JP2004132869A - 粘弾性材料に生じるエネルギーロスの算出方法、及び該方法を用いたゴルフボールのエネルギーロス評価方法 - Google Patents

粘弾性材料に生じるエネルギーロスの算出方法、及び該方法を用いたゴルフボールのエネルギーロス評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粘弾性材料の動的挙動時の時々刻々でのエネルギーロスを算出可能とし、打撃時にゴルフボール内部に生じるエネルギーロスを時々刻々に可視化し、ゴルフボール等の粘弾性材料からなる製品の設計効率を向上する。
【解決手段】粘弾性材料で構成される解析対象物について数値解析手法で動的挙動の解析を行い、解析対象物の粘性成分により、動的挙動時に粘弾性材料が損失するエネルギーロスを時々刻々で算出する。ゴルフボールの打撃シミュレーションにて、この算出方法により算出されたエネルギーロスを可視化し、ゴルフボールに生じるエネルギーロスを時々刻々で評価する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘弾性材料に生じるエネルギーロスの算出方法、及び該方法を用いたゴルフボールのエネルギーロス評価方法に関し、詳しくは、動的変形挙動中の粘弾性材料に生じるエネルギーロスをある時間毎に算出可能とし、粘弾性材料の動的挙動の解析精度の向上を図るものであり、特に打撃時にゴルフボール内部に生じるエネルギーロスについて評価するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴムやエラストマーなどの高分子材料に代表される粘弾性材料は、タイヤ、スポーツ競技において使用される各種ボール、印刷機に用いられるロールなど各種製品に広く適用されている。
【0003】
上記のような粘弾性材料等で構成される各種工業製品について、試作の費用と時間の節約等のためにシミュレーションを用いた製品開発が多方面で行われている。例えば、本出願人は、特開2002−55034号において、ゴルフボール等のボールの反発性能を予測するために、実際の打撃試験を有限要素法解析によりシミュレーションする方法を提案している。
【0004】
また、ゴルフボールの反発性能を向上させるためには、ゴルフボールの打撃時にボール内部で生じるエネルギーのロス(損失)に着目することが考えられている。即ち、ゴルフボールは打撃物によりインパクト(衝突)されると変形が生じた後、打撃物から分離して反発を生じる。このときのゴルフボールの反発係数は衝突中にボール内部で生じるエネルギーのロス(損失)に大きく影響されることが判っている。このようなゴルフボール等の粘弾性材料で構成される解析対象物に生じるエネルギーロスをシミュレーションにより算出することについても検討がなされている。
【0005】
具体的には、粘弾性材料が応力を受け、ひずみが生じた後、材料が元に戻る過程において、図14のようなひずみと応力の関係(応力−ひずみ曲線)を示す。このひずみと応力の関係を示す曲線において、材料に衝撃が加えられるのに伴い、上記曲線は矢印に示すように時々刻々、点Oから点A(ひずみの絶対値が最大値)へ行き、再び点Oに戻る。その際、点Oから点Aへ行くまでの仕事量と、再び点Oに戻るまでの仕事量との差(図中縦縞部分)が生じる。この仕事量の差(縦縞部分の面積)の値を用いて、粘弾性材料に生じるエネルギーロスを求めることができる。
【0006】
上記仕事量の差を求めるため、図15(A)に示すように、点Oから点Aへ行くまでの仕事量の総和L1(縞線部分に示す仕事量)を算出すると共に、図15(B)に示すように、点Aから再び点Oに戻るまでの仕事量の総和L2(縞線部分に示す仕事量)を算出する。
【0007】
点Oから点Aへ行くまでの仕事量の総和L1と、点Aから再び点Oに戻るまでの仕事量の総和L2の値から、仕事量の差L(図14に示す縦縞部分の面積)を算出する。仕事量の差Lの値と、各要素の初期形状での体積との積により、エネルギーロスを算出できる。このように、従来は、応力−ひずみの関係を図にした時に一般的に呼ばれるヒステリシスロスという応力−ひずみ曲線の中の面積(ループ面積)を用いてエネルギーロスを算出していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような方法では、解析対象物が変形を生じ、変形がほぼ収束し、初期の形状に復元したときに初めて動的変形挙動の終了時点のエネルギーロスとしてしか算出することができない。このような一連の変形挙動の過程全体におけるエネルギーロスでもゴルフボールの反発性能の予測等には十分であるが、変形挙動中の時々刻々でのエネルギーロスの値を算出できれば、反発性能以外にも打球フィーリング等の評価に活用することも可能となる。
【0009】
また、粘弾性材料が変形し、その変形状態から初期の状態に戻りきらないような場合には、応力−ひずみ曲線において、ひずみが0に戻りきらずループが閉になりきらないため、上記ループ面積による方法では、エネルギーロスを算出できないという問題がある。さらには、解析が終わりきらなければ、エネルギーロスを算出できず、変形の途中段階でのエネルギーロスを評価できないという問題がある。
【0010】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、粘弾性材料の動的挙動時の時々刻々でのエネルギーロスを算出できる粘弾性材料に生じるエネルギーロスの算出方法の提供を第1の課題とし、打撃時にゴルフボール内部に生じるエネルギーロスを時々刻々に可視化できるゴルフボールのエネルギーロス評価方法の提供を第2の課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、粘弾性材料で構成される解析対象物について数値解析手法で動的挙動の解析を行い、上記解析対象物の粘性成分により、上記動的挙動時に上記粘弾性材料が損失するエネルギーロスを時々刻々で算出することを特徴とする粘弾性材料に生じるエネルギーロスの粘弾性材料に生じるエネルギーロスの算出方法を提供している。
【0012】
粘弾性材料に生じるエネルギーロスは、粘弾性材料を構成する粘性成分が発生するものである。よって、本発明者は鋭意研究の結果、粘弾性材料のエネルギーロスを算出するためには、解析対象物の粘性成分に着目すれば良く、このため時々刻々のエネルギーロスを算出するには時々刻々の粘性成分が発生するエネルギーロス自体を算出すれば良いことを見出した。このように、数値解析により得られたある時刻での粘性成分に着目すれば、解析終了時点までの応力−ひずみ曲線がなくても、動的変形挙動により生じている時々刻々のエネルギーロスを算出することができる。
【0013】
従って、粘弾性材料が変形して元に戻らない状態、変形からの途中段階、ある瞬間でのエネルギーロスを算出し、粘弾性材料の動的変形挙動の解析、解析対象物の設計に役立てることができる。
【0014】
数値解析手法を有限要素法解析により行い、解析対象物の動的挙動時に粘性によって生じる応力値を用いてエネルギーロスを算出していることが好ましい。動的挙動時のある時刻で、あるひずみ量が生じている際、粘性から粘性成分、弾性から弾性成分とが存在するが、エネルギーロスはこの内、粘性によって生じる応力値を用いて算出することができる。また、粘性によって生じる応力値は、粘弾性材料の粘性成分の粘性抵抗と、動的挙動時の粘弾性材料のひずみ速度とにより求めていることが好ましい。
上記理由により有限要素法解析が好ましいが、その他、有限差分法、有限体積法、境界要素法等の方法を用いて数値解析を行っても良い。
【0015】
具体的には、図1のような応力−ひずみ曲線のヒステリシスループを描く解析対象物に対し、その粘性成分が発生する応力値を時々刻々算出することで、エネルギーロスの時刻歴変化を動的挙動と対応して可視化することができる。
【0016】
例えば、変形挙動時に図1のような応力−ひずみ曲線を示す粘弾性材料は、図2のような弾性成分を表すバネと粘性成分を表すダッシュポットが並列で構成される2要素フォークト材料モデルでモデル化している。通常、図1の応力−ひずみ曲線を描いたとき、変形挙動が収束し、初期の形状に復元したときに復元時点までのエネルギーロスを算出することができる。しかし、実際の変形挙動時には、時々刻々の変形の中でダッシュポットでエネルギーの損失が生じている。このダッシュポットがする粘性の仕事がエネルギーロスである。なお、弾性成分のひずみと応力の関係は、弾性成分が一定の場合、ひずみの値が最大時のひずみεmaxと、ひずみ0とを結ぶ図1中の破線で示す。
【0017】
解析対象物が動的変形挙動をした際、図1のような応力とひずみが発生したとする。その時、時々刻々に生じる応力は弾性成分と粘弾性成分から
σ=Eε+η(dε/dt)である。
(E:弾性成分の弾性率、η:粘性成分の粘性抵抗、σ:応力、ε:ひずみ、dε/dt:ひずみ速度)
この時、η(dε/dt)が粘性成分によって生じる応力となる。あるいは、これと同値となるσ−Eεが粘性成分によって生じる応力(全体の応力−弾性成分によって生じる応力)を表すこととなる。従って、図1のように弾性成分で生じる応力値、あるいは粘性成分で生じる応力値が時々刻々取得できれば(粘性成分の粘性抵抗あるいは弾性成分の弾性率がわかれば)、時系列の変化としてエネルギーロスの値を算出することができる。当然であるが、この時々刻々で生じるエネルギーロスの総和は、従来算出される変形復元時の応力−ひずみ曲線のループの面積、つまり解析終了時で算出されるエネルギーロスと同値である。
【0018】
粘弾性材料を有限要素法などで数値解析する際に、上述したようにモデル化する材料モデルの弾性成分の弾性率あるいは粘性成分の粘性抵抗の値から粘性が発生する時々刻々の応力値が必要である。今回、例として単純な2要素フォークトモデルの材料モデルを示しているが、他のモデル(複数、粘性モデルを持つ材料モデル)でも同様、粘性によって発生する応力値を時々刻々算出、取得できれば良い。
【0019】
粘弾性材料の粘性を考慮した粘弾性モデルとしては、バネとダッシュポットからなる粘弾性モデルが好ましい。このような粘弾性モデルにより、粘弾性材料の粘性を単純化することができるため、粘性が材料の変形状態に及ぼす影響を容易に考慮することができる。具体的には、マックスウェル(maxwell)モデル、フォークト(Voigt)モデルあるいは、さらに、複数のバネ、ダッシュポットの組み合わせが挙げられる。モデルの単純化という観点からは2要素モデルが好ましい。このような粘弾性材料モデルでは、バネの剛性(縦弾性係数あるいは横弾性係数(せん断係数))とダッシュポットの粘性抵抗を可変にして用いている。
【0020】
上記動的挙動の解析に用いる材料物性データは、該解析対象物の実使用条件下で測定されたデータを用いていることが好ましい。これにより、実際の粘弾性材料の種々の変形状態に対応した解析を行うことができる。具体的には、実際の製品使用時に製品に外力が加わり、粘弾性材料が変形した状態を想定して測定条件を定めるのが良く、例えば、高速で大きな変形量の場合には、下記に示すようなスプリットホプキンソン棒試験機により測定されるのが好ましい。
【0021】
スプリットホプキンソン棒試験機による測定では、試験片に高速でかつ大変形のひずみを与えることができる。従って、実際にゴルフクラブヘッドにより、ゴルフボールが打撃されたときと同等のひずみ、ひずみ速度、応力の条件下(1万分あるいは1千分の数秒という高速で且つ変形量も数十%という、高速大変形条件下)で、ゴルフボールを構成する材料物性を測定することができる。また、スプリットホプキンソン棒試験機は、試験片に衝撃を加える打撃棒の衝突速度を変更するだけで、様々なひずみ、ひずみ速度の領域での試験片の材料物性を測定することができる。
【0022】
スプリットホプキンソン棒試験機は、元来、金属材料の衝撃挙動の評価用に用いられていたが、本発明では、スプリットホプキンソン棒試験機を、粘性を持つ粘弾性材料の評価用に改良して用いている。スプリットホプキンソン棒試験機の測定方法等については後述する。
【0023】
粘弾性材料としては、粘弾性を有するあらゆる材料が含まれる。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、各種エラストマー、ゴム等が挙げられ、これらの単体、あるいは混合物を用いることができる。また、これらの単体、混合物には、着色剤、劣化防止剤、架橋剤等の各種添加剤が、必要に応じ配合されていてもよい。
【0024】
また、本発明は、上記粘弾性材料で構成される解析対象物をゴルフボールとし、ゴルフクラブヘッドと上記ゴルフボールの衝突を想定した動的挙動の解析を行い、本発明の粘弾性材料に生じるエネルギーロスの算出方法により、上記衝突により上記ゴルフボールに生じるエネルギーロスを算出し、
上記エネルギーロスを可視化ソフトに読み込ませ、上記ゴルフボールのエネルギーロスを時々刻々で可視化することを特徴とするゴルフボールのエネルギーロス評価方法を提供している。
【0025】
このように、打撃物とゴルフボールの衝突時に、ゴルフボール内部で発生するエネルギーロスの状態を時々刻々に可視化し観察することにより、ゴルフボールを構成する粘弾性材料の動的挙動中の材料状態を把握することができる。特にインパクトしてからボールが離れるまでの間の時々刻々のエネルギーロスを可視化することで、打撃時の衝撃力に起因するフィーリング等の向上に有益な情報を得ることができ、ゴルフボールの設計に役立てることができる。
【0026】
ゴルフボールをモデル化し、複数の要素にメッシュ分割し、算出した各要素のエネルギーのロスを3次元的に可視化、表示することで、ゴルフボール内部のどの部分で、エネルギーのロス(損失)がどの程度生じているかを予測、観察することが可能となる。なお、エネルギーロスとは、各要素の各成分の変形(ヒステリシス)のロスである。
【0027】
具体的な可視化の実現方法としては、例えば可視化汎用ソフトensight等が挙げられる。これにより、ボールを構成する各要素で生じるエネルギーロス値を例えば色により区別した図(contour図)等で表示することができる。
また、エネルギーロスを可視化する際に、各要素の節点の節点座標値からゴルフボールモデルの変形形状を表示しても良い。これにより、ゴルフボールのエネルギーロスと衝突時の変形形状とを併せて可視化することができ、ゴルフボールの設計に有効である。
【0028】
ゴルフボールは、粘弾性材料から構成され、実使用時に衝撃荷重等の外力を受け高速変形、あるいは大変形を強いられる製品である。実際のゴルフクラブヘッドによる打撃時に、ゴルフボールに発生する最大圧縮ひずみ、最大ひずみ速度を想定して、最大圧縮ひずみが0.05〜0.50であり、最大ひずみ速度が500/s〜10000/s、好ましくは500/s〜5000/sであるような条件下で測定された材料物性を用いていることが好ましい。実際の打撃時にボールを構成する材料が受けているひずみ、応力の状態を正確にシミュレートすることができるため、エネルギーロスの可視化の精度を向上させることができる。
【0029】
解析対象とされるゴルフボールは、架橋ゴム層等の単体からなる所謂1ピースゴルフボールであってもよく、架橋ゴム層等のコアにカバーが被覆された所謂2ピースゴルフボールでもよく、また、3層以上から構成されている所謂マルチピースゴルフボールであってもよく、あらゆる構造のゴルフボールに適応可能である。
【0030】
ゴルフボールの材料としては、一般にゴルフボールに用いられる粘弾性材料であればよく、また、各種添加剤が配合されていてもよい。即ち、有限要素法解析等の数値解析に必要な材料物性を測定できる材料であれば、あらゆる材料からなるゴルフボールに適応可能である。
【0031】
具体的には、ゴルフボールの構成材料として用いられるアイオノマー樹脂等の合成樹脂、ポリブタジエン(ブタジエンゴム)、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、ウレタンゴム等が挙げられる。
【0032】
解析対象とされる粘弾性材料からなる製品としては、ゴルフボール以外に、プリンタ等の印刷機に用いられるゴムローラ、ゴムベルト、あるいはタイヤ、その他粘弾性材料からなるテニス用、ゴルフ用等のスポーツ用品、シューズの靴底等が挙げられる。粘弾性材料からなる製品としては、製品の少なくとも一部に粘弾性材料が使用されていれば良く、金属材料等の他の材料との複合成形品等であっても良く、製品の粘弾性材料に該当する部分の性能を予測することもできる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明の粘弾性材料に生じるエネルギーロスの算出方法を用いたゴルフボールのエネルギーロス評価方法について詳述する。粘弾性材料で構成される解析対象物をゴルフボールとし、ゴルフクラブヘッドとゴルフボールの衝突を想定した動的挙動の解析を行っており、衝突によりゴルフボールに生じるエネルギーロスを時々刻々で算出し、エネルギーロスを可視化ソフトに読み込ませ、ゴルフボールのエネルギーロスを時々刻々で可視化している。
【0034】
(ステップ1)ゴルフボールモデルを節点からなる多数の要素にメッシュ分割し、ゴルフボールの材料物性を入力し、有限要素法解析により、ゴルフクラブヘッドとゴルフボールの衝突を想定したシミュレーションを行い動的挙動を解析する。上記衝突時にゴルフボールモデルに発生するひずみ量を演算する。
(ステップ2)上記ゴルフボールモデルの各要素の応力、ひずみ成分、各要素での弾性率、粘性抵抗、ひずみ速度、節点座標値を出力し、各要素の時々刻々の6成分の応力、ひずみの値を算出する。
(ステップ3)上記6成分の応力、ひずみの値より、各要素の各成分における応力とひずみの関係を求め、各要素の時々刻々でのエネルギーロス値を算出する。
(ステップ4)上記エネルギーロス値をゴルフボールモデルに含まれる全ての要素に関して算出し、可視化ソフトに読み込ませ、ゴルフボールモデルのエネルギーロスを時々刻々で可視化する。また、ゴルフボールモデルの各節点座標値より、変形形状も合わせて可視化する。
【0035】
ステップ1では、ゴルフボールモデルを節点からなる多数の要素にメッシュ分割し、ゴルフボールの材料物性を入力し、有限要素法解析により、ゴルフクラブヘッドとゴルフボールの衝突を想定したシミュレーションを行い、上記衝突時にゴルフボールモデルに発生するひずみ量を演算する。
【0036】
図3に示すように、シミュレーションを行うゴルフボールモデル10は、ウレタン系材料を主成分とする1ピースボールを想定し、直径42.8mmの球状としている。
【0037】
有限要素法解析を行うにあたり、解析モデルにおいて初期条件を設定する。即ち、ゴルフボールモデル10の大きさ、形状、構造及び材料物性等の初期条件を設定すると共に、ゴルフボールモデル10を多数の要素11にメッシュ分割し、多数の節点12を得ている。本実施形態では、11600個の要素11に分割し、要素11の形状は6面体、要素11のサイズは約1.25mm〜5.62mm、要素11の体積は約1.95mm〜63.1mmである。なお、図中の格子状の線は、メッシュを示す線である。
上記設定条件に基づいて、打撃物の衝突時から所定時間後のゴルフボールモデル10に発生するひずみ量を演算する。
【0038】
また、上記ウレタン系材料を主成分とする材料の物性を、後述するスプリットホプキンソン棒試験機により測定する。これにより、実際のゴルフクラブヘッドによる打撃時と同等のひずみ、ひずみ速度の条件下における材料の物性値を得て、この物性値を入力し、以下に示すように、ゴルフボールモデル10について、有限要素法によりシミュレーションを行っている。
【0039】
ゴルフクラブヘッド(打撃物)のゴルフボールへの衝突を想定し、図4(A)(B)(C)に示すように、シミュレーションを行っている。即ち、ゴルフボールモデル10に、打撃物として50g(ゴルフクラブヘッドの重さ200gの1/4)である1/4円筒形状のアルミニウム製中空棒モデル20を速度45m/sで衝突させた時のゴルフボールモデル10の状態を有限要素法により解析し、シミュレーションを行っている。これにより、各要素11における所定時間におけるひずみ量を演算している。なおアルミニウム製中空棒モデル20の円形面20aを衝突面とし、衝突面はフラットであり、ゴルフボールモデル10とフラットな正面衝突としている。また、アルミニウム製中空棒モデル20の円形面20aの中心点20bが、最初のゴルフボールモデル10との衝突点となるように衝突させている。
【0040】
なお、左右対称モデルの解析の場合、ボール全体ではなくハーフモデルとしても良く、左右、上下対称モデルの場合、2つの中立面でカットした1/4モデルとしても良い。このように解析モデルの対称性を考慮することで、解析精度を低下させることなく、解析領域を少なくして効率良く解析を行うことができる。
【0041】
ステップ2では、まず、上記有限要素法解析によるシミュレーション結果から、ゴルフボールモデル10の各要素11が、打撃物(アルミニウム製中空棒モデル20)との衝突時から受けている時々刻々の応力、ひずみ成分と、上記各要素11の弾性率、粘性抵抗、ひずみ速度、節点12の座標データ(節点座標値)とを算出する。
【0042】
次に、上記算出値より、各要素11の時々刻々の応力、ひずみの値を下記の6成分について算出する。各要素11について、ひずみ及び応力は、垂直方向3成分、せん断方向3成分の計6成分から構成されるため、上記6成分について算出している。
【0043】
ステップ3では、粘弾性材料で構成される解析対象物について数値解析手法で動的挙動の解析を行い、解析対象物の粘性成分により、動的挙動時に粘弾性材料が損失するエネルギーロスを時々刻々で算出する。
【0044】
まず、ステップ2で算出した各要素の時々刻々の6成分の応力、ひずみの値を用い、上記応力とひずみの関係をグラフに示す。
即ち、上記有限要素法解析によるシミュレーションでは、ゴルフボールモデル10を構成する各要素11の各成分において、打撃物(アルミニウム製中空棒モデル20)が衝突し材料が応力を受け、ひずみが生じた後、材料が元に戻る過程において、図5のようなひずみと応力の関係(応力−ひずみ曲線)を示す。図5において、横軸はひずみ、縦軸は応力を表し、ゴルフボールモデル10中の1要素の1成分の応力、ひずみの関係を示している。
【0045】
図5中のひずみと応力の関係を示す曲線において、ある時刻で、あるひずみの値を示すとき、応力の値は、上述したように、σ=Eε+η(dε/dt)で表され、粘性成分による応力と弾性成分による応力とに分けられる。このときの粘性成分による応力を表すη(dε/dt)を用いてエネルギーロスを算出している。このように、粘性によって生じる応力値は、粘弾性材料の粘性成分の粘性抵抗ηと、動的挙動時の粘弾性材料のひずみ速度(dε/dt)とにより求めている。同様に、また別のある時刻での解析対象物の動的挙動時に粘性によって生じる応力値を用いて時々刻々でのエネルギーロスを算出することができる。
【0046】
粘性によって生じる応力値と、各要素11の初期形状での体積Vとの積により、各要素11の各成分におけるある時刻でのエネルギーロスを算出できる。エネルギーロスの値は、6成分それぞれで存在するため、6成分各々において、上記同様の方法でエネルギーロスの値を算出し、6成分のエネルギーロスの合計値がその要素のある時刻でのエネルギーロス値となる。
【0047】
ステップ4では、ある時刻でのエネルギーロス値をゴルフボールモデルに含まれる全ての要素に関して単位体積当たりのある時刻でのエネルギーロス値を算出し、可視化ソフトに読み込ませ、ゴルフボールモデルのある時刻でのエネルギーロスを可視化する。以下、具体的なエネルギーロスの可視化方法を示す。
【0048】
まず、ステップ3で算出された各要素11のある時刻でのエネルギーロス値を各要素11がある時刻でもつエネルギーロス値として可視化ソフトに読み込ませる。
【0049】
次に、図6に示すように、ゴルフボールモデル10の変形挙動中の各要素におけるある時刻でのエネルギーロスをコンター(contour)図(断面図)で示し、ゴルフボールモデル10の内部に生じるある時刻でのエネルギーロスを可視化する。
【0050】
具体的には、ゴルフボールモデル10において、エネルギーロスの値により表示領域を定め、ゴルフボール内部の状態を図示している。即ち、最もエネルギーロスが大きい領域を領域(赤)、最もエネルギーロスが小さい領域を領域(青)とし、エネルギーロスの値により順次領域を定め(領域赤>…黄>…緑>…青)、ゴルフボールの断面に表示している。
【0051】
また、上記解析により得られた各要素11の節点12の座標データ(節点座標値)からゴルフボールモデル10の変形形状も併せて表示し、打撃物の衝突時のある時刻でのゴルフボールモデル10の形状も可視化する。
【0052】
以上より、打撃物の衝突時のある時刻で、ゴルフボール内部のどの部分で、どの程度エネルギーロスが生じているかを予測、観察すると共に、ある時刻でのゴルフボールの変形形状をも予測することができる。
【0053】
また、粘弾性材料が変形して元に戻らない状態、変形からの途中段階、ある瞬間でのエネルギーロスを各々別個に算出することができる。よって、インパクトの瞬間のエネルギーロスや、インパクトから球離れまでのエネルギーロス等、種々の条件でのエネルギーロスの算出が可能である。
【0054】
エネルギーロスの可視化においては、各要素のエネルギーロスの値の大小により色分けし、コンター図においてエネルギーロスの違いを色で表示することで、可視化を実現するのが最適である。例えば、図6に示すように、各要素のエネルギーをそれぞれ色分けして表示すると、一目でエネルギーロスの大小を評価することができる。なお、表示の際の領域の数や各領域におけるエネルギーロスの値の範囲は、適宜設定することができる。
【0055】
本実施形態では、1ピースゴルフボールモデルとしているが、2ピースゴルフボール、あるいは、3層以上から構成されていてるマルチピースゴルフボール等とすることもでき、材料も適宜変更可能である。また、有限要素法以外の数値解析法により解析しても良い。なお、要素座標変換に必要な節点座標を出力し、各要素の時々刻々の要素座標系での6成分の応力、ひずみの値を算出することもできる。
【0056】
(実施例1)
ゴルフボールモデルは、ウレタン系材料を主成分とする1ピースボールからなる混合物を160℃で30分、直径42.8mmの金型で圧縮成型)を想定し、直径42.8mmの球状とした。
【0057】
上記ウレタン系材料を主成分とする材料の材料物性(ヤング率と損失係数)を、後述するスプリットホプキンソン棒試験機により測定した(室温23℃、相対湿度50%、打撃棒の衝突速度25m/s)。測定により得られたヤング率の値は28.85MPa、損失係数の値は1.16であった。また、測定時の最大圧縮ひずみの値は0.445、最大ひずみ速度の値は4874.3[/s]であった。
【0058】
上記実施形態と同様の方法により、有限要素法で図2の2要素モデルで材料モデル化した粘弾性材料(弾性成分の弾性率E=1.61[kgf/mm]、粘性成分の粘性抵抗=0.00019)で構成されるゴルフボールモデルを用いた。実施例1のゴルフボールモデル10’について、図7に示すように、初速45m/sでアルミニウム製中空棒モデル20’(1/4モデル)を衝突させた時のある時刻でのエネルギーロスを算出した。ゴルフボールモデルは、12797個の節点からなる11600個の要素に分割し、要素の形状は6面体、サイズは0.5mm〜1.69mm、体積は約0.125mm〜2.73mmとした。ゴルフボールモデルの要素のうち、1要素におけるの1方向の応力−ひずみ曲線を得、粘性によって生じる応力値を算出した。
同様に、他の5方向に関しても粘性によって生じる応力値の算出を行い、6方向の粘性によって生じる応力値の合計を求めた。6方向の粘性によって生じる応力値の合計と要素の体積1.15×10−9を掛けて、1要素のエネルギーロスを算出すると、5.084×10−3N・mであった。
【0059】
ゴルフボールモデルを構成する全ての要素に関して同様の計算を行い、単位体積当たりのある時刻でのエネルギーの値を、図8、9、10に示すコンター図で可視化した。図中、CONTOUR−LEVELにて、エネルギーの値[MPa]と、それに対応する色の関係を示した。要素のある時刻でのエネルギーロスの値が約21.54MPaより大きい部分は赤系の色で表示している一方、エネルギーロスの値が小さい部分は青系の色で表示した。これにより、衝突後のある時刻において、ゴルフボールのどの部分でエネルギーロスが大きいかを一目で判断可能であることが確認できた。なお、このコンター図において、1つの要素に関して複数の色が存在するのは、要素のエネルギーロスの値を節点に振り分け、隣接する要素の値も加えられるためである。
【0060】
具体的には、衝突から約1.4×10−4秒後の状態を図8に、図8の状態から、さらに変形が進み衝突から時間が約3.2×10−4秒経過した状態を図9に示し、図9の状態から、さらに時間が経過し衝突から時間が約4.6×10−4秒経過し変形が元に戻っている状態を図10に示す。その他の時間においても同様にエネルギーロスの算出が可能であり、ある一定時間間隔毎にエネルギーロスの状態を観察することもできる。
【0061】
(スプリットホプキンソン棒試験機による材料物性の測定)
図11は、本発明のゴルフボールのエネルギーロス評価方法において、有限要素法解析に必要な材料物性(ヤング率や損失係数等)を測定するスプリットホプキンソン棒試験機が示された模式的正面図である。
【0062】
図11に示すスプリットホプキンソン棒試験機は、打撃棒51、入力棒53及び出力棒55を備えており、これらは直線上に配置されている。入力棒53には、第一ひずみゲージ57及び第二ひずみゲージ59が取り付けられている。出力棒55には、第三ひずみゲージ61及び第四ひずみゲージ63が取り付けられている。入力棒53の後端53aと出力棒55の前端55aとの間には、円柱状の試験片70が挟持されている。
【0063】
試験片70は、ゴルフボールに用いられるゴム組成物等の材料を試験片の形状に成形したものでもよく、また、球状に成形されたゴルフボールから切り出されたものであってもよい。本実施形態では、試験片70の長さ(すなわち入力棒53の後端53aと出力棒55の前端55aとの距離)は4mm、試験片70の断面直径は18mmとしている。
【0064】
打撃棒51、入力棒53及び出力棒55はポリメチルメタアクリレート製の円柱であり、断面直径は20mm、ヤング率は5300MPa、比重は1.19である。打撃棒51の長さは、100mmである。入力棒53及び出力棒55(以下、この入力棒53と出力棒55とは、「応力棒」とも称される)の長さは、2000mmである。
第一ひずみゲージ57は入力棒53の後端53aから900mmの位置に取り付けられており、第二ひずみゲージ59は入力棒53の後端53aから600mmの位置に取り付けられている。また、第三ひずみゲージ61は出力棒55の前端55aから300mmの位置に取り付けられており、第四ひずみゲージ63は出力棒55の前端55aから600mmの位置に取り付けられている。
【0065】
このように、図11のスプリットホプキンソン棒試験機は、打撃棒51、入力棒53及び出力棒55がポリメチルメタアクリレートからなる合成樹脂製であり、打撃棒51及び入力棒53が2000mmと大きく、しかも第一ひずみゲージ57と入力棒53の後端53aとの距離及び第二ひずみゲージ59と入力棒53の後端53aとの距離が大きいので、ゴルフボールに用いられるような架橋ゴム等の粘弾性を有する材料の材料物性(ヤング率や損失係数等)の測定に適している。
【0066】
上記第一ひずみゲージ57、第二ひずみゲージ59、第三ひずみゲージ61、第四ひずみゲージ63として単軸プラスチック用ひずみゲージを用い、本実施形態では、株式会社共和電業製のKFP−5−350−C1−65を用い、入力棒53、出力棒55の上記した位置に貼着している。これら第一ひずみゲージ57乃至第4ひずみゲージ63の入力棒53及び出力棒57への取付位置は、長さ方向において同一線上としている。
【0067】
このスプリットホプキンソン棒試験機によるヤング率や損失係数等の材料物性の測定では、まず、打撃棒51が入力棒53の前端53aに、25m/sの速度で衝突する。これによって入射ひずみ波が生じ、この入射ひずみ波は入力棒53の後端53aに向かって進む。この入射ひずみ波の一部は、入力棒53の後端53aにおいて反射し、反射ひずみ波となって入力棒53の前端53bに向かって進む。入射ひずみ波の一部は、入力棒53の後端53aから試験片70を透過し、さらに出力棒55に伝播して透過ひずみ波となり、出力棒55の後端55bに向かって進む。
【0068】
入射ひずみ波は、第一ひずみゲージ57及び第二ひずみゲージ59によって実測される。実測された入射ひずみ波は、ローパスフィルターに通され、10kHz以上の高周波が除去される。さらに、入射ひずみ波の時刻歴は、そのベースライン値をゼロとするゼロ補正が施される。こうして得られた第一ひずみゲージ57及び第二ひずみゲージ59における時間軸ひずみのそれぞれがフーリエ変換され、周波数軸ひずみが求められる。この第一ひずみゲージ57及び第二ひずみゲージ59における周波数軸ひずみから、伝達関数が導出される。第一ひずみゲージ57と入力棒53の後端53aとの距離X1と、第二ひずみゲージ59と入力棒53の後端53aとの距離X2との比(X1:X2)が考慮されつつ、上記伝達関数に基づいて、入力棒53の後端53aにおける周波数軸ひずみが推定される。この周波数軸ひずみがフーリエ逆変換されることにより、入力棒53の後端53aにおける入射ひずみ波の時間軸ひずみ(ひずみの時刻歴)εiが得られる。
【0069】
同様に、入力棒53の後端53aで反射して前端53bに向かう反射ひずみ波が第二ひずみゲージ59及び第一ひずみゲージ57によって実測される。この実測された反射ひずみ波から、入力棒53の後端53aにおける反射ひずみ波の時間軸ひずみ(ひずみの時刻歴)εrが得られる。
【0070】
また、出力棒55の第三ひずみゲージ61及び第四ひずみゲージ63によって、試験片70を経て出力棒55に伝播される透過ひずみ波を実測し、この実測した透過ひずみ波から、出力棒55の前端55aにおける透過ひずみ波の時間軸ひずみ(ひずみの時刻歴)εtが得られる。
【0071】
こうして得られたεi、εr及びεtから、下記数式(5)によって、試験片70のひずみ速度ε’が算出される。
(数式5)
Figure 2004132869
(数式(5)において、C0は入力棒および出力棒中(応力棒)のひずみ波の伝播速度(m/s)を表し、Lは試験片の長さ(m)を表し、Eは応力棒のヤング率(N/m)を表し、ρは応力棒の密度(kg/m)を表す)
【0072】
また、εi、εr及びεtから、下記数式(6)によって試験片70のひずみεが算出される。
【0073】
(数式6)
Figure 2004132869
(数式(6)において、C0は入力棒および出力棒中(応力棒)のひずみ波の伝播速度(m/s)を表し、Lは試験片の長さ(m)を表し、Eは応力棒のヤング率(N/m)を表し、ρは応力棒の密度(kg/m)を表す)
【0074】
さらに、εi、εr及びεtから、下記数式(7)によって試験片70の応力σが算出される。
(数式7)
Figure 2004132869
(数式(7)において、Eは入力棒および出力棒からなる応力棒のヤング率(N/m)を表し、Aは上記応力棒の断面積(m)を表し、Asは試験片の断面積(m)を表し、Dは応力棒の直径(m)を表し、Dsは試験片の直径(m)を表す)
【0075】
こうして得られた試験片70のひずみ時刻歴を、図12のグラフに示す。図12に示すように、曲線は、ピークP以降しばらくはなだらかであるが、その後、凹凸状となる。ピークP以降のなだらかな段階での点Sを選択し、この点Sにおける曲線に対する接線を画き、この接線と時間軸との交点から緩和時間λを導出し、下記数式(8)によって求められる曲線を点S以降の曲線とすることによって、ひずみ時刻歴全体をなだらかな曲線(図12中に点線で示す)とすることができる。これにより、最終的に得られる材料物性(ヤング率や損失係数等)へのノイズの影響を除去することができる。
(数式8)
ε(t)=ε0・e−t/λ      −−−(8)
(数式(8)において、ε0は接点におけるひずみを表す)
【0076】
同様に、下記数式(9)によって、応力時刻歴全体をなだらかな曲線とすることができ、これによって最終的に得られる材料物性(ヤング率や損失係数等)へのノイズの影響を除去することができる。
(数式9)
σ(t)=σ0・e−t/λ      −−−(9)
(数式(9)において、σ0は接点における応力を表す)
【0077】
このような補正が行われた試験片70のひずみ時刻歴及び応力時刻歴から、応力−ひずみ曲線が決定される。図13は、典型的な応力−ひずみ曲線が示されたグラフである。この応力−ひずみ曲線から、下記の数式(10)を用いて、試験片70のヤング率Esが算出される。
(数式10)
Es=σmax/εmax      −−−(10)
【0078】
また、図13の応力−ひずみ曲線から、下記の数式(11)を用いて、位相角δが算出される。
(数式11)
δ=sin−1((σa−σb)/σmax)      −−−(11)
そして、この位相角δより、損失係数(tanδ)が算出される。
【0079】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、解析対象物の粘性成分に着目することにより、時々刻々でのエネルギーロスの算出を可能としており、数値解析により得られたある時刻での粘性成分の物性値が得られれば、解析終了時点までの応力−ひずみ曲線がなくても、動的変形挙動により生じている時々刻々のエネルギーロスを算出することができる。
【0080】
従って、粘弾性材料が変形して元に戻らない状態、変形からの途中段階、ある瞬間でのエネルギーロスを算出し、粘弾性材料の動的変形挙動の解析、解析対象物の設計に役立てることができる。
【0081】
また、解析対象物の動的挙動と対応してエネルギーロスの推移を時刻歴で算出し、可視化することができるため、粘弾性材料で構成される動的挙動を伴う工業製品の設計、開発に援用することができる。また、有限要素法を用いてシミュレーションを行っているため、試作の費用と時間の節約が実現でき、様々な材料を用いたあらゆる構造の製品の設計を短期間に達成することができる。
【0082】
特に、ゴルフボール内部のエネルギーロスを時々刻々で可視化することにより、インパクト時にゴルファーが感じる衝撃力等のフィーリング等に有用な情報を得ることができ、ゴルフボールの設計の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】応力−ひずみ曲線を示し、動的変形挙動中に粘性成分によって生じる応力値を説明する図である。
【図2】粘弾性モデルとして用いる2要素のVoigtモデルを示す図である。
【図3】シミュレーションを行ったゴルフボールモデルの概略図である。
【図4】アルミニウム製中空棒モデルのゴルフボールモデルへの衝突を想定したシミュレーションにおける各モデルの状態を示し、(A)は衝突前、(B)は衝突中、(C)は衝突後の状態図である。
【図5】ゴルフボールモデル中の1要素の1成分における応力、ひずみの関係を示し、ある時刻での粘性成分による応力値を説明する図である。
【図6】ゴルフボールモデルと打撃物との衝突時のある時刻でのゴルフボールモデルの各要素のエネルギーロスを可視化した状態を示す図である。
【図7】実施例1のゴルフボールモデルとアルミニウム製中空棒の衝突時の状態を示す図である。
【図8】実施例1におけるゴルフボールモデルと打撃物との衝突時のある時刻でのゴルフボールモデルの各要素のエネルギーロスを可視化した状態を示す図である。
【図9】図8の状態からある時間経過後のエネルギーロスを可視化した状態を示す図である。
【図10】図8の状態からさらにある時間経過後のエネルギーロスを可視化した状態を示す図である。
【図11】ヤング率や損失係数等の材料物性が測定されるスプリットホプキンソン棒試験機が示された模式的正面図である。
【図12】試験片のひずみ時刻歴の状態が示されたグラフである。
【図13】スプリットホプキンソン棒試験機による材料物性の測定時の応力−ひずみ曲線が示されたグラフである。
【図14】従来例の説明図であり、動的変形挙動全体での仕事量を示す図である。
【図15】(A)(B)は従来のエネルギーロスの算出方法を示す図である。
【符号の説明】
10 ゴルフボールモデル
11 要素
12 節点
20 アルミニウム製中空棒モデル

Claims (5)

  1. 粘弾性材料で構成される解析対象物について数値解析手法で動的挙動の解析を行い、上記解析対象物の粘性成分により、上記動的挙動時に上記粘弾性材料が損失するエネルギーロスを時々刻々で算出することを特徴とする粘弾性材料に生じるエネルギーロスの算出方法。
  2. 上記数値解析手法を有限要素法解析により行い、上記解析対象物の動的挙動時に粘性によって生じる応力値を用いて上記エネルギーロスを算出している請求項1に記載の粘弾性材料に生じるエネルギーロスの算出方法。
  3. 上記粘性によって生じる応力値は、上記粘弾性材料の粘性成分の粘性抵抗と、上記動的挙動時の粘弾性材料のひずみ速度とにより求めている請求項2に記載の粘弾性材料に生じるエネルギーロスの算出方法。
  4. 上記動的挙動の解析に用いる材料物性データは、該解析対象物の実使用条件下で測定されたデータを用いている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の粘弾性材料に生じるエネルギーロスの算出方法。
  5. 上記粘弾性材料で構成される解析対象物をゴルフボールとし、ゴルフクラブヘッドと上記ゴルフボールの衝突を想定した動的挙動の解析を行い、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の粘弾性材料に生じるエネルギーロスの算出方法により、上記衝突により上記ゴルフボールに生じるエネルギーロスを算出し、
    上記エネルギーロスを可視化ソフトに読み込ませ、上記ゴルフボールのエネルギーロスを時々刻々で可視化することを特徴とするゴルフボールのエネルギーロス評価方法。
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