JP2004131099A - インクパッケージの包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】柔軟性を有する袋体にインクを収容したインクパッケージを内包した状態で包袋4の内部を減圧すると、スパウト7の連通路6の内部において、袋体に対して外側の連通路19と、袋体に対して外側のキャップ8の端面8aとによって形成される凹部に存在する空気が引き抜かれ、凹部に減圧空間が形成される。この減圧空間により、インクの脱気度を保持、促進することができる。また、収納部21に収納されたキャップ8は、収納部21より狭く形成された連通路6の両端部の通路18,19によって、袋体5に対して内側および外側への移動が妨げられている。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクパッケージの包装体に関し、特に、インクパッケージと包袋との間に容易に減圧空間を形成し、インクパッケージの脱気度を保持、促進すると共に、キャップが抜出されるのを防止することができるインクパッケージの包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平11‐129489号公報に開示されているように、インクジェット記録装置に用いられるインクを密閉して構成されるインク袋が知られている。このインク袋の開口周縁には筒状部材が固着されており、その筒状部材内には、インク袋体の外部と内部との連通を遮断する弾性シール材が嵌挿されている。このインク袋は、筒状部材をカートリッジケースの側面から露出するように固定しつつ、カートリッジケースの内部に収納された状態でインクジェット記録装置に装着される。カートリッジケースが装着されると、インクジェット記録装置側のインク供給針によって、筒状部材に嵌挿されている弾性シール材が突き破られる。こうしてインク袋に密封されたインクは、インク供給針に連設するチューブを介して、インクを被記録媒体に吐出する記録ヘッドに供給される。
【0003】
ここで、このインクジェット記録装置に用いられるインクは、原材料を溶解する工程と濾過工程とによって製造されるが、製造したインクをそのままインク袋に充填して使用すると、インク中に溶存している窒素、酸素、炭酸ガス等の各種のガスが記録ヘッド内において気泡を発生させ、記録ヘッドからインク滴を吐出できなくり、印字不良を引き起こす。そのため、インク袋にインクを充填する前にインク中の溶存ガスを減らす脱気処理を行っている。この脱気処理の方法としては、インクを圧力容器中で減圧しながら攪拌する方法や、気体分離膜を用いた脱気装置により脱気する方法などが採用されている。
【0004】
しかし、脱気処理をした脱気インクをインク袋内に密封し、そのインク袋を輸送する場合や、未使用のまま長期間保存する場合には、その間に空気中の酸素等が再びインク中に溶存することになる。
【0005】
また、特開2000−71472号公報の段落0101には、剛性のあるケースの中に多孔質材にインクを含浸させて収容した形式のインクカートリッジを、空気不透過性の樹脂または金属箔あるいはそれらの積層材料でつくられた柔軟な包装袋内に収容し、該包装袋内を減圧することが開示されている。特に、大気連通路と隣接したケース内の位置に空間を設けて、包装袋内を減圧状態としたときに、空間内も同様に減圧状態として、その容積により包装袋内を長期間にわたり減圧状態に維持し、未使用状態でケース内のインクへ空気が侵入するのを防止している。
【0006】
【特許文献1】
特開平11‐129489号公報(図1等)
【特許文献2】
特開2000‐71472号公報(第0101段落)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者公報に記載のもののように、柔軟性を有する袋体にインクを収容したものでは、後者公報に記載のもののように剛性のあるケース内に空間をつくることが困難で、包装内に収容して減圧しても減圧状態を長期にわたって保持することが困難である。
【0008】
本発明は、柔軟性を有する袋体にインクを収容したものにおいて、容易に減圧空間を形成し、インクの脱気度を長期にわたって保持し、また促進することができるインクパッケージの包装体を提供することことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載のインクパッケージの包装体は、柔軟性を有する袋体の内部にインクを密封するインクパッケージと、そのインクパッケージを内包する包袋とを備え、前記インクパッケージを内包した状態で前記包袋の内部を減圧して構成されるインクパッケージの包装体において、前記袋体は、一部に開口部を残すように周縁部同士を固着して形成されており、前記開口部内に挟まれた状態で、前記開口部を形成する前記袋体の周縁部の内面に外周面を固着されるスパウトと、そのスパウトの前記包袋側の外周面に、前記インクパッケージを脱気するために前記袋体側に向けて窪んだ凹部とを備えている。
【0010】
この請求項1記載のインクパッケージの包装体によれば、柔軟性を有する袋体の内部にインクを密封するインクパッケージを内包する包袋の内部を減圧した場合、インクパッケージに固着されているスパウトの包袋側の外周面に、袋体側に向けて凹設された凹部によってインクパッケージを脱気するための減圧空間が形成される。
【0011】
請求項2に記載のインクパッケージの包装体は、請求項1に記載のインクパッケージの包装体において、前記スパウトは、前記袋体よりもガス透過性を有する部材で構成されている。
【0012】
請求項3に記載のインクパッケージの包装体は、請求項1又は2に記載のインクパッケージの包装体において、前記インクパッケージを記録装置に装着した場合に、そのインクパッケージの内部からインクを抽出するインク抽出部材に貫入されるキャップを備えており、前記スパウトには、前記袋体の内部と外部とを連通し、且つ、前記キャップが圧入される連通路が形成されており、前記凹部は、その連通路に前記キャップを、前記スパウトの前記袋体に対して外側となる端部から前記袋体の内側方向に間隔をおいた位置へ圧入し、前記スパウトの外側端部とその端部側の前記キャップの端面との間の前記連通路内に形成されている。
【0013】
請求項4に記載のインクパッケージの包装体は、請求項3に記載のインクパッケージの包装体において、前記連通路の中間部には、前記袋体に対して内側または外側となる両端の通路部分より広く形成され、前記キャップを収納する収納部が構成されている。
【0014】
この請求項4に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項3に記載のインクパッケージの包装体と同様に作用する上、キャップは、連通路の中間部において、袋体に対して内側または外側となる両端の通路部分より広く形成された収納部に収納される。よって、収納部に収納されたキャップは、袋体に対して内側または外側となる両端の通路部分によって、袋体に対して内側または外側への移動が妨げられる。
【0015】
請求項5に記載のインクパッケージの包装体は、請求項3に記載のインクパッケージの包装体において、前記キャップの前記袋体に対し内側または外側となる端部に近接する前記連通路の内面に、前記キャップの端部に当接可能な第1の突設部材が突設されている。
【0016】
この請求項5に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項3に記載のインクパッケージの包装体と同様に作用する上、キャップの袋体に対し内側または外側となる端部に近接する連通路の内面から突設され、キャップの端部に当接可能な第1の突設部材によって、連通路に圧入されたキャップは、キャップの袋体に対し内側または外側へ移動が妨げられる。
【0017】
請求項6に記載のインクパッケージの包装体は、請求項3に記載のインクパッケージの包装体において、前記キャップの前記袋体に対し内側または外側となる端部の外周面には、その中央部の外周面より拡張した拡径部を備え、前記連通路を形成する壁面からは、前記キャップの中央部の外周面を押圧し、且つ、前記拡径部と前記連通路の軸線方向に当接可能な第2の突設部材が突設されている。
【0018】
この請求項6に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項3に記載のインクパッケージの包装体と同様に作用する上、連通路を形成する壁面から突設され、キャップの中央部の外周面を押圧し、且つ、キャップの拡径部と連通路の軸線方向に当接可能な第2の突設部材によって、連通路に圧入されたキャップは、キャップの袋体に対し内側または外側への移動が妨げられる。
【0019】
請求項7に記載のインクパッケージの包装体は、請求項1から6のいずれかに記載のインクパッケージの包装体において、前記インクパッケージは、その幅広面の両側から2つの部材を重合させてなるケース体の内部に収納された状態で前記包袋に内包されている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施例であるインクパッケージの包装体1の斜視図である。図2(a)は、インクパッケージ2とキャップ8とを示す斜視図であり、(b)はインクパッケージ2の正面図であって、スパウト7の溶着部分を示す断面図であり、(c)はインクパッケージ2の側面断面図である。図3は、キャップ8を収納部21に圧入した状態におけるスパウト7の溶着部分を示す拡大断面図である。図4は、インクパッケージ2と包袋4とを示す斜視図である。
【0021】
インクパッケージの包装体1は、インクパッケージ2の脱気度を保持、促進するためのものである。インクパッケージの包装体1は、脱気したインクを密封するインクパッケージ2と、インクパッケージ2を内包する包袋4とを備えており、インクパッケージ2を内包した状態で包袋4の内部を減圧して構成されている。
【0022】
インクパッケージ2は、複数枚のフィルムシートを積層して構成される積層構造を有する2枚のシート材料を、一部に開口部を残すように周縁部同士を溶着して袋状に形成され、その内部に脱気処理された脱気インクを充填する袋体5と、その袋体5の開口部内に挟まれた状態で、開口部を形成する袋体5の周縁部の内面に、その外周面を溶着され、袋体5の内部と外部とを連通させる連通路6を有するスパウト7と、そのスパウト7の連通路6に圧入され、袋体の内部と外部とを遮断するキャップ8とによって構成されている。
【0023】
袋体5を構成するシート材料は、例えば、アルミニウム合金層を中心に、一側に接着層及びナイロン層(外面層)を、他側に接着層,ポリエチレンテレフタラート層、接着層及びポリプロピレン層(内面層)を順に積層して構成されている。このような積層構造を有するシート材料を用いることによって耐久性に優れ、特に、内面層にポリプロピレン層を配置することによって、袋体5の内部に充填されるインクに対する耐インク性に優れ、また、中間層としてアルミニウム合金層を配置することによって、新たな空気が袋体5を透過するのを遮断して、インクの脱気度が劣化するのを防止することができる。
【0024】
スパウト7は筒状に形成され、耐インク性に優れるポリプロピレンを主成分とする材料によって構成されている。即ち、袋体5の内面層を構成するポリプロピレン層と、その主成分を同一とするため、スパウト7の外周面に形成した複数のリブ7aを袋体5の内面に強固に溶着することができる。よって、袋体5とスパウト7との溶着部から袋体5の内部に侵入する新たな空気を遮断して、インクの脱気度が劣化するのを防止することができる。また、スパウト7を貫通する連通路6の両端からそれぞれ所定距離をおいた中間部には、連通路6の両端部の連通路18、19よりも内径を大きく形成され、キャップ8を収納する収納部21が形成されている。
【0025】
キャップ8は、例えばブチルゴムまたはそれに近い材料で構成され、後述するインク抽出針17の抜き刺しによってもインクを密閉する弾性復元力を有している。このキャップ8は、スパウト7の連通路6に圧入されて、連通路6に形成された収納部21に収納される。よって、連通路6の内部には、キャップ8の袋体5に対して外側の連通路19と、キャップ8の袋体5に対して外側のキャップ8の端面8aとによって凹部が形成される。また、キャップ8は、収納部21より狭く形成されている袋体5に対して内側の連通路18と、外側の連通路19とによって、袋体5に対して内側および外側への移動が妨げられている。
【0026】
上述したように構成された袋体5の内部に脱気処理された脱気インクが充填され、スパウト7の連通路6に形成された収納部21にキャップ8が圧入され、袋体5の内部に脱気インクを密閉する。その状態でインクパッケージ2は、インクパッケージ2よりひとまわり大きい袋状に形成された包袋4の内部に収納され、包袋4の内部を真空ポンプ等によって減圧して、インクパッケージの包装体1を構成する。包袋4は、袋体5と同様に空気を透過しない積層構造のシート材料によって構成されている。
【0027】
図5は、図1のインクパッケージの包装体1におけるV−V断面図である。上述のように構成されたインクパッケージの包装体1によれば、インクパッケージ2を内包した状態で包袋4の内部を減圧すると、連通路6の内部において、袋体5に対して外側の連通路19と、袋体5に対して外側のキャップ8の端面8aとによって形成される凹部に存在する空気が引き抜かれ、凹部に減圧空間が形成される。この減圧空間によって、インクパッケージ2の脱気度を維持、促進することができる。特に、スパウト7は、ポリプロピレンで構成され、また、キャップ8はゴム状の材料で構成され、いずれも袋体5に比べてガス透過性を有し、袋体5の内部のガスがスパウト7、キャップ8を介して脱気される。
【0028】
また、収納部21に収納されたキャップ8は、収納部21より狭く形成された外側の連通路19によって、袋体5に対して内側から外側への移動が妨げられてる。よって、包袋4の内部を減圧した場合や、後述するように、インクパッケージ2のインクを抽出するためにキャップ8に突き刺したインク抽出針17(図10参照)をキャップ8から引き抜く場合であっても、キャップ8が連通路6の内側から外側へ抜出されるのを防止することができる。
【0029】
更に、収納部21に収納されたキャップ8は、収納部21より狭く形成された内側の連通路18によって、袋体5に対して外側から内側への移動が妨げられている。よって、インク抽出針17をキャップ8に突き刺した場合であっても、キャップ8が連通路6の外側から内側へ抜出されるのを防止することができる。
【0030】
次に、キャップ8が連通路6から抜出されるのを防止する構造に関する第2実施例を図6を参照して説明する。図6(a)は、図5と対応するものであり、第2実施例に関する図1のインクパッケージの包装体1におけるV−V断面図であり、(b)は、図6(a)におけるVI−VI断面図である。尚、上述した第1実施例と同一部材に関しては、同一符号付して、その説明は省略する。
【0031】
図6に示すように、連通路6には、連通路6に圧入されたキャップ8を中心線方向両側から挟むように、連通路6の外側開口部から所定距離をおいた位置に第1の突設部材22が突設されている。
【0032】
キャップ8は、袋体5に対して外側となる連通路19の内面から突設され、キャップ8の端面8aに当接可能な第1の突設部材22によって、袋体5に対して内側から外側への移動が妨げられている。よって、包袋4の内部を減圧状態した場合や、インク抽出針17をキャップ8から引き抜く場合であっても、連通路6に圧入されたキャップ8が、袋体5に対して内側から外側へ抜出されるのを防止することができる。
【0033】
また、キャップ8は、キャップ8の袋体5に対し内側となる連通路18の内面から突設され、キャップ8の端面8bに当接可能な第1の突設部材22によって、袋体5に対して外側から内側への移動が妨げられている。よって、インク抽出針17をキャップ8に突き刺す場合であっても、連通路6に圧入されたキャップ8が、袋体5に対して外側から内側へ抜出されるのを防止することができる。
【0034】
尚、第2実施例の場合も第1実施例の場合と同様に、キャップ8の袋体5に対し外側となる連通路19の内面から突設された第1の突設部材22は、連通路6の中間部から突設されているので、連通路6の内部には、連通路19と、袋体5に対して外側のキャップ8の端面8aとによって凹部が形成される。この凹部によって容易に減圧空間が形成され、インクパッケージ2の脱気度を維持、促進することができる。
【0035】
次に、キャップ8が連通路6から抜出されるのを防止する構造に関する第3実施例を図7を参照して説明する。図7(a)は、図5と対応するものであり、第3実施例に関する図1のインクパッケージの包装体1におけるV−V断面図であり、(b)は、第3実施例に用いられるキャップ23の斜視図である。尚、上述した第1実施例と同一部材に関しては、同一符号付して、その説明は省略する。
【0036】
図7に示すように、この第3実施例に用いられるキャップ23には、第1,2実施例におけるキャップ8とは異なり、連通路6に圧入された場合に、キャップ23の袋体5に対し内側となる端部の外周面に、その中央部の外周面24より拡張した拡径部25と、キャップ23の袋体5に対し外側となる端部の外周面に、その中央部の外周面24より拡張した拡径部26とが備えられている。また、連通路6を形成する壁面からは、キャップ23の中央部の外周面24を押圧し、且つ、キャップ23の拡径部25,26と連通路6の軸線方向に当接可能な第2の突設部材27が突設されている。
【0037】
キャップ23は、連通路6を形成する壁面から突設された第2の突設部材27によって、中央部の外周面24を押圧されつつ、拡径部25に当接され、袋体5に対して内側から外側への移動が妨げられる。よって、包袋4の内部を減圧状態した場合や、インク抽出針17をキャップ23から引き抜く場合であっても、連通路6に圧入されたキャップ23が、袋体5に対して内側から外側へ抜出されるのを防止することができる。
【0038】
また、キャップ23は、連通路を6形成する壁面から突設された第2の突設部材27によって、中央部の外周面24を押圧されつつ、拡径部26に当接され、袋体5に対して外側から内側への移動が妨げられている。よって、インク抽出針17をキャップ23に突き刺す場合であっても、連通路6に圧入されたキャップ23が、袋体5に対して外側から内側へ抜出されるのを防止することができる。
【0039】
尚、第3実施例の場合も第1実施例の場合と同様に、第2の突起部材27は連通路6の中間の壁面から突設されるので、連通路6の内部において、袋体5に対して外側の連通路19と、袋体5に対して外側のキャップ23の端面23aとによって凹部が形成され、この凹部によって容易に減圧空間が形成され、インクパッケージ2の脱気度を維持、促進することができる。
【0040】
図8は、インクパッケージ2とカートリッジケース12とを示した斜視図である。上述したインクパッケージ2をインクジェット記録に装着する場合には、カートリッジケース12に収納された状態で装着される。カートリッジケース12は、箱状に形成された一対のケース体を、インクパッケージ2の幅広面の両側から重ね合わせ、その内部にインクパッケージ2を収納できるように構成されている。一対のケース体は互いに略同様に構成されており、インクパッケージ2の幅広面を支持する底壁9と、その底壁9の縁部から立設された側壁10と、その側壁10の縁部によって形成される開口部11とによって構成されている。
【0041】
底壁9は、インクパッケージ2の幅広面と略同様な大きさに構成されている。側壁10の一部には、インクパッケージ2に溶着されたスパウト7を固定するための切り欠き部10aが備えられている。スパウト7は、この切り欠き部10aに嵌り込み、スパウト7の連通路6に圧入されたキャップ8は、カートリッジケース12の側壁10から露出している状態になる。
【0042】
上述したカートリッジケース12にインクパッケージ2を収納した状態で、そのカートリッジケース12を包袋4の内部に収納し、その内部を減圧する。かかる場合であっても、上述したのと同様に、スパウト7の連通路6とキャップ8とによって形成される凹部に減圧空間が形成される。また、カートリッジケース12を構成する一対のケース体の接合部に残された隙間からカートリッジケース12内も減圧空間として形成される。この減圧空間によって、インクパッケージ2の脱気度を保持、促進させることができる。また、袋体5はカートリッジケース12に収納されているので、包袋4の内部を減圧するにつれて、インクパッケージ2は包袋4の内面によって強く押圧されるが、その圧力はカートリッジケース12によって吸収され、インクパッケージ2が押し潰されるのを防止することができる。
【0043】
上記のように構成されたインクパッケージの包装体は、包袋4を開封してインクパッケージ2を取り出し、インクパッケージ2をインクジェット記録装置に装着する。袋体5が露出したインクパッケージ2を取り扱ってもよいが、好ましくはカートリケース12にインクパーケージ2を収納したものをインクジェット記録装置にガイド面に沿わせて挿入し、図10に示すように、キャップ8にインク抽出針17を突き刺してチューブ等の供給路18をとおってインクジェットヘッドにインクを供給する。
【0044】
以上説明したように、インクパッケージの包装体1によって、インクパッケージ2を輸送する場合や、未使用のまま長期間保存する場合にも、インクパッケージ2の脱気度を維持、促進できる。よって、インク中に発生する気泡によって印字不良を引き起こすことを抑制でき、好適な印字状態を維持することができる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1に記載のインクパッケージの包装体によれば、柔軟性を有する袋体の内部にインクを密封するインクパッケージを内包する包袋の内部を減圧した場合、インクパッケージに固着されているスパウトの包袋側の外周面に、袋体側に向けて凹設された凹部によってインクパッケージを脱気するための減圧空間が形成される。よって、インクパッケージの脱気度を保持、促進させることができるという効果がある。
【0046】
請求項2に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、スパウトは、袋体よりもガス透過性を有する部材で構成されているので、スパウトを通してインク中の溶存ガスが効率良く脱気され、一層効率よく、インクパッケージの脱気度を保持、促進させることができるという効果がある。
【0047】
請求項3に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1又は2に記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、キャップは、スパウトの袋体に対して外側となる端部から袋体の内側方向に間隔をおいた位置へ圧入され、凹部は、スパウトの外側端部とその端部側のキャップの端面との間の連通路内に形成される。よって、インクパッケージに対して、凹部を形成するための新たな構成を加える必要はなく、従来よりインクパッケージを構成する袋体に固着されているスパウトと、そのスパウトに圧入されるキャップとによって、凹部を形成することができるという効果がある。
【0048】
請求項4に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項3に記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、キャップは、連通路の中間部において、袋体に対して内側または外側となる両端の通路部分より広く形成された収納部に収納される。よって、収納部に収納されたキャップは、袋体に対して内側または外側となる両端の通路部分によって、袋体に対して内側または外側への移動が妨げられる。従って、包袋の内部を減圧する場合やキャップに突き刺したインク抽出部材を引き抜く場合に、連通路に圧入されたキャップに対して、袋体の内側から外側へ加わる圧力によって、キャップが袋体の内側から外側へ抜出されるのを防止することができる。また、インク抽出部材をキャップに突き刺す場合に、キャップに対して袋体の外側から内側へ加わる圧力によって、キャップが袋体の外側から内側へ抜出されるのを防止することができるという効果がある。
【0049】
請求項5に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項3に記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、キャップの袋体に対し内側または外側となる端部に近接する連通路の内面から突設されたキャップの端部に当接可能な第1の突設部材によって、連通路に圧入されたキャップは、キャップの袋体に対し内側または外側への移動が妨げられる。よって、包袋の内部を減圧する場合やキャップに突き刺したインク抽出部材を引き抜く場合に、キャップに対して、袋体の内側から外側へ加わる圧力によって、キャップが袋体の内側から外側へ抜出されるのを防止することができる。また、キャップにインク抽出部材を突き刺す場合に、キャップに対して袋体の外側から内側へ加わる圧力によって、キャップが袋体の外側から内側へ抜出されるのを防止することができるという効果がある。
【0050】
請求項6に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項3に記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、連通路を形成する壁面から突設され、キャップの中央部の外周面を押圧し、且つ、キャップの拡径部と連通路の軸線方向に当接可能な第2の突設部材によって、連通路に圧入されたキャップは、キャップの袋体に対し内側または外側への移動が妨げられる。よって、包袋の内部を減圧する場合やキャップに突き刺したインク抽出部材を引き抜く場合に、キャップに対して、袋体の内側から外側へ加わる圧力によって、キャップが袋体の内側から外側へ抜出されるのを防止することができる。また、キャップにインク抽出部材を突き刺す場合に、キャップに対して袋体の外側から内側へ加わる圧力によって、キャップが袋体の外側から内側へ抜出されるのを防止することができるという効果がある。
【0051】
請求項7に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1から6のいずれかに記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、インクパッケージは、その幅広面の両側から2つの部材を重合させてなるケース体の内部に収納された状態で包袋に内包されている。よって、減圧する際にインクパッケージに加わる圧力をケース体によって吸収することができる。従って、包袋を減圧することによってインクパッケージが押し潰されるのを防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるインクパッケージの包装体図である。
【図2】(a)はインクパッケージとキャップとを示す斜視図であり、(b)はインクパッケージの正面図であって、スパウトの溶着部分を示す断面図であり、(c)はインクパッケージの側面断面図である。
【図3】キャップが圧入された状態におけるスパウトの溶着部分を示す拡大断面図である。
【図4】インクパッケージと包袋とを示す斜視図である。
【図5】図1のインクパッケージの包装体1におけるV−V断面図である。
【図6】(a)は、図5と対応するものであり、第2実施例に関する図1のインクパッケージの包装体におけるV−V断面図であり、(b)は、図6(a)におけるVI−VI断面図である。
【図7】(a)は、図5と対応するものであり、第3実施例に関する図1のインクパッケージの包装体におけるV−V断面図であり、(b)は、第3実施例に用いられるキャップの斜視図である。
【図8】インクパッケージとカートリッジケースとを示した斜視図である。
【図9】(a)は、インクパッケージを収納したカートリッジケースを示した斜視図であり、(b)は、そのカートリッジケースを包袋の内部に収納したインクパッケージの包袋体を示す斜視図である。
【図10】カートリッジケースとインク抽出針とを示す拡大図である。
【符号の説明】
1 インクパッケージの包装体
2 インクパッケージ
4 包袋
5 袋体
6 連通路
7 スパウト
8,23 キャップ
12 カートリッジケース(ケース体)
17 インク抽出針(インク抽出部材)
21 収納部
22 第1の突設部材
25,26 拡径部
27 第2の突設部材
Claims (7)
- 柔軟性を有する袋体の内部にインクを密封するインクパッケージと、そのインクパッケージを内包する包袋とを備え、前記インクパッケージを内包した状態で前記包袋の内部を減圧して構成されるインクパッケージの包装体において、
前記袋体は、一部に開口部を残すように周縁部同士を固着して形成されており、前記開口部内に挟まれた状態で、前記開口部を形成する前記袋体の周縁部の内面に外周面を固着されるスパウトと、
そのスパウトの前記包袋側の外周面に、前記インクパッケージを脱気するために前記袋体側に向けて窪んだ凹部とを備えていることを特徴とするインクパッケージの包装体。 - 前記スパウトは、前記袋体よりもガス透過性を有する部材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクパッケージの包装体。
- 前記インクパッケージを記録装置に装着した場合に、そのインクパッケージの内部からインクを抽出するインク抽出部材に貫入されるキャップを備えており、
前記スパウトには、前記袋体の内部と外部とを連通し、且つ、前記キャップが圧入される連通路が形成されており、
前記凹部は、その連通路に前記キャップを、前記スパウトの前記袋体に対して外側となる端部から前記袋体の内側方向に間隔をおいた位置へ圧入し、前記スパウトの外側端部とその端部側の前記キャップの端面との間の前記連通路内に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクパッケージの包袋体。 - 前記連通路の中間部には、前記袋体に対して内側または外側となる両端の通路部分より広く形成され、前記キャップを収納する収納部が構成されていることを特徴とする請求項3に記載のインクパッケージの包装体。
- 前記キャップの前記袋体に対し内側または外側となる端部に近接する前記連通路の内面に、前記キャップの端部に当接可能な第1の突設部材が突設されていることを特徴とする請求項3に記載のインクパッケージの包装体。
- 前記キャップの前記袋体に対し内側または外側となる端部の外周面には、その中央部の外周面より拡張した拡径部を備え、前記連通路を形成する壁面からは、前記キャップの中央部の外周面を押圧し、且つ、前記拡径部と前記連通路の軸線方向に当接可能な第2の突設部材が突設されていることを特徴とする請求項3に記載のインクパッケージの包装体。
- 前記インクパッケージは、その幅広面の両側から2つの部材を重合させてなるケース体の内部に収納された状態で前記包袋に内包されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインクパッケージの包装体。
Priority Applications (1)
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JP2002295324A JP2004131099A (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | インクパッケージの包装体 |
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- 2002-10-08 JP JP2002295324A patent/JP2004131099A/ja active Pending
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