JP2004132185A - 内燃機関の燃料カット制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る、所定の運転状態のときに内燃機関への燃料噴射を停止するフューエルカット制御を実行する燃料カット制御装置は、燃料噴射弁の作動を一時的に停止させる燃料カット手段と、前記燃料カット手段により前記燃料噴射弁の作動が停止されたときに、排気浄化触媒を流通する空気量を増加させる空気増量手段とを備え、フューエルカット制御実行時に流通空気量を増加させることによって排気浄化触媒の温度を低下させる構成とした。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などに搭載される内燃機関に関し、特に所定の条件が成立したときに一時的に燃料噴射が停止される内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などに搭載された内燃機関の排気系には、白金(Pt)に代表される貴金属触媒を含有した排気浄化触媒が設けられている。このように貴金属触媒を含有した排気浄化触媒は、高温且つ酸素過剰な雰囲気に曝されると、貴金属触媒がシンタリングを引き起こし易く、それによって排気浄化触媒の浄化能力が劣化し易いという特性を有している。
【0003】
このため、内燃機関が高負荷運転から減速運転へ移行した場合等に、内燃機関に対する燃料噴射を停止すべくフューエルカット制御が実行されると、排気浄化触媒が高温且つ酸素過剰な雰囲気に曝されてしまい、排気浄化触媒の浄化能力が劣化する虞があった。
【0004】
このような問題に対し、従来では、内燃機関が所定の運転状態のときにフューエルカットを実行する技術において、内燃機関の排気系に設けられた触媒コンバータ内の触媒温度が所定値より高い場合には、フューエルカットの実行を禁止する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−144814号公報
【特許文献2】
特開平2001−182570号公報
【特許文献3】
特開平7−197834号公報
【特許文献4】
特開平10−252533号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の技術のように、触媒温度が所定値より高いときにフューエルカットの実行が禁止されると、内燃機関において燃料が燃焼することになるため、燃料消費率の向上やエミッションの低減を図ることが困難となる上、内燃機関が不要なトルクを発生してドライバビリティの悪化を招く虞がある。
【0007】
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気浄化触媒の劣化を防止しつつフューエルカット制御を実行可能な技術を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明に係る内燃機関の燃料カット制御装置は、
燃料噴射弁を具備した内燃機関と、
前記内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒と、
前記燃料噴射弁の作動を一時的に停止させる燃料カット手段と、
前記燃料カット手段により前記燃料噴射弁の作動が停止されたときに、前記排気浄化触媒を流通する空気量を増加させる空気増量手段と、
を備えるようにしてもよい。
【0009】
この発明は、燃料噴射弁の作動を一時的に停止させる、所謂フューエルカットが実行されるときに、排気浄化触媒を流通する空気量を増加させることにより、排気浄化触媒の温度低下を図ることを最大の特徴としている。
【0010】
かかる内燃機関の燃料カット制御装置では、燃料カット手段が燃料噴射弁の作動を停止させるとともに、空気量増加手段が排気浄化触媒を流通する空気量を増加させる。
【0011】
燃料噴射弁の作動が停止された場合には、内燃機関へ供給された空気が燃焼に供されることなく未燃のまま内燃機関から排出され、その未燃の空気が排気として排気浄化触媒を流通することになる。
【0012】
その際、排気浄化触媒の温度が高ければ、排気浄化触媒が高温且つ酸素過剰な雰囲気に曝されるため、該排気浄化触媒の劣化が促進される虞があるが、空気量増加手段により排気浄化触媒を流通する空気量が増加されると、排気浄化触媒から空気へ伝達される熱量が増加するため、排気浄化触媒の温度が速やかに低下することとなる。
【0013】
この結果、内燃機関のフューエルカットが実行された場合に、排気浄化触媒が高温且つ酸素過剰な雰囲気に曝される時間が短縮され、以て排気浄化触媒の劣化が抑制される。
【0014】
尚、本発明に係る内燃機関の燃料カット制御装置において、フューエルカット実行時に排気浄化触媒を流通する空気量を増加させる方法としては、内燃機関の吸気通路に設けられた吸気量調整弁の開度を増加させる方法、排気浄化触媒より上流の排気通路へ二次空気を供給する方法、等を例示することができる。
【0015】
また、本発明に係る内燃機関の燃料カット制御装置が排気浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段を更に備えている場合には、空気量増加手段は、触媒温度検出手段の検出温度が低くなるにつれて排気浄化触媒を流通する空気量を増加させていくようにしてもよい。
【0016】
これは、高温状態の排気浄化触媒へ多量の空気が一斉に流入すると、排気浄化触媒の上流部と下流部との間に温度差が発生し、排気浄化触媒の変形や破損が誘発される可能性があるからである。
【0017】
更に、上記理由から、本発明に係る内燃機関の燃料カット制御装置において、排気浄化触媒を流通する空気量を増加させるときの増加速度を制御する空気量増加速度制御手段を更に備え、、該空気量増加速度制御手段は、触媒温度検出手段の検出温度が低くなるにつれて排気浄化触媒を流通する空気量の増加速度を速くするようにしてもよい。
【0018】
また、本発明に係る内燃機関の燃料カット制御装置において、フューエルカット実行時に排気浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、触媒温度検出手段の検出温度が所定温度以下まで低下したときに空気量増加手段の作動を停止する空気増量停止手段と、を更に備えるようにしてもよい。
【0019】
この場合、排気浄化触媒の温度が所定温度まで低下した時点で排気浄化触媒を流通する空気量が減少することになるため、排気浄化触媒の過冷却が防止されることになる。
【0020】
ところで、フューエルカット実行時に吸気量調整手段の開度が過剰に増加されると、フューエルカット実行終了時、言い換えれば燃料噴射弁の作動が再開されたときに内燃機関の吸入空気量が過剰に多くなり、内燃機関が急激に高いトルクを発生する可能性がある。
【0021】
これに対し、本発明に係る内燃機関の燃料カット制御装置では、フューエルカット実行時における内燃機関の吸入空気量が所定量となるように吸気量調整手段の開度が制限されるようにしてもよく、或いは、フューエルカット実行終了時の内燃機関の吸入空気量を所定量まで一旦減少させるべく吸気量調整弁の開度が制御されるようにしてよい。
【0022】
前記した所定量としては、内燃機関の吸入空気量に応じて定められる燃料噴射量が燃料噴射弁の最低噴射量となる吸入空気量を例示することができる。
【0023】
但し、フューエルカット実行終了時の内燃機関の負荷が高い場合、内燃機関が加速運転状態となる場合などは、内燃機関が急激に高いトルクを発生してもドライバビリティが悪化しないため、フューエルカット実行終了時の内燃機関の負荷に応じて前記した所定量が変更されるようにしてもよい。
【0024】
例えば、フューエルカット実行終了時の内燃機関の負荷が高くなるほど前記した所定量を増加させ、フューエルカット実行終了時の内燃機関の負荷が低くなるほど前記した所定量を減少させるようにしてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る燃料カット制御装置を有する内燃機関の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る燃料カット制御装置を有する内燃機関の概略構成図である。図1に示す内燃機関1は、複数の気筒21を備えるとともに、各気筒21内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁32を具備した4サイクルのガソリンエンジンである。
【0027】
前記内燃機関1は、複数の気筒21及び冷却水路1cが形成されたシリンダブロック1bと、このシリンダブロック1bの上部に固定されたシリンダヘッド1aとを備えている。
【0028】
前記シリンダブロック1bには、機関出力軸であるクランクシャフト23が回転自在に支持され、このクランクシャフト23は、各気筒21内に摺動自在に装填されたピストン22と連結されている。
【0029】
前記ピストン22の上方には、ピストン22の頂面とシリンダヘッド1aの壁面とに囲まれた燃焼室24が形成されている。前記シリンダヘッド1aには、燃焼室24に臨むよう点火栓25が取り付けられ、この点火栓25には、該点火栓25に駆動電流を印加するためのイグナイタ25aが接続されている。
【0030】
前記シリンダヘッド1aには、2つの吸気ポート26の開口端と2つの排気ポート27の開口端とが燃焼室24に臨むよう形成されるとともに、その噴孔が燃焼室24に臨むよう燃料噴射弁32が取り付けられている。
【0031】
前記吸気ポート26の各開口端は、シリンダヘッド1aに進退自在に支持された吸気弁28によって開閉されるようになっており、これら吸気弁28は、シリンダヘッド1aに設けられた電磁駆動機構30(以下、吸気側電磁駆動機構30と記す)によって開閉駆動されるようになっている。
【0032】
前記排気ポート27の各開口端は、シリンダヘッド1aに進退自在に支持された排気弁29により開閉されるようになっており、これら排気弁29は、シリンダヘッド1aに設けられた電磁駆動機構31(以下、排気側電磁駆動機構31と記す)によって開閉駆動されるようになっている。
【0033】
前記内燃機関1の各吸気ポート26は、該内燃機関1のシリンダヘッド1aに取り付けられた吸気枝管33の各枝管と連通している。前記吸気枝管33は、吸気の脈動を抑制するためのサージタンク34に接続されている。前記サージタンク34には、吸気管35が接続され、吸気管35は、吸気中の塵や埃等を取り除くためのエアクリーナボックス36と接続されている。
【0034】
前記吸気管35には、該吸気管35内を流れる空気の質量(吸入空気質量)に対応した電気信号を出力するエアフローメータ44が取り付けられている。前記吸気管35において前記エアフローメータ44より下流の部位には、該吸気管35内を流れる吸気の流量を調整するスロットル弁39が設けられている。
【0035】
前記スロットル弁39には、ステッパモータ等からなり印加電力の大きさに応じて前記スロットル弁39を開閉駆動するスロットル用アクチュエータ40と、前記スロットル弁39の開度に対応した電気信号を出力するスロットルポジションセンサ41と、アクセルペダル42に機械的に接続され該アクセルペダル42の操作量に対応した電気信号を出力するアクセルポジションセンサ43とが取り付けられている。
【0036】
また、前記吸気管35と前記サージタンク34とは、前記スロットル弁39をバイパスするアイドルアジャスト通路37によって連通しており、前記アイドルアジャスト通路37には、アイドル時に該アイドルアジャスト通路37を流れる吸気の流量を調整するためのアイドル回転速度制御弁38(以下、ISC弁38と記す)が設けられている。
【0037】
前記サージタンク34には、該サージタンク34の圧力に対応した電気信号を出力するバキュームセンサ50が取り付けられている。一方、前記内燃機関1の各排気ポート27は、前記シリンダヘッド1aに取り付けられた排気枝管45の各枝管と連通している。前記排気枝管45は、排気浄化触媒46を介して排気管47に接続され、排気管47は、下流にて図示しないマフラーと接続されている。
【0038】
前記排気枝管45には、該排気枝管45内を流れる排気の空燃比、言い換えれば排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比に対応した電気信号を出力する空燃比センサ48が取り付けられている。
【0039】
前記エアクリーナボックス36と前記排気支管45とは2次空気供給装置53によって連通されており、前記2次空気供給装置53の空気供給口は前記排気支管45の前記空燃比センサ48より上流に接続されている。また、前記2次空気供給装置53には前記エアクリーナボックス36から前記排気支管45へ供給される2次空気の量を調整するエアコントロールバルブ54が設置されている。
【0040】
前記排気浄化触媒46は、例えば、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍の所定の空燃比であるときに排気中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を浄化する三元触媒、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比がリーン空燃比であるときは排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、流入排気の空燃比が理論空燃比もしくはリッチ空燃比であるときは吸蔵していた窒素酸化物(NOx)を放出しつつ還元・浄化する吸蔵還元型NOx触媒、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比が酸素過剰状態にあり且つ所定の還元剤が存在するときに排気中の窒素酸化物(NOx)を還元・浄化する選択還元型NOx触媒、もしくは上記した各種の触媒を適宜組み合わせてなる触媒である。
【0041】
前記した排気浄化触媒46には、該排気浄化触媒46の床温に対応した電気信号を出力する触媒温度センサ49が取り付けられている。また、内燃機関1は、クランクシャフト23の端部に取り付けられたタイミングロータ51aとタイミングロータ51a近傍のシリンダブロック1bに取り付けられた電磁ピックアップ51bとからなるクランクポジションセンサ51と、内燃機関1の内部に形成された冷却水路1cを流れる冷却水の温度を検出すべくシリンダブロック1bに取り付けられた水温センサ52とを備えている。
【0042】
このように構成された内燃機関1には、該内燃機関1の運転状態を制御するための電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU、以下ECUと称する)20が併設されている。このECU20は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、入力ポート、出力ポート、A/Dコンバータ等から構成される算術論理演算回路である。このECU20は、内燃機関1の運転状態を制御するためのECUと独立して設けられるようにしてもよく、或いは兼用されるにしてもよい。
【0043】
前記ECU20には、スロットルポジションセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エアフローメータ44、空燃比センサ48、触媒温度センサ49、バキュームセンサ50、クランクポジションセンサ51、水温センサ52等の各種センサが電気配線を介して接続され、各センサの出力信号がECU20に入力されるようになっている。
【0044】
前記ECU20には、スロットル用アクチュエータ40、ISC弁38、イグナイタ25a、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、燃料噴射弁32、エアコントロールバルブ54等が電気配線を介して接続されており、各種センサの出力信号値をパラメータとしてスロットル用アクチュエータ40、ISC弁38、イグナイタ25a、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、燃料噴射弁32、エアコントロールバルブ54等を前記ECU20によって制御することが可能になっている。
【0045】
次に、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット時の排気浄化触媒46への流通空気量制御について説明する。
【0046】
図2は、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット時の排気浄化触媒46への流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンはECU20によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0047】
本ルーチンでは、ECU20は、まずS101において、該ECU20内のRAMの所定領域に設定されたフューエルカット実行制御フラグ記憶領域に“1”が記憶されているか否かを判別する。前記フューエルカット実行制御フラグ記憶領域は、別途のフューエルカット実行制御ルーチンにおいて内燃機関1の運転状態がフューエルカット実行領域にあると判定されたときに“1”が記憶され、前記フューエルカット実行制御ルーチンにおいて内燃機関1の運転状態がフューエルカット実行領域にないと判定されたときに“0”が記憶される領域である。
【0048】
前記S101においてRAMのフューエルカット実行制御フラグ記憶領域に“1”が記憶されていないと判定された場合、すなわち、前記フューエルカット実行制御フラグ記憶領域に“0”が記憶されていると判定された場合には、ECU20は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0049】
一方、前記S101においてRAMのフューエルカット実行制御フラグ記憶領域に“1”が記憶されている判定した場合は、ECU20は、S102に進む。
【0050】
前記S102において、ECU20は、スロットル弁39の開度が所定開度となるようにスロットル用アクチュエータ40へ印加する電圧を制御し、本ルーチンの実行を終了する。
【0051】
フューエルカット実行時においては、吸気管35から内燃機関1へ供給された空気は燃焼に供されることなく未燃のまま内燃機関1から排出され排気浄化触媒46を流通する。つまり、上記ルーチンを実行することによって、フューエルカットが実行された場合は、スロットル弁39が前記所定開度まで開かれるため、排気浄化触媒46を流通する空気量が増加することになる。流通空気量が増加することによって排気浄化触媒46から空気へ伝達される熱量が増加し、図4に示すように、排気浄化触媒46の温度が速やかに低下する(例えば、約1秒間で200〜300℃低下)。従って、フューエルカット実行時においても温度上昇による触媒物質への酸素や酸化物等の付着を低減することが出来る。以て排気浄化触媒46の劣化を抑制することが可能となる。
【0052】
本実施の形態においては、本発明に係る吸気量調節弁をスロットル弁39としたが、ISC弁38としてもよい。また、吸気側電磁駆動機構30および排気側電磁駆動機構31によって吸気弁28および排気弁29の開閉時期とリフト量とを制御することによって、排気浄化触媒46を流通する空気量を増加させる構成としてもよい。
【0053】
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係る燃料カット制御装置における第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る燃料カット制御装置の構成は上述した第1の実施の形態と同一である。
【0054】
図3は、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット時の排気浄化触媒46への流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンはECU20によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0055】
本ルーチンにおけるS101は、上述した第1の実施の形態における図2記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンと同一であるため説明を省略する。
【0056】
S101において、前記S101においてRAMのフューエルカット実行制御フラグ記憶領域に“1”が記憶されている判定した場合は、ECU20は、S202に進む。
【0057】
前記S202において、ECU20は、2次空気供給装置53のエアコントロールバルブ54の開度を所定開度に制御し、本ルーチンの実行を終了する。
【0058】
上記ルーチンを実行することによって、フューエルカットが実行された場合は、2次空気供給装置53のエアコントロールバルブ54が前記所定開度まで開かれ、排気支管45の排気浄化触媒46より上流に2次空気が供給される。そのため、排気浄化触媒46を流通する空気量が増加することになる。従って、上述した第1の実施の形態と同様に、フューエルカット実行時においても温度上昇による触媒物質への酸素や酸化物等の付着を低減することが出来る。以て排気浄化触媒46の劣化を抑制することが可能となる。
【0059】
(第3の実施の形態)
次に、本発明に係る燃料カット制御装置における第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る燃料カット制御装置の構成は上述した第1の実施の形態と同一である。
【0060】
図5は、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット時の排気浄化触媒46への流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンはECU20によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0061】
本ルーチンにおけるS101及びS102は、上述した第1の実施の形態における図2記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンと同一であるため説明を省略する。
【0062】
S101においてRAMのフューエルカット実行制御フラグ記憶領域に“1”が記憶されている判定した場合は、ECU20は、S302に進み、触媒温度センサ49の出力信号値(触媒温度T)を読み込む。
【0063】
次に、ECU20はS303に進み、前記S302において読み込まれた触媒温度Tが、触媒物質に酸素や酸化物が付着し易くなる温度である劣化温度以上であるか否かを判別する。前記劣化温度は予め実験的に求められた値である。
【0064】
前記S303において前記触媒温度Tが前記劣化温度より低いと判定した場合は、ECU20は、本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、前記S303において前記触媒温度Tが前記劣化温度以上であると判定した場合は、ECU20は、S102へ進み、スロットル弁39の開度が所定開度となるようにスロットル用アクチュエータ40へ印加する電圧を制御し、本ルーチンの実行を終了する。
【0065】
上記ルーチンを実行することによって、フューエルカット実行時において、排気浄化触媒46の温度が前記劣化温度以上となった場合は、スロットル弁39が前記所定開度まで開かれるため、排気浄化触媒46を流通する空気量が増加することになる。従って、排気浄化触媒46の温度がわずかな時間で前記劣化温度より低くなるため、フューエルカット実行時においても触媒物質への酸素や酸化物の付着を低減することが出来る。以て排気浄化触媒46の劣化を抑制することが可能となる。
【0066】
(第4の実施の形態)
次に、本発明に係る燃料カット制御装置における第4の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る燃料カット制御装置の構成は上述した第1の実施の形態と同一である。
【0067】
図6は、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット時の排気浄化触媒46への流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンはECU20によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0068】
本ルーチンにおけるS101及びS302は上述した第3の実施の形態における図5記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンと同一であるため説明を省略する。
【0069】
S302において触媒温度センサ49の出力信号値(触媒温度T)を読み込んだECU20は、S403に進み、前記S302において読み出された触媒温度Tが、触媒物質が排気浄化可能となる活性温度の下限値近傍の温度である活性判定温度以下か否かを判別する。前記活性判定温度は予め定められた値である。
【0070】
前記S403において前記触媒温度Tが前記活性判定温度より高いと判定した場合は、ECU20は、本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、前記S403において前記触媒温度Tが前記活性判定温度以下であると判定した場合は、ECU20は、S404へ進む。
【0071】
前記S404において、ECU20は、スロットル弁39が閉じるようにスロットル用アクチュエータ40へ印加する電圧を制御し、本ルーチンの実行を終了する。
【0072】
上記ルーチンを実行することによって、排気浄化触媒46の温度が活性判定温度以下となった場合は、排気浄化触媒46への空気の流通が停止されることになり、図4に示すように、排気浄化触媒46の温度低下が抑制される。従って、過剰な温度低下により排気浄化触媒46が未活性状態となることを防ぐことが出来る。
【0073】
上述した図6記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンにおいては、排気浄化触媒46の温度を空気流通停止のパラメータとしたが、排気浄化触媒46への積算流通空気量をパラメータとしてもよい。図7は、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット時流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図であり、排気浄化触媒46への積算流通空気量を空気流通停止のパラメータとした流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図である。
【0074】
本ルーチンにおけるS101及びS404は、上述した図6記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンと同一であるため説明を省略する。
【0075】
本ルーチンにおいて、ECU20は、先ずS501で触媒温度センサ49の出力信号値(フューエルカット実行前の触媒温度Tp)を読み込む。
【0076】
前記S501で排気浄化触媒46の前記触媒温度Tpを読み込んだECU20はS101に進む。前記S101において、ECU20内のRAMのフューエルカット実行制御フラグ記憶領域に“1”が記憶されている判定した場合は、ECU20は、S502に進み、フューエルカット実行中の排気浄化触媒46への積算流通空気量Qを算出する。該積算流通空気量Qはエアフローメータ44によって検出された吸気管35への吸入空気量に基づき算出される値である。
【0077】
次に、ECU20は、S503に進み、排気浄化触媒46への空気流通停止の判定基準となる空気量である空気流通停止判定値Qsを算出する。該空気流通停止判定値Qsは、前記S501で検出されるフューエルカット実行前の前記触媒温度Tpに基づき定められる値であり、空気流通停止判定値Qsとフューエルカット実行前の前記触媒温度Tpとの関係(例えば、フューエルカット実行前の触媒温度Tpが高ければ空気流通停止判定値Qsが大きくなる)がマップとしてECU20のROM等に予め記録されている。前記S503において、ECU20は、このマップによって前記空気流通停止判定値Qsを算出する。
【0078】
前記S503において前記空気流通停止判定値Qsを算出したECU20は、S504に進み、前記S502において算出された前記積算流通空気量Qが前記S503において算出された前記空気流通停止判定値Qs以上か否かを判別する。
【0079】
前記S504において、前記積算流通空気量Qが前記空気流通停止判定値Qsより小さいと判定した場合は、ECU20は、本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、前記S504において、前記積算流通空気量Qが前記空気流通停止判定値Qs以上と判定した場合は、ECU20は、S404に進む。
【0080】
前記S404において、ECU20は、スロットル弁39が閉じるようにスロットル用アクチュエータ40へ印加する電圧を制御し、S505に進む。
【0081】
前記S505において、ECU20は、前記積算流通空気量Qをクリアし、本ルーチンの実行を終了する。
【0082】
上記ルーチンを実行することによって、フューエルカット実行時における排気浄化触媒46への過剰な空気の流通を防ぐことが出来る。即ち、上述した図6記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンを実行した場合と同様に、流通空気による排気浄化触媒46の温度低下が抑制され、過剰な温度低下により排気浄化触媒46が未活性状態となることを防ぐことが可能となる。
【0083】
(第5の実施の形態)
次に、本発明に係る燃料カット制御装置における第5の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る燃料カット制御装置の構成は上述した第1の実施の形態と同一である。
【0084】
図8は、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット時の排気浄化触媒46への流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンはECU20によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0085】
本ルーチンにおけるS101及びS302は上述した第3の実施の形態における図5記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンと同一であるため説明を省略する。
【0086】
S302において触媒温度センサ49の出力信号値(触媒温度T)を読み込んだECU20は、S603に進み、目標スロットル弁開度Stを算出する。該目標スロットル弁開度Stは、前記S302で検出される触媒温度Tに基づき定められる値であり、前記目標スロットル弁開度Stと前記触媒温度Tとの関係(例えば、触媒温度Tが低くなるにつれて目標スロットル弁開度Stが大きくなる)がマップとしてECU20のROM等に予め記録されている。前記S603において、ECU20は、このマップによって前記目標スロットル弁開度Stを算出する。
【0087】
次に、ECU20は、S604に進み、スロットル弁39の開度が前記S603において算出された目標スロットル開度Stとなるようにスロットル用アクチュエータ40へ印加する電圧を制御し、本ルーチンの実行を終了する。
【0088】
上記ルーチンを実行することによって、フューエルカット実行時において、排気浄化触媒46を流通する空気量が排気浄化触媒46の温度に応じて制御されることになる。例えば、排気浄化触媒46の温度が触媒物質に酸素や酸化物が付着し易くなる温度である劣化温度以上であるときは、スロットル弁39の開度は大きくなり、排気浄化触媒46を流通する空気量が増加するように制御される。そのため、排気浄化触媒46の温度は速やかに低下し、わずかな時間で前記劣化温度より低くなるため、フューエルカット実行時においても触媒物質への酸素や酸化物の付着を低減することが出来る。以て、排気浄化触媒46の劣化を抑制することが可能となる。
【0089】
また、例えば、スロットル弁39の開度が大きくなるときは、排気浄化触媒46の温度が低下するにつれて徐々に開度が大きくなるように制御されるため、排気浄化触媒46を流通する空気量が徐々に増加することになる。そのため、高温状態の排気浄化触媒46に多量の空気が一斉に流通することによって、排気浄化触媒46の上流部と下流部との間に温度差が生じ、排気浄化触媒46の変形や破損が誘発されることを防ぐことが出来る。
【0090】
上述した図8記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンにおいては、スロットル弁39の開度を触媒温度Tとのマップによって設定するとしたが、本実施の形態に係る燃料カット制御装置においては、その他に図9または図10記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンのようにスロットル弁39の開度を設定してもよい。以下、図9及び図10記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンについて説明する。
【0091】
<図9記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンの説明>
図9は、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット時の排気浄化触媒46への流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンはECU20によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0092】
本ルーチンにおけるS101及びS302、S303は上述した第3の実施の形態における図5記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンと同一であるため説明を省略する。
【0093】
S101において、ECU20内のRAMのフューエルカット実行制御フラグ記憶領域に“1”が記憶されている判定した場合は、ECU20は、S702に進み、スロットル弁39の開度が予め設定された初期値となるようにスロットル用アクチュエータ40へ印加する電圧を制御する。
【0094】
前記S702においてスロットル弁39の開度を初期値に設定したECU20はS302に進み、次に、S303へ進む。。
【0095】
前記S303において、触媒温度Tが前記劣化温度以上であると判定した場合は、ECU20は、S704へ進み、スロットル弁39の開度を補正する開度補正係数aを算出する。該開度補正係数aは、前記S302で検出された前記触媒温度Tに基づき定められる値であり、前記開度補正係数aと前記触媒温度Tとの関係(例えば、触媒温度Tが低くなるにつれて開度補正係数aが大きくなる)がマップとしてECU20のROM等に予め記録されている。前記S704において、ECU20は、このマップによって前記開度補正係数aを算出する。
【0096】
次に、ECU20は、S705に進み、スロットル弁39の開度が前記S702において設定した初期値と前記S704において算出された開度補正係数aとを乗じた開度となるようにスロットル用アクチュエータ40へ印加する電圧を制御し、本ルーチンの実行を終了する。
【0097】
<図10記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンの説明>
図10は、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット時の排気浄化触媒46への流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンはECU20によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0098】
本ルーチンにおけるS101及びS302は上述した第3の実施の形態における図5記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンと同一であるため説明を省略する。
【0099】
S102において触媒温度センサ49の出力信号値(触媒温度T)を読み込んだECU20は、S803に進み、S302において読み込まれた触媒温度Tから目標触媒温度Ttを減算し温度差ΔTを算出する。前記目標触媒温度Ttは予め定められた値であり、触媒物質に酸素や酸化物が付着し易くなる温度である劣化温度より低く、且つ、触媒物質が排気浄化可能となる活性温度の下限値より高い温度である。
【0100】
次に、ECU20は、S804に進み、前記S803において算出された前記温度差ΔTの絶対値が所定温度偏差ΔTm以下であるか否かを判別する。
【0101】
前記S804において前記温度差ΔTの絶対値が所定温度偏差ΔTm以下であると判定した場合は、ECU20は、本ルーチンの実行を終了する。一方、前記S804において前記温度差ΔTの絶対値が所定温度偏差ΔTmより大きいと判定した場合は、ECU20は、S805へ進む。
【0102】
前記S805において、ECU20は、スロットル弁39の開度補正値bを算出する。該開度補正値bは、前記S803で算出された温度差ΔTに基づき定められる値であり、前記開度補正値bと前記温度差ΔTとの関係(例えば、温度差ΔTが0より大きいときは温度差ΔTが小さくなるにつれて開度補正値bが大きくなる)がマップとしてECU20のROM等に予め記録されている。前記S805において、ECU20は、このマップによって前記開度補正値bを算出する。
【0103】
次に、ECU20は、S806に進み、スロットル弁39の開度が前記S805において算出された前記開度補正値bによって補正された開度となるようにスロットル用アクチュエータ40へ印加する電圧を制御する。前記S806においてスロットル弁39の開度を補正したECU20は、前記S302に戻る。
【0104】
本実施の形態において、上述した図9または図10記載のフューエルカット時流通空気量ルーチンを実行することによっても上述した図6記載のフューエルカット時流通空気量ルーチンを実行したときと同様の効果を得ることできる。
【0105】
(第6の実施の形態)
次に、本発明に係る燃料カット制御装置における第6の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る燃料カット制御装置の構成は上述した第1の実施の形態と同一である。
【0106】
図11は、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット時の排気浄化触媒46への流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンはECU20によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0107】
本ルーチンにおけるS101及びS302、S603は上述した第5の実施の形態における図8記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンと同一である。そのため、上述した第5の実施の形態における図3記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンとは異なるS905及びS906についてのみ説明する。
【0108】
S603において目標スロットル弁開度Stを算出したECU20は、S905に進み、スロットル弁開閉速度Vを算出する。該スロットル弁開閉速度Vは、S302において検出される触媒温度Tに基づき定められる値であり、前記スロットル弁開閉速度Vと前記触媒温度Tとの関係(例えば、触媒温度Tが低くなるにつれてスロットル弁開閉速度Vが大きくなる)がマップとしてECU20のROM等に予め記録されている。前記S905において、ECU20は、このマップによって前記スロットル弁開閉速度Vを算出する。
【0109】
次に、ECU20は、S906に進み、前記S905において算出された開閉速度で、スロットル弁39の開度がS403において算出された目標スロットル開度Stとなるようにスロットル用アクチュエータ40へ印加する電圧を制御し、本ルーチンの実行を終了する。
【0110】
上記ルーチンを実行することによって、例えば、スロットル弁39の開度を大きくするときは、排気浄化触媒46の温度が低くなるにつれて開度が徐々に大きくなると共に、開弁速度も徐々に速くなるよう制御されるため、排気浄化触媒46を流通する空気量が徐々に増加することになる。そのため、高温状態の排気浄化触媒46に多量の空気が一斉に流通することによって、排気浄化触媒46の上流部と下流部との間に温度差が生じ、排気浄化触媒46の変形や破損が誘発されることを防ぐことが出来る。
【0111】
(第7の実施の形態)
次に、本発明に係る燃料カット制御装置における第7の実施の形態について説明する。
図17は、本発明の第7の実施の形態に係る燃料カット制御装置を有する内燃機関の概略構成図である。
本実施の形態に係る燃料カット制御装置を有する内燃機関は、触媒温度センサ49の代わりに、排気浄化触媒46の上流側に上流側触媒温度センサ61を、排気浄化触媒46の下流側に下流側触媒温度センサ62が取り付けられている点のみが、上述した第1の実施の形態に係る内燃機関と異なっている。前記触媒温度センサ61、62はそれぞれ排気浄化触媒46の上流側または下流側の床温に対応した電気信号を出力する。
【0112】
次に、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット時の排気浄化触媒46への流通空気量制御について説明する。
【0113】
図12は、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット時の排気浄化触媒46への流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンはECU20によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0114】
本ルーチンにおけるS101は上述した第1の実施の形態における図2記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンと同一であるため説明を省略する。
【0115】
S101において、ECU20内のRAMのフューエルカット実行制御フラグ記憶領域に“1”が記憶されている判定した場合は、ECU20は、S1002に進み、上流側触媒温度センサ61の出力信号値(上流側触媒温度Tu)を読み込む。
【0116】
次に、ECU20は、S1003に進み、下流側触媒温度センサ62の出力信号値(下流側触媒温度Td)を読み込む。
【0117】
次に、ECU20は、S1004に進み、前記S1002において検出された上流側触媒温度Tuと前記S1003において検出された下流側触媒温度Tdとを比較し、最高触媒温度Tmaxを算出する。
【0118】
前記S1004において前記最高触媒温度Tmaxを算出したECU20は、S1005に進み、前記最高触媒温度Tmaxが、前記劣化温度以上であるか否かを判別する。
【0119】
前記S1004において前記最高触媒温度Tmaxが前記劣化温度より低いと判定した場合は、ECU20は、本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、前記S1004において前記最高触媒温度Tmaxが前記劣化温度以上であると判定した場合は、ECU20は、S1006へ進む。
【0120】
前記S1006において、ECU20は、前記上流側触媒温度Tuから前記下流側触媒温度Tdを減算し触媒温度差Trを算出する。
【0121】
次に、ECU20は、S1007に進み、目標スロットル弁開度Stを算出する。該目標スロットル弁開度Stは、前記S1004において算出された前記最高触媒温度Tmaxと前記S1006において算出された前記触媒温度差Trとに基づき定められる値であり、前記目標スロットル弁開度Stと前記最高触媒温度Tmaxと前記触媒温度差Trとの関係(例えば、最高触媒温度Tmaxが低くなるにつれて目標スロットル開度Stが大きくなり、また、触媒温度差Trが0より大きいときは触媒温度差Trが小さくなるにつれて目標スロットル開度Stが大きくなる)はマップとしてECU20のROM等に予め記録されている。前記S1007において、ECU20は、このマップによって前記目標スロットル開度Stを算出する。
【0122】
次に、ECU20は、S1008に進み、スロットル弁39の開度が前記S1007において算出された目標スロットル開度Stとなるようにスロットル用アクチュエータ40へ印加する電圧を制御し、本ルーチンの実行を終了する。
【0123】
上記ルーチンを実行することによって、フューエルカット実行時においては、排気浄化触媒46を流通する空気量が排気浄化触媒46の温度および排気浄化触媒46の上流側と下流側との温度差に応じて制御されることになる。例えば、排気浄化触媒46の温度が触媒物質に酸素や酸化物が付着し易くなる温度である劣化温度以上であるときは、排気浄化触媒46の上流側温度と下流側温度との差が小さくなるにつれ徐々に開度が大きくなるように制御され、排気浄化触媒46を流通する空気量が徐々に増加するように制御される。そのため、排気浄化触媒46の劣化を抑制することができると共に、排気浄化触媒46の上流部と下流部との間に温度差が大きいときに多量の空気が一斉に流通することがなく、以て排気浄化触媒46の変形や破損の誘発を防ぐことが可能となる。
【0124】
(第8の実施の形態)
次に、本発明に係る燃料カット制御装置における第8の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る燃料カット制御装置の構成は上述した第7の実施の形態と同一である。
【0125】
図13は、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット時の排気浄化触媒46への流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンはECU20によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0126】
本ルーチンのS101及びS1002〜S1007は上述した第7の実施の形態における図11記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンと同一である。従って、上述した第7の実施の形態における図11記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンとは異なるS1108及びS1109についてのみ説明する。
【0127】
S1007において目標スロットル弁開度Stを算出したECU20は、S1108に進み、スロットル弁開閉速度Vを算出する。該スロットル弁開閉速度VはS1004において算出された前記最高触媒温度TmaxとS1006において算出された前記触媒温度差Trとに基づき定められる値であり、前記スロットル弁開閉速度Vと前記最高触媒温度Tmaxと前記触媒温度差Trとの関係(例えば、最高触媒温度Tmaxが低くなるにつれてスロットル弁開閉速度Vが大きくなり、また、触媒温度差Trが0より大きいときは触媒温度差Trが小さくなるにつれてスロットル弁開閉速度Vが大きくなる)はマップとしてECU20のROM等に予め記録されている。前記S1108において、ECU20は、このマップによって前記スロットル弁開閉速度Vを算出する。
【0128】
次に、ECU20は、1109に進み、前記S1108において算出された開閉速度Vで、スロットル弁39の開度が前記S1007において算出された目標スロットル開度Stとなるようにスロットル用アクチュエータ40へ印加する電圧を制御し、本ルーチンの実行を終了する。
【0129】
上記ルーチンを実行することによって、例えば、スロットル弁39の開度を大きくするときは、排気浄化触媒46の上流側と下流側との温度差が小さくなるにつれて、開度が徐々に大きくなると共に、開弁速度も徐々に速くなるよう制御されるため、排気浄化触媒46を流通する空気量が徐々に増加することになる。そのため、排気浄化触媒46の上流側と下流側との温度差が大きいときに多量の空気が一斉に流通することがなく、以て排気浄化触媒46の変形や破損の誘発を防ぐことが出来る。
【0130】
(第9の実施の形態)
次に、本発明に係る燃料カット制御装置における第9の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る燃料カット制御装置は、上述した第1の実施の形態における燃料カット制御装置において、燃料噴射弁32から噴射される燃料噴射量がスロットル弁39の開度に応じて定められるように構成したものである。
【0131】
図14は、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット時の排気浄化触媒46への流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンはECU20によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0132】
本ルーチンのS101及びS302、S303は上述した第3の実施の形態における図5記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンと同一である。従って、上述した第3の実施の形態における図5記載のフューエルカット時流通空気量制御ルーチンとは異なるS1204についてのみ説明する。
【0133】
S303において排気浄化触媒46の触媒温度Tが前記劣化温度以上である判定したECU20は、S1204に進み、スロットル弁39の開度が、燃料噴射弁32からの燃料噴射量が該燃料噴射弁32の最低噴射量となる開度であるTAUMIN開度となるようにスロットル用アクチュエータ40へ印加する電圧を制御し、本ルーチンの実行を終了する。前記TAUMIN開度は予め実験的に求められた値である。
【0134】
上記ルーチンを実行することにより、フューエルカットが解除されたとき、即ち、燃料噴射弁32からの燃料噴射が開始されたときに燃焼室24へ噴射される燃料量が最低噴射量となるため、内燃機関1において急激に高いトルクが発生することを抑制することができ、以てドライバビリティの悪化を防止することが可能となる。
【0135】
(第10の実施の形態)
次に、本発明に係る燃料カット制御装置における第10の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る燃料カット制御装置の構成は上述した第9の実施の形態と同一である。
【0136】
図15は、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット解除時の排気浄化触媒46への流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンはECU20によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0137】
本ルーチンでは、ECU20は、まずS2201において、フューエルカットの実行解除条件が成立したか否かを判別する。フューエルカットの実行解除条件としては、例えば、車両が減速状態ときにフューエルカットを実行していた場合は、アクセルペダル42が踏みこまれることによって加速状態となること等が例示できる。
【0138】
前記S2201において、フューエルカットの実行解除条件が成立していないと判定された場合は、ECU20は、本ルーチンの実行を一旦停止する。一方、前記S2201において、フューエルカットの実行解除条件が成立したと判定された場合は、ECU20はS2202に進む。
【0139】
前記S2202において、ECU20は、上述したようなフューエルカット時流通空気量制御ルーチンが実行中であるか否かを判別する。
【0140】
前記S2202において、フューエルカット時流通空気量制御ルーチンが実行中ではないと判定された場合は、ECU20は、S2207に進む。一方、前記S2202において、フューエルカット時流通空気量制御ルーチンが実行中であると判定された場合は、ECU20は、S2203に進む。
【0141】
前記S2203において、ECU20は、スロットル弁39の開度が前記TAUMIN開度となるようにスロットル用アクチュエータ40へ印加する電圧を制御する。
【0142】
次に、ECU20は、S2204に進み、前記TAUMIN開度に制御される直前のスロットル弁39の開度Sと前記TAUMIN開度との偏差ΔSを算出する。
【0143】
前記S2204において前記偏差ΔSを算出したECU20は、S2205に進み、スロトッル弁39の開度を前記TAUMIN開度に制御してから前記フューエルカットの解除を実行するまでの時間であるフューエルカット解除ディレー時間Δtを算出する。該フューエルカット解除ディレー時間Δtは、前記偏差ΔSに基づき定められる値であり、前記フューエルカット解除ディレー時間Δtと前記偏差ΔSとの関係(例えば、前記偏差ΔSが大きくなると前記フューエルカット解除ディレー時間Δtは長くなる)はマップとしてECU20のROM等に予め記録されている。前記S2205において、ECU20は、このマップによって前記フューエルカット解除ディレー時間Δtを算出する。
【0144】
次に、ECU20は、S2206に進み、前記S2205において算出された前記フューエルカット解除ディレー時間Δtが経過したか否かを判別する。
【0145】
前記S2206において、前記フューエルカット解除ディレー時間Δtが経過していないと判定された場合は、ECU20は、前記フューエルカット解除ディレー時間Δtが経過するまで前記S2206を繰り返す。一方、前記S2206において、前記フューエルカット解除ディレー時間Δtが経過したと判定された場合は、ECU20はS2207に進む。
【0146】
前記S2207において、ECU20は、フューエルカットの解除を実行し、本ルーチンの実行を終了する。
【0147】
上記ルーチンを実行することにより、例えば、フューエルカット実行中のスロットル弁39の開度が大きい場合であっても、フューエルカットが解除されたとき、即ち、燃料噴射弁32からの燃料噴射が開始されたときに燃焼室24へ噴射される燃料量は最低噴射量となる。そのため、内燃機関1において急激に高いトルクが発生することを抑制することができ、以てドライバビリティの悪化を防止することが可能となる。
【0148】
(第11の実施の形態)
次に、本発明に係る燃料カット制御装置における第11の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る燃料カット制御装置の構成は上述した第9の実施の形態と同一である。
【0149】
図16は、本実施の形態に係る燃料カット制御装置による、フューエルカット解除時の排気浄化触媒46への流通空気量制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンはECU20によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0150】
本ルーチンにおけるS2201及びS2202、S2207は上述した第10の実施の形態における図15記載のフューエルカット解除時流通空気量制御ルーチンと同一であるため説明を省略する。
【0151】
S2202において、フューエルカット時流通空気量制御ルーチンが実行中であると判定された場合は、ECU20は、S2303に進む。
【0152】
前記S2303において、ECU20は、目標スロットル弁開度Stを算出する。該目標スロットル開度Stはアクセルポジションセンサ43の出力信号(アクセル踏み込み量F)に基づき定められる値であり、前記目標スロットル開度Stと前記アクセル踏み込み量Fとの関係(例えば、前記アクセル踏み込み量Fが小さくなると前記目標スロットル開度Stも小さくなり、前記アクセル踏み込み量Fが大きくなると前記目標スロットル開度Stも大きくなる)はマップとしてECU20のROM等に予め記録されている。前記S1303において、ECU20は、このマップによって前記目標スロットル開度Stを算出する。
【0153】
次に、ECU20は、S2304に進み、ECU20はスロットル弁39の開度が前記S2303において算出された前記目標スロットル開度Stとなるようにスロットル用アクチュエータ40へ印加する電圧を制御する。
【0154】
次に、ECU20は、S2305に進み、前記目標スロットル開度Stに制御される直前のスロットル弁39の開度Sと前記目標スロットル開度Stとの偏差ΔS’を算出する。
【0155】
前記S2305において前記偏差ΔS’を算出したECU20は、S2306に進み、スロトッル弁39の開度を前記目穂スロットル開度Stに制御してから前記フューエルカットの実行解除を実行するまでの時間であるフューエルカット解除ディレー時間Δt’を算出する。該フューエルカット解除ディレー時間Δt’は前記偏差ΔS’に基づき定められる値であり、前記フューエルカット解除ディレー時間Δt’と前記偏差ΔS’との関係(例えば、前記偏差ΔS’大きくなると前記フューエルカット解除ディレー時間Δtは長くなる)はマップとしてECU20のROM等に予め記録されている。前記S2306において、ECU20は、このマップによって前記フューエルカット解除ディレー時間Δt’を算出する。
【0156】
次に、ECU20は、S2307に進み、前記S2306において算出された前記フューエルカット解除ディレー時間Δt’が経過したか否かを判別する。
【0157】
前記S2307において、前記フューエルカット解除ディレー時間Δt’が経過していないと判定された場合は、ECU20は、前記フューエルカット解除ディレー時間Δt’が経過するまで前記S2307を繰り返す。一方、前記S2307において、前記フューエルカット解除ディレー時間Δt’が経過したと判定された場合は、ECU20はS1207に進む。
【0158】
上記ルーチンを実行することにより、例えば、アクセルペダル42が踏み込まれ車両が加速状態となることによってフューエルカットが解除された場合、燃料噴射弁32からの燃料噴射が開始されたときに燃焼室24へ噴射される燃料量が、アクセルの踏み込み量、即ち、車両の加速度に応じた量となる。従って、内燃機関1によって発生するトルクが車両の加速度に応じた値となるため、ドライバビリティを損なうことがない。
【0159】
【発明の効果】
本発明に係る内燃機関の燃料カット制御装置によれば、フューエルカットが実行されるときに、排気浄化触媒を流通する空気量を増加させることによって、排気浄化触媒の温度を低下させる。そのため、排気浄化触媒が高温且つ酸素過剰な雰囲気に曝される時間が短縮されることになる。その結果、フューエルカットを実行する場合であっても排気浄化触媒の劣化を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の燃料カット制御装置の概略構成図
【図2】フューエルカット時流通空気量制御ルーチンを示す第1のフローチャート図
【図3】フューエルカット時流通空気量制御ルーチンを示す第2のフローチャート図
【図4】スロットル弁開度と排気浄化触媒の温度との関係を示す図
【図5】フューエルカット時流通空気量制御ルーチンを示す第3のフローチャート図
【図6】フューエルカット時流通空気量制御ルーチンを示す第4のフローチャート図
【図7】フューエルカット時流通空気量制御ルーチンを示す第5のフローチャート図
【図8】フューエルカット時流通空気量制御ルーチンを示す第6のフローチャート図
【図9】フューエルカット時流通空気量制御ルーチンを示す第7のフローチャート図
【図10】フューエルカット時流通空気量制御ルーチンを示す第8のフローチャート図
【図11】フューエルカット時流通空気量制御ルーチンを示す第9のフローチャート図
【図12】フューエルカット時流通空気量制御ルーチンを示す第10のフローチャート図
【図13】フューエルカット時流通空気量制御ルーチンを示す第11のフローチャート図
【図14】フューエルカット時流通空気量制御ルーチンを示す第12のフローチャート図
【図15】フューエルカット解除時流通空気量制御ルーチンを示す第1のフローチャート図
【図16】フューエルカット解除時流通空気量制御ルーチンを示す第2のフローチャート図
【図17】本発明の第7の実施の形態に係る内燃機関の燃料カット制御装置の概略構成図
【符号の説明】
1・・・内燃機関
1a・・シリンダヘッド
1b・・シリンダブロック
1c・・冷却水路
20・・ECU
21・・気筒
22・・ピストン
23・・クランクシャフト
24・・燃焼室
25・・点火栓
25a・・イグナイタ
26・・吸気ポート
27・・排気ポート
28・・吸気弁
29・・排気弁
30・・吸気側電磁駆動機構
31・・排気側電磁駆動機構
32・・燃料噴射弁
33・・吸気枝管
34・・サージタンク
35・・吸気管
36・・エアクリーナボックス
37・・アイドルアジャスト通路
38・・ISC弁
39・・スロットル弁
40・・スロットル用アクチュエータ
41・・スロットルポジションセンサ
42・・アクセルペダル
43・・アクセルポジションセンサ
44・・エアフロメータ
45・・排気支管
46・・排気浄化触媒
47・・排気管
48・・空燃費センサ
49・・触媒温度センサ
50・・バキュームセンサ
51・・クランクポジションセンサ
51a・・タイミングロータ
51b・・電磁ピックアップ
52・・水温センサ
53・・2次空気供給装置
54・・エアコントロールバルブ
61・・上流側触媒温度センサ
62・・下流側触媒温度センサ
Claims (10)
- 燃料噴射弁を具備した内燃機関と、
前記内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒と、
前記燃料噴射弁の作動を一時的に停止させる燃料カット手段と、
前記燃料カット手段により前記燃料噴射弁の作動が停止されたときに、前記排気浄化触媒を流通する空気量を増加させる空気増量手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の燃料カット制御装置。 - 前記内燃機関の吸気通路に設けられ、該吸気通路を流れる空気量を調整する吸気量調整弁を更に備え、
前記空気増量手段は、前記燃料カット手段により前記燃料噴射弁の作動が停止されるときに、前記吸気量調整弁の開度を増加させる請求項1記載の内燃機関の燃料カット制御装置。 - 前記排気浄化触媒へ2次空気を供給する2次空気供給手段を更に備え、
前記空気増量手段は、前記燃料カット手段により前記燃料噴射弁の作動が停止されるときに、前記2次空気供給手段を作動させることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料カット制御装置。 - 前記燃料カット手段により前記燃料噴射弁の作動が停止されているときに、前記排気浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段を更に備え、
前記空気量増加手段は、前記触媒温度検出手段の検出温度が低くなるにつれて、前記排気浄化触媒を流通する空気量を増加させていくことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の燃料カット制御装置。 - 前記排気浄化触媒を流通する空気量を増加させるときの増加速度を制御する空気量増加速度制御手段を更に備え、
前記空気量増加速度制御手段は、前記触媒温度検出手段の検出温度が低くなるにつれて、前記排気浄化触媒を流通する空気量の増加速度を速くすることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の燃料カット制御装置。 - 前記燃料カット手段により前記燃料噴射弁の作動が停止されているときに、前記排気浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
前記触媒温度検出手段の検出温度が所定温度以下まで低下したときに、前記空気量増加手段の作動を停止する空気増量停止手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の燃料カット制御装置。 - 前記燃料カット手段により前記燃料噴射弁の作動が停止されているときに、前記内燃機関の吸入空気量が所定量となるように前記吸気量調整弁の開度を制御する吸気量制御手段を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料カット制御装置。
- 前記燃料カット手段による前記燃料噴射弁の作動停止が解除されるときに、前記内燃機関の吸入空気量が所定量となるように前記吸気量調整弁の開度を制御する吸気量制御手段を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料カット制御装置。
- 前記所定量は、吸入空気量に応じて定められる燃料噴射量が前記燃料噴射弁の最低噴射量となる吸入空気量であることを特徴とする請求項7又は8に記載の内燃機関の燃料カット制御装置。
- 前記吸気量制御手段は、前記燃料カット手段による前記燃料噴射弁の作動停止が解除されるときの前記内燃機関の負荷に応じて前記所定量を変更することを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の燃料カット制御装置。
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