JP2003028177A - 軸受の配置構造 - Google Patents
軸受の配置構造Info
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- F16C19/00—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
- F16C19/54—Systems consisting of a plurality of bearings with rolling friction
- F16C19/55—Systems consisting of a plurality of bearings with rolling friction with intermediate floating or independently-driven rings rotating at reduced speed or with other differential ball or roller bearings
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 複数の軸受を配置する場合に、軸受の寿命の
低下を抑制することのできる軸受の配置構造を提供す
る。 【解決手段】 内輪と外輪との間に円錐ころ15を有す
る円錐ころ軸受5と、内輪と外輪との間に円錐ころ26
を有する円錐ころ軸受6とが設けられ、円錐ころ26と
外輪との接触部に作用する転動体荷重が、円錐ころ軸受
5の内輪および円錐ころ15を経由して、円錐ころ軸受
5の外輪に伝達されるように、複数の円錐ころ軸受5,
6が配置される軸受の配置構造において、複数の円錐こ
ろ軸受5,6における転動体荷重の作用線同士が、同一
の直線C1上に設定されている。
低下を抑制することのできる軸受の配置構造を提供す
る。 【解決手段】 内輪と外輪との間に円錐ころ15を有す
る円錐ころ軸受5と、内輪と外輪との間に円錐ころ26
を有する円錐ころ軸受6とが設けられ、円錐ころ26と
外輪との接触部に作用する転動体荷重が、円錐ころ軸受
5の内輪および円錐ころ15を経由して、円錐ころ軸受
5の外輪に伝達されるように、複数の円錐ころ軸受5,
6が配置される軸受の配置構造において、複数の円錐こ
ろ軸受5,6における転動体荷重の作用線同士が、同一
の直線C1上に設定されている。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】一般に、車両の駆動力源から車輪に至る
動力の伝達経路には、各種の回転部材が設けられてお
り、これらの回転部材は軸受により支持されている。こ
のように、車両用の動力伝達経路の回転部材を支持する
ための軸受の配置構造の一例が、特開平10−1767
20号公報に記載されている。この公報においては、メ
インシャフトの外周側に、第1の円錐ころ軸受の内輪が
取り付けられているとともに、この第1の円錐ころ軸受
の外輪が、メインドライブギヤと一体的に構成されてい
る。また、メインドライブギヤの外周側に、第2の円錐
ころ軸受の内輪が取り付けられているとともに、第2の
円錐ころ軸受の外輪が、トランスミッションケースに固
定されている。さら、にメインシャフトの外周側には、
メインギヤが設けられているとともに、メインギヤとメ
インドライブギヤとの間にはシンクロナイザ機構が配置
されている。 【0002】そして、シンクロナイザ機構の動作によ
り、メインシャフトと、メインドライブギヤまたはメイ
ンギヤとが動力伝達可能に連結される。動力の伝達時
に、ギヤの噛み合い力に起因して、メインシャフトに半
径方向の荷重が作用すると、この荷重が、第1の円錐こ
ろ軸受およびメインドライブギヤを経由して、第2の円
錐ころ軸受に伝達される。第2の円錐ころ軸受に伝達さ
れた荷重が、トランスミッションケースにより受け止め
られる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
記載されている軸受の配置構造においては、第1および
第2の円錐ころ軸受における荷重の作用線に関する記述
がないが、第1の円錐ころ軸受の荷重の作用線と、第2
の円錐ころ軸受における荷重の作用線との位置関係が適
切に設定されていない場合は、メインシャフトの荷重
が、第1の円錐ころ軸受から第2の円錐ころ軸受に伝達
される際に、第2の円錐ころ軸受にモーメントが発生
し、第2の円錐ころ軸受の寿命が低下する可能性があっ
た。 【0004】この発明は、上記事情を背景としてなされ
たもので、複数の軸受を配置する場合に、軸受の寿命の
低下を抑制することのできる軸受の配置構造を提供する
ことを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段およびその作用】上記目的
を達成するためこの発明は、転動体を有する転がり軸受
が複数設けられ、転動体荷重の伝達経路が直列となるよ
うに、前記複数の転がり軸受が配置される軸受の配置構
造において、前記複数の転がり軸受における転動体荷重
の作用線同士が、同一の直線上に設定されることを特徴
とするものである。 【0006】請求項1の発明によれば、所定の転がり軸
受における転動体荷重が、他の転がり軸受に伝達された
場合に、他の転がり軸受の転動体を所定方向に回転させ
ようとするモーメントが発生しない。 【0007】 【発明の実施の形態】つぎに、この発明の一実施例を、
図面に基づいて説明する。図2は、車両用の変速機の動
力伝達経路の一部を示す断面図、図1は図2の要部を示
す拡大断面図である。図1および図2において、ケーシ
ング(言い換えればハウジング)1の内部には、入力軸
2および出力軸3が配置されている。出力軸3は円筒部
21を有しており、入力軸2の長さ方向の一部が、円筒
部21の内部空間B1内に配置されている。なお、駆動
力源(図示せず)のトルクが、入力軸2に伝達されるよ
うに構成されている。さらに、図1および図2は、入力
軸2および出力軸3の回転中心となる軸線A1を含む平
面内における断面図である。 【0008】また、この入力軸2を回転可能に支持する
円錐ころ軸受4と、出力軸3を回転可能に支持する円錐
ころ軸受5と、入力軸2と出力軸3とを相対回転可能に
連結する円錐ころ軸受6とが設けられている。円錐ころ
軸受4ないし6は、主としてラジアル荷重を受けるよう
に構成されたラジアル軸受であるが、スラスト荷重を受
けることもできる。 【0009】円錐ころ軸受4は、入力軸2であって、円
筒部21の外部に相当する位置に設けられている。円錐
ころ軸受4は、ケーシング1の内周に嵌合固定された外
輪7と、外輪7の内側に配置され、かつ、入力軸2の外
周に嵌合固定された内輪8と、外輪7と内輪8との間
に、円周方向に配置された複数の円錐ころ9とを有して
いる。外輪7の内周面を構成する環状の転動面10に
は、円錐ころ軸受5,6側に向けて拡径する方向のテー
パ角度が設定されている。一方、内輪8の外周側には環
状の転動溝11が形成されており、この転動溝11の転
動面12には、円錐ころ軸受5,6側に向けて拡径する
方向のテーパ角度が設定されている。なお、転動面10
のテーパ角度よりも、転動面12のテーパ角度の方が小
さく設定されている。 【0010】前記円錐ころ軸受5は、ケーシング1の内
周に嵌合固定された外輪13と、外輪13の内側に配置
され、かつ、出力軸3の円筒部21の外周に嵌合固定さ
れた内輪14と、外輪13と内輪14との間に、円周方
向に配置された複数の円錐ころ15とを有している。外
輪13の内周面を構成する環状の転動面16には、円錐
ころ軸受4側に向けて拡径する方向のテーパ角度が設定
されている。この円錐ころ15の外周面と転動面16と
が接触して接触部D1が形成される。また、転動面16
および接触部D1の延長線F1と、軸線A1とのなす角
度θ2が設定される。 【0011】一方、内輪14の外周側には環状の転動溝
17が形成されており、この転動溝17の転動面18に
は、円錐ころ軸受4側に向けて拡径する方向のテーパ角
度が設定されている。また、転動面18の延長線F2と
軸線A1とのなす角度θ3が設定される。さらに、円筒
部21の外周であって、軸線A1方向における円錐ころ
軸受4と円錐ころ軸受5との間には、はす歯歯車19が
形成されている。またケーシング1の内部には、他のは
す歯歯車20が設けられており、はす歯歯車19とはす
歯歯車20とが噛合されている。 【0012】つぎに、前記円錐ころ軸受6について説明
する。前記出力軸3の円筒部21が、円錐ころ軸受6の
外輪を兼ねており、円錐ころ軸受6の内輪22が入力軸
2の外周に嵌合固定されている。内輪22は内部空間B
1内に配置されている。 【0013】円筒部21の内周側には環状の転動面23
が形成されており、この転動面23には、円錐ころ軸受
4側に向けて拡径する方向のテーパ角度が設定されてい
る。さらに、内輪22の外周側には環状の転動溝24が
形成されており、この転動溝24の転動面25には、円
錐ころ軸受4側に向けて拡径する方向のテーパ角度が設
定されている。そして、転動面23および転動面25に
接触する円錐ころ26が、円周方向に複数配置されてい
る。この転動面23と円錐ころ26とが接触して接触部
E1が形成される。さらに、転動面23および接触部E
1の延長線F3と軸線A1とのなす角度θ1は、角度θ
2と同一に設定されている。つまり、延長線F1と延長
線F3とは相互に平行である。 【0014】また、転動面25の延長線F4と軸線A1
とのなす角度θ4は、角度θ3と同一に設定されてい
る。つまり、延長線F2と延長線F4とは相互に平行で
ある。そして、角度θ1,θ2よりも角度θ3,θ4の
方が小さく設定されている。このように、図1および図
2に示す実施例においては、延長線F1と延長線F2と
のなす鋭角側の角度と、延長線F3と延長線F4とのな
す鋭角側の角度とが同一となるように、円錐ころ15の
テーパ角度と、円錐ころ26のテーパ角度とが同一に設
定されている。なお、はす歯歯車19と円錐ころ軸受4
との間には、円筒部21と入力軸2とを動力伝達可能に
連結するための同期噛み合い機構27が設けられてい
る。 【0015】上記のように構成された円錐ころ軸受5に
より、出力軸3が軸線A1を中心として回転可能に支持
されており、円錐ころ軸受4,6により、入力軸2が回
転可能に保持されている。また、円錐ころ軸受4ないし
6の中心軸は、全て軸線A1上に設定されている。 【0016】なお、変速機の組立工程においては、円錐
ころ軸受4の外輪7、および円錐ころ軸受5の外輪13
に対して、軸線A1と平行な方向に、かつ、外輪7と外
輪13とを相互に近づける向きの荷重、すなわち、予圧
が与えられる。このようにして、入力軸2と出力軸3
と、円錐ころ軸受4,5,6とを結合したユニットが構
成され、軸線A1方向および半径方向におけるユニット
の結合剛性が、前記予圧により高められている。 【0017】さらに、図1および図2に示す実施例にお
いては、ケーシング1が、金属材料、例えば鋳鉄、アル
ミニウム合金などにより構成され、入力軸2および出力
軸3が、金属材料、例えば、機械構造用合金鋼などによ
り構成され、円錐ころ軸受4ないし6を構成する部品
が、金属材料、例えば、炭素鋼、クロム鋼、軸受鋼など
により構成される。 【0018】図1および図2の実施例における作用を説
明する。なお、以下の説明は、同期噛み合い機構27を
作動させた場合に対応する。すなわち、同期噛み合い機
構27の動作により、入力軸2と出力軸3とが動力伝達
可能に連結されると、入力軸2のトルクが出力軸3に伝
達されるとともに、出力軸3のトルクがはす歯歯車19
からはす歯歯車20に伝達される。 【0019】はす歯歯車19とはす歯歯車20との間で
動力伝達がおこなわれる場合、はす歯歯車19の歯とは
す歯歯車20の歯との接触点の荷重の分力に相当する荷
重Faが、はす歯歯車19に対して軸線A1と平行な方
向に、かつ、はす歯歯車19を円錐ころ軸受5の外輪1
3に近づけようとする向きで作用する。また、はす歯歯
車19の歯とはす歯歯車20の歯との接触点の荷重の分
力に相当する荷重が、はす歯歯車19に対して半径方向
に作用する。すると、その荷重が円錐ころ軸受6に伝達
されるとともに、この荷重の反力Frが円錐ころ軸受6
の半径方向に発生する。 【0020】図1および図2の実施例では、一方の円錐
ころ軸受6の外輪を構成する円筒部21に対して、他方
の円錐ころ軸受5の内輪14が取り付けられている。つ
まり、円錐ころ軸受6の転動体荷重が、円筒部21を経
由して円錐ころ軸受5の内輪14に伝達され、ついで、
この荷重が円錐ころ15を経由して外輪13に伝達され
る。言い換えれば、円錐ころ軸受6の円錐ころ26か
ら、円錐ころ軸受5の外輪13に至る荷重の伝達経路が
直列に形成されるように、円錐ころ軸受6および円錐こ
ろ軸受5の各部品が構成され、かつ、円錐ころ軸受5と
円錐ころ軸受6との相対位置が設定されている。 【0021】つぎに、図1および図2の実施例におい
て、円錐ころ軸受5と円錐ころ軸受6との相対関係に基
づく荷重の伝達作用を説明する。まず、延長線F4と軸
線A1との間に角度θ4が設定されているため、前記反
力Frに対応して、円錐ころ軸受6においては、転動体
26と転動面25との接触部G1に直交する方向の分力
(荷重)Qiが発生する。この分力Qiに対応する転動
体荷重の方向および向きが、作用線Qo1で示されてい
る。円錐ころ軸受6における転動体荷重とは、接触部E
1に作用する荷重であって、転動面23に直交し、か
つ、延長線F3の長さ方向における転動面23の中央に
作用する荷重を意味している。 【0022】また、作用線Qo1で示される転動体荷重
が、円錐ころ軸受5の内輪14に伝達され、その荷重が
内輪14から円錐ころ15に伝達される。すると、円錐
ころ軸受5で転動体荷重が発生する。円錐ころ軸受5の
転動体荷重とは、接触部D1に発生する荷重であって、
転動面16に直交し、かつ、延長線F1の長さ方向にお
ける転動面16の中央点D2に作用する荷重である。な
お、円錐ころ軸受5の転動体荷重に対応する作用線の方
向および向きは、円錐ころ軸受6の転動体荷重に対応す
る作用線Qo1と同一であるため、便宜上、円錐ころ軸
受5の転動体荷重に対応する作用線をも“作用線Qo
1”と記載する。そして、この円錐ころ軸受5に作用す
る転動体荷重が、ハウジング1で受け止められるため、
この転動体荷重に対応する反力が、接触部D1に向けて
発生する。この反力の方向および向きが、作用線Qo2
で示されている。この作用線Qo2の先端は中央点D2
に設定される。 【0023】ところで、図1および図2の実施例におい
ては、円錐ころ軸受5の接触角および円錐ころ軸受6の
接触角が、同一の接触角αとなるように、円錐ころ軸受
5と円錐ころ軸受6との相対関係が構成されている。前
記接触角αとは、各円錐ころ軸受5,6における転動体
荷重の方向を示す作用線Qo1と、円錐ころ軸受5,6
の中心軸(この実施例では軸線A1)に垂直な平面を示
す線分H1とのなす鋭角側の角度を意味している。 【0024】また、円錐ころ軸受5,6の転動体荷重の
作用線Qo1が、同一の直線C1上に設定されるよう
に、軸線A1と平行な方向において、円錐ころ軸受5と
円錐ころ軸受6との相対位置が設定されている。なお、
図1および図2の実施例では、円錐ころ軸受5の作用点
J1と、円錐ころ軸受6の作用点J1とが、軸線A1上
の同一位置に設定されている。円錐ころ軸受5の作用点
J1とは、円錐ころ軸受5における転動体荷重の方向を
示す作用線と、円錐ころ軸受5の中心軸である軸線A1
とが交差する点を意味している。また、円錐ころ軸受6
の作用点J1とは、円錐ころ軸受6における転動体荷重
の方向を示す作用線と、円錐ころ軸受6の中心軸である
軸線A1とが交差する点を意味している。 【0025】上記のようにして、円錐ころ軸受5,6の
転動体荷重の作用線Qo1を、直線C1上に設定してい
るため、円錐ころ軸受5で発生する反力の作用線Qo2
と、円錐ころ軸受6の転動体荷重の作用線Qo1とが相
互に、逆向きに、かつ同一の直線C1上に発生する。こ
のため、中央点D2をモーメントの中心と仮定し、この
中央点D2から、円錐ころ軸受6の転動体荷重の作用線
Qo2に対して、垂線(図示せず)を下すことを想定し
た場合、図1および図2の実施例においては、垂線、す
なわち“モーメントの腕”の長さが“零”となる。つま
り、はす歯歯車19とはす歯歯車20との噛み合い点に
発生する荷重が、円錐ころ軸受6を経由して円錐ころ軸
受5に伝達された場合に、円錐ころ軸受5の円錐ころ1
5を、中央点D2を中心として、所定方向に回転させよ
うとするモーメントは発生しない。 【0026】したがって、円錐ころ軸受5において、延
長線F1の長さ方向であって、接触部D1における円錐
ころ15と転動面16との接触面圧が、局所的に高まる
ことを抑制できる。言い換えれば、接触部D1における
接触面圧が、延長線F1の長さ方向において均一に保持
される。このようにして、円錐ころ軸受5の寿命の低下
が抑制され、円錐ころ軸受5の耐久性が向上する。 【0027】なお、上記実施例において、変速機の組立
工程で、円錐ころ軸受5における転動体荷重の作用線
と、円錐ころ軸受6における転動体荷重の作用線とが同
一の直線上に設定されるように、軸線A1方向におけ
る、円錐ころ軸受5と円錐ころ軸受6との相対位置を設
定する時期は、前記円錐ころ軸受4の外輪7と円錐ころ
軸受5の外輪13とを近づける向きで予圧を付与する
前、または予圧の付与途中、あるいは予圧の付与終了後
のいずれでもよい。 【0028】すなわち、予圧が付与されると、円錐ころ
軸受4,5,6を構成する部品が、マイクロメートル単
位で微小変形するが、仮に、予圧が設定される前あるい
は途中で、円錐ころ軸受6における転動体荷重の作用線
とが同一の直線上に設定されるように、軸線A1方向に
おける、円錐ころ軸受5と円錐ころ軸受6との相対位置
が設定され、その後、予圧により各軸受の変形量が増加
して、前記微小変形の範囲内で作用線同士が相対移動し
た場合でも、“各軸受の作用線同士が、同一の直線上に
設定されている”という構成に含まれる。また、図1お
よび図2の実施例においては、出力軸3の円筒部21が
円錐ころ軸受6の外輪を兼ねているが、円錐ころ軸受6
の外輪を円筒部とは別に構成し、この外輪を円筒部の内
周に嵌合固定する構成を採用することもできる。 【0029】ここで、図1および図2の実施例の構成
と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、円錐こ
ろ軸受5,6が、この発明の“複数の転がり軸受”に相
当し、円錐ころ15,26が、この発明の“転動体”に
相当する。 【0030】なお、この発明は、複数の転がり軸受の中
心軸が、相互に偏心して配置されているものに対しても
適用できる。すなわち、この発明では、複数の転がり軸
受の作用点が、直線C1上で異なる位置に設定されてい
てもよい。また、この発明は、複数の転がり軸受が、3
個以上設けられているものに対しても適用できる。複数
の転がり軸受を3個以上設ける場合、少なくとも2個以
上の転がり軸受における転動体荷重の作用線同士が、同
一の直線上に設定されていればよい。また、この発明
は、転動体としては、円筒または玉などを用いた転がり
軸受にも適用可能である。さらに、図1および図2に示
す円錐ころ軸受5,6は、接触角αが“零度”を越える
値に設定された、いわゆるアンギュラコンタクト軸受で
あるが、この発明は、接触角が“零度”に設定された転
がり軸受を、複数備えているものに対しても適用でき
る。また、テーパ角度が異なる円錐ころを用いた場合
は、延長線F2と延長線F4とは非平行になる。 【0031】 【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、所定の軸受における転動体荷重が、他の軸受に荷重
が伝達された場合に、他の軸受側の転動体を、所定方向
に回転させようとするモーメントが発生しない。したが
って、転動体と軌道輪との接触部における接触面圧を、
接触部の全域に亘って均等に分散させることができ、軸
受の寿命の低下を防止できる。
動力の伝達経路には、各種の回転部材が設けられてお
り、これらの回転部材は軸受により支持されている。こ
のように、車両用の動力伝達経路の回転部材を支持する
ための軸受の配置構造の一例が、特開平10−1767
20号公報に記載されている。この公報においては、メ
インシャフトの外周側に、第1の円錐ころ軸受の内輪が
取り付けられているとともに、この第1の円錐ころ軸受
の外輪が、メインドライブギヤと一体的に構成されてい
る。また、メインドライブギヤの外周側に、第2の円錐
ころ軸受の内輪が取り付けられているとともに、第2の
円錐ころ軸受の外輪が、トランスミッションケースに固
定されている。さら、にメインシャフトの外周側には、
メインギヤが設けられているとともに、メインギヤとメ
インドライブギヤとの間にはシンクロナイザ機構が配置
されている。 【0002】そして、シンクロナイザ機構の動作によ
り、メインシャフトと、メインドライブギヤまたはメイ
ンギヤとが動力伝達可能に連結される。動力の伝達時
に、ギヤの噛み合い力に起因して、メインシャフトに半
径方向の荷重が作用すると、この荷重が、第1の円錐こ
ろ軸受およびメインドライブギヤを経由して、第2の円
錐ころ軸受に伝達される。第2の円錐ころ軸受に伝達さ
れた荷重が、トランスミッションケースにより受け止め
られる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
記載されている軸受の配置構造においては、第1および
第2の円錐ころ軸受における荷重の作用線に関する記述
がないが、第1の円錐ころ軸受の荷重の作用線と、第2
の円錐ころ軸受における荷重の作用線との位置関係が適
切に設定されていない場合は、メインシャフトの荷重
が、第1の円錐ころ軸受から第2の円錐ころ軸受に伝達
される際に、第2の円錐ころ軸受にモーメントが発生
し、第2の円錐ころ軸受の寿命が低下する可能性があっ
た。 【0004】この発明は、上記事情を背景としてなされ
たもので、複数の軸受を配置する場合に、軸受の寿命の
低下を抑制することのできる軸受の配置構造を提供する
ことを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段およびその作用】上記目的
を達成するためこの発明は、転動体を有する転がり軸受
が複数設けられ、転動体荷重の伝達経路が直列となるよ
うに、前記複数の転がり軸受が配置される軸受の配置構
造において、前記複数の転がり軸受における転動体荷重
の作用線同士が、同一の直線上に設定されることを特徴
とするものである。 【0006】請求項1の発明によれば、所定の転がり軸
受における転動体荷重が、他の転がり軸受に伝達された
場合に、他の転がり軸受の転動体を所定方向に回転させ
ようとするモーメントが発生しない。 【0007】 【発明の実施の形態】つぎに、この発明の一実施例を、
図面に基づいて説明する。図2は、車両用の変速機の動
力伝達経路の一部を示す断面図、図1は図2の要部を示
す拡大断面図である。図1および図2において、ケーシ
ング(言い換えればハウジング)1の内部には、入力軸
2および出力軸3が配置されている。出力軸3は円筒部
21を有しており、入力軸2の長さ方向の一部が、円筒
部21の内部空間B1内に配置されている。なお、駆動
力源(図示せず)のトルクが、入力軸2に伝達されるよ
うに構成されている。さらに、図1および図2は、入力
軸2および出力軸3の回転中心となる軸線A1を含む平
面内における断面図である。 【0008】また、この入力軸2を回転可能に支持する
円錐ころ軸受4と、出力軸3を回転可能に支持する円錐
ころ軸受5と、入力軸2と出力軸3とを相対回転可能に
連結する円錐ころ軸受6とが設けられている。円錐ころ
軸受4ないし6は、主としてラジアル荷重を受けるよう
に構成されたラジアル軸受であるが、スラスト荷重を受
けることもできる。 【0009】円錐ころ軸受4は、入力軸2であって、円
筒部21の外部に相当する位置に設けられている。円錐
ころ軸受4は、ケーシング1の内周に嵌合固定された外
輪7と、外輪7の内側に配置され、かつ、入力軸2の外
周に嵌合固定された内輪8と、外輪7と内輪8との間
に、円周方向に配置された複数の円錐ころ9とを有して
いる。外輪7の内周面を構成する環状の転動面10に
は、円錐ころ軸受5,6側に向けて拡径する方向のテー
パ角度が設定されている。一方、内輪8の外周側には環
状の転動溝11が形成されており、この転動溝11の転
動面12には、円錐ころ軸受5,6側に向けて拡径する
方向のテーパ角度が設定されている。なお、転動面10
のテーパ角度よりも、転動面12のテーパ角度の方が小
さく設定されている。 【0010】前記円錐ころ軸受5は、ケーシング1の内
周に嵌合固定された外輪13と、外輪13の内側に配置
され、かつ、出力軸3の円筒部21の外周に嵌合固定さ
れた内輪14と、外輪13と内輪14との間に、円周方
向に配置された複数の円錐ころ15とを有している。外
輪13の内周面を構成する環状の転動面16には、円錐
ころ軸受4側に向けて拡径する方向のテーパ角度が設定
されている。この円錐ころ15の外周面と転動面16と
が接触して接触部D1が形成される。また、転動面16
および接触部D1の延長線F1と、軸線A1とのなす角
度θ2が設定される。 【0011】一方、内輪14の外周側には環状の転動溝
17が形成されており、この転動溝17の転動面18に
は、円錐ころ軸受4側に向けて拡径する方向のテーパ角
度が設定されている。また、転動面18の延長線F2と
軸線A1とのなす角度θ3が設定される。さらに、円筒
部21の外周であって、軸線A1方向における円錐ころ
軸受4と円錐ころ軸受5との間には、はす歯歯車19が
形成されている。またケーシング1の内部には、他のは
す歯歯車20が設けられており、はす歯歯車19とはす
歯歯車20とが噛合されている。 【0012】つぎに、前記円錐ころ軸受6について説明
する。前記出力軸3の円筒部21が、円錐ころ軸受6の
外輪を兼ねており、円錐ころ軸受6の内輪22が入力軸
2の外周に嵌合固定されている。内輪22は内部空間B
1内に配置されている。 【0013】円筒部21の内周側には環状の転動面23
が形成されており、この転動面23には、円錐ころ軸受
4側に向けて拡径する方向のテーパ角度が設定されてい
る。さらに、内輪22の外周側には環状の転動溝24が
形成されており、この転動溝24の転動面25には、円
錐ころ軸受4側に向けて拡径する方向のテーパ角度が設
定されている。そして、転動面23および転動面25に
接触する円錐ころ26が、円周方向に複数配置されてい
る。この転動面23と円錐ころ26とが接触して接触部
E1が形成される。さらに、転動面23および接触部E
1の延長線F3と軸線A1とのなす角度θ1は、角度θ
2と同一に設定されている。つまり、延長線F1と延長
線F3とは相互に平行である。 【0014】また、転動面25の延長線F4と軸線A1
とのなす角度θ4は、角度θ3と同一に設定されてい
る。つまり、延長線F2と延長線F4とは相互に平行で
ある。そして、角度θ1,θ2よりも角度θ3,θ4の
方が小さく設定されている。このように、図1および図
2に示す実施例においては、延長線F1と延長線F2と
のなす鋭角側の角度と、延長線F3と延長線F4とのな
す鋭角側の角度とが同一となるように、円錐ころ15の
テーパ角度と、円錐ころ26のテーパ角度とが同一に設
定されている。なお、はす歯歯車19と円錐ころ軸受4
との間には、円筒部21と入力軸2とを動力伝達可能に
連結するための同期噛み合い機構27が設けられてい
る。 【0015】上記のように構成された円錐ころ軸受5に
より、出力軸3が軸線A1を中心として回転可能に支持
されており、円錐ころ軸受4,6により、入力軸2が回
転可能に保持されている。また、円錐ころ軸受4ないし
6の中心軸は、全て軸線A1上に設定されている。 【0016】なお、変速機の組立工程においては、円錐
ころ軸受4の外輪7、および円錐ころ軸受5の外輪13
に対して、軸線A1と平行な方向に、かつ、外輪7と外
輪13とを相互に近づける向きの荷重、すなわち、予圧
が与えられる。このようにして、入力軸2と出力軸3
と、円錐ころ軸受4,5,6とを結合したユニットが構
成され、軸線A1方向および半径方向におけるユニット
の結合剛性が、前記予圧により高められている。 【0017】さらに、図1および図2に示す実施例にお
いては、ケーシング1が、金属材料、例えば鋳鉄、アル
ミニウム合金などにより構成され、入力軸2および出力
軸3が、金属材料、例えば、機械構造用合金鋼などによ
り構成され、円錐ころ軸受4ないし6を構成する部品
が、金属材料、例えば、炭素鋼、クロム鋼、軸受鋼など
により構成される。 【0018】図1および図2の実施例における作用を説
明する。なお、以下の説明は、同期噛み合い機構27を
作動させた場合に対応する。すなわち、同期噛み合い機
構27の動作により、入力軸2と出力軸3とが動力伝達
可能に連結されると、入力軸2のトルクが出力軸3に伝
達されるとともに、出力軸3のトルクがはす歯歯車19
からはす歯歯車20に伝達される。 【0019】はす歯歯車19とはす歯歯車20との間で
動力伝達がおこなわれる場合、はす歯歯車19の歯とは
す歯歯車20の歯との接触点の荷重の分力に相当する荷
重Faが、はす歯歯車19に対して軸線A1と平行な方
向に、かつ、はす歯歯車19を円錐ころ軸受5の外輪1
3に近づけようとする向きで作用する。また、はす歯歯
車19の歯とはす歯歯車20の歯との接触点の荷重の分
力に相当する荷重が、はす歯歯車19に対して半径方向
に作用する。すると、その荷重が円錐ころ軸受6に伝達
されるとともに、この荷重の反力Frが円錐ころ軸受6
の半径方向に発生する。 【0020】図1および図2の実施例では、一方の円錐
ころ軸受6の外輪を構成する円筒部21に対して、他方
の円錐ころ軸受5の内輪14が取り付けられている。つ
まり、円錐ころ軸受6の転動体荷重が、円筒部21を経
由して円錐ころ軸受5の内輪14に伝達され、ついで、
この荷重が円錐ころ15を経由して外輪13に伝達され
る。言い換えれば、円錐ころ軸受6の円錐ころ26か
ら、円錐ころ軸受5の外輪13に至る荷重の伝達経路が
直列に形成されるように、円錐ころ軸受6および円錐こ
ろ軸受5の各部品が構成され、かつ、円錐ころ軸受5と
円錐ころ軸受6との相対位置が設定されている。 【0021】つぎに、図1および図2の実施例におい
て、円錐ころ軸受5と円錐ころ軸受6との相対関係に基
づく荷重の伝達作用を説明する。まず、延長線F4と軸
線A1との間に角度θ4が設定されているため、前記反
力Frに対応して、円錐ころ軸受6においては、転動体
26と転動面25との接触部G1に直交する方向の分力
(荷重)Qiが発生する。この分力Qiに対応する転動
体荷重の方向および向きが、作用線Qo1で示されてい
る。円錐ころ軸受6における転動体荷重とは、接触部E
1に作用する荷重であって、転動面23に直交し、か
つ、延長線F3の長さ方向における転動面23の中央に
作用する荷重を意味している。 【0022】また、作用線Qo1で示される転動体荷重
が、円錐ころ軸受5の内輪14に伝達され、その荷重が
内輪14から円錐ころ15に伝達される。すると、円錐
ころ軸受5で転動体荷重が発生する。円錐ころ軸受5の
転動体荷重とは、接触部D1に発生する荷重であって、
転動面16に直交し、かつ、延長線F1の長さ方向にお
ける転動面16の中央点D2に作用する荷重である。な
お、円錐ころ軸受5の転動体荷重に対応する作用線の方
向および向きは、円錐ころ軸受6の転動体荷重に対応す
る作用線Qo1と同一であるため、便宜上、円錐ころ軸
受5の転動体荷重に対応する作用線をも“作用線Qo
1”と記載する。そして、この円錐ころ軸受5に作用す
る転動体荷重が、ハウジング1で受け止められるため、
この転動体荷重に対応する反力が、接触部D1に向けて
発生する。この反力の方向および向きが、作用線Qo2
で示されている。この作用線Qo2の先端は中央点D2
に設定される。 【0023】ところで、図1および図2の実施例におい
ては、円錐ころ軸受5の接触角および円錐ころ軸受6の
接触角が、同一の接触角αとなるように、円錐ころ軸受
5と円錐ころ軸受6との相対関係が構成されている。前
記接触角αとは、各円錐ころ軸受5,6における転動体
荷重の方向を示す作用線Qo1と、円錐ころ軸受5,6
の中心軸(この実施例では軸線A1)に垂直な平面を示
す線分H1とのなす鋭角側の角度を意味している。 【0024】また、円錐ころ軸受5,6の転動体荷重の
作用線Qo1が、同一の直線C1上に設定されるよう
に、軸線A1と平行な方向において、円錐ころ軸受5と
円錐ころ軸受6との相対位置が設定されている。なお、
図1および図2の実施例では、円錐ころ軸受5の作用点
J1と、円錐ころ軸受6の作用点J1とが、軸線A1上
の同一位置に設定されている。円錐ころ軸受5の作用点
J1とは、円錐ころ軸受5における転動体荷重の方向を
示す作用線と、円錐ころ軸受5の中心軸である軸線A1
とが交差する点を意味している。また、円錐ころ軸受6
の作用点J1とは、円錐ころ軸受6における転動体荷重
の方向を示す作用線と、円錐ころ軸受6の中心軸である
軸線A1とが交差する点を意味している。 【0025】上記のようにして、円錐ころ軸受5,6の
転動体荷重の作用線Qo1を、直線C1上に設定してい
るため、円錐ころ軸受5で発生する反力の作用線Qo2
と、円錐ころ軸受6の転動体荷重の作用線Qo1とが相
互に、逆向きに、かつ同一の直線C1上に発生する。こ
のため、中央点D2をモーメントの中心と仮定し、この
中央点D2から、円錐ころ軸受6の転動体荷重の作用線
Qo2に対して、垂線(図示せず)を下すことを想定し
た場合、図1および図2の実施例においては、垂線、す
なわち“モーメントの腕”の長さが“零”となる。つま
り、はす歯歯車19とはす歯歯車20との噛み合い点に
発生する荷重が、円錐ころ軸受6を経由して円錐ころ軸
受5に伝達された場合に、円錐ころ軸受5の円錐ころ1
5を、中央点D2を中心として、所定方向に回転させよ
うとするモーメントは発生しない。 【0026】したがって、円錐ころ軸受5において、延
長線F1の長さ方向であって、接触部D1における円錐
ころ15と転動面16との接触面圧が、局所的に高まる
ことを抑制できる。言い換えれば、接触部D1における
接触面圧が、延長線F1の長さ方向において均一に保持
される。このようにして、円錐ころ軸受5の寿命の低下
が抑制され、円錐ころ軸受5の耐久性が向上する。 【0027】なお、上記実施例において、変速機の組立
工程で、円錐ころ軸受5における転動体荷重の作用線
と、円錐ころ軸受6における転動体荷重の作用線とが同
一の直線上に設定されるように、軸線A1方向におけ
る、円錐ころ軸受5と円錐ころ軸受6との相対位置を設
定する時期は、前記円錐ころ軸受4の外輪7と円錐ころ
軸受5の外輪13とを近づける向きで予圧を付与する
前、または予圧の付与途中、あるいは予圧の付与終了後
のいずれでもよい。 【0028】すなわち、予圧が付与されると、円錐ころ
軸受4,5,6を構成する部品が、マイクロメートル単
位で微小変形するが、仮に、予圧が設定される前あるい
は途中で、円錐ころ軸受6における転動体荷重の作用線
とが同一の直線上に設定されるように、軸線A1方向に
おける、円錐ころ軸受5と円錐ころ軸受6との相対位置
が設定され、その後、予圧により各軸受の変形量が増加
して、前記微小変形の範囲内で作用線同士が相対移動し
た場合でも、“各軸受の作用線同士が、同一の直線上に
設定されている”という構成に含まれる。また、図1お
よび図2の実施例においては、出力軸3の円筒部21が
円錐ころ軸受6の外輪を兼ねているが、円錐ころ軸受6
の外輪を円筒部とは別に構成し、この外輪を円筒部の内
周に嵌合固定する構成を採用することもできる。 【0029】ここで、図1および図2の実施例の構成
と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、円錐こ
ろ軸受5,6が、この発明の“複数の転がり軸受”に相
当し、円錐ころ15,26が、この発明の“転動体”に
相当する。 【0030】なお、この発明は、複数の転がり軸受の中
心軸が、相互に偏心して配置されているものに対しても
適用できる。すなわち、この発明では、複数の転がり軸
受の作用点が、直線C1上で異なる位置に設定されてい
てもよい。また、この発明は、複数の転がり軸受が、3
個以上設けられているものに対しても適用できる。複数
の転がり軸受を3個以上設ける場合、少なくとも2個以
上の転がり軸受における転動体荷重の作用線同士が、同
一の直線上に設定されていればよい。また、この発明
は、転動体としては、円筒または玉などを用いた転がり
軸受にも適用可能である。さらに、図1および図2に示
す円錐ころ軸受5,6は、接触角αが“零度”を越える
値に設定された、いわゆるアンギュラコンタクト軸受で
あるが、この発明は、接触角が“零度”に設定された転
がり軸受を、複数備えているものに対しても適用でき
る。また、テーパ角度が異なる円錐ころを用いた場合
は、延長線F2と延長線F4とは非平行になる。 【0031】 【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、所定の軸受における転動体荷重が、他の軸受に荷重
が伝達された場合に、他の軸受側の転動体を、所定方向
に回転させようとするモーメントが発生しない。したが
って、転動体と軌道輪との接触部における接触面圧を、
接触部の全域に亘って均等に分散させることができ、軸
受の寿命の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る転がり軸受の配置構造を示す
拡大断面図である。 【図2】 この発明に係る転がり軸受の配置構造を示す
断面図である。 【符号の説明】 5,6…円錐ころ軸受、 15,26…円錐ころ、 C
1…直線、 Qo1…作用線。
拡大断面図である。 【図2】 この発明に係る転がり軸受の配置構造を示す
断面図である。 【符号の説明】 5,6…円錐ころ軸受、 15,26…円錐ころ、 C
1…直線、 Qo1…作用線。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 転動体を有する転がり軸受が複数設けら
れ、転動体荷重の伝達経路が直列となるように、前記複
数の転がり軸受が配置される軸受の配置構造において、 前記複数の転がり軸受における転動体荷重の作用線同士
が、同一の直線上に設定されることを特徴とする軸受の
配置構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001213153A JP2003028177A (ja) | 2001-07-13 | 2001-07-13 | 軸受の配置構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001213153A JP2003028177A (ja) | 2001-07-13 | 2001-07-13 | 軸受の配置構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003028177A true JP2003028177A (ja) | 2003-01-29 |
Family
ID=19048187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001213153A Pending JP2003028177A (ja) | 2001-07-13 | 2001-07-13 | 軸受の配置構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003028177A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011116192A1 (en) * | 2010-03-19 | 2011-09-22 | The Timken Company | Compact pinion and bearing assembly |
JP4790608B2 (ja) * | 2003-07-16 | 2011-10-12 | ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト | ダブルクラッチ変速機 |
JP2013036557A (ja) * | 2011-08-09 | 2013-02-21 | Nissan Motor Co Ltd | 動力伝達装置 |
CN112145557A (zh) * | 2019-06-27 | 2020-12-29 | 纳博特斯克有限公司 | 轴承和减速器 |
-
2001
- 2001-07-13 JP JP2001213153A patent/JP2003028177A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4790608B2 (ja) * | 2003-07-16 | 2011-10-12 | ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト | ダブルクラッチ変速機 |
WO2011116192A1 (en) * | 2010-03-19 | 2011-09-22 | The Timken Company | Compact pinion and bearing assembly |
JP2013036557A (ja) * | 2011-08-09 | 2013-02-21 | Nissan Motor Co Ltd | 動力伝達装置 |
CN112145557A (zh) * | 2019-06-27 | 2020-12-29 | 纳博特斯克有限公司 | 轴承和减速器 |
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