される。
【0049】
本実施形態の歪みセンサは、ウエハ上に複数のセンサチップ領域が形成され、それらセンサチップ領域は、図示しないスクライブライン領域によって区切られており、スクライブライン領域をダイシングカットすることにより、個々のセンサチップに分けられる。
【0050】
このようにして、歪みセンサが製造される。
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態では、シリコン基板10(p型の半導体基板)表面にエピタキシャル層11(n型の半導体層)を形成する工程と、シリコン基板10及びエピタキシャル層11の周縁部、並びにシリコン基板10の裏面にn型拡散領域17を形成する工程を備えている。
【0051】
又、エピタキシャル層11にp型のp+ゲージ拡散抵抗層18を形成する工程と、エピタキシャル層11の表面側に電気化学エッチング用の電圧を供給するためのアルミ配線26を形成する工程と、n型拡散領域17のp+ゲージ拡散抵抗層18に対応する所定領域を窓開けするエッチング工程とを備えている。
【0052】
さらに、本実施形態では、アルミ配線26を介して電圧を印加して、電気化学エッチングにより、n型拡散領域17の所定領域に窓開けした部分に対応するシリコン基板10の部位をエッチングしてダイヤフラム34を形成する工程とを備えている。
【0053】
上記のような工程を備えることにより、n型拡散領域17で、シリコン基板10(ウエハ)の周縁部を覆うことができる。
このため、その後に行われる同部分に対するアルミ合金膜24のスパッタリング時に、コーナーCのテーパー部分にアルミ合金膜24が形成されても、シリコン基板110とエピタキシャル層111とのpn接合部分がショートした状態となることはない。
【0054】
従って、アルミ合金膜24の除去時に、コーナーCのテーパー部分にアルミ合金膜29が残留しても、n型拡散領域17にてシリコン基板10の周縁部を覆うっているため、電気化学エッチングが行われた際、コーナーCのpn接合部分で電流リークすることはない。
【0055】
このように電流リークが生じないため、ウエハの全面での電界が不均一になるということがなくなり、電気化学エッチングプロセスを安定にすることができる効果を奏する。
【0056】
(2) 本実施形態では、n型拡散領域17の形成と同時に、アルミ配線26に電気的に接続するためのn型拡散層16をエピタキシャル層11に形成するようにした。
【0057】
この結果、n型拡散領域17とn型拡散層16とが同時に形成できるため、工程を簡略化することができ、別々の工程でn型拡散領域17とn型拡散層16とを製造する場合に比して、コストを低減することができる。
【0058】
(3) 本実施形態では、エッチング工程はアルミ配線26に対して電圧を印加しない状態で行うようにした。
この結果、窒化膜32の開口部33に対応した窒化膜32の部分のエッチングを行うことができる。
【0059】
(4) 本実施形態では、シリコン基板10の周縁部のコーナーCは、テーパを形成するように斜めに形成されている。
シリコン基板10の周縁部のコーナーCがテーパに形成されている場合において、従来問題があったウエハに対して、上記(1)の作用効果をそうすることができる。
【0060】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 前記実施形態では、歪みセンサの製造方法に具体化したが、加速度センサや、圧力センサのように物理量を検出できる他の半導体装置の製造方法に具体化してもよい、
○ 前記実施形態では、パッシベーション膜30は、窒化膜や酸化膜から構成したが、他の組成のパッシベーション膜にて構成してもよい。
【0061】
上記実施形態から把握できる、請求項以外の技術的思想について記載する。
(1) 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の製造方法にて製造された半導体装置。このようにすると、電気化学エッチングプロセスを効率的に行うことができ、歩留まりを良好にした半導体装置となる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の半導体装置の製造方法によれば、電気化学エッチングプロセスを安定して行うことができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した実施形態に関する半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図2】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図3】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図4】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図5】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図6】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図7】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図8】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図9】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図10】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図11】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図12】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図13】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図14】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図15】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図16】同じく従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図17】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図18】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図19】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図20】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図21】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図22】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図23】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図24】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図25】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図26】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図27】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図28】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【符号の説明】
10…シリコン基板(p型の半導体基板)
11…エピタキシャル層(n型の半導体層)
16…n型拡散層
17…n型拡散領域
18…ゲージ拡散抵抗層
26…アルミ配線(電気化学エッチング用の電圧を供給するための配線)
34…ダイヤフラム
C…コーナー
【発明の属する技術分野】
本発明は加速度センサや圧力センサ等のような半導体装置の製造工程において、特に電気化学エッチングが行われる半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図15〜図28は、従来の電気化学エッチングが行われる半導体装置の製造工程を表している。なお、この従来例では、半導体装置は歪みセンサである。
【0003】
図15に示すように、歪みセンサを製造する場合、まず、p型のシリコン基板110を用意する。シリコン基板110を構成するウエハはチッピングで異物が出ないように、周縁部のコーナーCはテーパを形成するように斜めに形成されている。
【0004】
このシリコン基板100の一方の面にn型のエピタキシャル層111を所定の厚みに成長させる。なお、以下では説明の便宜上、シリコン基板110に各種の層や領域が形成されたものも含めて単に基板という。
【0005】
続いて、図16に示すように基板の表裏面全体及び基板の側面に酸化膜等による保護膜112を形成する。
なお、基板の表面は、図中、基板の上面を指し、裏面は基板の下面を指す。
【0006】
次に、図17に示すように基板の表面側にレジストを塗布して、レジスト膜113を形成し、フォトパターニングして、開口部114となる部分をエッチング除去する。
【0007】
次に、保護膜112において、開口部114に相対する部分をドライエッチングにて除去し、図18に示すように、開口部114に対応した保護膜112に開口部115を形成する。続いて、図18に示すようにレジスト膜113を除去する。
【0008】
続いて、図19に示すように高濃度の不純物(リン)を導入して開口部115に対応した部分にn型拡散層116を膜状に形成する。
次に、図示はしないが、基板の表面側にレジストを塗布して、レジスト膜を形成し、フォトパターニングして、ゲージ拡散抵抗層形成のための開口部となる部分や基板の周縁部分をエッチング除去する。そして、ボロンを固相拡散にて、ゲージ拡散抵抗層形成のための開口部を介してゲージ拡散を行い、ゲージ拡散抵抗層であるp+拡散抵抗層118を形成する(図20参照)。
【0009】
なお、ゲージ拡散抵抗層形成のための開口部に対応した部分、開口部115及び基板の周縁部表面、及び裏面には、前記ゲージ拡散抵抗層形成を酸化雰囲気中で行うため、保護膜112が形成される(図20参照)。
【0010】
次に、図21に示すように基板の表面にレジストを塗布して、レジスト膜119を形成し、フォトパターニングして、コンタクトホールに対応する開口部120,121となる部分や基板の外周縁部分をエッチング除去する。
【0011】
次に、前記レジスト膜119をエッチングマスクとして、保護膜112を選択的にドライエッチングし、配線形成の為のコンタクトホール122,123を形成する。その後、レジスト膜119をアッシングにて除去する(図22参照)。
【0012】
次に、図23に示すように基板上(表面)にアルミ合金膜124をスパッタリング法で形成する。
次に基板上にレジストを塗布し、露光、現像により電極/配線パターンを有するレジストマスク125を形成する(図24参照)。なお、このとき、基板の周縁部表面、すなわち、周縁部のコーナーCにはレジストマスク125aが残留する。
【0013】
このレジストマスク125,125aをエッチングマスクとし、アルミ合金膜124をエッチングし、図25に示すようにn型拡散層116に接続したアルミ配線126,p+拡散抵抗層118に接続したアルミ配線127,128を形成する。このとき、レジストマスク125aにより、基板の周縁部表面、すなわち、周縁部のコーナーCにはアルミ合金膜129が残留する。
【0014】
続いて、基板上(表面)にCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって窒化膜や酸化膜からなるパッシベーション膜130を形成する。さらにその上に図示しないレジスト膜を形成し、このレジスト膜をフォトパターニングし、このレジストパターンをマスクとしてパッシベーション膜130をドライエッチングする。このエッチングにて、パッシベーション膜130にボンディングパッドとなる開口部131を形成する(図26参照)。
【0015】
次に、基板裏面にCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって窒化膜132を形成し、さらにその上に図示しないレジスト膜を形成する(図26参照)。
続いて、このレジスト膜をフォトパターニングし、このレジストパターンをマスクとして窒化膜132をドライエッチングする。このエッチングにて、窒化膜132に開口部133を形成する(図27参照)。
【0016】
さらに、KOH水溶液等で基板の所定領域、すなわち、開口部133に対応した部分を電気化学エッチングする。この際、KOH水溶液に負の電圧を印加し、アルミ配線126に正の電圧を印加して、n型拡散層116を通して、エピタキシャル層111に正の電圧が印加されるようにする。このようにすると、pn接合で逆バイアスを掛けた状態となり、n層であるエピタキシャル層111のところ、すなわち、pn接合界面付近までエッチングされた後、エッチングがストップし、ダイヤフラム134が形成される。
【0017】
前記歪みセンサは、ウエハ上に複数のセンサチップ領域が形成され、それらセンサチップ領域は、図示しないスクライブライン領域によって区切られており、スクライブライン領域をダイシングカットすることにより、個々のセンサチップに分けられる。
【0018】
このようにして、歪みセンサが製造される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したようにシリコン基板100を構成するウエハはチッピングで異物が出ないように、周縁部のコーナーCはテーパを形成するように斜めに形成されている。このコーナーC部分は、シリコン基板110とエピタキシャル層111とのpn接合部分に跨って形成されている。
【0020】
コーナーC部分はテーパーとなっているため、図21に示す工程で、基板の表面にレジストを塗布した際、レジスト膜119はコーナーC上にも形成されるが、テーパーとなったコーナーC上にレジスト膜119が良好に付着されない場合がある。
【0021】
このようにレジスト膜119が良好にコーナーC上に付着されていない状態で、ドライエッチングしてレジスト膜119を除去すると、コーナーCに対応したテーパー部分の保護膜112(酸化膜)にピンホールが形成される。
【0022】
この後、図23に示すようにアルミ合金膜124を形成すると、コーナーC部分のシリコン基板110とエピタキシャル層111とのpn接合部分が前記ピンホールを介してショートした状態となる。
【0023】
そして、図24に示すように、アルミ合金膜124を形成し、その後、図25に示すようにアルミ合金膜124の除去を行う際に、コーナーC部分のアルミ合金膜124はアルミ合金膜129として残留する。
【0024】
残留したアルミ合金膜129は、図26、図27に示す工程ではそのまま残る。そして、図28に示す電気化学エッチングを行う際に、KOH水溶液に負の電圧を印加し、アルミ配線126に正の電圧を印加して、n型拡散層116を通して、エピタキシャル層111に正の電圧が印加されるようにするが、このとき、コーナーCのpn接合部分で電流リークする。
【0025】
この電流リークにより、ウエハの全面での電界が不均一になり、電気化学エッチングが良好に進まなくなり、エッチング不良が発生し、電気化学エッチングプロセスが不安定となる問題があった。
【0026】
本発明の目的は、電気化学エッチングプロセスを安定して行うことができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、p型の半導体基板表面にn型の半導体層を形成する工程と、p型の半導体基板及びn型の半導体層の周縁部、並びにp型の半導体基板の裏面にn型拡散領域を形成する工程と、n型の半導体層にp型のゲージ拡散抵抗層を形成する工程と、n型の半導体層の表面側に電気化学エッチング用の電圧を供給するための配線を形成する工程と、前記n型拡散領域の前記ゲージ拡散抵抗層に対応する所定領域を窓開けするエッチング工程と、前記配線を介して電圧を印加して、電気化学エッチングにより、n型拡散領域の所定領域に窓開けした部分に対応する前記半導体基板の部位をエッチングしてダイヤフラムを形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法を要旨とするものである。
【0028】
請求項2の発明は、請求項1において、前記n型拡散領域の形成と同時に、前記配線に電気的に接続するためのn型拡散層をn型の半導体層に形成することを特徴とする。
【0029】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、前記エッチング工程は前記配線に対して電圧を印加しない状態で行うことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項において、前記p型の半導体基板の周縁部のコーナーは、テーパを形成するように斜めに形成されていることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図14を参照して説明する。
図1〜図14には、本発明を歪みセンサに適用した場合の製造工程が示されている。
【0031】
図1に示すように、歪みセンサを製造する場合、まず、p型のシリコン基板10を用意する。なお、図1〜図14は、シリコン基板10を構成するウエハにおいて、周縁に近い部分の断面図を示している。
【0032】
又、シリコン基板10を構成するウエハはチッピングで異物が出ないように、周縁部のコーナーCはテーパを形成するように斜めになっている。
このシリコン基板10の一方の面にn型のエピタキシャル層11を所定の厚みに成長させる。例えば、エピタキシャル層11の厚みを10μm程度とする。
【0033】
なお、以下では説明の便宜上、シリコン基板10に各種の層や領域が形成されたものも含めて単に基板という。
続いて、図2に示すように基板の表裏面全体(基板の側面を含む)に酸化膜等による保護膜12を形成する。本実施形態では、酸化膜にて保護膜12が形成されている。
【0034】
なお、本実施形態では、基板の表面は、図中、基板の上面を指し、裏面は基板の下面を指す。
次に、基板の表面側にレジストを塗布して、レジスト膜13を形成し、フォトパターニングして、レジスト膜13において開口部14となる部分や基板の周縁部分(周縁部のコーナーCのテーパ部分を含む)をエッチング除去する(図3参照)。
【0035】
次に、図3に示すように、保護膜12において、開口部14に相対する部分、基板の周縁部表面、及び裏面をウェットエッチングにて保護膜12を除去し、開口部14に対応した保護膜12に開口部15を形成する。
【0036】
すなわち、このウェットエッチングにより、基板の周縁部側面の保護膜12も除去されることになる。
続いて、図4に示すようにレジスト膜13を除去し、高濃度の不純物(リン)を導入して開口部15に対応した部分にはn型拡散層16を、基板の周縁部表面、及び裏面にはn型拡散領域17を膜状に形成する(図5参照)。
【0037】
次に、図示はしないが、基板の表面側にレジストを塗布して、レジスト膜を形成し、フォトパターニングして、ゲージ拡散抵抗層形成のための開口部となる部分や基板の周縁部分をエッチング除去する。
【0038】
そして、ボロンを固相拡散にて、ゲージ拡散抵抗層形成のための開口部を介してゲージ拡散を行い、ゲージ拡散抵抗層であるp+ゲージ拡散抵抗層18を形成する。
【0039】
なお、ゲージ拡散抵抗層形成のための開口部に対応した部分、開口部15及び基板の周縁部表面、及び裏面には、前記ゲージ拡散抵抗層形成を酸化雰囲気中で行うため、保護膜12が形成される(図6参照)。
【0040】
次に、基板の表面にレジストを塗布して、レジスト膜19を形成し、フォトパターニングして、コンタクトホールに対応する開口部20,21となる部分や基板の外周縁部分をエッチング除去する(図7参照)。
【0041】
次に、前記レジスト膜19をエッチングマスクとして、保護膜12を選択的にエッチングし、配線形成の為のコンタクトホール22,23を形成した後、レジスト膜19は除去する。このとき、図8に示すように基板の周縁部表面及び裏面の保護膜12が除去される。
【0042】
次に、図9に示すように基板上(表面)にアルミ合金膜24をスパッタリング法で形成する。
次に基板上にレジストを塗布し、露光、現像により電極/配線パターンを有するレジストマスク25を形成する(図10参照)。なお、このとき、基板の周縁部表面、すなわち、周縁部のコーナーCにはレジストマスク25aが残留する。
【0043】
このレジストマスク25,25aをエッチングマスクとし、アルミ合金膜24をエッチングし、図11に示すようにn型拡散層16に接続したアルミ配線26,p+ゲージ拡散抵抗層18に接続したアルミ配線27,28を形成する。このとき、レジストマスク25aにより、基板の周縁部表面、すなわち、周縁部のコーナーCにはアルミ合金膜29が残留する。
【0044】
続いて、基板上(表面)にCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって窒化膜や酸化膜からなるパッシベーション膜30を形成する。さらにその上に図示しないレジスト膜を形成し、このレジスト膜をフォトパターニングし、このレジストパターンをマスクとしてパッシベーション膜30をドライエッチングする。このエッチングにて、パッシベーション膜30にボンディングパッドとなる開口部31を形成する(図12参照)。
【0045】
次に、基板裏面にCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって窒化膜32を形成し、さらにその上に図示しないレジスト膜を形成する(図12参照)。
続いて、このレジスト膜をフォトパターニングし、このレジストパターンをマスクとして窒化膜32をドライエッチングする。このエッチングにて、窒化膜32に開口部33を形成する(図13参照)。
【0046】
さらに、KOH水溶液等で基板の所定領域、すなわち、開口部33に対応したn型拡散領域17の部分をエッチングする。
この場合、最初に、KOH水溶液やアルミ配線26には電圧を印加せずに、開口部33に対応した窒化膜32の部分のエッチングを行う。そして、開口部33に対応した窒化膜32の部分のエッチングが進んで、シリコン基板10が露出した時点で、電気化学エッチングを行う。
【0047】
なお、開口部33に対応したn型拡散領域17部分のエッチングが進んで、シリコン基板10を露出させる工程は、本発明の「n型拡散領域17のゲージ拡散抵抗層に対応する所定領域を窓開けするエッチング工程」に相当する。
【0048】
電気化学エッチングでは、KOH水溶液に負の電圧を印加し、アルミ配線26に正の電圧を印加して、n型拡散層16を通して、エピタキシャル層11に正の電圧が印加されるようにする。このようにすると、pn接合で逆バイアスを掛けた状態となり、n層であるエピタキシャル層11のところ、すなわち、pn接合界面付近までエッチングされた後、エッチングがストップし、ダイヤフラム34が形成される。
【0049】
本実施形態の歪みセンサは、ウエハ上に複数のセンサチップ領域が形成され、それらセンサチップ領域は、図示しないスクライブライン領域によって区切られており、スクライブライン領域をダイシングカットすることにより、個々のセンサチップに分けられる。
【0050】
このようにして、歪みセンサが製造される。
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態では、シリコン基板10(p型の半導体基板)表面にエピタキシャル層11(n型の半導体層)を形成する工程と、シリコン基板10及びエピタキシャル層11の周縁部、並びにシリコン基板10の裏面にn型拡散領域17を形成する工程を備えている。
【0051】
又、エピタキシャル層11にp型のp+ゲージ拡散抵抗層18を形成する工程と、エピタキシャル層11の表面側に電気化学エッチング用の電圧を供給するためのアルミ配線26を形成する工程と、n型拡散領域17のp+ゲージ拡散抵抗層18に対応する所定領域を窓開けするエッチング工程とを備えている。
【0052】
さらに、本実施形態では、アルミ配線26を介して電圧を印加して、電気化学エッチングにより、n型拡散領域17の所定領域に窓開けした部分に対応するシリコン基板10の部位をエッチングしてダイヤフラム34を形成する工程とを備えている。
【0053】
上記のような工程を備えることにより、n型拡散領域17で、シリコン基板10(ウエハ)の周縁部を覆うことができる。
このため、その後に行われる同部分に対するアルミ合金膜24のスパッタリング時に、コーナーCのテーパー部分にアルミ合金膜24が形成されても、シリコン基板110とエピタキシャル層111とのpn接合部分がショートした状態となることはない。
【0054】
従って、アルミ合金膜24の除去時に、コーナーCのテーパー部分にアルミ合金膜29が残留しても、n型拡散領域17にてシリコン基板10の周縁部を覆うっているため、電気化学エッチングが行われた際、コーナーCのpn接合部分で電流リークすることはない。
【0055】
このように電流リークが生じないため、ウエハの全面での電界が不均一になるということがなくなり、電気化学エッチングプロセスを安定にすることができる効果を奏する。
【0056】
(2) 本実施形態では、n型拡散領域17の形成と同時に、アルミ配線26に電気的に接続するためのn型拡散層16をエピタキシャル層11に形成するようにした。
【0057】
この結果、n型拡散領域17とn型拡散層16とが同時に形成できるため、工程を簡略化することができ、別々の工程でn型拡散領域17とn型拡散層16とを製造する場合に比して、コストを低減することができる。
【0058】
(3) 本実施形態では、エッチング工程はアルミ配線26に対して電圧を印加しない状態で行うようにした。
この結果、窒化膜32の開口部33に対応した窒化膜32の部分のエッチングを行うことができる。
【0059】
(4) 本実施形態では、シリコン基板10の周縁部のコーナーCは、テーパを形成するように斜めに形成されている。
シリコン基板10の周縁部のコーナーCがテーパに形成されている場合において、従来問題があったウエハに対して、上記(1)の作用効果をそうすることができる。
【0060】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 前記実施形態では、歪みセンサの製造方法に具体化したが、加速度センサや、圧力センサのように物理量を検出できる他の半導体装置の製造方法に具体化してもよい、
○ 前記実施形態では、パッシベーション膜30は、窒化膜や酸化膜から構成したが、他の組成のパッシベーション膜にて構成してもよい。
【0061】
上記実施形態から把握できる、請求項以外の技術的思想について記載する。
(1) 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の製造方法にて製造された半導体装置。このようにすると、電気化学エッチングプロセスを効率的に行うことができ、歩留まりを良好にした半導体装置となる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の半導体装置の製造方法によれば、電気化学エッチングプロセスを安定して行うことができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した実施形態に関する半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図2】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図3】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図4】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図5】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図6】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図7】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図8】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図9】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図10】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図11】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図12】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図13】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図14】同じく実施形態の製造工程の説明のための説明図。
【図15】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図16】同じく従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図17】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図18】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図19】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図20】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図21】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図22】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図23】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図24】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図25】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図26】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図27】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【図28】従来の半導体装置の製造工程の説明のための説明図。
【符号の説明】
10…シリコン基板(p型の半導体基板)
11…エピタキシャル層(n型の半導体層)
16…n型拡散層
17…n型拡散領域
18…ゲージ拡散抵抗層
26…アルミ配線(電気化学エッチング用の電圧を供給するための配線)
34…ダイヤフラム
C…コーナー
Claims (4)
- p型の半導体基板表面にn型の半導体層を形成する工程と、
p型の半導体基板及びn型の半導体層の周縁部、並びにp型の半導体基板の裏面にn型拡散領域を形成する工程と、
n型の半導体層にp型のゲージ拡散抵抗層を形成する工程と、
n型の半導体層の表面側に電気化学エッチング用の電圧を供給するための配線を形成する工程と、
前記n型拡散領域の前記ゲージ拡散抵抗層に対応する所定領域を窓開けするエッチング工程と、
前記配線を介して電圧を印加して、電気化学エッチングにより、n型拡散領域の所定領域に窓開けした部分に対応する前記半導体基板の部位をエッチングしてダイヤフラムを形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記n型拡散領域の形成と同時に、前記配線に電気的に接続するためのn型拡散層をn型の半導体層に形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記エッチング工程は前記配線に対して電圧を印加しない状態で行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記p型の半導体基板の周縁部のコーナーは、テーパを形成するように斜めに形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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