JP2004132529A - 歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化及び強度の向上を図りつつ、簡単な構成でバックラッシュを除去調整できる歯車装置を提供する。
【解決手段】ハウジング1内で互いに噛合するウォームホイール2及びウォーム3は、それぞれ、ハウジング1内の軸受4a,4b、軸受7a,7bで支持された軸体5,軸体8に取り付けられ、軸受4a,4bは、該軸体5の軸線5Aの方向でウォームホイール2に対し両側の二箇所に配設され、軸受4a,4bとハウジング1との間に略円筒状のスペーサ6が挿入され、該スペーサ6は上記二箇所の軸受4a,4bにわたって上記軸線5Aの方向に延び、ウォームホイール2及びウォーム3の噛合を許容する開口6bが形成され、該スペーサ6の内周円の中心が上記軸体5の軸線5Aに対して偏心していて、ウォームホイール2とウォーム3との間に生じるバックラッシュの除去可能な所望回転角だけ上記軸線5Aまわりに回転せしめた位置に設定可能となっている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハウジング内で互いに噛合する二つの歯車を有し、該二つの歯車間のバックラッシュを調整可能な歯車装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
互いに噛合する二つの歯車を有する歯車装置にあっては、二つの歯車間に生じるバックラッシュを除去することが望ましい。すなわち、このバックラッシュが大きくなると、歯車間で歯鳴り等が生じ摩耗しやすくなり、又、振動を発生し、周辺に好ましくない影響を与えるため、バックラッシュを無くすようにする。しかし、一旦バックラッシュを無くした状態で歯車装置を組んだとしても、歯車の摩耗等により、再びバックラッシュが生じてしまうことがある。更には、歯車そして関連部品の加工精度のばらつきにより、装置の組立に際しバックラッシュを無くすように除去調整が必要となる場合がある。そこで、従来では、バックラッシュを無くすように所望時に除去調整することができる歯車装置が種々提案されている。
【0003】
例えば、従来では、互いに噛合する二つの平歯車のうち一方の平歯車を他方の平歯車に近づけることができるように、上記一方の平歯車の軸体を支持すると共に上記一方の平歯車の軸線と間隔をもってかつ平行な軸線のまわりに回動可能な回動部材を設け、この回動部材を所望角だけ回動させることによりバックラッシュを除去調整する歯車装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、かかる歯車装置においては、回動部材を回動自在に支持するための軸受部が別途必要となること、上記回動部材の回動を案内する案内孔を設ける必要がある等、機構が複雑となる。
【0004】
そこで、バックラッシュ調整を簡単化した構成で実現できる歯車装置として、他の従来装置においては、一方の歯車の取り付けられた軸体を該歯車に対して軸線方向片側で軸受が支持し、該軸受とハウジングとの間に円筒状の偏心軸受ホルダを介在せしめているのものが知られている(例えば、特許文献2参照)。かかる歯車装置においては、上記偏心軸受ホルダは、内周円の中心が上記軸体の軸線に対して偏心しているため、上記偏心軸受ホルダが所定角だけ回転されることにより上記一方の歯車の軸線を他方の歯車の軸体に向けて変位させて両歯車間のバックラッシュを調整できる。
【0005】
【特許文献1】
実開昭60−105671号公報(図2)
【特許文献2】
特開平11−34888号公報(図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる歯車装置にあっては、歯車を二つの軸受で支持しているものの、これらの軸受は、軸線方向外側で歯車に対して片方に位置しているだけなので、軸体の強度が低いと軸体が撓んで、両歯車間のバックラッシュが変動してしまう。軸体が撓まないように軸体の強度を上げたとしても、歯車に対し軸線方向片側で軸体を支持するため、軸受のがたつき等により、安定して軸体を支持することは難しい。又、二つの軸受は軸体を安定して保持するために両軸受間に所定距離を設ける必要がある。仮に、これらの強度上の問題を解決せんとすると、大型化を招くこととなる。
【0007】
そこで、本発明は、小型化及び強度の向上を図りつつ、簡単な構成でバックラッシュを除去調整できる歯車装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る歯車装置は、ハウジング内で互いに噛合する二つの歯車を備え、該二つの歯車は、それぞれ、ハウジング内の軸受部で支持された軸体に取り付けられている。
【0009】
かかる歯車装置において、本発明では、軸受部は、それぞれの軸体について、該軸体の軸線方向で歯車に対し両側の二箇所に配設され、少なくとも一方の軸体に関して、軸受部とハウジングとの間に略円筒状のスペーサが挿入され、該スペーサは上記二箇所の軸受部にわたって上記軸線方向に延び、上記一方の軸体上の歯車と他方の軸体上の歯車との噛合を許容する開口が形成され、該スペーサの内周円の中心が上記軸体の軸線に対して偏心していて、二つの歯車間に生じるバックラッシュの除去可能な所望回転角だけ上記軸線まわりに回転せしめた位置に設定可能となっていることを特徴としている。
【0010】
このような構成の本発明にあっては、軸体の支持強度の確保のために該軸体上の二つの軸受部の間に所定距離を設けて両持支持構造とすることとし、該軸体上の歯車を上記二つの軸受部の間を利用して位置せしめることとしている。その結果、二つの軸受部間の空間を有効利用して歯車を配置しているので、この二つの軸受部が占める軸線方向での寸法内で歯車を配置でき、歯車装置は全体として軸方向に寸法が大きくならず小型となると共に、両持支持構造となっているので、上記二つの軸受部によって軸体の撓みを低減して軸体を支持でき高強度を得る。又、特開平11−34888号にて開示された発明では、片持支持構造であるが故に強度が十分でなく軸体の両端部での駆動を要する機構には適用できないが、本発明では両持支持による高強度構造のもとで軸体の両端部を安定して支持するので、該両端部が突出した構造を採ることができ、したがって該両端部での駆動を可能とする。バックラッシュ除去に関しては、半径方向で軸受とハウジングとの間に、偏心した円筒状の一つのスペーサが軸方向で両軸受部にわたるように設けられているので、このスペーサを外部から回転操作させることにより、二つの軸受部に対して同時にかつ同量だけスペーサに対応する上記一方の軸体を上記他方の軸体に向け移動させて両歯車の軸線間距離を変化させる。その結果、一つのこのスペーサについて適宜角度の回転操作を行うだけで、両軸受部に対して均等に両歯車間のバックラッシュが除去調整される。
【0011】
本発明において、ハウジングに、スペーサをバックラッシュ除去調整された任意の所望回転角の位置で固定可能な固定部材が取り付けられているようにすることができる。こうすることにより、バックラッシュ除去調整後の両歯車の軸線間距離を維持できる。固定部材としては、例えば、スペーサの外周に押圧して該スペーサの回転を阻止するようにハウジングに設けられたねじ体が利用できる。
【0012】
又、スペーサは、軸線方向のどちらか一方の端面に、外部からの回転操作のための係止部が周方向に複数形成されているようにすることができる。こうすることにより、バックラッシュ調整時に、適宜工具を外部から係止部へ装着し、この工具の操作によりスペーサを回転操作できるので、スペーサの回転操作が歯車装置の運転中であっても容易に行える。
【0013】
更に、二つの軸受部の外径は、軸線方向の一端側の軸受部が他端側の軸受部よりも大きくなっているようにすると共に、スペーサの内径が、上記一方の軸体上の二つの軸受部の径に適合して形成されているようにするならば、上記一方の軸体上の歯車の外径が上記他端側の軸受け部の外径よりも大きくしても上記一端側の軸受部の径よりも小さいかぎり、スペーサの大径側からスペーサ内へ歯車を挿入して容易に組立できる。すなわち、上記一端側の軸受け部の外径を上記他端側の軸受部の外径よりも大きくするだけで、上記他端側の軸受部の外径にかかわらず上記一方の軸体上の歯車の外径を上記一端側の軸受部の外径の範囲内で大きくできるので、歯車装置は、組立の容易化を図りつつ、より大きい外径をもつ歯車に対応できる。
【0014】
又、互いに噛合する二つの歯車は、その種類に限定はなく、例えば、一方の軸体上の歯車としてウォームホイール、他方の歯車としてウォームを利用できる。
【0015】
更に、スペーサは、その材料に限定はなく、金属でも若しくはプラスチックでも成形することができる。
【0016】
軸受部とは、軸受を支承していれば十分であり、転がり軸受或いはブッシング等の介在の有無を問わない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に関して、添付図面にもとづき説明する。
【0018】
図1は、本実施形態装置の概略構成を示す図である。
【0019】
本実施形態装置は、図1に示すように、ハウジング1内で互いに噛合する二つの歯車たるウォームホイール2及びウォーム3を備えている。尚、図1において、(A)はかかる装置の正面断面図であり、(B)は(A)のウォームホイール2及びウォーム3についての側面図である。
【0020】
該ウォームホイール2は、図1(A)に示すように、ハウジング1内のころがり軸受4a,4bによって軸線5Aまわりに回転自在に支持される軸体5に取り付けられている。軸受4a,4bの外輪とハウジング1との間には、プラスチック製で略円筒状のスペーサ6が挿入されている。該スペーサ6については、後に詳述する。一方、ウォーム3は、図1(B)に示すように、図1(A)に示すハウジング1に支持されたころがり軸受7a,7bによって上記軸線5Aに対し直角な方向の軸線8Aまわりに回転自在に支持された軸体8に取り付けられている。本実施形態では、軸体8は、該軸体8を回転駆動するモータ(図示せず)に接続されていて、該モータからの回転駆動力が軸体8からウォームホイール2及びウォーム3の噛合により軸体5へ伝達され、図示しない機構を駆動する。
【0021】
軸体5に関して、上記軸受4a,4bは、上記軸体5の軸線5Aの方向でウォームホイール2に対し両側の二箇所に位置し、上記軸受4a,4bの内輪が軸体5に取り付けられている。すなわち、軸体5の支持強度の確保のために、軸受4aと軸受4bとの間にウォームホイール2の軸線5A方向での寸法分だけ距離を設けて両持支持構造として、上記軸受4a,4bによって軸体5の撓みを低減して軸体5を支持することにより、高強度化が図られている。又、二つの軸受4a,4bによる両持支持構造により軸体5の軸線5A方向の両端部を高強度構造のもとで安定して支持できるので、ハウジング1から該両端部が突出した構造とすることができ、軸体5の両端部での駆動を要する機構として軸体8からの力を伝達して駆動可能である。更には、軸体5上のウォームホイール2を上記軸受4aと軸受4bとの間に位置せしめて、上記軸受4aと軸受4bとの間の空間(距離)を有効利用して、この上記軸受4a,4bが占める軸線5A方向での寸法内にウォームホイール2を配置することにより、本実施形態装置全体として軸線5A方向での寸法の小型化が図られている。
【0022】
又、本実施形態では、上記軸受4a,4bは、軸受4aの外径が軸受4bの外径よりも大きくなっている。この軸受4a,4bのそれぞれの外径に対応して、スペーサ6には大径部6a、小径部6bが形成され、軸受4a、軸受4bはそれぞれ大径部6a、小径部6bに圧入嵌合若しくは遊嵌されている。軸線5A方向にてこの軸受4aと軸受4bとの間に位置するウォームホイール2は、その外径が小径の軸受4bの外径より大きいが大径の軸受4aの外径より小さくなっているので、後述のごとく軸体5上にウォームホイール2及び軸受4a,4bを有する組立体をハウジング1外で予めスペーサ6内へ挿入し該組立体とスペーサ6を一緒にハウジング1内へ大径側から挿入し、もしくはハウジング1に予め組み込まれたスペーサ6内へ上記組立体を挿入して容易に組込ができるし、又、軸受4aの外径の範囲内でウォームホイール2の外径の大径化が可能である。スペーサ6は図2に示すごとく形成されており、図2において、(A)はスペーサ6の軸線を含む面での断面図、(B)は(A)におけるB−B線断面図であり、(C)は平面図であり、(D)は(A)のスペーサ6の一方の端面についての側面図である。
【0023】
上記スペーサ6は、大径部6aから小径部6bへ、すなわち軸受4aから軸受4bにわたって上記軸線5Aの方向に延び、ウォームホイール2とウォーム3との噛合を許容する窓状の開口6cが、図2(A),(B)に見られるように、スペーサ6の上部に形成され、該スペーサ6の内周円の中心Xが上記軸線5Aに対してδだけ偏心していている。すなわち、スペーサ6は、大径部6a、小径部6bにて、周方向で半径方向での厚さが−δ〜+δの2δの範囲で変化するので、スペーサ6の軸線5Aまわりの回転角度に応じて軸体5の軸線5Aと軸体8の軸線8Aとの間の距離が変化する。このスペーサ6は、該スペーサ6の配置のためにハウジング1内に形成された座1aに対して、上記軸線5Aまわりに回転を許容するようにスペーサ6とハウジング1の座1aとの間に若干の隙間をもつように、外径が設定されている。又、スペーサ6は、小径部6b側の端面に、外部から回転操作用の工具が係合するための孔6dが周方向に複数形成されている。本実施形態では、スペーサ6の外周を押圧して該スペーサ6の回転を阻止するようにねじ9がハウジング1に設けられており、スペーサ6を任意の所望回転角だけ回転した位置で該スペーサ6を上記ねじ9により固定可能となっている。
【0024】
一方、軸体8に関して、上記軸受7a,7bは、上記軸体8の軸線8Aの方向でウォーム3に対し両側の二箇所に位置し、上記軸受7a,7bの内輪が軸体8の外周に取り付けられて、軸体5と同様に両持支持構造でハウジング1内で支持されている。
【0025】
ここで、本実施形態装置の組立について説明する。
【0026】
(i) 先ず、軸体5上に軸受4a,4b及びウォームホイール2を有する組立体を、ハウジング1外で、軸受4b側を先方となるようにしてスペーサ6の大径部6a側から該スペーサ6内へ挿入し、軸受4a、軸受4bをそれぞれスペーサ6の大径部6a、小径部6bの所定位置にもたらし、上記組立体をスペーサ6に予め組み込む。したがって、ウォームホイール2はスペーサ6内の所望の位置に設定される。そして、このようにハウジング1外で予めスペーサ6に組み込まれた上記組立体は、小径部6b側を先方としてハウジング1の座1aの大径側から座1a内へ挿入されて組み込まれる。なお、スペーサ6のみを先にハウジング1の座1aに組み込んだ後に、上記組立体をスペーサ6内へ上記と同様の要領で挿入して組み込んでもよい。
【0027】
(ii) 次に、軸体8上に軸受7a,7b及びウォーム3を有する他の組立体が小径の軸受7b側を先方にして、ハウジング1の座1bの大径側から該座1bへ挿入され、軸受7a、軸受7bがそれぞれ座1bの適合部に嵌入してスペーサ6がハウジング1に組み込まれる。その結果、ウォーム3がハウジング1内の所望の位置にせしめられ、ウォームホイール2とウォーム3が互いに噛合する。
【0028】
(iii) そして、後述する、ウォームホイール2とウォーム3との間のバックラッシュの除去調整後に、ねじ9がスペーサ6の外周に押圧して該スペーサ6の回転を阻止するように締め付けられ、組立が完了する。かくして、本実施形態の装置は、上記(i)〜(iii)の順で容易に組立できる。
【0029】
次に、本実施形態に係る歯車装置におけるバックラッシュ除去調整の操作について図1(A)又は図3にもとづき説明する。尚、この操作は、歯車装置の停止中はもとより運転中でも可能である。図3(A)はバックラッシュ調整前のウォームホイール2の位置とスペーサ6の状態との関係を示す図であり、図3(B)はバックラッシュ調整後のウォームホイール2の位置とスペーサ6の状態との関係を示す図である。
【0030】
▲1▼ かかる歯車装置のバックラッシュ除去調整に際しては、先ず、図1(A)に示すねじ9が緩められる。こうすることによってスペーサ6をハウジング1に対して回転可能な状態とする。
【0031】
▲2▼ 次に、図1(A)に示すスペーサ6の孔6dに作業者が操作用の工具(図示せず)を外部から係合させ、この工具の回転操作により、図3(A)に示す状態から図3(B)に示す状態へスペーサ6を所望回転角だけ回転(本実施形態では図3にて反時計回転)させる。こうすることにより、スペーサ6が偏心しているが故にスペーサ6の半径方向での厚さが周方向で変化しているので、二つの軸受4a,4bに対し同時にかつ同量だけ軸体5が軸体8へ向けて移動されて軸体5の軸線5Aと軸体8の軸線8Aとの間の距離が小さくなる。その結果、ウォームホイール2及びウォーム3の磨耗や加工精度のばらつき等により生じたバックラッシュを除去できる。その際、本実施形態では、スペーサ6に形成された孔6dに挿入された工具により外部からスペーサ6を容易に回転操作でき、又、スペーサ6は軸体5と共回りしないので装置の運転中であってもバックラッシュ除去調整できる。又、スペーサ6の回転操作は、例えば軸体8をモータ(図示せず)で回転駆動しながら該モータに流れる電流値の変化に基づきバックラッシュ量を確認して行うことができる。つまり、バックラッシュが0となると回転負荷が大きくなり上記モータへ流れる電流が急に大きくなるので、バックラッシュが0若しくはほぼ0となるスペーサ6の回転角を電流値として簡単に知ることができ、バックラッシュ除去調整が容易となる。
【0032】
▲3▼ バックラッシュの除去調整後に、スペーサ6の外周を押圧して該スペーサ6の回転を阻止するようにねじ9を再び締め付ける。
【0033】
以上本実施形態について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、本実施形態では成形容易なことからスペーサをプラスチック製としたが、スペーサは金属等その他の材料で形成されていてもよく、スペーサの形状、歯車装置の用途等に応じて適宜変更可能である。
【0034】
又、本実施形態では二つの歯車としてウォームホイールとウォームの組み合わせについて説明したが、二つの歯車の軸線間距離を変更することによりバックラッシュを調整できるものであれば、平歯車、はすば歯車等の他の歯車であってもよい。
【0035】
更に、本実施形態ではスペーサを一方の軸体についてのみ設けたが、両方の軸体についてスペーサを設けてもよい。こうすることにより、スペーサの偏心量をあまり大きくしなくてもバックラッシュの調整範囲を大きくすることができるので、広範囲なバックラッシュに対応できると共にバックラッシュの微調整を簡単にできる。
【0036】
又、本実施形態ではハウジング内の軸受部に玉軸受を用いたが、すべり軸受、ころ軸受等の他の軸受であってもよい。該軸受部にすべり軸受を用いた場合には、一部材として歯車と一体となった軸受部を軸体上に設けると、構成が簡単化されそして強度が向上するので、好ましい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、軸体の支持強度の確保のために該軸体上の二つの軸受部の間に所定距離を設けても、該軸体上の歯車を上記二つの軸受部の間に位置せしめることとしているので、小型化を図りつつ高強度を得ることができる。又、両持支持による高強度構造のもとで上記軸体の軸線方向の両端部を安定して支持するので、該両端部が突出した構造とすることができ、軸体の両端部での駆動を要する機構にも適用できる。そして、軸受とハウジングとの間に両軸受部にわたる一個の偏心したスペーサを設けるのみで、スペーサの回転操作により上記軸体の軸線を変位させて両歯車の軸線間距離を変化させるので、簡単な装置構成そして操作で両歯車間のバックラッシュを除去調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態に係る歯車装置を示す断面図であり、(B)は(A)の歯車装置における互いに噛合する二つの歯車についての側面図である。
【図2】(A)は図1(A)に示すスペーサの断面図であり、(B)は(A)におけるB−B線断面図であり、(C)は(A)の平面図であり、(D)は(A)のスペーサの一方の端面についての側面図である。
【図3】図1の歯車装置におけるバックラッシュ調整を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 ウォームホイール(歯車)
3 ウォーム(歯車)
4a,4b 軸受(軸受部)
5 軸体
6 スペーサ
6c 開口
6d 孔(係止部)
7a,7b 軸受(軸受部)
8 軸体

Claims (7)

  1. ハウジング内で互いに噛合する二つの歯車を備え、該二つの歯車は、それぞれ、ハウジング内の軸受部で支持された軸体に取り付けられている歯車装置において、軸受部は、それぞれの軸体について、該軸体の軸線方向で歯車に対し両側の二箇所に配設され、少なくとも一方の軸体に関して、軸受部とハウジングとの間に略円筒状のスペーサが挿入され、該スペーサは上記二箇所の軸受部にわたって上記軸線方向に延び、上記一方の軸体上の歯車と他方の軸体上の歯車との噛合を許容する開口が形成され、該スペーサの内周円の中心が上記軸体の軸線に対して偏心していて、二つの歯車間に生じるバックラッシュの除去可能な所望回転角だけ上記軸線まわりに回転せしめた位置に設定可能となっていることを特徴とする歯車装置。
  2. ハウジングには、スペーサを任意の所望回転角の位置で固定可能な固定部材が取り付けられていることとする請求項1に記載の歯車装置。
  3. 固定部材は、スペーサの外周に押圧して該スペーサの回転を阻止するようにハウジングに設けられたねじ体であるであることとする請求項2に記載の歯車装置。
  4. スペーサは、軸線方向のどちらか一方の端面に、外部からの回転操作のための係止部が周方向に複数形成されていることとする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の歯車装置。
  5. 二つの軸受部の径は、軸線方向の一端側の軸受部が他端側の軸受部よりも大きくなっており、スペーサの内径は、上記一方の軸体上の二つの軸受部の径に適合して形成されており、上記一方の軸体上の歯車の外径は上記一端側の軸受部の径よりも小さくなっていることとする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の歯車装置。
  6. 一方の軸体上の歯車はウォームホイールであり、他方の歯車はウォームであることとする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の歯車装置。
  7. スペーサは金属若しくはプラスチックで成形されていることとする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の歯車装置。
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