JP2004131843A - 構造物構築部材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【要 約】
【課 題】 耐食金属板による鋼材被覆技術において、腐食環境の厳しい地域で使用される鋼構造物に長期にわたって十分な耐食性を付与しうる防食性に優れた構造物構築部材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 鋼材1の表面の少なくとも一部を複数枚の覆装板2で被覆してなる構造用構築部材であって、前記覆装板は板厚0.2 〜5.0mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼からなり、前記覆装板を前記鋼材表面に仮止めしてなる第1の溶接部3および6あるいは8と、特定条件のTIG溶接により前記覆装板の端部同士の重なり部2aの隙を密封してなる第2の溶接部4と、同TIG溶接により前記覆装板の被覆境界部と前記鋼材表面との隙を密封してなる第3の溶接部5とを有し、かつ前記第2、 第3の溶接部が前記オーステナイト系耐海水ステンレス鋼と同等以上の耐食性を有するもの。
【選択図】     図1

Description

 本発明は、構造物構築部材、詳しくは海洋構造物の海中部、干満帯、飛沫帯および海上部に適用されて長期にわたり優れた防食性を維持できる防食性に優れた構造物構築部材、およびその製造方法に関する。
 海洋空間を有効利用するため様々な海洋構造物が開発されてきた。近年は環境調和の観点から、従来の埋め立て工法に対して海洋ジャケット構造物を用いた工法が注目されつつある。このような海洋構造物には鋼管や鋼管杭等が用いられるが、実際の腐食環境が極めて厳しいため、何らかの防食対策が必須となる。特に大型の鋼構造物の場合には、すべての腐食箇所を適宜見つけ出して補修し、長年に亘って維持・管理するには膨大なコストが必要となる。したがってライフサイクルコストの観点からすれば、初期投資がやや高額になっても、可及的平易な管理方法で長期の耐食性維持を可能にする防食工法を適用することが、長い目で見た場合のトータルコスト低減につながるので有利である。
 海洋構造物における鋼材の防食方法は、当該鋼材の適用部位によって適否が大きく異なる。例えば、海中部(常に海水中に漬かっている部位)の防食は電気防食によってなされることが多い。すなわち、Al合金系の犠牲陽極の取付けあるいは外部からの電流供給により、鋼材表面の電位を本来の腐食電位よりも卑な方向にシフトさせ、鉄の溶解反応を抑制する防食方法である。この方法は海中部に対しては低コストで容易かつ確実に防食できるため極めて優れた方法であるが、常に鋼材表面に防食電流が流れていないと防食効果を発揮しえないため、干満帯〜海上部に対して用いても効果に乏しい。
 そこで、従来の技術では、電気防食技術と塗覆装技術を併用することにより鋼材の海中部から海上部までの防食を行っている。塗覆装技術としては塗装や重防食が適用されているが、所謂防食寿命は塗装で10年程度、重防食で20〜30年程度であり、大型の鋼構造物の長期に亘る防食を考えるとその防食寿命は必ずしも十分ではない。
 近年、これらの問題を克服するため、耐食性に優れる金属で鋼構造物の表面をライニングする手法が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特開平11−179552号公報 特開平11−129090号公報 特開平2000−280068号公報
 しかしながら、特許文献1所載の技術では、耐食金属板をインダイレクトシーム溶接で鋼材表面に固定するものであるため、耐食金属板同士の重なり部が不可避的に隙間構造となり、耐食金属板として同公報第〔0012〕欄に記載されているような各種ステンレス鋼板を用いた場合、隙間腐食が発生するという問題がある。
 また、特許文献2所載の技術は、薄金属シートと厚金属基材表面との抵抗溶接による固相接合部をアーク溶接で溶融接合する技術であり、この溶融接合部は良好な機械的性質を有するものの、その実施例で薄金属シートとして用いられているSUS316は海洋生物が付着した際の隙間腐食に対する耐性に乏しいため長期の耐用は期待できないばかりか、一旦抵抗シーム溶接した箇所をさらにアーク溶接で溶融接合することから、アーク溶接時の過大な入熱量により溶接部およびその周囲の熱影響部の長期耐食性が著しく劣化する危険性がある。すなわち、アーク溶接時の過大な入熱量のため、スパッタの付着や表面酸化スケールの形成によって耐食性が低下するだけでなく、溶接ビード部周囲の溶接熱影響部において、クロムカーバイドが析出して粒界にクロム欠乏層が形成され、耐食性が著しく低下するのである。また、アーク溶接の際に使用する溶接棒組成について何ら考慮していないため、溶接ビート部の耐食性金属成分が希釈され、特に鋼材と接合した場合に、耐食性が低下する。
一方、特許文献3所載の技術は、薄板状のチタン材を抵抗溶接にて鋼構造物の表面に接合し、さらに前記チタン材同士の重ね継ぎ手部を溶融溶接することにより、長期の防食性を付与する技術である。一般に、鋼材とチタンは極めて脆い金属間化合物を形成するため、機械的強度、耐疲労性および耐食性の観点から長期の耐久性を有する溶融接合部を得ることが極めて困難であることは広く知られている。一方、鋼材の表面に耐食性金属をラインニングする防食方法においては、鋼材表面を耐食性金属で完全に密封し腐食因子を遮断することが肝要である。特許文献3所載の技術は、前記金属間化合物を形成することなく鋼材表面を完全に密封する技術として、エポキシ樹脂等でチタンライニング材と鋼構造物の間の隙間をシールすることを提唱している。しかしながら、チタン表面は酸化チタンを主体とした極めて不活性な不動態被膜で完全に覆われているため樹脂の付着性が極めて悪く、湿度の高い海洋環境で長期間に渡ってチタンラインニング材と鋼構造物の隙間を完全に密封することは期待できない。また、エポキシ樹脂は金属と比較して十分な耐衝撃性を有しないため、台風等により漂流物がこのシール部に激突した際にエポキシ樹脂の割れや剥落によってシールが破られる可能性がある。
 さらに、特許文献3所載の技術では、海中部のチタンライニング材と鋼材が隣接する部位において、異種金属接触による鋼材の腐食が発生する可能性がある。異種金属接触腐食を抑制する手法として電気防食が考えられるが、鋼材が充分防食できるような電位までカソード分極した場合には、分極によって発生した水素をチタンが吸蔵し、チタン板の脆化や水素誘起割れが発生するため鋼構造物に長期の防食性を付与することが困難である。
以上のように、チタンそのものは極めて優れた耐食性金属であるものの、溶接性および異種金属接触腐食の観点から長期の鋼材の防食付与に供するのは適切ではない。
このように、耐食金属板による鋼材被覆に係る従来の技術は、海洋・河川・湖沼・運河等の腐食環境の厳しい地域で使用される鋼構造物に長期にわたって十分な耐食性を付与しうるものとはいえないのが現状である。
 かかる従来技術の現状に鑑み、本発明は、耐食金属板による鋼材被覆技術において、腐食環境の厳しい地域で使用される鋼構造物に長期にわたって十分な耐食性を付与しうる防食性に優れた構造物構築部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
 前記目的を達成した本発明は、以下のとおりである。
(1) 鋼材の表面の少なくとも一部を一枚又は複数枚の覆装板で被覆してなる構造物構築部材であって、前記覆装板は板厚0.2 〜5.0mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼からなり、前記覆装板を前記鋼材表面に仮止めしてなる第1の溶接部と、前記覆装板の端部同士の重なり部の隙を密封してなる第2の溶接部と、前記覆装板の被覆境界部と前記鋼材表面との隙を密封してなる第3の溶接部とを有し、かつ前記第2および第3の溶接部が前記オーステナイト系耐海水ステンレス鋼と同等以上の耐食性を有することを特徴とする構造物構築部材。
(2) 鋼材の表面の少なくとも一部を一枚又は複数枚の覆装板で被覆してなる構造物構築部材であって、前記覆装板は板厚0.2 〜5.0mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼からなり、前記覆装板を前記鋼材表面に仮止めしてなる第1の溶接部と、前記覆装板の端部同士の重なり部を固定してなる第4の溶接部と、前記覆装板の端部同士の重なり部の隙を密封してなる第2の溶接部と、前記覆装板の被覆境界部と前記鋼材表面との隙を密封してなる第3の溶接部とを有し、かつ前記第2、第3の溶接部が前記オーステナイト系耐海水ステンレス鋼と同等以上の耐食性を有することを特徴とする構造物構築部材。
 (3) 前記覆装板をなすオーステナイト系耐海水ステンレス鋼は、下記のPREが43以上になるものであることを特徴とする(1)または(2)に記載の構造物構築部材。
                 記
PRE=Cr+3.3 ×Mo+20×N。ただしW含有の場合は、PRE=Cr+3.3 ×(Mo+0.5 ×W)+20×Nとする。ここに右辺の元素記号はその元素の濃度(mass% )を表す。
 (4) 前記構造物構築部材に、重防食塗料が塗装され、および/または前記構造物構築部材の鋼材に、電気防食用電極が装着されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の構造物構築部材。
 (5) 鋼材の表面に、オーステナイト系耐海水ステンレス鋼からなる板厚0.2 〜5.0mm の複数枚の覆装板をその隣り合う端部同士が重なるように配置し、前記覆装板を前記鋼材表面に抵抗溶接で仮止め後、前記覆装板の端部同士の重なり部の隙、および前記覆装板の被覆境界部と前記鋼材表面との隙を、溶接電流50A以上160 A未満、溶接速度80mm/min以上600mm/min 未満の条件下で下記のPREが50以上の溶接棒を使用するTIG溶接により、密封することを特徴とする構造物構築部材の製造方法。
                 記
PRE=Cr+3.3 ×Mo+20×N。ただしW含有の場合は、PRE=Cr+3.3 ×(Mo+0.5 ×W)+20×Nとする。ここに右辺の元素記号はその元素の濃度(mass% )を表す。
 (6) 鋼材の表面に、オーステナイト系耐海水ステンレス鋼からなる板厚0.2 〜5.0mm の複数枚の覆装板をその隣り合う端部同士が重なるように配置し、前記覆装板を前記鋼材表面に抵抗溶接で仮止め後、前記覆装板の重なり部を抵抗スポット溶接で固定し、さらに前記覆装板の端部同士の重なり部の隙、および前記覆装板の被覆境界部と前記鋼材表面との隙を、溶接電流50A以上160 A未満、溶接速度80mm/min以上600mm/min 未満の条件下で下記のPREが50以上の溶接棒を使用するTIG溶接により、密封することを特徴とする構造物構築部材の製造方法。
                 記
PRE=Cr+3.3 ×Mo+20×N。ただしW含有の場合は、PRE=Cr+3.3 ×(Mo+0.5 ×W)+20×Nとする。ここに右辺の元素記号はその元素の濃度(mass% )を表す。
 (7) 前記覆装板をなすオーステナイト系耐海水ステンレス鋼は、下記のPREが43以上になるものであることを特徴とする(5)または(6)に記載の構造物構築部材の製造方法。
                 記
PRE=Cr+3.3 ×Mo+20×N。ただしW含有の場合は、PRE=Cr+3.3 ×(Mo+0.5 ×W)+20×Nとする。ここに右辺の元素記号はその元素の濃度(mass% )を表す。
 (8) 前記TIG溶接による隙の密封後、前記構造物構築部材に、重防食塗料を塗装し、および/または前記構造物構築部材の鋼材に、電気防食用電極を装着することを特徴とする(5)〜(7)のいずれかに記載の構造物構築部材の製造方法。
 本発明によれば、耐食金属板による鋼材の被覆を効果的に行うことが可能となる。特に、被覆領域内部空間を密閉できるとともに被覆領域境界の隙間腐食を確実に防止できるようになるので、腐食環境の厳しい地域で使用される鋼構造物に長期にわたって十分な耐食性を付与することができるようになるという優れた効果を奏する。
 本発明において、オーステナイト系耐海水ステンレス鋼とは、オーステナイト系ステンレス鋼のうち、JIS G 0578「ステンレス鋼の塩化第二鉄腐食試験方法」で測定された孔食発生臨界温度(:CPT)が40℃以上になる耐食性を有するものを指す。
 図1は、本発明に係る構造物構築部材の1例を示す模式図である。例えば鋼管、鋼管杭等の鋼材1の表面の少なくとも一部が一枚又は複数枚の覆装板2で被覆されている。覆装板2は板厚が0.2 〜5.0mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼板である。覆装板2は第1の溶接部3で鋼材1表面に仮止めされ、覆装板2、2の端部同士の重なり部2aの隙が第2の溶接部4で密封され、覆装板2の被覆境界部と鋼材1表面との隙が第3の溶接部5で密封されている。
 図2は、本発明に係る構造物構築部材の1例を示す模式図である。図1と同じ符号で示すものは同一であることを意味する。覆装板2は第1の溶接部3および抵抗スポット溶接による第1の溶接部6で鋼板表面に仮止めされ、覆装板2,2の端部同士の重なり部2aの隙が第2の溶接部4で密封され、覆装板2の被覆境界部と鋼材1表面との隙が第3の溶接部5で密封されている。
 図3は、本発明に係る構造物構築部材の1例を示す模式図である。図1と同じ符号で示すものは同一であることを意味する。覆装板2は第1の溶接部3および抵抗シーム溶接による第1の溶接部8で鋼板表面に仮止めされ、覆装板2,2の端部同士の重なり部2aの隙が第2の溶接部4で密封され、覆装板2の被覆境界部と鋼材1表面との隙が第3の溶接部5で密封されている。
 図4は、本発明に係る構造物構築部材の1例を示す模式図である。図1と同じ符号で示すものは同一であることを意味する。覆装板2は第1の溶接部3および抵抗シーム溶接による第1の溶接部8および抵抗スポット溶接による第1の溶接部6で鋼板表面に仮止めされ、覆装板2,2の端部同士の重なり部2aの隙が第2の溶接部4で密封され、覆装板2の被覆境界部と鋼材1表面との隙が第3の溶接部5で密封されている。
 図5は、本発明に係る構造物構築部材の1例を示す模式図である。図1と同じ符号で示すものは同一であることを意味する。覆装板2は第1の溶接部3で鋼板表面に仮止めされ、さらに覆装板2,2の端部同士の重なり部2aが抵抗スポット溶接により第4の溶接部7で固定され、覆装板2,2の端部同士の重なり部2aの隙が第2の溶接部4で密封され、覆装板2の被覆境界部と鋼材1表面との隙が第3の溶接部5で密封されている。
 図6は、本発明に係る構造物構築部材の1例を示す模式図である。図1と同じ符号で示すものは同一であることを意味する。覆装板2は第1の溶接部3および抵抗スポット溶接による第1の溶接部6で鋼板表面に仮止めされ、さらに覆装板2,2の端部同士の重なり部2aが抵抗スポット溶接により第4の溶接部7で固定され、覆装板2,2の端部同士の重なり部2aの隙が第2の溶接部4で密封され、覆装板2の被覆境界部と鋼材1表面との隙が第3の溶接部5で密封されている。
 図7は、本発明に係る構造物構築部材の1例を示す模式図である。図1と同じ符号で示すものは同一であることを意味する。覆装板2は第1の溶接部3および抵抗シーム溶接による第1の溶接部8で鋼板表面に仮止めされ、さらに覆装板2,2の端部同士の重なり部2aが抵抗スポット溶接により第4の溶接部7で固定され、覆装板2,2の端部同士の重なり部2aの隙が第2の溶接部4で密封され、覆装板2の被覆境界部と鋼材1表面との隙が第3の溶接部5で密封されている。
 図8は、本発明に係る構造物構築部材の1例を示す模式図である。図1と同じ符号で示すものは同一であることを意味する。覆装板2は第1の溶接部3、抵抗シーム溶接による第1の溶接部8および抵抗スポット溶接による第1の溶接部6で鋼板表面に仮止めされ、さらに覆装板2,2の端部同士の重なり部2aが抵抗スポット溶接により第4の溶接部7で固定され、覆装板2,2の端部同士の重なり部2aの隙が第2の溶接部4で密封され、覆装板2の被覆境界部と鋼材1表面との隙が第3の溶接部5で密封されている。
 さらに、本発明では前述した第2の溶接部4および第3の溶接部5におけるCPTが40℃以上である。
 また、本発明では、溶接性と耐食性の観点から、鋼材に被覆する覆装板としては、オーステナイト系耐海水ステンレス鋼板を用いる。オーステナイト系以外のステンレス鋼板では、炭素鋼との溶接性が悪く、炭素鋼からなる鋼材にライニングすることが困難である。また、オーステナイト系ステンレス鋼板であってもCPTが40℃未満のものは耐海水性に乏しく、海洋地域での長期使用に耐えない。
 なお、さらに良好な溶接性と耐食性を確保する観点から、前記オーステナイト系耐海水ステンレス鋼は、前記PREの値が43以上になる組成のものが好ましい。かかるオーステナイト系耐海水ステンレス鋼の適合例(S1、S2)と不適合例(S3)を表1に示す。
Figure 2004131843
 前記覆装板の板厚は、耐衝撃性と施工性の観点から0.2 〜5.0mm とする。覆装板の板厚が0.2mm よりも薄いと、鋼材との溶接が困難となり、施工性が低下するばかりか、設置後の構造物構築部材の被覆部に流木や船舶が当った際に、その衝撃により覆装板が破損して防食性が失われる可能性が高い。一方、覆装板の板厚が5.0mm よりも厚いと、コストが急激に増大するだけでなく、重量が過大でハンドリングが困難となり鋼材被覆作業効率が著しく低下する。
 第1の溶接部3、6、8は、被覆板を鋼材表面の所定の位置に仮止めし、第2、第3、第4の溶接部4、5、7を形成する溶接施工時の位置ずれを防いでいる。
 第2の溶接部4は、覆装板2、2の端部同士の重なり部2aに形成される上板の端面と下板の板面との隙を密封している(図1〜図8;(b))。また、第3の溶接部5は、覆装板2の被覆境界部と鋼材1表面との隙を密封している(図1〜図8;(c))。これにより、覆装板2で覆われた鋼材表面部分は外部から遮断され、厳しい腐食環境から保護される。第4の溶接部7は、覆装板2、2の端部同士の重なり部2aを固定し、第2、第3の溶接部4、5を形成する溶接施工時の位置ずれを効果的に防止することができる。
 なお、第2の溶接部4は、その範囲が鋼材1までは達していないものとすることが好ましい。第2の溶接部4の範囲が鋼材1にまで及んだものは、オーステナイト系耐海水ステンレス鋼板への溶接入熱量が過大であって、その熱影響部ではクロムカーバイドの析出により粒界にクロム欠乏層が形成され、耐食性が低下するおそれがあるからである。
 また、第2、第3の溶接部は、覆装板であるオーステナイト系耐海水ステンレス鋼板と同等以上の耐食性をもたせたもの、すなわち前記CPTが40℃以上の性能を有するものとする。第2、第3の溶接部のCPTが40℃未満では、この部位で孔食及び隙間腐食が進行し、長期の耐食性は望めない。
 また、本発明の構造物構築部材では、海中部に配設される部分の海水中における異種金属接触腐食とステンレス鋼の隙間腐食の抑制を目的として、構造物構築部材の鋼材に電気防食用電極を装着し、電気防食を併用することが好ましい。電気防食の方法は特に限定しないが、外部電源方式や犠牲陽極方式が挙げられ、防食電位としては-770〜-1000mV vs.SCEが好ましい。一方、海上部に配設される部分については、台風時などにおける漂流物等の衝突が起こらず樹脂被覆層の割れや剥落が発生しないので、構造物構築部材の表面に重防食塗料を塗装したものとするのが好ましい。これによりさらに長期の耐食性を確保することが可能となる。重防食塗料の塗装は少なくとも非ライニング部に施せばよいが、ステンレス被覆部表面にも被覆境界部から50mm以上施されることが好ましい。重防食塗料の具体例としては、重防食ウレタン塗料、超厚膜型エポキシ塗料や水中硬化型エポキシ塗料等が挙げられるが、本発明では特にこれらに限定するものではない。
 本発明では、コイルから切出したオーステナイト系耐海水ステンレス鋼板(以下、単にステンレス鋼板ともいう。)を鋼材表面に被覆する際に、鋼構造物の形状とステンレス鋼板の板厚に応じて事前にステンレス鋼板に曲げ加工を施してもよい。例えば、板厚0.4mm のステンレス鋼板を径の大きい鋼管に巻き付ける場合には、コイルからステンレス鋼板を所定の寸法で切出した後、特段の加工を施すことなく鋼管の表面に這わせ、固定することにより容易かつ安価に被覆できる。一方、板厚2.0mm のステンレス鋼板を鋼管の表面に被覆する場合には、コイルまたは切板から所定の寸法のステンレス鋼板を切出し、プレス加工や曲げ加工等によってステンレス鋼板を所定の形状に成形した後に鋼管に取付けることにより、寸法精度よく被覆できるようになる。
 本発明では、鋼材表面被覆用に切出したステンレス鋼板(前記覆装板に相当)を鋼材表面に被覆する際には、まず1番目に用いる覆装板を鋼材表面に抵抗溶接で仮止めする。次に2番目に用いる覆装板を、1番目のものと端部同士が所定の重なり幅で重なり合うように鋼材表面に被覆(:所謂重ね継ぎ被覆)し、鋼材表面に抵抗溶接で仮止めする。同様に、所定の枚数の覆装板を順次抵抗溶接で仮止めして鋼材表面全周をステンレス鋼板で重ね継ぎ被覆する。また、鋼材に覆装板を重ね継ぎ被覆する方向は特に限定しない。例えば鋼管に覆装板を重ね継ぎ被覆する場合には、鋼管の円周方向にわたって複数枚の覆装板を重ね継ぎ被覆する方法、あるいは鋼管の管長方向にわたって複数枚の覆装板を重ね継ぎ被覆する方法、いずれでもかまわない。仮止めには利便性の面から抵抗溶接を用いる。この仮止め部が前記第1の溶接部に相当する。
 第1の溶接部を形成する抵抗溶接としては、抵抗スポット溶接、インダイレクト抵抗スポット溶接、抵抗シーム溶接、インダイレクト抵抗シーム溶接が挙げられる。溶接部が外界と接する場合には、溶接部の耐食性を低下させないために、抵抗スポット溶接により第1の溶接部6、8を形成することが好ましい。
 また、第2の溶接部を形成するTIG溶接を施工する際の覆装板の位置ずれを防止するために、第1の溶接部として、図1〜図8に示す第1の溶接部3に加え、さらに、抵抗スポット溶接および/または抵抗シーム溶接により第1の溶接部6、8を形成し仮止めすることが好ましい。
 図2、4、6、8には抵抗スポット溶接による第1の溶接部6を示す。この抵抗スポット溶接による第1の溶接部6は、その中心が覆装板の上板の端部が位置する鋼材1表面の位置Cから3〜50mmに位置し、また抵抗スポット溶接の中心同士の間隔が5〜50mmであることが好ましい。抵抗スポット溶接の中心位置が50mm超の場合、または溶接間隔が50mm超の場合は、覆装板の仮止めの効果が充分でなく、一方、抵抗スポット溶接の中心位置が3mm未満の場合、または溶接間隔が5mm未満の場合は、溶接施工における作業性が劣るおそれがあるからである。
 図3、4、7、8には抵抗シーム溶接による第1の溶接部8を示す。この抵抗シーム溶接による第1の溶接部8は覆装板の下板またはその端部を鋼材表面に仮止めするものとすることが好ましい。図3、4、7、8に示す様に下板の端部を第1の溶接部8により仮止めする場合がさらに好ましい。また、この第1の溶接部8は第2の溶接部4により外界から隔離されることになるので高度の防食性は要求されないことから、拘束力の強い抵抗シーム溶接により形成することが好ましい。
 覆装板端部同士の重なり幅は10mm以上とするのが好ましい。この重なり幅が10mm未満の場合、抵抗溶接部と後述するTIG溶接部とが重なる場合が生じ、その場合、重なる部分が2回加熱されることとなり、溶接熱影響部の表面に酸化スケールが成長して耐食性を劣化させるおそれがあるからである。また、この重なり幅は500mm 以下とすることが好ましい。500mm 超では覆装板の使用量の増大によりコストが増加するのみならず、下板を鋼材に固定した溶接部と覆装板同士の重なり部を密封するTIG溶接部との距離が増加するため、仮止め溶接による固定の効果が減じるおそれがあるからである。
 なお、仮止めに先立って覆装板の位置を仮決めするためにプラスチック製バンド等の補助具を用いてもかまわない。
 さらにまた、第2の溶接部を形成するTIG溶接を施工する際の覆装板の位置ずれを防止するために、第1の溶接部3、6、8に加え、さらに、抵抗スポット溶接により覆装板の端部同士の重なり部に第4の溶接部7を形成し固定することが好ましい。
 図5、6、7、8には抵抗スポット溶接による第4の溶接部7を示す。この抵抗スポット溶接による第4の溶接部7はその中心が覆装板上板の端部が位置する覆装板下板表面の位置Dから3〜50mmに位置し、また抵抗スポット溶接の中心同士の間隔が5〜50mmであることが好ましい。抵抗スポット溶接の中心位置が50mm超の場合、または溶接間隔が50mm超の場合は、覆装板の仮止めの効果が充分でなく、一方、抵抗スポット溶接の中心位置が3mm未満の場合、または溶接間隔が5mm未満の場合は、溶接施工における作業性が劣るおそれがあるからである。
 第1の溶接部による仮止め、またはさらに第4の溶接部による固定が完了すると、鋼材長手方向の所定部分の表面の全周がステンレス鋼板で重ね継ぎ被覆された状態となっているが、その被覆領域内の鋼材表面はまだ外界に開放されている。そこで次にこの被覆領域の境界部の隙、すなわちステンレス鋼板端面と鋼材表面間の隙(1次隙)、およびステンレス鋼板端部同士の重なり部の上板端面と下板表面間の隙(2次隙)を密封する。
 この密封は、これら隙をなす部材を重ね隅肉溶接することにより行なう。1次隙の密封溶接部が前記第3の溶接部、2次隙の密封溶接部が前記第2の溶接部に対応する。
 この重ね隅肉溶接は、被覆された鋼材表面を腐食環境から完全に遮断して長期の耐食性を付与し、被覆したステンレス鋼板を鋼材表面に力学的に固定し、さらにステンレス鋼板端面における隙間腐食を完全に防止する。このために、溶接電流50A以上160 A未満、溶接速度80mm/min以上600mm/min 未満の条件で前記PREが50以上になる溶接棒(溶加材またはフィラーともいう。)を用いるTIG溶接により行なう必要がある。TIG溶接電流が50A未満あるいはTIG溶接速度が600mm/min 以上の場合、入熱量の低下により十分なビードが形成されず溶接部の強度が著しく低下する。一方、TIG溶接電流が160 A以上あるいはTIG溶接速度が80mm/min未満の場合、覆装板同士の重ね隅肉溶接において溶接部が下板の板厚を貫通するだけではなく、覆装板と鋼材との重ね隅肉溶接部においても、クロムカーバイドの析出により粒界にクロム欠乏層が形成されるだけでなく、ビード近傍のステンレス表面に酸化スケールが形成されるため、溶接ビード部周囲の熱影響部の防食性が著しく低下する。
 なお、TIG溶接を施す場合には、溶接する部分の隙間が0.1mm 未満になるよう押さえロールで制御することが好ましい。特に溶接する覆装板の板厚が0.8mm 以下の場合には、溶接時に0.1mm 以上の隙間が存在すると覆装板からの抜熱が阻害され、溶接欠陥が生じるおそれがあるからである。本発明では、押さえロールが溶接トーチの前方に位置すればトーチからの距離やその大きさを限定しないが、一例として、押さえロールの中心とトーチの距離が5〜50mm、押さえロールの直径10〜50mm等が挙げられる。
 また、イナートガス例えばArガスの流量は5〜15l/minが好ましい。Arガス流量が5l/min 未満の場合には、溶接時のアークが不安定となり溶接ビード部の酸化を十分に抑制し難く、一方、Arガス流量が15l/min 超の場合には、溶接部の冷却速度が過大となり良好な溶接ビードを得難い。
 さらに、溶接ビードの耐食性を長期間維持するために、溶接ビード部の耐食性金属の希釈を抑制しなければならず、そのため本発明のTIG溶接では、前記PREが50以上になる化学組成のフィラーを用いなければならない。かかるフィラーの具体例を表2に示す。
Figure 2004131843
 このようなフィラーを用いて前記電流・速度条件でTIG溶接してなる第2、第3の溶接部は前記CPTが40℃以上の性能を有するものとなる。
 なお、フィラーの好適な送り速度は溶接棒の径および覆装板の板厚によって異なるが、例えば、1.0mm φの溶接棒を使用する場合、板厚0.4mm の場合には80〜200mm/min 、板厚1.5mm の場合には300 〜500mm/min がそれぞれ好ましい。他の板厚の場合、これらから線型補間(内挿・外挿)した値が好ましい。フィラーの送り速度が上記好適範囲の下限を下回った場合には、ビード部が小さくなるばかりでなく耐食性金属成分の希釈が発生し耐食性が著しく低下する。一方、フィラーの送り速度が上記好適範囲の上限を超えた場合には、溶接部に投入した熱量の大部分がフィラーの溶融に消費されるため、溶接ビード部の溶け込み量が減少し溶接強度が低下するだけでなく、ビード形状の維持も困難になる。
 また、本発明では、前記TIG溶接の完了後、必要に応じて前述した電気防食措置または重防食塗装を施すことが好ましい。電気防食措置は、本発明の構造物構築部材の鋼材に電気防食用電極をスポット溶接等で装着するものである。電気防食の方法は特に限定しないが、外部電源方式や犠牲陽極方式が挙げられ、防食電位としては-770〜-1000mV vs.SCEが好ましい。一方、重防食塗装は、少なくとも覆装板で被覆された以外の部分(非ライニング部という)に重防食塗料を塗装するものである。重防食塗料の具体例としては、重防食ウレタン塗料、超厚膜型エポキシ塗料や水中硬化型エポキシ塗料等が挙げられるが、本発明では特にこれらに限定するものではない。
(実施例1)
 鋼材として炭素鋼からなる鋼管表面の黒皮をブラスト処理で取り除いてなる鋼管杭を用いた。覆装板として、板厚0.4mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼(表1のS1)の帯板コイルから鋼管杭の寸法に合わせた所定長さだけ巻き戻して切断することにより複数枚切出したものを用いた。
 複数の覆装板を順次インダイレクト抵抗スポット溶接により鋼管杭表面に仮止め溶接し(第1の溶接部3形成)、互いの端部を重ね合わせて鋼管杭表面の円周方向に這わせて一周させることにより、鋼管杭の両端部3mから内側の領域をステンレス鋼板による重ね継ぎ被覆部となした。前記インダイレクト抵抗スポット溶接は、ステンレス鋼板の端面から50mm以上内側で、かつ、後程行うTIG溶接の熱影響部と重ならない適宜の位置で行なった。ステンレス鋼板同士の重なり部の幅は30〜50mmとした。ここでのインダイレクト抵抗スポット溶接の施工条件を以下に示す。
・インダイレクト抵抗スポット溶接(施工条件INDSP-1 )
  溶接電流:6500A
  電極径:溶接側、非溶接側(アース側)とも16mmφ
  加圧力:溶接側、非溶接側(アース側)とも2.0kN/mm2
  電極間距離:200mm
  スポット溶接間隔:150mm
 次いで、前記ステンレス鋼板の重なり部の上板端面と下板表面とがなす段差部(鋼管杭長さ方向に延在)をその全長にわたりTIG溶接により重ね隅肉溶接し(第2の溶接部4形成)、該段差部の隅に存在していた隙を密封した。さらに、前記重ね継ぎ被覆部の境界においてステンレス鋼板端面と鋼管杭表面とがなす段差部(鋼管杭円周方向に延在)をその全長にわたりTIG溶接により重ね隅肉溶接し(第3の溶接部5形成)、該段差部の隅に存在していた隙を密封した。ここでのTIG溶接の施工条件を以下に示す。
・TIG溶接(施工条件TIG-1 )
  溶接電流:80A
  溶接速度:140mm/min
  Arガス流量:10l/min
フィラー:表2のF4
  フィラー送り速度:140mm/min
 なお、前記鋼材と同一組成・同一厚さの鋼材試片および前記被覆板と同一組成・同一厚さのステンレス鋼板試片とを用いて同様のTIG溶接により作製した鋼材試片とステンレス鋼板試片の重ね隅肉溶接継手試料、およびステンレス鋼板試片同士の重ね隅肉溶接継手試料の各溶接部について測定したCPT値はそれぞれ50℃、60℃であった。このようにして図1に示す構造物構築部材を製造した。
 前記TIG溶接完了後、ステンレス鋼板に覆われていない鋼管杭の両端部3mの領域について、該両端部の一方に重防食塗装、他方に電気防食措置を施した。この重防食塗装では、前記重ね継ぎ被覆部の境界のTIG溶接部から該被覆部側に50mm入った部分のステンレス鋼板表面をサンドペーパで研削し、該研削部からこれに連なる露出した鋼管杭の端にかけての領域を、ポリウレタンプライマー(330 プライマー、第一工業製薬(株)製)の平均乾燥膜厚50μm にて被覆し、常温で2時間ほど放置してプライマー中の有機溶剤の蒸発とプライマーの硬化を完了させた後、そこをさらに無溶剤型ポリウレタン防食層(パーマガード137 、第一工業製薬(株)製)の平均膜厚2.5mm にて被覆した。また前記電気防食措置では、海中での腐食電位が-900mV vs.SCE 程度になるよう、露出した鋼管杭の表面にAlの犠牲陽極をスポット溶接で取付けた。
 このような防食仕様を施した鋼管杭を、重防食塗装部が海上部、電気防食措置部が海中部に位置するように海岸中に打ち込み、5年間暴露試験を行なった。結果を表3に示す。いずれの部位についても良好な防食性を示した。
(実施例2)
 鋼材として炭素鋼からなる鋼管表面の黒皮をブラスト処理で取り除いてなる鋼管杭を用いた。覆装板として、板厚0.4mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼(表1のS2)の帯板コイルから鋼管杭の寸法に合わせた所定長さだけ巻き戻して切断することにより複数枚切出したものを用いた。
 複数の覆装板を順次インダイレクト抵抗スポット溶接により鋼管杭表面に仮止め溶接し(第1の溶接部3形成)、互いの端部を重ね合わせて鋼管杭表面の円周方向に這わせて一周させることにより、鋼管杭の両端部3mから内側の領域をステンレス鋼板による重ね継ぎ被覆部となした。前記インダイレクト抵抗スポット溶接は、ステンレス鋼板の端面から50mm以上内側で、かつ、後程行うTIG溶接の熱影響部と重ならない適宜の位置で行なった。ステンレス鋼板同士の重なり部の幅は30〜50mmとした。ここでのインダイレクト抵抗スポット溶接の施工条件は実施例1と同じINDSP-1 とした。
次いで、前記ステンレス鋼板の重なり部の上板端面と下板表面とがなす段差部(鋼管杭長さ方向に延在)をその全長にわたりTIG溶接により重ね隅肉溶接し(第2の溶接部4形成)、該段差部の隅に存在していた隙を密封した。さらに、前記重ね継ぎ被覆部の境界においてステンレス鋼板端面と鋼管杭表面とがなす段差部(鋼管杭円周方向に延在)をその全長にわたりTIG溶接により重ね隅肉溶接し(第3の溶接部5形成)、該段差部の隅に存在していた隙を密封した。ここでのTIG溶接の施工条件を以下に示す。
・TIG溶接(施工条件TIG-2 )
  溶接電流:80A
  溶接速度:140mm/min
  Arガス流量:10l/min
フィラー:表2のF3
  フィラー送り速度:140 mm/min
 なお、前記鋼材と同一組成・同一厚さの鋼材試片および前記被覆板と同一組成・同一厚さのステンレス鋼板試片とを用いて同様のTIG溶接により作製した鋼材試片とステンレス鋼板試片の重ね隅肉溶接継手試料、およびステンレス鋼板試片同士の重ね隅肉溶接継手試料の各溶接部について測定したCPT値はそれぞれ45℃、55℃であった。このようにして図1に示す構造物構築部材を製造した。
前記TIG溶接完了後、実施例1と同様に重防食塗装と電気防食措置を施した。
 このような防食仕様を施した鋼管杭を、重防食塗装部が海上部、電気防食措置部が海中部に位置するように海岸に打ち込み、5年間暴露試験を行った。結果を表3に示す。いずれも部位についても良好な防食性を示した。
(実施例3)
 鋼材として炭素鋼からなる鋼管表面の黒皮をブラスト処理で取り除いてなる鋼管杭を用いた。覆装板として、板厚0.4mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼(表1のS1)の帯板コイルから鋼管杭の寸法に合わせた所定長さだけ巻き戻して切断することにより複数枚切出したものを用いた。
 複数の覆装板を順次インダイレクト抵抗スポット溶接により鋼管杭表面に仮止め溶接し(第1の溶接部3形成)、互いの端部を重ね合わせて鋼管杭表面の円周方向に這わせて一周させることにより、鋼管杭の両端部3mから内側の領域をステンレス鋼板による重ね継ぎ被覆部となした。前記インダイレクト抵抗スポット溶接は、ステンレス鋼板の端面から50mm以上内側で、かつ、後程行うTIG溶接の熱影響と重ならない適宜の位置で行なった。ステンレス鋼板同士の重なり部の幅は30〜50mmとした。ここでのインダイレクト抵抗スポット溶接の施工条件は実施例1と同じINDSP-1 とした。
次いで、前記ステンレス鋼板の重なり部の上板端面と下板表面とがなす段差部(鋼管杭長さ方向に延在)をその全長にわたりTIG溶接により重ね隅肉溶接し(第2の溶接部4の形成)、該段差部の隅に存在していた隙を密封した。さらに、前記重ね継ぎ被覆部の境界においてステンレス鋼板端面と鋼管杭表面とがなす段差部(鋼管杭円周方向に延在)をその全長にわたりTIG溶接により重ね隅肉溶接し(第3の溶接部5の形成)、該段差部の隅に存在していた隙を密封した。ここでのTIG溶接の施工条件を以下に示す。
・TIG溶接(施工条件TIG-3 )
  溶接電流:60A
  溶接速度:140mm/min
  Arガス流量:10l/min
フィラー:表2のF1
  フィラー送り速度:140mm/min
 なお、前記鋼材と同一組成・同一厚さの鋼材試片および前記被覆板と同一組成・同一厚さのステンレス鋼板試片とを用いて同様のTIG溶接により作製した鋼材試片とステンレス鋼板試片の重ね隅肉溶接継手試料、およびステンレス鋼板試片同士の重ね隅肉溶接継手試料の各溶接部について測定したCPT値はそれぞれ50℃、60℃であった。このようにして図1に示す構造物構築部材を製造した。
 前記TIG溶接完了後、実施例1と同様に重防食塗装と電気防食措置を施した。
 このような防食仕様を施した鋼管杭を、重防食塗装部が海上部、電気防食措置部が海中部に位置するように海岸中に打ち込み、5年間暴露試験を行なった。結果を表3に示す。いずれの部位についても良好な防食性を示した。
(実施例4)
 鋼材として炭素鋼からなる鋼管表面の黒皮をブラスト処理で取り除いてなる鋼管杭を用いた。覆装板として、板厚1.5mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼(表1のS2)の帯板コイルから鋼管杭の寸法に合わせた所定長さだけ巻き戻して切断することにより複数枚切出したものを用いた。
 複数の覆装板を順次インダイレクト抵抗スポット溶接により鋼管杭表面に仮止め溶接し(第1の溶接部3の形成)、互いの端部を重ね合わせて鋼管杭表面の円周方向に這わせて一周させることにより、鋼管杭の両端部3mから内側の領域をステンレス鋼板による重ね継ぎ被覆部となした。前記インダイレクト抵抗スポット溶接は、ステンレス鋼板の端面から50mm以上内側で、かつ、後程行うTIG溶接の熱影響と重ならない適宜の位置で行なった。ステンレス鋼板同士の重なり部の幅は30〜50mmとした。また、該重なり部の外側の該重なり部に近い位置でステンレス鋼板下板と鋼管杭とをインダイレクト抵抗シーム溶接により仮止め溶接した(第1の溶接部8の形成)。ここでのインダイレクト抵抗スポット溶接の施工条件は実施例1と同じINDSP-1 とした。また、インダイレクト抵抗シーム溶接の施工条件は以下に示す。
・インダイレクト抵抗シーム溶接(施工条件INDSM-1 )
  溶接電流:7970A
  ローラ電極寸法:溶接側150mm φ×3mm
          非溶接側(アース側)150 mmφ×16mm
加圧力:溶接側2.0kN/mm2 、非溶接側(アース側)4.8kN/mm2
  溶接速度:2.0 m/min
次いで、前記ステンレス鋼板の重なり部の上板端面と下板表面とがなす段差部(鋼管杭長さ方向に延在)をその全長にわたりTIG溶接により重ね隅肉溶接し(第2の溶接部4の形成)、該段差部の隅に存在していた隙を密封した。さらに、前記重ね継ぎ被覆部の境界においてステンレス鋼板端面と鋼管杭表面とがなす段差部(鋼管杭円周方向に延在)をその全長にわたりTIG溶接により重ね隅肉溶接し(第3の溶接部5の形成)、該段差部の隅に存在していた隙を密封した。ここでのTIG溶接の施工条件を以下に示す。
・TIG溶接(施工条件TIG-4 )
  溶接電流:115 A
  溶接速度:350mm/min
  Arガス流量:10l/min
フィラー:表2のF2
  フィラー送り速度:350mm/min
 なお、前記鋼材と同一組成・同一厚さの鋼材試片および前記被覆板と同一組成・同一厚さのステンレス鋼板試片とを用いて同様のTIG溶接により作製した鋼材試片とステンレス鋼板試片の重ね隅肉溶接継手試料、およびステンレス鋼板試片同士の重ね隅肉溶接継手試料の各溶接部について測定したCPT値はそれぞれ45℃、55℃であった。このようにして図9に示す構造物構築部材を製造した。
 前記TIG溶接完了後、実施例1と同様に重防食塗装と電気防食措置を施した。
 このような防食仕様を施した鋼管杭を、重防食塗装部が海上部、電気防食措置部が海中部に位置するように海岸中に打ち込み、5年間暴露試験を行なった。結果を表3に示す。いずれの部位についても良好な防食性を示した。
(実施例5)
 鋼材として炭素鋼からなる鋼管表面の黒皮をブラスト処理で取り除いてなる鋼管杭を用いた。覆装板として、板厚0.4mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼(表1のS1)の帯板コイルから鋼管杭の寸法に合わせて所定の長さだけを巻き戻して切断することにより複数枚切出したものを用いた。
 複数の覆装板を順次インダイレクト抵抗スポット溶接により鋼管杭表面に仮止め溶接し(第1の溶接部3の形成)、互いの端部を重ね合わせて鋼管杭表面の円周方向に這わせて一周させることにより、鋼管杭の両端部3mから内側の領域をステンレス鋼板による重ね継ぎ被覆部となした。前記インダイレクト抵抗スポット溶接は、ステンレス鋼板の端面から50mm以上内側で、かつ、後程行うTIG溶接の熱影響と重ならない適宜の位置で行なった。ステンレス鋼板同士の重なり部の幅は50〜70mmとした。
 さらに、前記ステンレス鋼板の重なり部の上板端面と下板端面とが成す段差部(鋼管杭長さ方向に延在)をその全長方向に亘って仮固定するために、前記段差部の両側に、段差部から15mmの位置に、溶接中心間距離15mmの間隔でインダイレクト抵抗スポット溶接を施した(第1の溶接部6および第4の溶接部7の形成)。ここでのこれらのインダイレクト抵抗スポット溶接の施工条件を以下に示す。
・インダイレクト抵抗スポット溶接(INDSP-2 )
   溶接電流:6500A
   電極径:溶接側、非溶接側(アース側)とも16mmφ
   加圧力:溶接側、非溶接側(アース側)とも2.0kN/mm2
   電極間距離:200mm
 次いで、前記段差部をその全長方向に亘りTIG溶接により重ね隅肉溶接し(第2の溶接部4の形成)、該段差部の隅に存在していた隙間を密封した。さらに、前記重ね継ぎ溶接部の境界においてステンレス鋼板端面と鋼管杭表面とが成す段差部(鋼管杭円周方向に延在)をその全長に亘りTIG溶接により重ね隅肉溶接し(第3の溶接部5の形成)、該段差部の隅に存在していた隙間を密封した。ここでのTIG溶接の施工条件は実施例1と同じTIG-1 とした。
 なお、前記鋼材と同一組成・同一厚さの鋼材試片および前記被覆板と同一組成・同一厚さのステンレス鋼板試片とを用いて同様のTIG溶接により作製した鋼材試片とステンレス鋼板試片の重ね隅肉溶接継手試料、およびステンレス鋼板試片同士の重ね隅肉溶接継手試料の各溶接部について測定したCPT値はそれぞれ50℃、60℃であった。このようにして図6に示す構造物構築部材を製造した。
 前記TIG溶接完了後、実施例1と同様に重防食塗装と電気防食措置を施した。
 このような防食仕様を施した鋼管杭を、重防食塗装部が海上部、電気防食措置部が海中部に位置するように海岸中に打ち込み、5年間暴露試験を行なった。結果を表3に示す。いずれの部位についても良好な防食性を示した。
(実施例6)
 鋼材として炭素鋼からなる鋼管表面の黒皮をブラスト処理で取り除いてなる鋼管杭を用いた。覆装板として、板厚0.4mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼(表1のS1)の帯板コイルから鋼管杭の寸法に合わせて所定の長さだけを巻き戻して切断することにより複数枚切出したものを用いた。
 複数の覆装板を順次インダイレクト抵抗スポット溶接により鋼管杭表面に仮止め溶接し(第1の溶接部3の形成)、互いの端部を重ね合わせて鋼管杭表面の円周方向に這わせて一周させることにより、鋼管杭の両端部3mから内側の領域をステンレス鋼板による重ね継ぎ被覆部となした。前記インダイレクト抵抗スポット溶接は、ステンレス鋼板の端面から50mm以上内側で、かつ、後程行うTIG溶接の熱影響と重ならない適宜の位置で行なった。ステンレス鋼板同士の重なり部の幅は50〜70mmとした。また、該重なり部の内側のステンレス鋼板下板の端部近傍と鋼管杭とをインダイレクト抵抗シーム溶接により仮止め溶接した(第1の溶接部8の形成)。ここでのインダイレクト抵抗スポット溶接の施工条件は実施例1と同じINDSP-1 とした。また、インダイレクト抵抗シーム溶接の施工条件は以下に示す。
・インダイレクト抵抗シーム溶接(施工条件INDSM-2 )
   溶接電流:5000A
   ローラ電極寸法:溶接側 150mm φ×3mm
           非溶接側(アース側) 150mm φ×16mm
   加圧力:溶接側2.0kN/mm2 、非溶接側(アース側)4.8kN/mm2
   溶接速度:2.0 m/min
 次いで、前記段差部をその全長方向に亘りTIG溶接により重ね隅肉溶接し(第2の溶接部4の形成)、該段差部の隅に存在していた隙間を密封した。さらに、前記重ね継ぎ溶接部の境界においてステンレス鋼板端面と鋼管杭表面とが成す段差部(鋼管杭円周方向に延在)をその全長に亘りTIG溶接により重ね隅肉溶接し(第3の溶接部5の形成)、該段差部の隅に存在していた隙間を密封した。ここでのTIG溶接の施工条件は実施例1と同じTIG-1 とした。
 なお、前記鋼材と同一組成・同一厚さの鋼材試片および前記被覆板と同一組成・同一厚さのステンレス鋼板試片とを用いて同様のTIG溶接により作製した鋼材試片とステンレス鋼板試片の重ね隅肉溶接継手試料、およびステンレス鋼板試片同士の重ね隅肉溶接継手試料の各溶接部について測定したCPT値はそれぞれ50℃、60℃であった。このようにして図3に示す構造物構築部材を製造した。
 前記TIG溶接完了後、実施例1と同様に重防食塗装と電気防食措置を施した。
 このような防食仕様を施した鋼管杭を、重防食塗装部が海上部、電気防食措置部が海中部に位置するように海岸中に打ち込み、5年間暴露試験を行なった。結果を表3に示す。いずれの部位についても良好な防食性を示した。
(実施例7)
 鋼材として炭素鋼からなる鋼管表面の黒皮をブラスト処理で取り除いてなる鋼管杭を用いた。覆装板として、板厚0.4mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼(表1のS1)の帯板コイルから鋼管杭の寸法に合わせて所定の長さだけを巻き戻して切断することにより複数枚切出したものを用いた。
 複数の覆装板を順次インダイレクト抵抗スポット溶接により鋼管杭表面に仮止め溶接し(第1の溶接部3の形成)、互いの端部を重ね合わせて鋼管杭表面の円周方向に這わせて一周させることにより、鋼管杭の両端部3mから内側の領域をステンレス鋼板による重ね継ぎ被覆部となした。前記インダイレクト抵抗スポット溶接は、ステンレス鋼板の端面から50mm以上内側で、かつ、後程行うTIG溶接の熱影響と重ならない適宜の位置で行なった。ステンレス鋼板同士の重なり部の幅は50〜70mmとした。また、該重なり部の内側のステンレス鋼板下板の端部近傍と鋼管杭とをインダイレクト抵抗シーム溶接により仮止め溶接した(第1の溶接部8の形成)。ここでのインダイレクト抵抗スポット溶接の施工条件は実施例1と同じINDSP-1 とした。また、インダイレクト抵抗シーム溶接の施工条件は実施例6と同じINDSM-2 とした。
 また、前記ステンレス鋼板の重なり部(鋼管杭長さ方向に延在)をその全長方向に亘って仮固定するために、ステンレス鋼板の重なり部の上板端面と下板端面が成す段差部から重なり部内側に15mmの位置に、溶接中心間距離15mmの間隔でインダイレクト抵抗スポット溶接を施した(第4の溶接部7の形成)。ここでのインダイレクト抵抗スポット溶接の施工条件は、実施例5と同じINDSP-2 とした。
 次いで、前記段差部をその全長方向に亘りTIG溶接により重ね隅肉溶接し(第2の溶接部4の形成)、該段差部の隅に存在していた隙間を密封した。さらに、前記重ね継ぎ溶接部の境界においてステンレス鋼板端面と鋼管杭表面とが成す段差部(鋼管杭円周方向に延在)をその全長に亘りTIG溶接により重ね隅肉溶接し(第3の溶接部5の形成)、該段差部の隅に存在していた隙間を密封した。ここでのTIG溶接の施工条件は実施例1と同じTIG-1 とした。
 なお、前記鋼材と同一組成・同一厚さの鋼材試片および前記被覆板と同一組成・同一厚さのステンレス鋼板試片とを用いて同様のTIG溶接により作製した鋼材試片とステンレス鋼板試片の重ね隅肉溶接継手試料、およびステンレス鋼板試片同士の重ね隅肉溶接継手試料の各溶接部について測定したCPT値はそれぞれ50℃、60℃であった。このようにして図7に示す構造物構築部材を製造した。
 前記TIG溶接完了後、実施例1と同様に重防食塗装と電気防食措置を施した。
 このような防食仕様を施した鋼管杭を、重防食塗装部が海上部、電気防食措置部が海中部に位置するように海岸中に打ち込み、5年間暴露試験を行なった。結果を表3に示す。いずれの部位についても良好な防食性を示した。
(比較例1)
 鋼材として炭素鋼からなる鋼管表面の黒皮をブラスト処理で取り除いてなる鋼管杭を用いた。覆装板として、板厚0.4mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼(表1のS1)の帯板コイルから鋼管杭の寸法に合わせた所定長さだけ巻き戻して切断することにより複数枚切出したものを用いた。
 複数の覆装板を順次インダイレクト抵抗スポット溶接により鋼管杭表面に仮止め溶接し、互いの端部を重ね合わせて鋼管杭表面の円周方向に這わせて一周させることにより、鋼管杭の両端部3mから内側の領域をステンレス鋼板による重ね継ぎ被覆部となした。前記インダイレクト抵抗スポット溶接は、ステンレス鋼板の端面から50mm以上内側の適宜の位置で行なった。ステンレス鋼板同士の重なり部の幅は30〜50mmとした。また、該重なり部の外側の該重なり部に近い位置でステンレス鋼板と鋼管杭とをインダイレクト抵抗シーム溶接により仮止め溶接した。ここでのインダイレクト抵抗スポット溶接、インダイレクト抵抗シーム溶接の施工条件はそれぞれ前記施工条件INDSP-1 、INDSM-1 とした。
 次いで、前記ステンレス鋼板の重なり部の上板端面と下板表面とがなす段差部(鋼管杭長さ方向に延在)をその全長にわたりTIG溶接により重ね隅肉溶接し、該段差部の隅に存在していた隙を密封した。さらに、前記重ね継ぎ被覆部の境界においてステンレス鋼板端面と鋼管杭表面とがなす段差部(鋼管杭円周方向に延在)をその全長にわたりTIG溶接により重ね隅肉溶接し、該段差部の隅に存在していた隙を密封した。ここでのTIG溶接の施工条件を以下に示す。
・TIG溶接(施工条件TIG-X1)
  溶接電流:150 A
  溶接速度:600mm/min
  Arガス流量:10l/min
フィラー:使用せず
 なお、前記鋼材と同一組成・同一厚さの鋼材試片および前記被覆板と同一組成・同一厚さのステンレス鋼板試片とを用いて同様のTIG溶接により作製した鋼材試片とステンレス鋼板試片の重ね隅肉溶接継手試料、およびステンレス鋼板試片同士の重ね隅肉溶接継手試料の各溶接部について測定したCPT値はそれぞれ20℃、25℃であった。
 前記TIG溶接完了後、実施例1と同様にして、該両端部の一方に重防食塗装、他方に電気防食措置を施した。
 このような防食仕様を施した鋼管杭を、重防食塗装部が海上部、電気防食措置部が海中部に位置するように海岸中に打ち込み、5年間暴露試験を行なった。結果を表3に示す。溶接ビード部およびその周囲の熱影響部に孔食が発生した。
(比較例2)
 鋼材として炭素鋼からなる鋼管表面の黒皮をブラスト処理で取り除いてなる鋼管杭を用いた。覆装板として、板厚0.4mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼(表1のS1)の帯板コイルから鋼管杭の寸法に合わせた所定長さだけ巻き戻して切断することにより複数枚切出したものを用いた。
 複数の覆装板を順次インダイレクト抵抗スポット溶接により鋼管杭表面に仮止め溶接し、互いの端部を重ね合わせて鋼管杭表面の円周方向に這わせて一周させることにより、鋼管杭の両端部3mから内側の領域をステンレス鋼板による重ね継ぎ被覆部となした。前記インダイレクト抵抗スポット溶接は、ステンレス鋼板の端面から50mm以上内側の適宜の位置で行なった。ステンレス鋼板同士の重なり部の幅は30〜50mmとした。また、該重なり部の外側の該重なり部に近い位置でステンレス鋼板と鋼管杭とをインダイレクト抵抗シーム溶接により仮止め溶接した。ここでのインダイレクト抵抗スポット溶接、インダイレクト抵抗シーム溶接の施工条件はそれぞれ前記施工条件INDSP-1 、INDSM-1 とした。
 次いで、前記ステンレス鋼板の重なり部の上板端面と下板表面とがなす段差部(鋼管杭長さ方向に延在)をその全長にわたりTIG溶接により重ね隅肉溶接し、該段差部の隅に存在していた隙を密封した。さらに、前記重ね継ぎ被覆部の境界においてステンレス鋼板端面と鋼管杭表面とがなす段差部(鋼管杭円周方向に延在)をその全長にわたりTIG溶接により重ね隅肉溶接し、該段差部の隅に存在していた隙を密封した。ここでのTIG溶接の施工条件を以下に示す。
・TIG溶接(施工条件TIG-X2)
  溶接電流:190 A
  溶接速度:400mm/min
  Arガス流量:10l/min
フィラー:表2のF4
  フィラー送り速度:400mm/min
 なお、前記鋼材と同一組成・同一厚さの鋼材試片および前記被覆板と同一組成・同一厚さのステンレス鋼板試片とを用いて同様のTIG溶接により作製した鋼材試片とステンレス鋼板試片の重ね隅肉溶接継手試料、およびステンレス鋼板試片同士の重ね隅肉溶接継手試料の各溶接部について測定したCPT値はそれぞれ30℃、30℃であった。
 前記TIG溶接完了後、実施例1と同様にして、該両端部の一方に重防食塗装、他方に電気防食措置を施した。
 このような防食仕様を施した鋼管杭を、重防食塗装部が海上部、電気防食措置部が海中部に位置するように海岸中に打ち込み、5年間暴露試験を行なった。結果を表3に示す。溶接ビード部には孔食が発生しなかったものの、その周囲の熱影響部には孔食が発生した。
(比較例3)
 鋼材として炭素鋼からなる鋼管表面の黒皮をブラスト処理で取り除いてなる鋼管杭を用いた。覆装板として、板厚0.4mm のオーステナイト系ステンレス鋼(表1のS3)の帯板コイルから鋼管杭の寸法に合わせた所定長さだけ巻き戻して切断することにより複数枚切出したものを用いた。
 複数の覆装板を順次インダイレクト抵抗スポット溶接により鋼管杭表面に仮止め溶接し、互いの端部を重ね合わせて鋼管杭表面の円周方向に這わせて一周させることにより、鋼管杭の両端部3mから内側の領域をステンレス鋼板による重ね継ぎ被覆部となした。前記インダイレクト抵抗スポット溶接は、ステンレス鋼板の端面から50mm以上内側の適宜の位置で行なった。ステンレス鋼板同士の重なり部の幅は30〜50mmとした。また、該重なり部の外側の該重なり部に近い位置でステンレス鋼板と鋼管杭とをインダイレクト抵抗シーム溶接により仮止め溶接した。ここでのインダイレクト抵抗スポット溶接、インダイレクト抵抗シーム溶接の施工条件はそれぞれ前記施工条件INDSP-1 、INDSM-1 とした。
 次いで、前記ステンレス鋼板の重なり部の上板端面と下板表面とがなす段差部(鋼管杭長さ方向に延在)をその全長にわたりTIG溶接により重ね隅肉溶接し、該段差部の隅に存在していた隙を密封した。さらに、前記重ね継ぎ被覆部の境界においてステンレス鋼板端面と鋼管杭表面とがなす段差部(鋼管杭円周方向に延在)をその全長にわたりTIG溶接により重ね隅肉溶接し、該段差部の隅に存在していた隙を密封した。ここでのTIG溶接の施工条件は前記施工条件TIG-1 とした。
 なお、前記鋼材と同一組成・同一厚さの鋼材試片および前記被覆板と同一組成・同一厚さのステンレス鋼板試片とを用いて同様のTIG溶接により作製した鋼材試片とステンレス鋼板試片の重ね隅肉溶接継手試料、およびステンレス鋼板試片同士の重ね隅肉溶接継手試料の各溶接部について測定したCPT値はそれぞれ30℃、30℃であった。
 前記TIG溶接完了後、実施例1と同様にして、該両端部の一方に重防食塗装、他方に電気防食措置を施した。
 このような防食仕様を施した鋼管杭を、重防食塗装部が海上部、電気防食措置部が海中部に位置するように海岸中に打ち込み、5年間暴露試験を行なった。結果を表3に示す。溶接ビード部は良好な耐食性を示したものの、ステンレス鋼板母材およびビード部周囲の熱影響部で孔食および海洋生物付着による隙間腐食が発生した。
(比較例4)
 鋼材として炭素鋼からなる鋼管表面の黒皮をブラスト処理で取り除いてなる鋼管杭を用いた。覆装板として、板厚0.4mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼(表1のS1)の帯板コイルから鋼管杭の寸法に合わせた所定長さだけ巻き戻して切断することにより複数枚切出したものを用いた。
 複数の覆装板を順次インダイレクト抵抗スポット溶接により鋼管杭表面に仮止め溶接し、互いの端部を重ね合わせて鋼管杭表面の円周方向に這わせて一周させることにより、鋼管杭の両端部3mから内側の領域をステンレス鋼板による重ね継ぎ被覆部となした。前記インダイレクト抵抗スポット溶接は、ステンレス鋼板の端面から50mm以上内側の適宜の位置で行なった。ステンレス鋼板同士の重なり部の幅は30〜50mmとした。
 次いで、前記ステンレス鋼板の重なり部の上板と下板とを上板端に可及的に近い位置で鋼管杭長さ方向に沿った全長にわたりインダイレクト抵抗シーム溶接により縫合接合した。さらに、前記重ね継ぎ被覆部の境界においてステンレス鋼板と鋼管杭とをステンレス鋼板端に可及的に近い位置で鋼管杭円周方向に沿った全長にわたりインダイレクト抵抗シーム溶接により縫合接合した。この縫合接合線で囲まれた領域内の鋼材表面は外界から遮断された。ここでのインダイレクト抵抗スポット溶接、インダイレクト抵抗シーム溶接の施工条件はそれぞれ前記施工条件INDSP-1 、INDSM-1 とした。
 なお、前記鋼材と同一組成・同一厚さの鋼材試片および前記被覆板と同一組成・同一厚さのステンレス鋼板試片とを用いて同様のインダイレクト抵抗シーム溶接により作製した鋼材試片とステンレス鋼板試片の縫合接合継手試料、およびステンレス鋼板試片同士の縫合接合継手試料の各溶接部について測定したCPT値はそれぞれ30℃、40℃であった。
 前記インダイレクト抵抗シーム溶接完了後、実施例1と同様にして、該両端部の一方に重防食塗装、他方に電気防食措置を施した。
 このような防食仕様を施した鋼管杭を、重防食塗装部が海上部、電気防食措置部が海中部に位置するように海岸中に打ち込み、5年間暴露試験を行なった。結果を表3に示す。
 ステンレス鋼板で被覆した部位については、縫合接合部において、インダイレクトシーム溶接時に発生した隙間部から隙間腐食が発生した。また、非縫合接合部においては、ステンレス鋼板母材そのものの耐食性は問題ないものの、位置的に上方に存在する露出した鋼管杭で発生した流れ錆(もらい錆)によって表面が汚染された。一方、鋼管杭本体については、海上部に位置する露出部位で剥離状の錆や錆瘤が発生した。また海中部に位置する露出部位ではステンレス鋼板が軟鋼 (炭素鋼)より貴な腐食電位を示すため、鋼材の腐食が加速される所謂異種金属接触腐食が認められた。
Figure 2004131843
本発明の一実施形態を示す模式図(a:立体図、b:A部断面図、c:B部断面図)である。 本発明の一実施形態を示す模式図(a:立体図、b:A部断面図、c:B部断面図)である。 本発明の一実施形態を示す模式図(a:立体図、b:A部断面図、c:B部断面図)である。 本発明の一実施形態を示す模式図(a:立体図、b:A部断面図、c:B部断面図)である。 本発明の一実施形態を示す模式図(a:立体図、b:A部断面図、c:B部断面図)である。 本発明の一実施形態を示す模式図(a:立体図、b:A部断面図、c:B部断面図)である。 本発明の一実施形態を示す模式図(a:立体図、b:A部断面図、c:B部断面図)である。 本発明の一実施形態を示す模式図(a:立体図、b:A部断面図、c:B部断面図)である。 本発明の一実施形態を示す模式図(a:立体図、b:A部断面図、c:B部断面図)である。
符号の説明
 1 鋼材(鋼管、鋼管杭等)
 2 覆装板(オーステナイト系耐海水ステンレス鋼板)
 2a 覆装板端部同士の重なり部
 3 第1の溶接部
 4 第2の溶接部
 5 第3の溶接部
 6 第1の溶接部(抵抗スポット溶接)
 7 第4の溶接部
 8 第1の溶接部(抵抗シーム溶接)

Claims (8)

  1. 鋼材の表面の少なくとも一部を一枚又は複数枚の覆装板で被覆してなる構造物構築部材であって、前記覆装板は板厚0.2 〜5.0mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼からなり、前記覆装板を前記鋼材表面に仮止めしてなる第1の溶接部と、前記覆装板の端部同士の重なり部の隙を密封してなる第2の溶接部と、前記覆装板の被覆境界部と前記鋼材表面との隙を密封してなる第3の溶接部とを有し、かつ前記第2および第3の溶接部が前記オーステナイト系耐海水ステンレス鋼と同等以上の耐食性を有することを特徴とする構造物構築部材。
  2.  鋼材の表面の少なくとも一部を一枚又は複数枚の覆装板で被覆してなる構造物構築部材であって、前記覆装板は板厚0.2 〜5.0mm のオーステナイト系耐海水ステンレス鋼からなり、前記覆装板を前記鋼材表面に仮止めしてなる第1の溶接部と、前記覆装板の端部同士の重なり部を固定してなる第4の溶接部と、前記覆装板の端部同士の重なり部の隙を密封してなる第2の溶接部と、前記覆装板の被覆境界部と前記鋼材表面との隙を密封してなる第3の溶接部とを有し、かつ前記第2、第3の溶接部が前記オーステナイト系耐海水ステンレス鋼と同等以上の耐食性を有することを特徴とする構造物構築部材。
  3.  前記覆装板をなすオーステナイト系耐海水ステンレス鋼は、下記のPREが43以上になるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の構造物構築部材。
                     記
    PRE=Cr+3.3 ×Mo+20×N。ただしW含有の場合は、PRE=Cr+3.3 ×(Mo+0.5 ×W)+20×Nとする。ここに右辺の元素記号はその元素の濃度(mass% )を表す。
  4.  前記構造物構築部材に、重防食塗料が塗装され、および/または前記構造物構築部材の鋼材に、電気防食用電極が装着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の構造物構築部材。
  5.  鋼材の表面に、オーステナイト系耐海水ステンレス鋼からなる板厚0.2 〜5.0mm の複数枚の覆装板をその隣り合う端部同士が重なるように配置し、前記覆装板を前記鋼材表面に抵抗溶接で仮止め後、前記覆装板の端部同士の重なり部の隙、および前記覆装板の被覆境界部と前記鋼材表面との隙を、溶接電流50A以上160 A未満、溶接速度80mm/min以上600mm/min 未満の条件下で下記のPREが50以上の溶接棒を使用するTIG溶接により、密封することを特徴とする構造物構築部材の製造方法。
                     記
    PRE=Cr+3.3 ×Mo+20×N。ただしW含有の場合は、PRE=Cr+3.3 ×(Mo+0.5 ×W)+20×Nとする。ここに右辺の元素記号はその元素の濃度(mass% )を表す。
  6.  鋼材の表面に、オーステナイト系耐海水ステンレス鋼からなる板厚0.2 〜5.0mm の複数枚の覆装板をその隣り合う端部同士が重なるように配置し、前記覆装板を前記鋼材表面に抵抗溶接で仮止め後、前記覆装板の重なり部を抵抗スポット溶接で固定し、さらに前記覆装板の端部同士の重なり部の隙、および前記覆装板の被覆境界部と前記鋼材表面との隙を、溶接電流50A以上160 A未満、溶接速度80mm/min以上600mm/min 未満の条件下で下記のPREが50以上の溶接棒を使用するTIG溶接により、密封することを特徴とする構造物構築部材の製造方法。
                     記
    PRE=Cr+3.3 ×Mo+20×N。ただしW含有の場合は、PRE=Cr+3.3 ×(Mo+0.5 ×W)+20×Nとする。ここに右辺の元素記号はその元素の濃度(mass% )を表す。
  7.  前記覆装板をなすオーステナイト系耐海水ステンレス鋼は、下記のPREが43以上になるものであることを特徴とする請求項5または6に記載の構造物構築部材の製造方法。
                     記
    PRE=Cr+3.3 ×Mo+20×N。ただしW含有の場合は、PRE=Cr+3.3 ×(Mo+0.5 ×W)+20×Nとする。ここに右辺の元素記号はその元素の濃度(mass% )を表す。
  8.  前記TIG溶接による隙の密封後、前記構造物構築部材に、重防食塗料を塗装し、および/または前記構造物構築部材の鋼材に、電気防食用電極を装着することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の構造物構築部材の製造方法。
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